(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜3何れか一項に記載の製造方法であって、前記無機物質が、少なくとも1種のケイ酸塩と、少なくとも1種のシリカと、少なくとも1種の非晶質シリカと、少なくとも1種の炭酸塩と、少なくとも1種のクレーとから選択される少なくとも1種の要素から選択されることを特徴とする方法。
請求項1〜4何れか一項に記載の製造方法であって、前記無機物質が、沈降シリカおよび焼成シリカから選択される少なくとも1種の要素から選択されることを特徴とする方法。
請求項1〜6何れか一項に記載の製造方法であって、前記細孔形成剤が、50℃から200℃の間のガラス転移温度である少なくとも1種の水分散性アクリルコポリマーから選択され、前記アクリルコポリマーが、前記細孔形成剤の総重量の5%〜75%の重量分率で水中エマルジョンとなっていることを特徴とする方法。
請求項1〜7何れか一項に記載の製造方法であって、工程d)において、前記基材が、成型、押出成形、またはコンベヤ上への堆積により予備成形されることを特徴とする方法。
請求項1〜8何れか一項に記載の製造方法であって、工程f)が、少なくとも1回の温度上昇を含んで350℃〜750℃の温度保持に達し、前記温度が、少なくとも4時間維持され、ついで放置されて室温に戻ることを特徴とする方法。
【発明の概要】
【0001】
本発明は、断熱材料を製造するための方法、前記製造方法にしたがって製造可能な断熱材料、また建物の断熱のため、そして特に断熱パネルとしてのその使用に関する。
【0002】
現在、新築および改修において、建築および公共事業(BPW)の構造物のこれらの仕様を満足するために、断熱性がとりわけ効率的な新規材料を開発することが有利である。そのようなより断熱性の建造材料が、とりわけ負荷の軽減、機械的強度または防音に関して、建物の建造に望ましい特性を維持する、もしくは改善さえすること、およびコストを削減し、生産量率を最適化するために、工業生産が容易であることが必須である。
【0003】
多種多様な断熱製品が公知である。これらのうち、グラスウールもしくはロックウールなどの天然もしくは合成繊維に基づく断熱材料、押出もしくは発泡ポリスチレン(EPS)またはフェニルもしくはポリウレタン(PU)フォームなどの発泡もしくはフォームポリマー型の気泡断熱材料を主に挙げることができる。気泡断熱材料は、室温にて30mW/(m.K)近くの熱的性能を達成するために、空気よりも低い熱伝導率を有する気体を有利に内包し得る。これらの材料の一欠点は、長時間マトリックス内の低伝導性気体を維持することが困難であること、および材料が、経年劣化によってこれらの熱的性能の一部を失うことである。
【0004】
部分的な真空を内部に設けた多孔質または微小多孔質の材料を使用することにより、例えば真空パネルを生成することも可能である。これらの断熱材料は、加工(切断、孔開けなど)中に断熱特性の劣化を受けるため、使用が難しい。
【0005】
特許US4636415およびUS4159359によれば、断熱(冷蔵庫など)壁の製造のための、沈降シリカまたは焼成シリカ粒子の使用も知られている。これらの文献には、乾燥経路を介して、粉末形態のシリカに基づく材料を製造する方法が記載されており、この方法は、とりわけ乾燥圧縮工程を必要とする。そのような方法は、最終材料の形成のため、ならびにその熱的および機械的特性の改善のために必要な補助剤または添加物を組み込むことを難しくし、建物適用のために好適ではない。
【0006】
高性能断熱製品を製造するためのシリカエアロゲル粒子の使用もまた、知られている。室温にて12mW/(m.K)の低さまで及ぶ低い熱伝導率が得られるシリカエアロゲルは、一般に、特定の条件下で乾燥したシリカゲルから生成される。これらは、半透明顆粒、または建物の内部および外部壁を断熱するための(熱的、音響的などの)断熱パネル類のような従来の断熱製品内に組み込むために、特定の成形工程を要求する微細な粉末のいずれかの形態であってよい。これらのシリカエアロゲルは、とりわけ、細心の注意を要する乾燥条件を必要とするので、工業規模で得るのが困難であり、コストがかかる。したがって、熱的性能が同等であるが、工業的に製造するのがより簡単な材料の開発に対する高い要求が存在する。
【0007】
本発明は、非常に良好な熱的性能を有する新規の断熱材料を製造する方法の提案を目的とする。本材料は、建物断熱としての適用に使用可能でなければならない。本発明はまた、使用が簡単で、特に支持体上にキャストすることによって、または成型によって、任意の望む形状に成形可能である材料を製造するための方法を提案することが目的である。さらに、本方法は、液体、ゲルおよび/または固体の形態にて、結合剤、添加剤および/または補助剤のような化合物の取り込みと適合しなければならない。
【0008】
この点について、そして先行技術の欠点を乗り越えるために、本発明は、第1の態様にしたがって、断熱材料を製造するための方法であって、以下の工程、
