【文献】
Panasonic,Resource allocation schemes of R-PDCCH[online],3GPP TSG-RAN WG1#62b R1-105499,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_62b/Docs/R1-105499.zip>,2010年10月 5日
【文献】
ZTE,The mapping schemes of R-PDCCH[online],3GPP TSG-RAN WG1#61 R1-102915,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_61/Docs/R1-102915.zip>,2010年 5月 4日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
受信装置に対する制御信号を、制御チャネル及びデータチャネルのいずれにも使用可能な第1のリソース領域又は制御チャネルに使用可能な第2のリソース領域にマッピングして送信し、送信データをデータリソース領域にマッピングして前記受信装置へ送信する送信装置であって、
前記データリソース領域のための割り当て制御信号を生成する生成手段と、
前記送信データの送信に用いられるストリームの数が1であり、且つ、前記送信データの送信に用いられるアンテナポートと前記割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートとが同じ場合、M(Mは2以上の自然数)個のリソースブロック(RB)から構成されるリソースブロックグループ(RBG)における前記第1のリソース領域内に第1のデータリソース領域を設定し、
前記送信データの送信に用いられるストリームの数が1であり、且つ、前記送信データの送信に用いられるアンテナポートと前記割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートとが異なる場合、前記RBGにおける前記第1のリソース領域内に前記第1のデータリソース領域よりも大きい第2のデータリソース領域を設定する設定手段と、
前記設定された前記第1のデータリソース領域又は前記第2のデータリソース領域に前記送信データをマッピングし、前記第1のリソース領域内の制御リソース領域に前記割り当て制御信号をマッピングするマッピング手段と、
を具備する送信装置。
制御チャネル及びデータチャネルのいずれにも使用可能な第1のリソース領域又は制御チャネルに使用可能な第2のリソース領域において送信装置から送信された制御信号を含む受信信号を受信し、前記第1のデータリソース領域又は前記第2のデータリソース領域にマッピングされて前記送信装置から送信された送信データを受信する受信装置であって、
前記受信信号に含まれる、前記データリソース領域のための割り当て制御信号を検出する検出手段と、
前記送信データの送信に用いられたストリームの数が1であり、且つ、前記送信データの送信に用いられたアンテナポートと前記割り当て制御信号の送信に用いられたアンテナポートとが同じ場合、M(Mは2以上の自然数)個のリソースブロック(RB)から構成されるリソースブロックグループ(RBG)における前記第1のリソース領域内の第1のデータリソース領域をデータ成分抽出対象領域として特定し、
前記送信データの送信に用いられたストリームの数が1であり、且つ、前記送信データの送信に用いられたアンテナポートと前記割り当て制御信号の送信に用いられたアンテナポートとが異なる場合、前記第1のデータリソース領域よりも大きい、前記RBGにおける前記第1のリソース領域内の第2のデータリソース領域を前記データ成分抽出対象領域として特定する特定手段と、
前記特定されたデータ成分抽出対象領域内の信号成分を前記受信信号から抽出する抽出手段と、
を具備する受信装置。
受信装置に対する制御信号を、制御チャネル及びデータチャネルのいずれにも使用可能な第1のリソース領域又は制御チャネルに使用可能な第2のリソース領域にマッピングして送信し、送信データをデータリソース領域にマッピングして前記受信装置へ送信する送信方法であって、
前記データリソース領域のための割り当て制御信号を生成し、
前記送信データの送信に用いられるストリームの数が1であり、且つ、前記送信データの送信に用いられるアンテナポートと前記割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートとが同じ場合、M(Mは2以上の自然数)個のリソースブロック(RB)から構成されるリソースブロックグループ(RBG)における前記第1のリソース領域内に第1のデータリソース領域を設定し、
前記送信データの送信に用いられるストリームの数が1であり、且つ、前記送信データの送信に用いられるアンテナポートと前記割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートとが異なる場合、前記RBGにおける前記第1のリソース領域内に前記第1のデータリソース領域よりも大きい第2のデータリソース領域を設定し、
前記設定された前記第1のデータリソース領域又は前記第2のデータリソース領域に前記送信データをマッピングし、前記第1のリソース領域内の制御リソース領域に前記割り当て制御信号をマッピングする、
送信方法。
制御チャネル及びデータチャネルのいずれにも使用可能な第1のリソース領域又は制御チャネルに使用可能な第2のリソース領域において送信装置から送信された制御信号を含む受信信号を受信し、前記第1のデータリソース領域又は前記第2のデータリソース領域にマッピングされて前記送信装置から送信された送信データを受信する受信方法であって、
前記受信信号に含まれる、前記データリソース領域のための割り当て制御信号を検出し、
前記送信データの送信に用いられたストリームの数が1であり、且つ、前記送信データの送信に用いられたアンテナポートと前記割り当て制御信号の送信に用いられたアンテナポートとが同じ場合、M(Mは2以上の自然数)個のリソースブロック(RB)から構成されるリソースブロックグループ(RBG)における前記第1のリソース領域内の第1のデータリソース領域をデータ成分抽出対象領域として特定し、
前記送信データの送信に用いられたストリームの数が1であり、且つ、前記送信データの送信に用いられたアンテナポートと前記割り当て制御信号の送信に用いられたアンテナポートとが異なる場合、前記第1のデータリソース領域よりも大きい、前記RBGにおける前記第1のリソース領域内の第2のデータリソース領域を前記データ成分抽出対象領域として特定し、
前記特定されたデータ成分抽出対象領域内の信号成分を前記受信信号から抽出する、
受信方法。
【背景技術】
【0002】
近年、セルラ移動体通信システムにおいては、情報のマルチメディア化に伴い、音声データのみならず、静止画像データ及び動画像データ等の大容量データを伝送することが一般化しつつある。大容量データの伝送を実現するために、高周波の無線帯域を利用して高伝送レートを実現する技術に関する検討が盛んに行われている。
【0003】
しかし、高周波の無線帯域を利用する場合には、近距離では高伝送レートの通信が期待できる一方、遠距離になるに従って伝送距離による減衰が大きくなる。よって、高周波の無線帯域を利用した移動体通信システムを実際に運用する場合には、無線通信基地局装置(以下、「基地局」と省略する)のカバーエリアが小さくなるため、より多くの基地局を設置する必要がある。基地局の設置には相応のコストがかかる。従って、基地局数の増加を抑制しつつ、高周波の無線帯域を利用した通信サービスを実現するための技術が強く求められている。
