(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に、例示的な物品支持装置1の背面/側面分解斜視図が示されている。
図2に、壁100の装着表面101に装着された、例示的な物品支持装置1の側面図が示されている(「壁」という用語は、装置1を装着することが望まれる任意の仕切り、構造、用品などを広義に包含するために使用されている)。装置1は基部10と支持本体30とを備え、基部10と支持本体30は、本明細書で更に詳細に説明するように、回転可能にかつ分離不能に互いに連結される。基部10は、(例えば、概ね平面的な)第1の主表面12を備える第1の主側面11を備え、第1の主表面12は、伸張剥離式の(両面)接着テープ20の第1の接着主表面21に取り付けられるように構成されている。基部10の第1の主表面12は、必ずしもそうでなくてもよいが、基部10の第1の主側面11の全体を占め得る。接着テープ20の第2の主接着表面22は、壁100の装着表面101に接着によって取り付けられ得る。
図2に例示的な方式で示すように、接着テープ20は、接着テープ20のプルタブ25が(例えば、接着テープ20長軸に概ね一致する方向に沿って)基部10の末端部を越えて延びるように、基部10の第1の主表面12に取り付けられることができ、その結果、プルタブ25は、接着テープ20の伸張剥離特性を賦活することが望まれるときに把持され引っ張られることができる。つまり、プルタブ25の少なくとも一部分は通常、基部10のいかなる部分とも重なり合う関係をなさない(すなわち、向かい合って近接しない)。多くの場合、基部10と接着テープ20はそれぞれ長軸を備えることができ、それらの長軸は、
図1に例示的な方式で示すように、基部10と接着テープ20が互いに取り付けられるとき、互いに概ね一致する。
【0009】
基部10は第2の主側面13を備え、第2の主側面13は、第2の主表面14を備え、支持本体30への回転可能で分離不能な連結部を備える。支持本体30は、第1の主表面33を備える第1の外向き主側面32と、第2の主表面35を備え、基部10への回転可能で分離不能な連結部を備える第2の基部向き主側面34とを備える。ここでまた本明細書の他の箇所で用いられるとき、支持本体30に関する外向きという用語は、基部10(そして、装置1が壁100の装着表面101に装着されるときは壁100)と概ね反対の方向を意味する。支持本体30の第1の主側面32は、少なくとも1つの物品支持部材31を備える。物品支持部材31は、例えば、本開示の各図に例示的な形で示すようなフックであってもよい。しかしながら、物品支持部材31は、物品を支持するように限定されるものではなく、直接的に若しくは間接的に物品を支持するために使用され得る任意の好適な部材であってもよい。部材31は、物品を直接的に支持してもよく、また様々な実施形態において、任意の物品(例えば、絵画、タオル、時計など)を懸架又は別様に支持し得る任意の好適なフック、ノブ、ハンガー、突起、ロッド、クリップ、クランプなどを含んでもよい。あるいは、物品31は、それ自体で物品を支持し得る付属品を(例えば、物品が付属品の中に置かれるか、付属品に取り付けられるなどの方式によって)支持してもよい。したがって、そのような実施形態において、物品支持部材31は、バスケット、トレー、皿、ラック、棚、ブラケット、クリップなどの付属品を支持するのに好適となり得る任意の好適な継手、連結部、クランプなどを備えてよく、その付属品が次いで、任意の所望の物品を支持してもよい。
【0010】
様々な実施形態において、物品支持部材(例えば、フック)31は、支持本体30の他の部分と(例えば、共に成形されることによって)一体に形成されてもよい。互いに同じであっても異なっていてもよい複数の物品支持部材が使用されてもよい。
【0011】
支持本体30と基部10は、互いに回転可能にかつ分離不能に連結される。分離不能に連結されるとは、支持本体30と基部10が、互いに連結されると、装置1を普通に使用する際には互いに分離されることを意図されないことを意味する。装着表面から物品支持装置を取り外す最中に互いに完全に分離されるように設計された部品を備える物品支持装置は、当然ながら、分離不能な連結部を含まない。明らかとなるように、そのような分離不能な連結部は、装置1が(例えば、工場で)生産されるときに固定され得るか、あるいは装置1を最初に装着するのに先立ってユーザーによって固定され得る。つまり、基部10と支持本体30は、非連結状態でユーザーに供給され、次いでユーザーが基部10と支持本体30とを(例えば、回転可能で分離不能な連結を形成するように互いにスナップ嵌めすることによって)互いに分離不能に連結してもよい。いくつかの実施形態において、分離不能な連結部は、支持本体30と基部10が、互いに取り付けられると、支持本体30及び/又は基部10の少なくとも一部分を損傷又は破壊せずには互いから分離され得ないように構成されてもよい。
【0012】
回転可能な連結(及び回転可能に連結される、など)は、支持本体30の全体が基部10に対して回転されることができるように、支持本体30と基部10が共通の回転軸を共有しており、その共通の回転軸が、基部10の第1の表面12に対して(そして、装置1が表面101に装着されるときに、装着表面101に対して)概ね垂直であり、そのため、基部10に対して支持本体30が回転すると、支持本体30上のあらゆる点が、基部10の表面12に対して(そして、存在すれば表面101に対して)概ね平行である平面的な円形経路を通り抜ける。回転可能な連結(及び回転可能に連結される、など)は更に、
回転に先立って、上述した回転の他のいかなる方向にも、支持体30が基部10に対して移動することが必要とされないか、あるいは
禁止されるように、支持体30と基部10が装置されることを意味する。支持本体の回転に先立って、基部に対して支持本体を回転させる方向以外の1つ以上の方向に支持本体を基部に対して移動することを許可及び/又は要求する機器の例が、例えば、シューマンに付与された米国特許第6131864号に見出すことができ、この特許の
図3a〜3dには、支持本体が回転されるのに先立って、基部に対して上向きに、次いで基部から外向きに移動される機器が示されている。そのような機器は、回転可能な連結の本定義とは符合しない。
