特許第5951639号(P5951639)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5951639-空間多重を使用した安全なデータ伝送 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5951639
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】空間多重を使用した安全なデータ伝送
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/85 20130101AFI20160630BHJP
   H04L 1/20 20060101ALI20160630BHJP
   H04J 11/00 20060101ALI20160630BHJP
   H04J 14/00 20060101ALI20160630BHJP
   H04J 14/04 20060101ALI20160630BHJP
   H04J 14/06 20060101ALI20160630BHJP
   H04B 10/2581 20130101ALI20160630BHJP
【FI】
   H04B9/00 385
   H04L1/20
   H04J11/00 B
   H04B9/00 F
   H04B9/00 268
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-548474(P2013-548474)
(86)(22)【出願日】2012年1月4日
(65)【公表番号】特表2014-506433(P2014-506433A)
(43)【公表日】2014年3月13日
(86)【国際出願番号】US2012020154
(87)【国際公開番号】WO2012094378
(87)【国際公開日】20120712
【審査請求日】2013年9月6日
(31)【優先権主張番号】13/077,056
(32)【優先日】2011年3月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/431,040
(32)【優先日】2011年1月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウインザー,ピーター・ジエイ
【審査官】 前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0329670(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0329671(US,A1)
【文献】 特開平11−331132(JP,A)
【文献】 特開平10−242942(JP,A)
【文献】 特開2001−289960(JP,A)
【文献】 特開2000−022643(JP,A)
【文献】 特開平10−079704(JP,A)
【文献】 特開2005−229598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/85
H04B 10/2581
H04J 11/00
H04J 14/00
H04J 14/04
H04J 14/06
H04L 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間多重ファイバから受信された複数のモードを、モードの数以下の数の複数の符号化ビットストリームに変換するように構成されたモード選択検出器と、
複数の符号化ビットストリームから、1つまたは複数の出力ビットストリーム用の情報を復号するように構成された復号器であって、複数の符号化ビットストリームが、空間的拡散符号により符号化されている、復号器と
を備える、受信機。
【請求項2】
復号器が、複数の符号化ビットストリーム間の代数和、差、または積のうちの少なくとも1つを含む代数結合に基づいて、または複数の符号化ビットストリーム間の「and」、「or」、または「xor」演算のうちの少なくとも1つを含む論理的組合せに基づいて、1つまたは複数の出力ビットストリーム用の情報を復号するように構成された、請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
1つまたは複数の出力ビットストリームの回復が、1つまたは複数の出力ビットストリームに対応する複数のモードのすべてが同時に、および空間選択的に検出されることを必要とする、請求項1または2に記載の受信機。
【請求項4】
1つまたは複数のビットストリームに対応する複数のモードの一部が、第1の入力ビットストリームを回復するために、同時に、および空間選択的に検出されなければならない、請求項1または2に記載の受信機。
【請求項5】
復号器が、複数の符号化ビットストリームのビットのパリティから1つまたは複数の出力ビットストリーム用の情報を復号するように構成された、請求項1から4のいずれかに記載の受信機。
【請求項6】
空間多重ファイバから受信される複数のモードに対して、出力または信号対雑音比(SNR)であるパラメータを測定するための測定モジュールと、
測定したパラメータを、少なくとも1つのモードを含む一部のモードの間、および/または知られている一組の非摂動パラメータの間で比較して、差を決定するための差分計算機と、
差が限界を超えるとき、警報インジケータを設定するための閾値および警報モジュールと
をさらに備える、請求項1から5のいずれかに記載の受信機。
【請求項7】
受信機において空間的に多重化された信号を受信することと、