【0004】
このような要求に対して、各基地局のカバーエリアを拡大させるために、基地局と無線通信移動局装置(以下、「移動局」と省略する)との間に、無線通信中継局装置(以下、「中継局」と省略する)を設置し、基地局と移動局との間の通信を中継局を介して行う、中継技術が検討されている。中継(Relay)技術を用いると、基地局と直接通信できない移動局も、中継局を介して通信することができる。
【0005】
上記した中継技術の導入が検討されているLTE-A(Long Term Evolution Advanced)システムに対しては、LTE(Long Term Evolution)からのスムーズな移行及びLTEとの共存の観点から、LTEとの互換性を維持することが要求されている。そのため、Relay技術に関しても、LTEとの相互互換性が求められている。
【0006】
図1には、LTEシステム及びLTE-Aシステムにおいて、制御信号及びデータを割り当てたフレームの一例が示されている。
【0007】
LTEシステムでは、基地局から移動局へ送信される下り回線(DL:DownLink)制御信号は、例えばPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)等の下り回線制御チャネルによって送信される。LTEでは、DLのデータ割り当てを指示するDL grant、及び、上り回線(UL:UpLink)のデータ割り当てを指示するUL grantが、PDCCHによって送信される。DL grantによって、このDL grantが送信されたサブフレーム内のリソースが移動局に対して割り当てられたことが通知される。一方、UL grantに関しては、FDDシステムでは、UL grantによって、このUL grantが送信されたサブフレームより4サブフレーム後の対象サブフレーム内のリソースが、移動局に対して割り当てられたことが通知される。また、TDDシステムでは、UL grantによって、このUL grantが送信されたサブフレームより4サブフレーム以上後の対象サブフレーム内のリソースが、移動局に対して割り当てられたことが通知される。TDDシステムでは、移動局に対する割当対象サブフレームとして、UL grantが送信されたサブフレームのいくつ後のサブフレームが割り当てられるかは、上り回線及び下り回線が時分割されるパターン(以下、「UL/DLコンフィグレーションパターン」)に応じて定められる。ただし、どのUL/DLコンフィグレーションパターンにおいても、ULサブフレームは、UL grantが送信されたサブフレームの4サブフレーム以上後のサブフレームである。
【0008】
LTE-Aシステムでは、基地局だけでなく中継局も移動局へサブフレームの先頭部分のPDCCH領域で制御信号を送信する。中継局に着目すると、移動局へ下り回線制御信号を送信しなければならないので、中継局は、制御信号を移動局へ送信した後に受信処理へ切り替えることにより、基地局から送信された信号の受信に備える。しかしながら、中継局が下り回線制御信号を移動局へ送信しているタイミングで基地局も中継局用の下り回線制御信号を送信しているので、中継局は、基地局から送信された下り回線制御信号を受信することができない。このような不都合を回避するために、LTE-Aでは、データ領域に、中継局用の下り回線制御信号を配置する領域(中継局向けR-PDCCH(Relay用PDCCH)領域)を設けることが検討されている。このR-PDCCHにも、PDCCHと同様に、DL grant及びUL grantが配置されることが検討されている。さらに、R-PDCCHでは、
図1に示されるように、DL grantを1st slotに配置し、UL grantを2nd slotに配置することが検討されている(非特許文献1参照)。DL grantを1st slotのみに配置することで、DL grantの復号遅延が短くなり、中継局はDLデータに対するACK/NACKの送信(FDDでは、DL grantの受信から4サブフレーム後に送信される)に備えることができる。このようにして基地局からR-PDCCHを用いて送信された下り回線制御信号を、中継局は、基地局からhigher layer signalingによって指示されたリソース領域(つまり、「サーチスペース」)内でブラインド復号することにより、自局宛の下り回線制御信号を見つける。
【0009】
ここで、R-PDCCHに対応するサーチスペースは、上述の通り、higher layer signalingによって、基地局から中継局に通知される。R-PDCCHに対応するサーチスペースを通知する方法としては、(1)PRB(Physical Resource Block)ペアを1単位として通知する方法、及び、(2)RBG(Resource Block Group)を1単位として通知する方法の両方が考えられる。PRB(Physical Resource Block)ペアは、第1スロット及び第2スロットのPRBを合わせた集合を意味するのに対して、PRBは、第1スロット及び第2スロットのPRBのそれぞれを意味する。以下では、PRBペアを単にPRBと呼ぶことがある。また、リソースブロックグループ(RBG)とは、複数のPRBが纏めて割り当てられる場合に使用される単位である。また、RBGのサイズは、通信システムのバンド幅に基づいて定められている。
【0010】
また、R-PDCCHは、アグリゲーションレベルとしてレベル1、2、4、8の4つのレベルを有する(例えば、非特許文献1参照)。そして、レベル1、2、4、8は、6、6、2、2種類のマッピング候補位置をそれぞれ有する。ここで、マッピング候補位置とは、制御信号がマッピングされる領域の候補である。1つの端末に対して1つのアグリゲーションレベルが設定されると、そのアグリゲーションレベルが有する複数のマッピング候補位置の内の1つに、制御信号が実際にマッピングされる。
図2は、R-PDCCHに対応するサーチスペースの一例を示す図である。各楕円は、各アグリゲーションレベルのサーチスペースを示している。各アグリゲーションレベルの各サーチスペースにおける複数のマッピング候補位置は、VRB(Virtual Resource Block)においては連続的に配置される。そして、VRBにおける各マッピング候補位置は、上位レイヤのシグナリングによって、PRB(Physical Resource Block)にマッピングされる。
【0011】
また、中継局向けR-PDCCH領域においてDL grantを基地局が送信し、中継局に対してRBG単位のPDSCHを割り当てる場合、任意のサブフレームにおいて、DL grantとPDSCHとが同一のRBGに配置されることがある。すなわち、
図3における一番上のRBGに示すように、任意のRBGの領域(a)にDL grantがマッピングされた場合、そのDL grantによってその任意のサブフレームにおける領域(b)及び(c)がPDSCHに割り当てられる。RBGは、M(Mは2以上の自然数)個のPRBペアから構成される。ここで、領域(a)は、DL grantが配置される第1のPRB(つまり、「配置PRB」)ペア内の領域であって、PDCCH領域を除く第1スロット内の領域である。また、領域(b)は、配置PRBペア内の第2スロットに属する領域であって、UL grantのサーチスペースに設定されている領域である。また、領域(c)は、配置PRBペアを含むRBGを構成するM個のPRBペアの内、配置PRBペアを除くPRBペア内の領域であって、PDCCH領域を除く領域である。
