特許 5950468 ドアハンドル

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】5950468

(24)【登録日】2016年6月17日

(45)【発行日】2016年7月13日

(54)【発明の名称】ドアハンドル

(51)【国際特許分類】

   B60J 5/04 20060101AFI20160630BHJP

   E05B 85/16 20140101ALI20160630BHJP

   F21S 8/10 20060101ALI20160630BHJP

   B60Q 1/24 20060101ALI20160630BHJP

【ＦＩ】

   B60J5/04 H

   E05B85/16 Z

   F21S8/10 400

   B60Q1/24 D

【請求項の数】2

【全頁数】13

(21)【出願番号】特願2013-238818(P2013-238818)

(22)【出願日】2013年11月19日

(65)【公開番号】特開2015-98260(P2015-98260A)

(43)【公開日】2015年5月28日

【審査請求日】2014年12月10日

(73)【特許権者】

【識別番号】000001133

【氏名又は名称】株式会社小糸製作所

(73)【特許権者】

【識別番号】000000011

【氏名又は名称】アイシン精機株式会社

(73)【特許権者】

【識別番号】000003207

【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100116942

【弁理士】

【氏名又は名称】岩田 雅信

(74)【代理人】

【識別番号】100167704

【弁理士】

【氏名又は名称】中川 裕人

(74)【代理人】

【識別番号】100114122

【弁理士】

【氏名又は名称】鈴木 伸夫

(74)【代理人】

【識別番号】100086841

【弁理士】

【氏名又は名称】脇 篤夫

(72)【発明者】

【氏名】高橋 晴仁

(72)【発明者】

【氏名】風岡 成彦

(72)【発明者】

【氏名】立石 将司

(72)【発明者】

【氏名】吉野 雅樹

(72)【発明者】

【氏名】石川 善基

【審査官】 常盤 務

(56)【参考文献】

【文献】 特開２０１２−０２１２８５（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００３−１４６１４８（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００８−２９６６３２（ＪＰ，Ａ）

【文献】 米国特許出願公開第２０１２／０１２７７４６（ＵＳ，Ａ１）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｂ６０Ｊ ５／０４

Ｅ０５Ｂ ８５／１６

Ｆ２１Ｓ ８／１０

Ｂ６０Ｑ １／２４

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

内部に配置空間を有する筐体と前記配置空間に配置されたランプユニットとを備えたドアハンドルであって、
前記ランプユニットから出射される光を所定の方向へ導いて出光面から出射させる導光体とを備え、
前記出光面が前記筐体の外面より内側に位置され、
前記導光体が所定の方向に延びる形状に形成され、
前記筐体に第１のパネルと第２のパネルが設けられ、
前記導光体が前記所定の方向に直交する方向から前記第１のパネルと前記第２のパネルによって挟持されて保持され前記配置空間に配置され、
前記第１のパネルと前記第２のパネルにそれぞれ前記所定の方向に離隔して位置され前記導光体側に突出された複数の保持突部が設けられ、
前記複数の保持突部が前記導光体に押し当てられて前記導光体が前記第１のパネルと前記第２のパネルによって挟持され、
前記第１のパネルの保持突部と前記第２のパネルの保持突部が光が導かれる前記所定の方向において交互に位置する状態で設けられた
ドアハンドル。

【請求項2】

前記筐体の外面に所定の色による塗装が施され、
前記筐体の内面における前記導光体に対向する面に前記塗装が施されていない
請求項１に記載のドアハンドル。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は導光体によって光を所定の方向へ導くランプユニットを備えたドアハンドルについての技術分野に関する。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0002】

【特許文献1】特開２０１０−２２９７９７号公報

【特許文献2】特開２００９−１３３１３３号公報

【特許文献3】特開２００６−９２７９号公報

【背景技術】

【0003】

ドアハンドルには、ハウジングに回路基板が保持され、回路基板に光源として機能する発光素子が搭載され、発光素子から出射された光が所定の方向へ照射されるように構成されたものがある（例えば、特許文献１乃至特許文献３参照）。

【0004】

特許文献１及び特許文献２には、ドアハンドルに内蔵された照明ユニットによってドアの開閉時に足下が照明される技術が示されている。足下が照明されることにより、ドアの開閉時に水溜まり等の有無を把握することができ、搭乗者の利便性の向上が図られる。