a)5m
2/gより大きな比表面積Sを有する固体無機物質の水性混合物を懸濁状態に調製する工程、
b)少なくとも1種の細孔形成剤を前記混合物に加える工程、
c)攪拌して、均一な混合物を得る工程、
d)均一な混合物から基材を予備成形する工程、
e)任意に、前記基材を少なくとも部分的に乾燥させる工程、
f)少なくとも部分的に、細孔形成剤を除去する工程
を含み、m
2/gで表わされるBETにより測定された前記比表面積Sと、マイクロメートルで表わされる動的光散乱(または光動的拡散)によって測定され前記細孔形成剤の平均粒径Dpmとが、次の関係にしたがう方法に関する。
【0009】
1/S<Dpm<50/S
上で記述された本発明の方法の文脈中、語句「予備成形される」は、本製造方法の経過の間の、製品の中間形態に相当する。方法の最後に、得られた製品をそのまま使用することができ、または、少なくとも1つの切断、粉砕、圧縮などのような他の成形工程かけてもよい。
【0010】
基材を、工程e)にて少なくとも部分的に乾燥させ、すなわち少なくとも30%または少なくとも50%の水が基材から除去され、好ましくは70%、有利には80%、または90%、そして少なくとも99%の水が、基材より除去される。工程e)およびf)は、任意の順番で実施してよく、好ましくは工程f)が工程e)に続く。工程e)は、工程f)の中に含まれてよく、すなわち乾燥は、細孔形成剤の除去工程の間に実施することができる。
【0011】
先に記述したような本発明の文脈内の無機物質および細孔形成剤は、3/S<Dpm<30/S、有利には5/S<Dpm<15/Sのように好ましくは選択される。
【0012】
規格ISO9277:2010にしたがって、比表面積がBET(Brunaer、EmmettおよびTeller決定を用いる気体の多重吸収の理論)によって測定され、沈降シリカの場合、測定は、規格ISO5794/1:2010にしたがって実施される。
【0013】
本発明の文脈中、細孔形成剤は実質的に球形であり、それらのサイズ分布のDpmはしたがって、それらの平均粒径に相当し、動的光散乱によって、規格ISO13321:1996にしたがって測定される。
【0014】
本発明の意味内の用語「無機物質」は、例えば金属酸化物に基づく、無機分子から形成される任意の固体材料を意味し、それは原材料から直接出発することができ、または無機前駆体から調製してもよい。
【0015】
本発明の方法において先に記述した懸濁液中の無機物質は粉末であり、その粒子サイズは、規格ISO13320−1:2000にしたがったレーザー回析を用いた粒子サイズ解析によって測定された中央値直径D50について、好ましくは1μmから10mmまで変わる。
【0016】
工程a)にて記述した無機物質の比表面積Sは、好ましくは10m
2/gより大きく、より好ましくは20m
2/gより大きく、そして有利には30m
2/gより大きく、より有利には40m
2/gより大きく、またはさらに50m
2/gより大きい。有利には、無機物質のこの比表面積Sは、60m
2/gより大きく、より好ましくは70m
2/gより大きく、より有利には80m
2/gより大きく、より好ましくはまた90m
2/gより大きく、またはさらに100m
2/gより大きい。
【0017】
本発明の文脈中表現「細孔形成剤」は、少なくとも部分的に細孔形成剤を取り除くために、とりわけ材料の中心での、本形成剤の挿入に続く処理を用いて、材料内の多孔性を産出可能な任意の物質を意味する。
【0018】
細孔形成剤は、部分的に除去されてよく、例えば、予想される効果を得るために必要な量に対して、過剰に大量の細孔形成剤を工程b)に加える時に、この効果を得るために役立つ質量のみを除去することによって補正されるように、細孔形成剤の質量の90%が基材より除去される。
【0019】
本発明者らは、基材内の細孔形成剤の少なくとも部分的な除去のおかげで、本発明の方法により、材料の熱的特性を改善することが可能となることを、予期せず示した。特に、本発明の文脈内で、参照基材によって意味される基材をもたらすために、本発明の方法にしたがって、しかし細孔成形薬剤の組み込みなし(および結果として工程b)なし)に、懸濁液内に含め、乾燥させた無機物質が、室温にておよそ50〜90mW/(m.K)の熱的伝導率λを有するだけである。その大きさが先に特定したような関係にしたがって、無機物質の比表面積に関連する、細孔形成剤を含む溶液の添加と、乾燥後のその少なくとも部分的な除去とによって、相当に減少し、45mW/(m.K)より小さくなる熱的伝導率を有する基材を得ることが可能になる。本発明の文脈内において、熱的伝導率を、規格ASTM C518およびISO8301によって確立されたプロトコールにしたがうことによって、NETZSCH(商標)社からのHFM436シリーズフローメータで測定した。
【0020】
