(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
搬送ローラと同様に、分離ローラもシートの搬送枚数が所定量に到達すると交換する必要がある。しかしながら、分離ローラが取り付けられるシャフトについては、分離ローラを給紙ローラに圧接するために揺動させる必要があるので、搬送ローラと同様にシャフトの一端側を2点で固定して支持することは困難である。したがって、従来の給紙装置では、分離ローラが取り付けられるシャフトは1点で支持しなければならない。そのため、シャフトが傾くといった問題や、分離ローラの給紙ローラに対する圧接力が均一とならないといった問題が発生する。
【0007】
加えて、従来の給紙装置では、分離ローラを給紙ローラに圧接するための付勢手段としてのバネをシャフトの一端側にのみに設けなければならないので、給紙ローラに対する分離ローラの圧接力は更に不均一となる。このような分離ローラに対する圧接力の不均一は、シートの分離性能を損なわせたり、シートの搬送スキューを発生させたりする要因になる。
【0008】
本発明は、分離ローラを給紙ローラに均一に接するようにすると共に、分離ローラを容易に交換することができる給紙装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様の給紙装置は、回転してシートを給紙する給紙ローラと、給紙ローラに圧接し、シートを分離する分離ローラと、分離ローラが着脱可能に取り付けられるシャフトと、シャフトの一端側を支持するホルダー部材と、シャフトの他端側に着脱可能に取り付けられ、シャフトに取り付けられた分離ローラの位置を、分離ローラが給紙ローラと接触可能となる位置に規制する規制部材とを有し、規制部材はシャフトの他端側から取り外し可能に構成されており、規制部材をシャフトに取り付けることによってホルダー部材と連結してシャフトの他端側を支持する連結部が規制部材に設けられている。
【0010】
連結部は、ホルダー部材に対して分離ローラを位置決めしてもよい。
【0011】
給紙装置は、ホルダー部材を給紙ローラ側に付勢し、分離ローラを給紙ローラに接触させる付勢手段を更に有し、ホルダー部材は、揺動自在に配置されてもよい。
【0012】
付勢手段は、バネ部材を有し、バネ部材は、シャフトを支持するホルダー部材の支持位置とシャフトを支持する連結部の支持位置との略中央部と対向する位置に配置されてもよい。
【0013】
給紙装置は、シャフトに駆動力を伝達すると共に、分離ローラを給紙ローラの回転方向と逆方向に回転させる駆動力伝達手段を更に有し、分離ローラ、シャフト、ホルダー部材、規制部材、及び駆動力伝達手段の一部は、支持ユニットとして構成されており、支持ユニットは、揺動自在に配置されてもよい。
【0014】
給紙装置は、給紙ローラと分離ローラとによって複数枚のシートから分離された1枚のシートを、シートの進行方向の下流側に案内するガイド部材を更に有し、ガイド部材には、凹部が形成されており、支持ユニットは、ガイド部材の凹部に着脱自在に取り付けられてもよい。
【0015】
給紙装置は、ガイド部材の凹部を覆い、シートを案内するガイド面の一部を構成する開閉ガイド部材を更に有し、開閉ガイド部材は、ガイド部材に対して回動自在に取り付けられてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、分離ローラを給紙ローラにできるだけ均一に接するようにすると共に、分離ローラを容易に交換することができる給紙装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る原稿読取装置本体H及び原稿搬送装置Aの全体構成を示す断面図である。
【0019】
図1に示すように原稿読取装置は、原稿読取装置本体Hと原稿搬送装置Aとで構成されており、原稿搬送装置Aは原稿読取装置本体Hに図示しないヒンジを介して取り付けられている。ヒンジは、原稿読取装置本体Hの上面に対して原稿搬送装置Aを開閉自在に支持する。
【0020】
原稿読取装置本体Hは、原稿搬送装置Aによって第1のコンタクトガラス31a上面に搬送される原稿の一方の面を読み取るための第1の読取ユニット32を有する。原稿搬送装置Aは、原稿読取装置本体Hの第1のコンタクトガラス31a上面を通過した原稿の他方の面を読み取るための第2の読取ユニット33を有する。
