(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5951432
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】駐車場システム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20160630BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20160630BHJP
【FI】
G07B15/00 N
G07B15/00 501
G06Q50/10
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-216454(P2012-216454)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-71607(P2014-71607A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智
(72)【発明者】
【氏名】金森 崇
【審査官】
小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−317098(JP,A)
【文献】
特開平10−283516(JP,A)
【文献】
特開2002−109589(JP,A)
【文献】
特開平10−275257(JP,A)
【文献】
特開2011−253295(JP,A)
【文献】
特開2003−346203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に駐車した車両の入出庫を検出する車両検出装置と、
前記車両検出装置により検出された料金未納車両の料金未納情報を記録する料金未納管理データベースと、
前記料金未納管理データベースに記録された料金未納情報に基づいて精算処理を行う精算機と、を備え、
前記精算機は、前記車両検出装置により検出された前記料金未納車両が一定の待機時間内に再入庫した場合、継続駐車と判断し、前記料金未納管理データベースに記録された料金未納情報を削除することを特徴とする駐車場システム。
【請求項2】
前記精算機は、前記一定の待機時間内に料金未納で出庫した車両の再入庫が確認されない場合に、不正駐車として取り扱うことを特徴とする請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項3】
前記精算機は、前記料金未納管理データベースに記録された料金未納車両についての車両特定情報の入力を受け付ける精算入力部を備え、
前記精算機は、前記精算入力部において入力された車両特定情報に対応する料金未納車両に対する精算処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駐車場システム。
【請求項4】
前記精算機は、料金未納で出庫した車両を確認した後、前記一定の待機時間内に入庫した車両があった場合に、料金未納で出庫した車両が再入庫した継続駐車であるか別の車両が新たに入庫した新規駐車であるかを判断することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項5】
前記精算機は、新規駐車であると判断した場合に、前記料金未納管理データベースに料金未納情報の記録をそのまま残すことを特徴とする請求項4に記載の駐車場システム。
【請求項6】
前記料金未納情報を報知する報知手段を前記駐車場の車室に対応して備え、
前記精算機は、前記駐車場の車室に駐車した車両について前記料金未納管理データベースに料金未納情報がある場合は、前記報知手段により料金未納がある旨を報知することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項7】
前記駐車場の車室に駐車する車両の車番プレートを撮影してこの撮影画像に基づいて前記車番プレートのプレート情報を認識する車番認識装置を備え、
前記料金未納管理データベースは、前記車番認識装置により認識されたプレート情報を車両の車両特定情報として記録することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項8】
複数の駐車場を管理する駐車場管理サーバを備え、
前記複数の駐車場に設置される前記料金未納管理データベースの料金未納情報は、前記駐車場管理サーバに送られることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項9】
