(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電流コントローラは、前記ロジック信号がUSB HOSTを示すとき、前記スイッチングレギュレータへの前記最大入力電流を、第1の電流レベルに設定し、前記ロジック信号がUSB HUBを示すとき、前記スイッチングレギュレータへの前記最大入力電流を、前記第1の電流レベルよりも大きい第2の電流レベルに設定する、請求項2に記載の方法。
前記デジタルコントローラが、前記1又は複数のプログラマブルデータストレージ素子内に格納された前記充電パラメータの1つ又は複数を再プログラムすることをさらに含み、前記デジタルコントローラは、前記1または複数の充電パラメータを、前記電池が充電されている間に、再プログラムする、請求項1に記載の方法。
前記電流は、前記デジタルコントローラによって、感知した電池電圧、感知した入力電流、または感知した出力電流の1又は複数に基づいて再プログラムされる請求項4に記載の方法。
前記プログラマブルデータストレージ素子は、揮発性メモリを含み、前記複数の充電パラメータは、前記不揮発性メモリに格納され、前記揮発性メモリに移送される請求項7に記載の方法。
前記揮発性メモリに格納された前記充電パラメータは、前記スイッチングレギュレータから前記電流および前記一定電圧を制御するために対応する電流または電圧に変換される請求項8に記載の方法。
前記スイッチングレギュレータは、第1の周波数においてスイッチングし、前記第1の周波数は、前記プログラマブルデータストレージ素子の1つに格納されたパラメータにより設定される請求項1に記載の方法。
第3および第4の格納されたパラメータをさらに含み、前記第3のパラメータを使用して、上方温度限界が前記デジタルコントローラによりプログラムされ、前記第4のパラメータを使用して、下方温度限界が前記デジタルコントローラによりプログラムされ、前記電池の温度が、前記上方温度限界を超えている場合または前記下方温度限界以下である場合に、充電が前記デジタルコントローラにより一時停止される請求項1に記載の方法。
第5の格納されたパラメータをさらに含み、前記第5のパラメータを使用して、電池温度センサへのバイアス電流が前記デジタルコントローラによりプログラムされる請求項14に記載の方法。
前記電流コントローラは、前記ロジック信号が第1の状態にある場合、前記スイッチングレギュレータへの前記最大入力電流を、第1の電流レベルに設定し、前記ロジック信号が第2の状態にある場合、前記スイッチングレギュレータへの前記最大入力電流を、前記第1の電流レベルよりも大きい第2の電流レベルに設定する、請求項17に記載の電池充電器。
前記デジタルコントローラが、前記電流を、感知した電池電圧、感知した入力電流、または感知した出力電流の1又は複数に基づいて再プログラムする請求項19に記載の電池充電器。
前記プログラマブルデータストレージ素子は、揮発性メモリを含み、前記複数の充電パラメータの1又は複数は、前記不揮発性メモリに格納され、前記揮発性メモリに移送される請求項22に記載の電池充電器。
前記揮発性メモリに格納された前記充電パラメータは、前記スイッチングレギュレータから前記電流および前記一定電圧を制御するために対応する電流または電圧に変換される請求項23に記載の電池充電器。
前記スイッチングレギュレータは、第1の周波数においてスイッチングし、前記第1の周波数は、前記プログラマブルデータストレージ素子の1つに格納されたパラメータにより設定される請求項16に記載の電池充電器。
停止回路とタイマとをさらに含み、前記タイマは、前記電流が前記電池に供給されている時間を測定し、前記電池の電圧が、予め定めた時間の後に前記第1の閾値以下である場合に、前記停止回路に前記電流を終了させるように伝える、前記予め定めた時間は、前記プログラマブルデータストレージ素子に格納されたパラメータにより設定される請求項16に記載の電池充電器。
前記電流は、第1の一定プリチャージ電流よりも大きい第2の電流の前に供給される前記第1の一定プリチャージ電流を含み、前記電池充電器は、停止回路とタイマとをさらに含み、前記タイマは、前記第1の一定プリチャージ電流が前記電池に供給されている時間を測定し、前記電池の電圧が、第1の予め定めた時間の後に第2の閾値以下である場合に、前記停止回路に前記第1の一定プリチャージ電流を終了させるように伝え、前記第1の予め定めた時間は、前記プログラマブルデータストレージ素子に格納されたパラメータにより設定される請求項16に記載の電池充電器。
前記プログラマブルバイアス電流が入力される第1の端子と、第1のA/D(analog−to−digital)コンバータに結合された第2の端子とを有する第1のコンパレータをさらに含み、前記複数の充電パラメータの第4のパラメータは、第1の温度限界をプログラムするために、前記第1のA/Dコンバータによって受信される、請求項29に記載の電池充電器。
前記プログラマブルバイアス電流が入力される第1の端子と、第2のA/Dコンバータに結合された第2の端子とを有する第2のコンパレータをさらに備え、前記複数の充電パラメータの第5のパラメータは、第2の温度限界をプログラムするために、前記第2のA/Dコンバータによって受信され、前記第1の温度限界は、上方温度限界であり、前記第2の温度限界は下方温度限界である、請求項30に記載の電池充電器。
【発明の概要】
【0004】
既存の電池充電器は、一般に静的システムである。充電器は、特定の電源から電力を受け取り、電池の充電仕様に基づいて特定の電池に電圧および電流を供給するように構成されている。しかしながら、既存の充電器の柔軟性のなさは、上述の非効率性や問題の多くをもたらす。既存のシステムよりもより柔軟な電池充電システムおよび電池充電方法、または特定の電池もしくは変化する電池の充電環境に適合することさえできる電池充電システムおよび電池充電方法を得ることは極めて望ましい。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、電池充電プロセスの効率を改善する、改善された電池充電器システムおよび電池充電器方法を提供することにある。
【0006】
本発明は、スイッチング電池充電システムおよび方法を提供することにより、これら及び他の問題を解決する。
【0007】
本発明の実施形態は、スイッチングレギュレータを用いて電池を充電するための技術を含む。いくつかの実施形態には、デジタル技術を用いて構成することのできる、プログラマブルスイッチング電池充電器が含まれる。他の実施形態には、電池電圧やスイッチングレギュレータへの入力電流などの感知された回路状態に基づいて、電池電流を変更するスイッチング電池充電器が含まれる。
【0008】
一実施形態において、本発明は、USBポート電池充電器であって、少なくとも1つのスイッチングトランジスタを有するスイッチングレギュレータであって、前記スイッチングトランジスタは、第1の入力端子および第1の出力端子を有し、前記スイッチングトランジスタの前記第1の入力端子は、USB電源に結合されているスイッチングレギュレータと、第1の入力端子および第1の出力端子を有するフィルタであって、前記フィルタの前記第1の入力端子は、前記スイッチングトランジスタの前記第1の出力端子に結合されているフィルタと、前記フィルタの前記第1の出力端子に結合されている電池とを備え、前記スイッチングレギュレータは、USB電圧を受け取るように構成され、そのUSB電圧に従い、前記スイッチングトランジスタの制御端子にスイッチング信号を発生し、前記スイッチングトランジスタの前記出力端子におけるスイッチング電流およびスイッチング電圧は、前記フィルタを介して結合されて、前記電池を充電するフィルタされた電流およびフィルタされた電圧を発生することを特徴とする。
【0009】
一実施形態において、前記フィルタされた電圧は、電圧コントローラにより感知され、前記スイッチングトランジスタの前記制御端子における前記スイッチング信号が制御されることを特徴とする。
【0010】
一実施形態において、前記電圧コントローラは、プログラマブルデータストレージ素子に結合された第1の入力端子と、少なくとも1つの電圧感知入力端子に結合された第2の入力端子と、前記スイッチングトランジスタの前記制御入力端子に結合された出力端子とを備え、前記プログラマブルデータストレージ素子は、前記電池の電圧が前記第1の閾値を超えている場合に、前記電圧コントローラを設定して、前記電池へのプログラムされた電圧が発生されることを特徴とする。
【0011】
一実施形態において、前記フィルタされた電流は、電流コントローラにより感知され、前記スイッチングトランジスタの前記制御端子における前記スイッチング信号が制御されることを特徴とする。
【0012】
一実施形態において、前記電流コントローラは、プログラマブルデータストレージ素子に結合された第1の入力端子と、少なくとも1つの電流感知入力端子に結合されたフィードバック入力端子と、前記スイッチングトランジスタの前記制御入力端子に結合された出力端子とを備え、前記プログラマブルデータストレージ素子は、前記電池の電圧が第1の閾値以下の場合に、前記電流コントローラを設定し、前記電池への第1のプログラムされた電流が供給されることを特徴とする。
【0013】
一実施形態において、本発明は、最大入力電流を示唆する入力信号を受け取るステップと、前記電流コントローラをプログラムして、前記最大入力電流に基づいて最大電池電流を設定するステップとをさらに含むことを特徴とする。
【0014】
一実施形態において、前記電流コントローラは、前記フィルタされた電流を設定するための制御入力端子を有し、前記電流コントローラの前記制御入力端子は、前記スイッチングトランジスタの前記第1の入力端子または前記電池に結合され、前記電池の電圧が増加するにつれて前記フィルタされた電流が低減されることを特徴とする。
【0015】
一実施形態において、前記フィルタされた電流は、前記スイッチングトランジスタ前記第1の入力端子への第1の入力電流より大きく、前記フィルタされた電流は、前記電池の電圧が増加するにつれて低減されることを特徴とする。
【0016】
一実施形態において、前記USB電圧は、少なくとも4.1Vから5.25Vの範囲にあることを特徴とする。
【0017】
別の実施形態において、本発明は、USBポートから電池を充電するための方法であって、スイッチングレギュレータの入力端子において、USB電源からの第1の入力電圧および第1の入力電流を受け取るステップと、前記スイッチングレギュレータの出力端子を、電池の端子に結合するステップと、前記電池の前記端子において、第1の出力電圧および第1の出力電流を発生するステップと、前記電池への第1の出力電流、または前記電池の第1の出力電圧を感知するステップと、前記感知された第1の出力電流または第1の出力電圧に応答して、前記スイッチングレギュレータの制御端子において、スイッチング信号を発生するステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
一実施形態において、本発明は、USBポートタイプに対応するロジック信号を受け取るステップをさらに含み、前記ロジック信号が第1の状態にあるとき、前記第1の出力電流は100mAより大きく、前記第1の入力電流は100mA以下であり、前記ロジック信号が第2の状態にあるとき、前記第1の出力電流は500mAより大きく、前記第1の入力電流は500mA以下であることを特徴とする。
