(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記粒子を除去するステップは、前記第1薄膜の一部をエッチング(etching)して複数の孔を形成することで、前記孔を通じて前記粒子それぞれの一部を露出させ、
前記孔を通じて前記露出した粒子を除去することを含む、請求項1に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
前記粒子の整列層は、前記粒子の単一層(monolayer)または複数層(multilayer)を含む、請求項1または2に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
前記第1基材上に形成された前記第1陰刻または前記第1陽刻によって形成された孔隙の形状は、前記粒子の配向を調節するために前記孔隙内に挿入される前記粒子の所定部分の形状と対応する形状を有する、請求項1から3の何れか1項に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
前記第1基材と前記第2基材とを接触させる前に、前記第2基材の表面に粘着層を形成することをさらに含む、請求項1から4の何れか1項に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
前記第2基材上から分離された前記孔を有する多孔性薄膜を、前記孔よりさらに大きい孔を有する支持基板に転写することをさらに含む、請求項6に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
前記粒子は、有機高分子、無機高分子、無機物、金属、磁性体、半導体、生体物質及びこれらの組合からなった群から選択されることを含む、請求項1から7の何れか1項に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
前記ステップを繰り返して孔を有する多孔性薄膜の複数個を形成した後、前記薄膜を積層して孔を有する多孔性多層薄膜を形成することをさらに含む、請求項1から9の何れか1項に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付した図面を参照して、本願が属する技術分野で通常の知識を持った者が容易に実施することができるように、本願の具現例及び実施例を詳しく説明する。
【0017】
しかし、本願は、様々な異なる形態で具現されることができ、ここで説明する具現例及び実施例に限らない。そして、図面で本願を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて、類似した部分に対しては類似した図面符号を付けた。
【0018】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とすると、これは、特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。本願明細書の全体において、用語「〜するステップ」は、「〜のためのステップ」を意味しない。
【0019】
本願の明細書全体において、ある層または部材が他の層または部材と「上に」位置しているとすれば、これは、ある層または部材が他の層または部材に接している場合だけでなく、二つの層または二つの部材の間にまた他の層またはまた他の部材が存在する場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とすると、これは、特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0020】
本明細書で使用される程度の用語「約」、「実質的に」などは、言及された意味に固有の製造及び物質許容誤差が提示される時、その数値でまたはその数値に近接した意味として使用され、本願の理解を助けるために、正確であるか絶対的な数値が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に利用することを防止するために使用される。
【0021】
本明細書で使用される「孔(hole)」とは、本願の一具現例による孔を有する多孔性薄膜の上部及び/または下部に形成されている孔であり、前記薄膜内部の気孔と連結され得ることを意味し、前記孔の模様及び/またはサイズは、前記薄膜の気孔の構造及び形態とは関係なく多様に調節されることができ、例えば、前記孔のサイズは、ナノメートルからマイクロメートルサイズの範囲で多様に調節されることができる。
【0022】
本願の一側面は、第1基材(substrate)上に粒子の整列層を形成するステップと、前記粒子の整列層が形成された第1基材と第2基材とを接触させて前記粒子の整列層を第2基材に転写するステップと、前記第2基材上に転写された前記粒子の整列層を第1薄膜形成物質でコーティングして前記粒子−第1薄膜複合体を形成するステップと、前記粒子−第1薄膜複合体のうち前記コーティングされた第1薄膜の一部を除去して複数の孔を形成した後、前記孔を通じて前記粒子を除去するステップとを含む、孔を有する多孔性薄膜の製造方法を提供する。
【0023】
本願の一具現例において、前記ステップを繰り返して孔を有する多孔性薄膜を複数個形成した後、前記薄膜を積層して孔を有する多孔性多層薄膜を形成することをさらに含んでもよいが、これに限らない。一具現例において、前記多孔性多層薄膜を形成する各薄膜が有する孔のサイズ及び前記孔の配列方式は、同一であるか互いに異なってよいが、これに限らない。
【0024】
本願の一具現例において、前記孔のサイズは、前記粒子のサイズより小さくてもよいが、これに限らない。前記孔のサイズは、例えば、ナノメートルからマイクロメートルサイズの範囲で多様に調節されてもよい。
【0025】
本願の一具現例において、前記孔は、2次元的に規則的に配列されてもよいが、これに限らない。
【0026】
本願の一具現例において、前記粒子のサイズは、ナノメートルからマイクロメートル範囲であってもよく、例えば、1nm〜10000μm、または5nm〜10000μm、または10nm〜10000μm、または1nm〜1000μm、または5nm〜1000μm、または10nm〜1000μm、または1nm〜100μm、または5nm〜10000μm、または10nm〜100μmであってもよいが、これに限らない。
【0027】
本願の一具現例において、前記粒子の整列層は、前記粒子の単一層(monolayer)または複数層(multilayer)を含んでもよいが、これに限らない。