図3における一番上のRBGの横に示されているように、RBGにPDSCHの割り当てが行われる場合、DL grantには、そのRBGに対するリソース割当ビット値(RA bit)は1とされる。
【0012】
一方、任意のサブフレームにおいてDL grantとUL grantとが同一のRBGにマッピングされる場合、
図3における真ん中のRBGに示すように、DL grantは、領域(a)にマッピングされ、UL grantは、領域(b)にマッピングされる。そして、領域(b)及び(c)は、PDSCHに割り当てられない。このとき、DL grantに含まれるリソース割り当てビットの値は、ゼロとされる。従って、下り回線制御信号の受信側である端末は、自機宛のDL grantに含まれるRBGごとのリソース割り当てビットの値が0か1かによって、
図3における一番上のRBGのようなリソース割り当てが行われているのか、又は、
図3における真ん中のRBGのようなリソース割り当てが行われているかを認知することができる。
【0013】
なお、任意のサブフレームにおいてDL grantとUL grantとが同一のRBGにマッピングされる場合、
図3の一番下のRBGに示すように、DL grantに含まれるこのRBGに対するリソース割り当てビットの値を1とすると、UL grantとPDSCHとが同一リソースに割り当てられることにより衝突してしまう。基地局は、この衝突を避けるために、UL grantをマッピングする場合、リソース割当ビットの値をゼロとする。
【発明を実施するための形態】
【0027】
LTE-Aシステムにおいて、DM-RSの送信に用いられるアンテナポートは、DLデータ送信に用いられる1UE当たりのlayer数と、設定テーブル(
図4参照)とに基づいて、定められている。DM-RS(Demodulation Reference signal)は、DLデータ(つまり、PDSCH)のチャネル推定に使用される。DLデータとDM-RSとは、同一のアンテナポートから送信される。これにより、DM-RSを使用したチャネル推定が可能となる。ここで、layerとは、MIMO通信を説明する場合に頻繁に用いられるストリームに相当する。
【0028】
LTE-Aシステムにおいて、DL grantは、アンテナポート7から送信される。そして、
図4を見てわかるように、DLデータ送信に用いられる1UE当たりのlayer数が1の場合、アンテナポート7又はアンテナポート8がDLデータ送信のために使用される。また、DLデータ送信に用いられる1UEあたりのlayer数が2以上の場合、アンテナポート7からアンテナポート番号が小さいポートから順に、layer数と同じ数のアンテナポートがDLデータ送信のために使用される。例えば、レイヤ数が4の場合、アンテナポート7,8,9,10が使用される。
【0029】
すなわち、LTE-Aシステムにおいて、DL grantは、基準アンテナポートから送信される。DLデータ送信に用いられる1UE当たりのlayer数が1の場合、DLデータ送信のために使用されるアンテナポートとしては、基準アンテナポートと、第2のアンテナポートとがある。また、DLデータ送信に用いられる1UE当たりのlayer数が2の場合、基準アンテナポートから所定の順番で、layer数と同じ数のアンテナポートがDLデータ送信のために使用される。つまり、DLデータ送信に用いられる1UE当たりのlayer数が2の場合、基準アンテナポートは、DLデータ送信に必ず使用される。
【0030】
本発明者らは、1つのUE向けのDLデータが、1つのlayerによって送信され、且つ、そのDLデータに割り当てられたリソースを示すDL grantがマッピングされるアンテナポートと異なるアンテナポートから送信される場合、データリソースの割り当てに自由度があることを見出した。
【0031】
本発明者等は、この自由度に着目し、本発明をするに到った。
【0032】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
【0033】
[実施の形態1]
[通信システムの概要]
本発明の実施の形態1に係る通信システムは、送信装置と受信装置とを有する。特に、本発明の実施の形態では、送信装置を基地局100とし、受信装置を端末200として説明する。この通信システムは、例えば、LTE-Aシステムである。そして、基地局100は、例えば、LTE-A基地局であり、端末200は、例えば、LTE-A端末である。
【0034】
図5は、本発明の実施の形態1に係る基地局100の主要構成図である。基地局100は、端末200に対する制御信号を、制御チャネル及びデータチャネルのいずれにも使用可能な第1のリソース領域(ここでは、端末向けR-PDCCH)又は制御チャネルに使用可能な第2のリソース領域(ここでは、PDCCH)にマッピングして送信する。また、基地局100は、送信データをデータリソース領域にマッピングして端末200へ送信する。そして、送信制御部102は、送信データの送信に用いられるストリームの数及びアンテナポート、並びに、割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートに基づいて、M(Mは2以上の自然数)個のリソースブロック(RB)から構成されるリソースブロックグループ(RBG)において、データリソース領域と割り当て制御信号をマッピングする制御リソース領域とを第1のリソース領域内に設定する。信号割り当て部106は、設定されたデータリソース領域に送信データをマッピングし、制御リソース領域に割り当て制御信号をマッピングする。
【0035】
そして、送信制御部102は、送信データの送信に用いられるストリームの数が1であり、且つ、送信データの送信に用いられるアンテナポートと割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートとが同じ場合、第1のデータリソース領域をRBGにおける第1のリソース領域内に設定する。また、送信制御部102は、送信データの送信に用いられるストリームの数が1であり、且つ、送信データの送信に用いられるアンテナポートと割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートとが異なる場合、第2のデータリソース領域をRBGにおける第1のリソース領域内に設定する。
【0036】
そして、第2のデータリソース領域は、第1のデータリソース領域よりも大きい。
【0037】
図6は、本発明の実施の形態1に係る端末200の主要構成図である。端末200は、第1のリソース領域(ここでは、端末向けR-PDCCH)又は第2のリソース領域(ここでは、PDCCH)において基地局100から送信された制御信号(ここでは、DL grant)を含む受信信号を受信する。また、端末200は、データリソース領域にマッピングされて基地局100から送信されたデータを受信する。そして、制御信号受信部205は、受信信号に含まれる、データリソース領域のための割り当て制御信号を検出する。そして、使用パターン特定部210は、検出された割り当て制御信号に含まれる、データの送信に用いられるストリームの数及びアンテナポート、並びに、割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートに基づいて、割り当て制御信号が検出されたリソースブロック(RB)を含むM(Mは2以上の自然数)個のRBから構成されるリソースブロックグループ(RBG)における前記データリソース領域に対応するデータ成分抽出対象領域を特定する。そして、信号分離部202は、特定されたデータ成分抽出対象領域内の信号成分を受信信号から抽出する。