前記複数の駐車場のうち一の駐車場に設置される前記精算機は、料金未納情報を前記駐車場管理サーバから検索し、この料金未納情報に基づいて料金未納車両に対する精算処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の駐車場システム。
【請求項10】
前記精算機は、前記駐車場管理サーバから検索した結果、自己が設置された駐車場の車室に駐車した車両について料金未納情報がある場合は、料金未納がある旨を報知することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の駐車場システム。
【請求項11】
前記料金未納管理データベースの料金未納情報は、一定期間経過後に削除することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車場システムに係り、特に、一時的に車両を出庫させた場合でも、駐車料金の精算を行うことを可能とした駐車場システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、時間貸し駐車場に設置される駐車場システムとしては、例えば、駐車場の車室ごとに、車両検出器、ロック板などを設置し、駐車車両を検出して一定時間経過するとロック板を上昇させて退出を阻止するとともに駐車時間の計測を始め、精算機により駐車料金が精算されるとロック板が下降して退出を許可するようにしたものがある。
【0003】
このような駐車場においては、駐車場管理センターと通話およびデータ通信が可能であり、精算機は、駐車場管理センターから遠隔操作可能に接続され、装置故障の際に利用者からの連絡や苦情を受け付けたり、精算機の使用方法などを、駐車場管理センターのオペレータから利用者が通話しながら説明を受けたり、さらに監視カメラによる現場画像の確認や、必要であれば適切な遠隔操作処理を行うことができるようになっており、不慮の機器故障や何らかのトラブルに対して係員の到着を待つことなく遠隔で適切な処理が可能となっている。
【0004】
このような駐車場管理センターにより精算機を遠隔操作することができるようにした駐車場システムとして、従来、例えば、駐車料金の精算を済ませると、車両の出庫を許可する駐車料金精算機に、メンテナンスサービスセンターあるいは他の駐車場管理機関より遠隔操作により、駐車料金を一時的に減額し、この減額した駐車料金の精算が済んだ場合に、車両の出庫を許可する減額精算モードを設けるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、その他の駐車場システムとしては、従来、例えば、駐車場管理センターの操作により有効化する振替え精算モードを駐車料金精算機に設け、利用者のその時点での料金精算額を状況に応じて、真の車室分として精算処理を完了することを可能にし、その際に誤精算によって多く支払い過ぎた分の差額を印字した差額の預かり証明をレシートプリンタで作成して発行し、そこには預かり金内容を識別する個別のコードや、次回利用方法なども記載し、その内容は駐車場管理サーバーの預かり証明に記録する。また、預かり金の割引精算は、当該駐車料金精算機または他の駐車場の駐車料金精算機において特別な操作を行ったうえで、次回以降の精算において料金割引として返金処理ができるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−299552号公報
【特許文献2】特開2009−009303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1および特許文献2に記載の技術においては、駐車場管理センターによる遠隔操作により、各種操作を行うことができるものであるが、例えば、荷物の積み卸しなどを行うために、一時的に車両を車室から出庫させた場合に、駐車料金を精算していない未払いの出庫であるにもかかわらず、出庫から一定時間経過してしまうと、精算機に記録されている駐車車室や駐車時間などの駐車情報がリセットされてしまい、利用者が精算することができなくなってしまうという問題を有している。また、駐車場管理センターのオペレータとの通話により精算しようとしても、すでに駐車情報がリセットされてしまっているため、やはり精算することができなくなってしまうという問題を有している。
【0008】
近年、駐車場にロック板を設置せずに、車室に駐車した車両の車番プレートのプレート情報を読み取り、このプレート情報に基づいて駐車情報の管理を行うようにした駐車場が設けられるようになってきており、このような駐車場では、車両が容易に車室から出庫できてしまうため、このような問題の解決が望まれていた。
【0009】
