特許第5951605号(P5951605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5951605-水を処理するための方法及びシステム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5951605
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】水を処理するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/42 20060101AFI20160630BHJP
   C02F 1/44 20060101ALI20160630BHJP
   B01D 61/04 20060101ALI20160630BHJP
【FI】
   C02F1/42 B
   C02F1/44 J
   B01D61/04
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-521085(P2013-521085)
(86)(22)【出願日】2011年7月22日
(65)【公表番号】特表2013-535322(P2013-535322A)
(43)【公表日】2013年9月12日
(86)【国際出願番号】EP2011062628
(87)【国際公開番号】WO2012013593
(87)【国際公開日】20120202
【審査請求日】2014年7月7日
(31)【優先権主張番号】102010032722.0
(32)【優先日】2010年7月26日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513021578
【氏名又は名称】ビーダブリューティー アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン, ユルゲン
【審査官】 金 公彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−023006(JP,A)
【文献】 特開平09−323083(JP,A)
【文献】 特開平05−169061(JP,A)
【文献】 特開平07−316852(JP,A)
【文献】 特開2004−283726(JP,A)
【文献】 特開平11−197649(JP,A)
【文献】 特開平11−019687(JP,A)
【文献】 特開平11−244666(JP,A)
【文献】 特開昭58−006297(JP,A)
【文献】 特開平10−202296(JP,A)
【文献】 特開2000−061462(JP,A)
【文献】 特開2006−061828(JP,A)
【文献】 特公昭43−023481(JP,B1)
【文献】 米国特許第6267891(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0125191(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第3543661(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/42− 1/44
B01J 39/00−49/02
B01D 53/22
B01D 61/00−71/82
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超純水を製造するための方法であって、水流が逆浸透装置内で精製されるものにおいて、水流が、以下の工程を含む前処理を受けさせられ、前処理から得られた水流が逆浸透装置中に供給されることを特徴とする方法:
(1)水流を少なくとも二つの部分流に分割する、
(2)Hモードで操作されるカチオン交換器により部分流の少なくとも一つの中に存在するカチオンをHイオンと交換する、
(3)カチオン交換器に対して平行に操作可能な軟水化器により部分流のさらに少なくとも一つの中に存在する硬度の原因となる種をソフトイオンと交換する、
(4)OHモードで操作する少なくとも一つのアニオン交換器によりカチオン交換器及び軟水化器により処理された部分流を処理する。ただし、アニオン交換器中に供給される水流のpH値が、アニオン交換器から出る水を、アニオン交換器中に供給される水流に添加することによって調整される。
【請求項2】
処理された部分流が、少なくとも一つのアニオン交換器による処理の前に組み合わされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
水流の75〜99容量%がカチオン交換器を用いて処理されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
水流の1〜25容量%が軟水化器を用いて処理されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
逆浸透装置中に供給される水流のpH値が、前処理時にHイオンと交換されるカチオンの割合を変えることにより制御されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
逆浸透装置中に供給される水流のpH値が、水流がカチオン交換器と軟水化器に分割される比率を変えることにより制御されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
