(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記信号を出力するステップは、前記第1軸について前記測定された角変位が前記複数の第1傾斜範囲からの第1の傾斜範囲にあり、前記第2軸について前記測定された角変位が前記複数の第2傾斜範囲からの第2の傾斜範囲にある場合、前記第1の傾斜範囲と前記第2の傾斜範囲とに関連する前記複数の出力信号から信号を出力することを含み、
請求項2に記載の方法。
前記第1軸について前記測定された角変位は、出力されるキャラクタを識別するために使用され、前記第2軸について前記測定された角変位は、前記キャラクタのための活字ケースを識別するために使用される
請求項1に記載の方法。
前記複数の第1傾斜範囲及び前記複数の第2傾斜範囲における傾斜範囲の数は、傾斜感度、前記複数の出力信号における出力信号の数、又はユーザに関しての情報の少なくとも1つに応じて設定される
請求項1に記載の方法。
前記複数の第1傾斜範囲及び前記複数の第2傾斜範囲における傾斜範囲の数は、前記複数の第1傾斜範囲及び前記複数の第2傾斜範囲における傾斜範囲の組み合わせの数が前記複数の出力信号における出力信号の数に等しくなるように定義される
請求項1に記載の方法。
前記装置の前記中立位置を識別するステップは、前記装置を保持しているユーザに関連する前記装置の方向としての少なくとも前記第1軸と前記第2軸に関して、前記装置の前記中立位置を人間工学的に識別するステップを含む
請求項1に記載の方法。
少なくとも第1軸及び第2軸に関して装置の中立位置を識別し、複数の第1傾斜範囲が前記第1軸について定義され、複数の第2傾斜範囲が前記第2軸について定義され、少なくとも前記第1軸及び前記第2軸について前記装置の角変位を測定するように構成された傾斜センサと、
複数の出力信号に関連付けた少なくとも第1コントロールボタンと、
前記第1コントロールボタンの選択を受信し、前記第1コントロールボタンの選択を受信することに応答して、少なくとも前記選択と、前記第1軸についての角変位を含む前記複数の第1傾斜範囲のうちの傾斜範囲及び前記第2軸についての角変位を含む前記複数の第2傾斜範囲のうちの傾斜範囲の組み合わせとに基づいて前記複数の出力信号から信号を出力し、
前記装置の前記角変位は、前記複数の第1傾斜範囲のうちの1つ及び前記複数の第2傾斜範囲のうちの1つ内にあるか否かを判定し、
前記装置の前記角変位が前記複数の第1傾斜範囲又は前記複数の第2傾斜範囲の外側にある場合、最も近くに定義される前記複数の第1傾斜範囲のうちの傾斜範囲又は前記複数の第2傾斜範囲のうちの傾斜範囲に対応する出力を提供し、又は、最も新しい出力に対応する出力を提供するように構成されたプロセッサと、
を含み、装置。
前記プロセッサは、前記第1軸について前記測定された角変位が前記複数の第1傾斜範囲からの第1の傾斜範囲にあり、前記第2軸について前記測定された角変位が前記複数の第2傾斜範囲からの第2の傾斜範囲にある場合、前記第1の傾斜範囲と前記第2の傾斜範囲とに関連する前記複数の出力信号から信号を出力するようにさらに構成される
請求項18に記載の装置。
非動作範囲は、前記複数の第1傾斜範囲のうちの2つのその他の隣接範囲間、又は、前記複数の第2傾斜範囲のうちの2つのその他の隣接範囲間の少なくとも1つで定義される請求項17に記載の装置。
前記傾斜センサは、前記装置を保持しているユーザに関連する前記装置の方向としての少なくとも前記第1軸と前記第2軸に関して、前記装置の前記中立位置を人間工学的に識別するように構成される
請求項17に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、実施形態の一具体例による装置が中立位置にある状態での装置の外観を示す図である。
装置100のハードウェア環境は、装置100へテキストデータおよびユーザーコマンドを入力するための少なくとも第1コントロールボタン102を含むキーパッドと、ユーザへテキストおよびイメージを表示するためのディスプレイ105と、少なくとも1つの軸に関する角変位または傾斜方位の示度(インジケーション)を表示するための傾斜インジケータ106などのインジケータとを含んでいる。
【0019】
