特許第5950876号(P5950876)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5950876
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】薬剤フィーダ
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20160630BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20160630BHJP
【FI】
   A61J3/00 310K
   B65G47/14 102A
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-154912(P2013-154912)
(22)【出願日】2013年7月25日
(65)【公開番号】特開2015-23969(P2015-23969A)
(43)【公開日】2015年2月5日
【審査請求日】2015年8月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151472
【氏名又は名称】株式会社トーショー
(74)【代理人】
【識別番号】100106345
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 香
(72)【発明者】
【氏名】大村 義人
【審査官】 武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平3−102009(JP,A)
【文献】 特開2010−76873(JP,A)
【文献】 特開2002−338033(JP,A)
【文献】 特開平5−51126(JP,A)
【文献】 特開2006−76723(JP,A)
【文献】 特開2013−49523(JP,A)
【文献】 特開2013−13777(JP,A)
【文献】 特開2000−203525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
B65G 47/14
B65B 1/30
B65B 37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
央部が固形の薬剤をランダム収容しうるように凹んでおり且つ周縁部が前記薬剤を円弧状に並べて置けるようにフランジ状になっている軸回転可能な回転容器と、前記回転容器の外周に沿って設けられた固定の外壁と、前記回転容器の中の前記薬剤を前記央部から前記周縁部へ案内する整流案内部材と、前記外壁を貫く形で設けられていて前記外壁に沿って前記回転容器の前記周縁部の上面で運ばれて来た前記薬剤を導出物として前記周縁部の上から外へ導く導出部と、前記導出部の手前で前記導出物の高さを規制する高さ規制部材とを備えた薬剤フィーダにおいて、前記導出部に具備された内外対向部材のうち外周側に配された揺動部材からなり揺動にて前記回転容器の前記周縁部の上面の空き幅を拡縮することにより前記導出物の幅を規制する幅規制部材と、前記内外対向部材のうち内周側に配されたベルト送り機構からなり前記回転容器の前記周縁部の内側に至っていて前記導出物を前記幅規制部材とで挟持して前記回転容器の回転時の前記周縁部よりも高速で送る挟持送出機構とが設けられていることを特徴とする薬剤フィーダ。
【請求項2】
固定壁とそれに対向する幅寄せ自在な可動壁とを具備していて両壁の間に前記薬剤と同じ薬剤か同一形状の代替物を一つ収容しうる採寸室と、前記可動壁と前記内外対向部材とを連結していて前記可動壁の幅寄せ移動に応じて前記内外対向部材の双方を接近移動させる伝動機構とが設けられていることを特徴とする請求項1記載の薬剤フィーダ。
【請求項3】
前記採寸室の天井を兼ねる昇降部材が設けられ、前記昇降部材と前記高さ規制部材とが連結されていて前記高さ規制部材が前記昇降部材の昇降に随伴して昇降するようになっていることを特徴とする請求項2記載の薬剤フィーダ。
【請求項4】
前記昇降部材の下降を促す付勢手段と前記昇降部材の昇降を止める制止手段とのうち何れか一方または双方の手段が設けられていることを特徴とする請求項3記載の薬剤フィーダ。
【請求項5】
前記可動壁の幅寄せ移動を促す付勢手段と前記可動壁の移動を止める制止手段とのうち何れか一方または双方の手段が設けられていることを特徴とする請求項2記載の薬剤フィーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、病院や薬局等で行われる調剤を自動化するために、錠剤やアンプル剤といった固形の薬剤を自動供給するようになった薬剤フィーダに関し、詳しくは、形状の同じ多数の薬剤をランダム収容するとともに、それらの薬剤を回転体で整列させることで、それらの薬剤を一つずつ送り出す逐次送出・順次排出を行う薬剤フィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