空間的に多重化された信号で受信された複数のモードを、モードの数以下の数の複数の符号化ビットストリームに変換することと、
複数の符号化ビットストリームから1つまたは複数の出力ビットストリーム用の情報を復号することであって、複数の符号化ビットストリームが、空間的拡散符号により符号化されていることと
を含む、方法。
【請求項8】
空間的に多重化された信号の各モードに対して、信号対雑音比(SNR)であるパラメータを測定することと、
測定したパラメータを、少なくとも1つのモードを含む一部のモードの間で、および/または知られている一組の非摂動パラメータの間で比較して、差を決定することと、
差が限界を超えるとき、警報インジケータを設定することと
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
1つまたは複数のビットストリームに対応する複数のモードの一部が、第1の送信ビットストリームを回復するために、同時に、および空間選択的に検出されなければならない、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
空間的に多重化された信号の複数のモードを検出するためのモード選択検出器と、
複数の符号化ビットストリームから1つまたは複数の出力ビットストリーム用の情報を復号するように構成された復号器であって、複数の符号化ビットストリームが、空間的拡散符号により符号化されている、復号器と
を備える、装置。
【請求項11】
空間的に多重化された信号の複数のモードに対して、信号対雑音比(SNR)であるパラメータを測定するための測定モジュールと、
測定したパラメータを、少なくとも1つのモードを含む一部のモードの間で、および/または知られている一組の非摂動パラメータの間で比較して、差を決定するための差分計算機と、
差が限界を超えるとき、警報インジケータを設定するための閾値および警報モジュールと
をさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
モード選択検出器、測定モジュール、差分計算機、ならびに閾値および警報モジュールのうちの少なくとも1つが光学素子である、またはモード選択検出器、測定モジュール、差分計算機、ならびに閾値および警報モジュールのうちの少なくとも1つが電子素子である、請求項10または11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2011年1月9日に出願された米国仮出願第61/431,040号の利益を主張する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願の対象物は、Peter J.Winzer、代理人整理番号809034による、2011年3月31日に出願された、「SECURE DATA TRANSMISSION USING SPATIAL MULTIPLEXING」と題する、米国特許出願第13/076,987号に関連するものであり、この出願は、引用により全体として本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、光伝送機器に関し、排他的ではないが具体的には、空間多重を使用したデータ伝送を可能にする機器に関する。
【背景技術】
【0004】
この項では、開示する(1つまたは複数の)本発明のさらなる理解を容易にする助けとなることができる諸態様を紹介する。したがって、この項で述べることは、この観点において読まれるべきであり、従来の技術にあるもの、または従来の技術にないものについての自認と理解されるべきではない。
【0005】
今日の光ファイバ光伝送システムは、単一偏波もしくは偏波分離多重化された単一横モード伝送、またはすべてのモードが本質的に同じデータを搬送するマルチモード伝送のいずれかに基づいている。このような両方のシステムは、ローカルの湾曲部で少量の光を結合により取り出す(couple out)ように伝送ファイバを曲げることによって行われるタッピング(tapping)の影響を受けやすい。タップされた光は、その後ファイバ湾曲部の位置で高感度受信機によって検出され、盗聴者にファイバを通じて送信される全波長分割多重(WDM)スペクトルにアクセスさせてしまう。少量のさらなる損失は、伝送ファイバの端部に配置された合法の受信機では容易に検出することができず、これにより盗聴者は気づかれずに済む状態になっている。
【0006】
単一モードのファイバシステムにおいて盗聴者の存在を検出する方法が、D.Butler他による、2008年1月24日に出願された、「Intrusion Detection in Optical Fiber Networks」と題する米国特許出願公開第2008/001888号に提供されており、この出願は、引用により全体として本明細書に組み込まれ、ここでは伝送は、いくつかの光波長で行われ、こうした波長間の損失差(differential loss)の変化を、盗聴者の存在の指標として使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/001888号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0329670号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2010/0329671号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下は、開示する対象物のいくつかの態様を理解できるようにするために、開示する対象物の簡略化された概要を示すものである。この概要は、開示する対象物の網羅的な全体像ではなく、開示する対象物の主要な要素または重要な要素を特定することを意図しておらず、開示する対象物の範囲を詳述していない。その唯一の目的は、後に述べるより詳細な説明への前置きとして、いくつかの概念を簡略化された形で提示することである。
