特許第5951391号(P5951391)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5951391
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】エンブレム発光装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/04 20060101AFI20160630BHJP
   G09F 13/18 20060101ALI20160630BHJP
   B60R 13/00 20060101ALI20160630BHJP
   F21S 8/10 20060101ALI20160630BHJP
【FI】
   G09F13/04 P
   G09F13/18 Z
   B60R13/00
   F21S8/10 400
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-163983(P2012-163983)
(22)【出願日】2012年7月24日
(65)【公開番号】特開2014-26000(P2014-26000A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2015年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一
(72)【発明者】
【氏名】比企 聖
【審査官】 青山 玲理
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3169564(JP,U)
【文献】 特許第4790095(JP,B1)
【文献】 特開2006−351375(JP,A)
【文献】 特開2007−142178(JP,A)
【文献】 実開平2−49766(JP,U)
【文献】 特開2010−108919(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0302135(US,A1)
【文献】 特開2009−175702(JP,A)
【文献】 特開2008−40167(JP,A)
【文献】 特開平8−278759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/00−13/46
B60R 13/00
F21S 2/00−19/00
F21V 8/00
G02B 6/00− 6/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮光部と透光部を有するエンブレムと、該エンブレムの裏面側に配置された導光板と、該導光板に対向配置されたLEDを備え、前記LEDからの光を前記導光板を経て前記エンブレムの透光部に通過させて該透光部を発光させるエンブレム発光装置において、
前記導光板を前記LEDに対向する第1の導光部材と前記エンブレムに対向する第2の導光部材とで構成し、
前記第1の導光部材の前記LEDの光軸上に形成された入射部と出射部に凸状の1次屈折面と2次屈折面をそれぞれ形成し、前記LEDから該第1の導光部材に入射する光を前記1次屈折面と前記2次屈折面で屈折させて前記LEDの光軸と平行な光とし、
前記第2の導光部材又は前記エンブレムの裏面に、前記第1の導光部材の2次屈折面から出射する平行光を前記LEDの光軸に直交する方向に反射させて前記第2の導光部材に入射させる反射面を形成したことを特徴とするエンブレム発光装置。
【請求項2】
前記第1の導光部材の裏面に凹部を形成し、該凹部に前記LEDを配置したことを特徴とする請求項1記載のエンブレム発光装置。
【請求項3】
前記第1の導光部材の1次屈折面は、前記LEDの光軸を中心として左右に40°以内の角度範囲に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のエンブレム発光装置。
【請求項4】
前記LEDを実装する基板と前記第1の導光部材との間に反射材を介装し、或いは前記基板の上面に反射処理を施したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のエンブレム発光装置。
【請求項5】
前記導光板の周囲を反射材で囲んだことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の記載のエンブレム発光装置。
【請求項6】
前記エンブレムと前記第2の導光部材との間に反射材又は拡散材を介装したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のエンブレム発光装置。
【請求項7】