同一形状の錠剤等を一列に整列しながら搬送する整列供給装置として(例えば特許文献1参照)、定速回転するターンテーブルと、前記ターンテーブルの外周に沿って設けられた固定の外壁と、前記ターンテーブルの上面で運ばれて来て当接した物を径方向外側へ案内する固定の整流ガイドと、前記外壁を貫く形で設けられていて前記外壁に沿って前記ターンテーブルの上面で運ばれて来た物を前記ターンテーブルの上から外へ導く導出部と、前記導出部に具備された内外対向部材の間隙にて導出物の幅を規制する幅規制手段と、前記導出部の手前で導出物の高さを規制する高さ規制部材とを備えたものが知られている。
【0003】
また、そのような平らな円板状のターンテーブルを用いるよりも多数の物品を収容することができるよう、回転体に、央部が下に凹んでボール状・逆円錐形状になるとともに上端の周縁部がフランジ状になっている謂わばフランジ付き回転容器を採用したものもある(例えば特許文献2参照)。そして、このフランジ付き回転容器を具備したロータリ・パーツフィーダとして、固定の整流ガイドを平坦なターンテーブル上面対応形状から形状変更にてフランジ付き回転容器の凹部の内側の曲面に適合させた装置と、固定の整流ガイドに代えて更に別の回転体を導入し、これを傾斜させて水平なフランジ付き回転容器の中に収めた装置との2タイプが知られている。
【0004】
さらに、給電や制御のために薬剤分包機の引出棚などに固定して列設される駆動部と、薬剤補充作業の容易化などのため駆動部に対して着脱自在になっている薬剤カセットとからなり、多数の薬剤を薬剤カセットにランダム収納しておき、必要に応じて駆動部を間欠動作や連続動作させて薬剤カセットから薬剤を一つずつ送り出すようになっている薬剤フィーダも知られている(例えば特許文献3参照)。その薬剤カセットは、多数の固形薬剤を収容しうる容器部と、軸回転可能な状態で前記容器部の中に設けられた整列盤と、前記整列盤の外周面に多数形成されていて前記容器部と前記整列盤との環状間隙を等ピッチで多数の区画室に区切る羽根状の隔壁と、前記容器部の底部のうち前記環状間隙の下面をなす部分の一部に形成された排出口に対向させて設けられ前記環状間隙の一部を仕切る仕切板とを備えていて、前記区画室の中に入った薬剤を駆動部の回転駆動による前記整列盤の軸回転にて前記排出口から一つずつ落下させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平02−193809号公報
【特許文献2】実開平06−061832号公報
【特許文献3】特開2002−153541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の薬剤フィーダの場合、上面の平坦なターンテーブルを回転体に採用した謂わば円板回転タイプと(例えば特許文献1参照)、フランジ付き回転容器を回転体に採用した謂わばフランジ回転タイプと(例えば特許文献2参照)、外周に隔壁が列設されている整列盤を回転体に採用した謂わば整列盤回転タイプとを(例えば特許文献3参照)、同じようなサイズのもので比較すると、薬剤の収容量については、円板回転タイプが最も少なく、整列盤回転タイプが最も多く、フランジ回転タイプが両者の中間である。収容量が多ければ、薬剤を停止時に補充しておき逐次送出時は補充しない運用でも使い易いが、収容量が少ないと、薬剤を随時投入する運用の方が使い勝手が良い。
【0007】
このような収容量の多寡等から、多種の薬剤を取り扱うため庫部に多数の薬剤フィーダが配設されるので各フィーダへ個別に随時投入するのが難しい薬剤分包機等には、整列盤回転タイプが多用されてきた。
もっとも、整列盤回転タイプでは、整列盤の外周の隔壁の形状やピッチを、製造後に変更調整するのが困難なうえ、できるだけ薬剤の外形に適合させることが求められることから、整列盤が剤種毎に設計され、薬剤分包機等への装備に必要な台数に予備の台数を加えた薬剤フィーダが、種々の薬剤それぞれに対して、しばしば、専用品的に製造される。
【0008】
このように、整列盤回転タイプの薬剤フィーダは、特定薬剤への専用化の傾向が強くて、同じ薬剤フィーダに共用しうる薬剤の形状の範囲が狭いうえ、使用に先立って設計や製造に時間を要することが間々あるため、整列盤回転タイプの薬剤フィーダを搭載した薬剤分包機等では、使用頻度の低い薬剤やサイズ等の異なる新規な薬剤が取扱対象になると、整列盤回転タイプの薬剤フィーダでなく、予め分包機に装備されている又は外部に設けられている薬剤手撒き装置に、薬剤の逐次送出が委ねられることとなる。
【0009】
しかしながら、手撒きになると作業者の負担は増すのに作業能率は低下するので、手撒きの不要な自動化に対する要請は強い。
また、近年の新薬開発競争の激化等による薬剤の種類の増加に伴って、固形の薬剤の形状やサイズについて多様化が進んでいるうえ、新薬の中には使用頻度が急に高まって整列盤回転タイプの薬剤フィーダの設計製造が需要に間に合わないものもあるため、錠剤分包機に搭載されている多数の薬剤フィーダのうち少なくとも一部の薬剤フィーダについては、手撒きの不要な自動の逐次送出機能を維持したうえで、薬剤形状の共用範囲を広げることへの要請が、強くなっている。
【0010】