【0009】
背景技術において上述したシステムは、少なくとも2つの重大な不利益を有する。第1に、シングルモードのファイバおよび従来のマルチモードのファイバは、本質的に、屈曲により誘導されるタッピングの影響を受けやすい。第2に、インライン光増幅器を使用するシステムは、一般的に、すべての波長で増幅された信号の電力レベルを等化し、したがって、波長依存の損失差を信号対雑音比(SNR)差に変換し、その結果として、受信機における単純な損失差の測定による盗聴者の検出を不可能にする。
【0010】
さらに、物理レイヤのセキュリティを獲得するための量子による技術は、盗聴に対して基本的に耐性がある可能性があるが、この技術は、光学的に増幅された伝送インフラストラクチャに適合せず、これにより現実的な商用ネットワークにおいてその範囲ならびにその適用可能性が大幅に限定される。
【0011】
本明細書で提供する諸実施形態は、量子鍵配送のような量子暗号化技術にたよる必要なく、伝統的な光通信に基づく物理レイヤのセキュリティを用いてデータを伝送することと関連する不利益の1つまたは複数に対処する。本明細書に開示する1つまたは複数の実施形態により、空間的に多重化された(例えば、マルチコアまたはマルチモードの)光ファイバを通じて安全な物理レイヤの伝送が可能になる。開示する1つまたは複数の実施形態により、空間的に多重化された(例えば、マルチコアまたはマルチモードの)光ファイバを通じて安全な物理レイヤの伝送の受信が可能になる。開示するさらに他の実施形態は、空間的に分解された損失差または信号対雑音比(SNR)の測定を使用することにより、このような空間的に多重化された物理レイヤの伝送に使用されるファイバにタップしている盗聴者の存在を特定する能力を提供する。
【0012】
1つの実施形態では、送信機が、符号化器と、複数の変調器と、空間多重化装置とを含む。符号化器は、1つまたは複数の入力ビットストリームを複数の符号化ビットストリームに符号化し、複数の符号化ビットストリームを出力として提供するように構成される。複数の変調器のそれぞれは、複数の符号化ビットストリームのそれぞれの1つを受信し、複数の符号化ビットストリームのそれぞれの1つを変調し、変調された出力信号を提供するように構成される。空間多重化装置は、空間的多重導波路に挿入するために複数の変調された出力信号を空間的に多重化するように構成される。
【0013】
空間多重化装置は、空間的に多重化された複数の変調出力信号の少なくとも1つを、マルチモードファイバのあるモードに、またはマルチコアファイバのあるコアに提供するように構成することができる。変調器は、偏波多重複素光変調(polarization−multiplexed complex−valued optical modulation)方式、強度変調光変調(intensity−modulated optical modulation)方式、オン/オフキーイング、偏波多重直交位相シフトキーイング(polarization−multiplexed quadrature phase shift keying)、または偏波多重直交振幅変調(polarization−multiplexed quadrature amplitude modulation)を使用して、変調を行うことができる。他の変調方式を使用することもできる。
【0014】
1つの実施形態では、1つまたは複数の入力ビットストリームの回復は、検出されるべき1つまたは複数の入力ビットストリームに対応する複数の空間的に多重化された変調出力信号のすべてが、同時に、および空間選択的に検出されなければならないことを必要とする。別の実施形態では、第1の入力ビットストリームを回復するために、1つまたは複数の入力ビットストリームに対応する複数の空間的に多重化された変調出力信号の一部が、同時に、および空間選択的に検出されなければならない。
【0015】
1つの実施形態では、符号化器は、複数の符号化ビットストリームのビットのパリティ中の1つまたは複数の入力ビットストリームの情報を符号化し、複数の変調器は、すべてのモードまたはコアに対して同じ送信波長で、および同じシンボルタイムスロット内で、複数の符号化ビットストリームを変調するように構成される。別の実施形態では、複数の変調器は、各モードまたはコアに対して異なる送信波長で複数の符号化ビットストリームを変調するように構成される。さらに別の実施形態では、複数の変調器は、モードまたはコアに対して複数の異なるシンボルタイムスロット内で複数の符号化ビットストリームを変調するように構成される。
【0016】
符号化器は、複数の符号化ビットストリームのビットに含まれる情報の論理的組合せで、または代数結合で、1つまたは複数の入力ビットストリームの情報を符号化することができる。論理的組合せは、符号化ビットストリームのビット間の「and」、「or」、または「xor」演算を含むことができ、代数結合は、符号化ビットストリームのビット間の代数和、差、または積を含むことができる。
【0017】
1つの実施形態では、送信機は、空間多重導波路から受信される複数のモードを、モード数以下の数の複数の符号化ビットストリームに変換するように構成されたモード選択検出器と、符号化器の逆の動作を行うように構成され、複数の符号化ビットストリームから1つまたは複数の出力ビットストリームを生成するように構成された復号器とを含む。
【0018】
