【実施例1】
【0010】
本実施例では、お客様の要望によって、オプション部品である電気加熱器、温水加熱器、蒸気加熱器等の加熱ユニットを容易に取付けできる空気調和機の例を説明する。この加熱ユニットは暖房目的で冷房専用の空気調和機に取り付けるものであり、たとえば工場などに設置される設備用の床置型の空気調和機の場合には、工場より、廃棄(余剰)となる温水・蒸気・電気があるため、加熱ユニットによりこれらを有効利用し各エネルギ−を熱エネルギ−に変換して使用するものである。
【0011】
図示はしていないが、温水加熱器・蒸気加熱器は一般的な熱交換器と同様にフィンと配管、外枠を板金で構成されるもので、配管の中を温水加熱器であれば温水が、蒸気加熱器であれば蒸気が通ることで熱交換が行われる。また、電気加熱器は抵抗発熱線(ニクロム線)に通電され電気エネルギ-を熱エネルギ−に変え、その発熱を利用するものである。
【0012】
図1、
図2は、本実施例の空気調和機本体の加熱ユニット14が取り付けられていない状態における全体斜視図、概要図(側面図)である。空気調和機において、標準形態は背面に設けられた吸込口1より空気を吸込み、吸い込まれた空気はエア−フィルタ2を通過した後、熱交換ユニット3を通り、キャビネット4の上方に配置された送風機5によって吹出口6より室外に吹出される。キャビネット4の下方には電動機7、キャビネット4内には電気部品が収納された電気品箱8が配置されている。送風機5は空気を吸込んで外部(ここでは上方向)に吹出し、送風機5は電動機7によって駆動される。キャビネット4、送風機5、吹出口6、電動機7、電気品箱8から成る空間をまとめて送風ユニット9と呼ぶ。
【0013】
また熱交換ユニット3は、送風機5により吸い込まれる空気と熱交換を行う熱交換器と、該熱交換器よりも下側に配置され、熱交換器で発生するドレン水を回収する熱交換器用ドレンパン11と、熱交換器用ドレンパン11で回収されたドレン水を外部に排出する排出口13と、を備えている。
【0014】
熱交換ユニット3と送風ユニット9の連結は、ボルト(ネジ)止めにて容易に固定できる構造を採用している。送風ユニット9、熱交換ユニット3のそれぞれ下方には冷房運転時に発生するドレン水を捕集するための送風ユニット用ドレンパン10、熱交換ユニット用ドレンパン11が配置されている。つまり、加熱ユニット14を取り付けることがなければ、これらのドレンパンは共通のもので構わないが、後で説明するように送風ユニット9から熱交換ユニット3を取り外す場合があるため、それぞれにドレンパンが必要あるものである。
【0015】
また、送風ユニット8には送風ユニット用ドレンパン10で回収したドレン水を外部に排出するための送風ユニット用排水口12が設けられ、この送風ユニット用排水口12が最下部となるように送風ユニット用ドレンパン10が傾斜している。同様に熱交換ユニット3には熱交換ユニット用ドレンパン11で回収したドレン水を外部に排出するための熱交換ユニット用排水口13が設けられ、この熱交換ユニット用排水口13が最下部となるように熱交換ユニット用ドレンパン11が傾斜している。なお、主としてドレン水は熱交換ユニット3で発生するため、より多くのドレン水が熱交換ユニット用排水口13から排出される。
【0016】
ここで、送風ユニット9側には熱交ユニットと連結されたサイクル配管が配置されるため、そのサイクル配管にも冷房運転時には僅かながら結露水が付着する。よって、この結露水を溜めるために送風ユニット9側にもドレンパン10が必要となるものである。図においてドレンパン11の方がドレンパン10よりも大きくなっているのは、送風機5の大きさによるものであり、主というのはドレン水量が大きいことを意味する。すなわち、ドレン水の保有量はドレンパン10>ドレンパン11の関係となる。
【0017】
次にオプション部品として電気加熱器、温水加熱器、蒸気加熱器等の加熱ユニット14を空気調和機に取り付けた場合について説明する。ここで加熱ユニット14の配置は熱交換ユニット3の1次側(吸込み側)に配置する構成も考えられるが再加熱用として代用し加湿したい場合もあるため2次側(吐出し側)に配置する必要がある。また熱交換ユニット3は、送風ユニット9から取り外し可能な構成とすることで、熱交換ユニット3、送風ユニット9とをそれぞれ分割して搬入することができ、搬入を容易に行うことができる。
【0018】
図3は、加熱ユニット14を空気調和機に取り付けた状態を示す概要図(側面図)である。
図3に示すように、熱交換ユニット3と送風ユニット9の間に加熱ユニット14が配置されている。空気の流れは
図1と同じため説明を省略する。また、加熱ユニット14の連結も熱交換ユニット3と送風ユニット9の連結と同様にボルト(ネジ)止めで固定できるため容易に取付け、取外し作業が可能である。そして熱交換ユニット3を送風ユニット9から取り外した状態において、送風ユニット9は加熱ユニット14がたとえばボルト(ネジ)止めで固定することで接続可能な構成となっている。
【0019】
このように加熱ユニット14を送風ユニット9に取り付けた状態で、この加熱ユニット14に熱交換ユニット3がたとえばボルト(ネジ)止めで固定することで接続可能な構成となっている。このようにすることで、ユーザの必要に応じて容易に加熱ユニットを空気調和機に取り付けることが可能である。
【0020】
ここで、加熱ユニット14の下方には排水口が備わっておらず、ドレンパン15のみが配置されている。熱交換ユニット3より発生したドレン水が加熱ユニット14側へ飛散した場合、加熱ユニット14の下方に配置されたドレンパン15に集まったドレン水をどのように機外へ排出するかが問題となる。あるいは、加熱ユニットに温水加熱器を選択した場合、温水加熱器の配管部に穴が空いて温水が飛び出た場合にこれをドレンパン15で受ける場合にも同様の問題が発生する。上記したように主たるドレン水の排水口は、熱交換ユニット用排水口13である。なお、この構造については何れの加熱器を搭載した場合においても同様である。
【0021】
そこで
図4に示すように熱交換ユニット3より発生したドレン水は、ドレンパン15に一度溜まるが、ドレンパン15を熱交換ユニット用ドレンパン11にむかって傾斜するように構成することで、この勾配により熱交換ユニット用ドレンパン11で回収することが可能となる。つまり、ドレンパン15の出口側を熱交ユニット用のドレンパン11の上になるように配置するものである。
【0022】
なお、ここでは熱交換ユニット用ドレンパン11で回収することを示したが、これを送風ユニット用ドレンパン10にむかって傾斜するように構成することで、ドレンパン15で回収したドレン水を送風ユニット用ドレンパン10に移動可能に構成し、送風ユニット用排出口12から排出するようにしてもよい。