特許第5950111号(P5950111)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5950111
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】バッテリ温度調節装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/06 20060101AFI20160630BHJP
   B60H 1/00 20060101ALI20160630BHJP
   B60K 1/04 20060101ALI20160630BHJP
   B60L 3/00 20060101ALI20160630BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20160630BHJP
【FI】
   B60K11/06
   B60H1/00 102J
   B60K1/04 Z
   B60L3/00 S
   B60L11/18 Z
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-204829(P2012-204829)
(22)【出願日】2012年9月18日
(65)【公開番号】特開2014-58254(P2014-58254A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100059959
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】福庭 一志
(72)【発明者】
【氏名】畠山 未来
(72)【発明者】
【氏名】若山 敬平
【審査官】 田合 弘幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−331024(JP,A)
【文献】 特開2010−036723(JP,A)
【文献】 特開2002−313440(JP,A)
【文献】 特開平05−262144(JP,A)
【文献】 特開平08−040088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/00−15/10
B60K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を圧送するブロアファンと、このブロアファンから圧送された空気を車室内に向けて吹き出す吹出口が形成されたエアコンダクトと、を備える車室用エアコンユニットを使用して、動力源として車両に搭載されたバッテリの温度調節を行うバッテリ温度調節装置であって、
上記エアコンダクトと上記バッテリの設置領域とを連通させるように配設され、上記ブロアファンから圧送された空気を上記バッテリの設置領域に導入する導入ダクトと、
上記バッテリの設置領域に配置され、上記導入ダクトから空気を吸引して上記バッテリの周辺に送風するバッテリファンと、
上記ブロアファンと上記バッテリファンとを制御するファン制御手段であって、上記バッテリファンを動作させている場合、上記ブロアファンも動作させる上記ファン制御手段と、を有し、
上記ファン制御手段は、上記バッテリの急速充電が行われている場合、上記ブロアファンを所定の低出力にて動作させる、
ことを特徴とするバッテリ温度調節装置。
【請求項2】
空気を圧送するブロアファンと、このブロアファンから圧送された空気を車室内に向けて吹き出す吹出口が形成されたエアコンダクトと、を備え、上記車室の前方に配置された車室用エアコンユニットを使用して、動力源として車両の車室フロアに搭載されたバッテリの温度調節を行うバッテリ温度調節装置であって、
上記エアコンダクトと上記バッテリの設置領域とを連通させるように配設され、上記ブロアファンから圧送された空気を上記バッテリの設置領域に導入する導入ダクトと、
上記バッテリの設置領域に配置され、上記導入ダクトから空気を吸引して上記バッテリの周辺に送風するバッテリファンと、
上記ブロアファンと上記バッテリファンとを制御するファン制御手段であって、上記バッテリファンを動作させている場合、上記ブロアファンも動作させる上記ファン制御手段と、を有し、
上記エアコンダクトに、複数の上記吹出口として、上記ブロアファンから圧送された空気を上記車室内の乗員の上半身に向けて吹き出すベントと、上記ブロアファンから圧送された空気を上記車室内の乗員の足元に向けて吹き出すヒートとが形成され、
上記車室用エアコンユニットが、上記エアコンダクト内に配置され、上記ベント及び上記ヒートからの空気の吹出量を調整するモードドアを備える場合において、
上記導入ダクトは、上記モードドアと上記ヒートとの間にて上記エアコンダクトに接続され、
上記ファン制御手段は、上記バッテリファンを作動させて上記バッテリの温度調節を行うときに上記ヒートから空気が吹き出さないように上記モードドアが設定されている場合、上記ヒートから空気が吹き出すように上記モードドアの設定を変更する、
ことを特徴とするバッテリ温度調節装置。
【請求項3】
