特許第5951326号(P5951326)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東罐興業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5951326-断熱容器の製造装置及び製造方法 図000002
  • 特許5951326-断熱容器の製造装置及び製造方法 図000003
  • 特許5951326-断熱容器の製造装置及び製造方法 図000004
  • 特許5951326-断熱容器の製造装置及び製造方法 図000005
  • 特許5951326-断熱容器の製造装置及び製造方法 図000006
  • 特許5951326-断熱容器の製造装置及び製造方法 図000007
  • 特許5951326-断熱容器の製造装置及び製造方法 図000008
  • 特許5951326-断熱容器の製造装置及び製造方法 図000009
  • 特許5951326-断熱容器の製造装置及び製造方法 図000010
  • 特許5951326-断熱容器の製造装置及び製造方法 図000011
  • 特許5951326-断熱容器の製造装置及び製造方法 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5951326
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】断熱容器の製造装置及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   B31B 49/00 20060101AFI20160630BHJP
【FI】
   B31B49/00 F
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-86644(P2012-86644)
(22)【出願日】2012年4月5日
(65)【公開番号】特開2013-215927(P2013-215927A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2014年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000223193
【氏名又は名称】東罐興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(74)【代理人】
【識別番号】100097250
【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 久子
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 恒昭
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃明
(72)【発明者】
【氏名】嘉代 英一
(72)【発明者】
【氏名】稲田 耕一郎
【審査官】 長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−071790(JP,A)
【文献】 実開平04−067032(JP,U)
【文献】 実開昭52−125533(JP,U)
【文献】 実開昭59−087418(JP,U)
【文献】 特開平09−058655(JP,A)
【文献】 特表2002−515382(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/009615(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドシームを有する筒状の容器本体と、サイドシームを有し且つ容器本体の外周側に配置されるスリーブと、からなる断熱容器の製造装置において、
容器本体のサイドシームを検出し、検出した容器本体のサイドシームの角度位置を位置決めするとともに、スリーブのサイドシームの角度位置を位置決めするサイドシーム位置決め部と、
サイドシームの角度位置の位置決めを維持した状態で、容器本体の外周側にスリーブを被せて両者を合体させる合体部と、
前記サイドシーム位置決め部によって位置決めされたサイドシームの角度位置を維持しつつ前記合体部へとスリーブを移動させる位置決め維持部と、を備え、
前記サイドシーム位置決め部は、前記合体部による合体時にサイドシームが所定の角度位置範囲になるように位置決めを行っており、合体時に、容器本体のサイドシームとスリーブのサイドシームとのそれぞれの角度位置が一致しないようにし、
前記位置決め維持部は、容器本体を保持する保持体に設けられた接触リングと、接触リングが接触可能となった搬送面とを備え、接触リングと搬送面との接触により保持体を転動させて、容器本体を既知の角度、回転させながら合体部へと移動させることを特徴とする断熱容器の製造装置。
【請求項2】
前記サイドシーム位置決め部は、前記合体部による合体時に、断熱容器の中心軸を中心に、容器本体のサイドシームの角度位置とスリーブのサイドシームの角度位置とが、90度〜270度ずれるように、検出されたサイドシームを位置決めすることを特徴とする請求項1記載の断熱容器の製造装置。
