(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5950004
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】長尺物の表面をラインセンサカメラを用いて検査する装置における照明装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20160630BHJP
【FI】
G01N21/84 E
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-143663(P2015-143663)
(22)【出願日】2015年7月21日
(62)【分割の表示】特願2009-292965(P2009-292965)の分割
【原出願日】2009年12月24日
(65)【公開番号】特開2015-215358(P2015-215358A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2015年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】506032473
【氏名又は名称】株式会社アイテックシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】特許業務法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】海老原 聡
(72)【発明者】
【氏名】原 崇
【審査官】
森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−301023(JP,A)
【文献】
特開平2−110356(JP,A)
【文献】
実開平6−2861(JP,U)
【文献】
特開2003−202294(JP,A)
【文献】
特開2003−157710(JP,A)
【文献】
特開2002−221491(JP,A)
【文献】
特開2008−2836(JP,A)
【文献】
特開平7−234187(JP,A)
【文献】
特開2008−209202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に並設された複数の光源と、各光源の並設方向に延在するように設けられ、各光源からの光を主に各光源の並設方向と直交する方向に集光する光源側集光レンズとを備え、各光源の光が前記光源側集光レンズを通過して所定の照射位置に線状または帯状に照射される、長尺物の表面をラインセンサカメラを用いて検査する装置における照明装置において、
前記光源側集光レンズと前記所定の照射位置との間に設けられ、光源側集光レンズを通過した光のうち各光源の並設方向における所定の照射角度範囲外の光を前記所定の照射位置に照射されないように遮る遮光手段と、
前記遮光手段と前記所定の照射位置との間に該遮光手段を通過した光を各光源の並設方向と直交する方向に集光する照射位置側集光レンズとを備え、
前記遮光手段はそれぞれ所定の受入角を有する複数の光ファイバーから構成し、
前記所定の照射角度を該所定の受入角とするとともに、該所定の受入角を15°以下とし、
前記複数の光ファイバーの光の入射側である一端が各光源の並設方向に並び、かつ、光源側集光レンズを通過した光の集光位置に並設されるように構成するとともに、光源側集光レンズを通過した光のうち前記受入角内の光が各光ファイバーの一端から光ファイバー内に入り、各光ファイバーの光の出射側である他端から出た光が前記照射位置側集光レンズを通過して前記所定の照射位置に照射されるように構成した
ことを特徴とする長尺物の表面をラインセンサカメラを用いて検査する装置における照明装置。
【請求項2】
所定方向に並設された複数の光源と、各光源の並設方向に延在するように設けられ、各光源からの光を主に各光源の並設方向と直交する方向に集光する光源側集光レンズとを備え、各光源の光が前記光源側集光レンズを通過して所定の照射位置に線状または帯状に照射される、長尺物の表面をラインセンサカメラを用いて検査する装置における照明装置において、
前記光源側集光レンズと前記所定の照射位置との間に設けられ、光源側集光レンズを通過した光のうち各光源の並設方向における所定の照射角度範囲外の光を前記所定の照射位置に照射されないように遮る遮光手段と、