【0013】
支持体30と基部10との間で回転可能な連結を用いることにより、装置1は、
図3〜5に例示的な方式で示すように構成され、及び使用される。
図3は、装着表面101に装着された例示的な物品支持装置1の正面図である。支持本体30と基部10(
図1又は2では視認不能)は共通の回転軸85を共有しており、回転軸85は表面101に対して概ね垂直である。
図3において、支持本体30は第1の(回転に関する)位置(基部10及び接着テープ20に対して)にあり、この第1の位置において基部10と接着テープ20は隠れている。この状況において、隠れるとは、基部10と接着テープ20が、回転軸に沿って外向きに位置する観察者には視認不能であり、つまり、支持本体30によって見えなくなることを意味する。支持本体30はしたがって、基部10と接着テープ20(そのプルタブ25を含む)を円周方向に結合(囲繞)する外周36を備えてもよい。
図3の例示的な実施形態に示すように、(例えば、物品支持部材31がフックを構成するとき)支持本体30が第1の位置にあるとき、フックの末端部が、概ね鉛直上向きに突出するように定置されることが好都合となり得る。いくつかの実施形態において、支持本体30は長軸を備えてもよく、その場合、支持本体30が第1の位置にあるとき、支持本体30の長軸が、基部10の長軸と概ね整列し、かつ/又は、鉛直上向き/下向きに整列されることが好都合となり得る。しかしながら、支持本体30が必ずしも長軸を備えなくてもよい(例えば、
図3に示すように細長いのではなく、むしろ概ね円形であってもよい)ことが理解されよう。そのような場合、支持本体30は、基部10及び接着剤20に対して第1の位置にあり、この第1の位置において基部10と接着テープ20は隠れている。装置1を普通に使用する際、支持本体30は通常、装置1を装着表面101に装着した後、物品が装置1によって支持されている間、第1の位置にあってもよい。
【0014】
装置1を装着表面101から取り外す(分離する)ことが望まれるとき、支持本体30は(例えば、ユーザーによって手動で)回転されて、第1の位置を離れて第2の位置へと向かうことができ、この第2の位置では、接着テープ20の伸張剥離特性を賦活させるために、接着テープ20のプルタブ25を把持し、引っ張ることができる。したがって、第2の位置は、プルタブ25の少なくとも一部分が隠されなくなる位置として、本明細書で定義される。好都合にも、第2の位置は、上述したプルタブ25の把持及び引っ張りを容易にするために、プルタブ25の十分な部分にアクセス可能にするものである。そのような1つの例示的な第2の位置が
図4に示されている。この例示的な第2の位置において、プルタブ25の一部分は隠されなくなる。別の例示的な第2の位置が
図5に示されており、この第2の位置において、回転は十分であり、支持本体30及び基部10のこの設計では、支持本体30が第2の位置に置かれると、プルタブ25の全体及び/又は基部10の一部分は、もはや隠されなくなる。要するに、第1の位置から第2の位置へと支持本体30が回転することにより、支持本体が第1の位置にあったときにプルタブ25と重なり合う関係にあった、支持本体30の一部分は、支持本体30が第2の位置にあるときにプルタブ25の少なくとも一部分と重なり合う関係をなさなくなり、そのため、プルタブ25はもはや隠されなくなり、把持され引っ張られ得るようになる。本明細書で説明する把持/引っ張りプロセスが可能となる限りは、任意の好適な第2の位置が利用され得ることが、当業者には理解されよう。
【0015】
いくつかの実施形態において、支持本体30は、ある長寸法(長軸沿った)とある短寸法(例えば、縦寸法に対して概ね横方向に方向付けられる)とを有する細長い形状を備えてもよい。支持本体30の長さは、基部10及び接着テープ20の縦の末端部を越えて延びるように(例えば、
図2に示すように)、十分に長くなるように選択されてもよい。幅は、支持本体30が第2の位置へ回転すると、プルタブ25の少なくとも一部分が上述のように好適に暴露されるように、十分に短くなるように選択されてもよい。他の実施形態において、支持本体30は、長寸法を備えなくてもよい(例えば、概ね円形の外周を備えてもよい)。そのような場合、支持本体30は、少なくとも1つの周辺開口部(例えば、概ね円形の周囲に割り込む切り欠き)を備えてもよく、その周辺開口部は、支持本体30が第2の位置へ回転されると、プルタブの少なくとも一部分が視認可能にかつアクセス可能になるように構成されたものである。
【0016】
前述のように、支持本体30は第2の位置へ手動で回転されてもよい。いくつかの実施形態において、支持本体30は、
図2〜5に示すように(回転軸に沿って外側から見て)時計回りの方向にも、反時計回りの方向にも回転可能であってもよい。そのような実施形態においては、第2の位置が少なくとも2つ存在してもよく、少なくとも1つは時計回りの方向にあり、少なくとも1つは反時計回りの方向にある。他の実施形態において、支持本体30は、時計回りか又は反時計回りの一方向にのみ回転可能であってもよい(時計回りの回転が
図3〜5に示されている)。そのような場合、1つ以上のしるし84(例えば、矢印)が支持本体30の第1の主側面32の第1の主表面33に設けられてもよく、そのしるし84は、位置1〜位置2への支持本体30の回転方向を示すものである。
【0017】
例えば、装置を普通に使用する際に装置の各部品が互いに分離されることが意図される物品支持装置と比較して、多数の利点及び/又は向上が、装置1を使用する結果として生じ得ることが理解されよう。例えば、装置1の使用はより簡単となり得るが、結果として支持本体と基部が互いに分離され、誤って置かれ、あるいは失われることもない。
【0018】
いくつかの実施形態において、支持本体30の第1の主側面32の第1(外向きで視認可能)の主表面33は有利にも、可視接触線を備えなくてもよい。支持本体の可視接触線は、互いに移動可能かつ/又は分離可能である支持本体30の各部分の表面が接触(会合)する結果として得られる可視線として本明細書では定義される。例示的な接触線が、例えば、米国特許第7178770号の
図1にて(本体14の可動部品30と残りとの接触として)、また同じ米国特許第7178770号の