【請求項3】
前記サイドシーム位置決め部は、前記合体部による合体時に、断熱容器の中心軸を中心に、容器本体のサイドシームの角度位置とスリーブのサイドシームの角度位置とが、90度〜150度、又は210度〜270度ずれるように、検出されたサイドシームを位置決めすることを特徴とする請求項2記載の断熱容器の製造装置。
【請求項4】
前記サイドシーム位置決め部は、容器本体のサイドシームを検出する検出手段と、容器本体を回転させる駆動手段と、検出手段による検出信号に基づき、サイドシームが所定の角度位置になるように駆動手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の断熱容器の製造装置。
【請求項5】
サイドシームを有する筒状の容器本体と、サイドシームを有し且つ容器本体の外周側に配置されるスリーブと、からなる断熱容器の製造方法において、
容器本体のサイドシームを検出し、
検出した容器本体のサイドシームの角度位置を位置決めするとともに、スリーブのサイドシームの角度位置を位置決めし
前記検出し位置決めしたサイドシームの位置決めを維持した状態で所定の合体位置にスリーブを移動させるとともに容器本体を合体位置に移動させ、
容器本体の外周側にスリーブを被せて両者を合体し、
前記位置決めは、合体時にサイドシームが所定の角度位置範囲になるように位置決めを行っており、これによって合体時に容器本体のサイドシームとスリーブのサイドシームとのそれぞれの角度位置が一致しないようにし、
前記容器本体の移動は、容器本体を保持する保持体に設けられた接触リングと接触リングが接触可能となった搬送面との接触により保持体を転動させて、容器本体を既知の角度、回転させて合体位置へと容器本体を移動させることを特徴とする断熱容器の製造方法。
【請求項6】
合体時に、断熱容器の中心軸を中心に、容器本体のサイドシームの角度位置とスリーブのサイドシームの角度位置とが、90度〜270度ずれるように、検出されたサイドシームを位置決めする請求項記載の断熱容器の製造方法。
【請求項7】
合体時に、断熱容器の中心軸を中心に、容器本体のサイドシームの角度位置とスリーブのサイドシームの角度位置とが、90度〜150度、又は210度〜270度ずれるように、検出されたサイドシームを位置決めする請求項記載の断熱容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドシームを有する筒状の容器本体と、サイドシームを有し且つ容器本体の外周側に配置されるスリーブと、からなる断熱容器の製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱湯などを注いで調理するのに使用されたり、電子レンジに投入されて電磁波で食材を加熱して調理するのに適した断熱容器として、特許文献1に記載されたように、容器本体と、容器本体の外周に取付けられたスリーブとからなる断熱容器が知られている。
【0003】
そして、このような断熱容器の製造装置としては、特許文献2に記載されたものが知られている。この製造装置では、板状のブランクを筒状に巻き付けその両端を重ね合せて接着してサイドシームを形成して、スリーブを成形すると共にスリーブの端部にカールを形成するスリーブ成形部と、容器本体の外周にスリーブを組み合わせる組み合わせ部とを、具備しており、組み合わせ部には、容器本体の胴部に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、接着剤が塗布された容器本体の外周にスリーブ成形部で成形されたスリーブを被せるスリーブ受け渡し装置と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3291262号
【特許文献2】特許第3274412号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような断熱容器においては、容器本体及びスリーブのそれぞれがサイドシームを有しているために、容器本体とスリーブとを組み合わせる際に、それらのサイドシーム同士の周方向位置が一致して互いにサイドシーム同士が重なり合う場合がある。サイドシームは、サイドシーム以外の部分に比較して、肉厚が厚くなっているために、互いに干渉する虞があり、スリーブに形成されたカールが潰れたり、又は捲れたりすることがある、という問題がある。
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みなされたものであり、容器本体のサイドシームと、容器本体の外周側に配置されるスリーブのサイドシームとの相対角度位置が適切になるように位置決めされた断熱容器の製造装置及び製造方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、発明は、サイドシームを有する筒状の容器本体と、サイドシームを有し且つ容器本体の外周側に配置されるスリーブと、からなる断熱容器の製造装置において、
容器本体のサイドシームを検出し、検出した容器本体のサイドシームの角度位置を位置決めするとともに、スリーブのサイドシームの角度位置を位置決めするサイドシーム位置決め部と、
