特許第5950852号(P5950852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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5950852車両用ペダルブラケット、および車両用操作ペダル装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5950852
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】車両用ペダルブラケット、および車両用操作ペダル装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 1/30 20080401AFI20160630BHJP
   G05G 1/44 20080401ALI20160630BHJP
【FI】
   G05G1/30 E
   G05G1/44
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-44231(P2013-44231)
(22)【出願日】2013年3月6日
(65)【公開番号】特開2014-174608(P2014-174608A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241496
【氏名又は名称】豊田鉄工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】北口 和章
(72)【発明者】
【氏名】中根 正隆
【審査官】 塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0107804(US,A1)
【文献】 実開平03−030114(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 1/30
G05G 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作ペダルの左右両側に配設されるとともに、互いに平行な接合部が面接触するように重ね合わされて一体的に接合される一対の半割体ブラケットを有し、該一対の半割体ブラケットにそれぞれ設けられた取付部を介して車体に固定される車両用ペダルブラケットにおいて、
前記接合部は、何れも板材から成る前記一対の半割体ブラケットから突き出すとともに、少なくとも一方がクランク状に折り曲げられて互いに平行に面接触するように重ね合わされており、
該接合部は、少なくとも前記取付部を挟んで車両上下方向の両側に位置する2箇所に設けられており、
且つ、前記取付部よりも下方側の前記接合部は、車両前側へ突き出すように設けられている
ことを特徴とする車両用ペダルブラケット。
【請求項2】
互いに重ね合わされる前記接合部の少なくとも一方には、他方側へ向かって折り曲げられ、該他方の接合部と係合させられることにより位置合わせを行う規制壁が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ペダルブラケット。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両用ペダルブラケットの前記一対の半割体ブラケットに跨がって支持ピンが配設され、該支持ピンの軸心まわりに回動可能に前記操作ペダルが配設されている
ことを特徴とする車両用操作ペダル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用ペダルブラケットに係り、特に、操作ペダルの左右両側に配設される一対の半割体ブラケットを有する車両用ペダルブラケットの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
操作ペダルの左右両側に配設されるとともに、互いに平行な接合部が面接触するように重ね合わされて一体的に接合される一対の半割体ブラケットを有し、その一対の半割体ブラケットにそれぞれ設けられた取付部を介して車体に固定される車両用ペダルブラケットが提案されている。特許文献1に記載の装置はその一例で、操作ペダルの手前側に接合部(折曲部11c)が設けられてかしめピンにより一体的に接合されるようになっている。このような車両用ペダルブラケットによれば、操作ペダルの組付作業を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3−30114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の車両用ペダルブラケットは、操作ペダルの手前側の一箇所で接合されているだけであるため、各部の寸法誤差等により車体に固定される取付部の位置精度を確保することが困難であった。