図9aにて(本体102の可動部品116と残りとの接触として)確認することができる。明らかとなることであるが、本明細書で開示する設計など、支持本体30の全体が基部10から分離されずに基部10に対して移動(回転)され得る設計では、支持本体30の第1の主表面33は、一部のユーザーには目障りと感じられ得る可視接触線を防ぐことができる。
【0019】
基部10と支持本体30との回転可能で分離不能な連結は、任意の好適な機構によってもたらされ得る。そのような類の1つの機構が、
図1及び6の例示的な実施形態に示されている。図示の実施形態において、基部10と支持本体30は、少なくとも1組(例えば、1対)の回転可能で分離不能な相補型連結構造40を共同で構成している。相補型という用語は、相補型連結構造40を共同で構成する支持本体30の相補型連結構造41と基部10の相補型連結構造44が、回転可能で分離不能な連結をもたらすように互いに連結(例えば、嵌合)可能であることを、広義に示すために用いられている。図示の実施形態において、支持本体30の相補型連結構造41は、径方向外向きに突出し円周方向に延びる戻り(すなわち、リム又はフランジ)43を有する円筒ポスト42を備え、基部10の相補型連結構造44は、内向きに突出し円周方向に延びる戻り46を有する円筒径方向中空ポスト45を備える。径方向中空ポスト45は、少なくともポスト42の末端部分を受容するように寸法が定められてもよく、各構成要素は、戻り43と46とが相互作用して構造41と44との間に、したがって支持本体30と基部10との間に、分離不能で回転可能な連結を達成するように構成されてもよい。例示的な説明が示すところでは、支持本体30は、外向きに突出する戻りを有するポスト42を備え、この外向きに突出する戻りは、基部10の径方向中空円筒ポスト45の中に受容されるが、この状況が逆転され得ることが明らかとなろう。
【0020】
支持本体30と基部10との間の、この例示的な回転可能で分離不能な連結は、例えば、支持本体30の相補型連結構造41(例えば、ポスト42)と基部10の相補型連結構造44(例えば、ポスト45)とを互いにスナップ嵌めすることによって達成されてもよい。そのようなスナップ嵌めは、工場でなされてもユーザーによってなされてもよい。本明細書では便宜上、スナップ嵌め構造41及び44について説明しているが、基部10と支持本体30との間に回転可能で分離不能な連結をもたらす任意の好適な方法が用いられてもよいことが明らかとなろう。相補型連結構造40とその様々な構成要素の設計及び寸法は、支持本体30と基部10との間に望ましい関係(例えば、支持本体30の第2の主表面35と基部10の第2の主表面14との間の距離)を確立するように選択されてもよい。
【0021】
支持本体30と基部10との間の回転可能で分離不能な連結は、基部10に対する支持本体30の移動が、上述した回転を除くいかなる方向にも、実質的に防止されるように装置されることが明らかとなろう。つまり、そのようないかなる運動も、以下で説明する回り止め構造によって与えられる保持力に打ち勝つ過程で生じ得るような(例えば、約0.5mm以下の)小さな移動を除いて、許可されることがない。
【0022】
様々な実施形態において、支持本体30と基部10は、相補型回り止め構造50の少なくとも1つの第1の組(例えば、対)50を共同で構成しており、この相補型回り止め構造50の組は、支持本体30を第1の位置から離して第2の位置に向かって移動させるために十分な所定の回転力を加えるまで、支持本体30を基部10に対する第1の位置に維持するように(例えば、互いに物理的に干渉することによって)共同で働く相補型構造の任意の組として定義される。所定の回転力は、(例えば、装置1によって支持されるように物品を定位置に置いた直後に)過失によって回転が発生する可能性を最小限にするために十分に大きくなるように選択されてもよいが、使用される伸張剥離式の接着テープの剪断力よりも小さくなるように選択されてもよい。任意の好適な相補型回り止め構造が使用されてもよい。様々な例示的実施形態において、そのような相補型回り止め構造は、支持本体30の若しくは基部10の1つ以上の雄(突出)構造と、支持本体30の若しくは基部10の1つ以上の相補的な雌(受容/受入れ)構造とを備えてもよく、その受容構造は、突出構造の少なくとも一部分を受容するように、そして、所定の回転力が加えられるまで突出構造のこの部分を定位置に保持するように構成され、この所定の回転力はそのとき、相補型回り止め構造の保持力に打ち勝つ。保持力に打ち勝つのに必要な所定の力は、相補型回り止め構造の具体的な設計によって定められてもよい。
【0023】
回り止め構造の様々な例示的な組が
図1及び
図7〜13に示されている。
図1に、また
図8及び10に更に詳細に示すように、支持本体30は、突出回り止めポスト71の形態をなす第1の相補型回り止め構造70を備えてもよく、この突出回り止めポスト71は、支持本体30の第2の主側面34から概ね基部10に向かって突出するものであり、末端部分72を備えている。基部10は、くぼんだ空所(受口)の形態をなす(
図1では確認されないが、
図7及び9に示すように)第1の相補型回り止め構造52を備えてもよく、このくぼんだ空所は、回り止めポスト71の末端部分72の少なくとも一部分を受容するように装置されるものである。くぼんだ空所は、(
図7のくぼんだ空所53のように)概ね円形の形状を備えてもよく、あるいは(
図9に示すように)細長いノッチ54を備えてもよく、例えば、このノッチの縦軸は、支持本体30が回転されて基部10に対する第1の位置から離れるときにポスト71の末端部分72が追従する円弧状経路に対して、概ね垂直に整列される。このようにして方向付けられた細長いノッチ54を使用することにより、ポスト71の末端部分72をノッチ内に置く際の柔軟性を幾分か向上させることができるが、一方で、所定の力が加えられるまで、ポストの末端部分がポストの回転経路に沿ってノッチから追い出されることを依然として防止することができる。
【0024】
別の例示的なタイプの相補型戻り止め構造が