上記エアコンダクトに、複数の上記吹出口として、上記ブロアファンから圧送された空気を上記車両のフロントウィンドウに向けて吹き出すデフロスタと、上記ブロアファンから圧送された空気を上記車室内の乗員に向けて吹き出す車室吹出口とが形成され、
上記車室用エアコンユニットが、上記エアコンダクト内に配置され、上記デフロスタ及び上記車室吹出口からの空気の吹出量を調整するモードドアを備える場合において、
上記ファン制御手段は、上記デフロスタからのみ空気が吹き出すように上記モードドアが設定されている場合、上記バッテリファンを停止させる、請求項1又は2に記載のバッテリ温度調節装置。
【請求項4】
上記バッテリが、上記車両の車室フロアの下側において車両の前後方向に沿って配置された前側バッテリと後側バッテリとを備えている場合において、
上記バッテリファンは、上記前側バッテリと後側バッテリとの間に配置される、請求項1乃至のいずれか1項に記載のバッテリ温度調節装置。
【請求項5】
上記バッテリが、上記車両の車室フロアの下側に配置され、
上記車室用エアコンユニットが、上記車室の前方に配置されている場合において、
上記導入ダクトは、上記車室用エアコンユニットから上記車両の前列シートの下方まで配設され且つ上記前列シートの下方において上記車室フロアの下側に延びるように形成されている、請求項1乃至のいずれか1項に記載のバッテリ温度調節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ温度調節装置に係わり、特に、動力源として車両に搭載されたバッテリの温度調節を行うバッテリ温度調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気自動車やハイブリッド自動車等、バッテリから電気モータに電力を供給し、この電気モータにより車輪を駆動する車両が知られている。
バッテリは、主にその内部抵抗と通電電流により、充電時及び放電時に発熱し、温度が上昇する。バッテリの温度が過度に上昇するとバッテリの寿命が短くなってしまうため、充電時や放電時には、バッテリ温度が適当な温度以下(例えば60℃以下)となるようにバッテリを冷却する必要がある。
また、電気自動車やハイブリッド自動車の駆動用バッテリとして使用されるリチウムイオンバッテリは、温度が低いときに急速充電するとバッテリの寿命が短くなるという特性を有しているため、状況に応じてバッテリ温度が適当な温度以上(例えば0℃以上)となるようにバッテリを保温する必要がある。
このように、電気自動車やハイブリッド自動車に搭載されたバッテリの性能を維持するためには、バッテリの温度を適切な範囲内に調節する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、車両用エアコンシステムを使用してバッテリを冷却するための制御装置が開示されている。この特許文献1の車両用エアコンシステムは、車室内用エアコンユニットと、車載の走行用電池を冷却する電池冷却ユニットと、車室内用エアコンユニット及び電池冷却ユニットに冷媒を供給する冷媒循環回路とを備えており、冷媒循環回路には、車室内用エアコンユニットへの冷媒供給を遮断可能な電磁弁が設けられている。そして、制御装置は、車室内用エアコンユニット及び電池冷却ユニットが共に作動しているときに、電池温度が上限温度以上に上昇した場合、電磁弁を閉鎖する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−30663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したような電気自動車やハイブリッド自動車の開発において、コスト削減や信頼性の観点から可能な限り既存の車両の構成を流用したいという要求がある。
しかしながら、上述した特許文献1の制御装置では、従来の車両用エアコンシステムに、電池冷却ユニットに冷媒を供給する冷媒循環回路を追加し、さらに、車室内用エアコンユニットへの冷媒供給を遮断可能な電磁弁を設ける必要があり、部品点数の増加やコストの増大を招く可能性がある。
【0006】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、コストの増大を抑制しつつ、車室用エアコンユニットを使用してバッテリの温度調節を行うことができるバッテリ温度調節装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために本発明によれば、空気を圧送するブロアファンと、このブロアファンから圧送された空気を車室内に向けて吹き出す吹出口が形成されたエアコンダクトと、を備える車室用エアコンユニットを使用して、動力源として車両に搭載されたバッテリの温度調節を行うバッテリ温度調節装置であって、エアコンダクトとバッテリの設置領域とを連通させるように配設され、ブロアファンから圧送された空気をバッテリの設置領域に導入する導入ダクトと、バッテリの設置領域に配置され、導入ダクトから空気を吸引してバッテリの周辺に送風するバッテリファンと、ブロアファンとバッテリファンとを制御するファン制御手段であって、バッテリファンを動作させている場合、ブロアファンも動作させるファン制御手段と、を有し、ファン制御手段は、バッテリの急速充電が行われている場合、上記ブロアファンを所定の低出力にて動作させることを特徴とする。