【0005】

特許文献３にも、ドアハンドルに内蔵された照明ユニットに関する技術が示されている。特許文献３に記載された照明ユニットにあっては、ハウジング（ケース）と蓋部によって内部空間が形成され内部空間に回路基板が配置され、回路基板に発光素子が搭載されている。回路基板にはハウジングを挿通された接続コードが接続され、接続コードを介して発光素子に駆動電流が供給されて発光素子から所定の方向へ向けて光が出射される。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

ところが、特許文献３に記載されたドアハンドルにあっては、発光素子から出射された光が導光体（拡散部材）を介して外部へ照射されるように構成されているが、導光体の出射面がドアハンドルの筐体（パネル）から突出されている。

【0007】

従って、操作者（搭乗者）がドアハンドルを把持したときに手に導光体の一部が触れてしまい、把持した状態において違和感を生じたり、導光体の表面が汚れてしまうと言う不都合を発生するおそれがある。

【0008】

そこで、本発明ドアハンドルは、上記した問題点を克服し、操作者がドアハンドルを把持したときの不都合の発生を防止することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0009】

第１に、本発明に係るドアハンドルは、内部に配置空間を有する筐体と前記配置空間に配置されたランプユニットとを備えたドアハンドルであって、前記ランプユニットから出射される光を所定の方向へ導いて出光面から出射させる導光体とを備え、前記出光面が前記筐体の外面より内側に位置されたものである。

【0010】

これにより、操作者がドアハンドルを把持したときに手が導光体の出光面に接触しない。

【0011】

また、本発明に係るドアハンドルは、前記導光体が所定の方向に延びる形状に形成され、前記筐体に第１のパネルと第２のパネルが設けられ、前記導光体が前記所定の方向に直交する方向から前記第１のパネルと前記第２のパネルによって挟持されて保持され前記配置空間に配置されたものである。

【0012】

これにより、導光体を保持するための他の専用の保持手段が必要ない。

【0013】

また、本発明に係るドアハンドルは、前記第１のパネルと前記第２のパネルにそれぞれ前記所定の方向に離隔して位置され前記導光体側に突出された複数の保持突部が設けられ、前記複数の保持突部が前記導光体に押し当てられて前記導光体が前記第１のパネルと前記第２のパネルによって挟持され、前記第１のパネルの保持突部と前記第２のパネルの保持突部が光が導かれる前記所定の方向において交互に位置する状態で設けられたものである。

【0014】

これにより、導光体が延びる方向において離隔した位置で複数の保持突部が導光体に押し当てられるため、導光体のガタツキが抑制され導光体の筐体に対する安定した保持状態を確保することができる。また、第１のパネルの保持突部と第２のパネルの保持突部が光が導かれる所定の方向において交互に位置する状態で設けられているため、導光体のガタツキが一層抑制され、導光体の筐体に対する一層安定した保持状態を確保することができる。

【0015】

第２に、本発明に係るドアハンドルにおいては、前記筐体の外面に所定の色による塗装が施され、前記筐体の内面における前記導光体に対向する面に前記塗装が施されていないことが望ましい。

【0016】

これにより、導光体から塗装による色が付された光が出射されない。

【発明の効果】

【0017】

本発明によれば、操作者がドアハンドルを把持したときに手が導光体の出光面に接触しないため、操作者がドアハンドルを把持したときの不都合の発生を防止することができる。また、導光体を保持するための他の専用の保持手段が必要でなくなる。また、導光体が延びる方向において離隔した位置で複数の保持突部が導光体に押し当てられるため、導光体のガタツキが抑制され導光体の筐体に対する安定した保持状態を確保することができる。また、第１のパネルの保持突部と第２のパネルの保持突部が光が導かれる所定の方向において交互に位置する状態で設けられているため、導光体のガタツキが一層抑制され、導光体の筐体に対する一層安定した保持状態を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【0018】

