特許第5950247号(P5950247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5950247
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】空気圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 41/02 20060101AFI20160630BHJP
   F04B 41/00 20060101ALI20160630BHJP
【FI】
   F04B41/02 A
   F04B41/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-14786(P2012-14786)
(22)【出願日】2012年1月27日
(65)【公開番号】特開2013-155620(P2013-155620A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2014年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094983
【弁理士】
【氏名又は名称】北澤 一浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095946
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100099829
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 朗子
(74)【代理人】
【識別番号】100135356
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】三浦 政広
(72)【発明者】
【氏名】北川 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】横田 伴義
(72)【発明者】
【氏名】松永 健一
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−283046(JP,A)
【文献】 特開2008−111417(JP,A)
【文献】 特開2007−040287(JP,A)
【文献】 特開2006−226254(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0104836(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0175276(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 41/02
F04B 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気を生成する圧縮部と、
該圧縮部の下方に配置され、生成された該圧縮空気を貯留するタンクと、
該圧縮部の動作を制御し、該タンクの側部に配置される制御回路部と、
外部電源に接続されて該圧縮部を駆動する電力を供給する電源コードと、を備え、
該タンクの下部には、床面に接地する接地部が設けられ、
該制御回路部の下部には、該床面に近接する近接部が設けられ、
該近接部と該タンクとの間に該電源コードを巻き付ける巻き付け部が形成されていることを特徴とする空気圧縮機。
【請求項2】
該制御回路部の下方を覆うアンダーカバーが装着され、該近接部は該アンダーカバーに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機。
【請求項3】
該電源コードは、該制御回路部に接続されると共に、該制御回路部の側面において反タンク側かつ、該制御回路部の下部から延出されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気圧縮機。
【請求項4】
圧縮空気を生成する圧縮部と、
該圧縮部の下方に配置され、生成された該圧縮空気を貯留するタンクと、
該圧縮部の動作を制御し、該タンクの側部に配置される制御回路部と、
該圧縮部及び該制御回路部を覆うハウジングと、
外部電源に接続されて該圧縮部を駆動する電力を供給する電源コードと、
該タンクの下部に設けられ、床面に接地する接地部と、
該制御回路部の下部に設けられ、該床面に近接する近接部と、を備え、
該近接部は、該タンクから該制御回路部に向かう方向において該タンクから最も離れた位置で下方に突出するように構成され、