1つの実施形態では、安全な伝送のための方法は、複数の符号化ビットストリームにわたって1つまたは複数の入力ビットストリームを符号化することと、変調器により複数の符号化ビットストリームのそれぞれの符号化ビットストリームを変調して複数の変調信号を形成することと、空間多重導波路で挿入のために空間多重化装置により複数の変調出力信号を空間的に多重化することとを含む。この方法はまた、複数の空間的に多重化された変調信号を空間多重導波路に挿入することを含むことができる。
【0019】
他の実施形態では、空間多重導波路は、マルチモードファイバまたはマルチコアファイバとすることができる。別の実施形態の変調は、偏波多重複素光変調方式、強度変調光変調方式、オン/オフキーイング、偏波多重直交位相シフトキーイング、または偏波多重直交振幅変調などを使用することができる。
【0020】
1つまたは複数の入力ビットストリームの回復は、1つの実施形態において検出されるべき1つまたは複数の入力ビットストリームに対応する複数の空間的に多重化された変調出力信号のすべての同時および空間選択的検出を必要とする場合がある。別の実施形態では、第1の入力ビットストリームを回復するために、1つまたは複数の入力ビットストリームに対応する複数の空間的に多重化された変調出力信号の一部が、同時に、および空間選択的に検出されなければならない。
【0021】
1つの実施形態では、符号化は、複数の符号化ビットストリームのビットのパリティ中の1つまたは複数の入力ビットストリームの情報を符号化する。様々な実施形態では、変調は、すべてのモードまたはコアに対して同じ送信波長で、および同じシンボルタイムスロット内で、複数の符号化ビットストリームを変調することができ、各モードまたはコアに対して異なる送信波長で複数の符号化ビットストリームを変調することができ、あるいは複数の異なるシンボルタイムスロット内のモードまたはコアに対して複数の符号化ビットストリームを変調することができる。変調は、複数の符号化ビットストリームのビットに含まれる情報の論理的組合せ、または代数結合で、1つまたは複数の入力ビットストリームの情報を変調することを含むことができる。
【0022】
例示の実施形態では、受信機が、空間多重ファイバから受信される複数のモードを、モード数以下の数の複数の符号化ビットストリームに変換するように構成されたモード選択検出器と、複数の符号化ビットストリームのビットのパリティから1つまたは複数の出力ビットストリーム用の情報を復号するように構成された復号器とを含み、すべてのモードに対する複数の符号化ビットストリームが、同じ送信波長で、および同じシンボルタイムスロット内で提供される。
【0023】
複数のモードは、偏波多重複素光変調方式、強度変調光変調方式、オン/オフキーイング方式、偏波多重直交位相シフトキーイング方式、または偏波多重直交振幅変調方式などで受信することができる。
【0024】
1つの実施形態では、1つまたは複数の出力ビットストリームの回復は、1つまたは複数の出力ビットストリームに対応する複数のモードのすべてが同時に、および空間選択的に検出されることを必要とする。別の実施形態では、第1の入力ビットストリームを回復するために、1つまたは複数のビットストリームに対応する複数のモードの一部が、同時に、および空間選択的に検出されなければならない。
【0025】
復号器は、複数の符号化ビットストリームのビットのパリティから1つまたは複数の出力ビットストリーム用の情報を復号するように構成することができる。復号器は、符号化ビットストリームのビット間で行われる「and」、「or」、または「xor」演算のうちの少なくとも1つを含む論理的組合せに基づいて、1つまたは複数の出力ビットストリーム用の情報を復号することができる。別の実施形態では、復号器は、符号化ビットストリームのビット間の代数和、差、または積のうちの少なくとも1つを含む代数結合に基づいて、1つまたは複数の出力ビットストリーム用の情報を復号するように構成される。
【0026】
1つの実施形態では、受信機は、空間多重ファイバから受信される複数のモードに対して、出力もしくは信号対雑音比(SNR)であるパラメータを測定するための測定モジュールと、測定したパラメータを、少なくとも1つのモードを含む一部のモードの間で、および/または知られている一組の非摂動パラメータの間で比較して、差を決定するための差分計算機と、差が限界を超えるとき、警報インジケータを設定するための閾値および警報モジュールとを含む。閾値および警報モジュールは、差に閾値よりも大きい量の変化があるとき、警報インジケータを設定するように構成することができる。
【0027】
例示的方法は、空間的に多重化された信号を受信機で受信することと、空間的に多重化された信号の各モードに対して、出力もしくは信号対雑音比(SNR)であるパラメータを測定することと、測定したパラメータを少なくとも1つのモードを含むモードの一部の間で、および/または知られている一組の非摂動パラメータの間で比較して、差を決定することと、差が限界を超えるとき、警報インジケータを設定することとを含む。差に閾値よりも大きい量の変化があるとき、差が限界を超えるものと決定することができる。この方法は、光学的に、または電子的に行うことができる。
【0028】
1つの実施形態では、この方法はまた、空間多重信号で受信される複数のモードを、モード数以下の数の複数の符号化ビットストリームに変換することと、複数の符号化ビットストリームのビットのパリティから1つまたは複数の出力ビットストリーム用の情報を復号することとを含み、すべてのモードに対する複数の符号化ビットストリームが、同じ送信波長で、および同じシンボルタイムスロット内で提供される。1つの実施形態では、第1の送信ビットストリームを回復するために、1つまたは複数のビットストリームに対応する複数のモードの一部が、同時に、および空間選択的に検出されなければならない。