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、一対の半割体ブラケットが一体的に接合される車両用ペダルブラケットにおいて、その一対の半割体ブラケットに設けられる取付部の位置精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 操作ペダルの左右両側に配設されるとともに、互いに平行な接合部が面接触するように重ね合わされて一体的に接合される一対の半割体ブラケットを有し、(b) その一対の半割体ブラケットにそれぞれ設けられた取付部を介して車体に固定される車両用ペダルブラケットにおいて、(c) 前記接合部は、何れも板材から成る前記一対の半割体ブラケットから突き出すとともに、少なくとも一方がクランク状に折り曲げられて互いに平行に面接触するように重ね合わされており、(d) その接合部は、少なくとも前記取付部を挟んで車両上下方向の両側に位置する2箇所に設けられており、且つ、(e) 前記取付部よりも下方側の前記接合部は、車両前側へ突き出すように設けられていることを特徴とする。
【0007】
第2発明は、第1発明の車両用ペダルブラケットにおいて、互いに重ね合わされる前記接合部の少なくとも一方には、他方側へ向かって折り曲げられ、その他方の接合部と係合させられることにより位置合わせを行う規制壁が設けられていることを特徴とする。
【0008】
第3発明は、車両用操作ペダル装置に関するもので、第1発明または第2発明の車両用ペダルブラケットの前記一対の半割体ブラケットに跨がって支持ピンが配設され、その支持ピンの軸心まわりに回動可能に前記操作ペダルが配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
第1発明の車両用ペダルブラケットにおいては、取付部を挟んで車両上下方向の両側に位置する2箇所に接合部が設けられ、それ等の接合部がそれぞれ一体的に接合されることにより一対の半割体ブラケットが一体化されるため、操作ペダルの組付作業性を維持しつつ複数の取付部の高い位置精度を確保することができる。これにより、その取付部を介して車両用ペダルブラケットを車体に対して適切に取り付けることができる。
【0010】
第2発明では、互いに重ね合わされる接合部の少なくとも一方に規制壁が設けられ、他方の接合部と係合させられることにより位置合わせが行われるため、接合部の位置精度を容易に確保できるようになり、これにより各半割体ブラケットの取付部の位置精度が更に向上する。
【0011】
第3発明は、第1発明または第2発明の車両用ペダルブラケットの一対の半割体ブラケットに支持ピンを介して操作ペダルが回動可能に配設されている場合で、第1発明、第2発明と同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明が適用された常用ブレーキ用の車両用操作ペダル装置の一例を示す斜視図である。
図2図1の車両用操作ペダル装置を車両左側から見た側面図である。
図3図1の車両用操作ペダル装置を車両後方側(運転席側)から見た正面図である。
図4図1の車両用操作ペダル装置の左側半割体ブラケットを外側から見た斜視図である。
図5図1の車両用操作ペダル装置の右側半割体ブラケットを内側から見た斜視図である。
図6図2におけるVI−VI矢視部分の拡大断面図で、一対の半割体ブラケットを接合するクリンチかしめ部分の断面図である。
図7図1の車両用操作ペダル装置の組付手順を説明する組付工程図である。
図8】本発明の他の実施例を説明する図で、図5におけるVIII部に対応する斜視図である。
図9図8におけるIX−IX矢視部分の拡大断面図で、一対の接合部を重ね合わせる際の手順を説明する図である。
図10】本発明の更に別の実施例を説明する図で、図8に対応する斜視図である。
図11図10におけるXI−XI矢視部分の拡大断面図で、一対の接合部を重ね合わせる際の手順を説明する図である。
図12】本発明の更に別の実施例を説明する図で、図8に対応する斜視図である。
図13】本発明の更に別の実施例を説明する図で、図8に対応する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、常用ブレーキ用のブレーキペダル装置に好適に適用されるが、アクセル用やパーキングブレーキ用、クラッチ用の操作ペダル装置に適用することもできる。また、操作ペダルに連結リンクを介して中間レバーが連結されている車両用操作ペダル装置や、操作力や操作ストロークを検出するセンサが配設されている車両用操作ペダル装置など、種々の車両用操作ペダル装置に適用され得る。
【0014】