【0028】
本願の一具現例において、前記粒子を除去するステップは、前記第1薄膜の一部をエッチング(etching)して複数の孔を形成することで、前記孔を通じて前記粒子それぞれの一部を露出させ、前記孔を通じて前記露出した粒子を除去することを含んでもよいが、これに限らない。例えば、前記第1薄膜の一部をエッチングすることは、前記第1薄膜を選択的にエッチングすることができる適当なエッチング溶液を利用するかプラズマエッチング法を利用してもよいが、これに限らない。
【0029】
本願の一具現例において、前記第1基材は、その表面に形成された第1陰刻または第1陽刻のパターンを有してもよいが、これに限らない。前記第1基材上に形成された前記第1陰刻または前記第1陽刻のパターンは、前記基材自体にリソグラフィ、レーザービーム、またはエッチングなどを通じて直接刻印されるか、ポジティブまたはネガティブフォトレジストによって形成されるか、犠牲層をコーティングした後にレーザーアブレーションによって形成されるか、インクジェット印刷法によって形成されてもよいが、これに限らない。
【0030】
本願の一具現例において、前記第1基材上に形成された前記第1陰刻または前記第1陽刻によって形成された孔隙は、ナノウェル(nanowell)、ナノドット(nanodot)、ナノロッド(nanorod)、ナノコラム(nanocolumn)、ナノトレンチ(nanotrench)、またはナノコン(nanocone)の形態を含んでもよいが、これに限らない。例えば、第1陰刻によって形成される孔隙形状または第1陽刻の形状の断面模様は、円形、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、台形、菱形及び平行四辺形などのような多角形、楕円、半月、三日月、花状及び星状などのような複合図形、直線形及び曲線形溝(trench)形態などの多様な幾何学的形態を有してもよいが、これに限らない。本願によると、第1陰刻または第1陽刻によって形成される孔隙の形状に関係なく、粒子をほぼ全ての孔隙に挿入させて完璧に整列することができる。
【0031】
一具現例において、前記第1基材上に形成された前記第1陰刻または前記第1陽刻によって形成された孔隙のサイズ及び/または形状は、1種または2種以上であってもよいが、これに限らない。これは、溶媒内の粒子の自己組立を利用せず、本願によって、多数の粒子を物理的圧力によって孔隙に挿入させるため、第1基材上に孔隙のサイズ及び/または形状が2種以上であっても、粒子をほぼ全ての孔隙に挿入させることができる。このような場合、異なるサイズ及び/または形状を有する粒子を前記孔隙に挿入することで、このような粒子の整列層を鋳型として利用して製造される前記孔を有する多孔性薄膜が異なるサイズ及び/または形状の気孔を有するようにすることができる。他の具現例において、前記第1基材は、前記一つの第1陰刻中に追加で個別的な粒子の位置及び/または配向を固定させることができる2個以上の第2陰刻を形成させることができ、この時、前記粒子の位置及び/または配向を固定させることができる前記第2陰刻のサイズ及び/または形状は、1種または2種以上であってもよいが、これに限らない。
【0032】
前記第1陰刻または第1陽刻によって形成される個別的な孔隙のサイズは、1nm〜10000μm、または5nm〜10000μm、または10nm〜10000μm、または1nm〜1000μm、または5nm〜1000μm、または10nm〜1000μm、または1nm〜100μm、または5nm〜100μm、または10nm〜100μmであってもよいが、これに限らない。本願において、第1陰刻または第1陽刻によって形成される個別的な孔隙のサイズは、例えば、ナノウェルまたはナノコラムの場合は直径、ナノコンの場合は下部の直径を意味する。一具現例において、前記個別的な孔隙の深さ/高さは、1nm〜10000μm、または5nm〜10000μm、または10nm〜10000μm、または1nm〜1000μm、または5nm〜1000μm、または10nm〜1000μm、または1nm〜100μm、または5nm〜100μm、または10nm〜100μmであってもよく、個別的な孔隙の底は、扁平であるか緩やかな傾斜または曲面があってもよい。
【0033】
本願の一具現例において、前記物理的圧力は、擦り(rubbing)または押し(pressing against substrate)によってかけられてもよいが、これに限らない。他の具現例において、前記擦りは、第1部材を使用して前記第1基材上に置かれた粒子に物理的圧力をかけた状態で、前記第1基材と平行な方向に往復運動を少なくとも1回以上行うことを含んでもよいが、これに限らない。また、必要な場合、前記擦りを行なった後、粘着性物質がコーティングされた第2部材を利用して前記整列層を形成した粒子を除いた残りの粒子を除去することをさらに含んでもよい。
【0034】
本願の一具現例において、第1基材がその表面に形成された第1陰刻または第1陽刻のパターンを有する場合、前記第1基材上に粒子の整列層を形成するステップは、前記第1基材上に複数の粒子を載せた後、物理的圧力によって前記粒子の一部または全部を前記第1陰刻または前記第1陽刻によって形成された孔隙に挿入させて前記第1基材上に前記粒子の整列層を形成することを含んでもよいが、これに限らない。
【0035】
本願の一具現例において、前記第1基材上に形成された前記第1陰刻または前記第1陽刻によって形成された孔隙の形状は、前記粒子の配向を調節するために前記孔隙内に挿入される粒子の所定部分の形状と対応する形状を有してもよいが、これに限らない。
【0036】
本願の一具現例において、前記孔を有する多孔性薄膜の製造方法は、前記第1基材と前記第2基材とを接触させる前に、前記第2基材の表面に粘着層を形成することをさらに含んでもよいが、これに限らない。
【0037】
本願の一具現例において、前記孔を有する多孔性薄膜の製造方法は、前記第1基材上に粒子の整列層を形成するステップ前に、前記第1基材上に粘着層を形成することをさらに含んでもよいが、これに限らない。
【0038】
前記粘着層は、例えば、(i)−NH