図11に示されている。そのような実施形態において、突出部(例えば、隆起)55の間のノッチ58の境界を画し、そのノッチ58を少なくとも部分的に画定するように表面14から離れて(例えば、概ね支持本体30に向かって)突出する突出部55が設けられ、所定の回転力が加えられるまで、そのノッチ58の中にポスト71の末端部分72が受容及び維持され得る。この設計により、有利にも、回転経路に沿ってポスト71を移動させて突出する隆起55のうちの1つを越えさせるのに十分な力が加えられると、ポスト71の末端部分72は、回転が継続されるときに基部10の表面14との接触を回避することができるようになり、それによって所望の回転を実施することが容易となり得る。突出部55は、したがって、ポスト71の末端部分72が通り過ぎる円弧状経路の途中に、ノッチ58(反対方向に)に隣接して定置されてもよい。この手法の例示的な変形例において、くぼんだ回り止め空所(例えば、概ね円形の空所)が、
図7に例示的な方式で示すような、概ね平面的な表面14からくぼんだ空所となるのではなく、表面14上に突出する概ね円形の突出部(例えば、ドーナツ形状の包囲リング)によって画定されてもよい。これにより、
図11の実施形態で達成されるのと類似した方式で、回り止めポストを回転経路に沿って移動させてこの包囲する突出リングを越えさせるのに十分な力が加えられると、ポストの末端部分は、回転が継続されるときに基部10の表面14との接触を回避できるようになる。そのようなすべての変形形態が、本明細書の開示内容に包含される。
【0025】
更に別のタイプの相補型戻り止め構造が
図12に示されている。そのような実施形態において、当たり(例えば、ポスト)56が設けられ、その当たり56は、基部10の表面14から離れて(例えば、概ね支持本体30に向かって)突出するものであり、また、少なくともポスト71の末端部分72を受容するように装置されたくぼみ(例えば、ノッチ)57を備えるものである。くぼみ57が概ね鉛直上向きに(
図12に示すように)装置されている場合、(例えば、装置1が物品を支持することによって)支持本体30に荷重が加わると、相補型回り止め構造50がより確実に互いに保持され(例えば、少なくともポスト71の末端部分がくぼみ57内により確実に保持され)、したがって支持本体30が第1の位置により確実に保持され得る。
【0026】
明らかとなることであるが、相補型回り止め構造の任意の好適な第1の組50が装置1に使用されてもよい。特に、便宜上、
図1〜11の例示的な実施形態については、概して、雄の(突出する)回り止め構造を備えた支持本体30と、雌の(くぼんだ)回り止め構造を備えた基部10に関して説明してきたが、これは所望によって逆にされてもよい。更に、単一の第1の回り止め構造のみが基部10上に示されており、単一の第1の回り止め構造のみが支持本体30上に示されているが、任意の個数の相補型回り止め構造が(例えば、対で)使用されてもよい。そのような第1の回り止め構造は、支持本体30の第1の主側面32及び基部10の第2の主側面13上の任意の好適な位置に設置されてもよい。例えば、
図1及び
図7〜13の回り止め構造は便宜上、支持本体30の回転軸の概ね鉛直上方に設置されるものとして示されているが、これらの回り止め構造は回転軸の下方に設置されてもよい。(そのような場合、支持本体30の物品支持部材31に荷重をかけることは、回り止め構造をより確実に互いに保持するのに役立ち得る)。所望により、回り止め構造は、回転軸の上方と下方の両方に設けられてもよい。支持本体30及び基部10はそれぞれ、1つ以上の雄の第1の回り止め構造と、1つ以上の雌の第1の回り止め構造とを備え得る。要するに、多数の構成及び組合わせが考えられ、本開示の範囲に含まれる。
【0027】
いくつかの実施形態において、(例えば、物品支持部材31が
図1に示す位置の概ね上下反対に定置され得るように、かつ/又は、支持本体30が回転軸85を中心として惰性で回り得るように)支持本体30が第1の位置から離れて回転することが制限され得る。他の実施形態において、支持本体30の回転は、指定された第2の位置を越えて支持本体30が回転され得ないように制限されてもよい。そのような回転の制限は、相補型回転制限構造80の任意の好適な組によって達成されてもよく、例えば、ここで、基部10の少なくとも1つの構造82が、支持本体30の少なくとも1つの構造81と物理的に干渉してそのような回転を制限する。基部10のそのような回転制限構造82は、例えば、
図1の例示的な挿絵に示すような突出構造であってもよい。支持本体30のそのような回転制限構造81は、例えば、支持本体30がフランジ37を有する外周36を備える場合、位置81にてフランジ37の一部分によって設けられてもよく、その一部分は、支持本体30が第1の位置に達したときに基部10の突出構造82と接触し、支持本体30が基部10に対して更に回転することを防止する。
【0028】
そのような相補型回転制限構造は、第2の位置を越えた支持本体30の更なる回転を防止するが、必ずしも支持本体30を第2の位置に維持しなくてもよい(例えば、逆向きに第1の位置に向かう支持本体30の回転を防止する)。いくつかの事例において、支持本体30のそのような逆向きの回転を所望の時点まで防止することが望まれ得るが、この場合、支持本体30及び基部10の相補型回転制限構造80は、第2の回り止め構造の組の形態を取ることができ、その第2の回り止め構造は、第2の位置を離れて再び第1の位置へと支持本体30を回転に関して押しやるために、第2の所定の力が加えられるまで、支持本体30を第2の位置に維持するように働く。(本明細書で用いられるとき、第1の回り止め構造という用語は、支持本体30を第1の位置に維持するように働く回り止め構造を指し、第2の回り止め構造という用語は、支持本体30を第2の位置に維持するように働く回り止め構造を指す)。明らかとなることであるが、支持本体30を第2の位置から第1の位置に向けて移動させるのに必要な第2の所定の力は、支持本体30を第1の位置から第2の位置に向けて移動させるのに必要な上記の所定の力とは異なっていてもよく、例えば、それよりも小さくてもよい。この第1及び第2の所定の力は、相補型回り止め構造の第1及び第2の組の設計によって定められ得る。
【0029】
第1の回り止め構造と同様に有用であると既に述べたものを含めて、基部10の及び支持本体30の任意の好適な第2の回り止め構造が使用されてもよい。