ディスプレイ105は、装置100を操作するのに必要なオペレーティングシステムのプログラムと同様、この実施形態によって用いられるソフトウェアアプリケーションのためのユーザインタフェースを含むグラフィックス、イメージおよびテキストを表示する。
装置100のユーザは、アプリケーションプログラムと同様、オペレーティングシステムのプログラムも操作しコントロールするコマンドおよびデータを入力するための第1コントロールボタン102を用いる。
【0020】
ディスプレイ105は、装置100のユーザへのGUIを表示するように構成する。
スピーカもまた存在してもよく、また、電話機アプリケーションプログラムによって生成された別のユーザからの音声、または着信音アプリケーションプログラムから生成された着信音などのような、装置100上で作動するアプリケーションプログラムから受信したボイスおよびサウンドデータを生成してもよい。
マイクロホンは、同様に、例えば、ユーザが装置100を介して通話中に別のユーザと話をしている場合に、ユーザによって生成されたサウンドデータを取り込むために用いてもよい。
更に、傾斜インジケータ106は、装置100の角変位または傾斜方位を示すように、装置100のユーザにビジュアルフィードバックを提供するように、およびコントロールボタンの選択を解釈するために用いられる傾斜方位をユーザに気づかせるように、構成される。
【0021】
装置100の操作は、2つの状況、すなわち、「中立」位置、および第1コントロールボタン102の選択の前/選択の時/もしくは選択の後の装置の位置に対応する「選択」位置の、その方位に基づく。
より詳しくは、以下に十分に記述するように、装置100による出力信号の出力は、少なくとも1つの軸に関して、中立位置と選択位置との間の角変位(角変位には重要な各軸のための角変位の成分がある)に依存する。
【0022】
図1は、例えば、1つの想定された3つの軸の中立位置の装置100を表現している。特に、直角のX、YおよびZ軸は、装置100の中心に交差し、X軸は装置100の縦方向と平行して延びる。
この典型的な中立位置により、X軸のまわりの回転はローリング運動を有効にし、Y軸のまわりの回転はピッチング運動を有効にし、また、Z軸のまわりの回転はヨーイング運動を有効にする。
これらローリング運動、ピッチング運動およびヨーイング運動は、総称的に「チルト」運動と呼ばれる。
【0023】
重要な軸の数字の決定、および装置100に関連する軸の位置および方位は、装置に特有のおよびアプリケーションに特有の決定であり、これらの特性のいずれかの限界は、以下の記述で推測されない。
例えば、ヨーイング運動における装置を操作することが不適当か不可能な場合、または、1つまたは2つの軸に関する運動を用いて出力信号の数字が有効にコントロールされてもよい場合、装置の中立位置はこれらの1つまたは2つの軸に関して単独で決定してもよい。
更に、少なくとも1つの軸は装置100と交差しなくてもよく、または、少なくとも1つの軸は装置100の周囲またはエッジ部に沿って伸びてもよい。
さらに、軸の1つは、装置100の長手方向に沿って並列に伸びてもよく、または装置100の長手方向への角度まで及んでもよい。
いかなる関係においても、中立位置は地球に関する軸、例えば、磁気軸または真北軸、またはユーザ、装置もしくは他の軸に関する軸と地球の中心、または水平線の方へ指す軸と一直線に並ぶ。
【0024】
電話に関して、1つの軸の中立位置は、X軸のまわりのロール回転に関して角変位が測定される場合に提供され、または、2つの軸の中立位置は、X軸およびY軸それぞれのまわりの回転およびピッチ回転に関して角変位が測定される場合に与えられる。
いずれの場合も、X軸とY軸は、装置の長手方向と平行に長手方向に伸びるX軸とともに、装置の中心に向かって交差する。
他の中立位置方位は同様に想定する。
【0025】
電話機などのような装置にキャラクタを入力する場合、ユーザは、通常はディスプレイを注視する間に、正の(上向き)ピッチ角で装置を保持する。
それに関して、中立位置の電話機のX軸は、地面に関して電話機の角度を水平にすることが、調節される前方へのチルト動作として登録するように、上方への類似した角度で定義してもよい。