2基を有する化合物、(ii)−SH基を有する化合物、(iii)−OH基を有する化合物、(iv)高分子電解質、(v)ポリスチレン、及び(vi)フォトレジストで構成された群から選択された化合物またはこれらの組合を含んでもよいが、これに限らない。前記第1基材表面を粘着性物質でコーティングして粘着層を形成する場合は、簡単な方式及び短い時間に、第1基材上にコーティングされた粘着性物質に所望の整列及びパターン方式で第1陰刻または第2陰刻を付与し、物理的圧力を利用して粒子を前記第1陰刻または前記第2陰刻によって形成された孔隙内に挿入させて前記整列及びパターン方式で配置した後、前記粘着性物質を除去することで、偏平な第1基材上にフリースタンディング(free−standing)粒子整列及びパターンを形成することができる。
【0039】
本願の一具現例において、前記孔を有する多孔性薄膜の製造方法は、前記形成された孔を有する多孔性薄膜を前記第2基材から分離することをさらに含んでもよいが、これに限らない。この場合、前記第2基材上から分離した前記孔を有する多孔性薄膜を、前記孔よりさらに大きい孔を有する支持基板に転写することができる。
【0040】
本願の一具現例において、前記第1薄膜の形成後、前記第1薄膜上に一つ以上の追加薄膜を形成してもよいが、これに限らない。例えば、第1薄膜を形成する物質と追加される薄膜を形成する物質とは、同一であるか異なってもよく、これに限らない。
【0041】
本願の一具現例において、前記第1基材または第2基材は、固体相基材であって、当業界に公知された如何なる基材も利用することができ、例えば、ガラス、溶融シリカ(fused silica)ウェハ、シリコンウェハ、またはフォトレジストでコーティングされた基材を含んでもよいが、これに限らない。一具現例において、前記基材は、フォトレジスト(PR)でコーティングされた基材であってもよい。前記フォトレジストは、当業界に公知されたものなどを制限なく用いてもよく、ポジティブフォトレジストまたはネガティブフォトレジストを使用してもよい。前記フォトレジストの非制限的な例として、PDMS、PMMA(Polymethylmethacrylate)、PMGI(PolyMethylGlutarimide)、DNQ/Novolac及びSU−8を含んでもよく、前記フォトレジストは、特許文献1から19に開示されているものを用いてもよいが、これに限らない。
【0042】
他の具現例において、前記基材は、ケイ素、アルミニウム、チタン、スズ及びインジウムなどの各種金属及び非金属元素が単独または2種以上含まれている酸化物であり、表面にヒドロキシ基を有する全ての物質、例えば、石英、雲母、ガラス、ITOガラス(インジウムスズ酸化物が蒸着されたガラス)、スズ酸化物(SnO
2)などの各種の伝導性ガラス、溶融シリカ(fused silica)、非晶質シリカ、多孔性シリカ、アルミナ、多孔性アルミナ、水晶、サファイア、二酸化チタン、多孔性二酸化チタン及びケイ素ウェハを含んでもよいが、これに限らない。また他の具現例において、前記基材は、金、銀、銅、白金のように、チオール基(−SH)やアミン基(−NH
2)と結合する金属、ニッケル及びステンレススチールなどのような金属であってもよいが、これに限らない。また他の具現例において、前記基材は、表面に多様な作用基を有する重合体、例えば、表面に作用基があるポリビニルクロライド(PVC)、メリフィールドペプチド樹脂(Merrifield peptide resin)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポジティブまたはネガチブフォトレジスト(PR)、PMMA(Poly(methyl methacrylate))及びアクリルを含んでもよく、セレン化亜鉛(ZnSe)、ヒ化ガリウム(GaAs)及びリン化インジウム(InP)などの半導体を含んでもよいが、これに限らない。また他の具現例において、前記基材は、天然または合成ゼオライト及びその類似多孔性分子体またはセルロース、片栗粉(アミロース及びアミロペクチン)及びリグニンなどの表面にヒドロキシ基を有する天然高分子、合成高分子または伝導性高分子を含んでもよいが、これに限らない。
【0043】
前記第1基材または第2基材の面積は、特に限らず、前記の粒子整列方法を利用する場合、広い面積の基材にもよく適用されて粒子が全体面積にわたって全て完璧に整列されることができる。
【0044】
本願の一具現例において、前記第1基材上に整列された前記粒子は、隣接した粒子と接触または離隔してもよいが、これに限らない。例えば、本願は、第1基材の孔隙の間の距離を調節することで、孔隙に挿入される粒子は、隣接した粒子と接触または離隔させることができ、これにより、密集(close packed)または非密集(non−close packed)構造の粒子整列を形成することができ、前記第1基材の各孔隙の位置を調節することで、前記粒子を四方密集配列または六方密集配列などと任意的に整列することができる。例えば、前記孔隙断面の向かい合う二点間の最短距離が2nm〜1000nmであってもよいが、これに限らない。
【0045】
一方、本願によると、第1基材上の孔隙に挿入された粒子が集まって、1D、2D、3Dの特定パターンまたは模様を形成することができる。非制限的な例としては、1Dワイヤ(wires)、1D縞模様(stripes)のような1次元パターン、2Dスクエアネット(squarenet)配列のような2次元パターン、及びクリスタル格子構造と類似した3次元パターンを形成することができる。この時、第1基材上に形成された粒子の前記パターンまたは模様は、1または2以上であってもよい。前記粒子によって形成されるパターンのサイズは限らないが、(長さ/幅/高さ)1mm〜15cm、または5mm〜5cm、または8mm〜2cmであってもよい。本願によると、前記粒子は、基材上にfcc100整列、fcc(111)整列、またはこれらの混合整列で配置されることができる。即ち、本願は、一つの基材上に同一の整列または対称性が異なる2以上の整列でも同時に粒子を配置させることができる。
【0046】
本願の一具現例において、前記粒子は、有機高分子、無機高分子、無機物、金属粒子、磁性体、半導体、生体物質及びこれらの組合からなる群から選択されたものを含んでもよいが、これに限らない。
【0047】