図1に示す特定の例示的な実施形態において、支持本体30の外周フランジ37の適切な位置にノッチ81が設けられ得るが、このノッチ81は、支持本体30が第2の位置へ回転すると、第2の所定の力が加えられるまで、基部10の突出構造82の少なくとも一部分を受容及び保持するように装置されたものである。
【0030】
明らかとなることであるが、任意の個数の任意のタイプの回転制限構造(第2の回り止め構造であってもよい)が基部10及び支持本体30に設けられてもよい。様々な実施形態において、第1の位置から離れる支持本体30の回転は、時計回り若しくは反時計回りに約90度、時計回り若しくは反時計回りに約70度、時計回り若しくは反時計回りに約50度、又は、時計回り若しくは反時計回りに約30度に制限されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、1つ以上の力伝達構造90を設けることが望まれ得るが、その力伝達構造90は、支持本体30と基部10との間で少なくとも幾分かの力(例えば、支持本体30が、物品を支持するときなどに受ける)を伝達し得るものであってもよい。そのような力伝達構造は、さもなければ支持本体30の回転可能で分離不能な連結構造41から基部10の回転可能で分離不能な連結構造44へと伝達され得る力を低減することができる。つまり、力伝達構造90は、支持本体30が第1の位置にあり、荷重を受けているときに、支持本体30と基部10との間の回転可能で分離不能な連結部にかかる荷重を低減することができる。任意の好適な力伝達構造が使用されてもよい。
図1の例示的な実施形態において、支持本体30は力伝達部材(例えば、リブ)91を備え、この力伝達部材91は、支持本体30が位置1にあるとき、基部10の同様の形状をなす部材(例えば、リブ)92に当接し得るものである。支持基部30の部材91及び基部10の部材92は、部材91が部材92の鉛直上方に近接して(例えば、1mm、0.5mm、又は0.2mm以内に)存在するように構成され得るが、そのため、支持本体30が荷重下に置かれると、部材91は部材92に力を伝達するように部材92と接触する(すなわち、部材91の下部表面が部材92の上部表面と接触する)。部材91及び92は円弧状であってもよく、また互いに形状が概ね合同であってもよく(
図1に示すように)、そのため、部材91及び92は、鉛直方向に互いに緊密に当接し得るが、本明細書で説明する回転を容易に実施することもできる。所望により、部材91及び92の円弧状末端部93の、隣接する逆向きの表面は、支持本体30が第2の位置から再び第1の位置へと回転されると、個々の部材の末端部93が互いに物理的に干渉することなく、元の緊密に当接する関係へと部材91及び92が容易に旋回するように面取りされるかあるいは別様に付形されてもよい。支持本体30の部材91の、付形された(例えば、面取りされた)例示的な円弧状末端部93が
図1にて確認できる。
【0032】
明らかとなることであるが、任意の好適な設計の、任意の好適な力伝達構造が使用されてもよい。例えば、支持本体30か又は基部10のいずれかが、円弧状の突出部材(例えば、リブ)を受容するように装置された円弧状のくぼんだスロット、つまり、円弧状の2つの突出するリブの間にある円弧状のスロットなどを備えて、同様の効果を得てもよい。任意の個数のそのような力伝達構造が使用されてもよい。同様に明らかとなることであるが、上述の相補型回り止め機構はまた、少なくとも力伝達構造として働いてもよい。
【0033】
明らかとなることであるが、本明細書で述べる回転が実施されるためには、支持本体30のいかなる部分(特に、存在する場合は外周36とそのフランジ37)も、回転が達成されるのを妨げるような方式で、基部10の又は接着テープ20のいかなる部分とも容認できない形で接触するべきではない。したがって、少なくとも支持本体30が第2の位置にあるとき、支持本体30が、基部10から、接着テープ20から、かつ/又は表面101から外向きに片寄るようにすることができる。そのような外向きの片寄りは、便宜上、(
図1及び2に示すように)仮想平面38の位置に関連して説明され得るが、この仮想平面38は、少なくとも、直近の表面101である、外周36の共平面の主要部分(例えば、直近の表面101である、外周フランジ37の末端部分)によって確立されるものである。いくつかの実施形態において、支持本体30は、装置1が装着表面101に装着されるとき、少なくとも支持本体30が第2の位置にある場合は、基部10と接着テープ20とを組み合わせた厚さよりも長い距離を置いて(そのような外向きの片寄りが
図2の例示的な実施形態に示されている)仮想平面38が表面101から外向きに(表面101に対して概ね垂直な方向に)離間するように外向きに片寄っている。
【0034】
いくつかの実施形態において、外向きの片寄りは一定であってもよく、つまり、基部10に対する支持本体30の回転位置(許容される回転の弧の周りにある)で変化することはない。そのような実施形態において、支持本体30の外向きの片寄りは、支持本体30が第1の位置にあるか第2の位置にあるかにかかわらず、実質的に同じである。他の実施形態において、外向きの片寄りは、支持体30が第1の位置から第2の位置に向かって回転されるときに片寄りが増加するように構成された装置1では可変であってもよく、例えば、そのため、支持本体30が第2の位置にあるとき、片寄りは、基部10と接着テープ20とを組み合わせた厚さよりも長い距離となる。これは、例えば、螺旋ねじ山を設けられた連結部を備えるように、回転可能で分離不能な連結構造40を構成することによって達成されてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、支持本体30の、例えば、支持本体30の外周36のいかなる部分も(例えば、支持本体30の回転位置にかかわらず)、支持本体30の第2の主側面34から表面101に向かって、支持本体30の仮想平面38を越えて延びることがない。他の実施形態において、1つ以上の力伝送構造39を設けることが望まれ得るが、その力伝送構造39は、少なくとも装置1が荷重下にあるときに、支持本体30から壁100の表面101に少なくとも幾分かの力を伝送するように、仮想平面38を越えて延び得るものである。(便宜上、支持本体30と壁100との間で力(荷重)を中継する構造は本明細書において力伝送構造と呼ばれ、支持本体30と基部10との間で力(荷重)を中継する構造は本明細書において力伝達構造と呼ばれる)。少なくとも1つのそのような力伝送構造を支持本体30の鉛直下向き(最下方)の端部に近接して設けることが、特に有利となり得る。そのような力伝送構造39は、例えば、