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、一時的に車両を出庫させた場合でも、駐車料金の精算を行うことのできる駐車場システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1の発明に係る駐車場システムは、
駐車場に駐車した車両の入出庫を検出する車両検出装置と、前記車両検出装置により
検出された料金未納車両
の料金未納情報を記録する料金未納管理データベースと、
前記料金未納管理データベースに記録された料金未納情報に基づいて精算処理を行う精算機と、を備え、
前記精算機は、
前記車両検出装置により検出された前記料金未納車両が一定の待機時間内に再入庫した場合、継続駐車と判断し、前記料金未納管理データベースに記録された料金未納情報を削除することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記精算機は、前記一定の待機時間内に料金未納で出庫した車両の再入庫が確認されない場合に、不正駐車として取り扱うことを特徴とする。
【0011】
請求項
3に係る発明は、請求項1
または請求項2において、前記精算機は、
前記料金未納管理データベースに記録された料金未納車両についての車両
特定情報
の入力
を受け付ける精算入力部を備え
、前記精算機は、前記
精算入力部に
おいて入力された
車両特定情報に対応する料金未納車両に対する精算処理を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項
1から請求項3のいずれか一項において、前記精算機は、
料金未納で出庫した車両を確認した後、前記一定の待機時間内に入庫した車両があった場合に、料金未納で出庫した車両が再入庫した継続駐車であるか
別の車両が新たに入庫した新規駐車であるかを判断することを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項4において、前記精算機は、
新規駐車であると判断した場合に、前記料金未納
管理データベースに料金未納情報
の記録
をそのまま残すことを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項
1から請求項5のいずれか一項
において、前記料金未納情報を報知する報知手段を
前記駐車場の車室に対応して備え、前記精算機は、
前記駐車場の車室に駐車した車両について前記料金未納管理データベース
に料金未納情報がある場合は、前記報知手段により料金未納がある旨を報知することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項において、前記駐車場の車室に駐車する車両の車番プレートを撮影してこの撮影画像に基づいて前記車番プレートのプレート情報を認識する車番認識装置を備え、前記料金未納管理データベースは、前記車番認識装置により認識されたプレート情報を車両の車両特定情報として記録することを特徴とする。
【0016】
請求項
8に係る発明は、請求項1
から請求項7のいずれか一項において、複数の駐車場を管理する駐車場管理サーバを備え、
前記複数の駐車場に設置される前記料金未納管理データベースの料金未納情報は、前記駐車場管理サーバに送られることを特徴とする。
【0017】
請求項
9に係る発明は、請求項
8において、
前記複数の駐車場のうち一の駐車場に設置される前記精算機は、
料金未納情報を前記駐車場管理サーバから検索し、この料金未納情報に基づいて料金未納車両に対する精算処理を行うことを特徴とする。
【0018】
請求項
10に係る発明は、請求項
8または請求項9において、前記精算機は、前記駐車場管理サーバから
検索し
た結果、自己が設置された駐車場の車室に駐車した車両について料金未納情報がある場合は、
料金未納がある旨を報知することを特徴とする。
【0019】
請求項
11に係る発明は、請求項1から請求項
10のいずれか一項において、前記料金未納管理データベースの料金未納情報は、一定期間経過後に削除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る発明によれば、精算機により、料金未納管理データベースに記録された料金未納情報に基づいて料金未納車両に対する精算処理を行う
に際して、料金未納車両が一定の待機時間内に再入庫した場合、継続駐車と判断し、料金未納管理データベースに記録された料金未納情報を削除するようにしているので、
車両が継続駐車であるか否かに応じて駐車料金の精算を行うことができ、使い勝手を著しく向上させることができる。
【0021】
請求項
3に係る発明によれば、
精算入力部に
おいて入力された車両特定情報に対応する
料金未納車両に対する精算処理を行うようにしているので、利用者が