このように構成された本発明においては、既存の車室用エアコンユニットの構成に簡易な変更を加えるだけで、車室用エアコンユニットを使用してバッテリの温度調節を行うことができ、コストの増大を抑制することができる。
特に、バッテリファンを動作させると共にブロアファンも動作させることにより、導入ダクトを介してエアコンダクトから空気が吸引される場合においてもエアコンダクト内を正圧に保持できる。従って、ヒート等の吹出口からエアコンダクトに車室内の空気が逆流することを防止でき、エアコンダクトへの異物混入に起因する車室用エアコンユニットの不具合を防止することができる。
また、バッテリファンが導入ダクトを介してエアコンダクトから吸引する空気の流量を可能な限り大きくすることができ、バッテリの冷却効率を最大限に高めることができる。
【0008】
また、本発明によれば、空気を圧送するブロアファンと、このブロアファンから圧送された空気を車室内に向けて吹き出す吹出口が形成されたエアコンダクトと、を備え、上記車室の前方に配置された車室用エアコンユニットを使用して、動力源として車両の車室フロアに搭載されたバッテリの温度調節を行うバッテリ温度調節装置であって、エアコンダクトとバッテリの設置領域とを連通させるように配設され、ブロアファンから圧送された空気をバッテリの設置領域に導入する導入ダクトと、バッテリの設置領域に配置され、導入ダクトから空気を吸引してバッテリの周辺に送風するバッテリファンと、ブロアファンとバッテリファンとを制御するファン制御手段であって、バッテリファンを動作させている場合、ブロアファンも動作させるファン制御手段と、を有し、エアコンダクトに、複数の吹出口として、ブロアファンから圧送された空気を車室内の乗員の上半身に向けて吹き出すベントと、ブロアファンから圧送された空気を車室内の乗員の足元に向けて吹き出すヒートとが形成され、車室用エアコンユニットが、エアコンダクト内に配置され、ベント及びヒートからの空気の吹出量を調整するモードドアを備える場合において、導入ダクトは、モードドアとヒートとの間にてエアコンダクトに接続され、ファン制御手段は、バッテリファンを作動させてバッテリの温度調節を行うときにヒートから空気が吹き出さないようにモードドアが設定されている場合、ヒートから空気が吹き出すようにモードドアの設定を変更することを特徴とする。
このように構成された本発明においては、既存の車室用エアコンユニットの構成に簡易な変更を加えるだけで、車室用エアコンユニットを使用してバッテリの温度調節を行うことができ、コストの増大を抑制することができる。
特に、バッテリファンを動作させると共にブロアファンも動作させることにより、導入ダクトを介してエアコンダクトから空気が吸引される場合においてもエアコンダクト内を正圧に保持できる。従って、ヒート等の吹出口からエアコンダクトに車室内の空気が逆流することを防止でき、エアコンダクトへの異物混入に起因する車室用エアコンユニットの不具合を防止することができる。
また、バッテリファンが導入ダクトを介してエアコンダクトから空気を吸引する流路を確保することができ、確実にバッテリの温度調節を行うことができる
【0009】
また、本発明において、好ましくは、エアコンダクトに、複数の上記吹出口として、ブロアファンから圧送された空気を車両のフロントウィンドウに向けて吹き出すデフロスタと、ブロアファンから圧送された空気を車室内の乗員に向けて吹き出す車室吹出口とが形成され、車室用エアコンユニットが、エアコンダクト内に配置され、デフロスタ及び車室吹出口からの空気の吹出量を調整するモードドアを備える場合において、ファン制御手段は、デフロスタからのみ空気が吹き出すようにモードドアが設定されている場合、バッテリファンを停止させる。
このように構成された本発明においては、フロントウィンドウに曇りが生じていることが想定される場合、運転者の視界の確保を優先することができる。
【0011】
また、本発明において、好ましくは、バッテリが、車両の車室フロアの下側において車両の前後方向に沿って配置された前側バッテリと後側バッテリとを備えている場合において、バッテリファンは、前側バッテリと後側バッテリとの間に配置される。
このように構成された本発明においては、バッテリファンから前側バッテリ及び後側バッテリに同程度の温度の空気を送風することができるので、前側バッテリと後側バッテリとを均等に温度調節することができる。
【0012】
また、本発明において、好ましくは、バッテリが、車両の車室フロアの下側に配置されている場合において、車室用エアコンユニットが、車室の前方に配置されている場合において、導入ダクトは、車室用エアコンユニットから車両の前列シートの下方まで配設され且つ前列シートの下方において車室フロアの下側に延びるように形成されている。
このように構成された本発明においては、ブロアファンから圧送された空気を後列シートの乗員の足元まで導くための既存のダクトを導入ダクトとして流用することができ、コストの増大を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によるバッテリ温度調節装置によれば、コストの増大を抑制しつつ、車室用エアコンユニットを使用してバッテリの温度調節を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態によるバッテリ温度調節装置を搭載する車両の全体構造を示す概略平面図である。