【0038】
そして、使用パターン特定部210は、送信データの送信に用いられるストリームの数が1であり、且つ、送信データの送信に用いられるアンテナポートと割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートとが同じ場合、第1のデータリソース領域をデータ成分抽出対象領域として特定する。また、使用パターン特定部210は、送信データの送信に用いられるストリームの数が1であり、且つ、送信データの送信に用いられるアンテナポートと割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートとが異なる場合、第2のデータリソース領域をデータ成分抽出対象領域として特定する。
【0039】
そして、第2のデータリソース領域は、第1のデータリソース領域よりも大きい。
【0040】
[基地局100の構成]
図7は、本発明の実施の形態1に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図7において、基地局100は、アンテナポート決定部101と、送信制御部102と、制御信号生成部103と、誤り訂正符号化部104と、変調部105と、信号割り当て部106と、無線送信部107と、無線受信部108と、復調部109と、誤り訂正復号部110とを有する。
【0041】
アンテナポート決定部101は、端末200から送信された「報告情報」を入力とする。「報告情報」は、端末200から送信された回線品質、スケジューリング要求又はバッファ状態報告等を含む。
【0042】
そして、アンテナポート決定部101は、報告情報に基づいて、リソース割り当ての対象であるデータ信号の送信に使用するアンテナポート及びレイヤ数を決定する。決定された使用アンテナポート及び使用レイヤ数は、送信制御部102へ出力される。以下では、使用アンテナポート及び使用レイヤ数は、総称して「アンテナポート情報」と呼ばれることがある。
【0043】
ここで、DL grantは、基準アンテナポートから送信される。使用レイヤ数が1の場合、使用アンテナポートは、基準アンテナポート又は第2のアンテナポートである。また、使用レイヤ数が2の場合、基準アンテナポートから所定の順番で、レイヤ数と同じ数のアンテナポートが使用アンテナポートとなる。つまり、使用レイヤ数が2の場合、基準アンテナポートは、必ず使用アンテナポートとなる。
【0044】
送信制御部102は、送信すべきデータ信号が有る場合に、決定部101から出力されたアンテナポート情報を入力とする。そして、送信制御部102は、アンテナポート情報に基づいて、制御信号及びデータ信号の「使用マッピングリソースパターン」を決定し、決定されたマッピングリソースパターンに関する情報を信号割り当て部106へ出力する。
【0045】
具体的には、使用レイヤ数が1であり且つ使用アンテナポートが基準アンテナポートである場合、送信制御部102は、領域(b)及び(c)のみをデータリソースとするマッピングパターン1(
図8A参照)に、使用マッピングリソースパターンを決定する。
図8には、特に、RBGサイズMが2である場合の送信サブフレームが示されている。また、使用レイヤ数が1であり且つ使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートである場合、送信制御部102は、領域(a)、(b)及び(c)の全てをデータリソースとするマッピングリソースパターン2(
図8B参照)に、使用マッピングリソースパターンを決定する。
【0046】
また、送信制御部102は、アンテナポート情報を受け取ると、アンテナポート情報と共に、DL grant生成指示を制御信号生成部103へ出力する。また、送信制御部102は、入力される「報告情報」に上り回線データ信号のスケジューリング要求が含まれている場合には、UL grantをマッピングするリソースを決定しそのリソースに関する情報を信号割り当て部106へ出力すると共に、UL grant生成指示を制御信号生成部103へ出力する。
【0047】
制御信号生成部103は、アンテナポート情報と共にDL grant生成指示を受け取ると、アンテナポート情報を含むDL grantを生成する。具体的には、制御信号生成部103は、アンテナポート情報と設定テーブルとに基づいて、アンテナポート情報に対応するビット値を特定し、このビット値を含むDL grantを生成する。こうして生成されたDL grantは、信号割り当て部106へ出力される。
【0048】
また、制御信号生成部103は、UL grant生成指示を受け取ると、UL grantを生成し、信号割り当て部106へ出力する。
【0049】
誤り訂正符号化部104は、送信データ信号を入力とし、入力された送信データ信号を誤り訂正符号化し、変調部105へ出力する。
【0050】
変調部105は、誤り訂正符号化部104から受け取る信号に対して変調処理を施し、変調後の送信データ信号を信号割り当て部106へ出力する。
【0051】
信号割り当て部106は、送信制御部102から受け取るマッピングリソースパターンに基づくリソースに、制御信号生成部103から受け取るDL grant及び変調部105から受け取る変調後の送信データ信号をマッピングする。また、信号割り当て部106は、送信制御部102から受け取るUL grantのマッピングリソースに関する情報が示すリソースに、制御信号生成部103から受け取るUL grantをマッピングする。このように送信データ信号及び制御信号が所定のリソースにマッピングされることにより、送信信号が生成される、この送信信号は、無線送信部107へ出力される。
【0052】
無線送信部107は、入力信号に対してアップコンバート等の無線送信処理を施し、アンテナを介して送信する。
【0053】
無線受信部108は、端末200から送信された信号をアンテナを介して受信し、ダウンコンバート等の無線処理を施した後に復調部109へ出力する。
【0054】
復調部109は、入力信号に対して復調処理を施し、得られた信号を誤り訂正復号部110へ出力する。
【0055】
誤り訂正復号部110は、入力信号を復号し、端末200からの報告情報及び受信データ信号を得る。得られた端末200からの報告情報は、アンテナポート決定部101及び送信制御部102へ出力される。また、得られた受信データ信号は、後段の機能部へ出力される。
【0056】
[端末200の構成]
図9は、本発明の実施の形態1に係る端末200の構成を示すブロック図である。
図9において、端末200は、無線受信部201と、信号分離部202と、復調部203と、誤り訂正復号部204と、制御信号受信部205と、誤り訂正符号化部206と、変調部207と、信号割り当て部208と、無線送信部209と、使用パターン特定部210とを有する。
【0057】
無線受信部201は、基地局100から送信された信号をアンテナを介して受信し、ダウンコンバート等の無線処理を施した後に信号分離部202へ出力する。
【0058】
信号分離部202は、無線受信部201から受け取る受信信号を制御信号受信部205へ出力する。
【0059】