【0019】
一実施形態において、前記第1の入力電圧は、前記電池の前記電圧より大きく、前記電池への前記第1の出力電流は、前記第1の入力電流より大きく、前記第1の出力電流は、前記電池の前記第1の出力電圧が増加するにつれて低減されることを特徴とする。
【0020】
一実施形態において、本発明は、プログラマブルデータストレージ素子に充電パラメータを格納するステップをさらに含み、前記第1の出力電流は、前記充電パラメータにより設定されることを特徴とする。
【0021】
一実施形態において、前記スイッチングレギュレータは、前記第1の出力電圧を感知してスイッチング信号を発生し、前記第1の出力電圧を制御することを特徴とする。
【0022】
一実施形態において、本発明は、プログラマブルデータストレージ素子に充電パラメータを格納するステップをさらに含み、前記第1の出力電圧は、前記充電パラメータにより設定されることを特徴とする。
【0023】
別の実施形態において、本発明は、USB電池充電器であって、USB電源に結合された第1の入力端子、第1の抵抗を介して電池に結合された第1の出力端子、および制御入力端子を有するスイッチングレギュレータと、前記第1の抵抗の第1および第2の端子に結合され、第1の出力電流を感知する、第1および第2の電流感知入力端子、および前記スイッチングレギュレータの前記制御入力端子に結合された出力端子を有する電流コントローラと、前記電池に結合され、前記電池の第1の出力電圧を感知する第1の電圧感知入力端子、および前記スイッチングレギュレータの前記制御入力端子に結合された制御出力端子を有する電圧コントローラとを備えることを特徴とする電池充電器を含む。
【0024】
一実施形態において、前記電流コントローラは、前記第1の出力電流を設定するための制御入力端子を備え、最大USB電流に対応する第1のロジック信号が、前記電流コントローラの前記制御入力端子に結合され、前記第1の出力電流を設定することを特徴とする。
【0025】
一実施形態において、前記電流コントローラは、前記第1の出力電流を、前記スイッチングレギュレータの前記第1の入力端子において受け取られる第1の入力電流より大きくなるように設定することを特徴とする。
【0026】
一実施形態において、前記電流コントローラの前記制御入力端子は、前記スイッチングレギュレータの前記入力端子または前記電池に結合され、前記電流コントローラは、前記電池の電圧が増加するにつれて、前記制御入力端子において受け取られる制御信号に応答して、前記第1の出力電流を低減することを特徴とする。
【0027】
一実施形態において、本発明は、電流コントローラの制御入力端子に結合され、前記第1の出力電流を設定する第1のプログラマブルデータストレージ素子であって、前記電池の電圧が第1の閾値以下である場合に、前記電流コントローラを設定して、前記電池に第1のプログラムされた電流を供給するプログラマブルデータストレージ素子と、電圧コントローラの制御入力端子に結合され、前記第1の出力電圧を設定する第2のプログラマブルデータストレージ素子であって、前記電池の電圧が第1の閾値を超えている場合に、前記電圧コントローラを設定して、前記電池にプログラムされた一定電圧を発生するプログラマブルデータストレージ素子とを備えることを特徴とする。
【0028】
他の実施形態において、本発明は、他の電源に結合してもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、スイッチングレギュレータを制御することにより、電池充電プロセスの効率を改善する、改善された電池充電器システムおよび電池充電器方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の詳細な説明および添付の図面は、本発明の性質および利点のより正確な理解を提供する。
【0032】
本明細書で説明されるのは、電池充電システムおよび方法の技術である。以下の記述において、説明の目的から、多くの例および具体的詳細が、本発明の完全な理解を提供するために説明される。しかしながら、当業者は、特許請求の範囲により規定される本発明は、これらの例の中のいくつか又はすべての特徴を、単独で、または以下に記述する他の特徴と組み合わせて含むことができ、さらに、本明細書に記述される特徴および概念の明らかな修正や等価物を含むことができることを理解するだろう。
【0033】
図1Aは、本発明の一実施形態によるスイッチング電池充電器103を備える電子デバイス101を備えるシステム100を示している。電子デバイス101は、電池150を動力源としたデバイス電子機器102を備える。電池は、スイッチング電池充電器103を用いて再充電することができる。スイッチング電池充電器103は、第1の電源110に結合された第1の入力端子と第1の出力端子とを備え、以下に詳細に説明されるフィルタを通じて、少なくとも1つの電池に安定化出力を供給する。本発明の一実施形態は、USB(「Universal Serial Bus)ポートの電力供給線からの入力電圧Vinを、充電器103内のスイッチングレギュレータの入力端子に結合することを含む。スイッチング電池充電器は、USBポートからの効率的な電池の充電を可能にする。
【0034】
以下により詳細に説明するように、スイッチング電池充電器103は、スイッチングレギュレータを備える。スイッチングレギュレータからの出力電圧および電流は、スイッチングされた波形であり、スイッチングされた波形は、フィルタに供給されて、電池へのフィルタされた出力電流および電圧を生成する。本説明の目的のために、スイッチングレギュレータの出力をフィルタの出力とし、この出力は、電池への出力電流(すなわち、電池充電電流)と、電池端子における出力電圧とを含む。以下により詳細に説明するように、一実施形態において、スイッチング電池充電器103は、USBポート電源に結合され、電子デバイス101の電池は、USBポートから充電することができる。例示的電子デバイスには、携帯電話、PDA、ポータブル音楽プレーヤー、または電池で動作する種々の他の電子デバイスが含まれる。しかしながら、種々の他の電源110を他の実施形態において使用してもよい。加えて、以下に説明するように、電池受電器103の異なる実施形態は、たとえば、充電パラメータをプログラムすることや、電池充電機能を制御することや、出力電流または電圧を制御することや、入力電流、電池電流および/または電圧を感知することを目的とする内部回路をさらに備えてもよい。充電器103は、そのような機能を使用して、電源110から電池150の端子への、電圧および電流の移送を制御してもよい。
【0035】
一実施形態において、スイッチング電池充電器103は、電流制御モードで動作し、充電サイクルの第1の時間にわたって、電池150に制御された電流を供給する。充電サイクルの第2の時間にわたって、電池充電器103は、電圧制御モードで動作し、電池150に制御された電圧を供給する。電流制御モードにおいて、スイッチング充電器の出力電流(すなわち、電池への電流)は、回路の制御パラメータとして使用される(たとえば、電池への電流を用いて、スイッチングを制御するフィードバックループを制御することができる)。同様に、電圧制御モードにおいて、スイッチング充電器の出力電圧(すなわち、電池への電圧)は、回路の制御パラメータとして使用される(たとえば、電池の電圧を用いて、スイッチングを制御するフィードバックループを制御することができる)。たとえば、充電器が電流制御モードであるとき(たとえば、電池電圧がある閾値以下であるとき)、スイッチングレギュレータは、電池に供給される出力電流を制御してもよい。ついで、システムは、電池の電圧が指定された閾値を超えて増加した場合、電流制御モードから電圧制御モードに切り替わる。電池の電圧が特定のレベルまで上昇すると、システムは、ついで、電池の電圧を(たとえば、一定の電池電圧を維持することにより)制御し、このとき制御されていない電流は、次第に減少する。以下に説明するように、本発明のいくつかの実施形態は、種々の充電パラメータをプログラムして、充電サイクルの特性を変更することができる。別の実施形態において、スイッチングレギュレータ103により電池150に供給される電流を、電池が充電されるにつれて(たとえば、電池電圧が増加するにつれて)変更することができる。ある具体的な例では、供給される電流は、電池電圧の変化に応答して、デジタルコントローラにより変化される。デジタルコントローラは、プログラマブルデータストレージ素子(たとえば、レジスタまたはメモリ)に格納された、格納充電パラメータを変更することができる。別の具体的な例では、供給される電流は、電池電圧が増加するにつれて、出力電流を制御する電流コントローラの制御入力端子において制御信号を変化させるアナログコントローラにより変化される。
【0036】
図1Bは、本発明の一実施形態による電池充電器を備える電子デバイスを示している。電子デバイス101は、電池150により作動するデバイス電子機器102を備える。電池は、スイッチング電池充電器103を用いて再充電することができる。スイッチング電池充電器103は、プログラマブルスイッチング電池充電器とすることができる。スイッチング電池充電器システム110は、第1の電源(たとえば、入力電圧Vin)を受け取るように結合された第1の入力端子と、フィルタ104を介して少なくとも1つの電池に安定化出力を供給する第1の出力端子とを有するスイッチングレギュレータを備えるスイッチング電池充電器103備えることができる。スイッチング電池充電器103は、たとえば、電池電流および電圧または入力電流および電圧を感知するための内部回路をさらに備えることができる。スイッチング電池充電器103は、そのような情報を使用して、電源から電池端子への電圧および電流の移送を制御することができる。
【0037】
この実施形態において、電池150は、たとえばコンピュータ130のUSBポート131から充電することができる。もちろん、本発明のいくつかの実施形態を用いて、USBポートを備える任意の電子システムから電池を充電することができることを理解されたい。USBポートは、スイッチング電池充電器103の入力端子(Vin)に結合することができる電力供給端子105(たとえば、VBUS)を備えることができる。USBポートは、USBを介して電池充電器システム110へ情報を通信するためのデータ端子106をさらに備えることができる。USBは、2つのデータ線(D+、D−)、電力(VBUS)およびグランド(GND)を備える四線式ケーブルを介して信号および電力を移送する。データ信号は、2つのワイヤ(D+、D−)を用いて通信される。VBUSは一般的に5ボルトである。しかしながら、バスの電圧は、高出力ハブポートについては4.75Vから5.25Vの範囲、低出力ハブポートについては、4.4Vから5.25Vの範囲にわたることができる。遷移条件の下で、VBUS供給は4.1Vまで降下する可能性がある。それゆえ、スイッチング充電器は、電池を充電するために少なくとも4.1Vから5.25Vの範囲のUSB電圧を受け取るように構成されたスイッチングレギュレータを備えることができる。加えて、最大入力電流は、USB HUBについての500mA、またはUSB HOSTについての100mAのいずれかにすることができる。したがって、スイッチング電池充電器は、100mAまたは500mAの最大入力電流のいずれかで動作するように設計される必要がある。一実施形態において、電気充電器は、異なる最大入力電流に対応するようにプログラムされている。加えて、以下に説明するように、電池に供給される出力電流は、充電を改善するために入力電流よりも大きくすることができる。この例では、USBデータが、電池充電システム110の一部として含まれるコントローラ111に結合されている。データは、たとえば、USBデータ線106を介して移送され、充電パラメータを設定することができる。USBデータ線106は、デバイス電子機器102、特にデバイス電子機器内のプロセッサ120に結合することができる。