前記各光源と前記光源側集光レンズとの間に各光源からの光を各光源の並設方向に集光する並行方向集光レンズとを備え、
前記遮光手段はそれぞれ所定の受入角を有する複数の光ファイバーから構成し、
前記所定の照射角度を該所定の受入角とするとともに、該所定の受入角を15°以下とし、
前記複数の光ファイバーの光の入射側である一端が各光源の並設方向に並び、かつ、光源側集光レンズを通過した光の集光位置に並設されるように構成するとともに、光源側集光レンズを通過した光のうち前記受入角内の光が各光ファイバーの一端から光ファイバー内に入り、各光ファイバーの光の出射側である他端から出た光が前記所定の照射位置に照射されるように構成した
ことを特徴とする長尺物の表面をラインセンサカメラを用いて検査する装置における照明装置。
【請求項3】
所定方向に並設された複数の光源と、各光源の並設方向に延在するように設けられ、各光源からの光を主に各光源の並設方向と直交する方向に集光する光源側集光レンズとを備え、各光源の光が前記光源側集光レンズを通過して所定の照射位置に線状または帯状に照射される、長尺物の表面をラインセンサカメラを用いて検査する装置における照明装置において、
前記光源側集光レンズと前記所定の照射位置との間に設けられ、光源側集光レンズを通過した光のうち各光源の並設方向における所定の照射角度範囲外の光を前記所定の照射位置に照射されないように遮る遮光手段と、
前記遮光手段と前記所定の照射位置との間に該遮光手段を通過した光を各光源の並設方向と直交する方向に集光する照射位置側集光レンズと、
前記各光源と前記光源側集光レンズとの間に各光源からの光を各光源の並設方向に集光する並行方向集光レンズとを備え、
前記遮光手段はそれぞれ所定の受入角を有する複数の光ファイバーから構成し、
前記所定の照射角度を該所定の受入角とするとともに、該所定の受入角を15°以下とし、
前記複数の光ファイバーの光の入射側である一端が各光源の並設方向に並び、かつ、光源側集光レンズを通過した光の集光位置に並設されるように構成するとともに、光源側集光レンズを通過した光のうち前記受入角内の光が各光ファイバーの一端から光ファイバー内に入り、各光ファイバーの光の出射側である他端から出た光が前記照射位置側集光レンズを通過して前記所定の照射位置に照射されるように構成した
ことを特徴とする長尺物の表面をラインセンサカメラを用いて検査する装置における照明装置。
【請求項4】
前記照明位置側集光レンズはロッドレンズ、シリンドリカルレンズ又はリニアフレネルレンズの何れかからなる
ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の長尺物の表面をラインセンサカメラを用いて検査する装置における照明装置。
【請求項5】
前記並行方向集光レンズは各光源のピッチと同一のピッチを有するレンチキュウラーレンズからなる
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の長尺物の表面をラインセンサカメラを用いて検査する装置における照明装置。
【請求項6】
前記各光ファイバーの一端の位置と他端の位置とが各光源の並設方向に互いにずれるように、各光ファイバーが一端と他端の間で互いに交錯するように構成した
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の長尺物の表面をラインセンサカメラを用いて検査する装置における照明装置。
【請求項7】
前記各光ファイバーの他端側を、ファイバー軸方向が前記所定の照射位置に対して各光源の並設方向に所定の角度だけ傾斜するように配置した
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の長尺物の表面をラインセンサカメラを用いて検査する装置における照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば紙、鋼板等の帯状部材を成形する工程において、コンベアによって長手方向に移動する長尺物の表面を検査するラインセンサカメラ用の照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の照明装置としては、所定方向に並設された複数の光源と、各光源の並設方向に延在するように設けられ、各光源からの光を主に各光源の並設方向と直交する方向に集光するロッドレンズとを備え、長尺帯状の検査対象物の上方に配置されるとともに、各光源の光がロッドレンズを通過して検査対象物の所定の位置に線状または帯状に照射されるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−225591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記照明装置では、
