【実施例1】
【0012】
本実施例では、換気装置機能を有した凝縮器用送風機を使用することで、プレハブ式冷凍冷蔵庫の上面の空気を循環することができる冷凍冷蔵ユニットの例を説明する。
【0013】
図1は、スーパーや農家などで使用されるプレハブ式冷凍冷蔵庫と冷凍冷蔵ユニットの機器設置図である。プレハブ式冷凍冷蔵庫1の天井部に冷凍冷蔵ユニット2が設置されて、プレハブ冷凍冷蔵庫内を一般的に−25℃から+20℃くらいに冷却するものである。
【0014】
図2は、冷凍冷蔵ユニット2の一部を破断して内部構造がわかるようにした正面図、上面図を示している。2は冷凍冷蔵ユニットの筐体を示し、この筐体2には、プレハブ式冷凍冷蔵庫1内の空気を循環する蒸発器用送風機3と凝縮器用送風機4と冷凍サイクルを構成する部品が設置されている。それらは主として圧縮機5、凝縮器6、膨張弁7、蒸発器8、ホットガス用電磁弁9、インジェクション用電磁弁10が設けられている。
【0015】
その他にプレハブ式冷凍冷蔵庫1内の温度を検出する庫内温度センサ11が取り付けられ、この庫内温度センサ11の検出値を用いて後で説明する圧縮機5の運転又は停止の制御が行われる。またプレハブ式冷凍冷蔵庫1の庫外の温度を検出する庫外温度センサ12が取り付けられており、この庫外温度センサ12の検出値を用いて、後で説明する圧縮機5の停止中における凝縮器用送風機4の運転又は停止が制御される。
【0016】
さらに冷凍サイクルの運転圧力を検出するための高圧圧力センサ13、低圧圧力センサ14、圧縮機5の吐出ガス温度を検出するための吐出ガス温度センサ15、ホットガス用電磁弁9のON/OFFを制御するための除霜用温度センサ16や電気箱17が設けられている。
【0017】
図3は、冷凍冷蔵ユニット2の冷凍サイクル構成例を示す。冷凍冷蔵ユニット2の構成部品について具体的に説明すると冷媒を圧縮する圧縮機5と、圧縮機5からの高圧冷媒ガスを凝縮する凝縮器6と、を備え、凝縮器6には凝縮器用送風機4により送風が行われることで高圧冷媒ガスと空気との熱交換が行われる。凝縮器6からの高温高圧の液冷媒を膨張させる膨張弁7と、膨張弁7からの低温低圧の冷媒を蒸発させる蒸発器8と、を冷媒配管で順次接続することで冷媒回路が構成されている。
【0018】
圧縮機5と凝縮器6との間で冷媒配管をバイパス管20により凝縮器6を介さずに膨張弁7と蒸発器8との間に分岐させることで、圧縮機、ホットガス用電磁弁、蒸発器8とが順次接続して除霜回路が構成される。また、凝縮器6と膨張弁7との間でインジェクション用配管21により、圧縮機5の吸入側に液冷媒がインジェクションされる。すなわち、凝縮器6、インジェクション用電磁弁10、キャピラリチューブ、圧縮機5とが順次接続されることでインジェクション回路が構成される。
【0019】
以上の構成により冷凍サイクルが構成されてプレハブ式冷凍冷蔵庫1内の冷蔵または冷凍を行なう。つまり、庫内温度センサ11の検出値が目標設定温度となるように圧縮機5、膨張弁7、凝縮器用送風機4、蒸発器用送風機3などを制御するものである。
【0020】
図4は、従来のプレハブ式冷凍冷蔵庫1と冷凍冷蔵ユニット2の機器設置図である。プレハブ式冷凍冷蔵庫1は、冷凍冷蔵ユニット2により冷却される。このときプレハブ式冷凍冷蔵庫1内の熱は、冷凍冷蔵ユニット2を構成する蒸発器用送風機3により汲み上げられ、凝縮器用送風機4を通じプレハブ式冷凍冷蔵庫外に放出される。プレハブ式冷凍冷蔵庫1は、建築物18内に設置されていることから、建築物18内の温度は上昇し、冷凍冷蔵ユニット2の運転に適さない温度となる。
【0021】