前記第1の導光部材と前記第2の導光部材の前記エンブレムの透光部に対応する位置にシボ加工を施したことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のエンブレム発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンブレムの周縁をLEDからの光によって発光させるエンブレム発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両の車体にはメーカー名や車種名、グレード等を表示するエンブレムが取り付けられているが、このエンブレムの夜間での視認性を高めるために該エンブレムの周縁を発光させることが行われている。
【0003】
エンブレムを発光させる発光装置としては、エンブレムの透光部にLEDからの光を通過させることによって発光させるものが使用されており、これに関して例えば特許文献1には図7に示すようなものが提案されている。
【0004】
即ち、図7は特許文献1において提案されたエンブレム発光装置要部の断面図であり、図示のエンブレム発光装置101においては、エンブレム110の裏面側に配置されたケーシング111の内周面の全周にフレキシブル基板112を配置し、このフレキシブル基板112に複数のLEDチップ113を周方向に適当な間隔で設けている。又、エンブレム110の裏面には拡散板114が接着されており、ケーシング111の底面には乳白色の塗膜115が形成されている。
【0005】
斯かるエンブレム発光装置101において、各LEDチップ113に通電されて該LEDチップ113が発光すると、その光はケーシング111の底面に形成された塗膜115で反射して拡散板114へと向かい、その一部は拡散板114によって拡散されつつエンブレム110のくり抜き部110aを通過してエンブレム110の周縁を発光させる。このエンブレム発光装置101によれば、LEDチップ113から出射される指向性の強い光を塗膜115で反射させて拡散させ、その反射光を拡散板114によって更に拡散させることによって指向性を和らげることができるため、均一で上品な発光を実現することができる。
【0006】
又、特許文献2には図8に示すようなエンブレム発光装置が提案されている。
【0007】
即ち、図8は特許文献2において提案されたエンブレム発光装置要部の断面図であり、図示のエンブレム発光装置201においては、導光板202の柱状体202Aの上方に配置されたLED光源205から出射された光が導光板202の柱状体202Aの内部を伝播し、この光が柱状体202Aの真下に形成された半球形状の凹部202aで反射して水平方向に拡散するため、導光板202の全体が発光し、この光が不図示のエンブレムのくり抜き部(透光部)を通過することによってエンブレムの周縁を発光させる構成が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3169564号公報
【特許文献2】特許第4790095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1,2において提案されたエンブレム発光装置101,201においては、光源であるLED113,205からの光が効率良く利用されておらず、LED113,205から離れた位置を発光させようとすることが困難であった。そして、この問題を解決するためにはLED113,205の数を増やす必要があった。
【0010】
又、従来のエンブレム発光装置において均一な発光を実現するためには、或る程度の距離と厚みが必要であり、図7に示したエンブレム発光装置101のようにLEDチップ113をケーシング111の内周面に配置する構成を採用すると、LEDチップ113の放熱を効率良く行うことができなかった。
【0011】
更に、従来のエンブレム発光装置においては、LEDの蛍光体のムラによって光に色ムラが発生し、発光品質の低下を招く結果となっていた。そして、LEDからの光は指向性が高いため、LED近郷の中心部分の光量が最も大きいためにエンブレムの光り方にムラが発生してしまうという問題があった。
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、LEDからの光を効率良く利用して色ムラを抑えた均一な強度の発光を実現するとともに、薄型化と放熱性の向上を図ることができるエンブレム発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、遮光部と透光部を有するエンブレムと、該エンブレムの裏面側に配置された導光板と、該導光板に対向配置されたLEDを備え、前記LEDからの光を前記導光板を経て前記エンブレムの透光部に通過させて該透光部を発光させるエンブレム発光装置において、
前記導光板を前記LEDに対向する第1の導光部材と前記エンブレムに対向する第2の導光部材とで構成し、