【0038】
一実施形態において、USBデータは、USBデバイスにより発生することができる最大入力電流を示唆する入力信号を含むことができ、スイッチング電池充電器は、その信号を受け取って充電器内の電流コントローラをプログラムして、最大入力電流に基づいて最大電池電流を設定することができる。たとえば、電池充電器103は、USBポートタイプに対応するロジック信号(たとえば、データ線106上のUSB500/100信号)を受け取ることができる。USBポートタイプは、USBポートがHOSTかHUBかを示唆する。したがって、ロジック信号は、最大USB電流に対応する。ロジック信号を電流コントローラに(たとえば、以下に説明するデジタルコントローラを通して結合することにより)結合して、電池への出力電流を設定することができる。それゆえ、ロジック信号が第1の状態にあるとき、スイッチング充電器への最大入力電流は100mA(すなわち、USB HOST)であり、ロジック信号が第2の状態にあるときは、スイッチング充電器への最大入力電流は500mA(すなわち、USB HUB)である。以下により詳細に説明する一実施形態において、電池充電効率は、スイッチングシステムへの入力電流よりも大きい、電池への電流を発生することにより向上される。たとえば、一実施形態において、ロジック信号が第1の状態にあるときに、スイッチングレギュレータへの入力電流を100mA(たとえば、USB HOST)以下とし、電池への出力電流を100mAより大きくすることができる。ロジック信号が第2の状態にあるとき、入力電流を500mA以下とし、第1の出力電流を500mAより大きくすることができる。
【0039】
スイッチング電池充電器システム110は、充電器を設定し制御するためにスイッチング電池充電器103に結合されたデータストレージ112をさらに備えることができる。データストレージ112は、電池150の充電中に充電器103を制御するための複数の充電パラメータを格納することができる。パラメータは、電池を充電するのに使用される電圧および/または電流もしくは他のパラメータを変更するために再プログラムすることができ、それにより電池充電効率が改善される。本明細書で使用されるとき、用語「プログラマブル」は、(たとえば、バスを介して受け取られた)デジタル信号に応答して変更可能(または可変)であることを意味する。それゆえ、本発明のいくつかの実施形態は、物理的コンポーネントを変えることなくプログラマブルであり、一方で、本明細書に記載される他の実施形態は、たとえば抵抗などの物理的コンポーネントを変えることでプログラマブルとすることができる。データストレージ112は、たとえば揮発性または不揮発性メモリのいずれかとすることができ、充電パラメータは、異なる充電サイクルにわたって、または(電池が充電されている)単一の充電サイクルにわたって再プログラムすることができる。上述のように、システム110は、データストレージ112および充電器103に結合されたコントローラ111も備えることができる。コントローラ111は、充電パラメータでデータストレージ112をプログラムするのに使用することができる。あるいは、コントローラ111は、充電器103を設定し制御するための充電パラメータを直接格納することができる。データストレージ112内の充電パラメータは、たとえばデジタルバス(たとえば、シリアルまたはパラレル)を用いてコントローラ111を通してプログラムすることができる。したがって、充電パラメータは、たとえば電子デバイスまたはコンピュータなどの外部システム上のソフトウェアの制御の下に変更することができる。一実施形態において、デジタルバスは、I
2CバスまたはUSB(Universal Serial Bus)バスを使用して結合または実装することができる。
【0040】
一実施形態において、充電パラメータは、それぞれ複数のデジタルビットとして格納することができ、異なる充電パラメータは、別個に及び/又は独立してプログラムすることができる。複数の充電パラメータに対応するデジタルビットは、次いで、電圧または電流などのアナログパラメータに変換される。アナログパラメータは次に、スイッチング電池充電器103内のノードに結合されてレギュレータのふるまいを所望のように変更し、そして充電の特性を変化させることができる。一実施形態において、デジタルビットは、以下に説明するDAC(digital−to−analog converter)を用いてアナログパラメータに変換することができる。
【0041】
一実施形態において、格納された充電パラメータは、ある範囲の値にわたり可変である。したがって、たとえば、一定電流および/または一定電圧などの充電特性は、対応する範囲の電流または電圧値にわたりプログラムすることができる。一実施形態において、充電パラメータ値の範囲は、少なくとも、最高値、最低値、および最高値と最低値との間の複数の中間値を含む。それゆえ、一定電圧または電流は、データストレージ112内の対応する充電パラメータを再プログラムすることにより、最高値、最低値、または中間値のいずれかにプログラムすることができる。そのようなプログラミングの1つの例示的利点は、異なる規格電圧および規格再充電電流を有する電池を充電するのに、1つのプログラマブル充電器を使用することが可能なことである。
【0042】
本発明の実施形態は、予め定めたソフトウェアアルゴリズムに従い1つ又は複数の充電パラメータを再プログラムすることをさらに含む。充電プロセスを制御するソフトウェアは、充電プロセスを動的に制御するために、前もって書き込んで電子デバイスにロードすることができる。たとえば、電子デバイス101は、マイクロプロセッサやマイクロコントローラとすることのできるプロセッサ120を備えることができる。プロセッサ120は、揮発性または不揮発性メモリ(たとえば、電子デバイス101の一部として備えられたデータストレージ112または別のメモリ)内の充電制御ソフトウェアにアクセスすることができ、データストレージ112内の充電パラメータを再プログラムするためのアルゴリズムを実行することができる。アルゴリズムは、たとえば電池が充電されている間に1つ又は複数の充電パラメータを変更することができ、または、複数の充電サイクルにわたって1つ又は複数の充電パラメータを変更することができる。
【0043】
本発明の実施形態は、多様な電子デバイスにおいて使用することができ、多様な種類および構成の電池を充電するために使用することができる。本発明のある側面の利点を明らかにするために、リチウムイオン(「Li+」)電池を充電することに関して例を説明する。しかしながら、以下の例は、説明の目的のためのみであり、リチウムポリマー電池、ニッケル金属水素化物電池、またはニッケルカドミウム電池などの、異なる電圧および充電仕様を有する他の種類の電池も、本明細書に説明する技術を使用して有利に充電することができることを理解されたい。
【0044】
図2は、本発明の一実施形態による電池に対する例示的プログラマブル充電サイクルを示している。
図2のグラフは、横軸203の時間(「t」)に対して、左の縦軸201にプロットした電池への電流(「Iout」)および右の縦軸202の電池の電圧(「Vbatt」)を示している。経時的な電池の電圧が破線204で示され、電池への電流が実線205で示されている。この例は、深く消耗されたLi+電池のための充電サイクルを示している。本発明の実施形態は、充電サイクル曲線の1つ又は複数のパラメータに対するプログラマブル制御を提供する。電池は、2つの基本的モードで充電される。それらは、この例においてt=0からt2まで一定電流を供給する電流制御モードと、この例においてt=t2からt3まで一定電圧を供給する電圧制御モードである。いずれも、ある範囲の値にわたりプログラマブルである。この例では、電池の電圧は、当初、なんらかの特定の閾値(たとえば、3ボルト)以下であり、電池が深く消耗されていることを示している。したがって、電流制御モードは、当初、一定プリチャージ電流210(たとえば、100mA)を発生することができ、一定プリチャージ電流210は、それをある範囲の値にわたりプログラムすることができるように、格納された充電パラメータにより設定することができる。一定プリチャージ電流210は、電池電圧の増加を引き起こす。電池電圧がプリチャージ閾値211(たとえば、3ボルト)を超えて増加すると、システムは、電池への電流を増加する(たとえば、500mA)。一実施形態において、プリチャージ閾値211も、格納された充電パラメータを用いてプログラムすることができる。システムは、電池電圧を検出することができ、電圧がプリチャージ閾値211以下である場合、システムは一定プリチャージ電流を発生する。電池電圧がプリチャージ閾値211としてプログラムされた値を超えて増加した場合、システムはプリチャージ電流より大きい一定電流212を発生する。第2の一定電流は、しばしば「高速充電(fast charge)」電流と呼ばれる。
【0045】