【図1】図２乃至図１０と共に本発明の実施の形態を示すものであり、本図は、ドアハンドルがドアに連結された状態を示す概略斜視図である。

【図2】ドアハンドルの概略平面図である。

【図3】ドアハンドルの概略側面図である。

【図4】図２のＩＶ−ＩＶ線に沿う拡大断面図である。

【図5】図３のＶ−Ｖ線に沿う拡大断面図である。

【図6】図３のＶＩ−ＶＩ線に沿う拡大断面図である。

【図7】第２の導光レンズが保持された状態を示す断面図である。

【図8】照明体の拡大分解斜視図である。

【図9】第１の導光レンズから出射される光の経路を示す拡大図である。

【図10】第２の導光レンズを介して導光体から出射される光の経路を示す拡大図である。

【発明を実施するための形態】

【0019】

以下に、本発明ドアハンドルを実施するための形態について添付図面を参照して説明する。

【0020】

ドアハンドル１は、例えば、略前後方向に延びる形状に形成され、筐体２と筐体２の内部に配置された後述するランプユニットとを備えている（図１乃至図３参照）。ドアハンドル１は車輌のドア１００の把手として用いられ、前端部に設けられた図示しない連結部がドアパネル１０１に連結されている（図１参照）。ドアパネル１０１の外面にはドアハンドル１の内側に操作者（搭乗者）が指を挿入するための挿入凹部１０１ａが形成されている。

【0021】

ドアハンドル１はドア１００に対して前端部を支点として後端部が車輌の左右方向へ移動するように回動可能とされ、ドア１００の開放時に操作者によって後端部がドアパネル１０１から離隔する方向へ回動される。操作者による操作が終了すると、ドアハンドル１は図示しない付勢手段によって後端部がドアパネル１０１に近付く方向へ回動され操作前の元の位置に戻る。

【0022】

このようなドアハンドル１が設けられた車輌においては、車輌のエンジンを始動するためのキーを所持している操作者がドアハンドル１から一定の距離に近付くと、ドアハンドル１に内蔵された図示しない検出部によってキーの存在が検出される。このときキーの存在の検出に伴ってドアハンドル１の内部に配置された後述するランプユニットから光が照射される。ランプユニットからは少なくともドアハンドル１の下方へ向けて光が照射され、照射された光によって足下の路面が照明されることにより、例えば、夜間のドア１００の開閉時に水溜まり等の有無を把握することができ、搭乗者の利便性の向上が図られる。

【0023】

ドアハンドル１には前後両端部を除く部分に内方、即ち、ドアパネル１０１側に開口された把持凹部１ａが形成されている（図１及び図２参照）。操作者（搭乗者）は把持凹部１ａに指を挿入してドアハンドル１を把持して操作する。

【0024】

筐体２は第１のパネル３と第２のパネル４とインナーパネル５を有している（図４参照）。第１のパネル３と第２のパネル４は左右方向において結合され、第１のパネル３が外側に位置され第２のパネル４が内側、即ち、ドアパネル１０１側に位置されている。

【0025】

インナーパネル５は、第１のパネル３と第２のパネル４が結合された状態において両者の内側に位置され、第１のパネル３と第２のパネル４の内側における少なくとも後端側に配置されている。インナーパネル５には略前方に開口された配置凹部５ａが形成されている。インナーパネル５の下端寄りの位置には略左右に延びる位置決めピン５ｂが設けられている。

【0026】

筐体２の下端部には上下方向に貫通された環状の規制壁部６が設けられ、規制壁部６の内側の空間が配置空間７とドアハンドル１の下側の空間とに連通されている（図４及び図５参照）。規制壁部６は第２のパネル４の下端部とインナーパネル５の下端部とが周方向において連続されて構成されている。規制壁部６は下方へ行くに従って外形が大きくなる形状に形成されている。

【0027】

筐体２の内部には第１のパネル３と第２のパネル４の間にそれぞれ前後方向に延びる配置空間７が形成され、配置空間７は第１の空間８と第２の空間９を有している。第１の空間８は第２の空間９の下側に位置されている。第２の空間９は上方に開口され、上方の開口部９ａが略前後に延びるスリット状に形成されている。

【0028】

第１のパネル３における後端側の部分を除いた部分の内面には少なくとも第２のパネル４側に開口された位置合わせ凹部３ａが形成され、位置合わせ凹部３ａは略前後に延びるようにされている（図４、図５及び図６参照）。

【0029】

第２のパネル４における後端側の部分を除いた部分の内面には少なくとも第１のパネル３側に開口された位置合わせ凹部４ａが形成され、位置合わせ凹部４ａは略前後に延びるようにされ第１のパネル３に形成された位置合わせ凹部３ａに向かい合う位置に形成されている。