図2】本発明の実施形態によるバッテリ温度調節装置の斜視図である。
図3】本発明の実施形態によるバッテリ温度調節装置のブロック図である。
図4】バッテリ温度調節処理のフローチャートである。
図5図4に続くバッテリ温度調節処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるバッテリ温度調節装置を説明する。
まず、図1により、本発明の実施形態によるバッテリ温度調節装置を搭載する車両について説明する。図1は、本発明の実施形態によるバッテリ温度調節装置を搭載する車両の全体構造を示す概略平面図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態によるバッテリ温度調節装置を搭載する車両1は、動力源としてバッテリを搭載する電気自動車である。この車両1の車室フロアの下方における車体中央部には、前後方向に延びる左右一対のフロアサイドフレーム2a、2bが設けられている。また、左側フロアサイドフレーム2aの更に左側に、前後方向に延びる左側サイドシル4aが形成され、右側フロアサイドフレーム2bの更に右側に、前後方向に延びる右側サイドシル4bが形成されている。
【0017】
また、車両1の車体前部(車室の前方)にあるモータルーム6の車幅方向両側には、左右一対のフロントサイドフレーム8a、8bが、左右のフロアサイドフレーム2a、2bの前端から前方に延びるように設けられている。更に、モータルーム6の前後においてこれらの左右一対のフロントサイドフレーム8a、8bを連結するように、車幅方向に沿って前後一対のフロントクロスメンバ10a、10bが設けられている。
【0018】
また、車両1の車体後部(即ち車室の後方)の車幅方向両側には、左右一対のリアサイドフレーム12a、12bが、サイドシル4a、4bの後端から後方に延びるように設けられている。更に、これらの左右一対のリアサイドフレーム12a、12bを連結するように、車幅方向に沿ってリアクロスメンバ14が設けられている。
【0019】
また、モータルーム6において、左右一対のフロントサイドフレーム8a、8bの間に且つ前後一対のフロントクロスメンバ10a、10bの間に、駆動輪16(図1の例では左右の前輪)を駆動するモータユニット18が搭載されている。
【0020】
更に、車体の中央部から後部にかけて、バッテリを設置する設置領域となるバッテリ搭載フレーム20が設けられている。バッテリ搭載フレーム20は、左右のフロアサイドフレーム2a、2bの間を前後方向に延びる前側搭載部20aと、この前側搭載部20aの後端において車幅方向両側に延びる後側搭載部20bとを有しており、これらの前側搭載部20aと後側搭載部20bとによって、平面視がほぼT字状となるように形成されている。
バッテリ22は、車室フロアの下方において、このバッテリ搭載フレーム20上に搭載される。バッテリ22は、前側搭載部20aに搭載される前側バッテリ22aと、後側搭載部20bに搭載される後側バッテリ22bとを備えている。
更に、バッテリ搭載フレーム20上において、前側バッテリ22aと後側バッテリ22bとの間にバッテリファン24が設置される。また、前側バッテリ22aの後端の上方において、車室フロアを貫通する空気導入孔26が形成されている。
【0021】
次に、図2により、本発明の実施形態によるバッテリ温度調節装置の構成を説明する。図2は、本発明の実施形態によるバッテリ温度調節装置の斜視図である。
【0022】
図2に示すように、バッテリ温度調節装置28を搭載する車両1は、車室の前方のダッシュボード30に取り付けられた車室用エアコンユニット32を有する。この車室用エアコンユニット32は、空気を圧送するブロアファン34を内蔵すると共に、ブロアファン34から圧送された空気を車室内に向けて吹き出す吹出口36が形成されたエアコンダクト38を備える。
エアコンダクト38には、複数の吹出口36として、空気を車両1のフロントウィンドウに向けて吹き出すデフロスタ36aと、空気を車室内の乗員の上半身に向けて吹き出すベント36bと、空気を車室内の乗員の足元に向けて吹き出すヒート36cとが形成されている。
また、これらのデフロスタ36a、ベント36b、及びヒート36cからの空気の吹出量を調整するモードドアが、エアコンダクト38の内部においてブロアファン34と吹出口36との間に配置されている。
更に、車室用エアコンユニット32を操作するための操作スイッチ40が、ダッシュボード30上に配置される。
ブロアファン34から圧送された空気は、エアコンダクト38内に設置されたエアフィルタを通過し、更に、冷房時にはエアコンダクト38内のエバポレータによって冷却され、暖房時にはエアコンダクト38内のPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータによって過熱され、モードドアの位置に応じて、デフロスタ36a、ベント36b、及び/又はヒート36cから吹き出す。