図1及び2に例示的な方式で示すように、外周フランジ37の小部分を構成してもよい。そのような構造39は、少なくとも支持本体30が第1の位置にあるとき、構造39の末端部が壁100の表面101に近接する(例えば、表面101から約0.5mm未満となる)ように、支持本体30から壁100に向かって延びてもよい。これにより、支持本体30が荷重下に置かれるとき、支持本体30がわずかにでも撓むと、結果として、構造39の末端部が表面101と接触し、したがって少なくとも幾分かの力を壁100に伝送することになり得る。1つ以上のそのような力伝送構造を設けることにより、装置1が荷重下にあるときに、回転可能で分離不能な連結部によって伝えられるモーメント荷重を、少なくともわずかには低減することができる。そのような力伝送構造39が設けられる場合、力伝送構造39は、第1の位置と第2の位置との間で支持本体30が回転する間に、力伝送構造39が基部10又は接着テープ20と接触することがないように、配置及び構成されてもよい。例えば、構造39は
図1及び2に示すように設けられてもよく、その結果、構造39は、基部10の末端部及び接着テープ20のプルタブ25の末端部を越えて(支持本体30の回転軸を基準として)径方向外向きに定置され、その結果、構造39は、支持本体30が第1の位置に、第2の位置に、そしてそれらの間のいかなる点にある間も、接着テープ20又は基部10のいかなる部分とも重なり合う関係をなさない。
【0036】
当業者には明らかとなることであるが、本明細書で開示する機能性が与えられる限り、上記の構造的特徴に対する多数の変形形態が考えられる。例えば、
図13においては、既に議論したものとは幾分か異なる少なくともいくつかの特徴を備えた例示的な支持本体30が示されている。例えば、支持本体30は、支持本体30の第2の主側面34が開口する(すなわち
図1に示すタイプである)部分的に中空の構造ではなく、その代わりに、
図13に示す一般的なタイプであってもよく、このタイプでは、支持本体30は中実であってもよく、あるいは少なくとも、概ね平面的な第2の主表面35を備えてもよく、この第2の主表面35は、支持本体30の外周36によって画定される上述の仮想平面38と実質的に一致するものである。更なる例において、支持本体30は、基部10の雄の相補型連結構造44と嵌合されるように構成された雌の相補型連結構造41(例えば、内向きに突出し円周方向に延びる戻りを備えた空所)を備えてもよい。更なる例において、支持本体30は、基部10の雄の(突出する)第1の相補型回り止め構造の少なくとも末端部分を受容するように構成された、雌の(くぼんだ)第1の相補型回り止め構造70を備えてもよい。支持本体30の第2の主表面35の少なくとも一部分が(例えば、
図13に示すように)仮想平面38と実質的に一致する場合、円弧状のチャネル73を設けることが好都合となり得るが、この円弧状のチャネル73は、回り止め構造が雌の第1の相補型回り止め構造70から回転されるときに、基部10の突出する第1の相補型回り止め構造の末端部分のための経路を設け得るものである。
【0037】
特定の機能を与えるために、所望により、他の構造的な特徴が含められてもよい。例えば、支持本体30及び/又は基部10は、1つ以上の補強(支持)リブを備えてもよく、そのリブは、支持本体及び/又は基部の撓み又は変形に対する強度及び/又は耐性を高めるものである。そのようなリブの長軸は、例えば、概ね鉛直に整列されてもよく、かつ/又は、支持本体若しくは基部の長軸と概ね整列されてもよい。そのようなリブは、
図13に示す一般的なタイプの概ね中実の支持本体とは対照的に、
図1に示す一般的なタイプの支持本体30(少なくとも部分的に中空で開口した構造を持つ)の場合に特に有用となり得る。そのようなリブ又は他の任意の好適なタイプの補強構造が、本明細書で開示する様々な構造的機構(例えば、回転可能で分離不能な連結構造、相補型回り止め構造、回転制限構造、力伝達構造、及び/又は力伝送構造)のいずれかを補助するものとして設けられてもよい(例えば、それらに物理的に接触し、それらと一体に成形される)。
【0038】
いくつかの実施形態において、支持本体30は、一体成形の本体を備えてもよいが(例えば、射出成形可能な有機高分子材料から形成される)、その一体成形の本体は、支持本体30と一体に成形されないいかなる他の構成要素も含まないか、それを取り付けられないものである(本明細書で説明した回転可能で分離不能な、基部10への連結を除く)。いくつかの特定の実施形態において、物品支持装置1は、いかなる種類のバネ構造又は機構も備えない。(例えば、回転可能で分離不能な相補型連結構造40の)様々な構成要素が互いに触れながらも互いに対して移動される能力を高めるために、支持本体30及び/又は基部10は好都合にも、摩擦係数の比較的低い材料から成形されてもよい。
【0039】
前述のように、支持本体30と基部10は、工場にて互いに事前に取り付けられてもよく、あるいはユーザーに出荷されて互いに取り付けられてもよい。同様に、接着テープ20は、基部10に事前に貼り付けられてもよく(すなわち、接着テープ20の第1の表面21が基部10の第1の側面11の第1の表面12に接着剤で貼り付けられる)、あるいは、接着テープ20は別に供給されてもよい。1枚の接着テープ20が基部10に事前に貼り付けられる場合でも、装置1は壁表面に装着され、取り外され、再び装着され得る(すなわち、新しい接着テープ20が用いられる)ので、更なる枚数の接着テープ20が提供されることが好都合となり得る。
【0040】