他の例では、当然、地面と平行なX軸は「中立の」X軸の位置である。
【0026】
装置100は、携帯電話として
図1に示したが、さらなる態様において、装置100は、デスクトップPC、ラップトップ、ワークステーション、標準的なコンピュータ、メインフレーム、ハンドヘルドコンピュータまたはタブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA)またはコンピュータキーボードまたはリモートコントロールなどの別の型の組み込みシステムを含んでもよい。
【0027】
図2は、
図1の実施形態の内部構造の一具体例を示す。
コンピュータ環境は、プロセッサ200と、ディスプレイインタフェース202と、キーパッドインタフェース204と、傾斜センサ206と、インジケータインタフェース208と、ランダムアクセス記憶装置(「RAM」)210と、読み取り専用メモリ(ROM)211と、任意の記憶装置220または他の適切な型のメモリとを含んでいる。プロセッサ200は、オペレーティングシステムまたはアプリケーションを含む計算機命令を処理する。ディスプレイインタフェース202は、通信用インターフェースと、ディスプレイ105上にグラフィックス、イメージおよびテキストを表現するための処理機能とを提供する。キーパッドインタフェース204は、第1コントロールボタン102を含むキーパッドに、通信用インターフェースを提供する。傾斜センサ206は、少なくとも第一軸に関する装置100の角変位を測定するためのセンサである。インジケータインタフェース208は、傾斜インジケータ106を含むインジケータに通信用インターフェースを提供する。ランダムアクセス記憶装置(RAM)210は、計算機命令とデータがプロセッサ200によって処理するために揮発性メモリ装置内に格納される記憶装置である。読み取り専用メモリ(ROM)211は、基本的な入出力(I/O)、起動、またはキーパッドからのキーストロークの受信のような、基本システム機能のための不変式低レベルシステムコードまたはデータを、非揮発性メモリ装置内に格納する記憶装置である。他の適切な型のメモリ(例えば、ランダムアクセス記憶装置(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブル読出専用メモリ(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、磁気ディスク、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、リムーバブルなカートリッジ、フラッシュドライブなど)は、オペレーティングシステム230、アプリケーションプログラム240およびデータファイル246を含むファイルを格納するメモリである。構成装置およびプロセッサ200は、バス250を介して互いに通信する。
【0028】
RAM210は、オペレーティングシステムアプリケーションプログラムなどのソフトウェアプログラムの実行の間のプロセッサ200への迅速なRAMストレージおよびデバイスドライバを提供するようにバス250と接続する。
より詳細には、プロセッサ200は、ソフトウェアプログラムを実行するためにRAM210の領域に記憶媒体からのコンピュータ実行可能な処理をロードする。
データはRAM210内に保存され、データは実行の間にプロセッサ200によってアクセスされる。
【0029】
また、
図2に示すように、記憶装置220は、オペレーティングシステム230や、ワード処理、スプレッドシート、プレゼンテーション、グラフィックス、画像解釈トレーニング、ゲーミングまたは他のアプリケーションなどのようなアプリケーションプログラム240、およびデータファイル246のためのコンピュータ実行コードを格納する。
上記実施形態を用いることは可能であるが、また、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)、またはMICROSOFT(登録商標)インターネット・エクスプローラーウェブブラウザなどのようなインターネットウェブブラウザなどのような他のアプリケーションプログラムへのプラグインとして現在の開示によって機能を実施することも可能である。
【0030】