図10に示すように、各光源100からの光がロッドレンズ110によって各光源100の並設方向と直交する方向に集光されるので、検査対象物Wの前記所定の位置Lの照度を効率的に上げることができ、前記所定の位置ARをラインセンサカメラ120で撮像して検査対象物Wの表面の傷の有無を正確に検査する上で有利である。
【0005】
一方、
図10に示すように、検査対象物W上には各光源100の並設方向に細長く延びる傷K1や各光源100の並設方向と直交する方向に細長く延びる傷K2が発生し得る。ここで、
図11に示すように、各光源100の並設方向に細長く延びる傷K1にロッドレンズ110を通過した光が照射される場合、各光源100の光はロッドレンズ110によって各光源100の並設方向と直交する方向に集光されるので、傷K1内に陰となる範囲SAが発生し、ラインセンサカメラ120によって傷K1の有無を検知することが可能である。これに対し、
図12に示すように、各光源100の光はロッドレンズ110によって各光源100の並設方向には集光されないので、例えば各光源100が各光源100の並設方向における所定の角度範囲α(中心からの角度範囲)に光を照射するように構成されている場合は、ロッドレンズ110を通過した光も前記角度範囲α内で様々な方向に向かって進み、各光源100の並設方向と直交する方向に細長く延びる傷K2内に陰となる範囲が生じ難く、ラインセンサカメラ120によって傷K2の有無の検知精度を向上することが難しいという問題点があった。
【0006】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、検査対象物上に形成されるとともに各光源の並設方向と直交する方向に細長く延びる傷の検知精度を向上することのできる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記目的を達成するために、所定方向に並設された複数の光源と、各光源の並設方向に延在するように設けられ、各光源からの光を主に各光源の並設方向と直交する方向に集光する光源側集光レンズとを備え、各光源の光が前記光源側集光レンズを通過して所定の照射位置に線状または帯状に照射される、長尺物の表面をラインセンサカメラを用いて検査する装置における照明装置において、前記光源側集光レンズと前記所定の照射位置との間に設けられ、光源側集光レンズを通過した光のうち各光源の並設方向における所定の照射角度範囲外の光を前記所定の照射位置に照射されないように遮る遮光手段と、前記遮光手段と前記所定の照射位置との間に該遮光手段を通過した光を各光源の並設方向と直交する方向に集光する照射位置側集光レンズとを備え、前記遮光手段はそれぞれ所定の受入角を有する複数の光ファイバーから構成し、前記所定の照射角度を該所定の受入角とするとともに、該所定の受入角を15°以下とし、前記複数の光ファイバーの光の入射側である一端が各光源の並設方向に並び、かつ、光源側集光レンズを通過した光の集光位置に並設されるように構成するとともに、光源側集光レンズを通過した光のうち前記受入角内の光が各光ファイバーの一端から光ファイバー内に入り、各光ファイバーの光の出射側である他端から出た光が前記照射位置側集光レンズを通過して前記所定の照射位置に照射されるように構成している。
【0008】
これにより、光源側集光レンズを通過した光のうち各光源の並設方向における所定の照射角度範囲外の光が遮光手段によって遮られる。ここで、光ファイバーの受入角が照射角度範囲の15°に設定されているため、各光源が中央から略50°の光照射範囲に大部分の光を照射するように構成されている場合であっても、光源側集光レンズを通過した光が各光源の並設方向に光源の光照射範囲と同等の角度範囲内の様々な方向に向かって進む場合でも、所定の照射角度範囲である15°の範囲以外の光が遮光手段によって遮られ、所定の照射位置には照射角度範囲である15°内の光だけが照射される。また、遮光手段を通過した光は、照射位置側集光レンズにより光源並設方向と直交する方向に集光されるため、照射位置に照射される光は照射位置側集光レンズにより集光され光の広がりが更に小さくなる。