【0030】

第２のパネル４には上下方向における中間部から第１のパネル３側に突出された仕切り突部４ｂが設けられている。配置空間７は一部を除いた部分が仕切り突部４ｂによって第１の空間８と第２の空間９に仕切られている。

【0031】

第２のパネル４の下端寄りの位置には第１のパネル３側に開口された位置決め凹部４ｃが形成されている（図５参照）。

【0032】

第１のパネル３の第２のパネル４に対向する面には第２のパネル４側に突出された保持突部１０、１０、・・・が前後に離隔して設けられ（図７参照）、保持突部１０、１０、・・・は第２の空間９に位置されている。第２のパネル４の第１のパネル３に対向する面には第１のパネル３側に突出された保持突部１１、１１、・・・が前後に離隔して設けられ、保持突部１１、１１、・・・は第２の空間９に位置されている。

【0033】

保持突部１０、１０、・・・と保持突部１１、１１、・・・は前後方向において交互に位置する状態で設けられている。

【0034】

第１のパネル３と第２のパネル４の外面にはそれぞれ車体の色と同じ色の塗装が施されている。第１のパネル３と第２のパネル４の内面には塗装が施されておらず、内面が第１のパネル３と第２のパネル４の成形材料自体の色、例えば、ダークグレーにされている。

【0035】

筐体２の内部に形成された配置空間７にはランプユニット１２が配置されている（図２、図３、図４及び図５参照）。ランプユニット１２は照明体１３と導光体１４によって構成されている。

【0036】

照明体１３は透明材料によって形成された複合構造体１５と複合構造体１５に保持された回路基板１６と複合構造体１５に取り付けられたガスケット１７と複合構造体１５に結合された蓋体１８とを有している（図４及び図８参照）。

【0037】

複合構造体１５はハウジング１９と第１の導光レンズ２０と第２の導光レンズ２１が一体に形成されて成る。複合構造体１５はハウジング１９が筐体２に取り付けられ、少なくとも一部がインナーパネル５の配置凹部５ａに挿入された状態で配置空間７の第１の空間８に配置されている。

【0038】

ハウジング１９は上方に開口する箱状に形成された基板配置部２２と基板配置部２２の後端側の部分から下方に突出されたコード挿通部２３と基板配置部２２及びコード挿通部２３から後方に突出された位置決め突部２４と基板配置部２２の左右両側面に設けられた結合用突部２５、２５、・・・とを有している。

【0039】

基板配置部２２は内形状が回路基板１６の外形状と同じにされ大きさが回路基板１６の大きさより僅かに大きくされている。

【0040】

コード挿通部２３は上下に貫通された筒状に形成されている。

【0041】

位置決め突部２４には左右に貫通された位置決め孔２４ａが形成されている。

【0042】

結合用突部２５、２５、・・・はそれぞれ二つずつが基板配置部２２の左右両側面に前後に離隔して設けられている（図５及び図８参照）。

【0043】

第１の導光レンズ２０は基板配置部２２の前端側の部分から下方に突出されて設けられている（図４及び図８参照）。第１の導光レンズ２０はコード挿通部２３の前側に離隔して位置されている。

【0044】

第１の導光レンズ２０は上下方向に延びる柱状に形成され、上端に上方を向く第１の入射面２０ａを有し下端に第１の出射面２０ｂを有している。第１の出射面２０ｂは左右方向において車輌から離隔するに従って下方へ変位する傾斜面に形成され、光軸Ｐに直交する面に対して車輌の左右方向において内向きに傾斜されている（図５参照）。従って、第１の出射面２０ｂは後述する発光素子から出射される光の光軸Ｐ（上下方向に延びる軸）に対して傾斜されている。

【0045】

第１の導光レンズ２０の下端寄りの位置には側方に突出された位置決め突部２０ｄが設けられている。

【0046】

第２の導光レンズ２１は第１の導光レンズ２０の前側に位置されている（図４及び図８参照）。

【0047】

第２の導光レンズ２１は下端部における上面側に第２の入射面２１ａを有し上端部に略前方を向く機能面２１ｂを有している。機能面２１ｂは第２の出射面としても機能する。

【0048】

第２の導光レンズ２１には下端部に下方を向く第１の反射面２１ｃが形成され、第１の反射面２１ｃと機能面２１ｂの間に前斜め下方を向く第２の反射面２１ｄが形成されている。第２の導光レンズ２１には機能面２１ｂに連続して後斜め上方を向く第３の反射面２１ｅが形成されている。第３の反射面２１ｅは第１の反射面２１ｃの上側に位置されている。第１の反射面２１ｃと第２の反射面２１ｄと第３の反射面２１ｅにおいては、何れも光が内面反射可能とされている。