改善された熱的特性に加えて、さらなる成分を、水相中均一に簡単に加えることが可能であり、断熱材料の形成は単純である。したがって、そのような方法により、とりわけ建設分野において、広い範囲の断熱適用をカバーするため、非常に広範囲の成分と組み合わせた無機マトリックスに基づく広く種々の高い断熱材料を製造することが可能になる。
【0021】
熱伝導率における改善が、参照材料に対する細孔容積の増加に大きく貢献する。多孔性の追加は、その周辺で無機物質の凝集が構築されるようになる細孔形成剤の添加によって実施され、当該細孔形成剤の除去が、得られた無機材料の熱伝導率を低下させるために、制御された様式で、多孔性の形成を導く。
【0022】
撹拌(工程c)が、無機物質を完全に分散させ、細孔形成剤との混合物を均質にすることに働き、例えば磁気撹拌棒または撹拌ブレードのような任意の機械的撹拌子を用いて機械的に実施されてよい。あるいは、または組み合わせで、超音波処理が、好ましくは、無機物質を脱凝集化させ、および/または分散させ、懸濁液中に入れるために適用され得る。
【0023】
好ましくは、細孔形成剤に対する無機物質の重量比は、0.2〜3の値である。有利には、細孔形成剤に対する無機物質の重量比は、0.7〜2.5である。さらに有利には、細孔形成剤に対する無機物質の重量比は、1〜2である。
【0024】
好ましくは、上で列記した重量比との組み合わせで、少なくも10%の細孔形成剤の質量が、工程f)にて取り除かれる。同様に、好ましくは少なくとも30%、有利には少なくとも50%、より好ましくはまた少なくとも90%、さらに少なくとも99%の細孔形成剤が工程f)にて取り除かれる。
【0025】
エマルジョンの問題が存在する場合、細孔形成剤の質量は、固形分に対して表される。
【0026】
好ましくは、無機物質は、以下の基材の少なくとも1種、少なくとも1種のケイ酸塩、沈降シリカ、焼成シリカ、ヒュームドシリカ、シリカゲルまたはシリカエアロゲルのような少なくとも1種の非晶質シリカ、少なくとも1種の炭酸塩および少なくとも1種のクレーから選択される。
【0027】
無機物質として選択されたケイ酸塩および炭酸塩は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のケイ酸塩および炭酸塩であり、好ましくは、炭酸カルシウムおよび/または炭酸マグネシウムである。
【0028】
好ましくは、無機物質は、非晶質シリカである。非晶質シリカの中で、沈降シリカおよび/または(参照HDK(登録商標)T30のもと、Wacker(商標)社によって販売されている焼成シリカのような)焼成シリカが好ましい。
【0029】
好ましくは、本発明の文脈内上で提示した非晶質シリカは沈降シリカである。規格ISO5794/1:2010にしたがってBETによって測定された、160m
2/gの比表面積を有する、Rhodia(商標)社による参照Tixosil(登録商標)365のもと、販売されている沈降シリカからなるものが有利に使用される。
【0030】
沈降シリカは、撹拌し、加熱した水性溶媒中、ケイ酸ナトリウム(または他のアルカリ金属)溶液の酸性化によって得られる。シリカの初期粒子が、4〜50nmのサイズまで成長し、ケイ酸塩から発生するナトリウムイオンの効果を通して凝集体に凝固し、本混合物の撹拌(または超音波処理)が、ゲルの形成を防止する効果を有する。このように生成した沈降シリカの懸濁液を水溶性塩で洗浄し、ついで濾過し、濾過ケーキを(とりわけ噴霧乾燥または回転乾燥によって)乾燥させ、ついで得られた固体を粉砕可能であり、粒子をそれらのサイズにしたがって分離する。
【0031】
細孔形成剤は、好ましくはコロイド形状の少なくとも1種の有機材料、例えばコロイド形状の有機ポリマーを本質的に、または唯一としてさえ含む、実質的に球形の粒子を含み得る。有機材料として、デンプン粒子からなるものも使用されてよく、そのような粒子は、出願EP1403231に記述されている。
【0032】
細孔形成剤はまた、界面活性剤、両親媒性ブロックコポリマーのようなポリマー、または無機細孔形成剤からアセンブリ形成されてよい。
【0033】
無機細孔形成剤としては、例えば好ましくは共溶媒、例えばエタノールを含む水性混合物中に取り込まれた(有機ポリマーとの可能性ある組み合わせでの)NaCl型の無機塩を挙げることができる。無機塩は続いて、例えば文献Chem.Mater.1999,11,1174−1178中で説明されているように、洗浄することによって除去される。
【0034】
融解点より低い焼成温度、および/またはそれが囲まれた無機物質の焼結温度を有する材料から形成される任意のタイプの細孔形成剤が、有利に使用されうるであろう。典型的には、沈降シリカの場合、細孔形成剤の焼成温度は、700℃より低くなければならない。
【0035】