そして、かかる要請に応えるには、薬剤の幅や高さを規制可能なタイプの薬剤フィーダを改良することで、種々の形状やサイズの薬剤に対する共用範囲を広げることが考えられるが、薬剤の幅や高さを規制可能なタイプのうちでは薬剤収容量の多いフランジ回転タイプですら整列盤回転タイプより薬剤収容量が少ないので、具体的には占有面積の同等な整列盤回転タイプに比べてフランジ回転タイプでは収容空間の横面積も高さも小さめなので、占有面積を増やさなくてもフランジ付き回転容器を相対的に大きくして収納量を増やせるように、回転容器以外の部材をコンパクトに実装して小形化することも求められる。
そこで、薬剤の幅や高さを規制可能なタイプのうちでは薬剤収容量の多いフランジ回転タイプを改良して、種々の形状やサイズの薬剤に対する共用範囲が広い小形の薬剤フィーダを実現することが第1の技術的な課題となる。
【0011】
さらに、そのような薬剤フィーダの実用化に際しては、使い易さが損なわれないように、取り扱い対象になった薬剤に適合させる調整作業が容易であることも求められる。
そこで、薬剤の幅や高さを規制可能なタイプのうちでは薬剤収容量の多いフランジ回転タイプを改良して、種々の形状やサイズの薬剤に対する共用範囲が広いうえ個々の薬剤に適合させる調整作業が容易な小形の薬剤フィーダを実現することが第2の技術的な課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の薬剤フィーダは(解決手段1)、上述した第1技術課題を解決するために創案されたものであり、央部が固形の薬剤をランダム収容しうるように凹んでおり且つ周縁部が前記薬剤を円弧状に並べて置けるようにフランジ状になっている軸回転可能な回転容器と、前記回転容器の外周に沿って設けられた固定の外壁と、前記回転容器の中の前記薬剤を前記央部から前記周縁部へ案内する整流案内部材と、前記外壁を貫く形で設けられていて前記外壁に沿って前記回転容器の前記周縁部の上面で運ばれて来た前記薬剤を導出物として前記周縁部の上から外へ導く導出部と、前記導出部の手前で前記導出物の高さを規制する高さ規制部材とを備えた薬剤フィーダにおいて、前記導出部に具備された内外対向部材のうち外周側に配された揺動部材からなり揺動にて前記回転容器の前記周縁部の上面の空き幅を拡縮することにより前記導出物の幅を規制する幅規制部材と、前記内外対向部材のうち内周側に配されたベルト送り機構からなり前記回転容器の前記周縁部の内側に至っていて前記導出物を前記幅規制部材とで挟持して前記回転容器の回転時の前記周縁部よりも高速で送る挟持送出機構とが設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の薬剤フィーダは(解決手段2)、上述した第2技術課題を解決するために創案されたものであり、上記解決手段1の薬剤フィーダであって、固定壁とそれに対向する幅寄せ自在な可動壁とを具備していて両壁の間に前記薬剤と同じ薬剤か同一形状の代替物を一つ収容しうる採寸室と、前記可動壁と前記内外対向部材とを連結していて前記可動壁の幅寄せ移動に応じて前記内外対向部材の双方を接近移動させる伝動機構とが設けられていることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の薬剤フィーダは(解決手段3)、上述した第2技術課題を高度に解決するために創案されたものであり、上記解決手段2の薬剤フィーダであって、前記採寸室の天井を兼ねる昇降部材が設けられ、前記昇降部材と前記高さ規制部材とが連結されていて前記高さ規制部材が前記昇降部材の昇降に随伴して昇降するようになっていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の薬剤フィーダは(解決手段4)、上記解決手段3の薬剤フィーダであって、前記昇降部材の下降を促す付勢手段と前記昇降部材の昇降を止める制止手段とのうち何れか一方または双方の手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の薬剤フィーダは(解決手段5)、上記解決手段2の薬剤フィーダであって、前記可動壁の幅寄せ移動を促す付勢手段と前記可動壁の移動を止める制止手段とのうち何れか一方または双方の手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
このような本発明の薬剤フィーダにあっては(解決手段1)、フランジ回転タイプを踏襲しているので、薬剤収容量が適度に確保されるとともに薬剤の逐次送出が行えるうえ、幅規制部材に揺動部材を導入したことにより、薬剤の規制幅が変更調整可能になって、種々の幅の薬剤に対する共用範囲が広がっている。
【0018】
また、導出部において薬剤を加速して前後に離隔・離間させることで薬剤の間欠的な逐次送出を可能とする高速のベルト送り機構を、導出部の底でなく内外対向部材の内周側に配して、回転容器の周縁部の内側まで至らせたことにより、回転容器の周縁部から導出部へ続く薬剤移送路に段差を形成することなく導出部と回転容器とが上下に重なる形で実装されるので、平面的に広がりがちなフランジ回転タイプでは特に重要な平面視で、小形になる。なお、そのようなベルト配置でも、その外周側には幅規制用の揺動部材が対向配置されていて、導出物が挟持された状態でベルト送りされるので、不都合が無い。