精算入力部により車両特定情報を入力操作することにより、一時的に車両を出庫させた場合でも、後に、駐車料金の精算を行うことができ、使い勝手を著しく向上させることができる。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、精算機により、
料金未納で出庫した車両を確認した後、一定の待機時間内に入庫した車両があった場合に、料金未納で出庫した車両が再入庫した継続駐車であるか
別の車両が新たに入庫した新規駐車であるかを判断するようにしているので、車両が継続駐車であるか新規駐車であるかに応じて料金未納処理を行うことができる。
【0024】
請求項5に係る発明によれば、精算機により、
新規駐車であると判断した場合に、料金未納
管理データベースに料金未納情報
の記録
をそのまま残すようにしているので、新規駐車と判断した場合に、料金未納情報に基づいて料金未納処理を行うことができる。
【0025】
請求項6に係る発明によれば、精算機により、
駐車場の車室に駐車した車両について料金未納管理データベース
に料金未納情報がある場合は、報知手段により料金未納がある旨を報知するようにしているので、
利用者に料金未納がある旨を知らせることができる。
請求項7に係る発明によれば、料金未納管理データベースにより、車番認識装置により認識されたプレート情報を車両の車両特定情報として記録するようにしているので、車番認識装置により認識されたプレート情報に基づいて、駐車料金の精算を行うことができる。
【0026】
請求項
8に係る発明によれば、料金未納管理データベースの料金未納情報を、複数の駐車場を管理する駐車場管理サーバに送るようにしているので、駐車場管理サーバが管理する駐車場において、料金未納情報を検索することができ、駐車した駐車場と異なる駐車場においても、後に、駐車料金の精算を行うことができ、使い勝手を著しく向上させることができる。
【0027】
請求項
9に係る発明によれば、精算機により、
料金未納情報を駐車場管理サーバから検索し、この料金未納情報に基づいて料金未納車両に対する精算処理を行うようにしているので、
駐車場管理サーバから料金未納情報を検索することができ、駐車した駐車場と異なる駐車場においても後に、駐車料金の精算を行うことができ、使い勝手を著しく向上させることができる。
【0028】
請求項
10に係る発明によれば、駐車場管理サーバから
検索し
た結果、精算機が設置された駐車場の車室に駐車した車両について料金未納情報がある場合は、
料金未納がある旨を報知するようにしているので、駐車場管理サーバが管理する駐車場において、料金未納情報を検索することができ、駐車した駐車場と異なる駐車場においても、料金未納がある旨を利用者に知らせることができる。
【0029】
請求項
11に係る発明によれば、料金未納管理データベースの料金未納情報は、一定期間経過後に削除するようにしているので、料金未納管理データベースの記録容量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に係る駐車場システムの実施形態を示す概略構成図である。
【
図2】本発明に係る駐車場システムの実施形態における制御構成を示す概略構成図である。
【
図3】本発明に係る駐車場システムの実施形態における入場動作を示すフローチャートである。
【
図4】本発明に係る駐車場システムの実施形態における料金未納判断動作を示すフローチャートである。
【
図5】本発明に係る駐車場システムの実施形態における料金未納情報がある状態で駐車した場合の報知動作を示すフローチャートである。
【
図6】本発明に係る駐車場システムの実施形態における料金未納情報がある状態で駐車した場合の精算動作を示すフローチャートである。
【
図7】本発明に係る駐車場システムの実施形態における料金未納情報がある状態で利用者による精算動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0032】
図1は本発明に係る駐車場システムの第1実施形態を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態の駐車場システムにおける駐車場は、車両1を駐車させるための複数の車室2を備えており、各車室2には、端末装置3がそれぞれ設置されている。また、各車室2には、車両1が入出庫したことを検出するための車両検出装置としての車両センサ4が設置されている。さらに、駐車場には、駐車場利用者が駐車料金の精算を行うための精算機5が設置されており、本実施形態においては、精算機5には、車番認識装置6が内蔵されている。
【0033】
次に、本発明の制御構成について、
図2を参照して説明する。
【0034】