また、信号分離部202は、制御信号受信部205から出力されたマッピングリソースパターンに関する情報が示すデータリソースに対応する信号成分(つまり、下り回線データ信号に対応する信号成分)を受信信号から抽出し、抽出された信号を復調部203へ出力する。
【0060】
復調部203は、信号分離部202から出力された信号を復調し、当該復調された信号を誤り訂正復号部204へ出力する。
【0061】
誤り訂正復号部204は、復調部203から出力された復調信号を復号し、得られた受信データ信号を出力する。
【0062】
制御信号受信部205は、信号分離部202から受け取る受信信号からR-PDCCH領域に対応する信号成分を抽出し、当該抽出された信号成分に対してブラインド復号を行うことにより、自装置宛の制御信号(DL grant又はUL grant)を検出する。上述の通り、DL grantには、アンテナポート情報(具体的には、アンテナポート情報に対応するビット値)が含まれている。
【0063】
また、制御信号受信部205は、検出されたUL grantを信号割り当て部208へ出力する。
【0064】
使用パターン特定部210は、制御信号受信部205において検出されたDL grantに含まれるアンテナポート情報に基づいて使用マッピングリソースパターンを特定し、特定された使用マッピングリソースパターンに関する情報を信号分離部202へ出力する。この使用マッピングリソースパターンは、基地局100において用いられたものと同じである。
【0065】
誤り訂正符号化部206は、送信データ信号を入力とし、その送信データ信号を誤り訂正符号化し、変調部207へ出力する。
【0066】
変調部207は、誤り訂正符号化部206から出力された信号を変調し、変調信号を信号割り当て部208へ出力する。
【0067】
信号割り当て部208は、変調部207から出力された信号を、制御信号受信部205から受け取るUL grantに従ってマッピングし、無線送信部209へ出力する。
【0068】
無線送信部209は、入力信号に対してアップコンバート等の無線送信処理を施し、アンテナを介して送信する。
【0069】
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200の動作について説明する。
【0070】
基地局100において、送信制御部102は、アンテナポート情報に基づいて、制御信号及びデータ信号の使用マッピングリソースパターンを決定する。
【0071】
具体的には、使用レイヤ数が1であり且つ使用アンテナポートが基準アンテナポートである場合、送信制御部102は、領域(b)及び(c)のみをデータリソースとするマッピングパターン1(
図8A参照)に、使用マッピングリソースパターンを決定する。決定されたマッピングリソースパターンに関する情報は、信号割り当て部106へ出力される。
【0072】
また、使用レイヤ数が1であり且つ使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートである場合、送信制御部102は、領域(a)、(b)及び(c)の全てをデータリソースとするマッピングリソースパターン2(
図8B参照)に、使用マッピングリソースパターンを決定する。
【0073】
決定されたマッピングリソースパターンに関する情報は、信号割り当て部106へ出力される。
【0074】
制御信号生成部103は、アンテナポート情報を含めたDL grantを生成し、信号割り当て部106へ出力する。
【0075】
信号割り当て部106は、送信制御部102から受け取るマッピングリソースパターン1に基づくリソースに、制御信号生成部103から受け取るDL grant及び変調部105から受け取る変調後の送信データ信号をマッピングする。このように送信データ信号及び制御信号が所定のリソースにマッピングされることにより、送信信号が生成される。そして、この送信信号は、端末200へ送信される。
【0076】
端末200において、制御信号受信部205は、信号分離部202から受け取る受信信号からR-PDCCH領域に対応する信号成分を抽出し、当該抽出された信号成分に対してブラインド復号を行うことにより、自装置宛の制御信号(DL grant又はUL grant)を検出する。
【0077】
使用パターン特定部210は、制御信号受信部205において検出されたDL grantに含まれるアンテナポート情報に基づいて、使用マッピングリソースパターンを特定する。
【0078】
具体的には、使用レイヤ数が1であり且つ使用アンテナポートが基準アンテナポートである場合、使用パターン特定部210は、領域(b)及び(c)のみをデータリソースとするマッピングパターン1を、使用マッピングリソースパターンとして特定する。
【0079】
また、使用レイヤ数が1であり且つ使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートである場合、使用パターン特定部210は、領域(a)、(b)及び(c)の全てをデータリソースとするマッピングリソースパターン2を、使用マッピングリソースパターンとして特定する。
【0080】
特定された使用マッピングリソースパターンに関する情報は、信号分離部202へ出力される。
【0081】
信号分離部202は、制御信号受信部205から出力された使用マッピングリソースパターンに関する情報が示すデータリソースに対応する信号成分(つまり、下り回線データ信号に対応する信号成分)を受信信号から抽出し、抽出された信号を復調部203へ出力する。
【0082】
なお、以上の説明では、基準アンテナポートとDL grantの送信に用いられるアンテナポートとが一致すること、及び、レイヤ数が2以上の場合には使用アンテナポートとして基準アンテナから順番にレイヤ数だけ用いられることを前提に説明したが、これに限定されるものではない。
【0083】
以上のように本実施の形態によれば、基地局100は、端末200に対する制御信号を、制御チャネル及びデータチャネルのいずれにも使用可能な第1のリソース領域(ここでは、端末向けR-PDCCH)又は制御チャネルに使用可能な第2のリソース領域(ここでは、PDCCH)にマッピングして送信する。さらに、基地局100は、送信データをデータリソース領域にマッピングして端末200へ送信する。そして、送信制御部102は、M(Mは2以上の自然数)個のリソースブロック(RB)から構成されるリソースブロックグループ(RBG)において、データリソース領域と割り当て制御信号をマッピングする制御リソース領域とを第1のリソース領域内に設定する。送信制御部102は、この設定を、使用レイヤ数及び使用アンテナポート、並びに、データリソース領域のための割り当て制御信号(ここでは、DL grant)の送信に用いられるアンテナポートに基づいて行う。
【0084】
そして、送信制御部102は、使用レイヤ数が1であり、且つ、使用アンテナポートと割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートとが同じ場合、第1のデータリソース領域をRBGにおける第1のリソース領域内に設定する。また、送信制御部102は、使用レイヤ数が1であり、且つ、使用アンテナポートと割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートとが異なる場合、第2のデータリソース領域をRBGにおける第1のリソース領域内に設定する。
【0085】
そして、第2のデータリソース領域は、第1のデータリソース領域よりも大きい。
【0086】