該近接部と該タンクとの間には、下部溝が形成され、
該ハウジングには、該下部溝に繋がるハウジング溝が形成され、
該電源コードは、該下部溝及びハウジング溝内に巻き取られるように構成されていることを特徴とする空気圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気を動力源とする工具等に圧縮空気を供給するための空気圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮空気を動力源とするエア式の釘打ち機等に圧縮空気を供給するための空気圧縮機が知られている。空気圧縮機は、2つのタンクと、モータと、圧縮機構とを備えており、また、ハウジングがモータ及び圧縮機構を覆っている。圧縮機構は、クランク軸とシリンダとピストンとシリンダヘッドとを有している。
【0003】
空気圧縮機においては、モータの回転を、クランク軸を介してシリンダ内のピストンの往復運動に変換し、ピストンの往復運動によって、シリンダとシリンダヘッドの間に設けられた弁座の吸気口から空気を吸入し、シリンダ内で当該空気を圧縮する。圧縮空気は弁座の排気口からパイプを通してタンク内に貯留される。
【0004】
2つのタンクは、その軸方向が平行な位置関係で配置されており、2つのタンク間にモータの駆動を制御するための制御回路が配置されている。またモータは、2つのタンクの上方に配置されており、その出力軸がタンクの軸方向に平行な位置関係をなしている。また、モータの出力軸と同軸的且つ一体的に回転するようにファンが設けられており、ファンは、タンクの軸方向における一端近傍であって、2つのタンクの略上方に配置されている。ファンが回転することにより、2つのタンク間に空気が流れ、モータの駆動により発熱する制御回路を冷却することができるように構成されている。このような空気圧縮機は、例えば、特開2006−188954号公報(特許文献1)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−188954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
空気圧縮機は作業現場において作業者が持って運搬するため、コンパクト化及び軽量化が求められている。一方で、空気圧縮機を作業現場に設置した後は、容易に転倒しないことが求められる。本発明は、コンパクト化及び軽量化が図られており、かつ転倒を防止した空気圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、圧縮空気を生成する圧縮部と、該圧縮部の下方に配置され、生成された該圧縮空気を貯留するタンクと、該圧縮部の動作を制御し、該タンクの側部に配置される制御回路部と、外部電源に接続されて該圧縮部を駆動する電力を供給する電源コードと、を備え、該タンクの下部には、床面に接地する接地部が設けられ、該制御回路部の下部には、該床面に近接する近接部が設けられている空気圧縮機を提供する。
【0008】
このような構成によると、空気圧縮機が制御回路部側に転倒しようとしても、近接部が床面に当接して転倒を防止することができる。
【0009】
上記構成の空気圧縮機において、該制御回路部の下方を覆うアンダーカバーが装着され、該近接部は該アンダーカバーに配置されていることが好ましい。
【0010】
このような構成によると、既存の構成であるアンダーカバーに近接部を設けるため、構成部品の増加を招くこと無く、近接部を設けることができる。
【0011】
また該電源コードは、該制御回路部に接続されると共に、該制御回路部の側面において反タンク側かつ、該制御回路部の下部から延出されていることが好ましい。
【0012】
このような構成によると、電源コードが引っ張られたとしても、空気圧縮機に制御回路部側へと転倒するような力が加えられ難くなり、空気圧縮機の転倒を防止できる。
【0013】
また該近接部と該タンクとの間に該電源コードを巻き付ける巻き付け部が形成されていることが好ましい。
【0014】
また該圧縮部及び該制御回路部を覆うハウジングを更に有し、該近接部は、該タンクから該制御回路部に向かう方向において該タンクから最も離れた位置で下方に突出するように構成され、該近接部と該タンクとの間には、下部溝が形成され、該ハウジングには、該下部溝に繋がるハウジング溝が形成され、該電源コードは、該下部溝及びハウジング溝内に巻き取られるように構成されていることが好ましい。
【0015】