【0021】
原稿搬送装置Aは、原稿読取装置本体Hの上面を開放可能に原稿読取装置本体Hに対して開閉自在に取り付けられており、原稿読取装置本体Hの第2のコンタクトガラス31bに載置された原稿を第1の読取ユニット32を移動させて読み取る。
【0022】
原稿読取装置本体Hに設けられた第1の読取ユニット32は、光源と、複数のミラーと、レンズと、光電変換素子(CCD)を含む光電変換手段とが一体化されたユニットである。第1の読取ユニット32は、第1のコンタクトガラス31aを介して光源からの光を搬送される原稿に照射し、原稿からの反射光をミラーで反射してレンズを介して光電変換手段に集め、光電変換手段により光電変換を行って原稿を読み取る。第1の読取ユニット32は、副走査方向に移動することによって、第2のコンタクトガラス31b上に載置された書籍等の原稿を読み取る。
【0023】
原稿搬送装置Aは、
図1に示すように複数枚の原稿が載置可能な給紙トレイ40と、読み取られた原稿を収納する排紙トレイ41とを有する。給紙トレイ40は排紙トレイ41の上方に重なるように配置されており、給紙トレイ40の下流側には、給紙トレイ40上に載置された原稿の先端を規制する規制壁72が、給紙トレイ40から後述するU字状の原稿搬送経路42へ繋がるように設けられている。
【0024】
原稿搬送経路42は、給紙トレイ40から排紙トレイ41へ至るU字状の経路である。原稿搬送経路42には、繰出ローラ43と、給紙ローラ4と、分離ローラ5と、レジストローラ対46と、第1の搬送ローラ対47と、第2の搬送ローラ対48と、排紙ローラ対49とが設けられている。
【0025】
繰出ローラ43は、給紙トレイ40に載置され規制壁72によって先端が規制された原稿に当接し、その原稿を繰り出すためのローラである。給紙ローラ4は、繰り出された原稿を給送するローラである。分離ローラ5は、給紙ローラ4に圧接して複数枚の原稿から1枚の原稿を分離するローラである。レジストローラ対46は、給紙ローラ4及び分離ローラ5によって1枚に分離されて給送される原稿の先端を規制した後にその原稿を下流側に送るレジストローラ46A、46Bからなるローラ対である。第1の搬送ローラ対47は、第1のコンタクトガラス31aの上流側に配置され、原稿を下流側に搬送するローラである。第2の搬送ローラ対48は、第1のコンタクトガラス31aの下流側に配置され、原稿を下流側に搬送するローラである。排紙ローラ対49は、第2の搬送ローラ対48の下流側に配置されて排紙トレイ41に排紙するローラ対である。
【0026】
原稿搬送経路42は、上流側の経路と、中間の経路と、下流側の経路とから構成されている。上流側の経路は、給紙トレイ40上の原稿が繰り出される給紙口42aからレジストローラ対46に至る経路である。中間の経路は、レジストローラ対46から第1のコンタクトガラス31aに至る湾曲した経路である。下流側の経路は、第1のコンタクトガラス31aから排紙ローラ対49近傍の排紙口42bに至る経路である。
【0027】
繰出ローラ43、給紙ローラ4及びレジストローラ46Aは、原稿搬送装置Aの給紙カバー71と共にユニット化されて給紙カバーユニット60を形成している。分離ローラ5と、原稿搬送経路42の上流側のガイド面75と、給紙トレイ40の規制壁72もユニット化されて、分離ガイドユニット80を形成している。
【0028】
上述の通り、原稿搬送装置Aは、第1の読取ユニット32によって読み取られる原稿面と反対側の原稿面を読み取るための第2の読取ユニット33を有する。第2の読取ユニット33は、U字状の原稿搬送経路42の内側の領域に配置されている。第2の読取ユニット33は、第2の搬送ローラ対48と排紙ローラ対49との間に配置されている第3のコンタクトガラス50を有する。第2の読取ユニット33は、第3のコンタクトガラス50面を通過する原稿を読み取る。
【0029】
