特許第5951354号(P5951354)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5951354
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】駐車場システム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20160630BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20160630BHJP
【FI】
   G07B15/00 N
   G06Q50/10
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-113752(P2012-113752)
(22)【出願日】2012年5月17日
(65)【公開番号】特開2013-242616(P2013-242616A)
(43)【公開日】2013年12月5日
【審査請求日】2015年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(72)【発明者】
【氏名】石川 宣高
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智
【審査官】 永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−312772(JP,A)
【文献】 特開2011−103721(JP,A)
【文献】 特開2011−103048(JP,A)
【文献】 特開2012−34505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室に駐車した車両の充電を行う充電スタンドと、場機と、算機と、前記入場機に設置された利用者特定情報特定部と、前記充電スタンド設置された車室側情報読取部と、を備え、
前記精算機は、前記用者特定情報特定部により特定された利用者特定情報と前記車室側情報読取部により読み取られた利用者特定情報とが一致した場合に、前記充電スタンドによる充電を許可することを特徴とする駐車場システム。
【請求項2】
前記入場機は、前記利用者特定情報特定部において特定した利用者特定情報を前記精算機に送信し、
前記充電スタンドは、前記車室側情報読取部において読み取った利用者特定情報を前記精算機に送信し、
前記精算機は、前記入場機から送信された利用者特定情報と前記充電スタンドから送信された利用者特定情報とが一致した場合に、前記充電スタンドによる充電を許可することを特徴とする請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項3】
前記精算機に設置された精算側情報読取部をさらに備え、
前記精算機は、前記利用者特定情報特定部と前記車室側情報読取部とで一致した利用者特定情報と、前記精算側情報読取部により精算時に受け付けた情報とが一致した場合に、駐車料金と該当する充電スタンドによる充電課金とを合算して精算処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駐車場システム。
【請求項4】
前記精算機に設置された精算側情報読取部をさらに備え、
前記精算機は、前記利用者特定情報特定部と前記車室側情報読取部とで一致した利用者特定情報と、前記精算側情報読取部により精算時に受け付けた情報とが一致した場合に、充電時間中の駐車料金をサービスする精算処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駐車場システム。
【請求項5】
前記充電スタンドは、前記車両の電源プラグが前記充電スタンドに差し込まれた状態でロックするためのロック機構をさらに備えており、前記車室側情報読取部により利用者特定情報を読み取った場合に、前記ロック機構のロックを解除することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項6】
前記精算機は、事前精算機であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項7】
前記充電スタンドは、前記車室側情報読取部において充電開始前に読み取った利用者特定情報と同一の利用者特定情報を充電中に読み取った場合に、充電を停止することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項8】
前記車室側情報読取部は、CカードのIC情報を認識するICカード認識部であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項9】
前記車室側情報読取部は、利用者の生体情報を認識する生体情報認識部であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項10】