スリーブのサイドシームの角度位置の位置決めを維持した状態で、容器本体の外周側にスリーブを被せて両者を合体させる合体部と、を備え、
前記サイドシーム位置決め部は、前記合体部による合体時にサイドシームが所定の角度位置範囲になるように位置決めを行っており、合体時に、容器本体のサイドシームとスリーブのサイドシームとのそれぞれの角度位置が一致しないようにすることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記サイドシーム位置決め部、前記合体部による合体時に、断熱容器の中心軸を中心に、容器本体のサイドシームの角度位置とスリーブのサイドシームの角度位置とが、90度〜270度ずれるように、検出されたサイドシームを位置決めすることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記サイドシーム位置決め部、前記合体部による合体時に、断熱容器の中心軸を中心に、容器本体のサイドシームの角度位置とスリーブのサイドシームの角度位置とが、90度〜150度、又は210度〜270度ずれるように、検出されたサイドシームを位置決めすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記サイドシーム位置決め部によって位置決めされたサイドシームの角度位置を維持しつつ合体部へとスリーブを移動させる位置決め維持部をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記位置決め維持部、前記サイドシーム位置決め部から、容器本体を既知の角度、回転させながら合体部へと移動させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記位置決め維持部、容器本体を保持する保持体に設けられた接触リングと、接触リングが接触可能となった搬送面とを備え、接触リングと搬送面との接触により保持体を転動させて、容器本体を既知の角度、回転させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記サイドシーム位置決め部、容器本体のサイドシームを検出する検出手段と、容器本体を回転させる駆動手段と、検出手段による検出信号に基づき、サイドシームが所定の角度位置になるように駆動手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、サイドシームを有する筒状の容器本体と、サイドシームを有し且つ容器本体の外周側に配置されるスリーブと、からなる断熱容器の製造方法において、
容器本体のサイドシームを検出し、
検出したサイドシームの角度位置を位置決めするとともに、スリーブのサイドシームの角度位置を位置決めし
前記検出し位置決めしたスリーブのサイドシームの位置決めを維持した状態で、容器本体の外周側にスリーブを被せて両者を合体し、
前記位置決めは、合体時にサイドシームが所定の角度位置範囲になるように位置決めを行っており、これによって合体時に容器本体のサイドシームとスリーブのサイドシームとのそれぞれの角度位置が一致しないようにすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、合体時に、断熱容器の中心軸を中心に、容器本体のサイドシームの角度位置とスリーブのサイドシームの角度位置とが、90度〜270度ずれるように、検出されたサイドシームを位置決めする。
【0016】
また、本発明は、合体時に、断熱容器の中心軸を中心に、容器本体のサイドシームの角度位置とスリーブのサイドシームの角度位置とが、90度〜150度、又は210度〜270度ずれるように、検出されたサイドシームを位置決めする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、容器本体のサイドシームと、この容器本体の外周側に配置されるスリーブのサイドシームとの相対角度位置が、合体時にサイドシーム同士が重ならない所定の範囲内になるように、容器本体とスリーブとの少なくとも一方のサイドシームの角度位置が位置決めされる。この位置決めを維持した状態で、容器本体とスリーブとが合体するので、容器本体のサイドシームとスリーブのサイドシームとのそれぞれの角度位置が一致しないようにすることができる。このため、合体時に、スリーブに形成されたカールが潰れたり、捲れたりする不具合を防止することができる。
【0018】
さらに、断熱容器の中心軸を中心に、容器本体のサイドシームの角度位置が、スリーブのサイドシームの角度位置から90度〜270度、より好ましくは、90度〜150度又は210度〜270度ずれるようにすることにより、使用者が容器を把持する際の、使用者の挟持に対する強度、いわゆる挟圧強度を容器の周方向全周に対して均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による製造装置の全体平面図である。
図2】(a)は本発明による製造装置によって製造される断熱容器の一例を表す断面図、(b)は容器本体の断面図、(c)はスリーブの断面図である。
図3】マンドレルを表す平面図である。
図4】サイドシーム位置決め部を表す側面図である。
図5】サイドシーム位置決め部を表す図である。