こうすることにより、使用レイヤ数が1であり、且つ、使用アンテナポートと割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートとが同じ場合には、UL grantがマッピングされるリソースを回避して第1のデータリソース領域を設定できる。さらに、こうすることにより、使用レイヤ数が1であり、且つ、使用アンテナポートと割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートとが異なる場合には、UL grantがマッピングされるリソースを含めた第2のデータリソース領域を設定できる。すなわち、DL grantとUL grantとが同じRBGにマッピングされる場合でも、UL grantと下り回線データとの衝突を回避することができる。また、第2のデータリソース領域を第1のデータリソース領域よりも大きくできる。すなわち、第2のデータリソース領域のリソース量を増加させることができる。
【0087】
また、リソース量を増やす対象を第2のデータリソース領域に限定することにより、使用レイヤ数が2以上の場合に適用される、データリソース領域のリソース量はレイヤ間で等しいとする条件との整合を図ることができる。これにより、端末200の受信回路が複雑化することを防止できる。
【0088】
特に、実施の形態1においては、上述の通り、第2のデータリソース領域は、領域(a)、(b)及び(c)の全てを含む。すなわち、第2のデータリソース領域は、RBGにおける第1のリソース領域の全体である。
【0089】
こうすることにより、制御信号がマッピングされた回線品質のよいRBGにデータリソース領域を設定できる。
【0090】
[実施の形態2]
実施の形態2は、使用レイヤ数が2以上の場合の実施の形態である。実施の形態2に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と同様であるので、
図7及び9を援用して説明する。
【0091】
実施の形態2の基地局100において、送信制御部102は、使用レイヤ数が2以上である場合、RBGにおける第1のリソース領域の全体に、データリソース領域を制御リソース領域と重ねて設定する。
【0092】
信号割り当て部106は、使用レイヤ数が2以上である場合、データリソース領域において制御リソース領域と重なる部分に対応する送信データを、パンクチャリングした後にデータリソース領域において制御リソース領域と重ならない部分にマッピングする。この送信データは、DL grantの送信に用いられるアンテナポートと同じアンテナポートから送信されるストリームを構成する送信データである。
【0093】
図10は、実施の形態2における送信制御部102及び信号割り当て部106の動作説明に供する図である。
【0094】
図10Aには、RBGの、基準アンテナポート(Port 7)に対応する第1のリソース領域における、割り当て制御信号のマッピング状況が示されている。
図10Aにおいては、RBGにおける領域(a)にDL grantがマッピングされ、領域(b)にUL grantがマッピングされている。
【0095】
そして、
図10Bには、RBGの、基準アンテナポート(Port 7)に対応する第1のリソース領域における、データリソース領域の状況が示されている。また、
図10Cには、RBGの、基準アンテナポート(Port 7)以外のアンテナポート(Port 8)に対応する第1のリソース領域における、データリソース領域の状況が示されている。すなわち、
図10B及びCの両方ともに、RBGの第2リソース領域の全体がデータリソース領域とされている。
【0096】
図10D及びEは、信号割り当て部106によるパンクチャリング処理の説明に供する図である。
図10Dに示すように、DL grant及びUL grantの送信に用いられるアンテナポートと同じアンテナポートから送信されるストリームを構成する送信データであって、データリソース領域において制御リソース領域と重なる部分から送信される予定であった送信データが、パンクチャされる。すなわち、パンクチャリングされた場合と、パンクチャされなかった場合とで、実際に送信されるデータがマッピングされる位置(RE:resource element)は変わらない。
【0097】
一方、
図10Dに示すように、DL grant及びUL grantの送信に用いられるアンテナポートと異なるアンテナポートから送信されるストリームを構成する送信データは、パンクチャされない。
【0098】
以上のように本実施の形態によれば、基地局100において、送信制御部102が、使用レイヤ数が2以上である場合、RBGにおける第1のリソース領域の全体に、データリソース領域を制御リソース領域と重ねて設定する。そして、信号割り当て部106は、使用レイヤ数が2以上である場合、データリソース領域において制御リソース領域と重なる部分に対応する送信データを、パンクチャリングした後にデータリソース領域において制御リソース領域と重ならない部分にマッピングする。この送信データは、DL grantの送信に用いられるアンテナポートと同じアンテナポートから送信されるストリームを構成する送信データである。
【0099】
こうすることにより、使用レイヤ数が2以上の場合に適用される、データリソース領域のリソース量はレイヤ間で等しいとする条件を満たすことができる。また、パンクチャリングすることにより、データリソース領域において制御リソース領域と重なる部分に対応する送信データが実際には送信されないので、受信側の構成を変更する必要がない。
【0100】
[実施の形態3]
実施の形態1及び2におけるリソース割当方法と異なるリソース割当方法として、DL grantに上記したリソース割り当てビット以外の追加ビット(1ビット)を付加し、DL grantが配置されるPRB pairの2nd slotをデータリソース領域に使用するか否かを通知する方法がある。すなわち、
図11に示すように、任意のRBGの領域(a)にDL grantがマッピングされた場合、この追加ビットによって、そのDL grantによって領域(b)及び(c)がPDSCHに割り当てられるか(
図11A)、又は、領域(c)のみを割り当てるか(
図11B)を通知することができる。
【0101】
しかしながら、DL grantに追加ビットを付加することは、追加ビットのビット数は小さいが、設計が変更されることによってテスト工数が増えるので、好ましくない。そこで、本実施の形態では、追加ビットの代わりに、使用アンテナポートが基地局から端末へ通知されることによって、領域(b)をデータリソース領域とするか否かが通知される。
【0102】
実施の形態3に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と同様であるので、
図7及び9を援用して説明する。
【0103】
実施の形態3の基地局100において、送信制御部102は、リソース割り当てビット及びアンテナポート情報に基づいて、制御信号及びデータ信号の「使用マッピングリソースパターン」を決定し、決定されたマッピングリソースパターンに関する情報を信号割り当て部106へ出力する。
【0104】
具体的には、リソース割り当てビットの値が1であり、使用レイヤ数が1であり、且つ使用アンテナポートが基準アンテナポートである場合、送信制御部102は、領域(c)のみをデータリソースとするマッピングパターン3(
図12A参照)に、使用マッピングリソースパターンを決定する。