前記車室側情報読取部は、前記入場機が発行する磁気駐車券の駐車券情報を認識する磁気カード認識部であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車場システムに係り、特に、駐車場利用者と充電利用者との関係を容易に確認することができ、充電利用者に対して適正な充電課金を行うことを可能とした駐車場システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車が普及しつつあり、電気自動車に対する充電システムが開発されてきている。このような充電システムにおいては、電気自動車を駐車場に駐車させた際に、車両に対して充電することが行われている。
【0003】
このように駐車場において、車両のバッテリに対して充電を行うシステムとして、従来、例えば、駐車場の利用によって生じる駐車料金および充電設備の利用によって生じる充電料金を管理するサーバと、駐車場の車両出口に設けられる第1精算機と、駐車場の出口以外の場所に設けられる第2精算機と、を備え、充電設備を利用している者が駐車場の利用を終了する場合、第2精算機による精算時に、充電を停止するか否かの選択を受け付け、充電の停止の選択を受け付けた場合、充電料金と駐車料金との合計を第2精算機によって利用者に提示し、充電の継続の選択を受け付けた場合、当該利用者の車両への充電を継続し、充電料金と駐車料金との合計を前記第1精算機によって利用者に提示するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、その他の技術として、従来から、駐車場の内部に電気自動車のバッテリを充電する充電装置と充電情報入出力装置とを設け、充電を行うと駐車券などに充電情報を記録し、出庫時にこの駐車券などを料金精算機に挿入すると、駐車料金と充電料金が算出され、これら各料金の精算を済ませると出口ゲートが開いて車両の出庫を可能にするようにした技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−103048公報
【特許文献2】特開2001−312772公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1および特許文献2に記載の技術においては、駐車料金と充電料金とを精算することができるものであるが、駐車場の利用者と充電の利用者との関係を確認することができず、充電の利用者に対してし適正な充電料金の課金を行うことができないという問題を有している。
【0007】
また、通常、充電スタンドに充電ケーブルを接続して車両の充電を行うものであるが、充電の途中で充電ケーブルを引き抜いてしまうと、適正な充電の課金を行うことができないという問題を有している。さらに、いたずらなどにより充電ケーブルが第三者によって抜かれてしまうと、大変危険であり、安全性にも問題がある。
【0008】
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、駐車場利用者と充電利用者との関係を容易に確認することができ、充電利用者に対して適正な充電課金を行うことのできる駐車場システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1の発明に係る駐車場システムは、室に駐車した車両の充電を行う充電スタンドと、場機と、算機と、前記入場機に設置された利用者特定情報特定部と、前記充電スタンド設置された車室側情報読取部と、を備え、
前記精算機は、前記用者特定情報特定部により特定された利用者特定情報と前記車室側情報読取部により読み取られた利用者特定情報とが一致した場合に、前記充電スタンドによる充電を許可することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記入場機は、前記利用者特定情報特定部において特定した利用者特定情報を前記精算機に送信し、
前記充電スタンドは、前記車室側情報読取部において読み取った利用者特定情報を前記精算機に送信し、
前記精算機は、前記入場機から送信された利用者特定情報と前記充電スタンドから送信された利用者特定情報とが一致した場合に、前記充電スタンドによる充電を許可することを特徴とする。
【0010】
請求項に係る発明は、請求項1または請求項2において、前記精算機に設置された精算側情報読取部をさらに備え、
前記精算機は、前記利用者特定情報特定部と前記車室側情報読取部とで一致した利用者特定情報と、前記精算側情報読取部により精算時に受け付けた情報とが一致した場合に、駐車料金と該当する充電スタンドによる充電課金とを合算して精算処理を行うことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2において、前記精算機に設置された精算側情報読取部をさらに備え、
前記精算機は、前記利用者特定情報特定部と前記車室側情報読取部とで一致した利用者特定情報と、前記精算側情報読取部により精算時に受け付けた情報とが一致した場合に、充電時間中の駐車料金をサービスする精算処理を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項において、前記充電スタンドは、前記車両の電源プラグが前記充電スタンドに差し込まれた状態でロックするためのロック機構をさらに備えており、前記車室側情報読取部により利用者特定情報を読み取った場合に、前記ロック機構のロックを解除することを特徴とする。
