(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記入力種類関係推定手段による推定結果と、前記入力候補群記憶手段に記憶されている種類別の入力候補とその組み合わせとに基づいて、前記複数の入力欄に含まれる各入力欄に入力された情報に対してエラー判定を行い、エラーを検出するエラー検出手段を備えた
請求項1に記載の入力支援システム。
前記エラー検出手段は、前記複数の入力欄に含まれる各入力欄に入力された情報の組み合わせが、前記入力候補群記憶手段に記憶されている当該各入力欄が該当する種類別フィールドの入力候補の組み合わせと一致するか否かを判定し、一致しない場合にエラーを検出する
請求項2に記載の入力支援システム。
前記入力種類関係推定手段による推定結果と、前記入力候補群記憶手段に記憶されている種類別の入力候補とその組み合わせとに基づいて、前記複数の入力欄に含まれる少なくとも1つの入力欄に情報が入力されたときに、前記複数の入力欄に含まれる他の入力欄に入力される情報を予測して、入力候補として出力する入力情報推薦手段を備えた
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の入力支援システム。
前記入力情報推薦手段は、情報が入力された入力欄が該当する種類別フィールドの入力候補の中から入力された情報と一致する入力候補を検索し、検索された入力候補と対応づけられている他の入力欄が該当する種類別フィールドの入力候補を取得し、取得された入力候補を当該他の入力欄に入力される情報の入力候補として出力する
請求項4に記載の入力支援システム。
前記入力種類関係推定手段は、前記入力関係ログ記憶手段に記憶されている前記複数の入力欄の各々について、当該入力欄に対して過去に入力された情報と、前記入力候補群記憶手段に記憶されている種類別の入力候補とを比較して、当該入力欄の入力情報の種類が前記入力候補群記憶手段に記憶されている種類別フィールドのいずれに該当するかを推定し、その推定結果と、前記入力関係ログ記憶手段に記憶されている入力関係ログにおける各入力欄間の過去に入力された情報の対応関係とに基づいて、前記複数の入力欄に含まれる各入力欄間の入力情報の種類の関係が、前記入力候補群記憶手段に記憶されている種類別フィールドのどの組み合わせに該当するかを推定する
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の入力支援システム。
前記入力種類関係推定手段は、前記入力関係ログ記憶手段に記憶されている前記複数の入力欄の各入力欄に対して過去に入力された情報と、前記入力候補群記憶手段に記憶されている種類別の入力候補とを比較して、前記各入力欄に対して過去に入力された情報が各々前記入力候補群記憶手段に記憶されている種類別フィールドのいずれに該当するかを推定し、その推定結果によって示される、前記入力関係ログ記憶手段に記憶されている入力関係ログにおける各入力欄間の過去に入力された情報の種類の対応関係とに基づいて、前記複数の入力欄に含まれる各入力欄間の入力情報の種類の関係が、前記入力候補群記憶手段に記憶されている種類別フィールドのどの組み合わせに該当するかを推定する
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の入力支援システム。
エラー検出手段が、前記複数の入力欄に含まれる各入力欄に入力された情報の組み合わせが、前記入力候補群記憶手段に記憶されている当該各入力欄が該当する種類別フィールドの入力候補の組み合わせと一致するか否かを判定し、一致しない場合にエラーを検出する
請求項8に記載の入力支援方法。
入力情報推薦手段が、前記複数の入力欄のうち情報が入力された入力欄が該当する種類別フィールドの入力候補の中から入力された情報と一致する入力候補を検索し、検索された入力候補と対応づけられている他の入力欄が該当する種類別フィールドの入力候補を取得し、取得された入力候補を該他の入力欄に入力される情報の予測結果として出力する
請求項8または請求項9に記載の入力支援方法。
複数の入力欄に対して過去に入力された情報を各々対応づけて記憶する入力関係ログ記憶手段と、情報の種類別の入力候補を、各々他の種類の入力候補と対応づけて記憶する入力候補群記憶手段とにアクセス可能なコンピュータに適用される入力支援プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記入力関係ログ記憶手段に記憶されている入力関係ログと、前記入力候補群記憶手段に記憶されている種類別の入力候補とその組み合わせとに基づいて、前記複数の入力欄に含まれる各入力欄間の入力情報の種類の関係が、前記入力候補群記憶手段に記憶されている種類別のフィールドである種類別フィールドのどの組み合わせに該当するかを推定する処理を実行させる
ための入力支援プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態の入力支援システムの構成例を示すブロック図である。
図1に示す入力支援システムは、入力関係ログ記憶手段101と、入力候補群記憶手段102と、入力種類関係推定手段103とを備えている。
【0019】
入力関係ログ記憶手段101は、複数の入力欄に過去に入力された情報群を1つの組にして入力関係ログとして記憶する。ここで、入力関係ログとは、2以上の入力欄の間にある入力情報の関係性である入力関係を示す情報のログを意味する。入力関係ログ記憶手段101は、例えば、指定された複数の入力欄に対して、同じタイミングで入力された情報をひとまとまりにし、入力先の入力欄との対応がわかるように記憶してもよい。なお、入力関係ログ記憶手段101は、各入力欄に対して入力支援が行われた結果、正しい情報に変換された後の情報を記憶してもよい。