高速充電電流が電池に伝えられている間、204Aに示すように、電池の電圧は増加し続ける。本発明の実施形態は、制御電流を供給することから制御電圧を発生することへシステムが変化する閾値のプログラミングも可能にする。たとえば、システムが電流制御から電圧制御に遷移する閾値に対応する充電パラメータをメモリ内に格納することができる。電池の電圧がプログラムされた閾値を超えて増加すると、システムは自動的に遷移して、一定電圧213を電池に供給する。一実施形態において、電池に供給される電圧213(すなわち、「フロート」電圧)は、格納された充電パラメータにより設定される。フロート電圧は、対応する格納された充電パラメータをプログラムすることにより、ある範囲の電圧値の内の任意の電圧に設定することができる。電流制御モードの間に電池がフロート電圧まで増加すると、システムは電圧制御モードに遷移し、フロート電圧213を電池において維持する。システムが電圧制御モードにある間、電池への電流207は減少し出す(すなわち、「次第に減少(taper)」または「下落」する)。いくつかの実施形態において、電流がなんらかの最小閾値(すなわち、100mA)に達した後に、充電器をオフにすることが望ましいことがある。それゆえ、システムが電圧制御モードにある間、格納された充電パラメータを使用して、電流207を検出することができる。電流207が最小のプログラムされた値以下に下がると、システムは自動的に充電器を停止し、充電サイクルを終える。有益なことに、上述のパラメータは、ある範囲の値にわたりプログラムして、電池寿命の間や異なる充電サイクルの間やさらには単一の充電サイクルの間に、特定の電池の特定の特性に最適化することができる。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態による、プログラムされた電池充電パラメータの使用を示している。この例は、本発明はいくつかの特徴を示している。302で、電池充電特性に対応する充電パラメータが、プログラマブルデータストレージ素子に格納される。充電パラメータは、たとえばレジスタ、揮発性メモリアレイ、または不揮発性メモリ素子内に、複数のデジタルビットとして格納することができる。パラメータを複数のビットとして格納することは、各パラメータについて複数の値をプログラムすることを可能にする。したがって、電流、電圧または閾値などのシステムパラメータをある範囲の値にわたってプログラムして、広い範囲の電池特性に対応することができる。304で、電池の電圧が感知され、電池電圧がプログラムされたプリチャージ閾値を超えているか又はそれ以下かが判定される。電池電圧がプログラムされた閾値以下の場合、306で、プログラムされた一定プリチャージ電流が電池に供給される。一実施形態において、格納された充電パラメータは、電池が充電されている間に変更することができる。たとえば、308で再プログラムの命令が与えられると、310で、一定プリチャージ電流を制御する充電パラメータが変更され、それにより電池に伝えられるプリチャージ電流値が変更される。電池電圧がプログラムされたプリチャージを超えて増加するものの依然としてフロート電圧以下である場合、314で、電池に供給される一定電流が増加される。高速充電電流も、316および318に示すように、システム内に格納されたに対応する充電パラメータを再ブロプラムすることで、充電中に動的に変更することができる。電池の電圧がプログラムされた電流制御/電圧制御閾値まで増加すると、システムは、322で、一定電流を供給することから、一定電圧を電池に供給することに変化する。324および326で、フロート電圧を、ある範囲の値にわたり再プログラムすることもできる。320で、電池への電流が感知され、テイパー(taper)電流がプログラムされた閾値以下に下がると、328で、充電が終了される。
【0047】
図4は、本発明の一実施形態による電池充電システムを示している。電池充電器400は、電源(たとえば、Vin)を受け取るように結合された入力端子およびフィルタを介して電池450に安定化出力を供給するように結合された出力端子を有するスイッチングレギュレータ410を備える。この例では、スイッチングレギュレータ410の出力端子におけるスイッチング電圧および電流が、インダクタ402およびキャパシタ403を備えるフィルタを通して結合されている。フィルタされた出力電圧およびフィルタされた出力電流は、電池に供給されている。スイッチングレギュレータの出力電流(または電池入力電流)は、抵抗401(「Rsense」)を通してスイッチングレギュレータ410の出力端子を電池450に結合することにより感知される。この例では、スイッチングレギュレータ410の制御入力端子に結合された電流コントローラ420および電圧コントローラ430をさらに備える。電流コントローラ420は、電池450の電圧がプログラムされた閾値以下のときにアクティブである。電流コントローラ420は、それぞれプリチャージ電流、高速充電電流、およびプリチャージ閾値を設定するための、格納された一定プリチャージ電流パラメータ421、1つ又は複数の格納された一定高速充電パラメータ422、および格納されたプリチャージ閾値パラメータ423を備える。この例では、電流コントローラ420は、抵抗401(たとえば、Csense+、Csense−)を介して電圧を感知することにより電流を制御する。電圧コントローラ430は、電池450の電圧がプログラムされた閾値より大きいときにアクティブである。格納された電池電圧パラメータ431が使用され、電流制御から電圧制御への遷移の閾値が設定される。この例では、電圧コントローラ430は、電池端子における電圧(Vbatt)を感知することとそれに従いレギュレータ410の制御端子を調整することにより、電池においてパラメータ431により設定される一定電圧を維持する。
【0048】
本発明の実施形態は、電池充電プロセスに関連する多様な他のパラメータをプログラムすることをさらに含む。たとえば、システムコントロール440は、電池電流に対する最小の閾値をプログラムするための終了電流パラメータを含む。電池電流がパラメータ441により設定される値以下に下がると、充電サイクルは終了する。加えて、システムは、タイマを設定するためのパラメータ442を格納することができる。たとえば、タイマは、一定プリチャージ電流が開始されたときに始めることができる。プログラマブルタイマを使用して、一定プリチャージ電流が電池に供給されている時間を測定することができる。タイマがプログラムされた値を経過した時に電池の電圧がプリチャージ閾値以下である場合、システムは自動的に電流制御を終了して停止し(「タイムアウト」)、それにより充電サイクルを終える。同様に、プログラムされたパラメータを使用して、高速充電電流が電池に供給されている時間を測定して、高速充電電流に対する「タイムアウト」を設定することができる。
【0049】
一実施形態において、システムは、プログラマブル熱制御を備えることができる。プログラマブル熱パラメータ444は、温度にわたりシステムの動作を制御するために格納され使用される下方温度(under−temperature)パラメータおよび上方温度(over−temperature)パラメータを備えることができる。電池のオン御がプログラムされた上限温度限界を超えているか、または下限温度限界以下である場合、充電は一時停止される場合がある。熱パラメータ444は、バイアス制御パラメータも含み、電池温度センサへのバイアス電流をプログラムすることができる。一実施形態において、電池温度センサは、外部の負の温度係数のサーミスタである。したがって、プログラマブルバイアス制御は、たとえば異なるサーミスタ値を有する異なる電池の使用を可能にする。別の実施形態では、システムは再充電パラメータ443を備えることができる。充電サイクルの後、電池は、自動的に再充電されることができる(「トップ・オフ(topped off)」)。たとえば、入力電力供給が依然として存在する場合、フロート電圧は、プログラムされた再充電閾値以下に下がり、新しい充電サイクルが自動的に開始される。
【0050】
電池充電器400は、たとえばマイクロコントローラ、プロセッサ、または状態機械(state machine)を用いて実装することができるデジタルコントローラ460をさらに備える。コントローラ460は、不揮発性メモリ461を備え(または結合され)、1つ又は複数の充電パラメータを格納することができる。コントローラ460は、外部資源または同一の電子デバイス上に位置するプロセッサ470と通信するためのインターフェイス462も備えることができる。一実施形態において、充電パラメータを不揮発性メモリ461に格納し、揮発性ストレージデバイスに移送してもよい。コントローラ460は、プロセッサ470とインターフェイスをとり、不揮発性メモリまたは揮発性メモリのいずれかに格納されたパラメータを再プログラムすることができる。たとえば、プロセッサ470は、パラメータを変更するためのソフトウェア充電アルゴリズム471を備えることができる。プロセッサは、電池電圧および電流を感知するA/D回路(図示せず)に結合され、そしてアルゴリズムが、たとえば感知された電池への電流および電圧に基づいて格納されたパラメータを変更することができる。
【0051】
図5は、本発明の一実施形態による電池充電システムを示している。電池充電器500は、電源を受け取る入力端子と、インダクタ502およびキャパシタ503を備えるフィルタおよび電流感知抵抗501を介して電池550と結合された出力端子を有するスイッチングレギュレータ510を備える。電流コントローラ520は、抵抗501における電流を感知してレギュレータ510の制御入力端子に信号を送り、制御された(たとえば、一定の)電流を維持する。制御された電流は、レジスタ521、522および525内にデジタル値として格納されたパラメータによりプログラムすることができる。たとえば、レジスタ521は、デジタルプリチャージパラメータ値を格納することができ、レジスタ522は、デジタル高速充電パラメータ値を格納することができる。2つの異なる値を選択的に電流コントローラ520に結合して、電池に供給される電流を設定することができる。レジスタ525は、プリチャージ閾値を設定するためのデジタル値を保持することができる。レジスタ525のビットは、DAC(digital−to−analog)526への入力とすることができ、DAC526は、たとえば電圧などのアナログパラメータにビットを変換することができる。DAC526の電圧出力は、基準として使用することができ、コンパレータ527の電池電圧と比較される。電池電圧がプログラムされたプリチャージ閾値以下である場合、コンパレータは、レジスタ521に格納されたプリチャージ電流値をDAC524に選択回路523(たとえば、マルチプレクサ)を使用して結合することができる。DAC524は次に、プリチャージ電流に対応するデジタル値を受け取り、スイッチングレギュレータを制御してプログラムされた電流値を発生するためのアナログパラメータを発生する。電池電圧がレジスタ525にプログラムされた値を超えて増加した場合、コンパレータは状態を変更し、選択回路523は、レジスタ521に格納された高速充電電流値をDAC524に結合する。DAC524は次に、高速充電電流に対応する新しいデジタル値を受け取り、レギュレータを制御して新しいプログラムされた電流値を発生するためのアナログパラメータを発生する。上述の回路は単なる例示的な1つの実装であることを理解されたい。別の例では、プリチャージ閾値を電池電圧を用いて制御し、分圧器を駆動することができる。分圧器の特定のタップは、プログラマブルレジスタによりデジタルに選択することができる。選択されたタップは次いで、コンパレータに結合され、たとえば参照電圧と比較される。
【0052】
同様に、電圧コントローラ530は、電流制御モードから電圧制御モードに変更するための閾値を格納するためのレジスタ531に結合されている。レジスタ531は、閾値をデジタル値として格納する。レジスタ531のデジタルビットはDAC532への入力であり、電池の一定のプログラムされた電圧を維持するためのアナログパラメータに変換される。
【0053】
この例では、レジスタ541は、終了電流値をプログラムするために使用される。電池電流Ioutは、抵抗501により感知することができ、差分電圧は、差分シングルエンド(differential−to−single ended)コンバータ544においてシングルエンド値に変換することができる。レジスタ541内の、所望の終了電流に対応するデジタル値は、DAC542により電圧に変換することができる。差分シングルエンドコンバータ544およびDAC542の両方からの電圧はコンパレータ543への入力とすることができる。電池電流がプログラムされた値以下に減少(次第に減少)すると、コンパレータは、停止コントロール540に信号を発生し、充電サイクルを終了する。
【0054】