面接触するように重ね合わされる接合部は、例えば金属板材から一対の半割体ブラケットをプレス加工する際に、その半割体ブラケットから突き出して互いに平行に面接触させられるように少なくとも一方がクランク状に折り曲げられることにより形成される。その接合部の接合方法は、クリンチかしめが簡便で確実であるが、接合部の端縁をかしめ加工しても良いし、かしめピンやスポット溶接、アーク溶接等で接合することもできるなど、種々の接合手段を採用できる。操作ペダルを回動可能に支持する支持ピンとしてかしめピンを採用し、接合部をクリンチかしめ等で接合すると同時に支持ピンのかしめ加工が行われるようにすることもできる。
【0015】
一対の半割体ブラケットにそれぞれ設けられる取付部は、例えば左右対称に設けることが望ましいが、車両の上下方向或いは前後方向にずれた位置に設けることも可能で、接合部は、取付部と干渉しないように車両上下方向の両側に設ければ良い。接合部は、少なくとも取付部を挟んで車両上下方向の両側に位置する2箇所に設けられるが、必要に応じて取付部から離れた部分に接合部を設けることも可能である。例えば、操作ペダルよりも車両前側において取付部の上下の2箇所に接合部が設けられる場合、更に操作ペダルよりも車両後側すなわち運転席側にも接合部を設けることが、ペダルブラケットの剛性を高める上で望ましい。取付部を挟んで車両上下方向の両側に設けられる一対の接合部は、その取付部に隣接して設けることが望ましい。
【0016】
第2発明の規制壁は、互いに面接触させられる平行な接合部が、面に沿う二次元方向の位置合わせを行うもので、平坦な単一の規制壁により二次元の一方向の位置合わせを行うだけでも良いが、所定角度で交差する一対の規制壁により二次元平面の一定位置に位置合わせを行うこともできる。この規制壁は、一箇所の接合部に設けるだけでも良いが、複数箇所の接合部にそれぞれ設けることも可能である。他の発明の実施に際しては、このような規制壁は必ずしも必要ない。
【0017】
一対の半割体ブラケットの各取付部は、例えば何れも操作ペダルよりも車両前側に設けられるが、操作ペダルの前方斜め上方等に取付部が設けられても良い。一対の半割体ブラケットの各取付部を互いに異なる部位に設けることも可能で、その場合には、少なくとも一箇所の取付部の車両上下方向の両側に位置する2箇所に接合部を設ければ良い。取付部を挟んで車両上下方向の両側とは、取付部を挟んで上下に隔てた位置であれば良く、互いに車両前後方向にずれていても良い。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である車両の常用ブレーキ用の操作ペダル装置10を示す斜視図で、図2は車両左側から見た側面図、すなわち図2の上方が車両上側で、図2の左方向が車両前側である。また、図3は車両後方側(運転席側)から見た正面図である。この車両用操作ペダル装置10は、運転者よって踏込み操作される操作ペダル12と、その操作ペダル12に連結リンク14を介して作動的に連結された中間レバー16とを備えており、その中間レバー16からブレーキブースタのオペレーティングロッド18にブレーキ操作力が伝達される。操作ペダル12および中間レバー16は、それぞれ支持ピン20、22を介してペダルブラケット24にそれ等の軸心まわりに回動可能に支持されており、そのペダルブラケット24を介して支持ピン20、22が略水平となる姿勢で車体(ダッシュパネルなど)26に配設される。操作ペダル12とペダルブラケット24との間にはリターンスプリング28が配設されており(図1参照)、踏込み操作された操作ペダル12は、そのリターンスプリング28の付勢力によって原位置まで戻される。操作ペダル12の原位置は、ペダルブラケット24に設けられたストッパ30等によって規定される。リターンスプリング28およびストッパ30は、図2図3では省略されている。
【0019】
上記ペダルブラケット24は、操作ペダル12の左右両側に配設される一対の左側半割体ブラケット32および右側半割体ブラケット34を主体として構成されており、前記支持ピン20、22は両側の半割体ブラケット32、34に跨がって配設されている。図4は左側半割体ブラケット32を外側から見た斜視図で、図5は右側半割体ブラケット34を内側から見た斜視図である。これ等の半割体ブラケット32、34は、何れも金属板材をプレス加工したもので、略左右対称形状を成すように構成されており、互いに平行な3箇所の接合部36、38、40がそれぞれ面接触するように重ね合わされて一体的に接合されることにより一体化されている。接合部36は、それぞれ半割体ブラケット32、34から上方へ突き出してクランク状に折り曲げられた接合部36l、36rにて構成されており、拝み合わされるように重ね合わされて一体的に接合される。接合部38も、それぞれ半割体ブラケット32、34から車両前側へ突き出してクランク状に折り曲げられた接合部38l、38rにて構成されており、拝み合わされるように重ね合わされて一体的に接合される。接合部40は、左側半割体ブラケット32から車両後側へ突き出してクランク状に折り曲げられた接合部40lが、右側半割体ブラケット34に車両後側へ突き出すように設けられた平坦な接合部40rに重ね合わされて一体的に接合される。