プロセッサ200は、多くの高機能コンピュータプロセッサ(INTEL(登録商標)またはAMD(登録商標)プロセッサ、POWERPC(登録商標)プロセッサ、MIPS(登録商標)縮小命令型コンピュータ(RISC)プロセッサ、SPARC(登録商標)プロセッサ、HP ALPHASERVER(登録商標)プロセッサ、ACORN(登録商標)RISCマシン(「ARM」(登録商標))アーキテクチャプロセッサ、または現在の開示の範囲から外れることのないコンピュータもしくは組み込まれたシステムのための所有者のコンピュータプロセッサを含む)の1つである。
付加的な配置において、装置100内のプロセッサ200は、高機能ワークステーションおよびサーバで供給された複数のCPU構成、またはメインフレームで供給された複数の拡張可能な演算処理装置を含む複数の演算処理装置である。
【0031】
オペレーティングシステム230は、MICROSOFT(登録商標)WINDOWS(登録商標) NT/WINDOWS(登録商標)2000/WINDOWS(登録商標)XPワークステーション、WINDOWS(登録商標) NT/WINDOWS(登録商標)2000/WINDOWS(登録商標)XPサーバ、IBM(登録商標)のワークステーションおよびサーバ用のAIX(登録商標)を含む様々なUNIX(登録商標)フレーバードオペレーティングシステム、SUN(登録商標)ワークステーションおよびサーバ用のSUNOS(登録商標)、INTEL(登録商標)のCPUベースのワークステーションおよびサーバ用のLINUX(登録商標)、HP(登録商標)ワークステーションおよびサーバの用のHP UX WORKLOAD MANAGER(登録商標)、SGI(登録商標)ワークステーションおよびサーバ用のIRIX(登録商標)、デジタル・イクイップメントコンピューター用のVAX/VMS、HP ALPHASERVER(登録商標)ベースのコンピュータ用のOPENVMS(登録商標)、POWERPC(登録商標)ベースのワークステーションおよびサーバ用のMAC OS(登録商標)X、SYMBIAN OS(登録商標)、WINDOWS(登録商標) MOBILEまたは、WINDOWS(登録商標) CE、PALM(登録商標)、NOKIA(登録商標)OS(「NOS」)、OSE(登録商標)、モバイルの装置用のEPOC(登録商標)、コンピュータまたは組み込みシステムのための所有者のオペレーティングシステムなどとすることができる。
オペレーティングシステム230のためのアプリケーション開発プラットフォームまたはフレームワークは、BINARY RUNTIME ENVIRONMENT FOR WIRELESS(登録商標)(「BREW(登録商標)」)、Java(登録商標)プラットフォーム マイクロエディション(「Java(登録商標) ME」)またはJava(登録商標)2プラットフォーム マイクロエディション(「J2ME(登録商標)」)、PYTHON(商標)、FLASH LITE(登録商標)またはMICROSOFT(登録商標).NET Compactとすることができる。
【0032】
下記に述べるように、傾斜センサ206は、ジャイロスコープ、光センサ、他の型の傾斜センサであり、装置100の方位を検出する。光センサは、例えば、装置100の運動および方位を決定する装置100内に組み込まれたカメラからの画像の順序の光学的流れを用いて、装置100の方位を検出するために用いてもよい。
光学的流れは、画像の順序内の特徴の外見上の相対速度について示す。
光学的流れはカメラに関連するので、カメラの運動は、カメラの視界の中の特徴の見掛け速度に起因する。
カメラの運動は、カメラの視界中の特徴の見掛け速度から計算する。また、位置または方位は、時間の拡張範囲当たりの中立位置の割合で計算する。
カメラを用いて装置100の傾斜または勾配を追跡するために光学的のフローアプローチを用いる傾斜センサ206は、光センサと記述されたが、他の態様においては、装置100の傾斜または勾配は、加速度計を用いるような光学的のフローアプローチを用いずに追跡される。