したがって、この発明によれば、種々の形状やサイズの薬剤に対する共用範囲が広い小形の薬剤フィーダを実現することができ、その結果、第1技術課題が解決される。
【0019】
また、本発明の薬剤フィーダにあっては(解決手段2)、特定構造の採寸室と伝動機構も設けて、薬剤の実物か代替物を一つサンプルとして採寸室に収容してから可動壁を幅寄せすると、それに応じて幅規制部材と挟持送出機構とが何れも接近移動して両者の対向間隙が狭まるようにしたことにより、回転容器の周縁部の上面の空き幅の拡縮による幅規制の調整と、挟持送出に必要な導出部の内外対向部材の間隙調整とが、纏めて同時に実行される。そのため、同一の薬剤フィーダで幅の異なる薬剤を取り扱うときには、サンプルを入れ替えて幅寄せすれば、容易かつ迅速に、規制幅に加えて挟持幅までも個々の薬剤に適合させることができる。
したがって、この発明によれば、種々の形状やサイズの薬剤に対する共用範囲が広いうえ個々の薬剤に対して規制幅と挟持幅を適合させる調整作業が容易な小形の薬剤フィーダを実現することができ、その結果、第2技術課題が解決される。
【0020】
さらに、本発明の薬剤フィーダにあっては(解決手段3)、昇降部材を採寸室内のサンプルに当接するまで下降させると、それに随伴して高さ規制部材も下降して規制高さが低くなるようにしたことにより、同一の薬剤フィーダで高さの異なる薬剤を取り扱うときには、サンプルを入れ替えて昇降部材を止まるまで下げれば、容易かつ迅速に、規制高さまで個々の薬剤に適合させることができる。
したがって、この発明によれば、種々の形状やサイズの薬剤に対する共用範囲が広いうえ個々の薬剤に幅ばかりか高さまでも適合させる調整作業が容易な小形の薬剤フィーダを実現することができ、その結果、第2技術課題が高度に解決される。
【0021】
また、本発明の薬剤フィーダにあっては(解決手段4,5)、付勢によって調整作業が軽快に行えることになるとともに調整結果が安定維持され、制止によって調整結果が確実に維持される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例1に関し、薬剤フィーダを具現化した錠剤カセットの構造を示し、(a)が駆動部に装着した錠剤カセットの立面図、(b)が錠剤カセットの平面図、(c)及び(d)が幅規制機構を含む要部の平面図である。
図2】(a)〜(c)何れも高さ規制機構を含む要部の立面図である。
図3】(a)〜(b)何れも動作中の錠剤カセットの平面図である。
図4】(a)〜(b)何れも動作中の錠剤カセットの平面図である。
図5】(a)が本発明の錠剤カセットの左側面図と正面図と右側面図、(b)が従来の整列盤回転タイプ錠剤カセットの左側面図と正面図と右側面図、(c)が錠剤分包機の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
このような本発明の薬剤フィーダについて、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1により説明する。
図1〜5に示した実施例1は、上述した解決手段1〜5(出願当初の請求項1〜5)を総て具現化したものである。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具や,ヒンジ等の連結具,モータドライバ等の電気回路,コントローラ等の電子回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
【実施例1】
【0024】
本発明の薬剤フィーダの実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、本発明の薬剤フィーダを着脱式カセットとして具現化した錠剤カセット20に関し、(a)が駆動部11に装着した錠剤カセット20の立面図、(b)が錠剤カセット20の平面図、(c)及び(d)が幅規制機構30を含む要部の平面図である。また、図2は、(a)〜(c)が、何れも、高さ規制機構40を含む要部の立面図である。
【0025】
この錠剤カセット20は(図1(a),(b)参照)、既述したフランジ回転タイプのパーツフィーダを改良した逐次排出用の薬剤フィーダであり、フランジ付き回転容器21+22(回転体)と外壁23と排出口26の形成された支持板24と整流案内部材27とを具備している。そして、従来品との互換性維持のため、既述した整列盤回転タイプの錠剤カセットと同じく、別ユニットの駆動部10に対して着脱しうるようになっていて、装着状態で、駆動部10のモータ12によって回転容器21+22が軸回転駆動されるとともに、排出口26が駆動部11の排出口13と連通するようになっている。
【0026】