【0023】
また、ブロアファン34から圧送された空気をバッテリ22の設置領域に導入する導入ダクト42が、エアコンダクト38とバッテリ22の設置領域とを連通させるように配設される。具体的には、導入ダクト42は、モードドアとヒート36cとの間にてエアコンダクト38に接続されており、車室用エアコンユニット32から車両1の前列シートの下方まで配設され且つ前列シートの下方において車室フロアに形成された空気導入孔26に接続されている。これにより、ブロアファン34から圧送された空気が、導入ダクト42から空気導入孔26を介してバッテリ22の設置領域に導入される。
【0024】
次に、図3により、本発明の実施形態によるバッテリ温度調節装置28の電気的構成を説明する。図3は、本発明の実施形態によるバッテリ温度調節装置28のブロック図である。
【0025】
図3に示すように、車両1は、車室用エアコンユニット32の制御を行うエアコン制御部44を有する。このエアコン制御部44は、CAN46(Controller Area Network)を介して車室用エアコンユニット32及び操作スイッチ40と接続されている。空気の吹き出しモード、風量、目標温度等を設定するための操作に対応する信号が、操作スイッチ40からエアコン制御部44に入力されると、エアコン制御部44は、操作スイッチ40から入力されたこれらの信号に基づき、車室用エアコンユニット32のブロアファン34やモードドア48の制御を行う。
また、エアコン制御部44には、外気の温度を検出する外気温センサ50、及び車室内の温度を検出する車室温センサ52が接続されており、これらの外気温センサ50及び車室温センサ52から出力された検出信号に基づき、車室用エアコンユニット32の制御を行う。
【0026】
バッテリ温度調節装置28は、バッテリファン24及び導入ダクト42に加えて、ブロアファン34及びバッテリファン24を制御するファン制御部54を有する。このファン制御部54は、CAN46を介してエアコン制御部44及びバッテリ制御部56に接続されていると共に、ハードワイヤ58を介して、バッテリファン24の駆動モータを制御するモータ制御部60に接続されている。
エアコン制御部44は、空気の吹き出しモード、ブロアファン34の動作状態、冷房用コンプレッサ及び暖房用PTCヒータ62の動作状態、並びに外気温等のデータをファン制御部54に出力する。また、バッテリ制御部56は、バッテリ22の温度、出力電流、出力電圧、バッテリ22への充電経路(普通充電用のソケット又は急速充電用のソケットの何れを経由しているか)等をバッテリ22から取得し、これらの取得したデータをファン制御部54に出力する。
ファン制御部54は、エアコン制御部44及びバッテリ制御部56から取得したこれらのデータに基づき、バッテリファン24の駆動モータを制御するための信号をモータ制御部60に出力し、モータ制御部60によってバッテリファン24の駆動モータを制御させる。
【0027】
次に、図4及び図5により、バッテリ温度調節装置28が行うバッテリ温度調節処理について説明する。
図4はバッテリ温度調節処理のフローチャートであり、図5図4に続くバッテリ温度調節処理のフローチャートである。このバッテリ温度調節処理は、車両1のイグニッションがオンにされ、あるいはバッテリ22の充電が開始されることによって、バッテリ温度調節装置28に電源が投入された場合に起動され、繰り返し実行される。
【0028】
図4に示すように、バッテリ温度調節処理が開始されると、ステップS1において、ファン制御部54は、バッテリ22に急速充電が行われているか否かを判定する。ここで、例えば、ファン制御部54は、急速充電用のソケットに充電プラグが差し込まれている場合に急速充電が行われていると判定し、普通充電用のソケットに充電プラグが差し込まれている場合には急速充電が行われていないと判定する。
【0029】
急速充電が行われている場合、バッテリ22における通電電流が大きいことに伴ってバッテリ22の発熱量も大きいことから、バッテリ22の冷却が必要となる。そこで、ステップS2に進み、ファン制御部54は、バッテリ22の冷却効率を向上させるため、エアコン制御部44によって冷房をONにする。
【0030】
次に、ステップS3において、ファン制御部54は、エアコン制御部44により、ヒート36cから空気が吹き出すようにモードドア48の位置を設定させる。この場合、エアコン制御部44は、デフロスタ36a及びヒート36cから空気が吹き出す「ヒート」モード、あるいはベント36b及びヒート36cから空気が吹き出す「バイレベル」モードに対応する位置にモードドア48を移動させる。
【0031】
次に、ステップS4において、ファン制御部54は、バッテリファン24をONにする。即ち、ファン制御部54は、モータ制御部60によってバッテリファン24の駆動モータを動作させる。この時、ファン制御部54は、バッテリ22の冷却効率を向上させるため、バッテリファン24の回転数を最大値に設定する。
さらに、ステップS5において、ファン制御部54は、エアコン制御部44により、車室用エアコンユニット32のブロアファン34をONにさせると共に、所定の低出力(本実施形態においては動作可能な最小回転数)にてブロアファン34を動作させる。