【0020】
また、ここで指定される入力欄は、入力される情報が互いに関係している入力欄であることを前提としているが、後述の入力種類関係推定手段103が関係性の有無の判断を行ってもよい。
【0021】
なお、どの入力欄がどの入力欄と関係するかを表わす情報は、予めシステムで保持されてもよいし、フォーム解析等により動的に取得されてもよい。また、Webページであれば、サーバに一度に送信される情報からそれらの情報を入力させた入力欄が互いに関係しているとして、これらの入力欄が関係するとしてもよい。
【0022】
図2は、入力関係ログ記憶手段101に記憶される入力関係ログの例を示す説明図である。
図2には、入力関係ログとして、入力欄1に過去に入力された情報と、入力欄2に過去に入力された情報とが、それが入力されたタイミングごとに各々対応づけられて記憶されていることが示されている。
図2に示す例では、1つのレコードに含まれる情報は同じ入力タイミングであることを表している。例えば、
図2には、第1番目の入力関係ログとして、入力欄1に「山本」という情報と、入力欄2に「株式会社○△」という情報が同じ入力タイミングで入力されたことが示されている。なお、何をもって同じ入力タイミングとみなすかは、対象フォームによって異なる。例えば、1つのフォーム内に複数の入力欄がある場合に、画面遷移を伴うイベントやサーバへの送信イベントがあったときに、その時点で各入力欄に入力されている情報は入力タイミングが同じであるとみなしてもよい。なお、
図2において、「−」は欠損値を表している。すなわち、
図2では、1組の入力関係ログを登録するタイミングで当該入力欄に情報の入力がなかったことを表している。
【0023】
入力候補群記憶手段102には、情報の種類別の入力候補が、各々他の種類の入力候補と対応づけられて記憶されている。なお、本実施形態では、各種類の入力候補は、種類の表現方法において均質なデータであることを前提とする。すなわち、本実施形態では、各種類の入力候補は、該当する種類について同じ表現方法がとられたデータであることを前提とする。
【0024】
入力候補群記憶手段102に保持させる種類の内容や数は任意であるが、本システムが入力支援の対象とする入力欄に入力させたい情報の種類が含まれていることが好ましい。例えば、入力候補群記憶手段102には、一般に入力欄に入力されやすい情報の種類について、その入力候補となる情報が予め登録されていてもよい。また、組織に所属する人物情報のデータベースや会社の製品情報のデータベースといった既存のデータベースを入力候補群記憶手段102として利用することも可能である。また、他のシステムにおいて取得された入力ログを、その入力先である入力欄ごとに異なる種類の入力候補として利用することも可能である。
【0025】
図3は、入力候補群記憶手段102に記憶される入力候補群の一例を示す説明図である。
図3には、「フィールドA」〜「フィールドE」というフィールド名(識別子)が与えられた5つの種類別フィールドを有する入力候補群記憶手段102に記憶される入力候補群の例が示されている。なお、
図3に示す例では、「フィールドA」〜「フィールドE」において1つのレコードに登録されている情報群は、同じ人物に関する情報である。このように、入力候補群記憶手段102には、各々の種類の入力候補が互いに対応づけられて記憶されている。
【0026】
入力種類関係推定手段103は、入力関係ログ記憶手段101に記憶されている入力関係ログと、入力候補群記憶手段102に記憶されている入力候補群とに基づいて、入力関係ログに登録されている複数の入力欄に含まれる各入力欄間の入力種類関係を推定する。なお、入力関係ログ記憶手段101に記憶されている入力関係ログとは、互いに対応づけられている複数の入力欄の入力ログを示す。また、入力候補群記憶手段102に記憶されている入力候補群は、互いに対応づけられている種類別の入力候補とそれらの組み合わせを示す。なお、入力候補群記憶手段102に記憶されている種類別の入力候補とそれらの組み合わせとは、より具体的には、種類別の各入力候補が他の種類の入力候補と対応付けられていることを示す対応関係のことを意味する。また、入力関係ログに登録されている複数の入力欄に含まれる各入力欄間の入力種類関係とは、該複数の入力欄に含まれる各入力欄間の入力情報の種類の関係を示す。入力種類関係推定手段103は、より具体的には、入力関係ログに登録されている複数の入力欄に含まれる各入力欄間の入力情報の種類の関係が、入力候補群記憶手段102に記憶されている種類別のフィールド(以下、種類別フィールドという。)のどの組み合わせに該当するかを推定する。ここで、フィールドとは、識別可能なラベルが付されて記憶手段に記憶されている情報の集合体またはそれを記憶している記憶領域をいう。なお、入力種類関係推定手段103は、ある入力欄間の入力種類関係の推定結果として、各入力欄の入力情報の種類が具体的にどのような内容であるかまでを特定しなくてもよい。また、推定の結果、ある入力欄が入力候補群記憶手段102に記憶されている種類別フィールドのいずれにも該当しないと判定されたり、ある入力欄間に入力候補群記憶手段102に記憶されている種類別フィールド間の対応関係がみられないと判定されたとする。これらの場合、入力種類関係推定手段103は、その入力欄と他の入力欄との間の入力種類関係またはその入力欄間の入力種類関係を不明としてもよい。また、入力種類関係推定手段103は、3つ以上の入力欄が指定されている場合には、指定された入力欄群に含まれるすべてのペアに対して同様の処理を行い、入力種類関係を推定すればよい。