また、この錠剤カセット20は、広い意味の錠剤である固形の薬剤を取り扱うものであり、例えばカプセル剤や狭い意味での錠剤など、個々に分離して搬送しうる薬剤を取り扱うものであるが、種々の形状やサイズの薬剤に対する共用範囲を広げるために幅規制機構30と高さ規制機構40も具備している。さらに、それらの機構30,40について、個々の薬剤に適合させる調整作業を容易にするとともに、小形化のために積み上げ的に実装するといった改良が、施されている。すなわち(図1図2参照)、支持板24の片隅に採寸室25が設けられるとともに、そこに収めたサンプル50に倣わせる操作を行うことで、幅規制機構30の調整も高さ規制機構40の調整も済むようになっている。
【0027】
以下、各部の構成を説明するが、公知のフランジ回転タイプの踏襲部分21〜24,27については簡潔に延べ、改良部分25,26,30,40を詳述する。
回転容器21+22は(図1(a),(b)参照)、固形の薬剤をランダム収容しうるよう鉢状や逆推体状に下側へ凹んでいる央部21と、その上端から外周側へフランジ状に広がる環状平板の周縁部22と、駆動部11のモータ12の回転軸と噛合する回転伝動部とを具えている。回転容器央部21の内面には収容薬剤に対して回転運動を伝えるために放射状の適度な起伏が形成されている。回転容器周縁部22は、薬剤を円弧状に並べて置けるように上面が平坦であり、回転容器央部21と一体化していて、その軸回転に随伴して巡回運動することにより、上に整列している薬剤を順送りするようになっている。
【0028】
外壁23は、回転容器周縁部22の外周に沿って設けられており、支持板24に固定して立設されて、回転容器周縁部22の上の薬剤が遠心力で外周側へ零れ出るのを防止しているが、薬剤の送り出しのために、排出口26の手前など近傍部分が欠けている。この欠落部分には、導出部の内外対向部材をなす幅規制部材35と挟持送出機構39とが配されており、後で詳述する挟持送出機構39の導入側の端部を回転容器21+22の周縁部22の内側に来させたことで、排出口26が回転容器周縁部22に近づき、支持板24ひいては錠剤カセット20の占有面積が小さくて済むものとなっている。
【0029】
支持板24は、回転容器21+22の所が円形に刳り貫かれていて、その中に配された回転容器21+22の周縁部22の上面と上面高さが同じ位置になっている。その上面には、採寸室25と幅規制機構30と高さ規制機構40とが装着されている。
採寸室25は(図1図2参照)、この例では支持板24の上面に取り付けられた四辺形の枠体によって形成されているが、底面と四方(又は三方)の壁が固定されていて天井が無い直方体(又は冂形)の小部屋であって、サンプル50を一つ収容することができれば(図1(d)参照)、支持板24に彫り込み形成されたものでも良い。採寸室25は、何れかの固定壁(又は解放辺の対向壁)に対向する幅寄せ自在な可動壁も具備するが、その可動壁は、後述する幅寄せスライダ31の一端部であって採寸室25の中に入り込んでいる部分によって代用され、対向する固定壁に向かって進退可能であり、固定壁に幅寄せすると、両壁の間にサンプル50を挟持するようになっている。なお、サンプル50は、回転容器央部21に収容する薬剤と同じ薬剤か同一形状の代替物が用いられる。
【0030】
排出口26は、上述したように支持板24更には錠剤カセット20を上下に貫いて下方の駆動部11の排出口13に連通しており、小形化のため稠密実装されているが、導出部で一つずつ分離された薬剤を重力落下にて供給先へ的確に送り出すようになっている。
整流案内部材27は(図1(b)参照)、この例では、回転容器21+22の凹んでいる央部21の内側の曲面に適合させた螺旋状の整流ガイドが採用されており、図示しない支持枠などで回転容器央部21の中に固定されて、回転容器央部21の内面と僅かな間隙を保っている。そして、回転容器央部21が軸回転させられると、回転容器21+22の中の薬剤を回転容器央部21から回転容器周縁部22へ案内するようになっている。
【0031】
幅規制機構30は(図1(c),(d)参照)、幅規制の調整のために手動操作されて直線移動する幅寄せスライダ31(原動部)と、導出部に具備された内外対向部材のうち外周側に配された揺動部材である幅規制部材34(従動部)と、幅寄せスライダ31の直線運動を揺動に変換する揺動板35(伝動機構)と、幅寄せスライダ31の直線運動を揺動付きの横滑り移動に変換する多関節リンク36〜38(伝動機構)と、導出部に具備された内外対向部材のうち内周側に配されたベルト送り機構である挟持送出機構39(従動部)とを具えている。
【0032】
幅寄せスライダ31は、一端部(図では上端部)が採寸室25に入って採寸室25の可動壁を兼ねており、中央部には止めネジ32の挿着された長穴が貫通形成されており、他端部(図では下端部)に手動操作用の摘み部33が突出形成されていて、可動壁の幅寄せ方向および戻り方向(図では上下方向)へ滑らかに直線移動しうるようになっている。幅寄せスライダ31には、伝動のため、揺動板35の摺動ピンを挿通させる長穴に加えて、多関節リンク部36の一端の軸回転ピンを挿通させる丸穴が、形成されている。
【0033】
止めネジ32は、ネジを回して幅寄せスライダ31を支持板24側へ締め付けると幅寄せスライダ31の移動が止められ、ネジを逆に回して締め付けを解除すると幅寄せスライダ31の移動が可能になるので、幅寄せスライダ31の上端部が兼ねている採寸室25の可動壁について、その移動を止める制止手段となっている。