このように、バッテリファン24を動作させると共にブロアファン34も動作させることにより、バッテリファン24によって導入ダクト42を介してエアコンダクト38から空気が吸引される場合においてもエアコンダクト38内を正圧に保持できる。従って、ヒート36c等の吹出口36からエアコンダクト38に車室内の空気が逆流することを防止でき、エアコンダクト38への異物混入に起因する車室用エアコンユニット32の不具合(例えばPTCヒータ62に付着した異物の発火等)を防止することができる。
【0032】
ブロアファン34からエアコンダクト38を介して導入ダクト42に流入した空気は、バッテリファン24に吸引されることにより、導入ダクト42から空気導入孔26を介してバッテリ22の設置領域に流入する。バッテリ22の設置領域に流入した空気の一部は前側バッテリ22aの周囲を流動することによって前側バッテリ22aを冷却する。また、バッテリ22の設置領域に導入された空気の他の一部は、バッテリファン24を介して後側バッテリ22bの周囲に送出され、後側バッテリ22bを冷却する。
【0033】
また、ステップS1において、バッテリ22に急速充電が行われていない場合、ステップS6に進み、ファン制御部54は、バッテリ制御部56から出力されたバッテリ22の温度データに基づき、バッテリ22の温度がT1以上か否かを判定する。T1は、車室内の快適性を損なわない範囲においてバッテリ22を冷却する必要があるか否かの基準となる温度であり、例えば50℃である。
【0034】
バッテリ22の温度がT1以上である場合、ステップS7に進み、ファン制御部54は、バッテリ制御部56から出力されたバッテリ22の温度データに基づき、バッテリ22の温度がT2未満か否かを判定する。T2は、車室内の快適性に関わらず確実にバッテリ22を冷却する必要があるか否かの基準となる温度であり、T1より高い温度、例えば55℃である。
【0035】
バッテリ22の温度がT2未満ではない(T2以上である)場合、ステップS8に進み、ファン制御部54は、バッテリ22の冷却効率を向上させるため、エアコン制御部44によって冷房をONにする。
【0036】
次に、ステップS9において、ファン制御部54は、エアコン制御部44から取得したブロアファン34の動作状態を示すデータに基づき、ブロアファン34が動作しているか否かを判定する。ブロアファン34が動作していない場合、ステップS10に進み、ファン制御部54は、エアコン制御部44により、車室用エアコンユニット32のブロアファン34をONにさせると共に、動作可能な最小回転数にてブロアファン34を動作させる。
【0037】
ステップS9において、ブロアファン34が動作している場合、又はステップS10の後、ステップS11において、ファン制御部54は、エアコン制御部44により、ベント36b及びヒート36cから空気が吹き出す「バイレベル」モードに対応する位置にモードドア48を移動させる。
次に、ステップS12において、ファン制御部54は、モータ制御部60により、バッテリファン24をONにする。
【0038】
また、ステップS7において、バッテリ22の温度がT2未満である場合、ステップS13に進み、ファン制御部54は、エアコン制御部44から取得したブロアファン34の動作状態を示すデータに基づき、ブロアファン34が動作しているか否かを判定する。
ブロアファン34が動作している場合、ステップS14に進み、ファン制御部54は、エアコン制御部44から取得した空気の吹き出しモードを示すデータに基づき、モードドア48がデフロスタ36aからのみ空気が吹き出す「デフロスタ」モードに対応する位置に設定されているか否かを判定する。
モードドア48が「デフロスタ」モードに対応する位置に設定されていない場合、ステップS15に進み、ファン制御部54は、エアコン制御部44により、ヒート36cから空気が吹き出すようにモードドア48の位置を設定させる。この場合、エアコン制御部44は、「ヒート」モード、あるいは「バイレベル」モードに対応する位置にモードドア48を移動させる。
次に、ステップS16において、ファン制御部54は、モータ制御部60により、バッテリファン24をONにする。
【0039】
また、ステップS13においてブロアファン34が動作していない場合、バッテリ22の冷却よりも車室内の環境の維持を優先するため、ステップS17に進み、ファン制御部54は、モータ制御部60により、バッテリファン24をOFFにする。即ち、ファン制御部54は、モータ制御部60によってバッテリファン24の駆動モータを停止させる。
また、ステップS14においてモードドア48が「デフロスタ」モードに対応する位置に設定されている場合、フロントウィンドウに曇りが生じていることが想定されることから、運転者の視界の確保を優先するため、ステップS17に進み、ファン制御部54は、モータ制御部60により、バッテリファン24をOFFにする。
【0040】
