特許第5951428号(P5951428)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5951428
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/00 20110101AFI20160630BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20160630BHJP
   F24F 13/30 20060101ALI20160630BHJP
【FI】
   F24F1/00 341
   F24F1/00 361B
   F24F1/00 361D
   F24F1/00 391A
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-211668(P2012-211668)
(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公開番号】特開2014-66423(P2014-66423A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2015年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】515294031
【氏名又は名称】ジョンソンコントロールズ ヒタチ エア コンディショニング テクノロジー(ホンコン)リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】橋本 裕太
(72)【発明者】
【氏名】荻巣 宏幸
【審査官】 佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−085299(JP,A)
【文献】 特開2008−261541(JP,A)
【文献】 実開昭60−130331(JP,U)
【文献】 特開2001−090976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00
F24F 13/22
F24F 13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吸込んで外部に吹出す送風機と、該送風機を駆動する電動機と、を備えた送風ユニットと、
前記送風機により吸い込まれる空気と熱交換を行う熱交換器と、該熱交換器よりも下側に配置され、前記熱交換器で発生するドレン水を回収する熱交換器用ドレンパンと、該熱交換器用ドレンパンで回収されたドレン水を外部に排出する排出口と、を備え、前記送風ユニットと接続された熱交換ユニットと、を備えた空気調和機において、
前記熱交換ユニットは、前記送風ユニットから取り外し可能な構成であり、
前記送風ユニットは、該送風ユニットで発生したドレン水を回収する送風ユニット用ドレンパンと、該送風ユニット用ドレンパンで回収されたドレン水を外部に排出する送風ユニット用排出口と、をえ、
前記熱交換ユニットは、該熱交換ユニットで発生したドレン水を回収する熱交換ユニット用ドレンパンと、該熱交換ユニット用ドレンパンで回収されたドレン水を外部に排出する熱交換ユニット用排出口と、をえ、
前記熱交換ユニットを前記送風ユニットから取り外した状態において、前記送風ユニットは加熱ユニットが接続可能な構成であるとともに、
前記加熱ユニットは前記熱交換ユニットが接続可能な構成であり、且つ前記加熱ユニットは、該加熱ユニットで発生したドレン水を回収するドレンパンを備え、該ドレンパンで回収したドレン水を前記熱交換ユニット用ドレンパン又は前記送風ユニット用ドレンパンに移動可能に構成されることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気調和機において、
前記熱交換ユニットは、前記送風ユニットにボルトによって接続され、該ボルトを外すことにより前記送風ユニットから取り外しが可能であることを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関し、特に熱交換器の2次側に電気加熱器、温水加熱器、蒸気加熱器等の加熱ユニットを取付け可能な空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大型設備用空気調和機の室内機においては、以前より大型化を小型化へ、搬入性改善ということが要求されている。空気調和機の基本構成としては吸込口を有した熱交換ユニット、吹出口を有した送風ユニットであり、特開平8−312994号公報(特許文献1)には、「送風ユニット、熱交換ユニットをそれぞれが独立した枠体に連結できるよう、各ユニットに連結部材取付部分を設け、それぞれを連結部材で自由に連結できる構造とする。」と記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−312994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