このような構成によると、近接部を用いて電源コードを好適に巻き取ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の空気圧縮機によれば、コンパクト化及び軽量化が図られており、かつ転倒を防止した空気圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態にかかる空気圧縮機の平面図(ハウジング透過)。
図2】本発明の実施の形態にかかる空気圧縮機の左側面図(ハウジング透過)。
図3】本発明の実施の形態にかかる空気圧縮機の正面図(ハウジング透過)。
図4】本発明の実施の形態にかかる空気圧縮機においてタンク部の平面図。
図5】本発明の実施の形態にかかる空気圧縮機の右側面図。
図6】本発明の実施の形態にかかる空気圧縮機が右側に傾いた状態の正面図。
図7】本発明の実施の形態にかかる空気圧縮機の正面図(電源コードが巻回された状態)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る空気圧縮機を図1乃至図7に基づき説明する。図1に示される空気圧縮機1は、エア式の釘打ち機等の工具へ圧縮空気を供給するハンディタイプの空気圧縮機であり、図1に示されるように、タンク部2と、駆動部3と、圧縮空気生成部4と、制御回路部7とハウジング8とから主に構成されている。駆動部3と圧縮空気生成部4とから圧縮部が構成される。
【0019】
タンク部2は、図1に示されるように第一タンク21、第二タンク22から主に構成されており、圧縮空気生成部4から供給される圧縮空気を最高圧力4.2MPa程度で貯留している。第一タンク21、第二タンク22は、それぞれ同形状であって両端部が閉塞された略円筒形状をなしており、図3に示されるように、その円筒の軸心が平行になるように並列配置され、軸方向一端側と他端側とにおいてそれぞれフレーム23A、23Aで連結されていると共に、図示せぬ連結管により内部が連通している。以下の説明においては、円筒の軸方向を空気圧縮機1の前後方向とし、この前後方向と直交する方向であって第一タンク21、第二タンク22が並ぶ方向を左右方向とする。また前後方向及び左右方向と直交する方向を上下方向とする。タンク部2は、上下方向において空気圧縮機1の最下部に位置している。
【0020】
図1及び図3に示されるように、第一タンク21の下側の左側端部において前端及び後端には、それぞれ防振支持用ゴム足21A、21Aが設けられ、第二タンク22の下側の右側端部であって前端及び後端にはそれぞれ防振支持用ゴム足22A、22Aが設けられており、これら防振支持用ゴム足21A、22Aが床面に載置される接地部となる。
【0021】
図3に示されるように、第二タンク22の右側部からは制御回路部7を覆う樹脂製のアンダーカバー24が右側に向けて延出されており、アンダーカバー24は、制御回路部7の下方を覆っている。制御回路部7をタンクの側面に配置することで、タンク間に広いスペースを設ける必要がなく、空気圧縮機をコンパクトな構造とすることができる。一方、制御回路部がタンクの側面に設けられることにより、空気圧縮機の重心はタンク部2上において制御回路部側に位置している。図3及び図5に示されるように、アンダーカバー24において、最も右側かつ前端側及び後端側に、それぞれ突起部24A、24Aが設けられている。突起部24Aは、アンダーカバー24の一部が押し出されて成型されており、下方に向けて突出するように構成されている。
【0022】
突起部24Aの突出量は、図5に示されるように、突起部24Aの下端がタンク部2の下端と略同一になるように構成されている。この突出量は、空気圧縮機1が、防振支持用ゴム足21A、22Aにより平らな床面上に載置された状態から、防振支持用ゴム足21A、21Aが浮くと共に防振支持用ゴム足22A、22Aのみを支点として右側に傾いたときに、前後方向と直交する仮想平面において、空気圧縮機1の重心が防振支持用ゴム足22A、22Aより左側に位置している状態で突起部24Aが床面と当接するように規定されている。即ち、図6に示されるように、防振支持用ゴム足22A、22Aと突起部24Aとが床面に当接した状態で、空気圧縮機1の重心は、防振支持用ゴム足22A、22Aの上方かつ左側に位置するように突起部24Aの突出量が規定されている。また図3図5に示されるように突起部24Aは、その先端(下端)部分における角部がすべてR加工されている。
【0023】
また図3に示されるように、アンダーカバー24の下方であって突起部24Aと第二タンク22との間には、巻き付け部である下部溝24aが規定されている。
【0024】