【0027】
入力種類関係推定手段103は、例えば、入力関係ログ記憶手段101に記憶されている各入力欄の入力ログから、その入力欄に入力されるべき情報の種類が入力候補群記憶手段102に記憶されている各種類別フィールドのいずれに該当するかを推定する処理を行ってもよい。そして、入力種類関係推定手段103は、その推定結果と、入力関係ログにおける各入力欄間の過去の入力情報の対応関係とに基づいて、各入力欄間の入力種類関係を推定してもよい。
【0028】
入力種類関係推定手段103は、例えば、入力欄ごとに、入力候補群記憶手段102に記憶されている各種類別フィールドに対して、当該入力欄の入力ログすなわち過去の入力情報との合致度を算出してもよい。そして、入力種類関係推定手段103は、合致度が所定の閾値以上または最大値をとった種類別フィールドを、当該入力欄に入力すべき情報の種類に該当する種類別フィールドと推定してもよい。入力種類関係推定手段103は、例えば、入力候補群記憶手段102に記憶されている種類別フィールドごとに、入力ログとして記憶されている過去の各入力情報が、当該種類別フィールドに登録されている候補のいずれかに合致するかを判定してもよい。そして、入力種類関係推定手段103は、その結果判明する合致した入力ログ件数(以下、合致ログ件数という。)を基に数値化したものを合致度としてもよい。例えば、種類別フィールドごとの合致ログ件数をそのまま合致度としてもよい。また、例えば、入力ログの全件数における合致ログ件数の割合を合致度としてもよい。
【0029】
また、入力種類関係推定手段103は、このようにして各入力欄がいずれの種類別フィールドに該当するかを推定してもよい。入力種類関係推定手段103は、その推定結果を基に、例えば、対象とする入力欄間の入力関係ログを参照し、登録されている入力関係ログにおいて、当該2つの入力欄の入力ログの関係が、各々の推定結果である種類別フィールド間の関係になっているものを数えてもよい。そして、入力種類関係推定手段103は、その割合が所定の閾値以上であれば、種類判定手段1031による推定の結果示される種類別フィールドの組み合わせを、該入力欄間の入力種類関係に特定してもよい。なお、入力種類関係推定手段103は、その割合が所定の閾値未満であれば、当該入力欄間の入力種類関係を不明としてもよい。
【0030】
図4は、入力種類関係推定手段103がある入力欄間の入力種類関係を推定する例を示す説明図である。なお、
図4に示す例は、
図2に示す入力関係ログの例と、
図3に示す入力候補群の例とを基に入力欄1と入力欄2間の入力種類関係の推定を行った場合の例である。入力種類関係推定手段103は、まず対象とされた入力欄1と入力欄2とについて、それぞれ入力すべき情報の種類がいずれの種類別フィールドに該当するかを推定する。
【0031】
具体的には、入力種類関係推定手段103は、対象とされた入力欄ごとに、その入力欄の入力ログの各レコードの内容が種類別フィールドに含まれる各候補のどれに該当するかを特定する。そして、入力種類関係推定手段103は、種類別フィールドごとに合致ログ件数をカウントし、その結果を基に合致度を算出する。入力種類関係推定手段103は、様々な方法で、入力ログの各レコードの内容が種類別フィールドに含まれる候補に合致するか否かを判定してもよい。入力種類関係推定手段103は、例えば、各々の情報を文字列情報として扱い、両者が完全一致するか否かで判定してもよい。また、入力種類関係推定手段103は、ログの内容である過去の入力文字列に対して候補の内容である候補文字列が前方一致するか否かで判定してもよい。また、入力種類関係推定手段103は、前方一致した場合に候補文字列の文字数に対して過去の入力文字列が一致した文字数の割合が所定値以上であるか否か等によって判定してもよい。
【0032】
また、入力種類関係推定手段103は、例えば、過去の入力文字列と候補文字列とを比較して、両文字列の類似性が所定値以上であれば、両者は合致するとして合致ログ件数を加算してもよい。なお、入力種類関係推定手段103は、文字列の類似性の判定に、編集距離やn−gramでベクトル化した情報の距離などを利用してもよい。また、入力種類関係推定手段103は、先頭文字列が一致することを重視するなど、文字位置により重要度を変える重み付きの距離を用いてもよい。
【0033】
なお、1つの入力文字列が複数の種類別フィールドの候補と合致すると判定された場合、入力種類関係推定手段103は、各々のフィールドに対して合致ログ件数をカウントしてもよい。また、前方一致方式を用いる場合などには、入力種類関係推定手段103は、一致した文字数の割合がより大きい方や文字列の類似性を示す距離がより近かった方のフィールドに対してのみ合致ログ件数をカウントするようにしてもよい。
【0034】
図4(a)には、入力欄1に対する種類別フィールドの推定処理の一例が示されている。
図4(a)には、入力欄1の入力ログのうち、「フィールドA」内の候補と合致した入力ログが6件中4件、「フィールドB」内の候補と合致した入力ログが6件中0件、「フィールドC」内の候補と合致した入力ログが6件中1件、「フィールドD」内の候補と合致した入力ログが6件中0件、「フィールドE」内の候補と合致した入力ログが6件中0件、「その他」すなわちいずれの種類別フィールドの候補とも合致しなかった入力ログが6件中1件あった例が示されている。このような例から、