装置1を使用する際、接着テープ20の第1の表面21が基部10の第1の表面12に貼り付けられてもよく、(例えば、支持本体30が第1の位置にある状態で)接着テープ20の第2の表面22が壁100の表面101の所望の位置に貼り付けられてもよい。好都合にも、装置1は、(支持本体30が第1の位置にある状態で)支持本体30の縦軸と基部10の縦軸が鉛直に一直線に整列するように方向付けられ得る。装置1は、望まれる限り、この位置及び構成に維持されてもよく、この間に1つ以上の物品が装置1によって支持される。装置1を壁100から取り外すことが望まれるとき、ユーザーは、第1の相補型回り止め構造同士が互いに物理的に干渉することによって得られる保持力に打ち勝つように、十分な回転力を支持本体30に加え、それによって支持本体30を第1の位置から第2の位置へと回転させることができる。前述のように、回転に先立って、回転以外のいかなる方向に支持本体30を移動させることも要求されない。つまり、相補型回り止め構造の保持力に打ち勝つように十分な回転力を加えることが、回転を開始するために要求される唯一の行為である。次いでユーザーが、好適な第2の位置で回転を手動で停止してもよく、あるいは、上述の回転制限構造が、第2の位置にて回転を停止するように働いてもよい。ユーザーが支持本体30を第2の位置に維持してもよく、あるいは、回転制限構造が第2の相補型回り止め構造の形態で設けられる場合、支持本体30が依然として、ユーザーに保持されずに第2の位置にあってもよい。支持本体30が第2の位置にある状態で、接着テープ20の伸張剥離特性を賦活させるために、接着テープ20のプルタブ25が把持され引っ張られてもよい。装置1を装着表面101に再び装着することが望まれる場合、支持本体30が第1の位置に戻され(第2の相補型回り止め構造が存在する場合は、その第2の相補型回り止め構造によって与えられる保持力に打ち勝つように力が加えられた状態で)、新たな1枚の接着テープ20が基部10の第1の表面に貼り付けられ、前述のように装置1が装着表面101に装着されてもよい。
【0041】
接着テープ20は、反対方向に向いた第1の主表面21と第2の主表面22の上に感圧性接着剤の機能性を備えた、任意の好適な伸張剥離式のテープを備え得る。第1の主表面21が基部10の第1の表面12に接着され得るように、第2の主表面22が壁100の好適な表面101に接着され得るように、そして、接着テープの伸張剥離特性を賦活することによって、接着テープが接着剤で接合されている表面から接着表面の一方又は両方が取り外され得るように、接着テープ20は構成されている。接着テープ20は、シート、テープ、ロール品などの形態で入手可能となり得る任意の好適な伸張剥離式(両面)の接着剤を含むことができ、それらから、基部10の第1の表面12との接触及び接合に好適な個々の1枚が取得され得る。好適な伸張剥離式の接着テープは、弾性の基材、又は高度に延伸性があり実質的に非弾性の基材を、それらの上に感圧性接着剤を配設して(例えば、塗布して)備え得る。あるいは、テープは、固体で弾性の感圧性接着剤から形成され得る。したがって、この状況において、「テープ」という用語は、単一、一体、又は中実構造の接着剤を含む製品を(接着剤が上に存在する別の層を有する基材を備えた製品に加えて)包含する。好適で例示的な伸張剥離式のテープが、例えば、コープマン(Kopman)への米国特許第4,024,312号、及びクレッケル(Kreckel)らへの米国特許第5,516,581号、及びブリエス(Bries)らへの国際出願WO 95/06691号に記載されている。そのような伸張剥離式の接着剤は、例えば、厚さ約0.2mm〜厚さ約2mmに及び得る。特に、そのような伸張剥離式の接着剤は多くの場合、厚さが約1mmである。接着テープ20はプルタブ25(例えば、接着表面を含まないテープの端部)を備えてもよく、このプルタブ25は、接着剤の伸張剥離特性を賦活するために、ユーザーによって把持され、引っ張られ得るものである。
【0042】
例示的な実施形態のリスト
実施形態1.伸張剥離式の接着テープを使用して装着表面の上に装着されることが可能である物品支持装置であって、第1及び第2の主側面を備える基部であって、第1の主側面は、伸張剥離式の接着テープに貼り付けられるように構成された第1の主表面を備える基部と、第1及び第2の主側面を備える支持本体であって、基部の第2の主側面に回転可能にかつ分離不能に連結される支持本体とを備え、支持本体は、基部と伸張剥離式の接着テープが隠される第1の位置と、伸張剥離式の接着テープのプルタブの少なくとも一部分が視認可能となる少なくとも1つの第2の位置との間で、基部に対して回転可能である物品支持装置。
【0043】
実施形態2.支持本体は、物品支持部材を備える第1の主側面と、基部の第2の主側面への回転可能で分離不能な連結部を備える第2の主側面とを備える、実施形態1の装置。
【0044】
実施形態3.装置が装着表面の上に装着されるとき、また少なくとも支持本体が第2の位置にあるとき、支持本体は、基部と接着テープとを組み合わせた厚さを超える距離だけ、装着表面から外向きに片寄っている、実施形態1又は2のいずれかの装置。
【0045】
実施形態4.物品支持部材は外向きに突出するフックを備える、実施形態2又は3のいずれかの装置。
【0046】
実施形態5.支持本体の第1の主側面はいかなる可視接触線も含まない、実施形態2〜4のいずれかの装置。
【0047】
実施形態6.支持本体は、支持本体が第1の位置にあるときに円周方向に基部の周囲を囲む外周を備える、実施形態1〜5のいずれかの装置。
【0048】
実施形態7.支持本体は長軸を有し、基部は長軸を有し、支持本体が第1の位置にあるときに支持本体の長軸は基部の長軸と整列する、実施形態1〜6のいずれかの装置。
【0049】
実施形態8.支持本体は支持本体の少なくとも1つの第1の相補型回り止め構造を備え、基部は基部の少なくとも1つの第1の相補型回り止め構造を備え、それらの第1の相補型回り止め構造は、支持本体が基部に対して第1の位置に維持されるように結合し、更に、第1の位置から第2の位置に向かう方向に所定の大きさの回転力を支持本体に加えると、支持本体が第1の位置から第2の位置に向かって回転されるように結合する、実施形態1〜7のいずれかの装置。
【0050】
実施形態9.第1の相補型回り止め構造は、基部の第2の主側面又は支持本体の第2の主側面から突出する少なくとも1つの突出部材と、基部の第2の主側面又は支持本体の第2の主側面内の少なくとも1つの受口とを共同で備え、その受口は、支持本体が第1に位置にあるときに突出部材の少なくとも末端部分を受容するように構成されている、実施形態8の装置。