図6】サイドシーム位置決め部によるサイドシームの段差検出を説明する図5の6部拡大図である。
図7】位置決め維持部を表す部分断面図である。
図8】位置決め維持部及び合体部を表す平面図である。
図9】容器本体のサイドシームとスリーブのサイドシームとの位置関係を説明するための説明図である。
図10】容器本体とスリーブとの合体する状態を説明するための部分拡大断面図であり、(a)は本発明の実施例を示し、(b)は比較例を示す。
図11】容器本体とスリーブとのそれぞれのサイドシームの相対角度位置関係を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照してこの発明に係る製造装置を説明する。
【0021】
図1に示す製造装置1は、容器本体の外周にスリーブを取付けて断熱容器100を製造するものであり、且つ容器本体自体及び/又はスリーブ自体の少なくとも一部の製造装置も兼ねることができる。
【0022】
図2に示すように、断熱容器100は、容器本体200とスリーブ300とからなる。容器本体200は、底部201と、上端から底部201に向かって外径及び内径が漸次縮径されるテーパ状に形成された胴部203とを備え、全体で略円錐台形状に形成されて、その上端が開放されて開口202が画成されている。開口202の周囲となる胴部203の上端には、胴部の外側に向かってカール204が形成されている。底部201の外周縁には下方に折り曲げられた屈曲部205が形成されており、屈曲部205は胴部203の内周面に接着されると共に、胴部203の下端は、底部201の屈曲部205を覆うように、又は、任意には底部201の屈曲部205よりも下方で、内側上方に折り返されることで糸底206を形成している。
【0023】
胴部203は、扇状のブランクを筒状に巻き付けその両端を重ね合せて接着することでサイドシーム208を形成して構成される(図9参照)。
【0024】
胴部203の外側に取付けられるスリーブ300は、容器本体200の胴部203と同様に、上部開口301から下部開口302に向かって外径及び内径が漸次縮径されるテーパ状に形成されて、全体で略円錐台形状に形成されている。また、スリーブ300の下端には、スリーブの内側に向かってカール303が形成されている。
【0025】
スリーブ300は、扇状のブランクを筒状に巻き付けその両端を重ね合せて接着することでサイドシーム308を形成して構成される(図9参照)。
【0026】
図1に示すように製造装置1は、容器本体200を供給すると共に、容器本体200の位置決めを行う容器本体供給・位置決め装置10と、スリーブ300の成形を行うスリーブ成形装置30と、スリーブ移送装置50とを備える。
【0027】
容器本体供給・位置決め装置10は、ターンテーブル11と、ターンテーブル11から放射状に延びる6個のマンドレル12とを備える。マンドレル12はターンテーブル11に対して周方向に60度の角度で離間して配置される。ターンテーブル11は、図1中矢印の方向に60度ずつ間歇的に回転し、各マンドレル12は、図1に示される位置P1〜P6を順次移動し、これらの位置で所定時間留まり、決められた作業を行うようになっている。
【0028】
マンドレル12は、図3に示すように、概略、容器本体200と同様の円錐台形状をなしており、その外周部12aに容器本体200が吸着等により保持されるようになっている。また、マンドレル12の外周部12aは、マンドレル12の軸部12bに対して回動自在となっており、さらに、マンドレル12の外周部12aには、ターンテーブル11中心側において、ゴムなどの弾性素材で形成された接触リング13が嵌着されている。容器本体200が保持された状態において、接触リング13は、容器本体200よりもターンテーブル11中心側にあって、且つ、容器本体200のカール204よりも外径方向に突出するようになっている(図4参照)。
【0029】
各位置P1〜P6での作業は任意であるが、例えば、位置P1に位置するマンドレル12には図示しない上流側供給装置から容器本体200が供給される。この例では、容器本体200は、既に円錐台形状に成形されたものが上流側供給装置から供給されている。また、位置P2では、容器本体200の胴部に、入り身線を示すピーター線が形成され、位置P3では、スリーブを接着するための接着剤が容器本体200の外周面に塗布されると共に、後述するサイドシーム位置決め部14を用いて容器本体200のサイドシーム208が位置決めされ、位置P4は合体部となり、容器本体200に、後述するスリーブ移送装置50から供給されるスリーブ300が合体され、位置P5では、合体後の断熱容器100の検査が行われ、位置P6で完成した断熱容器100が排出される。
【0030】
ここでは、位置P3及び位置P4において行われる容器本体200のサイドシーム208の位置決め、位置決め維持及び容器本体200とスリーブ300との合体について詳細に説明する。
【0031】
位置P3の下方には、サイドシーム位置決め部14が設けられる。サイドシーム位置決め部14は、図4及び図5に示すように、駆動手段としてのサーボモータ16、回転伝達機構17、回転板18、検出手段としてのサイドシーム検出センサ19及び制御部20を備え、それぞれ固定面に設置される。
【0032】