設備用空気調和機においては、そのオプション部品として電気加熱器、温水加熱器、蒸気加熱器などの加熱ユニットを取付けが必要となる場合があるが、この加熱ユニットの取り付けについて何ら特許文献1には開示されていない。また、空気調和機においては熱交換ユニットだけでなく送風ユニットにおいてもドレン水が発生するためにこれを回収する必要があるが、特許文献1には送風ユニットで発生するドレン水については何ら考慮されていない。
【0005】
そこで、本発明は上記加熱ユニットの取り付けを容易に行うことのでき、熱交換ユニット及び送風ユニットで発生するドレン水の排出が可能な空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、「空気を吸込んで外部に吹出す送風機と、該送風機を駆動する電動機と、を備えた送風ユニットと、前記送風機により吸い込まれる空気と熱交換を行う熱交換器と、該熱交換器よりも下側に配置され、前記熱交換器で発生するドレン水を回収する熱交換器用ドレンパンと、該熱交換器用ドレンパンで回収されたドレン水を外部に排出する排出口と、を備え、前記送風ユニットと接続された熱交換ユニットと、を備えた空気調和機において、前記熱交換ユニットは、前記送風ユニットから取り外し可能な構成であり、前記送風ユニットは、該送風ユニットで発生したドレン水を回収する送風ユニット用ドレンパンと、該送風ユニット用ドレンパンで回収されたドレン水を外部に排出する送風ユニット用排出口と、をえ、前記熱交換ユニットは、該熱交換ユニットで発生したドレン水を回収する熱交換ユニット用ドレンパンと、該熱交換ユニット用ドレンパンで回収されたドレン水を外部に排出する熱交換ユニット用排出口と、をえ、前記熱交換ユニットを前記送風ユニットから取り外した状態において、前記送風ユニットは加熱ユニットが接続可能な構成であるとともに、前記加熱ユニットは前記熱交換ユニットが接続可能な構成であり、前記加熱ユニットは、該加熱ユニットで発生したドレン水を回収するドレンパンを備え、該ドレンパンで回収したドレン水を前記熱交換ユニット用ドレンパン又は前記送風ユニット用ドレンパンに移動可能に構成されること」を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば加熱ユニットの取り付けを容易に行うことのでき、熱交換ユニット及び送風ユニットで発生するドレン水の排出が可能な空気調和機を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例を適用した空気調和機本体の標準形態での全体斜視図である。
図2】本発明の実施例を適用した空気調和機本体の標準形態での概要図(側面図)である。
図3】本発明の実施例を適用した空気調和機本体のオプション形態での概要図(側面図)である。
図4】本発明の実施例を適用した空気調和機本体のオプション形態でのドレンパン形状図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
本実施例では、お客様の要望によって、オプション部品である電気加熱器、温水加熱器、蒸気加熱器等の加熱ユニットを容易に取付けできる空気調和機の例を説明する。この加熱ユニットは暖房目的で冷房専用の空気調和機に取り付けるものであり、たとえば工場などに設置される設備用の床置型の空気調和機の場合には、工場より、廃棄(余剰)となる温水・蒸気・電気があるため、加熱ユニットによりこれらを有効利用し各エネルギ−を熱エネルギ−に変換して使用するものである。
【0011】
図示はしていないが、温水加熱器・蒸気加熱器は一般的な熱交換器と同様にフィンと配管、外枠を板金で構成されるもので、配管の中を温水加熱器であれば温水が、蒸気加熱器であれば蒸気が通ることで熱交換が行われる。また、電気加熱器は抵抗発熱線(ニクロム線)に通電され電気エネルギ-を熱エネルギ−に変え、その発熱を利用するものである。
【0012】
図1図2は、本実施例の空気調和機本体の加熱ユニット14が取り付けられていない状態における全体斜視図、概要図(側面図)である。空気調和機において、標準形態は背面に設けられた吸込口1より空気を吸込み、吸い込まれた空気はエア−フィルタ2を通過した後、熱交換ユニット3を通り、キャビネット4の上方に配置された送風機5によって吹出口6より室外に吹出される。キャビネット4の下方には電動機7、キャビネット4内には電気部品が収納された電気品箱8が配置されている。送風機5は空気を吸込んで外部(ここでは上方向)に吹出し、送風機5は電動機7によって駆動される。キャビネット4、送風機5、吹出口6、電動機7、電気品箱8から成る空間をまとめて送風ユニット9と呼ぶ。
【0013】
また熱交換ユニット3は、送風機5により吸い込まれる空気と熱交換を行う熱交換器と、該熱交換器よりも下側に配置され、熱交換器で発生するドレン水を回収する熱交換器用ドレンパン11と、熱交換器用ドレンパン11で回収されたドレン水を外部に排出する排出口13と、を備えている。
【0014】