また、ステップS6において、バッテリ22の温度がT1以上ではない(T1未満である)場合、図5のステップS18に進み、ファン制御部54は、バッテリ制御部56から出力されたバッテリ22の温度データに基づき、バッテリ22の温度がT3未満か否かを判定する。T3は、バッテリ22を暖機する必要があるか否かの基準となる温度であり、例えば0℃である。
【0041】
バッテリ22の温度がT3未満ではない(T3以上である)場合、バッテリ22の温度は適当な範囲内にある。従って、ステップS19に進み、ファン制御部54は、モータ制御部60によりバッテリファン24をOFFにする。
【0042】
一方、ステップS18において、バッテリ22の温度がT3未満である場合、ステップS20に進み、ファン制御部54は、エアコン制御部44から取得した暖房用PTCヒータ62の動作状態を示すデータに基づき、暖房が開始された後所定時間が経過したか否かを判定する。この所定時間は、車室内の温度が暖房によって十分上昇するのに必要な時間であり、例えば15分である。
【0043】
暖房が開始された後所定時間が経過した場合、ステップS21に進み、ファン制御部54は、エアコン制御部44から取得した外気温データに基づき、外気温がT4以上か否かを判定する。T4は、車室内の快適性を損なわない範囲においてバッテリ22を冷却する必要があるか否かの基準となる温度であり、例えば−8℃である。
【0044】
外気温がT4以上である場合、ステップS22に進み、ファン制御部54は、エアコン制御部44から取得したブロアファン34の動作状態を示すデータに基づき、ブロアファン34が動作しているか否かを判定する。
ブロアファン34が動作している場合、ステップS23に進み、ファン制御部54は、エアコン制御部44から取得した空気の吹き出しモードを示すデータに基づき、モードドア48が「デフロスタ」モードに対応する位置に設定されているか否かを判定する。
モードドア48が「デフロスタ」モードに対応する位置に設定されていない場合、ステップS24に進み、ファン制御部54は、エアコン制御部44により、ヒート36cから空気が吹き出すようにモードドア48の位置を設定させる。この場合、エアコン制御部44は、「ヒート」モード、あるいは「バイレベル」モードに対応する位置にモードドア48を移動させる。
次に、ステップS25において、ファン制御部54は、モータ制御部60により、バッテリファン24をONにする。上述したように、ステップS20において、暖房が開始された後所定時間が経過しており、車室内の温度が十分上昇していると考えられる。そこで、ファン制御部54は、バッテリ22の暖機を優先するため、バッテリファン24の回転数を最大値に設定する。
【0045】
また、ステップS21において外気温がT4以上ではない(T4未満である)場合、車室内の暖房に与える影響を低減するため、ステップS19に進み、ファン制御部54は、モータ制御部60により、バッテリファン24をOFFにする。
また、ステップS22においてブロアファン34が動作していない場合、バッテリ22の暖機によって車室内の温度が必要以上に上昇しないようにするため、ステップS19に進み、ファン制御部54は、モータ制御部60により、バッテリファン24をOFFにする。
また、ステップS23においてモードドア48が「デフロスタ」モードに対応する位置に設定されている場合、フロントウィンドウに曇りが生じていることが想定されることから、運転者の視界の確保を優先するため、ステップS19に進み、ファン制御部54は、モータ制御部60により、バッテリファン24をOFFにする。
【0046】
また、ステップS20において、暖房が開始された後所定時間が経過していない場合、ステップS26に進み、ファン制御部54は、エアコン制御部44から取得した外気温データに基づき、外気温がT5以上か否かを判定する。T5は、車室内の快適性を損なわない範囲においてバッテリ22を冷却する必要があるか否かの基準となる温度であり、T4より高い温度、例えば−3℃である。
【0047】
外気温がT5以上である場合、ステップS27に進み、ファン制御部54は、エアコン制御部44から取得したブロアファン34の動作状態を示すデータに基づき、ブロアファン34が動作しているか否かを判定する。
ブロアファン34が動作している場合、ステップS28に進み、ファン制御部54は、エアコン制御部44から取得した空気の吹き出しモードを示すデータに基づき、モードドア48が「デフロスタ」モードに対応する位置に設定されているか否かを判定する。
モードドア48が「デフロスタ」モードに対応する位置に設定されていない場合、ステップS29に進み、ファン制御部54は、エアコン制御部44により、ヒート36cから空気が吹き出すようにモードドア48の位置を設定させる。この場合、エアコン制御部44は、「ヒート」モード、あるいは「バイレベル」モードに対応する位置にモードドア48を移動させる。
次に、ステップS30において、ファン制御部54は、モータ制御部60により、バッテリファン24をONにする。上述したように、ステップS20において、暖房が開始された後所定時間が経過していないため、車室内の温度が十分上昇していない可能性がある。そこで、ファン制御部54は、車室内の暖房に与える影響を低減するため、バッテリファン24の回転数を最小値に設定する。
【0048】