超純水を製造するための、請求項1に記載の方法によるシステムにおいて、システムが、逆浸透装置、互いに平行に配置された少なくとも二つの部分区域から構成された前記逆浸透装置への供給ラインであって、部分区域の少なくとも一つがカチオン交換器を含み、部分区域の少なくとも別のものが軟水化器を含み、部分区域のそれぞれを処理される水の一部が通過する供給ライン、及び平行な部分区域の下流に配置されかつ逆浸透装置の上流に配置されたアニオン交換器を含むこと、及びシステムが、循環導管を含み、この循環導管を介して、アニオン交換器から出る水がアニオン交換器の入口に循環されることができることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を処理するための方法であって、水の流れが逆浸透装置内で精製される方法に関する。さらに、本発明は、かかる方法を実行するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現時点で、水の処理は、特に飲料水供給の分野及び超純水プロセス水の製造でますます重要となっている。特に後者の場合、例えば医薬用途での使用のためまたは半導体製造での用途のために意図されたプロセス水の場合に、特に水純度の高い要求がある。
【0003】
かかる用途のための水処理中に、特にそれ自身周知の逆浸透法が採用される。この工程中に、処理される水は、加圧されかつ透水膜に沿って案内され、そこで水は透過水として膜を通過し、水中に存在する分子状及びイオン状の不純物の殆どが選択性透過膜により保持される。従って、処理される水は、低塩部分流(透過水)と高塩部分流(濃縮物)に分離される。
【0004】
しかし、例えば二酸化炭素(CO)または二酸化珪素(SiO)のような非イオン性またはイオン化しにくい化合物の分離は困難であることが判明している。一般的に、かかる種は、逆浸透によりpH中性水流から除去されることができないかまたは不十分な範囲までしか除去されない。従って、通常、処理される水を逆浸透装置に供給する前にそれにアルカリ(例えば苛性ソーダ)が添加される。一般に、高いpH値では、除去しにくい種のかなり高い割合がイオン化された形で存在する。前記イオン化された割合は、一般的に逆浸透膜を使用して改善された分離を示すことができる。逆浸透の前に水供給中の増大したpH値、特に>10の高いpH値からもたらされる別の利点は、膜汚れに対する付着の減少である。膜汚れという用語は、膜表面上の細菌の固定を記述する。バイオフィルムを成長させることにより、透過性能は低下しうる。さらに、透過水は細菌汚染に曝されるかもしれない。
【0005】
高効率の逆浸透を操作するための方法は、EP0946268から既知であり、そこでは原料未処理水の流れが一つ以上の工程時に前処理され、続いて逆浸透装置中に供給される。しかし、前処理された原料水流を供給する前に、水のpH値は少なくとも8.5に、好適な実施態様では12以上にまで増加される。この方法は、逆浸透装置中の低イオン化された分子種の効率的分離を可能にする。さらに、前処理工程と組み合わせて、スケール生成の非常に効率的な防止がある。
【0006】
EP0946268によれば、逆浸透装置の前のpH値の増加は、好ましくはアルカリの添加により実現される。しかし、そこでの欠点は、高純度アルカリの一定の要求が満たされなければならないことである。疑う余地もなく、より有利な特徴は、逆浸透の前のpH値の増加が追加の化学薬品の使用なしに得られることができることだろう。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、逆浸透装置を使用する水の処理のための改善された方法を提供する問題に基づいている。かかる方法では、特にpH値増加のための化学薬品の添加はできるかぎり避けられるべきである。さらに、この方法は、最も簡単な構造設計、従って信頼性のある性能の水処理装置の製造を可能にするために最も簡単であるべきである。
【0008】
この問題は、請求項1の特徴を与える方法並びに請求項11の特徴を与えるシステムにより解決される。本発明による方法の好適な実施態様は、従属請求項2〜10に記載されている。全ての請求項の用語は、これにより本明細書の内容中に参考として組み込まれる。
【0009】
本発明による方法は、逆浸透装置による塩含有水(原料未処理水)の処理のためである。特に、本発明による方法は、上述の医薬用途での使用のためにまたは半導体製造での用途のために必要とされる超純水を製造することができる。
【0010】
原料未処理水が逆浸透装置で精製される前に、水は、前処理される。すなわち一プロセス工程(好ましくは第一プロセス工程)で水流中に含まれるカチオンの一部がHイオンと交換される方法で水は前処理される。特にそれに平行に、追加の軟水化工程で、カチオンの一部、特に未処理水中の水硬度の原因となる種が、「ソフト」イオン、特に例えばナトリウム及び/またはカリウムイオンのようなアルカリイオンと交換されることが好ましい。さらなる工程で、水流中に含まれる全てのアニオンが水酸化物イオン(OHイオン)と交換される。従って、前記前処理から得られる水流は、プロトンにより置換されなかったナトリウムまたはカリウムのようなカチオンの規定された残留濃度を含む。その結果は、水中に含まれるアニオンの交換後に、水流がアルカリ性であることである。なぜなら水流中に含まれるナトリウムまたはカリウムイオンのため、アニオン交換からの水酸化物イオンは全てが中和されるとは限らず、ナトリウムまたはカリウム水酸化物溶液の形で水中に残るからである。
【0011】