好ましくは、細孔形成剤は、少なくとも1種の有機粒子である。そのような有機粒子は、大部分は、または一意的にさえ、有機材料から構成される。そのような有機粒子は、完全に、または部分的に、ABまたはABAブロックを含む、立体規則性ブロックポリマーとしても公知な、両親媒性ブロックコポリマーのようなポリマーから構築され、これにおいては、Aは酸化ポリエチレン(PEO)またはポリアクリル酸(PAA)のような親水性ブロックを表わし、Bは、ポリスチレン(PS)、酸化ポリプロピレン(PPO)、ポリイソプレン(PI)またはポリビニルピリジン(PVP)のような疎水性ブロックを表わす。
【0036】
好ましくは、本発明にしたがった断熱材料の製造のための方法で使用される有機粒子は、ラテックス粒子である。
【0037】
本発明内の用語「ラテックス」は、例えばLavoisier,J−C Danielらによって発行された「les latex synthetiques[Synthetic latices]」、15ページ中で与えられる用語ラテックスの定義のような、高分子から構成されるポリマーおよび/または粒子のコロイド懸濁液または分散液を意味する。
【0038】
上で引用されたポリマー(および/またはコポリマー)は、自己乳化可能であってよく、またはエマルジョンまたは分散液が、適切な界面活性剤によって安定化される。ポリマーおよび/またはコポリマーは、エマルジョンまたは分散液の総重量の5%〜75%、好ましくは20%〜60%、および有利には30%〜50%の重量画分にて存在する。本発明の文脈内で好ましいラテックスは有利には、50℃より高いガラス転移温度T
gを有する。理想的には、T
gは50℃〜200℃、好ましくは70℃〜170℃、有利には90℃〜150℃、またはさらに105℃〜135℃でなければならない。本発明の文脈内上で特定したような、ガラス転移温度を有するいくつかのラテックスの組み合わせからなるものが有利には使用されてよい。
【0039】
有利には、ラテックスは、ビニル型、アクリル型および/またはカルボン酸より誘導された型のポリマーまたはコポリマーを含む。アクリル型のラテックス、とりわけアクリル型のポリマーを含むもの、特にシラン化された(すなわち、少なくとも1つのシランまたはシラノール官能基を有するエチレン性不飽和モノマーと共重合された)アクリロニトリル/アクリルエステルコポリマーまたはスチレン/アクリル酸もしくはエステルコポリマーが非常にとりわけ好ましい。
【0040】
他の有益なラテックスは、エステル官能基を含むもの、またはシラン化もしくは非シラン化オレフィンと塩化ビニルとのコポリマーを含むものから選択し得る。酢酸ビニルに基づく、とりわけ酢酸ポリビニルのホモポリマーに基づく、または酢酸ビニルのコポリマー、とりわけ(メタ)アクリル酸および/またはエステルの、マレイン酸エステルの、オレフィンの、および/または塩化ビニルのコポリマーに基づく、または塩化ビニル/エチレンコポリマーに基づく、ラテックスを特に挙げることができる。
【0041】
Bayer(商標)社によって販売されている135nmの平均粒径を有するポリウレタンBaybond(登録商標)−BAYBOND XP2602のような、本発明の方法中で、細孔形成剤として使用可能な市販のラテックスを挙げることができる。代替的に、または組み合わせで、Dow Chemical(商標)社のRohm and Haas(商標)によって販売されているもののような、60〜75nmの平均粒径を有する、任意にアクリル酸コポリマーとの組み合わせで、酸化または非酸化ポリエチレンワックスの形態でのラテックスを使用することも可能である。
【0042】
ラテックスは、エマルジョンまたは懸濁液中のラジカル重合化によって得られる、スチレン/アクリルコポリマー、または(種々のアクリルモノマーから誘導される)完全なアクリルコポリマーでありうる。そのようなポリマーは、名称Acronal(登録商標)によって参照される範囲内で、会社BASF(商標)社によって販売されている。
【0043】
好ましくは、ラテックスは、少なくとも1種の水分散可能アクリルコポリマーから選択され、そのガラス転移温度は、50℃から200℃まで変わり、アクリルコポリマーは、細孔形成剤の総重量の5%〜75%の重量画分にて、水中エマルジョンである。先に説明したように、本発明の文脈内で、エマルジョンである場合、細孔形成剤の質量は、固形分に対して表される。
【0044】
そのようなラテックスは、好ましくは、DSM(商標)社による参照Neocryl(登録商標)のもとで販売されているアクリルコポリマーから選択され、有利にはNaocryl(登録商標)XK−52である。この製品は、水中エマルジョンの形態であり、平均粒径58nmで、30から100nmまで変わる直径を有するラテックスを含む。124℃のガラス転移温度T
gを有し、40%の重量画分(または固形分)にて、pH=5.1で水中に分散される(水分散可能ポリマー)。同一の製品範囲にて、平均粒径44nmを有するNeocryl(登録商標)BT21、または平均粒径88nmを有するNeocryl(登録商標)BT100のような他のラテックスの使用が可能である。