図12には、特に、RBGサイズMが2である場合の送信サブフレームが示されている。また、リソース割り当てビットが1であり、使用レイヤ数が1であり、且つ使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートである場合、送信制御部102は、領域(a)を除き領域(b)及び(c)をデータリソースとするマッピングリソースパターン4(
図12B参照)に、使用マッピングリソースパターンを決定する。
【0105】
また、リソース割り当てビットがゼロであり、使用レイヤ数が1であり、且つ使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートである場合、送信制御部102は、領域(a)及び(b)を除き領域(c)のみをデータリソースとするマッピングリソースパターン4(
図12B参照)に、使用マッピングリソースパターンを決定してもよい。
【0106】
なお、DL grantが配置されていないRBGにおいては、リソース割り当てビットの値がゼロであれば、そのRBGに対してデータリソース領域が割り当てられることはない。また、DL grantが配置されていないRBGにおいては、リソース割り当てビットの値が1であれば、そのRBGの第1のリソース領域の全体(つまり、領域(a)、(b)及び(c)の全て)がデータリソース領域とされる。
【0107】
実施の形態3の端末200において、使用パターン特定部210は、制御信号受信部205において検出されたDL grantに含まれるアンテナポート情報及びリソース割り当てビットに基づいて使用マッピングリソースパターンを特定し、特定された使用マッピングリソースパターンに関する情報を信号分離部202へ出力する。この使用マッピングリソースパターンは、基地局100において用いられたものと同じである。
【0108】
[実施の形態4]
実施の形態4では、上記したリソース割り当てビット以外の追加ビット(1ビット)を用いることにより、その追加ビットの値に応じて、使用レイヤ数が1であり且つ使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートである場合の使用マッピングリソースパターンが切り替えられる。
【0109】
実施の形態4に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と同様であるので、
図7及び9を援用して説明する。
【0110】
実施の形態4の基地局100において、送信制御部102は、リソース割り当てビット及びアンテナポート情報に基づいて、制御信号及びデータ信号の「使用マッピングリソースパターン」を決定し、決定されたマッピングリソースパターンに関する情報を信号割り当て部106へ出力する。
【0111】
具体的には、リソース割り当てビットが1であり、使用レイヤ数が1であり、使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートであり、且つ追加ビットの値が1である場合、送信制御部102は、領域(a)、領域(b)及び(c)の全てをデータリソースとするマッピングリソースパターン2(
図13A参照)に、使用マッピングリソースパターンを決定する。
図13には、特に、RBGサイズMが2である場合の送信サブフレームが示されている。また、リソース割り当てビットが1であり、使用レイヤ数が1であり、使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートであり、且つ追加ビットの値がゼロである場合、送信制御部102は、領域(c)のみをデータリソース領域とするマッピングリソースパターン5(
図13B参照)に、使用マッピングリソースパターンを決定する。
【0112】
また、リソース割り当てビットがゼロであり、使用レイヤ数が1であり、使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートであり、且つ追加ビットの値が1である場合、送信制御部102は、領域(a)及び領域(b)をデータリソースとするマッピングリソースパターン6(
図13A参照)に、使用マッピングリソースパターンを決定する。なお、リソース割り当てビットがゼロであり、使用レイヤ数が1であり、使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートであり、且つ追加ビットの値がゼロである場合、DL grantが配置されたRBGにはデータリソース領域が設けられない(
図13B参照)。
【0113】
以上のように、追加ビットに応じてマッピングリソースパターンを切り替えることにより、DL grantと送信データとが多重されるパターンと、多重されないパターンとを切り替えることができる。
【0114】
[他の実施の形態]
[1]実施の形態2において説明した技術は、実施の形態3又は4に対して適用できる。すなわち、DL grant及びUL grantの送信に用いられるアンテナポートと異なるアンテナポートから送信されるストリームを構成する送信データは、パンクチャされずに、実施の形態3又は4において説明したマッピングリソースパターンによって送信される。一方、DL grant及びUL grantの送信に用いられるアンテナポートと同じアンテナポートから送信されるストリームを構成する送信データであって、データリソース領域において制御リソース領域と重なる部分から送信される予定であった送信データが、パンクチャされる。
【0115】
[2]上記各実施の形態では、DL grantによるPDSCHの割り当て方法として、DL grantがマッピングされたRBG内のDL grantがマッピングされた領域(つまり、領域(a))以外の領域にPDSCHが割り当てられる割り当て方法が採用される場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、以下に説明する割り当て方法においても適用可能である。
【0116】
(1)DL grantによるPDSCHの割り当て方法1
図14は、DL grantによるPDSCHの割り当て方法1の説明に供する図である。
図14Aに示すように、RBGに対するリソース割り当てビットが1の場合、DL grantによって領域(b)が明示的にデータリソース領域として割り当てられる。ただし、領域(c)は、リソース割り当てビットの値に関わらず、暗示的にデータリソース領域として割り当てられる。また、RBGに対するリソース割り当てビットが0の場合、領域(c)がデータリソース領域として割り当てられる。これにより、UL grantが有る場合でも、DL grantをマッピングしたRBGにPDSCHを割り当てることができる。
【0117】
このPDSCHの割り当て方法1と実施の形態1又は2とを組み合わせる場合、PDSCHのリソース領域に対して修正を加える必要が生じる場合がある。
【0118】
リソース割り当てビットが1の場合、
図14Bに示すように、PDSCHの割り当て方法1と実施の形態1又は2とは、リソース領域に対して修正を加えることなく、組み合わせることができる。
【0119】
これに対して、リソース割り当てビットが0の場合、
図14Aと同様に、データリソース領域を領域(c)としてもよいし、
図8と同様に、DL grant及びUL grantが配置されたRBGには、データリソース領域を割り当てないことにしてもよい。
【0120】
(2)DL grantによるPDSCHの割り当て方法2
割り当て方法1と異なる点は、領域(c)がデータリソースとされないことである(