明解な定義を与えると、カチオンという用語は、原則に基づいて、全ての正に荷電したイオンをカバーする。従って、水流中のHイオンであってもカチオンである。しかし、本開示中で「水流中に含まれたカチオンの一部のHイオンと」の交換が検討されるとき、処理される水流中に存在する、例えば、Na,K,Ca2+またはMg2+のようないずれかの他の正に荷電したイオンの質量流がHイオンと部分的に交換されることを意味する。その文脈において、用語「カチオン」は、水流中に存在する陽イオン(一般的に前記イオンは主として金属カチオンである)であって、Hイオンを除くものを意味する。従って、前処理からもたらされる水流は、Hイオンと、交換されなかった他の陽イオンとの両方を含む。
【0012】
前処理のため、処理される水のpH値は、水流に外来の化学薬品を添加する必要なしに増加されることができる。前処理からもたらされるアルカリ性水流は、直ちに、すなわち、何らかの中間精製及び/または処理工程なしに、逆浸透装置に供給されることができ、そこでは水流のアルカリ性のため、イオン化されにくい種であっても除去されることができる。
【0013】
既述のように、水硬度の原因となる種の交換は、特に水流中に存在するカチオンのHイオンとの部分交換と平行に実施される。好都合には、その目的のために、未処理水の流れは二つの部分流に分割され、それらの一方は軟水化装置を通過し、他方は軟水化装置と平行して操作可能なカチオン交換器により処理される。その後、軟水化器及びカチオン交換器からの両流れは組み合わされる。二つの処理の組み合わされた水は、Hイオンとナトリウム及び/またはカリウムイオンの両方を含む。
【0014】
従って、本発明による方法の範囲内の前処理は、特に好ましい実施態様では次の工程を含む:
・ 水流を少なくとも二つの部分流に分離する、
・ Hモードで操作するカチオン交換器により部分流の少なくとも一つを処理する、
・ カチオン交換器に対し平行に操作可能な軟水化器により部分流のさらに少なくとも一つを処理する、
・ OHモードで操作する少なくとも一つのアニオン交換器によりカチオン交換器及び軟水化器により処理された部分流を処理する。
【0015】
モードで操作するカチオン交換器により処理される少なくとも一つの部分流では、カチオンは本質的に完全に除去される(すなわち、全てのカチオンはHイオンと交換される)間に、カチオン交換器と平行に操作可能な軟水化器により処理される少なくとも一つの部分流は、なおカチオンを含む。水硬度の原因となるカルシウム及びマグネシウムのようなカチオンだけが、ナトリウム及びカリウムのようなソフトイオンと交換されている。前記イオンは、その後アニオン交換器からのOHイオンにより中和されることができず、従って前処理からもたらされる水流はアルカリ性である。
【0016】
好ましくは、軟水化器及びカチオン交換器で処理された部分流は、少なくとも一つのアニオン交換器で処理される前に合体される。
【0017】
軟水化器及びカチオン交換器の平行配置は、逆浸透装置中に供給される水流のpH値が特にスマートな態様で制御されることができるという利点を提供する。原則として、本発明による方法の範囲内で、水流のpH値は、前処理時に交換されるカチオンの割合を変えることにより制御されることができる。軟水化器とカチオン交換器の平行配置により、水流のpH値は、水流がカチオン交換器と軟水化器に分割される比率を変えることにより特に簡単な態様で制御されることができる。原則として、軟水化器を通して導かれる水流の割合が大きいほど、得られる水流はよりアルカリ性である。
【0018】
逆浸透による超純水の製造のための従来のシステムでは、アルカリ計量装置が、逆浸透の上流に配置されたカチオン及びアニオン交換工程の下流に配置される。それにより、水は緩衝されず、すなわち最少量のアルカリが、制御するのが非常に困難であり、特に一般的に13より大きいpHピークで逆浸透膜に損傷を起こすpH値の急な増加をもたらしうる。本発明によれば、単にカチオン交換器流に対する軟水化器流の比率は混合され、調節は広範囲に渡って非常に安定であり、従ってpH値は非常に正確に調整されることができる。例えば、もし20°dH(ドイツ硬度)の硬度を持つ100m/hの未処理水流のうち、5m/hの部分流が軟水化され、もしそれに平行に95m/hのカチオンがカチオン交換器内でHイオンと交換されるなら、そのときはpH=10.54のpH値がその後のアニオン交換器工程中に得られるだろう。10m/h軟水化と90m/hカチオン交換では、得られるpH値は10.84である。
【0019】
本発明による方法の好適な実施態様では、水流の75〜99容量%、好ましくは90〜99容量%が、カチオン交換器を用いて処理される。
【0020】
さらに好ましくは、水流の1〜25容量%、好ましくは1〜10容量%が、軟水化器を用いて処理される。
【0021】
特に好ましい実施態様では、逆浸透装置中に供給される水流のpH値は、9より大きい値に、好ましくは10より大きい値に、特に好ましくは10〜11の値に調整される。
【0022】
好適な実施態様では、アニオン交換器中に入る水流のpH値であっても選択的に調整されることができる。特に有利には、前記調整は、アニオン交換器から出る水を進路変更し、それをアニオン交換器中に入る前の水流に添加することにより実現されることができる。
【0023】
本発明による方法で使用されるカチオン交換器、アニオン交換器及び軟水化器は、全て詳細に説明される必要のない商業的に入手可能な水処理システムのための標準的な構成要素である。
【0024】