【0033】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、揮発性または不揮発性であり、装置100内の情報を格納する。メモリは、装置100のために大容量記憶装置を備えてもよい。様々な異なる実施形態において、メモリは、フロッピー(登録商標)ディスク装置、ハードディスク装置、光学ディスク装置またはテープ装置であってもよい。
図1および
図2がプログラムコードを実行するコンピューティング・システム、またはプログラムもしくは工程段階の1つの可能な実施形態を示す一方、他の種類のコンピュータまたは装置も、同様に用いてもよい。
【0034】
図3は、実施形態の別の具体例による方法を示すフローチャートである。簡潔に、その方法は、少なくとも第1軸に関しての装置と、少なくとも複数の第1出力信号に関連づけた第1コントロールボタンを含む装置と、および、少なくとも第1軸に関する装置の角変位の測定との、中立位置を決定することを含んでいる。
また、その方法は、第1コントロールボタンの選択を受信し、少なくとも選択と角変位に基づいた複数の第1出力信号の1つを出力することを含んでいる。
【0035】
より詳細には、方法300は開始し(ステップS301)、第1軸について複数の傾斜範囲を定義する(ステップS302)。より詳細に以下に記述するように、出力信号の出力は、少なくとも第1コントロールボタンの選択に際しての装置の角変位に基づく。
1つの態様によれば、傾斜「範囲」は、コントロールボタンの選択で、角変位が特定の傾斜範囲または角度の帯域内にある場合、傾斜範囲に関連付けた出力が出力されるように定義する。
【0036】
図4A乃至
図4Dは、上記中立が中立のX、Y、Z軸を表現する「N軸」にラベル付られた仮想の中立軸に関して、いくつかの具体例の傾斜範囲を示している。
X、Y、Z軸の各々は、個々に傾斜範囲を決定することができ、共通の傾斜範囲定義は、複数の軸に適用することができ、さもなければ、軸には定義された傾斜範囲がありえない。
【0037】
図4Aは、中立軸について定義された2つの傾斜範囲の具体例を示している。約−90°から中立軸に関する0°までの角変位は、範囲401内にあり、また、中立の具体例に関する約0°から約90°までの角変位は、範囲402内にある。上下逆さまの装置を示す約91°から―91°までの角変位は、あらゆる範囲にも対応せず、正確には角変位0°は範囲401または402内の一方にある。
【0038】
中立軸がX軸を表現する場合には、範囲401内の角変位は装置(左への)の負の回転に生じ、範囲402内の角変位は装置(右への)の正の回転に生じる。
中立軸がY軸を表現する場合には、範囲401内の角変位は、装置の正勾配(後方)に生じ、範囲402内の角変位は、装置の負勾配(前方)に生じる。
中立軸がZ軸を表現する場合には、範囲401内の角変位は、負の揺首(左回り)に生じ、範囲402内の角変位は正の揺首(右回り)に生じる。
2つの傾斜範囲について示しているが、傾斜範囲の任意の数は、大部分は傾斜センサの感度と、各コントロールボタンに関連づけた出力信号の数字と、装置を操作する場合にユーザが小角度を区別する能力とに依存して定義してもよい。
【0039】
いかなる場合も、装置による信号出力は、角変位および傾斜範囲に際して依存する。例えば、同じコントロールボタンが両方の状況で選択されていても、装置の角変位が第1範囲内にある場合、装置は複数の信号の1番目を出力し、装置の角変位が第2範囲内にある場合、装置は複数の信号の2番目を出力する。
図4Aは、±90°角度範囲を包含するとして範囲401および402を示しているが、同様の態様において、傾斜範囲401は、中立軸に関して約−30°から0°を包含する範囲を定義し、傾斜範囲402は、中立軸に関して約0°から+30°を包含する範囲を定義する。
【0040】
図4Bは、中立軸について定義された4つの傾斜範囲の具体例を中立軸に関する0°の範囲間のデッドスペースで示している。
傾斜センサの不感性、識別するユーザの不感性、または他の理由により、多くの場合2つのその他の隣接範囲間の非動作範囲(デッドスペース)を定義することが望ましい。
中立軸がY軸を表現する場合には、上下逆さまの装置または約0°の角変位を示す、約91°から−91°の間の角変位は、あらゆる傾斜範囲にも一致しない。