上述の構成によって、繰出ローラ43は給紙トレイ40上の原稿を繰り出し、給紙ローラ4及び分離ローラ5は複数枚の原稿から1枚の原稿に分離する。レジストローラ対46は1枚に分離された原稿の先端を規制し、第1の搬送ローラ対47は原稿を第1のコンタクトガラス31aに搬送する。第2の搬送ローラ対48は第1のコンタクトガラス31aを通過した原稿を下流側に搬送し、排紙ローラ対49は排紙トレイ41に排紙する。原稿を搬送する過程において、原稿が第1のコンタクトガラス31aを通過するときに第1の読取ユニット32は原稿の表面を読み取り、原稿が第3のコンタクトガラス50を通過するときに第2の読取ユニット33は原稿の裏面を読み取る。
【0030】
次に、原稿読取装置本体Hに搭載される原稿搬送装置の給紙機構に適用される給紙装置1を説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る給紙装置1の内部構造を説明するための斜視図である。
【0031】
給紙機構の搬送路を形成する搬送ガイド手段は、凹部2aが形成されているガイド部材2と、ガイド部材2における凹部2aを覆う開閉ガイド部材3とを有する。開閉ガイド部材3は、ガイド部材2における凹部2aを覆うことができると共に凹部2aを装置外部に露出することができるように、ガイド部材2に対して回動自在に取り付けられている。すなわち、開閉ガイド部材3は、
図2に示すように、ガイド部材2における凹部2aを覆った状態から回動して凹部2aの内部の構成要素が装置外部に露出した状態とする。開閉ガイド部材3が凹部2aを覆った場合、開閉ガイド部材3は、シートを、シートの進行方向の下流側に案内するガイド面の一部を構成する。以下では、「シートの進行方向の下流側」を「下流側」と記載する。
【0032】
分離機構は、回転してシートを給紙する給紙ローラ4と、給紙ローラ4に接触して給紙ローラ4の回転方向と逆方向に回転する分離ローラ5とを有する。
図1を用いて説明した通り、給紙ローラ4及び分離ローラ5は、複数枚のシートから1枚ずつシートを分離して下流側に搬送する。ガイド部材2は、給紙ローラ4及び分離ローラ5によって複数枚のシートから1枚に分離されたシートを下流側に案内する部材の一つである。
【0033】
支持ユニット15は、シャフト6と、ホルダー部材7と、規制部材8とを有する。シャフト6には、分離ローラ5が着脱可能に取り付けられる。ホルダー部材7は、シャフト6の一端側を支持する。「一端側」は、シャフト6において分離ローラ5を基準として規制部材8が取り付けられない側である。後述する「他端側」は、シャフト6において分離ローラ5を基準として規制部材8が取り付けられる側である。規制部材8は、シャフト6の他端側に着脱可能に取り付けられ、シャフト6に取り付けられた分離ローラ5の位置を、分離ローラ5が給紙ローラ4と接触可能となる位置に規制する。更に言うと、規制部材8は、シャフト6の他端側から取り外し可能に構成されている。規制部材8には、連結部9が設けられている。連結部9は、ホルダー部材7に着脱可能に取り付けられる。連結部9は、規制部材8がシャフト6に取り付けられた後にホルダー部材7に取り付けられて、ホルダー部材7と共にシャフト6の他端側を支持する。更に言うと、連結部9は、規制部材8をシャフト6に取り付けることによってホルダー部材7と連結してシャフト6の他端側を支持する。連結部9は、ホルダー部材7に対して分離ローラ5を位置決めするためのものでもある。
【0034】
分離ローラ5、シャフト6、ホルダー部材7及び規制部材8について、
図3から7を用いて更に説明する。
図3は、連結部9が形成されている規制部材8をシャフト6から取り外した状態を示す斜視図である。
図4は、規制部材8と分離ローラ5をシャフト6から取り外した状態を示す斜視図である。
図3及び4では、シャフト6の一端側はホルダー部材7によって支持されている。
【0035】
図5は、連結部9が設けられている規制部材8の平面図である。
図5では、規制部材8は、規制部材8がシャフト6に取り付けられた場合においてシャフト6の一端側からの他端側の向きに見た状態で表現されている。
【0036】
図3、4及び5に示す通り、連結部9は第1連結部9aと第2連結部9bとを有する。すなわち、第1連結部9a及び第2連結部9bは、規制部材8に設けられている。第1連結部9a及び第2連結部9bは、筒をその軸を含む面で半分に切断した場合の一方と他方とのようなものであって、互いに相手方と同様の構成を有する。