【0020】
上記接合部36、38、40は、何れも1〜3箇所のかしめ部Kがクリンチかしめされることにより一体的に接合されている。図6は、図2におけるVI−VI矢視部分の拡大断面図、すなわち接合部40においてクリンチかしめされたかしめ部Kの断面図で、上方からのかしめ加工(しぼり加工)に続いて下方からかしめ加工が行われるダブルかしめにより、アンダーカット42が形成されて強固に一体的に接合される。
【0021】
上記半割体ブラケット32、34にはまた、操作ペダル12よりも車両前側の前端部に、それぞれ左右対称形状となるように左右の外側へ突き出す取付部44、46が設けられている。取付部44、46には、それぞれ上下に離間して一対の挿通穴48が設けられており、その合計4つの挿通穴48にそれぞれブレーキブースタの取付ボルト等が挿通させられることにより、前記車体26に一体的に固設される。挿通穴48の車体26側の開口部には、それぞれスペーサが一体的に設けられており、そのスペーサを挟んで車体26に固定される。
【0022】
ここで、図2に明らかに示されるように、前記接合部36は、取付部44、46の上側に隣接する部分に設けられている一方、接合部38は、取付部44、46の下側に隣接する部分に設けられている。したがって、それ等の接合部36、38がそれぞれ一体的に接合されることにより、取付部44、46の位置精度、すなわち4つの挿通穴48の位置精度が高い精度で確保される。また、もう一箇所の接合部40は、支持ピン20、22を挟んで反対側、すなわち操作ペダル12や中間レバー16よりも車両後方側で、取付部44、46から最も突き出す部分に設けられており、これ等の接合部36、38、40がそれぞれ一体的に接合されることにより、ペダルブラケット24の剛性が確保され、支持ピン20、22を介して操作ペダル12や中間レバー16を所定の姿勢で確実に安定して支持することができる。
【0023】
図7は、このような車両用操作ペダル装置10の組付手順を説明する工程図で、(a) では、図示しないかしめ加工用のプレス機械に右側半割体ブラケット34を上向きにセットする。この時、未だ右側半割体ブラケット34とは別体のストッパ30も、その右側半割体ブラケット34の下側の所定の取付位置に配置する。(b) では、その右側半割体ブラケット34の取付穴に支持ピン20、22を配置し、(c) では、それ等の支持ピン20、22に操作ペダル12および中間レバー16をセットする。操作ペダル12および中間レバー16は、予め連結リンク14を介して連結されている。(d) では、左側半割体ブラケット32を、支持ピン20、22の端部がそれぞれ取付穴内に挿入されるとともに、3箇所の接合部36、38、40がそれぞれ互いに重ね合わされるように、右側半割体ブラケット34の上方から覆いかぶせるように配置する。そして、(e) のかしめ工程では、一対の支持ピン20、22のかしめ加工および3箇所の接合部36、38、40のクリンチかしめが、プレス機械を用いて同時に行なわれる。ストッパ30についても、同時に右側半割体ブラケット34にクリンチかしめされる。その後、前記リターンスプリング28等を組み付けることにより、図1に示す目的とする車両用操作ペダル装置10が得られる。
【0024】
このように、本実施例の車両用操作ペダル装置10は、一対の半割体ブラケット32、34を主体としてペダルブラケット24が構成されているため、操作ペダル12等の組付作業を図7に示すように容易に行うことができる。しかも、このペダルブラケット24は、車両前側に設けられた取付部44、46の車両上下方向の両側に隣接する2箇所に接合部36、38が設けられており、それ等の接合部36、38がそれぞれ一体的に接合されることにより、一対の半割体ブラケット32、34が一体化されるため、操作ペダル12等の組付作業性を維持しつつ取付部44、46の高い位置精度を確保することができる。これにより、その取付部44、46を介して車両用操作ペダル装置10を車体26に対して適切に取り付けることができる。
【0025】
また、本実施例では、上記接合部36、38の他に、操作ペダル12よりも車両後側で取付部44、46から車両後方側へ最も突き出す部分にも接合部40が設けられ、一体的に接合されるため、ペダルブラケット24の剛性が向上する。これにより、支持ピン20、22を介して操作ペダル12や中間レバー16を所定の姿勢で確実に安定して支持することができる。