前記有機高分子の非制限的な例としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリアルファメチルスチレン、ポリベンジルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリジフェニルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などを含んでもよいが、これに限らない。前記無機高分子の非制限的な例としては、チタン酸化物、亜鉛酸化物、セリウム酸化物、スズ酸化物、タリウム酸化物、バリウム酸化物、アルミニウム酸化物、イットリウム酸化物、ジルコニウム酸化物、銅酸化物、ニッケル酸化物、シリカなどを含んでもよいが、これに限らない。前記金属粒子の非制限的な例としては、金、銀、銅、白金、アルミニウム、プラチナム、亜鉛、セリウム、タリウム、バリウム、イットリウム、ジルコニウム、スズ、チタン、カドミウム、鉄、またはこれらの合金などを含んでもよいが、これに限らない。前記半導体粒子の非制限的な例としては、単一元素半導体(例えば、Si及びGe)及び化合物半導体(例えば、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InP、InAs及びInSb)などを含んでもよいが、これに限らない。また、他の前記粒子の非制限的な例としては、SiO
2、TiO
2、ITO(indium tin oxide)及びAl
2O
3などのような二成分系以上の主族金属及び転移金属元素の結晶性及び非結晶性カルコゲン化物(crystalline andnon−crystalline、binary and multicomponent main group metal and transition metal chalcogenides)、前記物質のうち二つの物質以上がコア/シェル(core/shell)、またはコア/第1シェル/第2シェル形態、または様々な形態をなしているもの、蛍光のコア物質とこれを取り囲む多様な物質のシェル、二つ以上の物質が玉ねぎのように多くの重からなった物質、有機及び無機粒子の中に有機、無機または有無機蛍光分子が規則的及び不規則的に分布された蛍光物質、磁気、反磁気、常磁気、強誘電体(ferroelectric)、フェリ誘電性(ferrielectric)、超伝導、伝導性、半導体または不導体性質を有した粒子などを含んでもよい。前記生体物質粒子の非制限的な例としては、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、多糖類、オリゴ糖、脂質、細胞、これらの複合体がある。
【0048】
本願の一具現例において、前記粒子は、多孔性または非多孔性を有してもよいが、これに限らない。
【0049】
本願の一具現例において、前記粒子は、対称形状、非対称形状または無定形であってもよく、これの非制限的な形状としては、球形、半球型、キューブ型、四面体、五面体、六面体、直方体型、八面体、Y型、柱型、錐型などを含んでもよいが、これに限らない。また、前記粒子は、扁平な面(flat facet)なしに連続的な曲面のみで形状がなった粒子であってもよく、好ましくは、球形の形状を有してもよい。
【0050】
本願の一具現例において、前記第1基材と粒子は、付加する物理的圧力によって水素結合、イオン結合、共有結合、配位結合またはバンデルバルス結合を形成することを含んでもよいが、これに限らない。
【0051】
本願の一具現例において、前記薄膜は、有機薄膜、無機薄膜または有機−無機ハイブリッド薄膜を含んでもよいが、これに限らない。
【0052】
例えば、前記有機薄膜は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリアルファメチルスチレン、ポリベンジルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリジフェニルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、スチレン−アクリロニトリル共重合体及びスチレン−メチルメタクリレート共重合体からなった群から選択される一つ以上を含んでもよいが、これに限らない。
【0053】
前記無機薄膜は、当業界に知られたコーティング可能な無機物質を利用して形成されてもよく、例えば、前記無機高分子、無機物、金属粒子、磁性体、半導体などに対して例示的に記載した物質を用いてもよいが、これに限らない。
【0054】
前記有機−無機ハイブリッド薄膜は、前記の有機薄膜及び前記無機薄膜に対して例示された物質を適切に組み合わせて形成されてもよいが、これに限らない。
【0055】
本願の他の側面は、下記を含む、孔を有する多孔性薄膜の製造方法を提供する。第1陰刻または第1陽刻が表面に形成された第1基材を準備するステップと、前記第1基材上に複数の粒子を載せた後、物理的圧力によって前記粒子の一部または全部を前記第1陰刻または前記第1陽刻によって形成された孔隙に挿入させて前記第1基材上に前記粒子の整列層を形成するステップと、前記粒子の整列層が形成された前記第1基材と第2基材とを接触させて前記粒子の整列層を前記第2基材に転写するステップと、前記第2基材上に転写された前記粒子の整列層を高分子でコーティングして粒子−高分子薄膜複合体を形成するステップと、前記粒子−高分子薄膜複合体のうち前記コーティングされた高分子の一部を除去して複数の孔を形成した後、前記孔を通じて前記粒子を除去するステップ。
【0056】
本願のまた他の側面は、下記を含む、孔を有する多孔性薄膜の製造方法を提供する。第1陰刻または第1陽刻が表面に形成された第1基材を準備するステップと、前記第1基材上に複数の粒子を載せた後、物理的圧力によって前記粒子の一部または全部を前記第1陰刻または前記第1陽刻によって形成された孔隙に挿入させて前記第1基材上に前記粒子の整列層を形成するステップと、表面に粘着層が形成されている第2基材を準備するステップと、前記粒子の整列層が形成された前記第1基材と前記第2基材の粘着層とを接触させて前記粒子の整列層を前記第2基材に転写するステップと、前記第2基材上に転写された前記粒子の整列層を高分子でコーティングして粒子−高分子薄膜複合体を形成するステップと、前記第2基材上に形成された前記粘着層を除去して前記粒子−高分子薄膜複合体を分離することで、前記粒子−高分子薄膜複合体の下部に前記粒子の一部を露出させる孔を形成した後、前記孔が第3基材表面に接するように前記粒子−高分子複合体薄膜を第3基材上に転写するステップと、前記粒子−高分子薄膜複合体の上部のコーティングされた高分子の一部を除去して複数の孔を形成した後、前記孔を通じて前記粒子を除去するステップ。
【0057】
本願のまた他の側面は、孔を有する多孔性薄膜であって、前記孔は、前記薄膜の上部及び/または下部に形成されており、前記孔は、前記薄膜の気孔を貫通するように形成されている、孔を有する多孔性薄膜を提供する。