【0045】
メチルメタクリル酸(MMA)のエマルジョン重合によって、とりわけ30nm〜80nmの直径を有する、そのようなアクリルコポリマーを製造することも可能である。これらのポリマーは、一般に3つの異なるステージ、粒子のシーディング(seeding)の段階と、続くモノマーを消費することによる粒子サイズの増加段階と、最終の終結段階、で実施されるエマルジョン中のラジカル経路を介して製造される。処方の、そして実験的手順の正確な詳細を、実験セクションにて以下で提示する。合成は、機械的撹拌子を備える被覆反応器中、70℃にて実施された。第一段階において、分散剤(脱イオン化水)と界面活性剤(Cognis(商標)社によって販売されているDisponil(登録商標)FES32またはドデシル硫酸ナトリウム(SDS))とを、反応器内に導入して反応温度にて熱し、窒素バブリングによって脱気を進める。溶解した酸素がラジカルスカベンジャであるので、この脱気が必要である。約15分後、モノマー(NMA)と開始剤(過硫酸アンモニウムS
2O
82-,2NH
3+)とを、激しく撹拌しながら、反応器内に一気に加える。反応媒体が、MMAの小滴の形成によって即座に濁り、重合が開始される。数分後、初期粒子が形成され、反応媒体が、ポリマービーズによる光の散乱のために、不透明白色化を起こす。動的光散乱によってビーズの大きさの安定化を観察することと、分散液中の固形分を測定することによって重合したMMAの質量を測定することとの両方で、反応の進行が追跡される。重合は一般に数時間後に完了する。反応器をついで空にし、ラテックスを室温にて保存する。
【0046】
細孔形成剤としては、界面活性剤または両親媒性ブロックコポリマーおよび/または少なくとも1種の無機細孔形成剤から形成される少なくとも1種の会合性構造体と場合により共用される、上記ラテックスの任意の可能な組み合わせを使用することも可能であろう。
【0047】
本記述中上で説明したように、本発明の方法の文脈内での用語「予備成形される」とは、本製造方法の過程中での、製品の中間成形に相当する。
【0048】
有利には、基材は、成形、押出成形、またはコンベヤ上への堆積によって予備成形される。
【0049】
成形によって基材を予備成形することである本工程には、均一な混合物を、適切な形態または横断面の溝内にキャスティングするための操作が含まれてよい。用語成形は、その広い意味で取られるべきであり、オープン鋳型中のキャスティング、金型を介した押出成形および押出成形品の切断などのような任意の型の成形操作を包含する。適切な場合、成形操作は、表面層を生成するために、高分子有機相での調製の共押出法によって実施されてよい。コンベヤ上での堆積によって、方法の続く工程にしたがって処理することが可能なストリップまたはシートの形状で連続して基材を成形することが可能になってよい。
【0050】
基材を放置して数時間室温にて休ませることによって、工程e)にて、基材を乾燥させることが可能である。好ましくは、基材を、80%より高い相対湿度、35℃以上の温度にて、クライマテック(climatic)チャンバー内で少なくとも1週間乾燥させる。
【0051】
工程e)の後かつ工程f)の前に、基材を粉末化するため、および/または圧縮するために、基材を縮小することが任意に可能である。このさらなる成形工程は好ましくは、まず乳鉢中の乳棒を使用して実施する粉砕、続いて粉末上15.10
6Paの圧力を発揮するように調整したプレスによって好ましく実施する圧縮からなる。そのような圧縮によって、基材を予備成形するおよび/または乾燥することである工程に続いて頻繁に起こる、材料の分解の問題を克服することが可能となる。
【0052】
あるいは、細孔形成剤の除去後、粉末まで基材を単に縮小して、断熱材料を得ることが可能である。
【0053】
本発明にしたがった製造方法の工程f)は好ましくは、焼成によって実施する。本焼成工程には、350℃〜750℃の温度保持に達するための少なくとも1回の温度上昇が含まれ、この温度はとりわけ少なくとも4時間維持され、次いで放置して室温まで戻す。
【0054】
好ましくは、焼成工程に関して、工程e)中で得た材料から出発して、引き続いて以下のように実施される。
【0055】
− 2から6時間まで変わる時間間隔にわたって温度上昇を実施して80℃〜120℃の温度保持に達し、温度を4〜8時間維持する、ついで、
− 4から8時間まで変わる時間間隔にわたって温度上昇を実施して150℃〜200℃の温度保持に達し、温度を4〜8時間維持する、ついで
− 9から15時間まで変わる時間間隔にわたって温度上昇を実施して350℃〜550℃の温度保持を達成し、温度を少なくとも4時間維持する、
− ついで放置して室温に戻す。
【0056】
基材を形成している材料の凝集を減少させ、その断熱特性を低下させる温度ショックを避けるために、3回の維持にしたがった処理によって温度を増加させることが好ましい。
【0057】