容器本体200を保持するマンドレル12が位置P3で停止すると、回転板18が接触リング13に接触する。回転板18には、サーボモータ16の回転が回転伝達機構17を介して伝達されるようになっており、回転板18の回転に伴って接触リング13も回転し、その結果、マンドレル12の外周部12a及び容器本体200が軸部12b及び容器本体200の中心軸を中心に少なくとも360度回転する。
【0033】
この回転によって、必要に応じて、容器本体12の外周面に接着剤を塗布することができると共に、サイドシーム検出センサ19によって容器本体200のサイドシーム208の位置が検出される。
【0034】
サイドシーム検出センサ19は、レーザセンサ等から構成することができ、容器本体12に対して斜めに位置づけられて、図6に示されるように、容器本体200のサイドシーム208の段差を検出することができるようになっている。例えば、容器本体200の回転により、サイドシーム208が所定の角度位置に到達すると、段差からの反射波がレーザセンサで受信されることで、サイドシーム208を検出することができる。
【0035】
サイドシーム検出センサ19によってサイドシーム208が検出されると、その検出信号は制御部20へと送出される。制御部20では、検出されたサイドシームの角度位置から、容器本体200の回転終了後に、サイドシーム208が必ず決められた角度位置になるようにサーボモータ16を制御する。
【0036】
次に、位置P3から位置P4までの間には、図7及び図8に示すように、容器本体200の移動経路に沿って、円弧状に延びる搬送面22が固定的に設置されている。この搬送面22は、マンドレル12の接触リング13が接触するように配置されており、この搬送面22と接触リング13とによって位置決め維持部24が構成される。
【0037】
接触リング13と搬送面22との接触により、ターンテーブル11の回転に伴うマンドレル12の外周部12aは搬送面22を転動し、外周部12aと共に容器本体200がその中心軸を中心に回転する。ここで、接触リング13と搬送面22との摩擦係合力により、マンドレル12は、ほとんどスリップすることなく搬送面22を転動することができ、且つ搬送面22上での移動距離は既知であるため、位置P3にて位置決めされた容器本体200のサイドシーム208の位置決めは維持されて、位置P4における角度位置は、P3からP4までの距離に応じて決定される。こうして、位置P4において、容器本体200のサイドシーム208の角度位置は、所望の角度位置の範囲内に決められる。
【0038】
次に、スリーブ成形装置30は、ターンテーブル31と、ターンテーブル31から放射状に延びる8個のホルダ32とを備える。ホルダ32はターンテーブル31に対して周方向に45度の角度で離間して配置される。ターンテーブル31は45度ずつ間歇的に回転し、各ホルダ32は、図1に示される位置P31〜P38を順次移動し、これらの位置で所定時間留まり、決められた作業を行うようになっている。ターンテーブル31の間歇的回転は、ターンテーブル11と連動するように、同一駆動源からの駆動力で駆動される。
【0039】
各位置P31〜P38での作業は任意であるが、例えば、位置P31では、マンドレルにスリーブ用ブランクが巻き付けられ、端部が接着されてサイドシーム308が形成され、例えば位置P36でスリーブの下端にカール303が形成され、位置P37では、スリーブ300がスリーブ移送装置50に受け渡される。
【0040】
このスリーブ成形装置30においては、サイドシーム308形成後、スリーブ300の角度位置は保持されるため、且つ、好ましくは、サイドシーム308のシールのためにサイドシーム308が押さえられるとよく、結果として、サイドシーム308の位置は、常に、一定の角度位置、例えば、上側に決められている。
【0041】
次に、スリーブ移送装置50は、ターンテーブル51と、ターンテーブル51から放射状に延びる4個のホルダ52とを備える。ホルダ52はターンテーブル51に対して周方向に90度の角度で離間して配置される。ターンテーブル51は90度ずつ間歇的に回転し、各ホルダ52は、図1に示される位置P51〜P54を順次移動し、これらの位置で所定時間留まる。ターンテーブル51の間歇的回転は、ターンテーブル11、31に連動するように、同一駆動源からの駆動力で駆動される。
【0042】
位置P51では、ホルダ52はスリーブ成形装置30からスリーブ300を受け取り、位置P53では、図示略の押出手段によって、ホルダ52からスリーブ300が押し出されて、位置P4でマンドレル12に保持されている容器本体200に被せられて、両者が合体される(図8)。このとき、容器本体200とスリーブ300とは圧入又は接着によって一体化され、これにより、断熱容器100が完成する。
【0043】
以上のように、位置P31で形成されるサイドシーム308の角度位置は、スリーブ成形装置30及びスリーブ移送装置50を経由して搬送される間において、継続して維持されており、合体時のスリーブ300のサイドシーム308の角度位置は常に一定角度位置となっている。また、前述のサイドシーム位置決め部14と位置決め維持部24とによって、位置P4において、容器本体200のサイドシーム208の角度位置は、所望の角度位置の範囲内に決められている。このことから、合体部となる位置P4で容器本体200とスリーブ300とが合体する際、容器本体200のサイドシーム208とスリーブ300のサイドシーム308との相対角度位置を所望の関係に制御することができる。