【0029】
1つの例示的装置は、空間的に多重化された信号の複数のモードを検出するためのモード選択検出器と、空間的に多重化された信号の複数のモードに対して、出力もしくは信号対雑音比(SNR)であるパラメータを測定するための測定モジュールと、測定したパラメータを、少なくとも1つのモードを含む一部のモードの間で、および/または知られている一組の非摂動パラメータの間で比較して、差を決定するための差分計算機と、差が限界を超えるとき、警報インジケータを設定するための閾値および警報モジュールとを備える。モード選択検出器、測定モジュール、差分計算機、ならびに閾値および警報モジュールのうちの少なくとも1つは、光学素子とすることができる。モード選択検出器、測定モジュール、差分計算機、ならびに閾値および警報モジュールのうちの少なくとも1つは、電子素子とすることができる。
【0030】
1つの実施形態では、装置はまた、複数の符号化ビットストリームのビットのパリティから1つまたは複数の出力ビットストリーム用の情報を復号するように構成されたモード選択検出器の少なくとも1つを含み、すべてのモードに対する複数の符号化ビットストリームが、同じ送信波長で、および同じシンボルタイムスロット内で提供される。
【0031】
例示の実施形態は、本明細書で以下に記載する詳細な説明、および同様の要素が同様の参照符号で表される添付の図面からより十分に理解されるようになるであろうが、これらは説明の目的で提供されるものであり、したがって例示の実施形態を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】例示的送信機と、光リンクと、受信機とを含む安全なデータ伝送のための例示的システムを示す図である。
図2】ファイバタッピング盗聴者の存在を判断するためのRX側の検出メカニズムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に様々な例示の実施形態について、添付の図を参照してさらに十分に説明するが、本明細書に開示する特定の構造および機能の詳細は、単に例示的諸実施形態を説明するという目的で表示するものであることに注意されたい。例示の諸実施形態は、多くの代替形式で具体化することができ、本明細書に示した諸実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0034】
本明細書では様々な要素を説明するために第1の、第2の、等の用語を使用する場合があるが、このような用語はある要素を別の要素と区別するために使用されるにすぎないため、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されるであろう。例えば、例示の実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。さらに、個々の第1の要素および第2の要素の必要機能を提供することができる単一の要素により、第1の要素および第2の要素を実装することができる。
【0035】
本明細書の説明では、「および」という用語は、連言的意味と選言的意味の両方で使用され、関連する記載された項目の1つまたは複数のいかなるすべての組合せも含む。さらに、「備える」、「備えている」、「含む」、および「含んでいる」という用語は、本明細書で使用されるとき、提示した特徴、整数値、工程、動作、要素、および/または構成要素の存在を明記するが、1つ以上の他の特徴、整数値、工程、動作、要素、構成要素、および/またはその群の存在あるいは追加を排除しないことは理解されるであろう。
【0036】
別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(専門用語および科学用語を含む)は、例示の諸実施形態が属する技術分野の当業者に通常理解されるものと同じ意味を有する。また、いくつかの代替的な実施では、言及した機能/活動が図に示した順序を外れて起こる場合があることに留意されたい。例えば、連続して示した2つの図は、実際には実質的に同時に行われる場合があり、または時として関与する機能/活動に応じて、逆の順序で行われる場合がある。
【0037】
マルチコアまたはマルチモードの光導波路における空間多重化は、本発明の開示した実施形態により物理レイヤのデータの安全保護に利用される。図1は、例示的送信機110と、光リンク130と、受信機150とを含む安全なデータ伝送のための例示的システム100を示す。図1に示すように、1つまたは複数の安全なビットストリーム102が、受信機150で送信済み情報にアクセスするためにはすべての(または一部の)モード/コアを同時におよび/または空間選択的に検出する必要があるような方法で、空間多重導波路130がサポートするコア104または送信機110によってMTX≦M個のモードに符号化される。上述のように、空間多重導波路130は、マルチモードファイバまたはマルチコアファイバとすることができる。
【0038】
送信機110において符号化器106により符号化するステップについて以下により詳細に説明するが、送信機110において変調器108により変調するステップは、強度変調光変調方式(オン/オフキーイングなど)、またはより一般的には偏波多重複素光変調方式(偏波多重直交位相キーイングまたは直交振幅変調など)を使用する。
【0039】