装置が傾斜範囲の中で正しい方角に置かれないときにコントロールボタンが選択されれば、デフォルト出力が出力され、または最後の出力が出力され、または何も出力が出力されない。または、最も接近している傾斜範囲または相補的な傾斜範囲に関連づけられた出力が出力され、または、別の出力方式が出力される。
【0041】
範囲405内の角変位は、また範囲404負勾配より振幅において小さい負勾配が生じるが、範囲404内の角変位は装置の確実な負の勾配が生じる。
範囲406内の角変位はまた、範囲407負勾配より振幅において小さい正の勾配が生じるが、範囲407内の角変位は装置の確実な正の勾配が生じる。
【0042】
図4Cは、中立軸に関する0°のまわりのエリアが第1範囲内に実質的にある中立軸について定義された、2つの傾斜範囲の具体例を示す。特に、中立軸がX軸を表現する場合には、もし負に回転されれば、または中立位置から不動ならば、またはもし正の方向内に適度に回転すれば、装置は範囲409内に残る。
装置が範囲410内の正しい方位に置かれるためには、確実な正の回転が生じなければならない。
例えば、範囲409が初期設定値で所望する出力を表現する場合、および装置の肯定的で高い振幅操作が範囲410内の装置を置くために必要で、それにより、初期設定値で所望する出力を無視する場合には、
図4Cに示す傾斜範囲は望ましい。
図4Cに示す一具体例において、第1軸に関する角変位が0°として測定される場合、装置の角変位が傾斜範囲409内にある場合、傾斜範囲409は0°の角変位を包含する。
【0043】
図4Dは、単一の範囲が中立軸の両面上の角変位帯域を占める場合の、中立軸について
定義された、2つの傾斜範囲の具体例を示す。特に、範囲412は、中立軸に関して0°を囲むエリアによって定義され、範囲411は正・負の角方向で対称的な角度の帯域を占める。
中立軸がZ軸を表現する場合には、範囲411内の角変位は高い振幅の正か負のヨーイングが生じる。
範囲412内の角変位は、より緩やかな正か負のヨーイング、または中立位置に残る装置の方位に生じる。
【0044】
上述したどの具体例でも、中立軸はX、Y、Z軸を表現し、それにより、有効な傾斜範囲の総数を効果的に増加させてもよい。例えば、
図4Aに示す具体例における中立軸がX軸を表現し、
図4Bに示す具体例における中立軸がY軸を表現する場合、
図4Bに示す4つの勾配傾斜範囲が
図4Aの具体例の2つの回転傾斜範囲に各々分割されるので、合計8つの傾斜範囲が利用可能である。
各軸が等しい数値nの傾斜範囲を有していると仮定する場合、2つの軸配置のための傾斜範囲の総数はn2であり、3つの軸配置のための傾斜範囲の総数はn3である。
【0045】
最後に、ある実例では、傾斜範囲ではなく角変位自身が出力信号の決定要因となり、それにより傾斜範囲を定義することが不必要であることが想定される。
更に、傾斜範囲も、所望された軸に関する回転運動の範囲が出力信号の数値で等しく割られる場合に暗黙に定義され、出力信号は各角度の数学的に決定される範囲に対応する。
【0046】
図3に戻って、装置(複数の第1出力信号に関連づけられた少なくとも第1コントロールボタンを含む装置)の中立位置は、少なくとも第1軸に関して決定される(ステップS304)。
【0047】
図5は、別の典型的な具体例の装置の上部外観図を示す。装置500(携帯電話)は、複数の第1出力信号に関連づけた少なくとも第1コントロールボタン502を含むキーパッドを有する。図に示した具体例において、第1コントロールボタン502は、装置500のキーパッドまたはキーボード上のキー(すなわちボタン)であり、各個別の制御は複数の英数字文字またはシンボルを表現する。
具体的には、第1コントロールボタン502は、「9」とラベル付けされ、キャラクタ「W」「X」「Y」および「Z」を示す4つの出力信号、または大文字・小文字を区別するキャラクタ「W」「X」「Y」「Z」「w」「x」「y」「z」およびシンボル「,」「.」「/」「’」を示す12の出力信号に対応する。
単一のコントロールボタンに対応することができる出力信号またはキャラクタの個数上の限界はない。
特定の態様において、第1コントロールボタン502は、3つの出力信号または9つの出力信号などのような複数の出力信号に関係する。
各々の複数の出力信号は、英数字またはシンボルなどのようなキャラクタに対応してもよい。