端末装置3には、端末装置3の各種制御を行う端末制御部7が設けられており、端末装置3には、精算機5との間で通信を行う端末通信部8が設けられている。また、端末装置3には、車室2に駐車する車両1の車番プレートを撮影するためのカメラ9が設置されており、端末装置3には、カメラ9により撮影された撮影画像を取得する画像取得部10が設けられている。また、端末装置3には、駐車料金の未納情報を表示する報知手段としての端末表示部11が設けられており、端末装置3には、入力部としての端末入力部12が設けられている。
【0035】
また、車両センサ4による車両1の検出信号は、端末装置3に送られるように構成されており、画像取得部10は、車両センサ4による車両1の検出信号が端末装置3に送られた場合に、カメラ9の撮影画像を取得して、端末通信部8を介して精算機5に送るように構成されている。
【0036】
また、車番認識装置6には、各種制御を行う車番認識制御部13が設けられている。また、車番認識装置6には、画像処理部14が設けられており、この画像処理部14は、端末装置3から送られる撮影画像を画像処理して車番プレートの車両特定情報としてのプレート情報をテキストデータ化するように構成されている。車番認識装置6には、画像処理部14によりテキストデータ化されたプレート情報を記録するプレート情報データベース15が設けられており、プレート情報データベース15には、テキストデータ化されたプレート情報は、陸運支局コード、車種コード、用途コード、一連番号に分類して記録されるように構成されている。
【0037】
また、精算機5には、精算などの各種処理を行う精算制御部16が設けられており、精算機5には、端末装置3との間で通信を行う精算通信部17が設けられている。また、精算機5には、駐車料金の精算処理を行うための精算部18が設けられており、精算機5には、駐車場の利用者が車室番号などを入力して精算処理を行うための精算入力部19が設けられている。精算機5には、精算時に所定の表示を行う精算表示部20が設けられており、精算機5には、駐車料金の未納情報を記録するための料金未納管理データベース21が設けられている。
【0038】
そして、精算機5には、端末装置3から端末通信部8および精算通信部17を介して車両センサ4による車両1の入出庫情報が送られるように構成されている。精算部18は、端末装置3から端末通信部8および精算通信部17を介して車両1の入庫情報が送られた場合に、該当する車室2の駐車時間の計数を行い、利用者が精算入力部19により車室番号を入力して精算処理を行う場合に、駐車時間に応じた精算処理を行うように構成されている。また、精算機5は、駐車料金の精算を行わないで車両1が出庫した場合に、料金未納管理データベース21に後述する車両1のプレート情報、駐車した車室番号、駐車日時や駐車時間などの駐車情報とともに料金未納情報を記録するように構成されている。
【0039】
さらに、精算機5は、複数の駐車場を管理する中央管理システム22と通信可能とされており、中央管理システム22には、駐車場管理サーバ23が設けられている。駐車場管理サーバ23には、各駐車場における精算機5の料金未納管理データベース21に記録された料金未納情報が記録されるように構成されている。
【0040】
また、本実施形態においては、精算処理を行っていない車両1が車室2から出庫したことを車両センサ4により検出して、その出庫情報が端末装置3から精算機5を介して送られた場合に、一定の待機時間が経過する間に、当該車室2に車両1が再入庫したら、車番認識装置6により、出庫した車両1のプレート情報と再入庫した車両1のプレート情報とを比較して、その比較結果に基づいて、プレート情報が一致すれば継続駐車であり、プレート情報が一致しない場合は新規駐車であると判断するように構成されている。
【0041】
そして、精算機5は、継続駐車と判断した場合には、料金未納であるとして料金未納管理データベース21に記録された料金未納情報を削除し、新規駐車であると判断した場合には、料金未納管理データベース21の料金未納情報はそのままとして、対応する車室2の端末装置3の端末表示部11に「未納有り」の情報を表示させるとともに、中央管理システム22の駐車場管理サーバ23に料金未納情報を送信するように構成されている。
【0042】
また、本実施形態においては、精算機5は、車室2に車両1が駐車した場合に、車番認識装置6により、プレート情報を認識した後、料金未納管理データベース21の料金未納情報の中から、該当するプレート情報に対応する料金未納情報の有無を検索するように構成されている。そして、料金納付未納管理データベースに料金未納情報が存在する場合には、対応する車室2の端末装置3の端末表示部11に「未納有り」の情報を表示させるように構成されている。
【0043】
