(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5951435
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】反射式LED照明ランプ構造及びLED照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20160630BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20160630BHJP
【FI】
F21S2/00 230
F21Y101:02
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-221372(P2012-221372)
(22)【出願日】2012年10月3日
(65)【公開番号】特開2013-140778(P2013-140778A)
(43)【公開日】2013年7月18日
【審査請求日】2012年10月3日
【審判番号】不服2014-14895(P2014-14895/J1)
【審判請求日】2014年7月30日
(31)【優先権主張番号】201110449092.8
(32)【優先日】2011年12月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511041787
【氏名又は名称】シャンハイ サンス エレクトロニクス エンジニアリング カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】511041798
【氏名又は名称】シャンハイ サンス テクノロジー カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】511314500
【氏名又は名称】チアシャン サンス フォトエレクトリシティ テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン インホァ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ミン
(72)【発明者】
【氏名】イエ イエ
(72)【発明者】
【氏名】チュー ハイピアオ
【合議体】
【審判長】
和田 雄二
【審判官】
氏原 康宏
【審判官】
島田 信一
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/84664(WO,A1)
【文献】
特開2010−177172(JP,A)
【文献】
特開2010−118277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00,8/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射式LED照明ランプ構造であって、ランプケーシングと光源型条とを備え、
前記光源型条はコネクタに取り付けられ、前記ランプケーシングには、光反射層が取り付けられており、前記光源型条は、前記コネクタに一体化され且つ前記コネクタに対して独立して脱着でき、
前記コネクタに前記光源型条が一体化された一体化構造は、LED光源とLED光源取り付け用ベース・バッドとを有し、
前記光源型条は、LED光源を固着する配線板をさらに備え、前記配線板は、前記LED光源が取り付けられたベース・バッドに貼り付けられており、
前記ランプケーシングは、アーチ部が閉じられたアーチ型構造であって、前記アーチ部の内壁には前記光反射層が設けられ、該光反射層は、反射膜であるか又は反射塗料が塗布されており、
前記ランプケーシングは、2つ以上の前記アーチ型構造が並んで配置されており、
前記2つ以上のアーチ型構造は、それぞれの間が、長手方向に延びる第1挿入溝及び第2挿入溝が設けられた前記コネクタによって接続され、前記ランプケーシングは前記第1挿入溝に挿入され、前記LED光源取り付け用ベース・バッドは前記第2挿入溝に挿入されていることを特徴とする反射式LED照明ランプ構造。
【請求項2】
請求項1において、前記ランプケーシングは、その両端部がキャップによって固定されていることを特徴とする反射式LED照明ランプ構造。
【請求項3】
請求項1において、前記ランプケーシングとLED光源取り付け用ベース・バッドとは、アルミ形材又は熱伝導プラスチックであることを特徴とする反射式LED照明ランプ構造。
【請求項4】
LED照明装置であって、該照明装置は、請求項1から3のいずれか1項における前記反射式LED照明ランプ構造が直列してなることを特徴とするLED照明装置。
【請求項5】