熱交換ユニット3と送風ユニット9の連結は、ボルト(ネジ)止めにて容易に固定できる構造を採用している。送風ユニット9、熱交換ユニット3のそれぞれ下方には冷房運転時に発生するドレン水を捕集するための送風ユニット用ドレンパン10、熱交換ユニット用ドレンパン11が配置されている。つまり、加熱ユニット14を取り付けることがなければ、これらのドレンパンは共通のもので構わないが、後で説明するように送風ユニット9から熱交換ユニット3を取り外す場合があるため、それぞれにドレンパンが必要あるものである。
【0015】
また、送風ユニット8には送風ユニット用ドレンパン10で回収したドレン水を外部に排出するための送風ユニット用排水口12が設けられ、この送風ユニット用排水口12が最下部となるように送風ユニット用ドレンパン10が傾斜している。同様に熱交換ユニット3には熱交換ユニット用ドレンパン11で回収したドレン水を外部に排出するための熱交換ユニット用排水口13が設けられ、この熱交換ユニット用排水口13が最下部となるように熱交換ユニット用ドレンパン11が傾斜している。なお、主としてドレン水は熱交換ユニット3で発生するため、より多くのドレン水が熱交換ユニット用排水口13から排出される。
【0016】
ここで、送風ユニット9側には熱交ユニットと連結されたサイクル配管が配置されるため、そのサイクル配管にも冷房運転時には僅かながら結露水が付着する。よって、この結露水を溜めるために送風ユニット9側にもドレンパン10が必要となるものである。図においてドレンパン11の方がドレンパン10よりも大きくなっているのは、送風機5の大きさによるものであり、主というのはドレン水量が大きいことを意味する。すなわち、ドレン水の保有量はドレンパン10>ドレンパン11の関係となる。
【0017】
次にオプション部品として電気加熱器、温水加熱器、蒸気加熱器等の加熱ユニット14を空気調和機に取り付けた場合について説明する。ここで加熱ユニット14の配置は熱交換ユニット3の1次側(吸込み側)に配置する構成も考えられるが再加熱用として代用し加湿したい場合もあるため2次側(吐出し側)に配置する必要がある。また熱交換ユニット3は、送風ユニット9から取り外し可能な構成とすることで、熱交換ユニット3、送風ユニット9とをそれぞれ分割して搬入することができ、搬入を容易に行うことができる。
【0018】
図3は、加熱ユニット14を空気調和機に取り付けた状態を示す概要図(側面図)である。図3に示すように、熱交換ユニット3と送風ユニット9の間に加熱ユニット14が配置されている。空気の流れは図1と同じため説明を省略する。また、加熱ユニット14の連結も熱交換ユニット3と送風ユニット9の連結と同様にボルト(ネジ)止めで固定できるため容易に取付け、取外し作業が可能である。そして熱交換ユニット3を送風ユニット9から取り外した状態において、送風ユニット9は加熱ユニット14がたとえばボルト(ネジ)止めで固定することで接続可能な構成となっている。
【0019】
このように加熱ユニット14を送風ユニット9に取り付けた状態で、この加熱ユニット14に熱交換ユニット3がたとえばボルト(ネジ)止めで固定することで接続可能な構成となっている。このようにすることで、ユーザの必要に応じて容易に加熱ユニットを空気調和機に取り付けることが可能である。
【0020】
ここで、加熱ユニット14の下方には排水口が備わっておらず、ドレンパン15のみが配置されている。熱交換ユニット3より発生したドレン水が加熱ユニット14側へ飛散した場合、加熱ユニット14の下方に配置されたドレンパン15に集まったドレン水をどのように機外へ排出するかが問題となる。あるいは、加熱ユニットに温水加熱器を選択した場合、温水加熱器の配管部に穴が空いて温水が飛び出た場合にこれをドレンパン15で受ける場合にも同様の問題が発生する。上記したように主たるドレン水の排水口は、熱交換ユニット用排水口13である。なお、この構造については何れの加熱器を搭載した場合においても同様である。
【0021】
そこで図4に示すように熱交換ユニット3より発生したドレン水は、ドレンパン15に一度溜まるが、ドレンパン15を熱交換ユニット用ドレンパン11にむかって傾斜するように構成することで、この勾配により熱交換ユニット用ドレンパン11で回収することが可能となる。つまり、ドレンパン15の出口側を熱交ユニット用のドレンパン11の上になるように配置するものである。
【0022】
なお、ここでは熱交換ユニット用ドレンパン11で回収することを示したが、これを送風ユニット用ドレンパン10にむかって傾斜するように構成することで、ドレンパン15で回収したドレン水を送風ユニット用ドレンパン10に移動可能に構成し、送風ユニット用排出口12から排出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0023】
1:吸込口
2:エア−フィルタ
3:熱交換ユニット
4:キャビネット
5:送風機
6:吹出口
7:電動機
8:電気品箱
9:送風ユニット
10:送風ユニット用ドレンパン
11:熱交換ユニット用ドレンパン
12:送風ユニット用排水口
13:熱交換ユニット用排水口
14:加熱ユニット
15:ドレンパン(加熱ユニット用)
図1
図2
図3
図4