電池充電器500は、システム内のデジタル情報を操作するためのコントローラ545を備える。コントローラは、たとえばメモリまたはレジスタからの読み書きのための回路に加えて、シリアルまたはパラレルバスを介した他の電子機器とのインターフェイスなどの他のシステムコントロール機能を備える。上述したように、充電パラメータは、たとえばEEPROMなどの不揮発性メモリ546内に格納することができる。この例では、パラメータは、不揮発性メモリ546内に格納することができる。この例では、パラメータは不揮発性メモリ546内に格納され、レジスタ521、522、525、531および541に移送される。パラメータの変更にソフトウェアアルゴリズムが使用される場合、アルゴリズムが、(たとえば、動的プログラミングのための)レジスタ又は(たとえば、静的プログラミングのための)不揮発性メモリのいずれかの内のパラメータ値を変更することができる。
【0055】
図6は、本発明の一実施形態による電池充電パラメータを示している。この例では、多様な格納されたパラメータがコントローラ645によりプログラムされ、不揮発性メモリ646内に格納された充電パラメータをレジスタにロードすることにより充電サイクルが調整される。たとえば、レジスタ641は、
図5を参照して上述したようなDAC642、差分シングルエンドコンバータ644およびコンパレータ643とともに、終了電流をプログラムするのに使用される。加えて、レジスタ651を使用してプリチャージタイマ652をプログラムすることができ、レジスタ661を使用して高速充電タイマ662をプログラムすることができる。タイマ652は、プログラムされた時間の間に電池の電圧がプログラムされたプリチャージ閾値を超えて増加しない場合、充電サイクルを停止することができる。同様に、タイマ662は、プログラムされた時間の間に電池の電圧がプログラムされた一定電流から一定電圧への遷移の閾値を超えて増加しない場合、充電サイクルを停止することができる。
【0056】
レジスタ671および674は、下方温度パラメータおよび上方温度パラメータによりプログラムすることができる。レジスタ671よび674のデジタル値は、それぞれコンパレータ673および676の入力端子に結合され、電圧範囲の上方および下方限度を定義する。コンパレータ673および676の他の入力端子は、電池温度を検出する熱センサ690に結合されている。電池温度が、プログラムされた上方温度限界を超えた電圧、または下方温度限界以下の電圧をもたらす場合、コンパレータは、充電サイクルを停止して電池を保護する。一実施形態において、バイアス電流679はレジスタ677およびDAC678によりプログラムされ、熱センサの電圧を調整する。ある特定の例では、熱センサは、負の温度係数のサーミスタを備え、バイアス電流は、熱感知回路の温度範囲を最適化するようにプログラムすることができる。
【0057】
図7は、本発明の一実施形態による充電サイクルの例を示している。この例は、たとえば入力電圧がUSB電力端子である用途において使用することができる。以下の例では、充電サイクルパラメータの多くは上述の技術に従ってプログラマブルであり、たとえばシリアルまたはパラレルバスを介して設定し変更することができる。充電サイクルは、パワーオンリセット(「POR」)701で始まる。702で、入力電圧が感知または他の方法で測定されて、電池電圧および付加されたオフセットに対して比較される。この例では、入力電圧が電池電圧プラス130mV未満の場合、703で、システムは充電を終了し、スタンバイモードに入る。入力電圧が電池電圧プラス130mVより大きい場合、704で、温度が感知されチェックされる。電池の温度が許容範囲(すなわち、T(hi)>T>T(lo))の外にあると判定された場合、システムは充電を終了する。しかしながら、電池の温度が許容範囲内であると判定された場合、充電サイクルは705に続く。上述したように、温度チェックの特性はプログラマブルである。以下の表1〜2は、電池温度を測定するためのバイアス電流、ならびに上方温度パラメータおよび下方温度パラメータの例示的プログラミングを示している。
【表1】
【表2】
【0058】
この例では、システムは、USB電力供給入力端子から充電されている。それゆえ、システムは、100mA USBモードをデフォルトに設定し、USBコントローラがUSBタイプ(すなわち、HUBまたはHOST)を指定するのを待つ。USB HOSTは、最大で100mAを供給することができ、USB HUBは、最大で500mAを供給することができる。システムは、706で、USBホストタイプを判定する。USB HOSTに対して、一定高速充電電流は、デフォルトの100mAのレベルに維持される。USB HUBに対して、一定高速充電電流は、最大500mAにプログラムされる。たとえば、一実施形態において、システムは、プリチャージ電流を12.5mAステップで25mAから212.5mAまでプログラムするための充電パラメータを格納する第1のレジスタを備えることができる。別のレジスタを使用して、25mAステップで125mAから500mAまで高速充電電流をプログラムすることができる。システムがHOSTモードにあるとき、システムは高速充電レジスタの機能を無効にしてプリチャージレジスタからDACに供給されるビットを制約し、出力電流が100mAを超えることができないようにする。
【0059】
708で、システムは、電池電圧を感知する。この例では、システムはまず708で、電池電圧をプログラムされた閾値と比較して、「トリクル充電」を開始する。電池電圧が2.16V以下の場合、トリクル電流(たとえば、3mA)が発生され、709で、タイマがオフされる(すなわち、タイムアウトなし)。本発明の一実施形態によると、トリクル充電閾値および一定のトリクル電流は、対応する充電パラメータを格納することによりプログラマブルである。電池電圧がトリクル閾値を超えて増加した場合、システムはプログラムされた一定のプリチャージ電流を発生し、電池電圧のモニタを続ける。710で電池の電圧がプリチャージ閾値(「Vprechg」)以下である限り、711で、システムはプリチャージモードになる。上述したように、プリチャージ閾値はある範囲の値にわたりプログラマブルである。以下の表は、たとえばプログラマブルレジスタまたは他のプログラマブルメモリ内の異なる充電パラメータ値(たとえば、ビット0..2)によりプログラムすることのできる異なるプリチャージ閾値を示している。
【表3】
【0060】
712で、システムはタイマを開始し、プログラムされた一定プリチャージ電流を発生する。以下の表は、たとえばプログラマブルレジスタまたは他のプログラマブルメモリ内の異なる充電パラメータ値(たとえば、ビット0..3)によりプログラムすることのできる異なるプリチャージ電流を示している。
【表4】
【0061】
システムが一定プリチャージ電流を供給している間、システムは、713で、電池電圧を感知する。電池電圧がプログラムされたプリチャージ閾値以下を維持する場合、システムはプリチャージ電流を供給し続け、タイマは動作し続ける。電池電圧が、タイマが714で切れるときにプリチャージ閾値以下を維持する場合、システムは715で電池フォールト(fault)を発生し、716で充電サイクルを終了する。プリチャージタイムアウトもプログラマブルである。以下の表は、プログラマブルレジスタまたはメモリ内の異なる充電パラメータ値(たとえば、ビット0..2)によりプログラムすることのできる異なるタイムアウトを示している。
【表5】
【0062】
プリチャージ電流が、電池電圧をプリチャージ閾値を超えて増加させた場合、システムは717で、「通常」または「高速充電」モードに切り替わる。このモードでは、システムはプログラマブル高速充電タイマをリセットし、プログラムされた一定電流を供給する。プログラマブル一定電流は、USB HUBに関して100mA、USB HOSTに関して500mAの最大値を有する。高速充電タイマも、以下のようにプログラマブルである。
【表6】
【0063】
高速充電の間、718で、電池の電圧が再びモニタされる。電池の電圧がプログラムされたフロート電圧(「Vfloat」)未満である間、充電システムは、719で、電池へのプログラムされた一定電流を調節する。以下の表は、USB HUBに関してプログラムすることのできる高速充電電流を示している。USB HOSTの高速充電電流は最大100mAに制限されている。これは、たとえば、プリチャージについてプリチャージレジスタを使用し、次いでレジスタを高速充電中のより高い電流のために再プログラムすることによりなされる。
【表7】
【0064】
高速充電タイマが、電池の電圧が721でフロート閾値に達する前に、720で切れると、システムは715で電池フォールトを発し、716で充電サイクルを終了する。しかしながら、タイマが切れる前に電池電圧がプログラムされたフロート電圧まで増加した場合、システムは一定電圧調節モードに遷移し、一定電圧タイマを設定する。電池に供給されるフロート電圧は、また、プログラミング命令により設定される。以下の表は、プログラムすることのできる利用可能なフロート電圧を示している。以下の表から、充電器の出力端子において、ある範囲の電圧をプログラムすることができることが理解できる。それゆえ、本明細書に開示される技術を用いる電池充電器により、多様な電池または電池状態に対応することができる。
【表8】
【0065】
出力端子における電圧がプログラムされたフロート電圧に維持されている間、電池への電流は、次第に減少し始める(減少し始める)。充電システムは、723で、電流をモニタし、電池への電流が、電圧が一定に調節されている間に、プログラムされた終了電流閾値以下に減少した場合、システムは、725で、充電サイクルを終了する。あるいは、電池への電流が、724でプログラムされた一定電圧タイマより長く、プログラムされた終了閾値より大きく留まる場合、システムは724でタイムアウトし、715で電池フォールドを発生し、716で充電サイクルを終了する。タイマが切れる前に、電流がプログラムされた終了電流閾値以下に下がる場合、充電器は充電サイクルを終了し、725でスタンバイモードに遷移する。スタンバイモードにある間、システムは電池電圧をモニタし、電池電圧が予め定めたレベル(たとえば、プログラムされたフロート電圧の100mV下)以下に下がった場合、システムは「トップ・オフ」サイクルに入ることができる。
【0066】
図8は、本発明の一実施形態によるスイッチングレギュレータ803を備えるスイッチング電池充電器801を示している。デバイス電子機器802は、電池850から電力を受け取る電源供給端子(「Vcc」)を備える。電池850が消耗されたとき、電源810からの電圧および電圧を、スイッチングレギュレータ803およびフィルタ804を通じて、電池850に結合することにより再充電することができる。たとえば、上述したように、電源はたとえばUSBポートからのDC電源とすることができる。本明細書に説明される技術は、AC電源に適用することもできることを理解されたい。それゆえ、