【0009】
なお、照射位置側集光レンズに代えて、各光源と光源側集光レンズとの間に各光源からの光を各光源の並設方向に集光する並行方向集光レンズとを備えるようにしても良いし(請求項2)、また、照射位置側集光レンズと並行方向集光レンズの両者を備えるようにしても良い(請求項3)。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遮光手段によって所定の照射角度範囲である15°の範囲以外の光が遮られ、所定の照射位置には所定の照射角度範囲である15°内の光だけが照射される。このため、検査対象物上に各光源の並設方向と直交する方向に細長く延びる傷があり、検査対象物上に遮光手段を通過した光が照射される場合に、検査対象物との相対的な配置角度によってその傷内に影となる範囲を確実に発生させることができるので、検査対象物上に形成されるとともに各光源の並設方向と直交する方向に細長く延びる傷の検知精度を向上する上で極めて有利である。
【0011】
また、請求項1の発明によれば、上記効果に加え、遮光手段を通過した光が照射位置側集光レンズにより集光され、傷の検知精度が更に向上する。
【0012】
また、請求項2の発明によれば、上記効果に加え、並行方向集光レンズにより各光源から照射された光が各光源の並設方向に集光されるため、傷の検知精度が更に向上する。
【0013】
更に、請求項3の発明によれば、照射位置側集光レンズ及び並行方向集光レンズの両者の集光効果が発揮され、傷の検知精度は更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本発明の前提技術となる照明装置の正面断面図
【
図3】本発明の前提技術となる照明装置の要部正面断面図
【
図4】本発明の前提技術となる照明装置の側面断面図
【
図5】本発明の前提技術となる光ファイバーの斜視図
【
図8】本発明の前提技術となる照明装置の要部正面断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の前提技術となる照明装置を
図1乃至
図6を参照しながら説明する。
【0016】
この照明装置は、
図1に示すようにX方向に延びるように形成された略箱状の照明装置本体1と、X方向に並設された光源としての複数のLED2と、各LED2の並設方向に延在するように設けられた光源側集光レンズとしての第1レンズ10及び第2レンズ20と、複数の光ファイバー30とを備えており、例えば製造工程において鋼板等の長尺帯状の検査対象物Wが長手方向に搬送されるコンベアの上方に検査対象物Wの幅方向(
図1におけるX方向)に延在するように設けられ、検査対象物Wの上面の所定の照射位置ARに線状または帯状に光を照射するように構成されている。尚、以下の説明において水平方向は
図1のX方向及びY方向が含まれる面とし、上下方向はX方向及びY方向に直交する方向とする。
【0017】
各LED2は周知の砲弾型のLEDから成るが、周知のチップ型のLEDや他のタイプのLEDを用いることも可能である。各LED2は互いにX方向に等間隔をおいて配置され、それぞれ照明装置本体1内に固定されている。
【0018】
第1レンズ10は各LED2の並設方向に延在するように設けられた周知のシリンドリカルレンズから成り、
図1及び
図4に示すように上面が平面状に形成され、下面が凸状に形成されている。
【0019】
第2レンズ20は各LED2の並設方向に延在するように設けられたシリンドリカルレンズであり、
図1及び
図4に示すように上面及び下面が凸状に形成されている。
【0020】
各光ファイバー30は例えば直径0.25mmで長さが20mmの周知の光ファイバーから成り、各光ファイバー30は所定の受入角θ1(θ1=15°)を有する。受入角θ1は、
図5に示すように、光ファイバー30の中心軸に対する角度であり、光ファイバー30内に光が入射可能な最大の角度である。また、
図2乃至
図4に示すように、各光ファイバー30の上端及び下端は上下方向に延びるように配置され、各光ファイバー30の上端及び下端は例えば所定の幅WD(WD=0.5mm〜1mm)内、且つ、検査対象物Wの幅寸法と略同等の範囲に亘って互いに接するように並設されている。また、各光ファイバー30の上端及び下端はそれぞれエポキシ樹脂等から成る上部固定ブロック31及び下部固定ブロック32によって固定されている。また、各光ファイバー30の上端のX方向位置と下端のX方向位置とが互いにずれるように、各光ファイバー30は上部固定ブロック31と下部固定ブロック32との間で互いに交錯している。上部固定ブロック31と下部固定ブロック32とは例えばエポキシ樹脂等から成る中間ブロック33を介して互いに固定されている。