図4(a)では、これら各合致ログ件数を基に、入力ログ件数(本例では、6件)全体における合致割合を合致度として算出した結果、入力種類関係推定手段103が、入力欄1に該当する種類別フィールドを「フィールドA」と推定した例が示されている。ここで、仮に「その他」の合致割合が最大値をとった場合、入力種類関係推定手段103は、推定結果を該当フィールドなし、すなわち種類不明としてもよい。
【0035】
また、
図4(b)には、入力欄2に対する種類別フィールドの推定処理の一例が示されている。
図4(b)には、入力欄2の入力ログのうち、「フィールドA」内の候補と合致した入力ログが6件中0件、「フィールドB」内の候補と合致した入力ログが6件中5件、「フィールドC」内の候補と合致した入力ログが6件中0件、「フィールドD」内の候補と合致した入力ログが6件中0件、「フィールドE」内の候補と合致した入力ログが6件中0件、「その他」すなわちいずれの種類別フィールドの候補とも合致しなかった入力ログが6件中1件あった例が示されている。このような例から、
図4(b)では、これら各合致ログ件数を基に、入力ログ件数(本例では、6件)全体における合致割合を合致度として算出した結果、入力種類関係推定手段103が、入力欄2に該当する種類別フィールドを「フィールドB」と推定した例が示されている。
【0036】
図4(c)には、このような入力欄1と入力欄2に対する推定結果を基に、入力欄1と入力欄2間の入力種類関係を推定した例が示されている。入力種類関係推定手段103は、例えば、このような入力欄1と入力欄2の入力情報の種類の推定結果と、入力関係ログにおける当該入力欄間の入力ログの対応関係とに基づいて、入力欄1と入力欄2間の入力種類関係を推定する。入力種類関係推定手段103は、例えば、入力欄1と入力欄2の入力関係ログを参照し、入力欄1と入力欄2の入力ログの対応関係が、各々の推定結果である「フィールドA」と「フィールドB」の関係になっているものを数えてもよい。そして、入力種類関係推定手段103は、その割合が所定の閾値以上であれば、入力欄1と入力欄2間の入力種類関係を、「フィールドA」と「フィールドB」間の関係であるとしてもよい。
図4(c)に示す例では、入力欄1と入力欄2の入力関係ログにおいて、入力欄1の入力ログが「フィールドA」に合致し、入力欄2の入力ログが「フィールドB」に合致しているレコードが6件中4件あり、合致割合が0.5以上である。そのため、入力種類関係推定手段103は、入力欄1と入力欄2間の入力種類関係を、入力候補群記憶手段102における「フィールドA」と「フィールドB」の関係であると推定している。なお、入力種類関係推定手段103は、入力欄1と入力欄2の入力関係ログにおける入力ログの対応関係を判断する際に、さらに、各々の内容が入力候補群記憶手段102において1つのレコードとして対応づけられている候補の組み合わせと一致するかどうかを判定結果に加えてもよい。その場合、
図4(c)において一致しているレコードは6件中3件となる。
【0037】
なお、入力種類関係推定手段103は、上記方法以外の方法を用いて、入力欄間の入力種類関係を推定してもよい。入力種類関係推定手段103は、例えば、入力種類関係の推定対象とされた各入力欄の各入力ログと各種類別フィールドの候補との合致判定の結果を基に、入力関係ログにおいて当該入力欄間の種類別フィールドの組み合わせで最も多かった組み合わせを、当該入力欄間の入力種類関係と推定してもよい。
【0038】
また、入力種類関係推定手段103は、入力ログと各種類別フィールドの候補とが合致するか否かの判定において、合致するか否かを1と0のように二値で表すのではなく、テキスト間の類似度などで表わしてもよい。テキスト間の類似度としては、例えば、編集距離を用いた類似度やn−gramによるベクトル化した後の類似度、形態素解析や特徴語抽出を行った後のベクトル化した後の類似度などが挙げられる。すなわち、入力種類関係推定手段103は、合致ログ件数をカウントする際、合致したときに1を加算するのではなく、合致か否かの判定を行わずに類似度を加算してもよい。また、入力ログの各レコードに有効度が付されているなどの場合、入力種類関係推定手段103は、その有効度を重みとして扱ってもよい。すなわち、入力種類関係推定手段103は、件数や類似度を扱う際に各レコードの有効度を乗算して、その和をとるといった処理を行ってもよい。有効度付きのログは、例えば、ログを登録する際に当該入力に対するエラー判定の結果を待って、その結果と一緒に登録することによって得られる。
【0039】
なお、本実施形態において、入力関係ログ記憶手段101および入力候補群記憶手段102は、例えばデータベース等の記憶装置によって実現される。また、入力種類関係推定手段103は、例えば、CPU等のプログラムに従って動作する情報処理装置によって実現される。なお、入力関係ログ記憶手段101および入力候補群記憶手段102は、入力種類関係推定手段103がアクセス可能であれば、必ずしも当該入力支援システム自身が備えていなくてもよい。
【0040】
図5は、本実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。なお、
図5は、本実施形態の動作のうち、入力種類関係推定手段103による各入力欄間の入力種類関係の推定処理の処理フローの一例を示すフローチャートである。