送信機110においてモードシェーパ111によりモード形成するステップについては、モード選択式に情報を送受信する方法が、R.Essiambre他による、2010年12月30日に出願され、「Receiver for Optical Transverse−Mode−Multiplexed Signals」と題する米国特許出願公開第2010/0329670号、R.Essiambre他による、2010年12月30日に出願された、「Transverse−Mode−Multiplexing For Optical Communication Systems」と題する米国特許出願公開第2010/0329671号、に開示されており、両出願を全体として引用により本明細書に組み込む。具体的には、説明を明瞭にするために図にはこれを示していないが、本発明の1つの実施形態では、各モードで偏波多重WDM伝送を行う可能性を考える。
【0040】
図1では、図示した送信機110は、符号化器106と、複数の変調器108と、モードシェーパ112とを含む。符号化器106は、1つまたは複数の入力ビットストリーム102を複数の符号化ビットストリーム114に符号化し、複数の符号化ビットストリームを符号化器の出力として提供する。複数の変調器108のそれぞれは、複数の符号化ビットストリーム114のそれぞれの1つを受信し、複数の符号化ビットストリームのそれぞれの1つを変調し、変調出力信号116を提供する。モードシェーパ112は、空間多重導波路130に挿入するために複数の変調出力信号116を空間多重化する。
【0041】
「MTX」、「M」、および「MRX」、すなわち送信機が発するモードの数104、導波路(明示的に示していない)によりサポートされるモードの数、および受信機150によって取り込まれるモードの数156は、異なるものとすることができる。当然ながら、MTX、MRXは、≦Mとなる。発せられて、取り込まれるモードのこれらの数の間の差は、図1に示すファイバの入力および出力で変化する矢印の数によって示される。
【0042】
符号化のステップに関しては、この状況では多くの空間的拡散符号を想定することができる。1つの考えられる符号は、同じ送信波長で、および同じシンボルタイムスロット内でモード/コアの全部または一部で送信されるビットのパリティ中の入力ビットストリームを符号化する。入力ビットストリームが拡散されているすべてのモード/コアを正しく、および同時に検出しない場合、結果として生じる情報ビットのパリティを判断することができず、したがって入力ビットストリームは安全な状態のままである。別のコードが、異なる送信波長で、および/または異なるシンボルタイムスロット内でモード/コアの全部または一部で送信されるビットのパリティ中の入力ビットストリームを符号化し、伝搬中に発生する、時間と共に変化する波長依存のモード結合を利用する。例えばモード1は常にラムダ1で、モード2はラムダ2で、モード3はラムダ3でなどで発することができる。例えば、モード2は、モード1から例えば3タイムスロット離れて発せられ、モード3は、モード1から40タイムスロット離れて発せられるなどが可能である。
【0043】
「パリティ」を使用して入力ビットストリームの情報を符号化する代わりに、さらに別の符号は、それぞれ使用されるモードに含まれる情報の論理的組合せまたは代数結合、例えばモードの(modal)ビットストリーム間の論理「and」、「or」、または「xor」の組合せ、あるいは代数和、差、積などで、情報を符号化する。あるいは、各入力ビットストリームを、Mモードの1つ(またはモードの一部)に直接発することができ、一方で1つまたは複数の他のモードを使用して、ファイバタッピング攻撃の際に妨害として働く他の信号(例えば、ランダム信号または情報担持信号、例えば誤り訂正方式の冗長)を送信する。空間的に多重化される伝送と組み合わせて使用することができる様々な安全な符号化方式の適用性については、当業者には明らかであろう。上述のように、1つの実施形態では符号化器106は、ビットストリーム102のパススルーデバイスとして動作し(すなわち、符号化器は本質的に、入力ビットの形式を変更するように行動しない、すなわち、入力ビットストリームの内容を変更せず、単に入力ビットストリームを、符号化器から出力される1つまたは複数の符号化ビットストリームと同じ形式で(少なくとも本明細書で説明した同じ名前で)提供する)、送信機および通信システムのこのような実施形態により提供されるセキュリティは、複数のビットストリームが伝送中ファイバの中に存在するということに依存することに注意する。
【0044】
空間的に多重化されたマルチコアまたはマルチモードの光ファイバでは、シングルモードのファイバまたは従来のマルチモードのファイバと同様に、導波路の屈曲が、ファイバからの光の漏れを招くことになる。しかしながら、ファイバタッピング作業中に、空間情報度(spatial degree of information)は著しく低下する、または完全に失われさえする。したがって、ファイバタッピングの盗聴者は、個々のモードで送信された情報をもはや正しく復号することができないので、必然的に安全な情報が、ファイバタッピング盗聴者にとっては役に立たずにレンダリングされることになる。
【0045】