採用される特に好ましいカチオン交換器は、強酸性イオン交換樹脂に基づいたイオン交換器である。水の硬度に関連したアルカリ度(重炭酸塩アルカリ度)を合格させるのに適合したカチオン交換器が特に好ましい。
【0025】
採用される好ましいアニオン交換器は、強アルカリ性イオン交換樹脂に基づいたイオン交換器である。OHモードのアニオン交換器の運転は特に好ましい。加えてまたは代替として、炭酸塩モードのアニオン交換器が採用されることができる。
【0026】
本発明による方法の範囲内で使用される軟水化器は、好ましくはNaまたはKモードで操作される軟水化器である。
【0027】
また、本発明の目的は、水を処理するためのシステムであり、そこでは特に本発明による方法が実行されることができる。対応して、本発明によるシステムは、もちろん上述の目的のための超純水の製造に特にうまく適合される。
【0028】
本発明によるシステムは、逆浸透装置、及び互いに平行に配置された少なくとも二つの部分区域から構成された前記逆浸透装置への供給ラインを含む。部分区域の少なくとも一つはカチオン交換器を含み、少なくとも別のものは軟水化器を含む。互いに平行に配置された全ての部分区域は、処理される水の一部を通過される。水流を部分流に分割することは、Y分岐により、または例えば得られる部分容積流に関して調整可能な偏向器により実現されることができる。
【0029】
さらに、本発明によるシステムは、平行部分区域の下流に配置されるかまたは逆浸透装置の上流に配置されたアニオン交換器を含む。言い換えれば、アニオン交換器は、平行部分区域と逆浸透装置の間に配置され、水が平行部分区域を通過した後、処理される水により通過される。好ましくは平行部分区域からの水は、アニオン交換器中へのその供給の前に組み合わされる。もちろん、原則として、部分流の両方が別個のアニオン交換器内で処理され、その出口以降で組み合わされることができる選択もある。
【0030】
本発明によるシステムの個々の要素の機能に関して、本発明による方法に関連した前記要素の対応する説明が参照される。
【0031】
軟水化器及びそれに平行に配置されたカチオン交換器によるpH値の上述の調整は、もちろん逆浸透装置が二つの要素の下流に配置されているか否かどうかにかかわらず実施されることができる。対応するように、水流のpH値の制御のための方法は本発明の目的である。最も広い意味では、この方法は、水流内に含まれるカチオンの一部をHイオンにより交換する工程、及び水流内に含まれるアニオンのOHイオンによる本質的に完全な交換を含む。好ましくは、カチオンとアニオンの交換のため、水流は少なくとも二つの部分流に分割され、それらの少なくとも一方は、Hモードで操作するカチオン交換器により処理され、少なくとも一つの他方は、カチオン交換器に平行に配置された軟水化器により処理される。カチオン交換器及び軟水化器により処理された部分流は、OHモードで操作するアニオン交換器を用いて処理される。pH値を制御するために、水流がカチオン交換器及び軟水化器に分割される比率は変えられる。
【0032】
本発明のさらなる特徴は、図面及び従属請求項に関連する以下の好適な実施態様の説明から明らかとなるだろう。ここでは個々の特徴は単独でまたは組み合わせて実現されることができる。述べた実施態様は、本発明の例示及びより良い理解のために意図されており、限定することを決して意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明による方法を示す概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明による方法の原理は、図1に良く示されている。図の上部の左手には、原料未処理水流が入り、ポイント101で二つの部分流に分割される。部分流の一つ(一般的に原料水流の約5%)が、好ましくはナトリウムまたはカリウムモードで操作される軟水化器102を通過し、そこで水硬度の原因となるカチオンが本質的に完全に除去される。従って、軟水化器102から出る水は、ナトリウムまたはカリウムイオンのようなソフトカチオンを含むが、原則として(少なくとも入ってくる未処理水流が中性pH値を持つとき)、中性である。第二部分流は、軟水化器102に平行に配置されたカチオン交換器中に供給される。前記交換器は、好ましくはHモードで操作される。そこでは、未処理水中に含まれるカチオンの本質的に全部がプロトンにより置換される。カチオン交換器103から出る水は対応して酸性である。ポイント104で部分流の両方が組み合わされ、アニオン交換器105中に供給される。前記交換器で、水に含まれたアニオンの全てが水酸化イオン(OHイオン)と交換される。しかし、水酸化イオンの一部のみが、カチオン交換器103から来るプロトンにより中和されることができるので(軟水化器102では、水硬度の原因となるカチオンはプロトンにより置換されず、単にソフトカチオンと交換される)、アニオン交換器105から出る水は原則としてアルカリ性である。好適な実施態様では、未処理水のpH値は、それがアニオン交換器105中に供給される直前に、修正されることができる。従って、pH値を高めるために、ポイント106でアニオン交換器105に供給される水にアルカリが添加されることができる。前記添加は、例えばアニオン交換器105から出る水をポンプ108により循環導管107を介してアニオン交換器105中に入る水流に供給することにより実現されることができる。アニオン交換器105から出る水は、最終的に逆浸透装置109中に供給され、そこで低イオン化可能種が、水の高pH値のために効率的に除去されることができる。
図1