【0051】
実施形態10.第1の位置から第2の位置に向かって支持本体が回転すると突出部材の末端部分が円弧状経路を通り抜けるように構成されており、少なくとも1つの受口は、第1の方向における突出部材の末端部分の円弧状経路の途中にある、受口に隣接する少なくとも1つの第1の突出部と、第1の方向とは概ね反対の第2の方向における突出部材の末端部分の円弧状経路の途中にある、受口に隣接する少なくとも1つの第2の突出部とによって境界を画され、かつそれらによって少なくとも部分的に画定される、実施形態9の装置。
【0052】
実施形態11.支持本体が第1の位置から時計回り及び反時計回りの方向に回転可能となるように構成されている、実施形態1〜10のいずれかの装置。
【0053】
実施形態12.第2の位置は、第1の位置から時計回り又は反時計回りに約30度〜約80度離れた回転角度に位置する、実施形態11の装置。
【0054】
実施形態13.支持本体は、一方向にのみ基部に対して回転可能であり、支持本体の第1の主側面の第1の主表面は、第1の位置から第2の位置への回転方向を示す少なくとも1つの視認可能な印を備える、実施形態1〜10のいずれかの装置。
【0055】
実施形態14.基部の第2の主側面と支持本体の第2の主側面はそれぞれ、少なくとも1つの相補型回転制限構造を備え、支持本体の回転制限構造は、支持本体が第2の位置を越えて回転され得ないように、基部の回転制限構造と相互作用して基部に対する支持本体の回転を物理的に制限する、実施形態1〜13のいずれかの装置。
【0056】
実施形態15.支持本体及び基部の回転制限構造はそれぞれ、支持本体の第2の相補型回り止め構造及び基部の相補型回り止め構造を備え、それらの第2の相補型回り止め構造は、支持本体が第2の位置に維持されるように結合し、更に、第1の位置に向かう方向に所定の大きさの回転力を支持本体に加えると、支持本体が第2の位置から第1の位置に向かって回転されるように結合する、実施形態14の装置。
【0057】
実施形態16.支持本体及び基部はそれぞれ、射出成形可能な有機高分子材料からなる成形された本体を備え、支持本体と基部は、支持本体と基部との間の回転可能で分離不能な連結部として働くスナップ嵌め式の連結部によって互いに連結される、実施形態1〜15のいずれかの装置。
【0058】
実施形態17.伸張剥離式の接着テープを更に備え、その伸張剥離式の接着テープは、基部の第1の主側面の第1の主表面に接着剤で接合される部分を備え、更に、基部の第1の主側面の第1の表面とは重なり合う関係をなさず、またその第1の表面に接着剤で接合されないプルタブを備える、実施形態1〜16のいずれかの装置。
【0059】
実施形態18.支持本体は、支持本体の少なくとも1つの力伝達構造を備え、その力伝達構造は概ね円弧状の形状をなし、基部は、基部の少なくとも1つの力伝達構造を備え、その力伝達構造は概ね円弧状の形状をなし、支持本体の力伝達構造の形状と概ね合同であり、それらの力伝達構造は、支持本体が第1の位置にありかつ装置が荷重下にあるとき、支持本体の力伝達構造の少なくとも一部分が、基部の力伝達構造の少なくとも一部分と接触するように構成されている、実施形態1〜17のいずれかの装置。
【0060】
実施形態19.支持本体は少なくとも1つの力伝送構造を備え、その力伝送構造は、支持本体が第1の位置にあるいは第2の位置にあるときには基部又は接着テープのいかなる部分とも重なり合う関係をなさないものであり、また、支持本体が第1の位置にあり、かつ装置が荷重下にあるとき、支持本体の力伝送構造の少なくとも末端部分が、装着表面の少なくとも一部分と接触するものである、実施形態1〜18のいずれかの装置。
【0061】
実施形態20.装着表面から物品支持装置を取り外す方法であって、物品支持装置は支持本体を備え、その方法は、支持本体が回転可能にかつ分離不能に連結されている基部に対して、第1の位置から第2の位置へと支持本体の全体を手動で回転させることであって、支持本体が第2の位置へと回転されるとき、装着表面に基部を接合しており、支持本体が第1の位置にあるときには支持本体によって隠される伸張剥離式の接着テープのプルタブの少なくとも把持可能な部分が、それによって露出されることと、支持本体が第2の位置にある間、伸張剥離式の接着剤を伸張させ、少なくとも装着表面から剥離させるために、プルタブを把持し、引っ張ることであって、それによって装着表面から物品支持装置を取り外すこと、とを含む、方法。
【0062】
実施形態21.支持本体を第1の位置から第2の位置へと回転させることにより、支持本体の全体が、基部から、そして装着表面から外向きに、装着表面に対して概ね垂直な方向に移動する、実施形態20の方法。
【0063】
実施形態22.支持本体が第1の位置にあるとき、支持本体の第2の主側面の一部分が、接着テープのプルタブと重なり合う関係をなし、基部のいかなる部分とも重なり合う関係をなさず、支持本体を第2の位置へと回転させると、支持本体のうちの、それまでプルタブと重なり合う関係をなしていた部分が、プルタブと重なり合う関係をなさなくなり、プルタブが視認可能となる、実施形態20又は21のいずれかの方法。
【0064】
実施形態23.支持本体は外周を備え、その外周のいかなる部分も、支持本体が第1の位置から第2の位置へと回転する間、基部のいかなる部分とも接触しない、実施形態20〜22のいずれかの方法。
【0065】
実施形態24.実施形態1〜19のいずれかを備える物品支持装置を使用する、実施形態20〜23のいずれかの方法。
【0066】
当業者には明らかとなることであるが、本明細書で開示する特定の例示的な構造、機構、細部、構成などは、多数の実施形態において修正されかつ/又は組み合わされ得る。そのようなすべての変形形態及び組合わせが、考案された本発明の範囲内に含まれるものとして本発明者らによって企図されている。したがって、本発明の範疇は、本明細書において述べられた特定の例示的な構造に限定されるべきではなく、むしろ少なくとも、特許請求の範囲の文言によって述べられた構造及びそれらの構造の等価物にまで拡張されるべきである。本明細書と参照によって本明細書に組み込まれる任意の文書との間に矛盾又は不一致が存在する限りにおいて、本明細書が優先される。