本発明はまた、先に記述した方法にしたがって得てよい断熱材料と、1.3〜2.2cm
3/gの総細孔容積とを有する、無機物質、好ましくはシリカから形成されるマトリックスに関し、有利には、この細孔容積は1.9cm
3/gより小さく、より好ましくはまた本発明にしたがった断熱材料の総細孔容積は1.45〜1.85cm
3/gである。総細孔容積は、Pascal140とPascal240機械(Thermo Scientific(登録商標))上で実施される水銀ポロシメトリー測定によって決定され、これらの試験中に試料内に導入された水銀の累積容量と等しいと考えられる。
【0058】
先に記述したように、本発明の文脈内で熱伝導率は、規格ASTM C518およびISO8301によって確立されたプロトコールにしたがうことによって、NETZSCH(商標)社からのHFM436シリーズフローメータで測定される。
【0059】
好ましくは、断熱材料の熱伝導率λは、55mW/(m.K)より小さく、有利には45mW/(m.K)より小さく、より好ましくは40mW/(m.K)より小さい。
【0060】
好ましくは、断熱材料の熱伝導率λは、37mW/(m.K)より小さく、より好ましくは35mW/(m.K)より小さく、有利には32mW/(m.K)より小さく、またはさらに30mW/(m.K)より小さい。
【0061】
好ましくは、本発明の断熱材料の密度は、300〜500kg/m
3であり、有利には、材料の密度は350〜480kg/m
3である。
【0062】
好ましくは、100nm以下の直径を有する細孔についての材料の細孔容積は、1から1.3cm
3/g
の範囲であり、100nmより大きく、かつ1000nm以下の直径を有する細孔についての細孔容積は、0.15から0.35cm
3/g
の範囲であり、1000nmより大きい直径を有する細孔についての細孔容積は、0.27から0.50cm
3/g
の範囲である。細孔容積は、実験セクションにて記述した装置で、水銀ポロシメトリーによって得る。細孔直径は、水銀の表面張力が480dyn/cmであり、シリカ/水銀接触角が140°と等しいと想定することによって、Washburn等式(Washburn、1921)を用いて計算する。
【0063】
本発明はまた、建物の壁を断熱するための、建築分野での、本発明の文脈内で先に記述したような断熱材料の使用に関する。本発明者らは、細孔形成剤としてのラテックスの使用の間に、好ましくはシリカシートの形状で得た材料を焼成することが可能であったことを観察した。そのようなシートは有利には切断され、または断熱材料は、またはパネルを形成するために成形され、コア多孔性が、数ミリメートルの厚さを有する材料中、制御された様式で発生される。
【0064】
好ましくは、断熱材料は、厚さが少なくとも5mmに等しいパネルの形状である。
【0065】
本発明による断熱材料は、繊維マトリックスと、またはポリウレタンフォームなどのフォームと組み合わせることにより、こうして形成される断熱パネルの機械的強度を強化し得る。
【0066】
そのような繊維は、これらが、シリカ凝集体を維持可能な繊維性ネットワークを形成し、マトリックスの機械的強度を改善する要素を強化しているという意味で、強化剤として働いてよい。
【0067】
本発明およびその利点が、以下の、例示によってのみ与えられ、いずれにしろ制限と考えられない、実験セクションにて記述される実施例を読むことによってよりよく理解されるであろう。
【0068】
実験セクション
一般点(使用した解析法および装置)
− 熱伝導率
規格ASTM C518およびISO8301によって確立されたプロトコールにしたがうことによって、NETZSCH(商標)社からのHFM436シリーズフローメータで測定した。
【0069】
− 粉末の15.10
6Paでの圧縮による、ペレット化のためのプロトコール
必要な装置および器具:100kNロードセルおよびSEFRAMデジタルレコーダを備えるINSTRON 4505プレス、50mmの直径を持つ鉄製のシリンダとピストンのセットであって、中空シリンダと2つの表面のうち一方が磨かれた2つのピストン(一方は短く、一方は長い)を備え、さらに、形成されたシリカペレットを回収するために、圧縮後のピストンを解放するため50mmよりやや大きな直径を有する第2の中空シリンダも備えるセット、10mmの厚さを有する小さな金属プレート、56.6mmの直径を有する鉄ビーズ、精密天びん(精度±0.001g)、マイクロメータ(精度±0.01mm)。
【0070】
− 粉末の、15.10
6Paでの圧縮による、ウエハを得るためのプロトコール
15×15×5cmの寸法を有する試料に関して、3400KN ZWICKプレスを使用する。
【0071】
− 試料(ペレット)の密度および寸法の測定
ペレット化の文脈内で使用したバランス上のペレットの質量を測定する。マイクロメータにてペレットの厚さを測定する。その質量とその厚さとから、ペレットの平均密度を計算する。