【0049】

上記のように構成された複合構造体１５は、図４及び図５に示すように、ハウジング１９の位置決め突部２４に形成された位置決め孔２４ａにインナーパネル５の位置決めピン５ｂが挿入されると共に第１の導光レンズ２０の位置決め突部２０ｄが第２のパネル４に形成された位置決め凹部４ｃに挿入されて筐体２に対して位置決めされ、配置空間７の第１の空間８に配置される。

【0050】

複合構造体１５が上記のように位置決めされて配置空間７の第１の空間８に配置された状態においては、第１の導光レンズ２０の下端部が筐体２における規制壁部６の上端部の内側に嵌合された状態で位置される。

【0051】

回路基板１６は上下方向を向く板状に形成され、両面基板にされている（図４、図５及び図８参照）。回路基板１６の上面１６ａにおける前半部には整流機能を有するダイオード２６と電流の制限機能を有する抵抗２７、２７とが搭載されている。回路基板１６の下面１６ｂにおける前半部には光を出射する光源として機能する発光素子２８が前側に搭載され蓄電機能及び放電機能を有するコンデンサ２９が後側に搭載されている。

【0052】

発光素子２８としては、例えば、発光ダイオード（ＬＥＤ: Light Emitting Diode）が用いられており、発光面２８ａが下方を向く状態で配置されている。従って、発光素子２８から出射される光の光軸Ｐは上下方向にされている。

【0053】

回路基板１６の後半部には発光素子２８等に駆動電流を供給するための接続コード３０、３０の各一端部が下方側から半田付け等によって接続されている。接続コード３０、３０は配置空間７の第１の空間８を挿通され筐体２の前端部を介してドア１００の内部に挿通され、他端部が図示しない電源回路に接続されている。

【0054】

接続コード３０、３０の一端側の部分にはブッシング３１が外嵌状に取り付けられ、ブッシング３１によって接続コード３０、３０が保護されている（図４及び図８参照）。ブッシング３１はゴム材料等によって形成され弾性変形可能とされている。

【0055】

回路基板１６は接続コード３０、３０が接続された状態でハウジング１９の基板配置部２２に上方から挿入されて基板配置部２２に配置される（図４及び図５参照）。

【0056】

上記のように回路基板１６が基板配置部２２に配置された状態において、回路基板２２にガスケット１７が取り付けられる（図４、図５及び図８参照）。

【0057】

ガスケット１７は閉塞面部３２が基板配置部２２の開口を閉塞する状態でハウジング１９に取り付けられ（図４及び図５参照）、ガスケット１７によって基板配置部２２に配置された回路基板１６の防水が図られる。

【0058】

上記のようにガスケット１７が基板配置部２２に取り付けられた状態において、ハウジング１９に蓋体１８が結合される。蓋体１８は上下方向を向く略平板状の覆い面部３４と覆い面部３４の左右両側部からそれぞれ下方に突出された側面部３５、３５と一方の側面部３５の下端部に連続して設けられたコード押さえ部３６とを有している（図４、図５及び図８参照）。

【0059】

覆い面部３４は外形状がガスケット１７の閉塞面部３２の外形状と同じにされ大きさが閉塞面部３２の外形の大きさと略同じにされている。

【0060】

側面部３５、３５には左右に貫通された結合孔３５ａ、３５ａ、・・・が形成されている。結合孔３５ａ、３５ａ、・・・はそれぞれ二つずつが側面部３５、３５に前後に離隔して形成されている。

【0061】

蓋体１８は側面部３５、３５に形成された結合孔３５ａ、３５ａ、・・・の下側開口縁にそれぞれ結合用突部２５、２５が係止されてハウジング１９に結合される（図４及び図５参照）。