図3及び4において、第1連結部9aは、凹面状の第1受部90aが鉛直上方に向いているものである。第2連結部9bは、凹面状の第2受部90bが鉛直下方に向いているものである。
【0037】
第1連結部9aには、第1接続部91aが設けられている。第1接続部91aは、
図3及び4において第1受部90aより上方に突出しているように表現されているものであって、リングの一箇所が欠けたような形状を有している。
図3及び4では、第1接続部91aは、鉛直上方の一箇所が欠けた状態で表現されている。第2連結部9bにも、
図5に示す通り第2接続部91bが設けられている。第2接続部91bは、
図5において第2受部90bより上方に突出しているように表現されているものであって、リングの一箇所が欠けたような形状を有している。
【0038】
図5に示す通り、規制部材8には、シャフト6の他端側が嵌まる凹部8cが形成されている。連結部9には、規制部材8がシャフト6に取り付けられた場合にホルダー部材7の一部に接する第1当接部9dが形成されている。
【0039】
図3及び4に示す通り、ホルダー部材7は、シャフト6の一端側から他端側に延びる第1凸部7a及び第2凸部7bを有する。第1凸部7aは連結部9における第1連結部9aと連結する部材であり、第2凸部7bは連結部9における第2連結部9bと連結する部材である。第1凸部7aには、くびれた部位である第1くびれ部70aが形成されている。第2凸部7bにも、くびれた部位である第2くびれ部70bが形成されている。規制部材8がシャフト6に取り付けられた場合、連結部9における第1連結部9aとホルダー部材7における第1凸部7aとが連結可能となるように、第1連結部9a及び第1凸部7aは設けられている。連結部9における第2連結部9bとホルダー部材7における第2凸部7bとについても、規制部材8がシャフト6に取り付けられた場合、互いに相手方と連結可能となるように、第2連結部9b及び第2凸部7bは設けられている。
【0040】
ホルダー部材7は、
図3及び4においてガイド部材2における凹部2aの底部と対向する第2当接部7cを有する。第2当接部7cは、筒の側面の一部のようなものであって、規制部材8がシャフト6に取り付けられた場合に連結部9における第1当接部9dと接して鉛直下方から第1当接部9dを支持する。
【0041】
次に、ホルダー部材7によって一端側が支持されているシャフト6に分離ローラ5と、連結部9が設けられている規制部材8とを取り付ける工程を説明する。まず、シャフト6の他端側から、分離ローラ5をシャフト6に取り付ける。分離ローラ5は、シャフト6に着脱自在に取り付けられるローラである。そのため、分離ローラ5をシャフト6に容易に取り付けることができる。
【0042】
次に、規制部材8に形成されている凹部8cがシャフト6の他端側の端部と対向するように、シャフト6の他端側から、規制部材8をシャフト6に取り付け、シャフト6の他端側の端部を凹部8cに嵌める。シャフト6の他端側の端部が凹部8cに嵌まると、シャフト6に取り付けられた分離ローラ5の位置が規制される。すなわち、シャフト6の他端側の端部が凹部8cに嵌まることによって、規制部材8は、分離ローラ5の位置を、分離ローラ5が給紙ローラ4と接触可能となる位置に規制する。
【0043】
次に、規制部材8を回転方向CWに回転させる。そうすると、連結部9の第1連結部9aはホルダー部材7の第1凸部7aと接触し、連結部9の第2連結部9bはホルダー部材7の第2凸部7bと接触する。規制部材8を回転方向CWに更に回転させると、第1凸部7aの第1くびれ部70aが、第1連結部9aの第1接続部91aに形成されている切欠部から第1接続部91aに嵌まる。第1接続部91aには一箇所にしか切欠部が形成されておらず、かつ第1連結部9aには第1受部90aが設けられているので、第1くびれ部70aが第1接続部91aに嵌った後に規制部材8を回転方向CWに更に回転させても、第1連結部9aはホルダー部材7によって動作が規制されて動かない。そのようにして、第1連結部9aと第1凸部7aとの連結が行われる。連結部9の第2連結部9bとホルダー部材7の第2凸部7bとの連結についても、上述した第1連結部9aと第1凸部7aとの連結と同様に行われる。