【0072】
INSTRON4505プレスによって調製したペレットの寸法:全ての場合において、直径50mm、厚さ7〜8mm。
【0073】
− 比容量:総細孔容積を、Pascal140およびPascal240マシン(Thermo Scientific(登録商標))を実施した水銀ポロシメトリー測定によって決定し、これらの試験の間に試料中に導入された水銀の蓄積容量と等しいと考える。
【0074】
水銀の表面張力が480dyn/cmであって、シリカ/水銀接触角が140°と等しいことを想定することで、Washburn等式を用いて、細孔直径を計算可能である。
【0075】
− ラテックスを製造するためのプロトコール
機械的撹拌子、コンデンサおよび窒素バブリングの入口を備える、70℃にてサーモスタットで制御した1リットルの被覆反応器に、600gの脱イオン水(抵抗>16MΩ.m)および界面活性剤(固体または水溶液中)を導入した。同時に、(600gから引き出した)少量の水中に希釈したメチルメタクリレート(MMA、99%、Aldrich)および開始剤を、ホールディングスカートストッパを備える別のフラスコに入れる。反応器の、そして2つのフラスコの含有物を、窒素バブリングによって15分間脱気する。モノマーおよび重合開始剤をついで、機械的撹拌(250rpm)下、反応器内に一気に導入する。全反応を、密封した反応器内で実施し、窒素気流を、反応媒体の直上に維持した。反応媒体が、モノマー小滴の形成のために、モノマーの添加直後に濁るようになる。数分後、溶媒が白色となり、これはすでに形成された粒子による光散乱のサインである。動的光散乱により粒子のサイズ分布における変化をモニタすることによって、そして、分散液の固形分を測定してモノマーの変換の程度を測定することによって、反応の進行を追跡する。重合がその最大値に達した時に、反応器を排水し、ラテックスが、特定されない条件下、ポリエチレンフラスコ内に残る。そのようにして合成された分散液の保存可能期間は、6ヶ月間から1年間まで様々である。使用したアニオン性界面活性剤は一般に、32重量%水溶液の形態で、0.26g/Lの臨界ミセル濃度を有する、C
12H
25(OCH
2CH
2)
4SO
4-Na
+の分子式を持つ、Cognis(商標)社によって販売されている、Disponil(登録商標)FES32である。Alfrich(商標)によって販売されており、2g/Lの臨界ミセル濃度を有する、分子式C
12H
25SO
4-Na
+のSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)をDisponil(登録商標)の代わりに使用してよい。開始剤は、過硫酸塩アンモニウムS
2O
82-,2NH
3+(APS)である。表1および2は、使用した反応基材の量、および本プロトコールにしたがって調製した2つのラテックス上で実施した実験的解析の結果を要約している。
【表1】
【0076】
ラテックス粒子の平均粒径に相当するDpmは73nmであり、その多分散性指数Ipは0.051であり、DpmとIpとの両方を、規格ISO13321:1996(動的光散乱)にしたがって測定する。
【0077】
重量固形分Tsは22%であり、
転換率は1である(固形分は、ポリマーの炭化温度以下の温度にて、オーブン中ラテックスを乾燥させることによって測定する)。
【表2】
【0078】
このラテックス粒子の平均粒径に相当するDpmは58nmであり、その多分散性指数Ipは0.054であり、DpmとIpとの両方を、規格ISO13321:1996にしたがって測定する。
【0079】
重量固形分Tsは22%であり、転化率は1である。
【0080】
[実施例]
例1a
比較例(参照基材):
規格ISO 5794/1:2010にしたがったBETによって測定した、160m
2/gの比表面積を有する、65gのTixosil(登録商標)365沈降シリカを、Vibracell 75042機械(Bioblock Scientific)を用いて5分間(出力500W、周波数20kHz)、超音波処理によって、310gの蒸留水中に分散させる。得られた分散液をついで、9.5cmの内部直径を有するPTFE蒸発ボウル(Carl Roth)に注ぎ入れ、40℃および90%相対湿度にて、クライマテックチャンバー内で1週間乾燥させる。乾燥後、ボウルから抽出した固体試料を、乳鉢を用いて粉砕し、ついで得られた粉末を、実験セクションの一般点にて上で記述した装置(INSTRON 4505プレス)で、15.10
6Paでの圧縮によって形成させる。
【0081】
ペレット形態で得られた本基材を、以下の熱処理にかける。
【0082】
− 4時間かけて100℃まで上昇させ(0.31℃/分)、ついで100℃にて6時間維持する。
【0083】
− 6時間かけて175℃まで上昇させ(0.21℃/分)、ついで175℃にて6時間維持する。
【0084】
− 12時間かけて450℃まで上昇させ(0.31℃/分)、ついで450℃にて8時間維持する。