【0062】

蓋体１８がハウジング１９に結合された状態においては、接続コード３０、３０の一部がコード押さえ部３６に保持される。

【0063】

導光体１４は全体として略前後方向に延びる形状に形成され、後端部を除く部分が照明体１３の前側に配置され後端部が照明体１３の上側に配置される（図２及び図３参照）。

【0064】

導光体１４は透明材料によって形成され、後端寄りの部分が最も上下の幅が広くされた幅広部３７として設けられ、幅広部３７より前側の部分が略前後方向に延びる延設部３８として設けられ、幅広部３７より後側の部分が幅広部３７から上斜め後方へ延びるようにされた傾斜部３９として設けられている。

【0065】

幅広部３７の下端部には後方及び略下方に開口された切欠４０が形成されている（図４参照）。切欠４０によって形成された後面は第１の入光面４０ａとして形成され、切欠４０によって形成された下面は第２の入光面４０ｂとして形成されている。第２の入光面４０ｂは階段状に形成されている。

【0066】

延設部３８は前方へ行くに従って先細りになる形状に形成され、下面がシボ加工を有する内面反射面３８ａとして形成されている（図３及び図６参照）。延設部３８には上下方向における中間部に側方に突出された位置合わせ突条３８ｂ、３８ｂが設けられている（図６及び図８参照）。

【0067】

傾斜部３９は後方へ行くに従って先細りになる形状に形成され、後面（斜め下方を向く面）がシボ加工を有する内面反射面３９ａとして形成されている（図３及び図５参照）。傾斜部３９には下端部に側方に突出された位置合わせ突条３９ｂ、３９ｂが設けられている（図５及び図８参照）。

【0068】

導光体１４は上端部にもシボ加工が施され、上面が出光面１４ａとして形成されている。

【0069】

導光体１４には幅広部３７の下端部にカバー部４１が設けられている（図８参照）。カバー部４１は第１の入光面４０ａ及び第２の入光面４０ｂの側方において左右方向を向く状態で設けられている。

【0070】

導光体１４は位置合わせ突条３８ｂ、３８ｂと位置合わせ突条３９ｂ、３９ｂがそれぞれ第１のパネル３に形成された位置合わせ凹部３ａと第２のパネル４に形成された位置合わせ凹部４ａとに挿入されて筐体２に位置合わせされ（図４乃至図６参照）、配置空間７の第２の空間９に配置されている。導光体１４は第１のパネル３に設けられた保持突部１０、１０、・・・と第２のパネル４に設けられた保持突部１１、１１、・・・とによって左右方向から挟持されて筐体２に保持されている（図７参照）。

【0071】

上記したように、全体として略前後方向に延びる形状に形成された導光体１４は第１のパネル３と第２のパネル４によって挟持されて保持され配置空間７の第１の空間８に配置されている。従って、導光体１４が第１のパネル３と第２のパネル４の二つのパネルに挟持されて保持されるため、導光体１４を保持するための他の専用の保持手段が必要なく、部品点数の削減を図った上で導光体１４を安定した状態で保持することができる。

【0072】

また、導光体１４は第１のパネル３に設けられた保持突部１０、１０、・・・と第２のパネル４に設けられた保持突部１１、１１、・・・とによって左右方向から挟持されて筐体２に保持される。従って、導光体１４が延びる方向において離隔した位置で複数の保持突部１０、１０、・・・、１１、１１、・・・が導光体１４に押し当てられるため、導光体１４のガタツキが抑制され導光体１４の筐体２に対する安定した保持状態を確保することができる。

【0073】

さらに、保持突部１０、１０、・・・と保持突部１１、１１、・・・は前後方向において交互に位置する状態で設けられているため、導光体１４のガタツキが一層抑制され、導光体１４の筐体２に対する一層安定した保持状態を確保することができる。

【0074】

上記のように導光体１４が配置空間７の第２の空間９に配置された状態においては、導光体１４の切欠４０に照明体１３における第２の導光レンズ２１の先端部が位置する状態にされる（図４参照）。導光体１４は、第１の入光面４０ａが第２の導光レンズ２１の機能面２１ｂに対向して位置され、第２の入光面４０ｂが第２の導光レンズ２１の第３の反射面２１ｅに対向して位置されている。

【0075】

また、導光体１４が第２の空間９に配置された状態においては、出光面１４ａが筐体２の上面２ｂより僅かに下方、即ち、筐体２の外面より僅かに内側に位置されている（図５及び図６参照）。