図1では、図示した例示の受信機150は、モード選択検出器152と、復号器154とを含む。1つの実施形態では、モード選択検出器152は、空間多重ファイバ130から受信されたMRXモード156を複数のK個の符号化ビットストリーム158(ここでKはM以下であり、Mは導波路によりサポートされるモードの数である)に変換するように構成され、符号化器154は、対応する送信機における符号化器のいずれかの逆の動作を提供し、K個の符号化ビットストリームから1つまたは複数の出力ビットストリーム160を作り出すように構成される。別の実施形態では、モード選択検出器152は、空間多重ファイバから受信された複数のモード(すなわち、複数の受信モード156)を複数の符号化ビットストリーム158に変換するように構成され、ここで符号化ビットストリームの数は、モードの数以下であり、復号器154は、複数の符号化ビットストリームのビットのパリティから1つまたは複数の出力ビットストリーム160用の情報を復号するように構成され、複数の符号化ビットストリームは、回復される信号に対応し、すべてのモード/コアに対して同じ送信導波路で、および同じシンボルタイムスロット内で提供される。
【0046】
図2は、ファイバタッピング盗聴者の存在を判断するためのRX側の検出メカニズムを示す。さらなる態様として、また図2に示すように、盗聴者の存在は、受信モード間で非摂動動作と比較した損失差を決定することによって(または、光増幅、非摂動動作と比較したSNR差を使用するシステムで)合法の通信受信機200で検出可能である。どちらの量も、例えば、一部の空間多重受信機の不可欠の部分であるモード逆畳み込み多入力多出力(MIMO)デジタル信号処理アルゴリズムにより、または(例えば、本質的に分離した(uncoupled)コアを有し、受信機においてMIMO信号処理を必ずしも実行しないマルチコアファイバの場合)光モード分離後の光出力またはSNR測定により、受信機に利用可能にすることができる。したがって、スタンドアロン型デバイス200として、または受信機200の一部として、本明細書に開示する原理による盗聴者検出装置を実装することができる。
【0047】
測定された出力またはSNR差が、その正常(非タップ)値から調整可能な不確定性マージンだけ逸脱するとき、受信機はファイバの屈曲があると結論を出し、警報をトリガして、盗聴者が存在する可能性があることをオペレータに警告する。システム構成に応じて、出力差(differential power)またはSNRの測定は、K個の空間モードとL個の波長の任意の混合型の組合せ(hybrid combination)に基づくことができる。
【0048】
図2は、ファイバタッピング盗聴者の存在を判断するための例示の装置を示す。図示するように、この装置200は、空間的に多重化された信号の複数のモード212を検出するためのモード選択検出器210と、空間的に多重化された信号の複数のモードに対して、出力もしくは信号対雑音比(SNR)であるパラメータを測定するための測定デバイス214と、測定したパラメータを、少なくとも1つのモードを含む一部のモードの間で、および/または知られている一組の非摂動パラメータの間で比較して、差を決定するための差分計算機216と、差が限界を超えるとき、警報インジケータ220を設定するための閾値および警報デバイスとを含む。モード選択検出器、測定モジュール、差分計算機、ならびに閾値および警報モジュールのうちの少なくとも1つは、光学素子とすることができる。モード選択検出器、測定モジュール、差分計算機、ならびに閾値および警報モジュールのうちの少なくとも1つは、電子素子とすることができる。
【0049】
例えば、1つの実施形態では、上述のEssiambre他の特許出願で開示されるMIMO DSPを利用することができる。MIMO DSPアルゴリズムの副次的結果が、損失差およびSNR差である可能性がある。したがって、提案する方法の諸ステップは、すべて電子的に行うことができる。本質的に分離したマルチコアの場合は、MIMO DSPを利用しない。したがって、1つの実施形態では、図1の受信機160は、各コアから受信される光の一部を光学的にタップオフする(tap off)ことができる(タッピングは図示せず)。タップオフされた光は、その後、例えば光出力測定、波長分解光SNR測定などによって、光学的に分析することができる。(こうした監視技術自体は当業者に知られている。)出力またはSNRが測定されると、この方法の残りのステップを電子的に実行することができる(パラメータ比較、閾値、警報)。当然ながら、混合型の解決法も可能である。
【0050】
1つの実施形態では、方法は、空間的に多重化された信号を受信することと、空間的に多重化された信号の各モードに対して、出力もしくは信号対雑音比(SNR)であるパラメータを測定することと、測定したパラメータを少なくとも1つのモードを含むモードの一部の間で、および/または知られている一組の非摂動パラメータの間で比較して、一組の差を決定することと、一組の差が限界条件を超えることを示すとき、警報インジケータを設定することとを含む。
【0051】
上述の、パラメータの比較および差の決定には、3つの態様がある。1つの実施形態では、測定したパラメータのみの間で差を比較することができる。別の実施形態では、測定したパラメータと、対応する公称(非摂動)値、例えばルックアップテーブルに格納された公称値との間で行う比較に基づいて、差を決定する。さらに別の実施形態では、比較は、上記の比較法の両方の組合せを利用する。
【0052】
一組の差は、差の合計または個々の差が、閾値よりも大きい量だけ変化するとき、限界を超えると判断することができる。閾値は、ユーザ定義のセキュリティ閾値とすることができ、過敏なユーザは閾値を非常に厳しく設定し、時折誤報警告を受信する可能性があるが、あまり敏感でないユーザは閾値をより緩やかに設定し、誤報警告を回避することができる。
【0053】
例示的実施形態を参照して本発明を説明したが、この説明は、例示的実施形態のみへの限定の意味で解釈されることを意図しない。
【0054】
本発明の諸実施形態は、単一の集積回路上の可能な実装を含み、回路ベースのプロセスとして実装することができる。