請求項4において、該直列してなる照明装置が細長状、四角形、アーチ型、円形、又はS型であることを特徴とするLED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明分野に関し、特に、反射式LED照明ランプの構造及びLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明光源として、LEDは、省エネルギーで、かつ環境に優しく、効率が高いという利点がある。しかしながら、LED自体はサイズが小さくかつ明るさが高い。その集光特性は、直射されると、大きなグレア問題を発生する。また、光が柔和ではなく、人間の目には不快感を抱かせる。しかしながら、LEDポイント光源をLED面光源に変えれば、効率的にグレア問題を解決できる。
【0003】
そこで、反射式LED照明ランプが誕生した。現在、反射式LED照明ランプが市販されている。反射式LED照明ランプは、ランプケーシングに反射膜を貼り、光を反射させる反射式が採用されている。該ランプ構造は、LED光源を幾つかの螺子(ねじ)でランプケーシングに固定する方法が用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この構造は、取り付けが複雑であり、特に大型ランプの場合は、時間も人手も必要となる。また、螺子を締める際には、取り付け位置がずれ易い。さらには、螺子を締める際に、光源が損壊される場合もある。また、ランプをメンテナンスする際には、LED光源の取り外しが不便である。しかも、ランプの防護レベルが高い場合には、ランプケーシングに特殊な構造が用いられている。例えば、ランプケーシングが閉鎖構造を採る場合には、ランプケーシングの内部において最初の状態と違う位置に螺子を取り付けることは不可能である。
【0005】
本発明は、前記の技術問題を解決するため、反射式LED照明ランプ構造を提供する。本発明に係る反射式LED照明ランプ構造は、一体化式光源構造が採用され、LED光源型条がランプケーシングとの間で容易に挿抜が可能で、取り付け及び取り外しも容易である。すなわち、本構造は、操作が簡単で、適用性が高い。
【0006】
本発明は、さらに一種のLED照明装置を提供した。本LED照明装置は、複数の反射式LED照明ランプ構造で直列してなるものを利用した。このため、造型が多種類となり、照明のみならず、意匠等の多種類の使用要求を満足させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明は、下記の技術案を利用した。
【0008】
第1の発明は、ランプケーシングと光源型条とを備えた反射式LED照明灯の構造であって、光源型条はコネクタに取り付けられ、ランプケーシングには、光反射層が取り付けられており、光源型条は、コネクタに一体化され且つコネクタに対して独立して脱着できる構造である。コネクタに光源型条が一体化された一体化構造は、LED光源とLED光源取り付け用ベース・バッドとを有し、光源型条は、LED光源を固着する配線板をさらに備え、配線板は、LED光源が取り付けられたベース・バッドに貼り付けられており、ランプケーシングは、アーチ部が閉じられたアーチ型構造であって、アーチ部の内壁には光反射層が設けられ、該光反射層は、反射膜であるか又は反射塗料が塗布されており
、ランプケーシングは、2つ以上のアーチ型構造が並んで配置されており、2つ以上のアーチ型構造は、それぞれの間が、長手方向に延びる第1挿入溝及び第2挿入溝が設けられたコネクタによって接続され、ランプケーシングは第1挿入溝に挿入され、LED光源取り付け用ベース・バッドは第2挿入溝に挿入されていることを特徴とする反射式LED照明ランプ構造である。
【0009】
第
2の発明は、第1の発明において、ランプケーシングは、その両端部がキャップによって固定されていることを特徴とする反射式LED照明ランプ構造である。
【0010】
第
3の発明は、第1の発明において、ランプケーシングとLED光源取り付け用ベース・バッドとは、アルミ形材又は熱伝導プラスチックであることを特徴とする反射式LED照明ランプ構造である。
【0011】
第
4の発明は、第1〜第
3の発明のいずれかにおける反射式LED照明ランプ構造が直列してなることを特徴とするLED照明装置である。
【0012】
第
5の発明は、第
4の発明において、該直列してなる照明装置が細長状、四角形、アーチ型、円形、又はS型であることを特徴とするLED照明装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の技術案は、以下の効果がある。
【0014】