【0034】
幅規制部材34は、揺動板35のうち回転容器21+22寄り部分に立設されていて、揺動板35の揺動に随伴して揺動するが、外壁23とほぼ同じ高さの壁状部材であり、外壁23の欠けている所に配されていて、導出部の外周側で外壁23を排出口26へ向けて延長するものとなっている。そして、このような幅規制部材34は、回転容器21+22の径方向に揺動して、外周側に寄ると回転容器21+22の周縁部22の上面の空き幅Wiを広げ(図1(c)参照)、内周側に寄ると前記の空き幅Wiを狭めるが(図1(d)参照)、その空き幅Wiの所で重心が回転容器周縁部22に掛かっていない薬剤は回転容器周縁部22から回転容器央部21へ落下するので、幅規制部材34は、揺動にて回転容器周縁部22の上面の空き幅Wiを拡縮することにより、導出部に達して導出物となる薬剤の幅を空き幅Wiの約2倍以内に規制して、横二列の内側の薬剤や挟持に不適な姿勢の薬剤を排除し、導出部に送り込む薬剤を一つずつに限定するようになっている。
【0035】
揺動板35は、上述したように幅寄せスライダ31の直線移動を揺動に変換することにより幅寄せスライダ31の進退に応じて幅規制部材34を揺動させるものであり、幅寄せスライダ31が可動壁をサンプル50及び固定壁に幅寄せする方向へ移動すると、幅規制部材34を内周側へ揺動させ、幅寄せスライダ31が後退して逆方向に移動すると、幅規制部材34を外周側へ揺動させるようになっている。
【0036】
多関節リンク36〜38は、一端部が幅寄せスライダ31に連結されたリンク36と、これと挟持送出機構39とに連結された多関節リンク部37と、挟持送出機構39に連結された多関節リンク部38とを具備していて、幅寄せスライダ31が可動壁を固定壁から離す方向へ移動させられると、挟持送出機構39を内周側へ横滑り移動させ(図1(c)参照)、幅寄せスライダ31が可動壁をサンプル50及び固定壁に幅寄せする方向へ移動させられると、挟持送出機構39を外周側へ横滑り移動させるようになっている(図1(d)参照)。また、そのような横滑り移動に際して、挟持送出機構39を適度に揺動させて挟持送出機構39と幅規制部材34との対向面をなるべく平行状態にするよう、多関節リンク36〜38には多数のリンクが用いられている。
【0037】
伝動機構35〜38は(図1(c),(d)参照)、そのような揺動板35と多関節リンク36〜38とを含むものであり、採寸室25の可動壁を兼ねる幅寄せスライダ31と、導出物の内外対向部材である幅規制部材34及び挟持送出機構39それぞれとを、連結していて、幅寄せスライダ31の幅寄せ移動に応じて、幅規制部材34及び挟持送出機構39の双方を接近移動させることにより、両者の対向間隙Woを狭めて、採寸室25の固定壁と可動壁との間隔である室幅Wsと同じか僅かに広い状態に対向間隙Woをするようになっている。そのため、サンプル50を採寸室25に入れて幅寄せスライダ31を幅寄せさせることで、簡便に、導出部の内外対向部材34,39の対向間隙Woを、室幅Ws即ちサンプル50の幅に倣わせて、ベルト弾性での挟持可能範囲内に収めるように、調整できるものとなっている。
【0038】
挟持送出機構39は、無端ベルトを一対の回転支軸で折り返したベルト送り機構からなるが、通常のように搬送面を上にして横置きされるのでなく、搬送面を幅規制部材34に対向させている。これらの挟持送出機構39と幅規制部材34とが、導出部の内外対向部材をなしているが、外壁23の欠けている所に外壁23を貫く形で設けられて回転容器周縁部22の概ね接線方向へ延びているため、外壁23に沿って回転容器周縁部22の上面で運ばれて来た薬剤を、導出物として両部材34,39の対向間隙Woに挟持して、回転容器周縁部22の上から外へ送り出すようになっている。
【0039】
しかも、導出部に到達した薬剤を加速して回転容器周縁部22の上の後続薬剤から離すために、幅規制機構30のベルト循環速度が回転容器周縁部22の回転時の周速より高速になるよう、増速ギヤ等にて回転容器21+22の回転が挟持送出機構39の支軸に伝達されるようになっている。あるいは、給電等に不都合の無い錠剤カセット20の場合は、挟持送出機構39に対する専用モータが搭載されて、挟持送出機構39と回転容器21+22とがそれぞれに都合の良いタイミングや速度で駆動されるようになっている。
【0040】
さらに、挟持送出機構39は、薬剤導入側の端部が回転容器21+22の央部21の上方に来て回転容器周縁部22の内側に至っているので、挟持送出機構39の大部分が回転容器21+22の上方に積み上げられたかのような実装状態になっている。そのため、排出口26もリンク37,38の下方で回転容器21+22に寄せられて接している。そして、挟持送出機構39と幅規制部材34とによって挟持されて回転容器周縁部22の上から送り出された薬剤が、排出口26へ導かれて落下するようになっている。
【0041】