【0055】
明示的に別段の記載がない限り、各数値および範囲は、その値または範囲の前に「およそ」という語が付いているかのように近似であると解釈されるべきである。
【0056】
さらに、添付の特許請求の範囲に表す本発明の範囲を逸脱することなく当業者は、本発明の本質を説明するために記載し、図示した部分の細部、材料、および配列の様々な変更を行うことができることを理解されるであろう。
【0057】
特許請求の範囲における図番号および/または参照符号の使用は、特許請求の範囲の理解を容易にするために、請求する対象物の1つまたは複数の可能な実施形態を識別することを目的とする。このような使用は、特許請求の範囲の範囲を対応する図に示す諸実施形態に必然的に限定するものと解釈されるべきではない。
【0058】
続いて方法の請求項がある場合、対応するラベル付けを用いて特定の順序で列挙しているが、請求項の列挙が、これらの諸ステップの一部または全部を実行するための特定の順序を意味しない限り、これらの諸ステップは、その特定の順序で実行されることに限定されることを必ずしも意図しない。
【0059】
本明細書における「1つの実施形態」または「一実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明する特定の機能、構造、または特性を、本発明の少なくとも1つの実施形態に含むことができることを意味する。本明細書中の様々な場所に「1つの実施形態では」という語句が登場することは、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及しておらず、別個の実施形態または代替的実施形態は、必ずしも他の実施形態を相互に排除しない。同じことは、「実施」という用語にもあてはまる。
【0060】
また、この説明のために、「結合する」、「結合している」、「結合された」、「接続する」、「接続している」、または「接続された」という用語は、2つ以上の要素間でエネルギーを転送可能にする、当技術分野で知られる、または後に開発されるいかなる手法にも言及しており、必須ではないが、1つまたは複数の追加要素の介入を考慮している。逆に、「直接結合された」、「直接接続された」などの用語は、このような追加要素がないことを暗示する。
【0061】
特許請求の範囲によって保護される実施形態は、(1)本明細書により実施可能にされる実施形態、(2)法定主題に対応する実施形態に限定される。非法定主題に対応する1つまたは複数の実施可能でない実施形態は、形式的には特許請求の範囲の範囲内に入っていても明示的に除かれる。
【0062】
説明および図面は、本発明の原理を示すに過ぎない。したがって、本明細書には明示的に記載または表示されていないが、本発明の原理を具体化し、本発明の趣旨および範囲の内に含まれる様々な仕組みを当業者は考案することができるであろうと理解されるであろう。さらに、本明細書に列挙するすべての実施例は、原則として、発明者により当技術分野の促進をもたらす本発明の原理および概念を理解する際に読者の助けとなるように、明らかに教育上の目的のためにすぎないものとし、このような具体的に列挙した実施例および条件に限定しないものであると解釈されたい。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態、ならびにその特定の実施例を列挙する本明細書中のあらゆる記載は、その均等物を含むものとする。
【0063】
「プロセッサ」、「コントローラ」、「デバイス」、または「モジュール」と呼ぶいかなる機能ブロックも含む、図に示した様々な要素の機能は、専用のハードウェア、ならびに適切なソフトウェアと協働してソフトウェアを実行することができるハードウェアを使用することにより提供可能である。プロセッサによって提供されるとき、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、またはその一部を共有することができる複数の個々のプロセッサによって、提供可能である。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」または「モジュール」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきではなく、暗黙的に、デジタル信号プロセッサ(DSP)のハードウェア、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを格納するためのリードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および不揮発記憶装置を含むことができる。また、従来型および/またはカスタム型の他のハードウェアを含むこともできる。同様に、図に示したいかなるスイッチも、単に概念上のものである。これらの機能は、プログラム論理の動作によって、専用論理によって、プログラム制御と専用論理の相互作用によって、または手動でも実行することができ、特定の技術は、状況からより具体的に理解されるように実行者によって選択可能である。
【0064】
本明細書のブロック図が本発明の原理を具体化する例示的回路の概念図を表すことは、当業者には理解されるであろう。同様に、コンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているかどうかにかかわらず、いかなるフローチャート、流れ図、状態遷移図、擬似コードなども、実質的にはコンピュータ可読媒体中に表現することができ、コンピュータまたはプロセッサが実行可能な様々なプロセスを表すことが理解されるであろう。
図1
図2