タンク部2において、第一タンク21には、図2に示されるように、高圧側と低圧側とに対応した圧縮空気取り出し口であるカプラ25A、25Bが設けられており、これらカプラ25A、25Bにはホースを介して釘打機等の圧縮空気を動力として駆動される工具が接続される。カプラ25A、25Bの第一タンク21側には圧力調節用のハンドルを備えた減圧弁26A、26Bがそれぞれ設けられている。減圧弁26A、26Bにより、カプラ25A、25Bから吐出される圧縮空気の圧力が、上記最高圧力以下となる。カプラ25A、25Bと、減圧弁26A、26Bとの間には、ソケットホルダ26C、26Dが介在している。ソケットホルダ26C、26Dにそれぞれ圧力計27A、27Bが設けられており、カプラ25A、25Bから吐出される圧縮空気の圧力をモニタしている。また第一タンク21には、後述の二段目圧縮部6Bに接続されて二段目圧縮部6Bから第一タンク21へと圧縮空気が送気される二段目吐出管21B(図1)が接続されている。また第一タンク21には、内部圧力が異常に高くなった場合に圧縮空気を大気中に吐出する安全弁21Dが設けられている。
【0025】
図3に示されるように、第二タンク22の上方には、タンク部2内部に溜まったドレン、圧縮空気をタンク部2外部へ排出するためのドレン排出装置22Cが設けられている。ドレン排出装置22Cにはドレン排出装置22C内の流路を開閉するドレンコック22Dが設けられている。また第二タンク22の下方かつ右側には、ドレン排出装置22C内部の流路を経由してドレン、圧縮空気をタンク部2外に排出するドレン排出口22Eが設けられている。
【0026】
また図4に示されるように、第一タンク21と第二タンク22との間であって、前後方向略中央位置には、第一タンク21と第二タンク22とを跨ぎ、駆動部3及び圧縮空気生成部4が上方に載置される担持フレーム23B、23Bが設けられている。
【0027】
駆動部3は、担持フレーム23B、23B上に載置されたモータであり、図1に示されるようにステータ31と、ロータ32と、ロータ32と一体回転する出力軸部33とを備えており、出力軸部33の軸方向が左右方向と一致するようにタンク部2上であって、前後方向の略中心位置に配置されている。出力軸部33の左側端部は、圧縮空気生成部4に係合して圧縮空気生成部4を駆動している。出力軸部33の右側端部には、ファン34が同軸一体回転するように装着されており、ファン34により、駆動部3、圧縮空気生成部4、制御回路部7等を主に冷却している。またファン34により生成される気流の一部はタンク部2表面にも流れ、タンク部2を冷却している。ファン34がタンク側面に配置した制御回路部7の上方に位置するため、制御回路部7の冷却効率が向上するとともに、空気圧縮機をコンパクトに構成することができる。
【0028】
圧縮空気生成部4は、担持フレーム23B、23B上に載置されて駆動部3に接続されるアルミ等の金属製のクランクケース41を枠体として構成されている。クランクケース41は前後方向に伸び内部が中空の筒状を成し、前側に一段目圧縮部6Aが規定され、後側に二段目圧縮部6Bが規定されている。一段目圧縮部6A及び二段目圧縮部6B内の中空部分にはそれぞれ出力軸部33に接続される図示せぬクランク及び図示せぬクランクで駆動される図示せぬピストンが内蔵されている。
【0029】
一段目圧縮部6Aで大気中より空気を吸い込み、低圧の圧縮空気を生成し、その生成した圧縮空気を一段目吐出管42を介して二段目圧縮部6Bに送気し、二段目圧縮部6Bで更に高圧の圧縮空気を生成した後に、二段目吐出管21Bを介してタンク部2へと圧縮空気を送気する。
【0030】
またクランクケース41の上部には、前後方向に延びるハンドル61(図2)が装着されている。
【0031】
制御回路部7は金属製のケース内に複数の素子を内蔵して構成されており、第二タンク22にフレームを解して装着されて第二タンク22及び駆動部3の右側かつファン34の下方に配置され、駆動部3のオン・オフの制御を行っている。制御回路部7からは電源コード7Aが延出されている。電源コード7Aは、図3及び図5に示されるように、前後方向において制御回路部7の中央位置かつ制御回路部7の下方から右側(反タンク部2側)に向けて延出されている。
【0032】
図1に示されるように、ハウジング8は、主に駆動部3と圧縮空気生成部4と制御回路部7とを覆うようにタンク部2上に配置されており、その上面に、主電源スイッチ81A等を有する操作パネル部81が設けられると共に、ハンドル61をハウジング8外に露出させる図示せぬ孔が形成されている。なお図1及び図2においてハウジング8は主に二点鎖線により示されている。
【0033】