高さ規制機構40は(図2参照)、横長の昇降部材41と、それを昇降可能に支持する支柱44と、昇降部材41の下降を促す付勢手段して支柱44に嵌装されたバネ45とを具備している。昇降部材41の一端部は採寸室25の中に上から入れるように下方へ突き出ており、その下面のところの天井部42が採寸室25の天井を兼ねるものとなっている。また、昇降部材41の他端部は、回転容器周縁部22に対して外壁23より低いところまで近づけるように下方へ突き出ており、その下面のところが高さ規制部43(高さ規制部材)となっていて、導出部の手前で、即ち回転容器周縁部22の回転による薬剤の流れで見て幅規制部材34及び挟持送出機構39より上流側で、そこを通過して導出物となりうる薬剤の高さを規制するようになっている。
【0042】
具体的には、天井部42と高さ規制部43とが昇降部材41の一部でそれらが一体物として連結されているので、昇降部材41を持ち上げると、それに随伴して天井部42も高さ規制部43も上昇して、採寸室25の天井高さHsも、高さ規制部43による回転容器周縁部22の上の規制高さHoも、広がるようになっている(図2(a)参照)。
また、採寸室25にサンプル50を入れて昇降部材41を離すと、自重とバネ45の下向き付勢とによって、昇降部材41が下降し、それに随伴して天井部42も高さ規制部43も下降して、天井高さHsも規制高さHoも縮まり、天井部42がサンプル50に載ったところで昇降部材41の下降が止まるようになっている(図2(b)参照)。
【0043】
さらに、この高さ規制機構40は、天井部42よりも高さ規制部43が、少しだけ、例えば取扱対象となりうる各種薬剤のうちで最も薄い薬剤の厚さである最小厚さの半分程度だけ、高くなっている。そのため、回転容器周縁部22の上で複数個の錠剤5,5が重なっていると(図2(c)参照)、下側の錠剤5aはそのまま高さ規制部43の下を通過するが、上側の錠剤5bは、高さ規制部43によって規制されるので、下側の錠剤5aから降りて、回転容器周縁部22の上か回転容器央部21の中へ移るようになっている。
【0044】
この実施例1の錠剤カセット20(薬剤フィーダ)について、単体での使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図3(a),(b)及び図4(a),(b)は、何れも錠剤カセット20の平面図であり、錠剤5の逐次排出動作を時系列で示している。
【0045】
錠剤カセット20を駆動部11に装着することと(図1(a)参照)、採寸室25にサンプル50をセットすることと(図1(d),図2(b)参照)、取扱対象となった多数の錠剤5を回転容器央部21にランダム収容することを(図3(a)参照)、順序は問わないが、総て行って稼動準備を済ませる。
【0046】
そのうち、サンプル50のセットは、先ず摘み部33の手動操作にて幅寄せスライダ31を後退させて採寸室25の室幅Wsを広げ(図1(c)参照)、その状態を止めネジ32で維持させてから、昇降部材41を手指で摘んで持ち上げ(図2(a)、それで天井高さHsが広がって上面が解放された採寸室25にサンプル50を入れ、それから、昇降部材41を下げれば規制高さHoの調整が済み(図2(b)参照)、さらに止めネジ32を一旦緩めて幅寄せスライダ31を前進させてサンプル50に幅寄せすれば幅規制用の空き幅Wiと挟持送出用の対向間隙Woとの調整が纏めて完了する。
【0047】
そして、稼動可能状態で、例えば手動操作や処方情報に基づく自動制御によって錠剤5を一つ排出する必要が生じると、図示しないコントローラ等からの指令に応じた駆動部11の駆動によって回転容器21+22が回転し(図3(b)参照)、これによって回転容器央部21の中の収容錠剤5が整流案内部材27に案内されて次々に回転容器周縁部22の上に乗り移る。そして、それらの錠剤5は回転容器周縁部22の上面で外壁23に沿って搬送されるが(図4(a)参照)、その途中で、他の錠剤5に一部でも乗り上げている錠剤5は昇降部材41の高さ規制部43によって乗り上げ状態が解消され、他の錠剤5の内側に一部でも横並びしている錠剤5は幅規制部材34によって回転容器央部21に戻され、幅規制部材34と挟持送出機構39との挟持に適う姿勢をとっている錠剤5だけが一列で幅規制部材34と挟持送出機構39との対向間隙に届けられる。
【0048】
その対向間隙に入った錠剤5cは挟持送出機構39によって高速で送られるので、後続の錠剤5から離れて速やかに排出口26へ送り込まれる(図4(b)参照)。そして、錠剤5cの落下排出が例えば排出口13に臨む図示しないフォトセンサ等で検出されると、必要個数薬剤の排出完了を前提条件として、直ちに回転容器21+22の回転駆動が止められるが、後続の錠剤5が先行の錠剤5cから後方に離れているため、回転容器21+22及び挟持送出機構39の動作停止完了前に後続の錠剤5が挟持送出機構39を通過し終えることが無いので、不所望な過剰排出が的確に防止される。
【0049】
こうして、この錠剤カセット20を使用した場合も、使い慣れた公知の整列盤回転タイプの錠剤カセットと同様、手軽に使用することができる。
そして、同じ錠剤カセット20で、形状やサイズの異なる他の薬剤を取り扱うことになったときには、繰り返しとなる煩雑な詳細説明は割愛するが、上述したのと同じ作業を行うことで、新たな取扱対象の薬剤に適合させる調整も含めて総ての稼動準備を容易かつ迅速に済ませることができる。