また、ステップS26において外気温がT5以上ではない(T5未満である)場合、車室内の暖房に与える影響を低減するため、ステップS31に進み、ファン制御部54は、モータ制御部60により、バッテリファン24をOFFにする。
また、ステップS27においてブロアファン34が動作していない場合、バッテリ22の暖機によって車室内の温度が必要以上に上昇しないようにするため、ステップS31に進み、ファン制御部54は、モータ制御部60により、バッテリファン24をOFFにする。
また、ステップS28においてモードドア48が「デフロスタ」モードに対応する位置に設定されている場合、フロントウィンドウに曇りが生じていることが想定されることから、運転者の視界の確保を優先するため、ステップS31に進み、ファン制御部54は、モータ制御部60により、バッテリファン24をOFFにする。
【0049】
次に、上述した本発明の実施形態によるバッテリ温度調節装置28の効果を説明する。
【0050】
まず、バッテリ温度調節装置28は、エアコンダクト38とバッテリ22の設置領域とを連通させるように配設され、車室用エアコンユニット32のブロアファン34から圧送された空気をバッテリ22の設置領域に導入する導入ダクト42と、バッテリ22の設置領域に配置され、導入ダクト42から空気を吸引してバッテリ22の周辺に送風するバッテリファン24と、ブロアファン34とバッテリファン24とを制御するファン制御部54であって、バッテリファン24を動作させている場合、ブロアファン34も動作させるファン制御部54と、を有するので、既存の車室用エアコンユニット32の構成に簡易な変更を加えるだけで、車室用エアコンユニット32を使用してバッテリ22の温度調節を行うことができ、コストの増大を抑制することができる。
特に、バッテリファン24を動作させると共にブロアファン34も動作させることにより、導入ダクト42を介してエアコンダクト38から空気が吸引される場合においてもエアコンダクト38内を正圧に保持できる。従って、ヒート36c等の吹出口36からエアコンダクト38に車室内の空気が逆流することを防止でき、エアコンダクト38への異物混入に起因する車室用エアコンユニット32の不具合を防止することができる。
【0051】
また、ファン制御部54は、バッテリ22の急速充電が行われている場合、ブロアファン34を所定の低出力にて動作させるので、バッテリファン24が導入ダクト42を介してエアコンダクト38から吸引する空気の流量を可能な限り大きくすることができ、バッテリ22の冷却効率を最大限に高めることができる。
【0052】
さらに、ファン制御部54は、デフロスタ36aからのみ空気が吹き出すようにモードドア48が設定されている場合、バッテリファン24を停止させるので、フロントウィンドウに曇りが生じていることが想定される場合、運転者の視界の確保を優先することができる。
【0053】
また、導入ダクト42は、モードドア48とヒート36cとの間にてエアコンダクト38に接続され、ファン制御部54は、ヒート36cから空気が吹き出さないようにモードドア48が設定されている場合、ヒート36cから空気が吹き出すようにモードドア48の設定を変更するので、バッテリファン24が導入ダクト42を介してエアコンダクト38から空気を吸引する流路を確保することができ、確実にバッテリ22の温度調節を行うことができる。
【0054】
また、バッテリファン24は、前側バッテリ22aと後側バッテリ22bとの間に配置されるので、バッテリファン24から前側バッテリ22a及び後側バッテリ22bに同程度の温度の空気を送風することができ、前側バッテリ22aと後側バッテリ22bとを均等に温度調節することができる。
【0055】
また、導入ダクト42は、車室前方に配置された車室用エアコンユニット32から車両1の前列シートの下方まで配設され且つ前列シートの下方において車室フロアの下側に延びるように形成されているので、ブロアファン34から圧送された空気を後列シートの乗員の足元まで導くための既存のダクトを導入ダクト42として流用することができ、コストの増大を抑制することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 車両
2a、2b フロアサイドフレーム
4a、4b サイドシル
6 モータルーム
8a、8b フロントサイドフレーム
10a、10b フロントクロスメンバ
12a、12b リアサイドフレーム
14 リアクロスメンバ
16 駆動輪
18 モータユニット
20 バッテリ搭載フレーム
20a 前側搭載部
20b 後側搭載部
22 バッテリ
22a 前側バッテリ
22b 後側バッテリ
24 バッテリファン
26 空気導入孔
28 バッテリ温度調節装置
30 ダッシュボード
32 車室用エアコンユニット
34 ブロアファン
36 吹出口
36a デフロスタ
36b ベント
36c ヒート
38 エアコンダクト
40 操作スイッチ
42 導入ダクト
44 エアコン制御部
46 CAN
48 モードドア
50 外気温センサ
52 車室温センサ
54 ファン制御部
56 バッテリ制御部
58 ハードワイヤ
60 モータ制御部
62 PTCヒータ
図1
図2
図3
図4
図5