前記第1の導光部材の前記LEDの光軸上に形成された入射部と出射部に凸状の1次屈折面と2次屈折面をそれぞれ形成し、前記LEDから該第1の導光部材に入射する光を前記1次屈折面と前記2次屈折面で屈折させて前記LEDの光軸と平行な光とし、
前記第2の導光部材又は前記エンブレムの裏面に、前記第1の導光部材の2次屈折面から出射する平行光を前記LEDの光軸に直交する方向に反射させて前記第2の導光部材に入射させる反射面を形成したことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の導光部材の裏面に凹部を形成し、該凹部に前記LEDを配置したことを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記第1の導光部材の1次屈折面は、前記LEDの光軸を中心として左右に40°以内の角度範囲に形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記LEDを実装する基板と前記第1の導光部材との間に反射材を介装し、或いは前記基板の上面に反射処理を施したことを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記導光板の周囲を反射材で囲んだことを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記エンブレムと前記第2の導光部材との間に反射材又は拡散材を介装したことを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6の何れかに記載の発明において、前記第1の導光部材と前記第2の導光部材の前記エンブレムの透光部に対応する位置にシボ加工を施したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の発明によれば、LEDの中心から出射して第1の導光部材の1次屈折面から入射した強い光は、1次屈折面と2次屈折面によって屈折して平行光となって2次屈折面から出射し、この平行光は、第2の導光部材又はエンブレムの裏面に形成された反射面によってLEDの光軸に直交する方向に反射して第2の導光部材に浅い角度で入射し、乱反射を繰り返しながら強さが均一化されつつ第2の導光部材内を長手方向に遠くまで進む。このため、今まで効率的に利用されていなかったLEDの中心部から出射する強い光は、発光エリアが拡大して強さが均一化されるとともに、色ムラが軽減されてエンブレムの発光に効率良く利用され、色ムラの無い均一なエンブレムの発光が可能となる。
【0021】
又、LEDを実装する基板をレイアウト的に大きくすることができるため、LEDからの熱を大きな面積(放熱面積)の基板から効率良く放熱させることができ、当該エンブレム発光装置の放熱性が高められてLEDが効率良く冷却され、その温度上昇が抑えられる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、第1の導光部材の裏面に凹部を形成し、この凹部にLEDを配置したため、LEDの側方から出射される光を第1の導光部材の凹部から該第1の導光部材内へと入射させることができ、エンブレムは高装置をレイアウト的に小型化することができる。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、LEDから出射する光のうち、LEDの光軸を中心として左右に15°の角度範囲の強い光が第1の導光部材の1次屈折面から入射し、この強い光が第1の導光部材の1次屈折面と2次屈折面で屈折してLEDの光軸に平行な平行光とされてエンブレムの色ムラを抑えた均一な強度の発光に供せられる。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、LEDを実装する基板と第1の導光部材との間に介装された反射材、或いは基板の上面に施された反射処理によって第1の導光部材内に入射した光が反射して強さが該第1の導光部材の長手方向に均一化される。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、導光板の周囲を反射材で囲んだため、導光板の周囲から外部への光の出射を防いでLEDからの光をエンブレムの発光に一層効率良く利用することができ、LEDからの光の全てを導光板内で乱反射させて均一化し、その色ムラを一層効果的に軽減することができる。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、第2の導光部材内に入射した光がエンブレムと第2の導光部材との間に介装された反射材又は拡散材によって反射又は拡散するため、第2の導光部材から出射してエンブレムの発光に供される光の強さが均一化され、エンブレムの均一で色ムラの無い発光が可能となる。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、第1の導光部材と第2の導光部材のエンブレムの透光部に対応する位置に形成されたシボ加工によって反射及び拡散した光がエンブレムの透光部に向かうため、この光によってエンブレムの周縁が効果的に発光する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】エンブレムの正面図である。