ハウジング8において、ファン34の流れ方向上流側に位置する右側面は、図5に示されるように、格子状に構成されて、ハウジング8内に空気を取り込めるように構成されている。また図3及び図7に示されるように、ハウジング8において、左右方向でファン34(図1)と略同位置となる上面及び前側面、後側面に一連のハウジング溝8aが形成されている。また図1に示されるように、ハウジング8の前後側面下端かつハウジング溝8a近傍には、それぞれ電源コード7Aを保持するコード保持部82が設けられている。
【0034】
上述の下部溝24a内及びハウジング溝8a内に電源コード7Aを通してハウジング8及びアンダーカバー24周りに電源コード7Aを巻回し、最後に電源コード7Aの先端をコード保持部82で保持することにより、下部溝24a及びハウジング溝8aに電源コード7Aを収容することができる。尚、空気圧縮機1において、電源コード7Aを除いたタンク部2乃至ハウジング8を空気圧縮機本体1Aと定義する。
【0035】
上記構成の空気圧縮機1において、圧縮空気を生成するには、先ず、ハウジング8等に巻回された電源コード7Aを解いて外部電源に接続する。その後に主電源スイッチ81Aをオンにして駆動部3を駆動し、一段目圧縮部6A及び二段目圧縮部6Bを動作させて圧縮空気を生成し、タンク部2に貯留する。
【0036】
空気圧縮機1において圧縮空気を生成している際には、電源コード7Aがコンセント等の外部電源に接続されているため、電源コード7Aが伸びた状態になっている。この電源コード7Aに作業者等が引っ掛かった場合、電源コード7Aがタンク部2等からみて右側に配置されているため、電源コード7Aに引っ張られて空気圧縮機本体1Aは、右側へと移動しようとする。しかし、電源コード7Aが延出されている箇所は、空気圧縮機本体1Aにおいて下側であるため、空気圧縮機1に右側へと転倒するような力は過度に作用せず、故に空気圧縮機本体1Aが転倒することは防止される。
【0037】
なお、タンク部2に溶接されたフレーム等の構造体を制御回路部の下方まで延長し、制御回路部の下方に支持部品を設ければ転倒は防止できるが、部品点数の増加を招くと共に構造が複雑になり、かつ重量も増加するという不利益がある。本発明の構造では、これらの不利益を回避しつつ、転倒を防止することができる。
【0038】
図7に示されるように、電源コード7Aが巻回されている状態では、電源コード7Aが引っ張られて空気圧縮機本体1Aが転倒することはない。この状態でも作業者等がハウジング8等に接触して、不意に空気圧縮機1を右側に傾向けた場合には転倒の恐れがある。しかし、防振支持用ゴム足22A、22Aのみを支点として空気圧縮機1が右側に傾いた場合は、図6に示されるように突起部24Aが床面と当接するため、それ以上空気圧縮機1が右側に傾くことが抑制され、転倒は防止される。
【0039】
また突起部24Aは上述のようにR加工されているため、防振支持用ゴム足22Aに比べて床面に対して滑りやすくなっている。よって突起部24Aが床面に当接した状態から更に右側に傾むこうとしても、即ち防振支持用ゴム足22A、22Aが床面から離間しようとしても、突起部24Aが床面に対して滑るので突起部24Aが支点として機能せず、突起部24Aと共に防振支持用ゴム足22A、22Aが床面と当接することになり、故に空気圧縮機1が更に傾くことを抑制することができる。
【0040】
尚、本実施の形態では、近接部を突起部24Aとして説明したが、これに限らず、防振支持用ゴム足22A、22Aより更に右側位置で、床面に近接する部材であれば、上述の突起部24A以外の部材であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1:空気圧縮機 1A:空気圧縮機本体 2:タンク部 3:駆動部
4:圧縮空気生成部 6A:一段目圧縮部 6B:二段目圧縮部 7:制御回路部
7A:電源コード 8:ハウジング 8a:ハウジング溝 21:第一タンク
21A:防振支持用ゴム足 21B:二段目吐出管 21D:安全弁
22:第二タンク 22A:防振支持用ゴム足 22B:フレーム
22C:ドレン排出装置 22D:ドレンコック 22E:ドレン排出口
23A:フレーム 24:アンダーカバー 24A:突起部 24a:下部溝
25A、25B:カプラ 26A、26B:減圧弁 26C、26D:ソケットホルダ
27A、27B:圧力計 31:ステータ 32:ロータ 33:出力軸部
34:ファン 41:クランクケース 42:一段目吐出管 61:ハンドル
81:操作パネル部 81A:主電源スイッチ 82:コード保持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7