図5に示すように、例えば、ある複数の入力欄について入力欄間の入力種類関係の推定を要求されたとする。この場合、入力種類関係推定手段103は、まず各入力欄について、入力関係ログ記憶手段101に記憶されている当該入力欄の入力ログと、入力候補群記憶手段102に記憶されている候補群とに基づいて、各入力欄に入力されるべき情報の種類がいずれの種類別フィールドに該当するかを推定してもよい(ステップS101)。次いで、入力種類関係推定手段103は、その推定結果と、入力関係ログ記憶手段101に記憶されている各入力欄間の入力ログの対応関係とを基に、各入力欄間の入力種類関係が、種類別フィールドのどの組み合わせに該当するかを推定する(ステップS102)。このような、各入力欄間の入力種類関係の推定処理は、例えば、システム導入時に初期化処理において行われてもよいし、システム稼働中に周期的に行われるようにしてもよい。
【0041】
また、
図6は、入力候補群記憶手段102に記憶される入力候補群の他の例を示す説明図である。入力候補群は、
図6に示すように、同一の記入項目に対して複数の記載形式をとるものを異なる種類の候補として登録されるものであってもよい。なお、
図6には、「フィールドA」というフィールド名が与えられた種別フィールドと、「フィールドB」というフィールド名が与えられた種類別フィールドとを有する入力候補群記憶手段102に、各々の入力候補が互いに対応づけられて登録された入力候補群の例が示されている。本例では、「フィールドA」と「フィールドB」のどちらにも「住所」を表す入力候補が登録されている。より具体的には、「フィールドA」には「都道府県名から始まる住所」である情報の候補一覧が登録されており、「フィールドB」には「都道府県名を除いた住所」である情報の候補一覧が登録されている。
【0042】
このように、同じ記入項目であっても、記載形式が異なる複数のものを、異なる種類の入力候補として登録しておけば、そのような記載形式の違いを区別した上で、各入力欄がどの種類別フィールドに該当するかを推定できる。よって、予め入力されうるデータの種類を指定しておかなくても、入力ログに基づく推定結果と、対応する他の入力欄に入力された情報とから、記載形式が区別された情報の入力を支援することができる。
【0043】
また、
図7は、入力候補群記憶手段102に記憶される入力候補群の他の例を示す説明図である。入力候補群は、
図7に示すように、粒度の異なる情報を登録する種類別フィールドを連結させて1つの種類別フィールドとして登録するものであってもよい。
図7に示す例において、「フィールドA」と「フィールドB」には所定の情報(本例では、住所を示す情報)を分割したものが各々入力候補として登録されている。なお、本例では「フィールドA」の方が情報の粒度が大きいものとする。
【0044】
入力種類関係推定手段103は、そのような場合に、連結フィールドを1つの種類別フィールドとして扱って各入力欄の入力ログとの合致判定を行ってもよい。
図7に示す例であれば、入力種類関係推定手段103は、「ID2」による種類別フィールドの区分でなく、「ID1」による種類別フィールドの区分を用いてもよい。具体的には、入力種類関係推定手段103は、フィールドA,Bの各レコードの情報を連結した情報を、当該連結フィールドの各レコードの情報として扱ってもよい。本例であれば、入力種類関係推定手段103は、フィールドAの1レコード目に登録されている候補である「大阪市」とフィールドBの1レコード目に登録されている候補である「北区」とを連結させる。そして、入力種類関係推定手段103は、連結させた「大阪市北区」が当該連結フィールドの1レコード目に登録されている候補であるとして、入力ログの各レコードと比較してもよい。
【0045】
なお、
図7では、「ID1」の区分による種類別フィールドとして、「連結フィールドAB」のみを示しているが、入力候補群記憶手段102は、連結フィールドAB以外にも、他の種類別フィールド(連結フィールドを含む)を有しているものとする。
【0046】
また、
図8は、入力者を示す情報付きの入力関係ログの例を示す説明図である。このような入力者を示す情報付きの入力ログは、例えば、システムログイン時にユーザID等を入力するなどの認証システムを利用し、ログを登録する際に現在ログイン中のユーザを識別する情報と一緒に登録することによって得られる。入力種類関係推定手段103は、例えば、
図8に示すような入力者を示す情報付きの入力関係ログが記憶されている場合には、現在の入力者と同一の入力者の入力ログのみを利用して推定処理を行うなど、ユーザ別の処理を行ってもよい。
【0047】
以上のように、本実施形態によれば、入力種類関係推定手段103が、複数の入力欄に含まれる入力欄間の入力情報の種類の関係を、対象とされた各入力欄に過去に入力された情報とその対応関係と、入力候補群記憶手段102内の入力候補群とに基づいて推定する。そのため、各入力欄に対して予めどのような情報が入力されるのかといった入力されうるデータの種類を細かく指定しておかなくても、一方の入力欄の入力を基に他方の入力欄のエラー判定を行ったり、予測変換を行う等の入力支援を、様々な入力欄の組み合わせに対して実施できる。また、本実施形態によれば、各入力欄に対して予め細かな指定をしなくても、入力種類関係推定手段103が、入力候補群記憶手段102に登録させる入力候補群と、記憶させる入力関係ログとの組み合わせに応じて、各入力欄の入力情報の種類を動的に導き出すことができる。そのため、きめ細やかな入力支援システムを簡単に導入できる。
【0048】
例えば、本実施形態によれば、入力候補群記憶手段102に登録する種類の区分けの制御によって、同じ住所でも都内の住所が入りやすいのか、一般的な住所が入りやすいかといった粒度で細かい判定ができる。それにより、予測変換やエラー判定の精度を上げることができる。また、システム稼働中であっても、入力ログの与え方次第で入力欄に入力させる情報の種類や粒度を変えることも可能である。
【0049】
実施形態2.