【0012】
請求項に係る発明は、請求項1から請求項のいずれか一項において、前記精算機は、事前精算機であることを特徴とする。
【0013】
請求項に係る発明は、請求項1から請求項のいずれか一項において、前記充電スタンドは、前記車室側情報読取部において充電開始前に読み取った利用者特定情報と同一の利用者特定情報を充電中に読み取った場合に、充電を停止することを特徴とする。
【0014】
請求項に係る発明は、請求項1から請求項のいずれか一項において、前記車室側情報読取部は、CカードのIC情報を認識するICカード認識部であることを特徴とする。
【0015】
請求項に係る発明は、請求項1から請求項のいずれか一項において、前記車室側情報読取部は、利用者の生体情報を認識する生体情報認識部であることを特徴とする。
【0016】
請求項10に係る発明は、請求項1から請求項のいずれか一項において、前記車室側情報読取部は、前記入場機が発行する磁気駐車券の駐車券情報を認識する磁気カード認識部であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、精算機が、利用者特定情報特定部により特定された利用者特定情報と車室側情報読取部により読み取られた利用者特定情報とが一致した場合に、充電スタンドによる充電を許可するようにしているので、駐車場の利用者と充電の利用者との同一性を確保することができ、充電の利用者に対して正な充電料金の課金を行うことが可能となる。
【0019】
請求項に係る発明によれば、精算機により、利用者特定情報特定部と車室側情報読取部とで一致した利用者特定情報と、精算側情報読取部により精算時に受け付けた情報とが一致した場合に、駐車料金と該当する充電スタンドによる充電課金とを合算して精算処理を行うようにしているので、駐車料金と充電課金とに基づく精算を行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、精算機により、利用者特定情報特定部と車室側情報読取部とで一致した利用者特定情報と、精算側情報読取部により精算時に受け付けた情報とが一致した場合に、充電時間中の駐車料金をサービスする精算処理を行うようにしているので、駐車料金をサービスした精算を行うことができる。
【0020】
請求項に係る発明によれば、充電スタンドに、車両の電源プラグが充電スタンドに差し込まれた状態でロックするためのロック機構を設け、車室側情報読取部により利用者特定情報を読み取った場合に、ロック機構のロックを解除するようにしているので、利用者特定情報を認識することにより、ロック機構のロックを解除して、利用者が特定できない状態での充電スタンドの利用を防止することができる。
【0021】
請求項に係る発明によれば、精算機を、事前精算機としているので、精算時に事前精算機精算処理を行うことができる。
【0022】
請求項に係る発明によれば、充電スタンドにより、車室側情報読取部において充電開始前に読み取った利用者特定情報と同一の利用者特定情報を充電中に読み取った場合に、充電を停止するようにしているので、充電を行う利用者と同一の利用者のみが充電を中止することができ、第三者により充電を中止させることを防止することができ、その結果、適正な充電の課金を行うことができるとともに、いたずらなどによる充電ケーブルの引き抜きなどを確実に防止することができ、安全性を著しく高めることができる。
【0023】
請求項に係る発明によれば、車室側情報読取部を、CカードのIC情報を認識するICカード認識部としているので、IC情報により利用者特定情報を取得することができる。
【0024】
請求項に係る発明によれば、車室側情報読取部を、利用者の生体情報を認識する生体情報認識部としているので、生体情報により利用者特定情報を取得することができる。
【0025】
請求項10に係る発明によれば、車室側情報読取部を、入場機が発行する磁気駐車券の駐車券情報を認識する磁気カード認識部としているので、磁気駐車券の駐車券情報により利用者特定情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係る駐車場システムの実施形態を示す概略構成図である。
図2】本発明に係る駐車場システムの実施形態における制御構成を示す概略構成図である。
図3】本発明に係る駐車場システムの実施形態における入場動作を示すフローチャートである。
図4】本発明に係る駐車場システムの実施形態における充電動作を示すフローチャートである。
図5】本発明に係る駐車場システムの実施形態における精算動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0029】
図1は本発明に係る駐車場システムの実施形態を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態の駐車場システムは、例えば、電気自動車などのバッテリの電力で走行する車両1を駐車させるための駐車場に設置されるものである。この駐車場は、複数の車室2を備えており、各車室2には、車両1の充電を行うための充電スタンド3が設置されている。また、駐車場には、充電スタンド3による充電の制御を行うための充電制御器4が設置されている。また、駐車場には、駐車場の入場ゲート5付近に設置された入場機6が設置されており、駐車場の出場ゲート7付近に設置された精算機8を備えている。