【0021】
以上のように構成された照明装置において、各LED2によって第1レンズ10の各LED2側の面に光が照射されると、光は第1レンズ10内を通過するとともに、第1レンズ10の各LED2と反対側の面から第2レンズ20に向かって出る。ここで、第1レンズ10の各LED2と反対側の面は凸状に形成されているので、各LED2からの光がY方向に集光される。また、第1レンズ10を通過した光は第2レンズ20の各LED2側の面に照射され、光は第2レンズ20内を通過するとともに、第2レンズ20の各LED2と反対側の面から各光ファイバー30の上端に向かって出る。ここで、第1レンズ10の各LED2側の面は凸状に形成され、各LED2と反対側の面も凸状に形成されているので、第1レンズ10からの光がY方向に集光される。尚、各光ファイバー30の上端が配置された範囲に第2レンズ20からの光が集光されるように構成することが好ましい。
【0022】
また、各光ファイバー30の上端に照射された光は、受入角θ1以内の光が各光ファイバー30の上端から各光ファイバー30内に入り、各光ファイバー30の下端から出た光が検査対象物Wの上面の所定の照射位置ARに照射される。また、各光ファイバー30の下端から出る光の角度θ2も受入角θ1とほぼ等しくなる傾向がある。
【0023】
ここで、例えば各LED2が
図6に示すような指向特性を有する場合、つまり、中央部から略20°の光照射範囲内の照射量が最も照射量の多い中央部の光の照射量の90%以上となり、中央部から略40°の光照射範囲内の照射量が最も照射量の多い中央部の光の照射量の70%以上となり、また、中央部から略50°の範囲に大部分の光を照射する指向特性を有する場合、
図2及び
図3に示すように、各LED2からの光は各レンズ10,20によってX方向に集光されないので、各光ファイバー30の上端には様々な角度から光が照射される。ここで、各光ファイバー30は所定の受入角θ1を有しているので、様々な角度から照射される光のうち受入角θ1内の光だけが各光ファイバー30内に入り、受入角θ1とほぼ等しい角度θ2の範囲内で各光ファイバー30の他端から光が出る。また、各LED2からの光は各レンズ10,20によってY方向に集光されるので、集光された光の角度が各光ファイバー30の受入角θ1内であれば、各レンズ10,20によってY方向に集光された光の大部分が各光ファイバー30内に入り、受入角θ1とほぼ等しい角度θ2の範囲内で各光ファイバー30の他端から光が出る。即ち、検査対象物Wの上面には受入角θ1とほぼ等しい角度θ2の範囲内の光だけが照射されることになる。
【0024】
このように、各レンズ10,20を通過した光のうち各LED2の並設方向における所定の照射角度(受入角θ1と等しい15°)の範囲外の光が各光ファイバー30に入らず、換言すれば、所定の照射角度範囲外の光が各光ファイバー30によって遮られるので、各LED2が中央から略50°の光照射範囲に大部分の光を照射するように構成されており、各レンズ10,20を通過した光が各LED2の並設方向にLEDの光照射範囲と同等の角度範囲内の様々な方向に向かって進む場合でも、所定の照射角度範囲である15°の範囲以外の光が各光ファイバー30によって遮られ、検査対象物Wの上面の所定の照射位置ARに所定の照射角度範囲である15°内の光だけが照射される。このため、
図1に示すように検査対象物W上に各LED2の並設方向と直交する方向に細長く延びる傷K2があり、検査対象物W上に各光ファイバー30を通過した光が照射される場合に、照明装置と検査対象物Wとの相対的な配置角度によってその傷K2内に影となる範囲を確実に発生させることができるので、検査対象物W上に形成されるとともに各LED2の並設方向と直交する方向に細長く延びる傷K2の検知精度を向上する上で極めて有利である。
【0025】