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図9は、第2の実施形態の入力支援システムの構成例を示すブロック図である。
図9に示す入力支援システムは、
図1に示す第1の実施形態と比べて、新たにエラー検出手段104を備えている点が異なる。
【0050】
エラー検出手段104は、エラー検出対象とされる入力欄群に含まれる各入力欄間について入力種類関係推定手段103によって推定された入力種類関係と、入力候補群記憶手段102に記憶されている入力候補群(すなわち、種類別の候補とそれらの組み合わせ)とに基づいて、対象の入力欄群に対して新たな入力があった場合に、エラー判定を行う。エラー検出手段104は、例えば、対象の入力欄群に含まれる各入力欄に対して入力された情報の組み合わせが、各入力欄が該当する種類別フィールドの候補の組み合わせと一致するか否かを判定し、一致しない場合にエラーを検出してもよい。
【0051】
なお、本実施形態において、エラー検出手段104は、例えば、CPU等のプログラムに従って動作する情報処理装置によって実現される。
【0052】
図10は、本実施形態の入力支援システムの動作の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、エラー検出対象とする入力欄群が予め指定されているとする。そして、入力関係ログ記憶手段101には、エラー検出対象とされた入力欄群に含まれる各入力欄に過去に入力された情報群が1つのレコードにまとめられて入力関係ログとして記憶されているとする(ステップS201)。次いで、入力種類関係推定手段103は、入力関係ログ記憶手段101に記憶されている入力関係ログと、入力候補群記憶手段102に記憶されている入力候補群とに基づいて、対象とされる入力欄群に含まれる各入力欄間の入力種類関係を推定する(ステップS202)。ここでは、推定結果として、各入力欄間の入力情報の種類に該当する種類別フィールドの組を示す情報を少なくとも得るものとする。
【0053】
ここで、エラー検出対象とする入力欄群に含まれる各入力欄に対して新たな情報が入力されると(ステップS203のYes)、エラー検出手段104は、当該入力欄群に含まれる各入力欄間の入力種類関係の推定結果と、入力候補群記憶手段102に記憶されている入力候補群とに基づいて、各入力欄に入力された入力情報の組み合わせに対してエラー判定を行う(ステップS204)。エラーが検出された場合(ステップS205のYes)、エラー検出手段104は、エラーメッセージを表示する(ステップS206)。
【0054】
図11は、エラー検出手段104によるエラー検出処理の一例を示す説明図である。本例では、エラー検出対象とする入力欄群の1つとして、
図11(b)に示す入力フォームの入力欄1と入力欄2とが指定されていたとする。また、エラー検出手段104は、入力種類関係推定手段103による推定の結果、入力欄1と入力欄2間の入力種類関係が、
図11(a)に示す入力候補群記憶手段102の「フィールドA」と「フィールドB」間の関係であることを示す情報を得ていたとする。そのような場合において、
図11(b)に示すように、新たな情報の入力として、入力欄1に「009」が入力され、入力欄2に「営業部」が入力されたとする。このような場合に、エラー検出手段104は、対象とされた入力欄群に含まれる各入力欄に入力された情報の組と一致する組み合わせが、入力候補群記憶手段102に登録されている入力候補群に含まれているか否かを判定し、含まれていなければエラーを検出してもよい。本例では、入力情報の組が「009」と「営業部」であるが、そのような組み合わせは、入力候補群記憶手段102に登録されている「フィールドA」と「フィールドB」の候補の組み合わせの中に存在しない。そのため、エラー検出手段104は、エラーを検出する。
【0055】
エラー検出手段104は、このようにしてエラーが検出された場合には、入力欄1への入力と入力欄2への入力のうちのどちらかに誤りがあるとして、その旨を通知するエラーメッセージを表示してもよい。エラー検出手段104は、例えば、
図11(c)に示すような「入力欄1または入力欄2の入力に誤りがありませんか?」といったメッセージを出力してもよい。
【0056】
また、エラー検出手段104は、エラーメッセージを表示する際に、候補一覧において情報の種類(異なり数)が多い方の入力欄を誤りのある入力欄として出力してもよい。
【0057】
また、エラー検出手段104は、いずれかの入力欄に候補一覧にない情報が入力されている場合には、その入力欄を誤りのある入力欄として、その入力欄への入力に誤りがある旨のエラーメッセージを出力してもよい。
【0058】
また、エラー検出手段104は、種類別フィールドに名称(例えば、「部署名」など)がついている場合には、その名称を利用して「009に対する部署名を書いてください」といったメッセージを出力してもよい。
【0059】
また、
図12は、エラー検出手段104によるエラー検出処理の他の例を示す説明図である。
図12に示すように、エラー検出手段104は、各入力欄に入力された情報の組と完全に一致する組み合わせが、入力候補群記憶手段102に登録されている当該各入力欄が該当する種類別フィールドの候補の組み合わせの中に含まれていない場合であっても、文字列が部分一致する候補による組み合わせや文字列の類似性が所定の値以上となる候補による組み合わせがあれば、その候補の組み合わせを正解候補であるとみなして、正解候補を示しつつその間違いでないかを確認するメッセージを出力してもよい。なお、
図12に示す例は、入力種類関係推定手段103による推定の結果、入力欄1と入力欄2間の入力種類関係が、
図12(a)に示す入力候補群記憶手段102の「フィールドA」と「フィールドE」間の関係であることを示す情報を得ている場合に、新たな情報の入力として、入力欄1に「009」が入力され、入力欄2に「バスケット(basket)」が入力された場合のエラー検出処理の例である(
図12(b)参照)。このような場合には、エラー検出手段104は、種類別の候補を組み合わせた文字列の類似性が所定の値以上となった「009」と「バスケットボール(basketball)」を正解候補とみなして、
図12(c)に示すような「バスケットボールではありませんか?」といったメッセージを表示してもよい。
【0060】
なお、
図11および
図12では入力欄が2つの場合を例に示した。エラー検出手段104は、入力欄が3つ以上である場合であっても同様に、各入力欄に入力された情報の組み合わせと一致する組み合わせが、入力候補群記憶手段102に登録されている入力候補群に含まれているか否かを判定して、含まれていなければエラーを検出すればよい。また、入力欄が3つ以上の場合にエラーが検出された場合、エラー検出手段104は、入力された情報の組み合わせと、該組み合わせと最もよく合致した候補の組み合わせとを比較してもよい。そして、エラー検出手段104は、入力情報が候補と一致しない入力欄を誤りのある入力欄として、その入力欄への入力に誤りがある旨のエラーメッセージを出力してもよい。
【0061】
以上のように、本実施形態によれば、入力種類関係推定手段103による推定結果と、入力候補群記憶手段102に記憶されている入力候補群(すなわち、種類別の候補一覧とその組み合わせ)とを利用して、エラー検出手段104がエラー判定を行う。そのため、予め入力されうるデータの種類を指定しておかなくても、また、初めて入力される情報であっても、入力された情報の正誤を判定できる。
【0062】
実施形態3.