【0058】
本願の一具現例において、前記孔は、2次元的に規則的に配列されてもよいが、これに限らない。
【0059】
本願の一具現例において、前記薄膜は、有機薄膜、無機薄膜または有機−無機ハイブリッド薄膜を含んでもよいが、これに限らない。
【0060】
本願の一具現例において、前記孔のサイズは、前記薄膜の気孔のサイズより小さくてもよいが、これに限らない。
【0061】
本願の一具現例において、前記薄膜の気孔のサイズは、1nm〜10000μm、または5nm〜10000μm、または10nm〜10000μm、または1nm〜1000μm、または5nm〜1000μm、または10nm〜1000μm、または1nm〜100μm、または5nm〜100μm、または10nm〜100μmであってもよいが、これに限らない。
【0062】
本願の一具現例において、前記孔を有する多孔性薄膜は、形状及び/またはサイズが互いに異なる2種類以上の気孔を有してもよいが、これに限らない。
【0063】
本願の一具現例において、前記薄膜は、前記孔を有する多孔性薄膜2個以上が互いに積層されている孔を有する多孔性多層薄膜であってもよいが、これに限らない。一具現例において、前記孔を有する多孔性多層薄膜において、孔は互いに貫通してもよいが、これに限らない。他の具現例において、前記孔を有する多孔性多層薄膜の各薄膜が有する孔の模様及び/またはサイズは、互いに同一であるか異なってもよい。
【0064】
以下、図面を参照して、本願の一具現例及び実施例による規則的に整列された孔を有する薄膜及びその製造方法に対して、具体的に説明する。しかし、本願がこれに限らない。
【0065】
図1を参照すると、本願の孔を有する多孔性薄膜の製造方法は、第1基材上に粒子の整列層を形成するステップS1と、前記粒子の整列層が形成された第1基材と第2基材とを接触させて前記粒子の整列層を第2基材に転写するステップS2と、前記第2基材上に転写された前記粒子の整列層を第1薄膜形成物質でコーティングして前記粒子−第1薄膜複合体を形成するステップS3と、前記粒子の整列層にコーティングされた第1薄膜の一部を除去して複数の孔を形成した後、前記孔を通じて前記粒子を除去するステップS4とを含んでもよいが、これに限らない。
【0066】
図2は、第1基材上に粒子の整列層を形成するステップS1を具体的に説明するための工程図である。本願の粒子の整列層を形成する方法は、溶媒の使用及び自己組立が必須構成要素である従来の粒子の整列方法と違って、擦りのような物理的圧力を粒子にかけて前記粒子を基材上に配置させることが特徴である。従って、溶媒内の粒子の自己組立のために必要な精密な温度調節及び湿度調節が不要である。また、所望の方向に基材表面上に粒子を速く移動させるため、基材上で粒子の移動が表面特性(例えば、疎水性、電荷及びroughness)によって影響を受けることを防ぐ。また、基材にパターンがある場合、溶媒に分散した粒子を使用する従来技術は、溶媒の毛細管現象により、パターンによって形成された微細孔隙内に粒子がよく挿入されず、粒子が挿入有無が不規則であるが、これを解決するために、本願は、粒子に物理的圧力をかけて微細孔隙内の粒子を直接挿入させるので、全ての孔隙に粒子を挿入させることができる。さらに、本願の粒子の整列方法は、パターン化された基材上に粒子を整列する過程で、粒子のサイズ及び模様に対して、自己組立による整列より許容範囲(tolerance)がさらに大きい。
【0067】
第1基材上に粒子の整列層を形成するために、先ず、第1基材を準備し、必要な場合、前記第1基材100上に粘着性物質(図示せず)をコーティングする。前記粘着性物質をコーティングする方法は、当業界で通常使用されるコーティング方法であれば制限なく使用してもよく、例えば、ディップコーティングまたはスピンコーティング(spin coating)によって前記粘着層を形成してもよいが、これに限らない。前記粘着層を形成する粘着性物質は、例えば、PEI(Polyethylene imine)、Polyacrylamide(PAM)、Poly−DADMAC(diallyldimethyl ammonium chloride)、PEO(polyethylene oxide)などが用いられてもよいが、これに限らない。前記粘着性物質は、前記第1基材100上に前記粒子120をよりよく粘着させる機能をし、前記第1基材上に粒子の整列層の形成後、前記粒子の整列層を第2基材上に転写する前に、前記粒子の整列層の転写を容易にするために前記粘着層を除去してもよいが、これに限らない。前記粘着性物質を除去する方法は、特に限らないが、PEI(polyetherimide)のような粘着性物質をコーティングした場合は、基材を熱処理して粘着性物質を除去することができる。また、前記のような理由で前記粒子の整列層を第2基材に転写する前に、前記第2基材の表面に粘着性物質でコーティングすることをさらに含んでもよいが、これに限らない。
【0068】
第1基材上に整列する粒子は、溶媒に分散させない粉末形態であるか、粒子の体積に対して約0〜約10倍の体積比、好ましくは、約0〜約3倍の体積比の溶媒でコーティングまたは含浸、または溶媒に分散されたものであってもよい。好ましくは、溶媒に分散させていない乾燥した粉末状態の粒子を用いるか、前記粒子に物理的圧力をかける時に溶媒が潤滑油の作用をすることができるほどに溶媒がコーティングまたは含浸された粒子を用いてもよいが、これに限らない。
【0069】
前記粒子は、物理的圧力、例えば、擦り(rubbing)または押し(pressing against substrate)によって前記第1基材上に整列されてもよいが、これに限らない。前記擦りとは、前記粒子上に簡単に物理的な圧力のみをかけて前記粒子と前記基材上に物理的または化学的結合を形成させることをいう。前記化学的結合は、水素結合、イオン結合、共有結合、配位結合またはバンデルバルス結合を含んでもよく、好ましくは、イオン結合または水素結合を含んでもよい。前記擦りは、素手(bare hand)、ゴム手袋をした手を利用して前記粒子に圧力をかけてもよく、擦り機械装置を利用して前記粒子に圧力をかけてもよく、または擦り道具、好ましくは、第1部材130を用いて前記粒子に圧力をかけてもよいが、これに限らない。前記第1部材は、例えば、多様な幾何学的な形態を有した天然及び人工ゴム板、プラスチック板、PDMS板などの弾性のある物質、ガラス基材、シリコンウェハであってもよいが、これに限らない。前記第1部材を用いて擦る場合、前記第1基材上に置かれた粒子に物理的圧力をかけた状態で、前記第1基材と平行な方向に往復運動を少なくとも1回以上行う方法で粒子を整列することができる。前記擦る時間は、特に限らないが、粒子の単一層を形成する場合、10秒〜180秒、好ましくは、30秒ほど擦ってもよいが、これに限らない。一方、第1基材上に粒子を整列させた後、無作為的に固定されていない残りの粒子を粘着性110を有する第2部材140で除去するステップをさらに含んでもよい。