図2】本発明に係るエンブレム発光装置の断面図である。
図3】本発明に係るエンブレム発光装置の分解断面図である。
図4図3のA部拡大詳細図である。
図5】本発明に係るエンブレム発光装置の光経路を示す断面図である。
図6図5のB部拡大詳細図である。
図7】特許文献1において提案された発光装置要部の断面図である。
図8】特許文献2において提案された発光装置要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0030】
図1は車両の車体に取り付けられるエンブレムの正面図であり、図示のエンブレム10は、車両メーカー等のロゴを示す文字(図示例では、英文字の「S」)等の遮光部10aとそれ以外の透光部10bによって構成されており、透光部10bは貫通孔によって構成され、この透光部10bを光が自由に通過することによって該透光部10bの周縁が発光する。
【0031】
次に、上記エンブレム10の夜間での視認性を高めるために該エンブレム10を発光させるエンブレム発光装置を図2図6に基づいて以下に説明する。
【0032】
図2は本発明に係るエンブレム発光装置の断面図、図3は同エンブレム発光装置の分解断面図、図4図3のA部拡大詳細図、図5は同エンブレム発光装置の光経路を示す断面図、図6図5のB部拡大詳細図である。
【0033】
本発明に係るエンブレム発光装置1においては、図2及び図3に示すように、エンブレム10の裏面に、該エンブレム10の外形形状に沿った楕円板状の導光板2が配置されており、この導光板2は、後述のLED5に対向する近距離照射用の第1の導光部材2Aとエンブレム10に対向する遠距離照射用の第2の導光部材2Bとで構成されている。尚、導光板2を構成する第1の導光部材2Aと第2の導光部材2Bは、例えば2色成形によって一体に形成される。そして、導光板2の上面とエンブレム10との間には、エンブレム10の形状に沿った反射材3が介装されており、この反射材3によって導光板2の周囲が囲まれている。尚、反射材3には、エンブレム10の前記透光部10bと同形状の複数のスリット3aが発光部として形成されている。
【0034】
又、導光板2(第1の導光部材2A)の下面には、エンブレム10の外形形状に沿った楕円板状の基板4が配置されており、この基板4の中央部には光源であるLED5が実装されている。尚、本実施の形態では、基板4の上面には反射処理が施されているが、この反射処理に代えて第1の導光部材2Aと基板4との間に反射材を介装しても良い。
【0035】
ところで、前記第1の導光部材2Aの裏面の中央部には凹部2aが形成されており、この凹部2aには前記LED5が配置されている。従って、第1の導光部材2Aの凹部2aは、LED5からの光が入射する入射部を構成し、該第1の導光部材2Aの上面の凹部2aに対向する部分(LED5の光軸上の部分)は出射部を構成している。そして、本実施の形態では、図4に詳細に示すように、第1の導光部材2Aの入射部を構成する前記凹部2aの天面には凸状(半球面状)の1次屈折面2bが形成されており、同第1の導光部材2Aの上面の出射部にも凸状(半球面状)の2次屈折面2cが形成されている。尚、本実施の形態では、第1の導光部材2Aの1次屈折面2bは、LED5の光軸を中心として左右に15°の角度範囲に形成されている。又、第1の導光部材2Aと第2の導光部材2Bのエンブレム10の透光部10bに対応する位置(図2のa,b,c,dにて示す位置)にはシボ加工が施されている。
【0036】
又、前記第2の導光部材2Bの中心部(第1の導光部材2Aの2次屈折面2cに対向する位置)には貫通孔2dが形成されており、この貫通孔2dには、前記反射材3の下面中央部に突設された三角プリズム状の凸部3Aが臨んでおり、この凸部3Aの両面は反射面3bを形成している。尚、本実施の形態では、反射面3bを有する凸部3Aを反射材3に形成したが、同様の反射面を有する凸部を第2の導光部材2Bに形成しても良い。
【0037】
而して、以上のように構成されたエンブレム発光装置1において、LED5に通電されて該LED5が発光すると、LED5から出射する光のうち、LED5の光軸を中心として左右に15°の角度範囲の強い光は、図5及び図6に示すように、第1の導光部材2Aの入射部に形成された1次屈折面2bから該第1の導光部材2A内に入射し、屈折して広がりながら上面の出射部に向かう。そして、第1の導光部材2Aの出射部へと向かう強い光は、該第1の導光部材2Aの出射部に形成された2次屈折面2cを通過することによって屈折してLED5の光軸と平行な平行光となって図5及び図6の垂直上方に出射する。