図15A参照)。
【0121】
このPDSCHの割り当て方法2と実施の形態1又は2とを組み合わせる場合、PDSCHのリソース領域に対して修正を加える必要が生じる場合がある。
【0122】
具体的には、リソース割り当てビットが1の場合、
図15Bに示すように、使用レイヤ数が1であり、且つ、使用アンテナポートと割り当て制御信号の送信に用いられるアンテナポートとが異なる場合、領域(c)を除く領域(a)及び(b)のみがデータリソース領域とされる。
【0123】
(3)DL grantによるPDSCHの割り当て方法3
DL grantによるPDSCHの割り当て方法1と異なる点は、リソース割り当てビットが1の場合、領域(c)のみがデータリソースとされることである(
図16A参照)。このPDSCHの割り当て方法3と実施の形態1又は2とを組み合わせる場合、特に修正が加えられる必要はない。すなわち、使用レイヤ数が1であり且つ使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートである場合、領域(a)、(b)及び(c)の全てがデータリソース領域とされる(
図16B参照)。
【0124】
(4)DL grantによるPDSCHの割り当て方法4
PDSCHの割り当て方法4では、領域(c)が第1スロットの領域(c−1)と、第2スロットの領域(c−2)とに分けて扱われる。
【0125】
図17は、DL grantによるPDSCHの割り当て方法4の説明に供する図である。
図17Aに示すように、リソース割り当てビットが1の場合、DL grantによって領域(b)及び(c−2)がデータリソースとして割り当てられる、リソース割り当てビットが0の場合、DL grantによるPDSCHの割り当て方法2の場合と同様の扱いとなる、
【0126】
このPDSCHの割り当て方法4と実施の形態1又は2とを組み合わせる場合、特に修正が加えられる必要はない。すなわち、使用レイヤ数が1であり且つ使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートである場合、領域(a)、(b)及び(c)の全てがデータリソース領域とされる(
図17B参照)。
【0127】
(5)DL grantによるPDSCHの割り当て方法5
PDSCHの割り当て方法5では、
図16Aに示すように、DL grantが隣接する複数のPRBに跨って配置される。従って、領域(b)は、PRB単位の複数の部分領域に分けて扱われる。そして、UL grantは、その複数の部分領域の一部にマッピングされる。すなわち、PDSCHの割り当て方法5では、DL grantのサーチスペースとUL grantのサーチスペースとが異なっている。
【0128】
図18は、DL grantによるPDSCHの割り当て方法5の説明に供する図である。リソース割り当てビットが1の場合、DL grantによってUL grantがマッピングされない領域(b−2)及び(c)がデータリソースとして割り当てられる(
図18A参照)。また、リソース割り当てビットが0の場合、領域(a)、(b)及び(c)のすべてがデータリソースから除外される。
【0129】
このPDSCHの割り当て方法5と実施の形態1又は2とを組み合わせる場合、特に修正が加えられる必要はない。すなわち、使用レイヤ数が1であり且つ使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートである場合、RBGの第1のリソース領域の全体(つまり、領域(a)、(b)及び(c)の全て)がデータリソース領域とされる(
図18B参照)。
【0130】
[3]上記各実施の形態においては、DL grantは第1スロットにマッピングされ、UL grantは第2スロットにマッピングされる。すなわち、DL grantがマッピングされるリソースと、UL grantがマッピングされるリソースとは、時間軸で分割されている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、DL grantがマッピングされるリソースと、UL grantがマッピングされるリソースとは、周波数軸(つまり、サブキャリア又はPRBペア)で分割されてもよい。
【0131】
(1)DL grantによるPDSCHの割り当て方法6
図19は、PDSCHの割り当て方法6の説明に供する図である。
図19Aに示すように、配置PRBを構成する複数のサブキャリアが2つのサブキャリアブロックに分割される。そして、その2つのサブキャリアブロックの内の1つが領域(a)に対応し、この領域(a)にDL grantがマッピングされる。また、その2つのサブキャリアブロックの内のもう1つのサブキャリアブロックが領域(b)に対応し、この領域(b)にUL grantがマッピングされる。
【0132】
このPDSCHの割り当て方法6においてリソース割り当てビットが1の場合、
図19Aに示すように、領域(c)がデータリソースとされる一方、リソース割り当てビットが0の場合、領域(c)がデータリソースとされない。
【0133】
このPDSCHの割り当て方法6と実施の形態1又は2とを組み合わせる場合、特に修正が加えられる必要はない。すなわち、使用レイヤ数が1であり且つ使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートである場合、RBGの第1のリソース領域の全体(つまり、領域(a)、(b)及び(c)の全て)がデータリソース領域とされる(
図19B参照)。
【0134】
(2)DL grantによるPDSCHの割り当て方法7
図20は、PDSCHの割り当て方法7の説明に供する図である。
図20Aに示すように、1つのPRBペア内のPDCCH領域を除く領域(a)に、DL grantがマッピングされる。そして、このDL grantによって、他の2つのPRBペア内のPDCCH領域を除く領域(b)及び(c)がデータリソースとして割り当てられる。
【0135】
このPDSCHの割り当て方法7においてリソース割り当てビットが1の場合、
図20Aに示すように、領域(b)及び(c)がデータリソースとされる一方、リソース割り当てビットが0の場合、領域(c)はデータリソースとされない。
【0136】
このPDSCHの割り当て方法7に実施の形態1又は2を組み合わせる場合、特に修正が加えられる必要はない。すなわち、使用レイヤ数が1であり且つ使用アンテナポートが基準アンテナポート以外の第2のアンテナポートである場合、RBGの第1のリソース領域の全体(つまり、領域(a)、(b)及び(c)の全て)がデータリソース領域とされる(
図20B参照)。
【0137】
[4]上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0138】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0139】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)または、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0140】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0141】
2011年4月27日出願の特願2011−099473の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。