【0070】
前記粒子の整列層は、前記粒子の単一層(monolayer)または複数層(multilayer)を含んでもよいが、これに限らない。本願は、前記言及した方法によって粒子の整列層を形成した以後、形成された第1単層の粒子のうち3個以上の粒子によって形成される孔隙に、多数の粒子を載せた後、物理的圧力によって粒子を挿入する工程を追加して第2単層を形成することができ、前記過程を1回以上行うと、2層以上の複数層の粒子の整列層を形成することができる。また、本願は、前記第2単層の粒子は、第1単層の粒子上に直立して整列されたものを含んでもよいが、これに限らない。また、粒子の単一層上にまた他の粒子の単一層を積層させる時、擦りのような物理的圧力をかける前に、粘着層、例えば、PEIを粒子の下部単層にさらに塗布することを含んでもよいが、これに限らない。
【0071】
この時、第1単層(monolayer)を形成する粒子と前記2次孔隙に挿入される粒子とのサイズ、形状及び材質は、同一または異なってもよい。即ち、粒子が2個層以上の多層で整列する時、隣接した2個層の各層を構成する粒子のサイズ、形状及び材質は、互いに同一または異なってもよい。また、粒子が2層以上の複数層で整列した時、隣接した2層の各パターンが同一または異なってもよい。前記のように形成された、粒子の複数層を使用して前記複数層の粒子を同時に第2基材上に転写させることができる。前記のような方法によって、第1基材上に粒子の整列層150を形成することができる(S1、
図2、
図7のa)参照)。
【0072】
図3は、前記第1基材上に整列された粒子の整列層と第2基材とを接触させて前記粒子の整列層を第2基材に転写するステップS2を具体的に説明するための工程図である。前記第1基材上100に形成された粒子の整列層150を第2基材200上に転写する前に、前記粒子の整列層の転写を容易にするために前記粘着性物質110を除去してもよいが、これに限らない。前記粘着性物質を除去する方法は、特に限らないが、PEI(polyetherimide)のような粘着性物質をコーティングした場合は、鋳型基材を熱処理して粘着性物質を除去することができる。この時、鋳型基材を熱処理する温度及び時間は、用いられた粘着性物質によって変わり得るが、PEIを用いた場合は、400℃〜600℃、または500℃で1時間の間行ってもよいが、これに限らない。前記粘着性物質がフォトレジスト(PR)である場合、例えば、フォトレジストがコーティングされた基材をフィーリング溶液に含浸(immersing)させるか、またはフィーリング溶液を基材上にシャワー注射(shower−injecting)してフォトレジストを除去してもよいが、これに限らない。前記フィーリング溶液の非制限的な例として、強アルカリ水溶液、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン及びメタノールなどを含んでもよいが、これに限らない。
【0073】
また、前記第1基材上100に形成された粒子の整列層を第2基材200上に転写することを容易にするために、前記粒子の整列層を第2基材に転写する前に、前記第2基材の表面に粘着性物質でコーティングすることをさらに含んでもよいが、これに限らない。前記第1基材及び第2基材は、当業界で通常使用されるものであれば制限なく使用することができ、例えば、ガラス、溶融シリカ(fused silica)ウェハ、シリコンウェハ、またはフォトレジストがコーティングされた基材を使用することができるが、これに限らない(S2、
図3、
図7のb)参照)。
【0074】
図4は、前記第2基材上に転写された前記粒子の整列層を第1薄膜形成物質でコーティングして粒子−第1薄膜複合体を形成するステップ(S3、
図7のc)参照)と、前記粒子の整列層にコーティングされた第1薄膜の一部を除去して複数の孔を形成した後、前記孔を通じて前記粒子を除去するステップS4とを具体的に説明するための工程図である。前記第1薄膜は、前記粒子の整列層を内包している。
【0075】
前記第1薄膜170を形成するために、前記第2基材上の粒子の整列層に第1薄膜形成物質160をコーティングする。前記コーティング方法は、当業界で通常使用されるコーティング方法であれば制限なく使用することができ、例えば、第1薄膜形成物質160をディップコーティング、またはスピンコーティングによってコーティングして前記第1薄膜170を形成してもよいが、これに限らない。前記薄膜は、有機薄膜、無機薄膜、有機−無機ハイブリッド薄膜及びこれらの組合からなる群から選択されることを含んでもよく、例えば、前記有機薄膜は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリアルファメチルスチレン、ポリベンジルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリジフェニルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、スチレン−アクリロニトリル共重合体及びスチレン−メチルメタクリレート共重合体からなった群から選択される一つ以上を含んでもよいが、これに限らない。
【0076】
前記粒子の整列層にコーティングされた第1薄膜の一部を除去して複数の孔を形成した後、前記孔を通じて前記粒子を除去するステップS4は、前記粒子−第1薄膜複合体で前記第1薄膜の一部をエッチングして除去して複数の孔を形成(
図7のd))することで、前記粒子それぞれの一部を露出させ、前記孔を通じて前記露出した粒子を除去する粒子を除去(
図7のe))することを含んでもよいが、これに限らない。前記薄膜のエッチング方法は、当業界で通常使用する方法であり、乾式エッチングまたは湿式エッチングを全て含んでもよい。例えば、前記第1薄膜を選択的に除去することができるエッチング溶液を用いるか、プラズマエッチング (例:O