【0086】
焼成の後、ペレットはまだ同一の寸法、すなわち7〜8mmの厚さに対して直径50mmを有し、本処理の最後に得たペレットは、実験セクションの一般点で説明したように測定した密度を有し、表3中にまとめる。
【0087】
一般点にて記述したプロトコールにしたがって測定した熱伝導率、および水銀圧入ポロシメトリーによって測定した細孔容積もまた、表3にまとめる。
【0088】
例2a
乾燥ラテックスの約10%(重量パーセント)を、使用した沈降シリカの質量に対して使用する。
【0089】
規格ISO 5794/1:2010にしたがったBETによって測定した、160m
2/gの比表面積を有する、65gのTixosil(登録商標)365沈降シリカを、Vibracell 75042マシン(Bioblock Scientific)を用いて5分間(出力500W、周波数20kHz)の超音波処理によって、280gの蒸留水中に分散させる。次に、58nmの平均粒径を有するラテックスB(表2)、30gを加える。得られた分散液をついで、9.5cmの内部直径を有するPTFE蒸発ボウル(Carl Roth)に注ぎ入れ、40℃および90%相対湿度にて、クライマテックチャンバー内で1週間乾燥させる。乾燥後、ボウルから抽出した固体試料を、乳鉢中の乳棒を用いて粉砕し、ついで得られた粉末を、実験セクションの一般点にて上で記述した装置(INSTRON 4505プレス)で、15.10
6Paでの圧縮によってペレット化させる。
【0090】
ペレット形態で得られたこの基材を、以下の熱処理にかける。
【0091】
− 4時間かけて100℃まで上昇させ(0.31℃/分)、ついで100℃にて6時間維持する。
【0092】
− 6時間かけて175℃まで上昇させ(0.21℃/分)、ついで175℃にて6時間維持する。
【0093】
− 12時間かけて450℃まで上昇させ(0.31℃/分)、ついで450℃にて8時間維持する。
【0095】
焼成の後、ペレットはまだ同一の寸法、すなわち7〜8mmの厚さに対して直径50mmを有し、この処理の最後に得たペレットは、実験セクションの一般点で説明したように測定した密度を有し、表3中にまとめる。
【0096】
一般点にて記述したプロトコールにしたがって測定した熱伝導率、および水銀圧入ポロシメトリーによって測定した細孔容積もまた、表3にまとめる。
【0097】
例3a
乾燥ラテックスの約30%(重量パーセント)を、使用した沈降シリカの質量に対して使用する
例2aからの実験プロトコールを、同一量のTixosil(登録商標)365沈降シリカで実施するが、今回は、90gのラテックスB(表2)で繰り返した。蒸留水で満たして、310gの蒸留水中の分散液を得た。
【0098】
同様に、実験結果を表3に順に並べる。
【0099】
例4a
乾燥ラテックスの約50%(重量パーセント)を、使用した沈降シリカの質量に対して使用する
例2aからの実験プロトコールを、同一量のTixosil(登録商標)365沈降シリカで実施するが、今回は、150gのラテックスB(表2)で繰り返した。蒸留水で満たして、310gの蒸留水中の分散液を得た。
【0100】
同様に、実験結果を表3に順に並べる。
【0101】
例5a
乾燥ラテックスの約70%(重量パーセント)を、使用した沈降シリカの質量に対して使用する
例2aからの実験プロトコールを、同一量のTixosil(登録商標)365沈降シリカで実施するが、今回は、210gのラテックスB(表2)で繰り返した。蒸留しで満たして、310gの蒸留水中の分散液を得た。
【0102】
同様に、実験結果を表3に順に並べる。
【0103】
例6a、7a、8aおよび9a
例6a、7a、8aおよび9aに対して、それぞれ例えば2a、3a、4aおよび5aに対して記述したプロトコールを、22重量%の固体を含む(表2からの)ラテックスBを、40固体重量%の固体を含むDSM(商標)社によって販売されているNeocryl(登録商標)XK−52ラテックスの懸濁液で置き換えることによって繰り返す。310gの水中の懸濁液を得るために、加えた量の蒸留水で満たし、方法を、本発明の断熱材料の一態様に相当する焼成ペレットを得るために、例2a中上で説明したのと同一の方法で実施する。
【0104】
例6a、7a、8aおよび9aに対して、例2a、3a、4aおよび5aに対して得たものと同一の実験結果が、それぞれ得られる。
【0105】
反応物と溶媒の量に12をかけ、同一の手順を繰り返すことによって繰り返した例1a〜9aが、それぞれ例1b〜9bに相当する。これらの例1b〜9bに対して、15×15×5cmの寸法を有する試料(ウエハ)を、ZWICK3400KNプレス中での圧縮と、ついで焼成で得る。これらの寸法を有する試料に対して、焼成プロトコールは、最後の550℃の保持をのぞき同一であり、10時間維持した。
【0106】
例1a、b〜9a、bに対して得た結果を、以下表3に示す。
【表3】