ここで本実施例の冷凍冷蔵ユニット2においては、プレハブ式冷凍冷蔵庫1内の温度が設置値以下となると圧縮機5を停止し、凝縮器用送風機4を停止させることにより、省電力効果を得るものである。このとき、凝縮器用送風機4が停止していることからプレハブ式冷凍冷蔵庫1の上面部の空気は停滞する。これにより、プレハブ式冷凍冷蔵庫1の上面温度は上昇したままとなり、再び圧縮機5を運転する時に冷凍冷蔵ユニット2にダメージを与えやすくなる。さらに、プレハブ式冷凍冷蔵庫1の周囲空気がプレハブ式冷凍冷蔵庫1の表面の露点温度に達しやすくなり、プレハブ式冷凍冷蔵庫1の表面に結露を発生しやすくなるという問題があった。
【0022】
これを防止するため、換気装置19により換気することで、圧縮機5が停止時においてもプレハブ式冷凍冷蔵庫1の上面部の空気は循環されることで、圧縮機5の過熱運転やプレハブ式冷凍冷蔵庫1の結露を防止しているが、換気装置19の別設置が必要であった。換気装置19を設置するのに際し、建築物18に穴を空けることや電源配線や換気装置19を常時運転させることは、電気料金がかかる。さらに冷凍冷蔵ユニット2と連動運転させるためには、信号配線を接続する必要があり設置工事費用などコスト増の原因となっていた。
【0023】
本実施例では、庫内温度センサ11の検出値が設定温度よりも小さくなったことにより圧縮機5を停止させる場合においても、プレハブ式冷凍冷蔵庫1の上面の空気温度を検出する庫外温度センサ12の検出値が設定温度以上になった場合に凝縮器用送風機4を駆動することでプレハブ式冷凍冷蔵庫1の庫外の空気の循環を行うようにしたものである。これにより
図4の換気装置19を設置しなくてもプレハブ式冷凍冷蔵庫1の上面の空気を循環することが可能で、圧縮機5が再度運転する時に、より運転に適した環境とすることが可能となる。また圧縮機5の停止中におけるプレハブ式冷凍冷蔵庫1の結露を抑制することが可能となるものである。
【0024】
これにより、換気装置19を設置するのに必要であった建築物18への加工費用や電源配線や換気装置19を運転させるために加算される電気料金、さらに冷凍冷蔵ユニット2と連動運転させるための信号配線などの設置工事費用が不要となりコストを低減することが可能となる。なお、凝縮器用送風機4の運転停止を判断する装置は、高圧圧力センサ13による検出でもよい。つまり、庫内の温度が低下したことにより圧縮機5及び凝縮器用送風機4を停止させた場合に、高圧圧力センサ13の検出値が設定値よりも高くなったときに凝縮器用送風機4を運転させることにより、省エネを図りつつ庫外の空気循環を行い圧縮機5の運転開始時の負荷を低減することやプレハブ式冷凍冷蔵庫1への結露を低減することが可能となる。
【0025】
上記したように本実施例の冷凍冷蔵ユニットは、冷凍冷蔵庫(プレハブ式冷凍冷蔵庫1)の内部の温度を検出する庫内温度センサ11を備え、該庫内温度センサ11で検出した温度が庫内設定温度以下となった場合に圧縮機5及び凝縮器用送風機4を停止するものである。この圧縮機5が停止中に凝縮器用送風機4を駆動した場合における凝縮器用送風機4の回転数は、圧縮機5が運転中における凝縮器用送風機4の最低回転数と略同一とすることが望ましい。つまり、最低回転数で庫外の空気を循環させるのには充分であり、またこれにより省電力にて行うことが可能となる。
【0026】
また、庫外温度センサ12により検出される冷凍冷蔵庫(プレハブ式冷凍冷蔵庫1)の外部の温度が庫外設定温度以上になったとき、上記したように停止している凝縮器用送風機4が駆動する。この場合において、庫内温度センサ11で検出した温度が庫内設定温度以上となった場合に、停止している圧縮機5は運転開始するとともに凝縮器用送風機4は運転を継続するものである。