また、精算機5は、精算処理を行う場合に、料金未納管理データベース21の料金未納情報の中から、該当するプレート情報に対応する料金未納情報の有無を検索するように構成されている。そして、料金納付未納管理データベースに料金未納情報が存在する場合には、駐車料金の他に未納分の駐車料金を自動的に加算して精算することができるように構成されている。
【0044】
なお、前述の料金未納管理データベース21を検索して料金未納情報の有無を検索する際に、中央管理システム22の駐車場管理サーバ23を検索するようにしてもよい。すなわち、過去に料金未納情報が記録されている利用者が異なる駐車場を利用する場合があるので、駐車場管理サーバ23を検索することにより、異なる駐車場における料金未納情報を取得することができるものである。このように駐車場管理サーバ23を検索して料金未納情報を取得した場合に、対応する車室2の端末装置3の端末表示部11に「未納有り」の情報を表示させ、精算処理を行う場合に、駐車料金の他に未納分の駐車料金を自動的に加算して精算することができるものである。
【0045】
また、利用者は精算機5により、未納の駐車料金を精算することが可能であり、例えば、車番プレートの異なる車両1で駐車した場合や、徒歩で駐車場を訪れた場合など、プレート情報による検索を行うことができない状態であっても、未納の駐車料金を精算することができるものである。すなわち、本実施形態においては、利用者が精算機5の精算入力部19により、駐車料金を未納した車両1のプレート情報や駐車した車室番号、あるいは駐車場名、駐車日時など必要な情報を入力することにより、精算機5は、料金未納管理データベース21あるいは駐車場管理サーバ23を検索して該当する未納情報を取得して精算表示部20に表示させ、利用者はこの未納情報を確認した上で、未納の駐車料金を精算することができるように構成されている。
【0046】
なお、料金未納管理データベース21の料金未納情報は、データベースの記録容量にもよるが、一定期間経過後に削除するようになっている。
【0047】
次に、本実施形態の入場動作について、
図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0048】
本実施形態においては、まず、車両センサ4により、駐車場の車室2の車両1が入庫したことを検出したら(ST1)、画像取得部10により、カメラ9による撮影画像を取得し(ST2)、この取得した撮影画像を車番認識装置6に送る。
【0049】
そして、車番認識装置6の画像処理部14により、端末装置3から送られる撮影画像を画像処理して車番プレートのプレート情報をテキストデータ化し、プレート情報を、陸運支局コードと、車種コードと、用途コードと、一連番号とに分類してプレート情報データベース15に記録する(ST3)。
【0050】
一方、端末装置3は、車両センサ4により車両1の入庫を検出したら、入庫情報を精算機5に送り、精算機5の精算部18により、駐車時間の計数が開始される。
【0051】
利用者が精算する場合は、精算機5の精算入力部19により駐車した車室番号を入力することにより、精算部18により、駐車時間に応じた駐車料金を精算することにより、精算処理が完了する。
【0052】
次に、本実施形態の料金未納判断動作について、
図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0053】
まず、車両センサ4により車両1の出庫が検出されたら(ST10)、精算処理が完了しているか否か判断し(ST11)、精算処理が完了している場合は(ST11:YES)、プレート情報データベース15に記録されたプレート情報を削除する(ST18)。
【0054】
一方、精算処理が完了していない場合は(ST11:NO)、未納情報を料金未納管理データベース21に記録し(ST12)、一定の待機時間内に車両1が再入庫するか否か監視する(ST13)。そして、待機時間内に車両1が入庫しない場合は(ST14:NO)、不正駐車であるとして、不正駐車情報を料金未納情報とともに中央管理システム22に送信する(ST19)。
【0055】
そして、待機時間内に車両1が入庫した場合には(ST14:YES)、出庫した車両1のプレート情報と再入庫した車両1のプレート情報とを比較して、その比較結果に基づいて継続駐車であるか新規駐車であるかを判断する(ST15)。そして、新規駐車と判断した場合には(ST16:YES)、料金未納管理データベース21の料金未納情報はそのままとし(ST20)、端末表示部11に「未納有り」または「課金中」の情報を表示させる(ST21)。一方、継続駐車と判断した場合は(ST16:NO)、料金未納管理データベース21の料金未納情報を削除する(ST17)。