【0076】

従って、操作者（搭乗者）が筐体２を把持したときに手が導光体１４の出光面１４ａに触れ難いため、把持した状態において操作者が違和感を生じたりすることがなく、また、出光面１４ａが汚れてしまうと言う不都合を発生することがなく、操作者が把持したときの不都合の発生を防止することができる。

【0077】

また、導光体１４の出光面１４ａからは、後述するように、光が出射されるが、上記したように、第１のパネル３と第２のパネル４の内面には塗装が施されていないため、導光体１４から塗装による色が付された光が出射されることがなく、導光体１４から出射される光における色のバラツキを防止することができる。

【0078】

上記のように導光体１４が第１の空間８に配置された状態においては、カバー部４１によって複合構造体１５における第２の導光レンズ２１の先端部が覆われる。

【0079】

以下に、照明体１３及び導光体１４からの光の出射状態について説明する（図９及び図１０参照）。

【0080】

回路基板１６に搭載された発光素子２８の発光面２８ａから光が出射されると、図９に示すように、下方へ向けて出射された光が第１の入射面２０ａから第１の導光レンズ２０の内部に入射され、一部の光が第１の導光レンズ２０の周面で内面反射され第１の導光レンズ２０によって第１の出射面２０ｂへ向けて導かれる。

【0081】

第１の導光レンズ２０によって導かれた光は第１の出射面２０ｂから下方へ向けて出射される。第１の出射面２０ｂから出射される光は第１の出射面２０ｂによって屈折されるが、第１の出射面２０ｂが左右方向において車輌から離隔するに従って下方へ変位する傾斜面に形成され光軸Ｐに対して傾斜されているため、第１の出射面２０ｂから出射される光は車輌のドアパネル１０１から遠去かる方向へ屈折され、ドアパネル１０１の側方において下方の路面へ照射される。

【0082】

一方、回路基板１６に搭載された発光素子２８の発光面２８ａから光が出射されたときには、斜め方向へ向けて出射された光が第２の入射面２１ａから第２の導光レンズ２１の内部にも入射され、入射された光が第１の反射面２１ｃへ向かう（図１０参照）。第１の反射面２１ｃへ向かった光Ａ、Ｂは第１の反射面２１ｃで内面反射され、第２の反射面２１ｄ又は機能面２１ｂへ向かう。

【0083】

第２の反射面２１ｄへ向かった光Ａは第２の反射面２１ｄで内面反射され、第３の反射面２１ｅに入射される。第３の反射面２１ｅに入射された光Ａは一部を除いて機能面２１ｂへ向かい、機能面２１ｂから出射され、第１の入光面４０ａから導光体１４の内部に入射される。また、第２の反射面２１ｄで内面反射されて第３の反射面２１ｅに入射された光Ａの一部は漏れ光として第３の反射面２１ｅから出射され、第２の入光面４０ｂから導光体１４の内部に入射される。

【0084】

また、第１の反射面２１ｃで内面反射され機能面２１ｂへ向かった光Ｂは機能面２１ｂで内面反射され、第３の反射面２１ｅに入射される。第３の反射面２１ｅに入射された光Ｂは第３の反射面２１ｅから出射され第２の入光面４０ｂから導光体１４の内部に入射される。

【0085】

第１の入光面４０ａから導光体１４の内部に入射された光は、延設部３８の内部を導かれて出光面１４ａから出射され、第２の入光面４０ｂから導光体１４の内部に入射された光は、幅広部３７又は傾斜部３９の内部を導かれて出光面１４ａから出射される。

【0086】

導光体１４の内部を導かれる光には内面反射面３９ａ又は内面反射面３８ａに達する光があるが、これらの光は内面反射面３９ａ又は内面反射面３８ａで内面反射されて出光面１４ａに導かれる。また、導光体１４の上端部にもシボ加工が施されているが、このシボ加工が施された部分によっても光が内面反射されて出光面１４ａに導かれる。

【0087】

このように導光体１４に入射された光は幅広部３７、傾斜部３９又は延設部３８の内部を導かれて出光面１４ａから出射されるため、出光面１４ａの全体が光るように視認される。

【符号の説明】

【0088】

１…ドアハンドル、２…筐体、３…第１のパネル、４…第２のパネル、７…配置空間、１０…保持突部、１１…保持突部、１２…ランプユニット、１４…導光体、１４ａ…出光面、１６…回路基板、２８…発光素子

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】