【0044】
図6は、連結部9の第1連結部9aとホルダー部材7の第1凸部7aとが連結すると共に、連結部9の第2連結部9bとホルダー部材7の第2凸部7bとが連結した状態を示す第1の図である。
図7は、連結部9の第1連結部9aとホルダー部材7の第1凸部7aとが連結すると共に、連結部9の第2連結部9bとホルダー部材7の第2凸部7bとが連結した状態を示す第2の図である。
図6は、シャフト6の一端側から他端側の向きにホルダー部材7等を見た状態を表現している。
図7は、シャフト6の他端側から一端側の向きに連結部9等を見た状態を表現している。
【0045】
図7に示す通り、第1連結部9aと第1凸部7aとの連結が行われ、かつ第2連結部9bと第2凸部7bとの連結が行われると、連結部9における第1当接部9dはホルダー部材7における第2当接部7cに乗るようにして接する。言い換えると、第1当接部9dは第2当接部7cを下方から支持する。そのように、第1連結部9aと第1凸部7aとの連結が行われると共に第2連結部9bと第2凸部7bとの連結が行われ、かつ第1当接部9dと第2当接部7cとが接することにより、連結部9はホルダー部材7と連結してホルダー部材7と共にシャフト6の他端側を支持する。
【0046】
連結部9における第1当接部9dとホルダー部材7における第2当接部7cとが接した場合にシャフト6が予め決められた位置に位置するように、例えばシャフト6がガイド部材2における凹部2aの底面と平行になるように、第1当接部9dと第2当接部7cとを設計しておく。そうすると、連結部9がホルダー部材7と共にシャフト6の他端側を支持する際、シャフト6は予め決められた位置に、例えばシャフト6がガイド部材2における凹部2aの底面と平行になる位置に規制される。したがって、シャフト6が予め決められた状態から傾くことを防止できる。そのため、分離ローラ5を給紙ローラ4にできるだけ均一に圧接するようにすることができる。したがって、本実施の形態にかかる給紙装置1を用いれば、シートの分離性能が損なわれる可能性が低くなり、かつシートの搬送スキューは発生し難くなる。
【0047】
次に、分離ローラ5をシャフト6から取り外す工程を説明する。まず、規制部材8を回転方向CWと反対の方向に回転させる。そうすると、連結部9における第1連結部9aとホルダー部材7における第1凸部7aとの連結が解除され、かつ連結部9における第2連結部9bとホルダー部材7における第2凸部7bとの連結も解除される。それによって、連結部9はホルダー部材7から外れる。規制部材8は着脱自在にシャフト6に取り付けられているので、連結部9がホルダー部材7から外れると、規制部材8のシャフト6の他端側への動きの規制は解除される。その状態で、規制部材8をシャフト6の他端側から取り外す(
図3参照)。分離ローラ5も着脱自在にシャフト6に取り付けられているので、規制部材8がシャフト6から取り外されると、分離ローラ5のシャフト6の他端側への動きの規制は解除される。その状態で、分離ローラ5をシャフト6の他端側から取り外す(
図4参照)。そのように、分離ローラ5をシャフト6から容易に取り外すことができる。上述の通り、分離ローラ5をシャフト6に容易に取り付けることもできる。すなわち、本実施の形態における給紙装置1では、分離ローラ5を容易に交換することができる。
【0048】
図8は、分離ローラ5、シャフト6、ホルダー部材7及び規制部材8等がユニット化された状態を示す図である。ホルダー部材7には、分離ローラ5に駆動を伝達する駆動伝達機構としてギア10と、第1プーリ11と、第2プーリ12と、タイミングベルト13と、トルクリミッタ14とが取り付けられている。ギア10は図示されていない複数の駆動伝達部材を介して駆動手段(駆動モータ)に連結され、駆動モータによって発生された駆動力をシャフト6等に伝達するためのものである。第1プーリ11はシャフト6の一端側に取り付けられており、第2プーリ12はギア10に取り付けられている。タイミングベルト13は、第1プーリ11と第2プーリ12とを接続する。トルクリミッタ14は、分離ローラ5の回転を規制する。
【0049】