図8は、DC電力を用いる1つの例示的システムである。スイッチングレギュレータ803は、スイッチングデバイス821、スイッチング回路(「スイッチャー」)822、調節可能電流コントローラ823、出力感知回路825、および入力感知回路824を備えることができる。スイッチングレギュレータ803は、トランジスタ821の制御端子においてスイッチング制御信号821Aを発生するスイッチング回路822を備える点で、線形レギュレータと区別される。たとえば、スイッチングデバイス821は、PMOSトランジスタとすることができる。しかしながら、スイッチングデバイスは、たとえば、1つ又は複数のバイポーラまたはMOSトランジスタなどの、他の種類のデバイスを用いて実装することができることを理解されたい。
【0067】
電流制御モードにおいて、出力感知回路825が、電池への出力電流を感知する。電流コントローラ823が、出力感知回路825に結合されて出力電流を制御する。電流コントローラ823は、出力電流に対応する入力を出力感知回路から受け取る。電流コントローラ823は、これらの入力を用いてスイッチング回路822を制御し、スイッチング回路822は次に、スイッチングデバイス821の制御端子に出力電流を修正する信号を供給する。例示的なスイッチング制御の仕組みには、スイッチングデバイス821の制御端子をパルス幅変調することが含まれる。スイッチングレギュレータ803の出力端子は、フィルタ804を通じて電池850の端子に結合される。電池端子における電圧または電流は、電池への電池電圧または電流を感知することにより制御することができる。電流制御モードにおいて、電流コントローラ823は、感知された電池電流を受け取り制御信号822Aを修正して、スイッチング回路822およびスイッチングデバイス821のふるまいを変化させて、電池電圧を制御された値に維持することができる。同様に、電圧制御モードにおいて、(以下に述べる)電圧コントローラは、感知された電池電圧を受け取り制御信号822Aを修正して、スイッチング回路822およびスイッチングデバイス821のふるまいを変化させて、電池電圧を制御された値に維持することができる。このようにして、電池への電圧または電流を、制御された値に維持することができる。以下により詳細に説明するように、電流コントローラ823は、電池の電圧、またはスイッチングレギュレータへの入力電流のいずれかに結合された別の入力端子を備え、電池の電圧が増加するにつれて、電池電流の変更を制御することができる。この目的のために電池電圧または入力電流のいずれをも使用することができるので、システムは、入力感知回路824を備えても備えなくともよい。
【0068】
一実施形態において、スイッチングレギュレータ803は、電源810から電圧および電流を受け取り、電源から受け取った電流よりも大きい充電電流を電池に供給する。たとえば、電源から受け取った電圧が電池電圧よりも大きい場合、スイッチングレギュレータは次いで、スイッチングレギュレータへの入力電流よりも大きな充電電流を電池に供給することができる。スイッチングレギュレータの入力端子での電圧が電池の電圧よりも大きいとき(しばしば「バック(Buck)」構成と呼ばれる)、スイッチングレギュレータの「理想的」な電圧と電流の関係は次式で与えられる。
【0069】
Vout=C*Vin,
Iout=Iin/C
ここでCは定数である。たとえば、パルス幅変調されたスイッチングレギュレータにおいて、Cは、スイッチングデバイスの制御入力端子におけるスイッチング波形の「デューティサイクル」Dである。上記数式は次のように、出力電流は、入力電流、入力電圧および出力電圧の関数であることを明らかにする。
【0070】
Iout=Iin*(Vin/Vout)
この数式は、「理想的」バックレギュレータに対して当てはまることを理解されたい。現実の実装においては、出力は非理想性(すなわち、効率ロス)のために出力レベルが下がり、それは10%程度である場合がある(すなわち、効率η=90%)。この式は、電池850への充電電流は、入力電流より大きい可能性があることを示している(すなわち、入力電圧Vinが出力電圧よりも大きいとき)。さらに、充電サイクルの初期では、電池電圧は、充電サイクルの後の時点よりも小さい。それゆえ、充電サイクルの初期において(すなわち、Vbatt=Voutとして、Vin/Vbattがより大きいとき)、電池への電流は、充電サイクルの後の時点(すなわち、Vin/Vbattがより小さいとき)における電池への電流よりも大きい。一実施形態において、電池への電流(すなわち、スイッチングレギュレータの出力電流)は制御されて初期値に設定され、そして電池電圧が増加するにつれ、出力電流が減少される。上記数式は、電池電圧が増加するにつれて、スイッチングレギュレータの出力における所与の電流に対して、スイッチングレギュレータへの電流が増加し始めることを示している。この効果は、先に示したスイッチングレギュレータの電圧と電流の関係からもたらされる。たとえば、IoutおよびVinが固定の場合、Iinは、Voutが増加するにつれて増加しなければならない。したがって、異なる実施形態では出力電圧または入力電流が感知され、そして電池電圧が増加するにつれて電池への電流が減少される。
【0071】
たとえば、スイッチングレギュレータ803は、電流制御モードで動作することができ、このとき、出力感知回路825は、スイッチングレギュレータの出力電流(すなわち、電池入力電流)を感知し、電流コントローラ823は、電池の電圧が増加するにつれて、電池への電流の低減を制御する。一実施形態において、電流コントローラ823は、増加する電池電圧に対応する制御信号に応答して電池電流を低減することができ、制御信号は、電流コントローラ823に電池電流を低減するよう伝える。別の実施形態において、入力感知回路824は、スイッチングレギュレータへの入力電流を感知し、電流コントローラ823は、増加する入力電流に対応する制御信号に応答して、電池への電流を低減する。等価的に、入力電流または電池電圧に関係する他のパラメータをモニタして、電池への電流を調整するための所望の情報を取得することもできる。一実施形態において、(以下により詳細に説明する)コントローラを用いて、第1の入力電流または第1の出力電圧に応答して、電流コントローラへの1つ又は複数の制御信号を発生する。コントローラは、感知されたパラメータ(たとえば、アナログまたはデジタル信号としての入力電流または電池電圧)を受け取り、電流コントローラ823への1つ又は複数の制御信号を発生する回路であり、出力端子における電流を調整する。感知回路、コントローラおよび電流コントローラは、電池に印加されるスイッチングレギュレータ出力電圧が増加するにつれてスイッチングレギュレータ出力電流(すなわち、電池充電電流)が連続的に低減されるように、(全体を又は一部を)アナログ回路として実装することができる。別の実施形態において、コントローラおよび/または電流コントローラは、電池電圧が増加するにつれて電池充電電流が段階的に低減されるように、(全体を又は一部を)デジタル回路として実装することができる。これら回路の例を以下に述べる。
【0072】
図9は、本発明の一実施形態によるスイッチングレギュレータを用いた電池の充電を示している。901で、入力電圧および入力電流が、スイッチングレギュレータの入力端子で受け取られる。902で、スイッチングレギュレータの出力端子におけるスイッチング出力電流および電圧が、電池の端子に結合される。たとえば、スイッチングトランジスタの出力端子を、フィルタを介して電池端子に結合することができる。903で、出力電圧(すなわち、電池電圧)および出力電流(すなわち、電池入力電流)が、スイッチングレギュレータの出力端子に発生される。904で、電池への出力電圧が増加するにつれて電池への電流が低減される。上述のように、スイッチングレギュレータは、電池電圧を直接に感知するか、入力電流または他の関連するパラメータを感知することのいずれかにより、電池電圧の上昇を検出することができる。
【0073】
図10A〜10Bは、本発明の一実施形態によるスイッチングレギュレータを用いた電池の充電を示している。
図10Aのグラフは、横軸の時間に対して、右の縦軸に電流、左の縦軸に電池の電圧をプロットしたものである。時間に応じた電池の電圧が線1001で示され、電池への電流が線1002で示され、スイッチングレギュレータへの電流が線1003で示されている。この例は、深く消耗されたLi+電池を充電するための充電サイクルを示している。電池は、2つの基本的モードで充電される。それらは、電流制御モード(t=0,t2)と電圧制御モード(t=t2,t3)である。この例では、電池の電圧は、最初、なんらかの特定の閾値(たとえば、3ボルト)以下であり、電池が深く消耗されていることを示している。したがって、電流制御モードは、最初、一定のプリチャージ(precharge)電流1010(たとえば、100mA)を発生することができる。一定のプリチャージ電流1010は、電池電圧の増加を引き起こす。電池電圧がプリチャージ閾値1020(たとえば、3ボルト)を超えて増加すると、システムは、電池へ供給される電流を増加する。第2の電流は、しばしば「高速充電(fast charge)」電流と呼ばれる。
【0074】
図10Aが示すように、電池への電流は、スイッチングレギュレータが受け取る電流よりも大きくなりうる。たとえば、高速充電サイクルの始めでは、電池への電流を750mA、スイッチングレギュレータへの電流を500mAに初期設定することができる。したがって、電池の電圧は、電池が充電されるにつれて増加しだす。電池電圧が増加するにつれて、電池への電流を低減して、入力電流がほぼ一定を保つようにしてもよい。上述したように、電池の電圧が増加すると、そしてスイッチングレギュレータにより供給される電流が一定に保たれると、スイッチングレギュレータへの電流は増加しだす。いくつかの応用では、入力電流を何らかの閾値以下に維持して、スイッチングレギュレータへの総電力が電源で利用可能な総電力を超えないようにすることが望まれる場合がある。たとえば、電源がUSBポートである場合、最大電流は、USBポートタイプ(HOSTまたはHUB)に応じて、100mAまたは500mAのいずれかとすることができる。この例では、入力電流はほぼ一定に維持され、電池への電流が、電池電圧が増加するにつれて減少される。たとえば、電池電圧が1020Bにおいて約3ボルトを超えて増加すると、電池への電流は約700mAに低減される。
図10Aから、電池の電圧が増加するにつれて電流が順次に減少され、入力電流がほぼ一定に維持されていることが分かる。上述のように、アナログまたはデジタル技術のいずれを用いても、電池電流を制御することができる。加えて、このシステムは、スイッチングレギュレータへの入力電流または電池電圧のいずれを感知しても、電池電流制御を実装することができる。
【0075】
電池の電圧が時刻t2において閾値1030Aを超えて増加すると、システムは、自動的に電池に一定電圧(すなわち、「フロート(float)」電圧)を供給するように遷移する。電流制御モード中に電池がフロート電圧まで増加すると、システムは、電圧制御モードに遷移し、電池におけるフロート電圧を維持する。システムが電圧制御モードである間、電池への電流1030は、減少し出す(すなわち、「次第に減少」または「下落」する)。いくつかの実施形態において、電流がなんらかの最小閾値1040に達した後に、充電器をオフにすることが望ましいことがある。それゆえ、電池電流が最小値より下に下がると、システムは自動的に充電器を遮断し、時刻t3で充電サイクルを終える。