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図13は、第3の実施形態の入力支援システムの構成例を示すブロック図である。
図13に示す入力支援システムは、
図1に示す第1の実施形態と比べて、新たに入力情報推薦手段105を備えている点が異なる。
【0063】
入力情報推薦手段105は、入力候補の推薦を行う対象とされた入力欄群に含まれる少なくとも一つの入力欄に対して新たな入力があったか否かを判断する。そのような入力が場合に、入力情報推薦手段105は、入力種類関係推定手段103によって推定された該入力欄群における各入力欄間の入力種類関係と、入力候補群記憶手段102に記憶されている入力候補群(すなわち、種類別の候補とそれらの組み合わせ)とに基づいて、該入力欄群に含まれる他の入力欄に入力される情報を予測して、ユーザに入力候補として提示する。このように、本実施形態では、入力候補群記憶手段102内の入力候補群を種類間の変換知識として利用することで、入力候補を予測する。
【0064】
なお、本実施形態において、入力情報推薦手段105は、例えば、CPU等のプログラムに従って動作する情報処理装置によって実現される。
【0065】
図14は、本実施形態の入力支援システムの動作の一例を示すフローチャートである。以下では、
図14におけるステップS201〜S202は
図10に示した第2の実施形態と同様であるため、説明を省略している。
【0066】
なお、本実施形態では、入力候補の推薦を行う対象とする入力欄群が予め指定されているとする。そして、入力関係ログ記憶手段101には、入力候補の推薦を行う対象とされた入力欄群に含まれる各入力欄に過去に入力された情報群が1つのレコードにまとめられて入力関係ログとして記憶されているとする。
【0067】
ステップS301において、入力候補の推薦を行う対象とされた入力欄群に含まれる少なくとも1つの入力欄に新たな入力がなされると(ステップS301のYes)、入力情報推薦手段105は、その入力情報と、当該入力欄群に含まれる各入力欄間の入力種類関係の推定結果と、入力候補群記憶手段102に記憶されている入力候補群とに基づいて、当該入力欄群に含まれる他の入力欄に入力される情報を予測する(ステップS302)。そして、入力情報推薦手段105は、その結果を入力候補として出力する(ステップS303)。
【0068】
図15は、入力情報推薦手段105による予測処理の例を示す説明図である。本例では、入力候補の推薦を行う対象とする入力欄群の1つとして
図15(b)に示す入力フォームの入力欄1と入力欄2とが指定されていたとする。また、入力情報推薦手段105は、入力種類関係推定手段103による推定の結果、入力欄1と入力欄2間の入力種類関係が、
図15(a)に示す入力候補群記憶手段102の「フィールドA」と「フィールドB」間の関係であることを示す情報を得ていたとする。そのような場合において、
図15(b)に示すように、新たな情報の入力として、入力欄1に「009」が入力されたとする。このような場合に、入力情報推薦手段105は、情報が入力された入力欄が該当する種類別フィールドの候補の中から入力情報と一致する候補を含むレコードを検索する。そして、入力情報推薦手段105は、そのレコード内において当該候補と対応づけられている他の入力欄が該当する種類別フィールドの候補を、該他の入力欄の入力候補として取得してもよい。本例の場合、入力情報推薦手段105は、「フィールドA」に登録されている候補の中から入力情報である「009」と一致する候補を含むレコードを検索する。入力情報推薦手段105は、そのレコード内において当該候補「009」と対応づけられている「フィールドB」の候補である「開発部」を、入力欄2の入力候補として取得してもよい。
【0069】
入力情報推薦手段105は、例えば、可能性のある文字列そのものをその入力欄の中に表示することにより、入力候補を提示してもよい。その際、ユーザによって入力された情報(ユーザ入力情報)と、入力情報推薦手段105によって提示された入力候補(推薦情報)とを区別するため、入力情報推薦手段105は、例えば、推薦情報の表示態様をユーザ入力情報と異なるようにしてもよい。入力情報推薦手段105は、例えば、ユーザ入力情報よりも薄いフォントで推薦情報を表示してもよい。なお、
図15(c)に示す例では、下線を引くことにより区別している。このようにすることで、ユーザ入力情報と推薦情報とを区別することができる。なお、この他にも、入力情報推薦手段105は、例えば、当該入力欄の入力フォーム上をクリックするなどして、当該入力欄への入力操作がアクティブになった際に、コンボボックス等で推薦情報を一覧表示してもよい。ここで、入力候補が複数ある場合、入力情報推薦手段105は、入力候補群や入力ログにおける出現頻度が高い順に表示してもよい。また、例えば、推薦を行う対象とされた入力欄が3つ以上ある場合など、1つの入力欄への入力が行われた際には他の入力欄の入力候補が複数あったが、さらに他の入力欄へのユーザによる情報入力または候補の選択が行われたことによって、入力済みの情報群の組と一致する候補の組が絞られる場合がある。そのような場合、入力情報推薦手段105は、ユーザが新たに情報を入力または候補を選択する度に、入力済みの情報群の組と一致する候補の組を検索しなおすなどして、推薦情報を動的に絞り込んでいってもよい。
【0070】
また、
図16は、入力情報推薦手段105による予測処理の他の例を示す説明図である。本例では、入力候補の推薦を行う対象とする入力欄群の1つとして
図16(b)に示す入力フォームの入力欄1と入力欄2と入力欄3とが指定されていたとする。また、入力情報推薦手段105は、入力種類関係推定手段103による推定の結果、入力欄1と入力欄2と入力欄3間の入力種類関係が、
図16(a)に示す入力候補群記憶手段102の「フィールドC」と「フィールドD」と「フォールドE」間の関係であることを示す情報を得ていたとする。そのような場合において、