【0056】
次に、未納情報が記録されている車両1が駐車した場合の動作について、
図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0057】
まず、車両センサ4により、駐車場の車室2の車両1が入庫したことを検出したら(ST31)、画像取得部10により、カメラ9による撮影画像を取得し(ST32)、この取得した撮影画像を車番認識装置6に送る。そして、車番認識装置6の画像処理部14により、端末装置3から送られる撮影画像を画像処理して車番プレートのプレート情報をプレート情報データベース15に記録する(ST33)。
【0058】
そして、このプレート情報に基づいて料金未納管理データベース21の料金未納情報の中から、該当するプレート情報に対応する料金未納情報の有無を検索し(ST34)、料金納付未納管理データベースに料金未納情報が存在する場合には(ST35:YES)、対応する車室2の端末装置3の端末表示部11に「未納有り」の情報を表示させる(ST36)。
【0059】
次に、未納情報が記録されている車両1に対して精算を行う場合の動作について、
図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0060】
まず、車両センサ4により、駐車場の車室2の車両1が入庫したことを検出したら(ST41)、画像取得部10により、カメラ9による撮影画像を取得し(ST42)、この取得した撮影画像を車番認識装置6に送る。そして、車番認識装置6の画像処理部14により、端末装置3から送られる撮影画像を画像処理して車番プレートのプレート情報をプレート情報データベース15に記録する(ST43)。
【0061】
そして、このプレート情報に基づいて料金未納管理データベース21の料金未納情報の中から、該当するプレート情報に対応する料金未納情報の有無を検索し(ST44)、料金納付未納管理データベースに料金未納情報が存在する場合には(ST45:YES)、駐車料金の他に未納分の駐車料金を加算して精算する(ST46)。未納の駐車料金の精算が完了したら(ST47:YES)、料金未納管理データベース21から未納情報を削除する(ST48)。未納の駐車料金の精算が完了していない場合は(ST47:NO)、料金未納管理データベース21から未納情報をそのままとする(ST49)。
【0062】
次に、未納情報が記録されている場合に、利用者が精算を行う場合の動作について、
図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0063】
まず、利用者が精算機5の精算入力部19を操作して、駐車料金を未納した車両1のプレート情報や駐車した車室番号、あるいは駐車場名、駐車日時など必要な情報を入力することにより(ST51)、精算機5は、料金未納管理データベース21あるいは駐車場管理サーバ23を検索する(ST52)。そして、料金納付未納管理データベースに料金未納情報が存在する場合には(ST53:YES)、該当する未納情報を取得して精算表示部20に表示させ(ST54)、利用者はこの未納情報を確認した上で、未納の駐車料金を精算する(ST55)。未納の駐車料金の精算が完了したら(ST56:YES)、料金未納管理データベース21から未納情報を削除する(ST57)。未納の駐車料金の精算が完了していない場合は(ST56:NO)、料金未納管理データベース21から未納情報をそのままとする(ST58)。
【0064】
以上述べたように、本実施形態においては、車番認識装置6により、駐車した車両1のプレート情報を取得し、駐車料金を未納とした場合に、料金未納管理データベース21に料金未納情報を記録し、料金未納管理データベース21の料金未納情報を検索することにより、駐車料金が未納であるか否かを判断することができ、一時的に車両1を出庫させた場合でも、後に、駐車料金の精算を行うことができ、使い勝手を著しく向上させることができる。
【0065】
なお、前記実施形態においては、車番認識装置6を精算機5に内蔵した場合について説明したが、車番認識装置6を端末装置3に内蔵させるようにしてもよい。
【0066】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 車両
2 車室
3 端末装置
4 車両センサ
5 精算機
6 車番認識装置
7 端末制御部
8 端末通信部
9 カメラ
10 画像取得部
11 端末表示部
12 端末入力部
13 車番認識制御部
14 画像処理部
15 プレート情報データベース
16 精算制御部
17 精算通信部
18 精算部
19 精算入力部
20 精算表示部
21 料金未納管理データベース
22 中央管理システム
23 駐車場管理サーバ