【0076】
図10Bは、電池電圧に対して、スイッチングレギュレータへの入力電流と、スイッチングレギュレータにより供給される電池電流を示している。
図10Bのグラフは、左の縦軸に電流を、横軸に電池電圧をプロットしたものである。最初、電池電圧はなんらかの閾値(たとえば、3ボルト)以下であり、システムはプリチャージモードであり、またスイッチングレギュレータは電池に一定のプリチャージ電流1010A(たとえば、100mA)を供給するように設定されている。したがって、入力電流1010Bは、電池電流よりも小さい(たとえば、100mA未満)。システムが(たとえば、電池電圧が3ボルトなどのなんらかの閾値を超えて増加することの結果として)高速充電モードに遷移すると、電池電流をプリチャージ値から最大値1002A(たとえば、700mA)にリセットすることができる。スイッチングレギュレータから電池に供給される電流が増加すると、入力電流も同様に新しい値1003A(たとえば、約475mA)に増加する。しかしながら、出力電流が一定に保たれているとすると、電池電圧が閾値を超えて増加するにつれて入力電流は増加する。いくつかの応用では、USB電源等の電源は、なんらかの最大値(たとえば、USBに関して500mA)を超えて入力電流をスイッチングレギュレータに供給することができない場合がある。電池への電流を設定するとき、最大入力値を考慮にいれることがある。したがって、入力電流がなんらかの閾値(たとえば、500mAなどの許容可能な最大のレベル)まで増加すると、システムは、電池電流を先の値より小さい新たな値1002Bにリセットすることができ、入力電流はそれに従い1003Bにおいて閾値(たとえば、約450mA)より小さく低減される。電池への出力電流は、電池への出力電圧が増加するにつれて段階的に低減することができ、その結果、
図10Bに示すように、入力電流が閾値以下に保たれる。一実施形態において、出力電流は、スイッチングレギュレータへの入力電流の感知および入力電流が閾値を超えて増加したことの判定に応答して、段階的に低減される。別の実施形態では、出力電流は、電池電圧の感知に応答して段階的に低減される。
【0077】
図11は、本発明の一実施形態による電池充電システム1100の例示的実装を示している。この例は、電池電圧が増加するにつれて電池電流を調整するために、デジタルコントローラ1145およびプログラマブルストレージを用いる、1つの可能な実装を示している。電池充電器1100は、電源からの入力電圧および電流を受け取るための入力端子を有するスイッチングレギュレータ1110を備える。スイッチングレギュレータ1110の出力端子は、インダクタ1103およびキャパシタ1104で構成されたフィルタを介して、電池1150に接続されている。電流感知抵抗1101は、電池への電流経路内に含めることもできる。電流コントローラ1120は、電池電流を感知するために、電流感知抵抗1101の第1の端子に結合された第1の入力端子と、電流感知抵抗1101の第2の端子に結合された第2の入力端子とを有する。電流制御モードにおいて、電流コントローラ1120は、感知された電池電流を受け取り、スイッチングレギュレータ1110の制御入力端子に制御信号を提供する。この例では、電流コントローラ1120は、調整可能な電流コントローラであり、スイッチングレギュレータにより発生される出力電流を調整するための制御信号を受け取る制御入力端子1120Aを備える。システム1100は、充電サイクルの電圧制御モードのための電圧コントローラ1130をさらに備える。電圧コントローラ1130は、電池電圧を感知するために電池の端子に結合された第1の入力端子を備える。電圧制御モードにおいて、電圧コントローラ1130の出力端子は、スイッチングレギュレータ1110への制御信号を発生する。この例では、電圧コントローラ1130は、調整可能な電圧コントローラであり、スイッチングレギュレータにより発生される出力電流を調整するための制御入力端子1130Aを備える。充電システム1100は、電流コントローラ1120および電圧コントローラ1130に結合されたデータストレージをさらに備え、上述したように電流制御モードおよび電圧制御モードにおいてスイッチングレギュレータを設定する。
【0078】
この例では、デジタルコントローラ1145を使用して、電池の電圧が増加するにつれて、電流コントローラ1120の制御入力を変更して電池電流を変更する。一実施形態において、感知回路(たとえば、入力感知抵抗1102)は、スイッチングレギュレータの入力電流を感知するのに使用することができる。この例では、入力感知抵抗1102は、スイッチングレギュレータが受け取る第1の入力電流を感知する手段である。同等の感知手段には、たとえばトランジスタや誘導的感知技術を含むことができる。抵抗1102の端子は、A/D(analog−to−digital)コンバータ1148を通してデジタルコントローラ1145に結合されている。別の実施形態では、電池の電圧を、A/D1149を通してデジタルコントローラ1145に結合することができる。A/DおよびDACに関して、種々の技術を使用することができる。この例では、DAC1124、レジスタ1122、デジタルコントローラ1145およびA/D1148またはA/D1149のいずれかは、第1の入力電流または第1の出力電圧に応答して、電流コントローラに制御信号を発生するための手段を構成する。他の感知および制御回路技術を使用することができ、抵抗による感知、A/D、レジスタおよびDACは単なる例示であることを理解されたい。コントローラ1145は、感知された入力電流または出力電圧を受け取って電流コントローラ1120を調整し、上述のように電池電流を制御する。たとえば、デジタルコントローラ1145を用いて、データストレージ素子を充電パラメータでプログラムする。充電パラメータは次に、アナログ信号に変換されて、電流コントローラ1120の制御入力端子1120Aに結合される。データストレージ内の充電パラメータは、たとえばデジタルバス1141(たとえば、シリアルバスまたはパラレルバス)を用いて、コントローラ1145を介してプログラムすることができる。したがって、充電パラメータは、予め定めたソフトウェアアルゴリズムの制御の下で変更することができる。コントローラ1145は、スイッチングレギュレータおよびスイッチング電池充電器回路と同一の集積回路上に備えることができ、または、電子デバイス内の別の集積回路上に備えることができる。一実施形態において、デジタルバスは、たとえばI
2CバスまたはUSB(Universal Serial Bus)を使用して結合または実装することができる。
【0079】
電池電圧が増加するにつれて、デジタルコントローラ1145は、レジスタ1122を再プログラムして電池電流を変えることができる。たとえば、デジタルコントローラ1145は、電池電圧を閾値と(ソフトウェアまたはハードウェアのいずれかで)比較して、電池電圧が閾値より大きければレジスタを再プログラムすることができる。電池電圧が増加するにつれて、コントローラ1145は、電池電圧を異なる閾値と比較して出力電流を変えることができる。閾値は、たとえば、線形に間隔を空けることができ、または特定のシステム要件にしたがって決定することができる。あるいは、デジタルコントローラ1145は、レギュレータ入力電流を閾値と(ソフトウェアまたはハードウェアのいずれかで)比較して、入力電流が閾値よりも大きければレジスタ1122を再プログラムすることができる。
【0080】
図12は、本発明の一実施形態による電池充電システム1200の例示的実装を示している。この例は、電池電圧が増加するにつれて電池電流を調整するためのアナログコントローラ1245を用いた可能な実装の1つを示している。電池充電器1200は、電源からの電圧および電流を受け取るための入力端子を有するスイッチングレギュレータ1210を備える。スイッチングレギュレータ1210の出力端子は、インダクタ1203およびキャパシタ1204で構成されたフィルタを介して電池1250に結合されている。
図5の電池充電器システム500に関して説明したように、電流制御モードにおいて、電流コントローラ1220は、出力電流を感知し、電池に供給される電流を制御するために、スイッチングレギュレータ1210の制御入力端子に制御信号を供給する。この例では、電流感知抵抗1201は、電池への電流経路内に含まれ、電流コントローラ1220は、電池電流を感知するための、電流感知抵抗1201の第1の端子に結合された第1の入力端子と、電流感知抵抗1201の第2の端子に結合された第2の入力端子とを有する。
図5の充電器500のように、電流コントローラ1220は、調整可能な電流コントローラであり、スイッチングレギュレータにより発生された出力電流を調整するための制御信号を受け取る制御入力端子1246を備える。システム1200は、充電サイクルの電圧制御モードのための電圧コントローラ1230をさらに備える。電圧コントローラ1230は、電池の端子に結合された第1の入力端子を備えて電池電圧を感知する。電圧制御モードにおいて、電圧コントローラ1230の出力端子は、スイッチングレギュレータ1210への制御信号を発生する。
【0081】
この例では、アナログコントローラ1245は、第1の入力電流または第1の出力電圧に応答して、電流コントローラに制御信号を発生するための手段を提供する。アナログコントローラ1245は、電池電圧を感知するための電池端子、またはスイッチングレギュレータへの入力電流を感知するための入力電流感知回路のいずれかに結合することができる。この例では、入力電流感知回路は、スイッチングレギュレータ1210の入力端子に結合された電流感知抵抗1202である。この例では、アナログコントローラ1245は、電池に結合された入力端子を有してもよいし、または、感知抵抗1201の両端に結合された2つの入力端子を備えてもよい。感知入力電流または電池電圧のいずれかに応答して、アナログコントローラは、電流コントローラ1220の制御入力端子1246の1つ又は複数の制御信号を変更して、電池電流を変更する。アナログコントローラ1245は、多様な異なる入力端子または出力回路技術を使用して入力電流または電池電圧を感知し、電流コントローラ1220の具体的実装に応じて適切な1つ又は複数の信号を発生することができる。アナログコントローラ1245は、たとえば、増幅器、電流源、リミッタおよび/または比較回路などを備え、感知した電圧または電流を処理して電流コントローラ1220への制御入力端子1246に1つ又は複数の制御信号を発生して、電池電流を調整することができる。多様な感知回路およびアナログ回路を使用することができることを理解されたい。それゆえ、電流制御モードにおいて発生された電池電流は、感知された電池電圧入力または感知された入力電流のいずれかに応答して、アナログコントローラ1245により調整することができる。したがって、電流コントローラ1220は、上述のように、スイッチングレギュレータへの電流よりも大きい電池への電流を発生することができる。電流コントローラ1220は、電池への入力電流およびアナログコントローラ1245からの制御信号を感知することができ、電池電流は、電池の電圧が増加するにつれて低減することができる。
【0082】