【0038】
而して、上記平行光は、第2の導光部材2Bの貫通孔2dに臨む反射材3の凸部3Aの左右の反射面3bで略直角に反射し、第2の導光部材2Bの貫通孔2dの周面(入射面)から該第2の反射材内2Bに浅い角度で略水平に入射し、第2の導光部材2B内を乱反射しながら遠くまで導かれる。このため、今まで効率的に利用されていなかったLED5の中心から出射する強い光は、発光エリアが拡大して強さが均一化されるとともに、色ムラが軽減される。そして、第2の導光部材2Bの内部を遠くまで導かれる光は、その過程において第2の導光部材2Bの出射面からエンブレム10に向かって出射し、反射材3のスリット3aとこれに連なるエンブレム10の透光部10bを通過することによってエンブレム10の透光部10bの周縁を発光させる。
【0039】
又、LED5からの光のうち、第1の導光部材2Aの1次屈折面2bから外れた光は、第1の導光部材2Aの凹部2aの周面を入射面として該第1の導光部材2Aの内部に入射し、該第1の導光部材2Aと第2の導光部材2Bの内部を乱反射しながら強さが均一化されつつ進む。この場合、本実施の形態では、第1の導光部材2Aと第2の導光部材2Bのエンブレム10の透光部10bに対応する位置(図2のa〜dにて示す位置)にシボ加工を施したため、光はシボ加工によって反射及び拡散し、この反射及び拡散した光は、図5に示すように反射材3のスリット3aとエンブレム10の透光部10bを通過し、この光によってエンブレム10の透光部10bの周縁が効果的に発光する。特に、本実施の形態では、第1の導光部材2Aの第1屈折面2Bから外れた光は、深い角度で屈折することによって近場(LED5近傍の中心部分)を効率良く照らし出すことができる。
【0040】
ところで、本実施の形態においては、LED5を実装する基板4と第1の導光部材2Aとの間に反射材3を介装したため、第1の導光部材2A内に入射した光は、反射材3によって第1の導光部材2Aと第2の導光部材2B内で反射して強さが導光板2の長手方向に均一化される。そして、本実施の形態では、導光板2の周囲を反射材3で囲んだため、導光板2の周囲から外部への光の出射を防いでLED5からの光をエンブレム10の発光に一層効率良く利用することができ、LED5からの光の全てを導光板2内で乱反射させて均一化し、その色ムラを一層効果的に軽減することができる。
【0041】
又、本発明に係るエンブレム発光装置1によれば、LED5を実装する基板4をレイアウト的に大きくすることができるため、LED5からの熱を大きな面積(放熱面積)の基板4から効率良く放熱させることができ、当該エンブレム発光装置1の放熱性が高められてLED5が効率良く冷却され、その温度上昇が抑えられる。特に、本実施の形態では、第1の導光部材2Aの裏面に凹部2aを形成し、この凹部2aにLED5を配置したため、LED5の側方から出射される光を第1の導光部材2Aの凹部2aから導光板2内へと入射させることができ、レイアウト的に当該エンブレム発光装置1を小型化することができる。
【0042】
尚、以上の実施の形態では、エンブレム10と導光板2(第2の導光部材2B)との間に反射材3を介装したが、この反射材3に代えて拡散材を介装しても良い。
【0043】
又、以上の実施の形態では、第1の導光部材2Aの1次屈折面2bは、LED5の光軸を地位新として左右に15°の角度範囲に形成したが、エンブレム10の透光部が光源の光軸の遠方から近傍にかけて連続して点在するような場合には、第1の導光部材2Aの1次屈折面2bは、LED5の光軸を中心として左右の40°の角度範囲に形成しても良い。この場合、光源の光軸から近いエンブレム10の透光部に対応する、第2の導光部材2Bに施されたシボ加工の密度を高く、光源の光軸から遠いエンブレム10の透光部に対応する、第2の導光部材2Bに施されたシボ加工の密度を低くすることにより、エンブレム10の複数の透光部のうち、光源の光軸から遠い位置にある透光部から照射する光が強くなるとともに、光源の光軸から近い位置にある透光部から照射する光が少しずつ弱くなり、グラデーションのような発光をさせつつ色ムラを効果的に軽減させることができるものとなる。
【符号の説明】
【0044】
1 エンブレム発光装置
2 導光板
2A 導光板の第1の導光部材
2B 導光板の第2の導光部材
2a 導光板の凹部
2b 第1の導光部材の1次屈折面
2c 第1の導光部材の2次屈折面
2d 第2の導光部材の貫通孔
3 反射材
3A 反射材の凸部
3a 反射材のスリット
3b 凸部の反射面
4 基板
5 LED
10 エンブレム
10a エンブレムの遮光部
10b エンブレムの透光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8