【0030】
次に、本発明の制御構成について、図3を参照して説明する。
【0031】
本実施形態においては、入場機6の内部には、入場時の各種制御を行う入場制御部9が設けられており、入場機6には、利用者が携帯するICカードのIC情報を読み取る利用者特定情報特定部としての入場側IC情報読み取り部10が設けられている。また、入場機6には、充電制御器4および精算機8との間で所定の通信を行う入場側通信部11が設けられている。そして、入場側IC情報読み取り部10により利用者のICカードのIC情報を読み取った場合に、入場制御部9により、入場ゲート5の開閉制御を行うとともに、精算機8に入場側通信部11を介してIC情報を送るように構成されている。
【0032】
また、精算機8の内部には、精算時の各種制御を行う精算制御部12が設けられており、精算機8には、利用者が携帯するICカードのIC情報を読み取る利用者特定情報特定部としての精算側IC情報読み取り部13が設けられている。また、精算機8には、充電制御器4および入場機6との間で所定の通信を行う精算側通信部14が設けられている。そして、精算制御部12は、精算機8による精算が完了した場合に、出場ゲート7の開閉制御を行うように構成されている。
【0033】
また、精算機8には、所定の表示を行う精算表示部15が設けられており、精算機8には、例えば、領収書などの所定の印刷を行うプリンタユニット16およびプリンタユニット16に所定のカードを供給するためのカード処理機17が設けられている。また、精算機8には、駐車時間などを計測する精算タイマ18が設けられており、精算機8には、IC情報を関連づけて記録するためのデータベース19が設けられている。
【0034】
また、充電制御器4の内部には、各種制御を行うための充電制御部20が収容されており、この充電制御器4には、充電受付情報などを記憶する充電メモリ21および充電時間などを計測する充電タイマ22が設けられている。また、充電制御器4には、駐車場の利用者が充電予約の受付などの操作を行うための充電側キー入力部23が設けられており、充電制御器4には、所定の表示を行う充電側表示部24が設けられている。また、充電制御器4には、充電スタンド3、入場機6および精算機8との間で所定の通信を行うための充電側通信部25が設けられており、充電制御部20は、利用者が充電側キー入力部23を操作して充電予約を行った場合に、各充電スタンド3の充電制御を行うように構成されている。
【0035】
また、各充電スタンド3には、各種充電制御を行う車室側制御部26が設けられている。また、充電スタンド3には、充電制御器4との通信を行うための車室側通信部27が設けられており、この車室側通信部27と充電制御器4とは、充電制御線28を介して接続されている。
【0036】
また、各充電スタンド3には、車室2に駐車した車両1の受電側接続器としての電源プラグ29が差し込まれる給電側接続器としてのコンセント30が設けられている。本実施形態においては、コンセント30部分には、コンセント30部分を被覆するカバー部材31が設けられており、さらに、コンセント30部分には、充電制御器4の充電制御信号により、カバー部材31を閉状態に保持するロック機構32が設けられている。このロック機構32は、コンセント30に電源プラグ29が差し込まれた状態で、カバー部材31を閉状態に保持するものである。
【0037】
また、充電スタンド3には、電流センサ33および電圧センサ34がそれぞれ設けられており、充電スタンド3には、コンセント30に電気的に接続された電力開閉器35が設けられている。電力開閉器35は、電源線36との接続を開閉するスイッチであり、分電盤37からの電源線36が漏電遮断器38を介して接続されている。また、車室側制御部26は、充電制御器4から車室側通信部27を介して送られる充電ON信号に基づいて、電力開閉器35をON動作させるように構成されている。そして、電力開閉器35がON動作されると、電源線36とコンセント30とを接続してコンセント30に電源が供給されるように構成されている。
【0038】
また、電圧センサ34および電流センサ33によりコンセント30に送られる電圧値および電流値を検出して車室側制御部26に送るように構成されており、車室側制御部26は、充電予約により設定された充電時間が経過した場合または電流センサ33による電流値が所定の値以下になった場合に、充電が完了したものとして電力開閉器35をOFF動作させるように構成されている。これにより、電源線36とコンセント30とが切り離され、電力が完全に供給されない状態となる。そして、車室側制御部26は、充電が完了した場合に充電制御器4にその旨を送信し、充電制御部20は、充電リストに基づいて、他の充電要求がある他の車室2の充電が可能となるように充電される充電スタンド3を順次切り換えるように制御するものである。
【0039】