2プラズマエッチング)によって前記薄膜をエッチングしてもよいが、これに限らない。前記エッチングによって前記粒子の整列層を覆っている前記薄膜の一部をエッチングして粒子を露出させることで、以後に前記粒子を下記の工程によって除去することができる。前記粒子の除去方法は、前記粒子のみを選択的に除去することができる方法であれば特に制限なく使用することができる。例えば、酸性溶液を用いて湿式エッチングによって前記粒子を除去してもよいが、これに限らない。前記粒子−薄膜複合体170から前記粒子を除去するステップS4によって、孔を有する多孔性薄膜180を製造することができる(S4、
図7のd))及びe)参照)。
【0077】
前記形成された薄膜内または下部の前記粒子を除去する前または後に、前記薄膜形成物質のコーティングで形成される粒子−第1薄膜複合体、または孔を有する多孔性薄膜を前記第2基材から分離することをさらに含んでもよい。前記分離した粒子−第1薄膜複合体または孔を有する多孔性薄膜は、必要に応じて目的の基板上に転写されることができる。前記の目的の基板は、例えば、前記孔を有する多孔性薄膜の孔よりさらに大きい孔を有する支持基板であってもよく、より具体的に、前記孔を有する多孔性薄膜よりさらに大きい孔を有するシリコンウェハ上に転写されてもよいが、これに限らない。
【0078】
以下、非制限的でかつ例示的な実施例を通じて、例示的な具現例のいずれか一つをさらに詳しく説明するが、本願がこれに限られるものではない。
【0079】
[実施例1]
第1基材としてパターニングされたPDMS(Polydimethylsiloxane)基材(pitch 700nm)を使用し、粒子として均一なサイズを有するSiO
2ビード(650nm)を使用した。前記第1基材上に前記均一なサイズを有するSiO
2ビード(650nm)を擦る方法を通じて整列させてSiO
2ビード(bead) 単層を形成した。
【0080】
第2基材としてガラス基材を使用し、前記第2基材上に粘着性物質として0.6wt%PEI(ポリエチレンイミド)をスピンコーティング(rpm3000、20s)した後、前記SiO
2ビード単層を前記ガラス基材に転写した。以後、薄膜形成物質であるPMMA(2g、分子量:996,000)をトルエン(50g)に入れ、60℃で撹拌しながら前記PMMAを完全に溶かして4%PMMA溶液を製造し、前記溶液を常温で冷やした後、前記ガラス基材上のSiO
2ビード単層を前記溶液に15分間浸漬した。以後、前記ガラス基材上のSiO
2ビード単層を前記溶液から取り出して20秒間3000rpmの速度でスピンコーティングして、前記SiO
2ビード単層をPMMAでコーティングして、SiO
2ビード−PMMA薄膜複合体を形成した。
【0081】
前記過程によって形成されたガラス基材上のSiO
2ビード−PMMA薄膜複合体を 2次蒸留水上に20分間浸漬して、前記SiO
2ビード−PMMA薄膜複合体とガラス基材とを分離して、前記SiO
2ビード−PMMA薄膜複合体をシリコンウェハ上に転写した。
【0082】
前記シリコンウェハ上のSiO
2ビード−PMMA薄膜複合体を140℃のオーブンで1時間の間加熱した後、O
2プラズマクリーナー(HARRICK)を利用して5分間前記SiO
2ビード−PMMA薄膜複合体の上部PMMA薄膜の一部をエッチングして除去した。前記エッチング後、SiO
2ビード−PMMA薄膜複合体を5%HF溶液に4秒間入れてSiO
2ビードを除去した後、2次蒸留水で洗浄して乾燥させ、孔を有する多孔性 PMMA薄膜を形成した。前記孔を有する多孔性PMMA薄膜のSEM写真を
図5に示した。
【0083】
[実施例2]
図6に示した過程によって、前記孔を有するPMMA多孔性薄膜を製造した。
【0084】
先ず、第1基材として、半球型でパターニングされたPDMS(Polydimethylsiloxane)基材上に、粒子層として、均一なサイズを有するSiO
2ビード(1.2μm)を用いて擦る方法を通じて、単層のSiO
2ビード単層を形成した。第2基材であるガラス基材上に粘着性物質として0.6wt%PEIをスピンコーティング(rpm3000、20s)した後、前記SiO
2ビード単層を前記ガラス基材に転写した。以後、薄膜形成物質として、PMMA(2g、分子量:996,000)をトルエン(50g)に入れ、(8%PMMA溶液)60℃で撹拌しながら前記PMMAを完全に溶かし、前記溶液を常温で冷やした後、前記ガラス基材上のSiO
2ビード単層を前記溶液に15分間浸漬した。以後、前記ガラス基材上のSiO
2ビード単層を前記溶液から取り出して、20秒間3000rpmの速度でスピンコーティングして、8%PMMAでコーティングされたSiO
2ビード単層を製造した。
【0085】
前記過程によって形成されたガラス基材上のSiO
2ビード−PMMA薄膜複合体を 2次蒸留水上に20分間浸漬して、前記SiO
2ビード−PMMA薄膜複合体とガラス基材とを分離して、前記SiO
2ビード−PMMA薄膜複合体を他のガラス基材に転写した。
【0086】
前記ガラス基材上のSiO
2ビード−PMMA薄膜複合体を140℃のオーブンで1時間の間加熱した後、O
2プラズマクリーナー(HARRICK)を利用して5分間前記 PMMA薄膜の一部をエッチングした。前記エッチング後、SiO
2ビード−PMMA 薄膜複合体を5%HF溶液に4秒間入れてSiO
2ビードを除去した後、2次蒸留水で洗浄した後、乾燥させてSiO
2ビードを除去して、孔を有するPMMA薄膜を製造した。前記製造過程ステップ別に形成されたSiO
2ビード単層、SiO
2ビード−PMMA薄膜複合体、孔を有するPMMA薄膜のそれぞれのSEM写真を
図7に示した。前記孔を有するPMMA薄膜を孔を有するシリコンウェハ上に転写し、これを走査電子顕微鏡(SEM、Scannig Electron Microscope)で観察した(
図8)。
【0087】
図8(a)の明るい部分はシリコンウェハであり、暗い部分はシリコンウェハ上の孔を示す。
図8(b)は、前記シリコンウェハ上の孔を拡大した様子であり、前記シリコンウェハの孔上に本願の製造方法によって形成された孔を有する多孔性薄膜が転写されている様子を観察することができる。
図8(c)は、前記シリコンウェハの孔領域をさらに拡大した写真であり、前記写真では、規則的に整列された、孔を有する多孔性薄膜を観察することができる。
【0088】
[実施例3]
実施例2と同様にし、薄膜形成物質を前記PMMAの代わりにポリスチレン(Polystyrene)を用いて孔を有するポリスチレン(Polystyrene)薄膜を製造し、前記孔を有するポリスチレン薄膜を孔を有するシリコンウェハ上に転写し、走査電子顕微鏡で観察した(