すなわち、ギア10、第1プーリ11、第2プーリ12、タイミングベルト13及びトルクリミッタ14は、駆動手段からの駆動力をシャフト6等に伝達する駆動力伝達手段の一部を構成している。駆動力伝達手段の一部(駆動伝達機構)は、分離ローラ5、シャフト6、ホルダー部材7及び規制部材8と共にユニット化されて支持ユニット15を構成している。
【0050】
図9は、
図8における支持ユニット15がガイド部材2における凹部2aに取り付けられている状態を示す図である。
図9に示す通り、支持ユニット15は取付部16を有し、ガイド部材2における凹部2aの底面には被取付部2bが設けられている。支持ユニット15は、支持ユニット15の取付部16を支点としてガイド部材2における凹部2aの被取付部2bに取り付けられる。
【0051】
図8に示す通り、ホルダー部材7は揺動軸7dを更に有する。
図9に示す通り、ガイド部材2の凹部2aには、揺動軸7dが揺動自在となるように揺動軸7dを受ける軸受部2cが設けられている。軸受部2cの上方には、切欠部が形成されている。支持ユニット15をガイド部材2の凹部2aに取り付ける際、軸受部2cが揺動軸7dを受けるように、揺動軸7dを切欠部から軸受部2cに嵌める。それにより、支持ユニット15は揺動自在にガイド部材2の凹部2aに配置される。
【0052】
図2、3及び8に示す通り、ホルダー部材7は規制片7eを更に有する。
図2及び3に示す通り、ガイド部材2の凹部2aには、規制片7eを挟む一対の規制壁2dが設けられている。一対の規制壁2dは、シートが進行する際のシートの幅方向において規制片7eを両側から挟む。支持ユニット15を凹部2aに取り付ける際、規制片7eを一対の規制壁2dの間に入れる。それにより、支持ユニット15の上記幅方向における移動が規制される。
【0053】
図9は、支持ユニット15を上方に付勢するバネ部材の配置を示す説明図でもある。
図9に示す通り、バネ部材17は、ガイド部材2において、シャフト6を支持するホルダー部材7の支持位置と、シャフト6を支持する連結部9の支持位置との略中央部と対向する位置に設けられており、ホルダー部材7を給紙ローラ4側に付勢し、分離ローラ5を給紙ローラ4に圧接させる機能を有する。バネ部材17は、上述した位置に設けられていて支持ユニット15を構成するホルダー部材7を給紙ローラ4側に付勢するので、分離ローラ5を給紙ローラ4に均一に接するようにすることができる。したがって、シートの分離性能が損なわれる可能性が低くなり、かつシートの搬送スキューは発生し難くなる。
【0054】
図2、3及び9に示す通り、ガイド部材2の凹部2aには、保持爪2eが設けられている。保持爪2eは、給紙ユニットを閉状態とし、給紙ローラ4が分離ローラ5から離れた場合にバネによって支持ユニット15がガイド部材2における凹部2aから飛び出さないように支持ユニット15の動作を規制する。通常運転時においては、分離ローラ5が給紙ローラ4に接しているので、保持爪2eは作用しない。
【0055】
なお、上述した実施の形態では、連結部9は規制部材8に設けられているが、連結部9は、規制部材8とは別体のものであって規制部材8に着脱自在に取り付けられるものであってもよい。いずれにしても、ホルダー部材7、規制部材8及び連結部9は上述した実施の形態において説明した形態のものに限定されず、規制部材8は、シャフト6の他端側に着脱可能に取り付けられ、シャフト6に取り付けられた分離ローラ5の位置を、分離ローラ5が給紙ローラ4と接触可能となる位置に規制する。連結部9は、規制部材8と一体化されることによって又はネジ等によって規制部材8に取り付けられることによって規制部材8に設けられる。さらに、連結部9は、規制部材8がシャフト6に取り付けられた後にホルダー部材7に取り付けられてホルダー部材7と共にシャフト6の他端側を支持する。
【0056】
また、上述した実施の形態では、給紙ローラ4に圧接し、シートを分離する分離ローラ5を給紙方向と逆方向に回転するローラとしたが、回転せずに固定された固定ローラとしてもよい。
【0057】
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態は本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、変形例を本発明の技術的範囲から排除しない。