図13は、本発明の一実施形態による電池充電器の例である。電池充電器1300は、電圧コントローラ1301、電流コントローラ1302、および入力端子1308と出力端子1309との間に結合された電圧および電流を制御するためのトランジスタ1307(たとえば、PMOSトランジスタ)に結合されたスイッチングレギュレータ1303を備える。電流コントローラ1302は、出力電流感知抵抗(たとえば、0.1オームの抵抗)を介して電流を感知するための第1の入力端子1310と第2の入力端子1311を備える。端子1310は、抵抗の正端子に結合され、この正端子は、トランジスタ1307の端子1309と結合され、端子1311は抵抗の負端子に結合され、この負端子は電池に結合される(スイッチングレギュレータでは、端子1309はインダクタに結合され、インダクタの他端子は、端子1310に結合されることができる)。電流コントローラ1302は、端子1310と端子1311との間で感知された電流に応答して、スイッチングレギュレータにより発生される電流の量を制御するための制御入力端子1350をさらに備える。電流コントローラ1302の出力端子は、レギュレータ1303の入力端子に結合される。電圧コントローラ1301は、電池に結合されている電池感知入力端子1312と、たとえばDACに結合することができる制御入力端子1351とを備える。電圧コントローラ1301の出力端子も、スイッチングレギュレータ1303の入力端子に結合されている。スイッチングレギュレータ1303は、基準電圧1314(たとえば、1ボルト)に結合された第1の入力端子と、電圧コントローラ1301および電流コントローラ1302の出力端子と結合された第2の入力端子とを有する誤差増幅器1304を備えることができる。誤差増幅器1304の出力端子は、たとえばパルス幅変調(「PWM」)回路のデューティサイクル制御入力端子などの、スイッチング回路1305の入力端子に結合される。本発明を実施するのに種々のスイッチング技術を用いることができることを理解されたい。ノード1313は、レギュレータの負帰還ノードである。それゆえ、電流制御または電圧制御のいずれの条件下においても、ループは、誤差増幅器の基準電圧(たとえば、1ボルト)と同一の電圧にノード1313を向かわせる。
【0083】
図14は、本発明の一実施形態による電圧コントローラの例である。電圧コントローラ1400は、本発明の異なる実施形態を実施するのに使用することができる制御回路の単なる例示の1つである。この例では、電池感知端子1401は、充電されるべき電池に結合されている。第2の入力端子1402は、制御入力端子(たとえば、DACの出力端子)(「Vctrl」)に結合され、電池端子の電圧をプログラムされた電圧値に設定する。端子1402は、Vctrlを介して、充電パラメータを格納するレジスタまたはメモリに結合して、電池の電圧を設定することができる。電池電圧は、充電パラメータを変更し、それによって端子1402における電圧を異なる値の範囲にわたり変更することで調整することができる。たとえば、上述のように、電圧コントローラ1400の出力DIFFは、誤差増幅器基準と同一の電圧、この例では1ボルトに駆動される。増幅器1404および1405と抵抗1406〜1412の回路網を備える差動加算回路網(differential summing network)は、出力端子における電圧DIFF、電池電圧BSENSEおよび電圧Vctrlの間に次の関係を確立する。
【0084】
DIFF=BSENSE−(2.45V+Vctrl)
それゆえ、DIFFがフィードバップループにより1ボルトに駆動されるとき、電池電圧はVctrlの電圧の関数である。
【0085】
DIFF=1ボルトのとき、BSENSE=3.45+Vctrl
したがって、電池電圧は、DACの入力端子に結合された、Vctrlを設定するビットのデジタル値を変更することでプログラムすることができる。
【0086】
図15は、本発明の一実施形態における電流コントローラの例である。電流コントローラ1500は、本発明の異なる実施形態を実施するのに使用することができる制御回路の単なる例示の1つである。この例では、正電流感知端子1502および負電流感知端子1503が、充電されるべき電池の入力端子における感知抵抗の両端間に結合される。制御入力端子1501は、制御電圧(「Vctrl」)に結合され、デジタルまたはアナログコントローラに応答して、電池への制御された電流を設定する。たとえばVctrlは、出力電圧または入力電流のいずれかに応答するアナログ回路からアナログ電圧を受け取って、電池電流が増加するにつれて電池電流を低減する。あるいはまた、端子1501は、DACを介して、電池への電流を設定するための充電パラメータを格納するレジスタまたはメモリに結合することができる。電池電流は、充電パラメータを変更し、電池電圧または入力電流のいずれかに応答するデジタルコントローラにより調整し、それによって端子1501の電圧を異なる値の範囲にわたって変更することができる。例として、上述したように、電流コントローラ1500の出力DIFFは、誤差増幅器基準と同一の電圧に駆動され、その電圧はこの例では1ボルトである。増幅器1505および1506と抵抗1507〜1514の回路網を備える差動加算回路網は、出力端子における電圧DIFF、電圧で測定された電池電流、CSENSE+およびCSENSE−、ならびに制御電圧の間に次の関係を確立する。
【0087】
DIFF=R2/R1(CSENSE+−CSENSE−)+Vctrl
それゆえ、DIFFがフィードバップループにより1ボルトにドライブされるとき、電池電流はVctrlの電圧の関数である。
【0088】
DIFF=1ボルト、およびR2/R1=5のとき、(CSENSE+−CSENSE−)=(1V−Vctrl)/5
したがって、スイッチングレギュレータにより電池に供給される電流は、制御電圧を変化させることにより(たとえば、DACの入力端子に結合されたビットのデジタル値を変化させることにより)変化させることができる。上述した
図7〜8の回路は差動加算技術を使用するが、他の電流および/または電圧加算技術を使用して出力電池電流および電圧を感知し、制御信号を発生して、スイッチングレギュレータの制御入力端子を駆動することができることを理解されたい。
【0089】
図13〜15を参照すると、本発明の1つの特徴に、「ワイヤードOR」構成を用いて、電流コントローラおよび電圧コントローラの出力端子をスイッチングレギュレータに接続することを含めることができる。たとえば、一実施形態において、電圧コントローラ1400内の増幅器1405の出力プル・ダウン・トランジスタと、電流コントローラ1500内の増幅器1506の出力プル・ダウン・トランジスタは、「弱い(weak)」デバイスである。たとえば、DIFFノードから電流をシンクするためのデバイスは、DIFFノードに電流を供給するための増幅器1405および1506内のデバイスよりもかなり小さい。電流制御モードの間、電池電圧がノード1402における制御電圧値(たとえば、プログラムされた、電流制御から電圧制御への閾値)以下である場合、増幅器1405の正入力(BSENSE)は、負入力よりも低く、増幅器1405の出力端子は、DIFFから電流をシンクしようとする。しかしながら、電流コントローラ増幅器1506の出力は、DIFFノードを正方向に駆動する。それゆえ、増幅器1405のプル・ダウン出力が増幅器1506のプル・ダウン出力より弱いので、システムは、一定電流コントローラ1500により支配される。同様に、電池の電圧(BSENSE)が、増幅器1405の正入力および負入力が等しい点まで増加したとき、電圧コントローラが、支配的になる。この点で、感知抵抗を通じた電流は減少し始め、増幅器1506の出力は下がり始める。しなしながら、増幅器1506のプル・ダウン出力は増幅器1405のプル・アップ出力よりも弱いので、システムは、一定電圧コントローラ1400により支配される。
【0090】
図16は、本発明の一実施形態によるアナログコントローラの例を示している。電流コントローラ1620は、「Csense+」に結合された第1の入力端子と、「Csense−」に結合された第2の入力端子とを備える。ここで、Csense+は出力電流感知抵抗の正端子に結合され、Csense−は出力電流感知抵抗の負端子に結合される。電流コントローラ1620は、スイッチングレギュレータ1601の制御入力端子1604に制御信号を発生する。スイッチングレギュレータ1601は、スイッチング回路1603を備え、このスイッチング回路1603は次に、スイッチングトランジスタ1602のゲートにスイッチング信号(たとえば、パルス幅変調信号)を発生する(スイッチングレギュレータ1601は誤差増幅器も備えることができるが説明のために省略されている)。電流コントローラ1620はさらに、制御入力端子Vctrlを備える。Vctrlにおける電圧は、電池電流を制御するために使用することができる。この例では、電流コントローラ1620の制御入力端子における電圧は、抵抗1646(「R1」)への電流源1645により設定される。システムがプリチャージモードのとき、電流源1645により供給される電流は、システムが高速充電モードにあるときに供給される電流よりも小さくすることができる。システムが最初に高速充電モードにはいるとき、抵抗1646への電流は、所望の最大出力電流に対応するVctrlにおける最大電圧を設定することができる。高速充電サイクルの始めにおける最大出力電流は、抵抗1646の選択を含む種々の方法で設計上の選択により設定することができる。電圧Vsenseは、スイッチングレギュレータ入力電圧または電池電圧のいずれかから引き出される。当初、高速充電モードが始まるとき、電圧Vsenseは、導電状態の端にあるトランジスタ1648をバイアスする。電池の電圧が増加するにつれて、またはスイッチングレギュレータへの入力電流が増加するにつれて、Vsenseが増加する。Vsenseが増加するにつれて、トランジスタ1648はオンになり、電流(すなわち、Vsense/R2)が導通する。トランジスタ1648は、抵抗1646から電流を奪い、それにより電流コントローラ1620の制御入力端子における電圧の低減を引き起こす。したがって、Vctrlが減少するにつれて、電流コントローラ1620は、スイッチングレギュレータ1601により発生される出力電流を低減する。それゆえ、電池電圧が増加するにつれて、または入力電流が増加するにつれて、Vsenseは、電流コントローラ1620に出力電池電流を低減させる。
【0091】
上述の記述は、本発明の様々な実施形態を、本発明の側面がどのように実装されうるかの例とともに説明する。上述の例および実施形態は、唯一の実施形態として考えるべきではなく、特許請求の範囲により規定される本発明の柔軟性および利点を明らかにするために提示されている。以上の開示、および特許請求の範囲に基づいて、他の構成、実施形態、実装および等価物が当業者には明らかとなり、また特許請求の範囲により規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく用いることができる。本明細書に用いた用語および表現は、様々な実施形態および例を記述するために用いられている。これらの用語および表現は、図示され説明された特徴の等価物またはその一部を排除するものと解釈すべきではなく、添付の特許請求の範囲の範囲内で種々の変形が可能であることを認識されたい。