図16(b)に示すように、新たな情報の入力として、入力欄1に「男」が入力され、かつ入力欄2に「40代」が入力されたとする。
【0071】
また、
図17は、このときの入力関係ログの例を示す説明図である。このような場合に、入力情報推薦手段105は、例えば、入力関係ログから入力欄1と入力欄2に入力された入力情報の組み合わせと一致するレコードを検索し、検索されたレコードに含まれる入力欄3のデータをその出願頻度が多い順に推薦してもよい。その際、入力情報推薦手段105は、入力候補群記憶手段102内の当該入力欄3が該当する種類別フィールドに候補として含まれているものがあれば、それを優先させるなどの処理を行ってもよい。入力情報推薦手段105は、例えば、入力候補に含まれる頻度と、入力関係ログに含まれる頻度とを乗算した値で順序付けしてもよい。または、入力情報推薦手段105は、どちらかをより優先させるように順位づけてもよい。また、その際に、入力情報推薦手段105は、入力ログに付された有効度を加味してもよい。
【0072】
また、上記例では入力欄1と入力欄2の両方が一致する組み合わせを検索して入力候補を抽出する例を示したが、入力情報推薦手段105は、少なくとも1つの入力情報が一致していれば、当該レコードを対象データの候補として抽出してもよい。その際、入力情報推薦手段105は、入力欄1と入力欄2の各々が一致する入力欄3のデータの頻度を用いて順位づけしてもよい。
【0073】
また、入力情報推薦手段105は、このような入力関係ログに基づく予測処理の結果、入力関係ログに該当するデータがなければ、入力候補群記憶手段102内の入力候補群を対象に、同様の抽出処理を行うようにしてもよい。なお、入力情報推薦手段105は、入力関係ログに該当するデータがある場合でも、入力候補群記憶手段102内の入力候補群を対象に加えて、入力候補の抽出処理を行ってもよい。
【0074】
なお、上記は入力欄が3つある場合の例を用いて説明したが、入力関係ログに基づく予測処理と、入力候補群に基づく予測処理との組み合わせは、入力欄が2つの場合にも適用できる。また、入力欄の数に関係なく、入力関係ログに基づく予測処理を行うか否か、入力関係ログに基づく予測処理を行う場合に入力候補群と入力関係ログのどちらを優先させるか、または、入力候補群と入力関係ログをどの程度優先させるか等の条件を設定で与えられるようにし、その条件を切り替えられるようにしてもよい。
【0075】
また、
図16に示すように、当該システムにおける入力欄は、テキストを入力するものに限らず、ラジオボタンやコンボボックス、チェックボックス等の選択的な入力を行うコンポーネントであってもよい。
【0076】
また、
図16(c)には本例における入力候補の一覧表示の例が示されている。なお、
図16(c)に示す例では、入力関係ログに含まれている入力欄3の「aaaa」という入力情報が、候補一覧に含まれていないとの理由により除外されているが、除外せずに候補の一つに加えられてもよい。
【0077】
また、
図18は、入力情報推薦手段105による予測処理の他の例を示す説明図である。本例では、推薦を行う対象とする入力欄群の1つとして
図18(c)に示す入力フォームの入力欄1と入力欄2と入力欄3とが指定されていたとする。また、入力情報推薦手段105は、入力種類関係推定手段103による推定の結果、入力欄1と入力欄2と入力欄3間の入力種類関係が、
図18(a)に示す入力候補群記憶手段102の「フィールドA」と「フィールドB」と「フォールドD」間の関係であることを示す情報を得ていたとする。また、
図18(b)は、このときの入力関係ログの例である。そのような場合において、
図18(c)に示すように、新たな情報の入力として、入力欄1に「タクシー」が入力され、かつ入力欄2に「××駅」が入力されたとする。
【0078】
このような場合に、入力情報推薦手段105は、例えば、入力関係ログから入力欄1と入力欄2に入力された入力情報の組と一致するレコードを検索した結果、該当レコードなしとして、さらに、入力候補群記憶手段102内の入力候補群を検索対象にして、入力欄1と入力欄2に入力された入力情報の組と一致するレコードを検索してもよい。本例では、その結果、入力欄3の入力候補として、「打ち合わせ。時間の効率化」というデータを得ることができる。入力候補は、本例のように文であってもよい。
【0079】
以上のように、本実施形態によれば、入力種類関係推定手段103による推定結果と、入力候補群記憶手段102に記憶されている入力候補群(すなわち、種類別の候補一覧とその組み合わせ)とを利用して、他の入力欄の入力候補を予測することができる。そのため、予め各入力欄に入力されうるデータの種類を指定しておかなくても、また、初めて入力される情報であっても、対応する入力欄の入力候補を提示することができる。
【0080】
なお、
図13に示す例では、第1の実施形態の構成に入力情報推薦手段105が追加された構成を示したが、例えば、第2の実施形態の構成に入力情報推薦手段105を追加してもよい。そのような場合には、エラー検出と予測変換候補の提示とを同時に行うようにしてもよいし、選択的にどちらか一方の機能のみを行うようにしてもよい。
【0081】
また、上記各実施形態では、ユーザからの入力を受け付ける入力欄を含む画面を表示する出力手段や、ユーザによる該入力欄への入力を受け付ける入力手段を図示省略している。これらの入出力手段は、例えば、ディスプレイ装置やキーボードやタッチパネルなどにより実現される。また、これら入出力手段と、他の処理手段との関係は、Webシステムのような、サーバ/クライアント方式で実現されていてもよいし、単一の装置(スタンドアロン方式)で実現されていてもよい。
【0082】
以上、実施形態及び実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0083】
この出願は、2013年1月22日に出願された日本特許出願2013−009572を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。