また、充電スタンド3には、利用者が携帯するICカードの利用者特定情報としてのIC情報を読み取る利用者特定情報認識部としての車室側IC情報読み取り部39が設けられており、車室側制御部26は、車室側IC情報読み取り部39により利用者のICカードのIC情報を読み取った場合に、ロック機構32を解除してカバー部材31を開放するように構成されている。そして、利用者は、カバー部材31が開放されたコンセント30に電源プラグ29を差し込んで充電の準備を行うようになっている。そして、車室側制御部26は、車室側IC情報読み取り部39により読み取った利用者のICカードのIC情報を車室側通信部27を介して充電制御器4に送るように構成されている。
【0040】
また、充電制御器4の充電制御部20は、充電スタンド3から送られたIC情報を精算機8に送るように構成されており、精算機8の精算制御部12は、充電制御器4から送られたIC情報と、入場時に入場機6から送られるIC情報とが一致した場合に、充電を許可するとともに、充電制御器4から送られたIC情報と、入場時に入場機6から送られるIC情報とを関連付けてデータベース19に記録するように構成されている。すなわち、本実施形態においては、充電スタンド3の車室側IC情報読み取り部39によりにより読み取ったIC情報と、入場機6の入場側IC読み取り部により読み取ったIC情報とが一致した場合に、利用者が同一人であるとして充電を許可するものである。
【0041】
また、充電は、充電予約に基づいて順次行われるものであり、充電中に充電スタンド3の車室側IC情報読み取り部39にICカードのIC情報を読み取らせ、このIC情報が充電している充電スタンド3の車室側IC情報読み取り部39により読み取られてデータベース19に記録されているIC情報と一致した場合に、充電を中止することができるように構成されている。
【0042】
また、精算機8は、精算側IC情報読み取り部13によりICカードのIC情報を読み取り、このIC情報が、充電の際に関連付けられたIC情報と一致する場合に、駐車時間に応じた駐車料金と該当する充電スタンド3による充電課金とから精算処理を行うように構成されている。この場合に、駐車料金と該当する充電スタンド3による充電課金とを合算して精算処理を行うようにしてもよいし、充電時間中は、駐車料金をサービスして充電課金のみの精算処理を行うようにしてもよい。
【0043】
次に、本実施形態の動作について、図3から図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0044】
まず、入場処理について図3を参照して説明する。本実施形態においては、まず、利用者は入場機6の入場側IC情報読み取り部10にICカードをかざしてICカードのIC情報を読み取らせる(ST1)。そして、入場側用ICカード読み取り部により読み取ったICカードのICカード情報は、精算機8に送られ(ST2)、データベース19に記録される(ST3)。そして、入場制御部9により入場ゲートを開き(ST4)、車両を入場させる。
【0045】
次に、本実施形態における充電動作について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0046】
駐車場の利用者が車両1の充電を行う場合は、利用者が充電スタンド3の車室側IC情報読み取り部39にICカードをかざしてICカードのIC情報を読み取らせる(ST10)。IC情報が読み取られた場合には、車室側制御部26によりIC情報を充電制御器4に送り、充電制御部20によりIC情報を精算機8に送り、データベース19に記録するとともに、充電制御部20によりロック機構32を解除する(ST11)。その後、利用者がカバー部材31を開いて、コンセント30に、車両1の充電プラグを差し込んだ後、カバー部材31を閉じる(ST12)。そして、精算機8により、充電制御器4から送られたIC情報と、入場時に入場機6から送られるIC情報とが一致した場合に(ST13:YES)、充電を許可するとともに、充電制御器4から送られたIC情報と、入場時に入場機6から送られるIC情報とを関連付けてデータベース19に記録する(ST14)。
【0047】
その後、充電制御器4において、充電側キー入力部23を操作して、充電する車両1を駐車した車室2の車室番号や充電時間などを入力して充電予約を行う(ST15)。そして、充電制御部20から充電制御器4を介して該当する充電スタンド3に信号を出力し、車室側制御部26によりロック機構32を動作させてカバー部材31をロックさせ(ST16)、充電予約の受付が完了する(ST17)。
【0048】
そして、充電予約の受付が完了した後、該当する充電スタンド3の充電開始時刻となったら、充電制御器4から車室側制御部26に充電ON信号を送り、車室側制御部26により、電力開閉器35をON動作させ、コンセント30に電源を供給することにより、充電が開始される(ST18)。その後、充電予約に基づく充電時間が経過したら、充電制御器4から車室側制御部26に充電OFF信号を送り、車室側制御部26により、電力開閉器35をOFF動作させ、コンセント30への電源の供給を停止することにより、充電が完了する(ST19)。
【0049】