本発明に係る反射式LED照明ランプ構造は、独立して取り付け及び取り外しが可能な2つの部分に分けられている。この2つの独立した部分は、それぞれ、ランプケーシングと光源型条とである。そのうち、光源型条は、LED光源とLED光源取り付け用ベース・バッドとを一体化構造として作られている。該2つの部分は、直接的な構造か又は連結部品を組み合わせた構造とし、かつ挿入溝に挿入して連結固定した。これにより、一体化構造の光源型条は、2つの部分の挿抜によって、取り付けと取り外しとを容易に実現することができる。このため、操作は非常に簡単で便利であり、効率的に商品の生産効率を上げることができる。ランプを取り外してメンテナンスする際には、単独でLED光源を取り外す必要がなく、取り外しによるLED光源の損壊を避けられる。さらに、ランプケーシングが、高い保護レベルの閉鎖構造を採る場合でも、簡単な挿抜式であることにより、ランプの各部分の取り付けと取り外しとを容易に行うことができる。
【0015】
さらに、同じ発光光率の場合は、片側に挿入用溝を設ける、即ち、片側にのみLED光源を配置する構成とすることにより、両側にLED光源を配置する構成と比べて、同じ個数のLED光源を取り付ければ、配置のピッチをさらに小さくすることができる。これにより、光源の配置ピッチが比較的に大きい構成の場合の、光が十分に照射されない領域が生じ難くなり、照射できる領域内で光がより均一で柔らかくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は本発明の実施例1に係るLED照明ランプの構造を示す斜視図である。
【
図4】
図4は本発明の実施例2に係るLED照明ランプの構造を示す斜視図である。
【
図6】
図6は本発明に係るLED照明装置の構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1〜
図3に示された、本発明に係る反射式LED照明ランプ構造は、ランプケーシング(1)と光源型条(2)とを備えている。ランプケーシング(1)は、アーチ型で細長いアルミ形材であり、アーチ部が閉鎖型構造である。ランプケーシング(1)の長手方向には、その底部側に近い位置で挿入用溝(10)が形成されている。光源型条(2)は、LED照明ランプ中で取り付け及び取り外しが可能な一体化構造である。該一体化構造は、LED光源(20)と、LED光源(20)を溶接する配線板(21)とを備えている。配線板(21)は、LED光源取り付け用ベース・バッド(22)に貼り付けられている。また、LED光源取り付け用ベース・バッド(22)は、ランプケーシング(1)の挿入用溝(10)に挿入されている。ランプをより十分に放熱させるため、LED光源取り付け用ベース・バッド(22)とランプケーシング(1)との間に、ある程度接する面積が必要となる。これにより、光源型条(2)が発生した熱は、ランプケーシング(1)と接する部分から放出される。また、ランプケーシング(1)のアーチ部内壁側には、反射膜(3)が貼られている。LED光源(20)の反射膜(3)との間の位置と、ランプケーシング(1)のアーチ度とは、実際に要求された照度と照明効果とによって、既存の照明ソフトを用いて計算して確定することができる。例えば、デルレス(Dialux)ソフト(ランプ照明分野に利用され、精確に計算でき、照明効果を得られる設計ソフトである。)、又は他の計算ソフトを用いることができる。光源型条(2)を挿入用溝(10)に挿入し、その後、透光カバー(4)をランプケーシング(1)に取り付けている。透光カバー(4)とランプケーシング(1)との取り付け連結部には、シリカゲル・ガスケット(5)が配置されている。透光カバー(4)の外側には圧条(6)が取り付けられており、該圧条(6)によって透光カバー(4)がランプケーシング(1)に固定されている。最終的に、ランプケーシング(1)の両端開口位置は、キャップ(7)によって固定して閉じられる。
【0018】
図4及び
図5に示した本発明の実施例2が実施例1と違う点は、該LED照明ランプのランプケーシング(8)が2つのアーチ
型構造として並列している点である。2つのアーチ型構造は、細長いアルミ形材のコネクタ(9)によって連結されている。コネクタ(9)の長手方向には、両側のそれぞれに、ランプケーシング(8)とLED光源取り付け用ベース・バッド(22)とが挿入される挿入用溝(90、91)が形成されている。アーチ型構造の両端は、キャップ(18)で固定されかつ閉鎖される。
【0019】
図6に示された、本発明に係る反射式LED照明ランプ構造が直列してなるLED照明装置は、例えば環状である。また、実際の需要により、隣り合うLED照明ランプ同士の間のコネクタ形状を適当に設計すれば、直列してなりそれぞれが異なる造型を持つ大型のLED照明装置を得ることができる。例えば、細長い形状、アーチ型又はS型等の大型のLED照明装置を実現できる。
【符号の説明】
【0020】
1 ランプケーシング
2 光源型条
3 反射膜
4 透光カバー
5 シリカゲル・ガスケット
6 圧条
7、18 キャップ
8 ランプケーシング
9 コネクタ
10 挿入用溝
20 LED光源
21 配線板
22 ベース・バッド
90、91 挿入用溝