また、各レンズ10,20を通過した段階では、例えば各LED2の真下の部分の照度が最も高くなるとともに、隣り合う2つのLED2の中央に対応する部分の照度が最も低くなり、その状態で検査対象物Wの上面の所定の照射位置ARに光が照射されると、所定の照射位置ARに照度のむらが発生する場合がある。これに対し、この照明装置は、各光ファイバー30の上端の位置と下端の位置とが各LED2の並設方向に互いにずれるように、各光ファイバー30が上端と下端との間で互いに交錯するように構成されているので、各光ファイバー30によって照度の高い位置と低い位置とが混合され、所定の照射位置ARの照度のむらを防止することができる。
【0026】
尚、この照明装置の説明では、全ての光ファイバー30の上端の位置と下端の位置とが各LED2の並設方向に互いにずれるように構成したものを示したが、各光ファイバー30のうち50%以上の光ファイバー30の上端の位置と下端の位置とが各LED2の並設方向に互いにずれるように構成されていれば、各光ファイバー30によって照度の高い位置と低い位置とが混合され、所定の照射位置ARの照度のむらを防止することができる。
【0027】
また、この照明装置の説明では、各光ファイバー30が20mmの長さを有するものを示したが、各光ファイバー30として数mmから数mの長さのものを使用することが可能である。
【0028】
以上説明した照明装置では、各光ファイバー30を通過した光が検査対象物W上に直接照射されるように構成されている。
【0029】
これに対して、本発明に係る照明装置の第1実施形態では、
図7に示すように、各光ファイバー30と照射位置ARとの間には、各光ファイバー30の下端から出た光をY方向(各LED2の並設方向と直交する方向)に集光する円柱状のロッドレンズ35(照射位置側集光レンズ)を設けている。第1実施形態によれば、検査対象物W上に照射される光のY方向への光の広がりをより小さくすることができる。また、ロッドレンズ35の代わりに単一または複数のシリンドリカルレンズやリニアフレネルレンズを設けることも可能である。
【0030】
尚、第1実施形態では、光源側集光レンズとして2つのシリンドリカルレンズである第1及び第2レンズ10,20を用いるものを示した。これに対し、各レンズ10,20を設けずに光源側集光レンズとして単一または複数の円柱形状のロッドレンズやリニアフレネルレンズを設けることも可能である。
【0031】
尚、照明装置の前提技術として、検査対象物Wの上面に対して各光ファイバー30の下端側のファイバー軸方向が各LED2の並設方向に傾いていないものを示した。
【0032】
これに対し、
図8に示すように、各光ファイバー30の下端側のファイバー軸方向を前記所定の照射位置ARに対して各LED2の並設方向に所定の角度θ3だけ傾けることも可能である。この場合、
図8に示すように、光ファイバー30からの光の光軸が検査対象物Wの上面に対して各LED2の並設方向に角度θ3だけ傾くことになるので、検査対象物W上に各LED2の並設方向と直交する方向に細長く延びる傷K2がある場合に、傷K2内に影となる範囲をより確実に発生させることができ、傷K2の検知精度を向上する上でより有利である。
【0033】
尚、
図8のように各光ファイバー30の下端側及び各遮光板40を傾ける場合、その角度θ3及び角度θ4は5°以上であることが好ましく、10°以上であることがより好ましい。また、角度θ3及び角度θ4は60°以下であることが好ましい。出願人はこれらの適した角度を経験により見出したが、他の角度であっても前述と同様の作用効果を達成可能である。
【0034】
また、各光ファイバー30が照明装置本体1の外側に配置されているものを示したが、各光ファイバー30を照明装置本体1内に設けることも可能である。
【0035】
図9は第2実施形態を示すものである。
図9に示すように、各LED2と第1レンズ10との間に各LED2からの光をX方向に集光するための並設方向集光レンズ50を設けている。この場合、並設方向集光レンズ50は各LED2のピッチと同一のピッチを有するレンチキュラーレンズである。これにより、各LED2からの光をX方向にも集光することができるので、各LED2からの光を有効に利用することができ、高効率化及び高出力化を図る上で好ましい。尚、レンチキュラーレンズの代わりに各LED2の下方に複数の円板状の凸レンズを設けることも可能である。
【符号の説明】
【0036】
1…照明装置本体、2…LED、10…第1レンズ、20…第2レンズ、30…光ファイバー、35…ロッドレンズ、50…並設方向集光レンズ、θ1…受入角、θ2…光の角度、AR…所定の照射位置、K1…傷、K2…傷、W…検査対象物。