そのため、本発明の錠剤カセット20は、種々の形状やサイズの薬剤に対して手軽に共用することができる。
【0050】
この実施例1の錠剤カセット20(薬剤フィーダ)とそれを大きくした錠剤カセット60(薬剤フィーダ)について、錠剤分包機10に装着する使用態様を、図面を引用して説明する。図5は、(a)が錠剤カセット20の左側面図と正面図と右側面図、(b)が従来の整列盤回転タイプ錠剤カセット14の左側面図と正面図と右側面図、(c)が既設の錠剤分包機10(薬剤分包機)の外観斜視図である。
【0051】
既に薬局等に設置されて稼働中の錠剤分包機10が錠剤カセット14を着脱しうるものであることを利用して、既設の錠剤分包機10に本発明の錠剤カセット20,60を部分的に組み込むという使用例である。
錠剤カセット20は上述したように従来の錠剤カセット14との互換性を持つものなので(図5(a),(b)参照)、錠剤カセット14を一つ取り外せば該当箇所の一つの駆動部11に一つの錠剤カセット20を装着することができる(図5(c)参照)。
【0052】
また、錠剤カセット20を二倍弱に大形化した錠剤カセット60は(図5(c)参照)、薬剤収容量が数倍に増強されており、隣り合っていた二つの錠剤カセット14,14を取り外した所の二つの駆動部11,11に一つだけ装着できるようになっている。
その装着は横向きで行われ、二つのモータ12の回転軸と係合可能なので、一方を回転容器21+22の駆動に用い、他方を挟持送出機構39の駆動に用いることにより、錠剤カセット60にモータを搭載しなくても回転容器21+22と挟持送出機構39とを独立駆動することができる。
【0053】
[その他]
なお、上記実施例の高さ規制機構40では、昇降部材41の下降を促す付勢手段であるバネ45が設けられる一方、昇降部材41の昇降を止める制止手段が設けられていなかったが、バネ45に加えて、又はバネ45を省いて、制止手段として例えば止めネジ32のような部材を設けて昇降部材41の昇降を制止できるようにしても良い。
また、上記実施例の幅規制機構30では、可動壁を兼ねる幅寄せスライダ31の移動を止める制止手段である止めネジ32が設けられる一方、可動壁の幅寄せ移動を促す付勢手段が設けられていなかったが、止めネジ32に加えて、又は止めネジ32を省いて、付勢手段として例えばバネ45のような部材を設けて幅寄せスライダ31を幅寄せ側へ付勢するようにしても良い。
【0054】
さらに、上記実施例では、錠剤カセット20,60の回転容器21+22に蓋が無かったが、回転容器21+22の上を開閉する蓋が付設されていても良く、その蓋が幅規制機構30や高さ規制機構40のカバーを兼ねるようにしても良い。
また、上記実施例では、本発明の薬剤フィーダが、駆動部11から分離された着脱式の錠剤カセット20として具現化されていたが、それらを一体化したものであっても良く、更にはカッター機構まで組み合わせた錠剤分割装置などとして具現化されても良い。
【0055】
また、上記実施例では、整流案内部材として、螺旋状になっている固定の整流ガイド27を示したが、回転容器21+22の中の薬剤5を回転容器央部21から回転容器周縁部22へ案内することができれば他の部材でも良く、例えば回転容器21+22の中で軸回転する傾斜回転体であっても良い(例えば特許文献2参照)。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の薬剤フィーダは、錠剤分包機の一部の薬剤フィーダの代替に好適なように開発されたものであるが、それに適用が限定される訳でなく、錠剤分包機の総ての薬剤フィーダを代替しても良く、薬剤フィーダを一個か少数個しか搭載しない錠剤分割器などに搭載しても良い。また、本発明の薬剤フィーダに薬剤を収容する機構や方式についても、薬剤フィーダの動作停止時に蓋を手動で開閉して多数の薬剤を纏めて補充する方式に限定される訳でなく、薬剤フィーダの動作中に薬剤を自動で連続的に随時投入する方式や、収容中の薬剤の減り具合に応じて頻繁に投入する方式も、適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
5,5a,5b,5c…錠剤(薬剤)、
10…錠剤分包機(薬剤分包機)、
11…駆動部、12…モータ、13…排出口、14…錠剤カセット、
20…錠剤カセット(薬剤フィーダ)、
21…回転容器央部(収容部)、22…回転容器周縁部(フランジ部)、
23…外壁、24…支持板、25…採寸室、26…排出口、27…整流案内部材、
30…幅規制機構、31…幅寄せスライダ(可動壁)、
32…止めネジ(制止手段)、33…摘み部、
34…幅規制部材(揺動部材,内外対向部材の外周側,導出部)、
35…揺動板(伝動機構)、36,37,38…多関節リンク(伝動機構)、
39…挟持送出機構(ベルト送り機構,内外対向部材の内周側,導出部)、
40…高さ規制機構、41…昇降部材、42…天井部、
43…高さ規制部(高さ規制部材)、44…支柱、45…バネ(付勢手段)、
50…サンプル(薬剤,代替物)、60…錠剤カセット(薬剤フィーダ)
図1
図2
図3
図4
図5