次に、本実施形態における精算動作について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0050】
利用者が精算する場合は、充電スタンド3の車室側IC情報読み取り部39にICカードのIC情報を読み取らせ(ST20)、このIC情報がデータベース19に記録されているIC情報と一致する場合には(ST21:YES)、カバー部材31のロック機構32を解除する(ST22)。利用者は、電源プラグ29を外して、カバー部材31を閉めることにより、車両1の出庫が可能となる。そして、車両1を移動させ、利用者が精算機8の精算側IC情報読み取り部13によりICカードをかざしてIC情報を読み取らせ(ST23)、読み取ったIC情報と、関連付けられて記録されたIC情報とが一致するか否か判断する(ST24)。そして、IC情報が一致する場合は(ST24:YES)、精算タイマ18による駐車時間に応じた駐車料金を精算するとともに、充電制御器4の充電タイマ22により計数した充電時間に応じた充電課金に基づいて料金を精算して精算表示部15に表示させる(ST25)。その後、利用者により駐車料金が投入され駐車料金の精算が完了したら、精算制御部12により、出場ゲート7を開くことにより、車両1の出庫が可能となる。
【0051】
また、充電の途中で、充電を中止したい場合は、利用者が、充電中に充電スタンド3の車室側IC情報読み取り部39にICカードのIC情報を読み取らせ、このIC情報がデータベース19に記録されているIC情報と一致した場合に、充電制御器4から車室側制御部26に充電OFF信号を送り、車室側制御部26により、電力開閉器35をOFF動作させ、コンセント30への電源の供給を停止するようになっている。
【0052】
以上述べたように、本実施形態においては、充電スタンド3の車室側IC情報読み取り部39により読み取ったIC情報と、入場機6の入場側IC情報読み取り部10により、読み取ったIC情報とが一致して関連付けられた場合に、充電を開始することができるように制御するとともに、精算時には、精算側IC情報読み取り部13により読み取ったIC情報と、車室側IC情報読み取り部39により読み取ったIC情報とが一致した場合に、駐車料金と充電課金とにより精算を行うようにしているので、充電スタンド3と充電の利用者との同一性を確保して、充電の利用者に対してし適正な充電料金の課金を行うことが可能となる。
【0053】
また、充電中に充電を中止したい場合に、充電中に充電スタンド3の車室側IC情報読み取り部39により読み取りられたIC情報と、データベース19に記録されているIC情報とが一致した場合に、充電の中止を行うことができるようにしているので、充電予約を行った利用者と同一の利用者のみが充電を中止することができ、第三者により充電を中止させることを防止することができ、その結果、適正な充電の課金を行うことができるとともに、いたずらなどによる充電ケーブルの引き抜きなどを確実に防止することができ、安全性を著しく高めることができる。
【0054】
なお、前記実施形態においては、利用者特定情報特定部および利用者特定情報認識部として利用者のICカードのIC情報を読み取るIC情報読み取り部を用いた場合について説明したが、利用者特定情報特定部および利用者特定情報認識部として、例えば、利用者の指紋や静脈などの生体情報を読み取る生体情報読み取り部を用いるようにしてもよい。この場合は、入場機6、充電スタンド3および精算機8にそれぞれ生体情報読み取り部を設置するようにすればよい。また、利用者特定情報特定部および利用者特定情報認識部として、例えば、入場機6による磁気駐車券を発行させ、この磁気駐車券の駐車券番号を利用者特定情報として利用するようにしてもよい。この場合は、充電スタンド3および精算機8にそれぞれ磁気駐車券読み取り部を設置するようにすればよい。。その他、利用者の特定情報を認識することができるものであれば、いずれの手段を用いるようにしてもよい。
【0055】
また、前記実施形態においては、充電制御器4を別体に設置するようにしたが、例えば、充電制御器4を精算機8または入場機6に内蔵させて一体に設置するようにしてもよい。また、精算機8の他に同様の機能を備えた事前精算機を設置するようにしてもよい。
【0056】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 車両
2 車室
3 充電スタンド
4 充電制御器
5 入場ゲート
6 入場機
7 出場ゲート
8 精算機
9 入場制御部
10 入場側IC情報読み取り部
11 入場側通信部
12 精算制御部
13 精算側IC情報読み取り部
14 精算側通信部
15 精算表示部
16 プリンタユニット
17 カード処理機
18 精算タイマ
19 データベース
20 充電制御部
21 充電メモリ
22 充電タイマ
23 充電側キー入力部
24 充電側表示部
25 充電側通信部
26 車室側制御部
27 車室側通信部
28 充電制御線
29 電源プラグ
30 コンセント
31 カバー部材
32 ロック機構
33 電流センサ
34 電圧センサ
35 電力開閉器
36 電源線
37 分電盤
38 漏電遮断器
39 車室側IC情報読み取り部
図1
図2
図3
図4
図5