【0026】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0027】
図8は、図5におけるVIII部に対応する斜視図で、右側半割体ブラケット34に設けられる接合部36rの別の例を示す図であり、その接合部36rの車両上下方向に沿う一方の端縁(車両前側の端縁)には、車両左方向すなわち左側半割体ブラケット32側へ向かって略直角に折り曲げられた規制壁60が設けられている。図9は、図8におけるIX−IX矢視部分の拡大断面図で、一対の接合部36r、36lを重ね合わせる際の手順を説明する図であり、先ず、右側半割体ブラケット34の接合部36rに対して左側半割体ブラケット32の接合部36lが面接触するように重ね合わせる。そして、その状態で接合部36lを図の左方向へ滑り移動させて規制壁60に当接させることにより、それ等の接合部36r、36lの車両前後方向の位置合わせを行うことができる。
【0028】
このように、本実施例では互いに重ね合わされる接合部36r、36lの一方36rに規制壁60が設けられ、他方の接合部36lの端縁と係合させられることにより位置合わせが行われるため、接合部36r、36lの位置精度を容易に確保できるようになる。これにより、各半割体ブラケット32、34の取付部44、46の位置精度が更に向上する。
【0029】
図10は、図8に対応する斜視図で、この実施例では、接合部36rの車両上下方向に沿う両側の端縁にそれぞれ左側半割体ブラケット32側へ向かって折り曲げられた規制壁62、64が設けられている。図11は、図10におけるXI−XI矢視部分の拡大断面図で、一対の接合部36r、36lを重ね合わせる際の手順を説明する図であり、この場合には、右側半割体ブラケット34の接合部36rに対して左側半割体ブラケット32の接合部36lを接近させ、両側の規制壁62、64の間に挿入して接合部36rに面接触するように重ね合わせるだけで、それ等の接合部36r、36lの車両前後方向の位置合わせを行うことができる。規制壁62、64は、先端に向かうに従って幅広になるように、それぞれ外側へ傾斜させられており、接合部36lはそれ等の規制壁62、64に案内されて位置合わせが行われる。
【0030】
本実施例においても、前記図8の実施例と同様の作用効果が得られる。特に、接合部36lは一対の規制壁62、64に挟まれて位置決めされるため、接合部36r、36lの車両前後方向の相対位置を簡単に高い精度で位置合わせすることができる。
【0031】
図12は、図8に対応する斜視図で、この実施例では、接合部36rの車両前後方向に沿う先端縁に左側半割体ブラケット32側へ向かって折り曲げられた規制壁66が設けられている。したがって、左側半割体ブラケット32の接合部36lが接合部36rと面接触するように重ね合わせた状態で、その接合部36lを面に沿って滑り移動させて規制壁66に当接させることにより、それ等の接合部36r、36lの車両上下方向の位置合わせを簡単に行うことができ、図8の実施例と同様の作用効果が得られる。
【0032】
図13は、図12の実施例と同様に接合部36rの車両前後方向に沿う先端縁に規制壁66が設けられているとともに、前記図8の実施例と同様に車両上下方向に沿う一方の端縁にも規制壁68が設けられている。したがって、この場合には、左側半割体ブラケット32の接合部36lが接合部36rと面接触するように重ね合わせた状態で、その接合部36lを面に沿って滑り移動させて規制壁66、68にそれぞれ当接させることにより、それ等の接合部36r、36lの車両上下方向および前後方向の位置合わせを簡単に行うことができる。
【0033】
なお、上記図8図13の実施例では、右側半割体ブラケット34の接合部36rに規制壁60等が設けられた場合について説明したが、左側半割体ブラケット32の接合部36lにそれ等の規制壁60等を設けることもできる。接合部36r、36lの双方に、互いに干渉しないように規制壁60等を設けることも可能である。また、他の接合部38、40についても、同様の規制壁を設けることが可能である。3箇所の接合部36、38、40に、複数の規制壁を分散して設けることもできる。
【0034】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0035】
10:車両用操作ペダル装置 12:操作ペダル 20:支持ピン 24:ペダルブラケット 26:車体 32:左側半割体ブラケット 34:右側半割体ブラケット 36、38、40:接合部 44、46:取付部 60、62、64、66、68:規制壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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