図9)。
図9(a)の明るい部分はシリコンウェハであり、暗い部分はシリコンウェハ上の孔を示し、
図9(b)は、前記シリコンウェハ上の孔を拡大した様子であり、前記シリコンウェハの孔上に本願の製造方法によって形成された孔を有する薄膜が形成されている様子を観察することができる。
図9(c)は、前記シリコンウェハの孔領域をさらに拡大した写真であり、前記写真では、規則的に整列された、孔を有する薄膜を観察することができる。
【0089】
前述した本願の説明は、例示のためのものであり、本願が属する技術分野の通常の知識を持った者は、本願の技術的思想や必須的な特徴を変更せずとも他の具体的な形態に容易に変形が可能であるということを理解することができるであろう。従って、以上で記述した実施例は、全ての面で例示的なもので、限定的ではないと理解しなければならない。例えば、単一型で説明されている各構成要素は、分散して実施されてもよく、同様に分散したもので説明されている構成要素も結合された形態で実施されてもよい。
【0090】
本願の範囲は、前記詳しい説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導出される全ての変更または変形された形態が本願の範囲に含まれると解釈されなければならない。
[項目3]
前記孔は、2次元的に規則的に配列されている、項目1に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
[項目4]
前記粒子のサイズは、10nm〜100μmである、項目1に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
[項目9]
前記擦り(rubbing)は、第1部材を使用して前記第1基材上に置かれた前記粒子に物理的圧力をかけた状態で、前記第1基材と平行な方向に往復運動を少なくとも1回以上行うことを含む、項目8に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
[項目10]
前記擦りを行った後、粘着性を含む第2部材を利用して前記整列層を形成した粒子を除いた残りの粒子を除去することをさらに含む、項目9に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
[項目12]
前記第1基材上に形成された前記第1陰刻または前記第1陽刻によって形成された孔隙は、ナノウェル(nanowell)、ナノドット(nanodot)、ナノロッド(nanorod)、ナノコラム(nanocolumn)、ナノトレンチ(nanotrench)、またはナノコン(nanocone)の形態を含む、項目6に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
[項目13]
前記第1基材上に形成された前記第1陰刻または前記第1陽刻によって形成された孔隙は、二つ以上の異なるサイズ及び/または形状を有する、項目6に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
[項目15]
前記第1基材上に粒子の整列層を形成するステップ前に、前記第1基材上に粘着層を形成することをさらに含む、項目1に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
[項目16]
前記第1基材上に整列された前記粒子は、隣接した粒子と接触または離隔している、項目1に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
[項目19]
前記第1薄膜上に一つ以上の追加薄膜を形成することをさらに含む、項目1に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
[項目20]
前記第1基材または前記第2基材は、ガラス、溶融シリカ(fused silica)ウェハ、シリコンウェハまたはフォトレジストを含む、項目1に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
[項目22]
前記粘着層は、(i)−NH
2基を有する化合物、(ii)−SH基を有する化合物、(iii)−OH基を有する化合物、(iv)高分子電解質、(v)ポリスチレン、(vi)フォトレジスト及びこれらの組合で構成された群から選択された化合物を含む、項目14または15に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
[項目24]
前記粒子は、対称性または非対称性模様を有する、項目1に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
[項目25]
前記薄膜は、有機薄膜、無機薄膜または有機−無機ハイブリッド薄膜を含む、項目1に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
[項目27]
前記多孔性多層薄膜の各薄膜が有する孔のサイズ及び前記孔の配列方式は、同一であるか互いに異なる、項目26に記載の孔を有する多孔性薄膜の製造方法。
[項目28]
第1陰刻または第1陽刻が表面に形成された第1基材を準備するステップと、
前記第1基材上に複数の粒子を載せた後、物理的圧力によって前記粒子の一部または全部を前記第1陰刻または前記第1陽刻によって形成された孔隙に挿入させて前記第1基材上に前記粒子の整列層を形成するステップと、
前記粒子の整列層が形成された前記第1基材と第2基材とを接触させて前記粒子の整列層を前記第2基材に転写するステップと、
前記第2基材上に転写された前記粒子の整列層を高分子でコーティングして粒子−高分子複合体薄膜を形成するステップと、
前記粒子−高分子複合体薄膜のうち前記コーティングされた高分子の一部を除去して複数の孔を形成した後、前記孔を通じて前記粒子を除去するステップとを含む、
孔を有する薄膜の製造方法。
[項目32]
前記孔は、2次元的に規則的に配列されている、項目30に記載の孔を有する多孔性薄膜。
[項目33]
前記薄膜は、有機薄膜、無機薄膜または有機−無機ハイブリッド薄膜を含む、項目30に記載の孔を有する多孔性薄膜。
[項目35]
前記薄膜の気孔のサイズは、10nm〜100μmである、項目30に記載の孔を有する多孔性薄膜。
[項目39]
前記孔を有する多孔性多層薄膜の各薄膜が有する孔の模様またはサイズは、それぞれ互いに同一であるか異なる、項目37に記載の孔を有する多孔性薄膜。