【0044】
次に、このサイドシーム208とスリーブ300のサイドシーム308との所望の相対角度位置について図9を参照しながら説明する。
【0045】
断熱容器100の底面を貫く中心軸に対して、スリーブ300のサイドシーム308を0度の角度位置と仮定すると、少なくとも容器本体200のサイドシーム208の角度位置は0度以外として、サイドシーム208、308が重ならないようにする。
【0046】
これによって、合体時に、スリーブ300に形成されたカール303が潰れたり、捲れたりする不具合を防止することができる。特に、スリーブ300のカール303を緩く形成した場合であっても、前述の不具合の発生を防止することができる。また、サイドシーム208、308同士が直接接触して重なり合う部分における、接着剤のはみ出し、サイドシームの剥がれも防止することができる。
【0047】
図2及び図10に示すように、容器本体200の底部201の外周縁から下方に折り曲げられた屈曲部205が胴部203の内周面に接着され、且つ、胴部203の下端が内側上方に折り返されて、屈曲部205を覆うように接着される場合、糸底206におけるサイドシーム208においては、少なくとも胴部203の材料4枚分の厚みに加え、底部201の材料1枚分の厚みを有することになる。一方のスリーブ300においても、サイドシーム308付近は、スリーブ300の材料2枚分の厚みとなっているから、図10(b)に示されるように、合せて7枚分が重なり合うことになり、容器本体200とスリーブ300とを合体する際に、スリーブ300に形成されたカール303が、容器本体200の糸底206と干渉して変形し、潰れたり捲れたりしてしまう不具合が発生することがある。
【0048】
これに対して、本発明によれば、このような重なり合いを確実に防止することができるため、図10(a)に示すように、合体時に、カール303が糸底206に干渉されずに、カール303の変形を防止し、合体作業を円滑に行うことができる。
【0049】
さらに好ましくは、断熱容器100の底面を貫く中心軸からスリーブ300のサイドシーム308を0度の角度位置と仮定したときに、合体時に容器本体200のサイドシーム208の角度位置は90度〜270度の範囲に位置するように制御することが好ましい。これによって、容器本体200のサイドシーム208とスリーブ300のサイドシーム308がある程度、周方向に分散されるために、使用者が容器を把持する際の、使用者の挟持に対する強度、いわゆる挟圧強度を容器の周方向全周に対して均一化することができる。
【0050】
さらにより好ましくは、図11に示すように、断熱容器100の底面を貫く中心軸からスリーブ300のサイドシーム308を0度の角度位置と仮定したときに、合体時に90度〜150度又は210度〜270度の範囲、特に好ましくは120度または240度に位置するように制御することが好ましい。例えば、容器本体のサイドシームの角度位置が、スリーブのサイドシームの角度位置と相対する位置、即ち、180度ずれた位置にあると、使用者がこれらサイドシームを挟持した場合には挟圧強度を高く維持できるものの、サイドシームから90度ずれた場所を挟持した場合には挟圧強度がかなり低下するため、挟圧強度の周方向における偏差が大きくなってしまう虞がある。そのため、角度位置の差異を90度〜150度又は210度〜270度の範囲にすることで、このような挟圧強度の偏差を低減し、挟圧強度を断熱容器100の周方向全周に対してより均一化させることができる。
【0051】
さらにより好ましくは、容器本体200が位置P3からP4へと移動する際の回転方向を考慮したときに、その回転方向で容器本体200が回転し過ぎたときに、スリーブ300のサイドシーム308の角度位置から遠ざかる方向となる角度位置範囲とするとよい。
【0052】
なお、以上の実施の形態では、容器本体200とスリーブ300との合体に先立って、容器本体200のサイドシーム208の角度位置を検出してサイドシーム208を位置決めしており、スリーブ300のサイドシーム308の角度位置は固定としていたが、これに限るものではなく、スリーブ300のサイドシーム308の角度位置を検出してサイドシーム308を位置決めするようにしてもよく、又は、容器本体200及びスリーブ300のそれぞれについて、サイドシームの角度位置をそれぞれ検出して位置決めするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 製造装置
12 マンドレル(保持体)
13 接触リング
14 サイドシーム位置決め部
16 サーボモータ(駆動手段)
19 サイドシーム検出センサ(検出手段)
20 制御部(制御手段)
22 搬送面
24 位置決め維持部
100 断熱容器
200 容器本体
208 サイドシーム
300 スリーブ
308 サイドシーム
P4 位置(合体部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11