【0048】
装置500の中立位置は、例えば、装置500に電源が入ったとき、または第1コントロールボタンの選択に先立ってまたはその後、または製造の現場で、決定される。
一態様において、メモリバッファは、傾斜センサの出力データを格納し、コントロールボタンが選択され出力データである場合、装置500の中立位置は、装置500の方位から復元される。
別の態様において、中立位置は、装置500が上以外の方向に面する場合、角変位が測定されるように、中立のX軸が地球の中心に垂直に伸びることとして定義される場合など、工場で予め設定された条件である。
更なる態様において、プロセッサ、傾斜センサおよびメモリは、コントロールボタンが通常選択されている場合は、常に、装置500の平均位置に基づいた共通の中立位置を決定するために通信し合う。
さらに、付加的な態様において、中立位置はユーザが選択可能である。
いかなる関係においても、装置500のいかなる回転運動も中立位置から離れて角変位を記録する役目をする場合には、中立位置は、重要な各軸を介して傾斜センサを0°にリセットするために有効に作動する。
装置500のユーザまたは地球に関して、中立位置は下向き姿勢であり、垂直の直立位置であり、または傾けられた、または傾倒位置である。
【0049】
付加的な態様において、装置500の中立位置は、第1軸に直角の少なくとも第2軸に関して決定され、角変位は第1軸の成分および第2軸の構成要素を含んでいる。
更なる態様において、装置500の中立位置は、第1軸と第2軸に直角の少なくとも第3軸に関して決定され、角変位は第3軸の成分を含んでいる。
第1軸、第2軸、第3軸は、装置500内で、装置500の外部で、または装置500の周辺部分もしくはエッジに沿って、交差する。
【0050】
装置500が装置の方位を検出する傾斜センサを含んでいるため、装置へのテキストの入力が促進される。
例えば、傾斜センサは、装置が右に左に回転された、または上へ揺れたか下へ揺れた程度を検出し、重要な軸に関する装置の傾斜方位または角変位は、コントロールボタン502の選択がどのように解釈され出力されるかを示す。
例えば、コントロールボタン502が複数のキャラクタに対応する場合、装置500の方位は、コントロールボタン502が選択されている場合もしくは適切なキャラクタが出力される活字ケースを識別する場合に、複数のキャラクタのどれが出力されるか識別する。
【0051】
毎回出力されるべきキャラクタを出力可能にするべきキャラクタを識別する装置の方位を用いて、単一のコントロールボタンが選択され、テキストを入力するのに必要なコントロールボタン選択の数を減らすことにより、テキスト入力の速度を上げる。
コントロールボタンの選択の固定数がキャラクタの入力を表現するため、次のキャラクタを指定する前の所定量の時間を待つ必要を排除し、また、テキスト入力の速度を上げて、現在のキャラクタが指定された直後に、ユーザは次のキャラクタを指定してもよい。
【0052】
上記のように、装置の中立位置は、角変位が少なくとも1つの軸について測定される、選択位置(第1コントロールボタンなどのコントロールボタンの選択の前の、その時の、またはその後の装置の位置に対応する選択位置)への参照方位である。
1つの態様において、装置の中立位置は1つの軸に関して決定される。また、中立位置は「水平な」位置として決定され、1つの軸は地面と平行である。
別の態様において、装置の中立位置は2つの軸に関して決定され、装置の方位が装置のユーザによって一般に保持されるように、中立位置は人間工学で決定される。
更なる態様において、磁北南軸と平行なものとして1つの軸が決定される場合、装置の中立位置は3つの軸に関して決定され、東西軸と平行なものとして1つの軸は決定され、また、第3軸は地球の中心の方におよびそれから遠方に面するものとして決定される。
【0053】
図3に戻って、装置の角変位は、少なくとも第1軸について測定される(ステップS305)。特に、傾斜センサ206などのような傾斜センサは、装置の現在位置と中立位置の間の角変位を測定し、角変位は、重要な各軸の成分を含む。1つの態様において、傾斜センサ206は、コントロールボタンが選択されているモーメントで装置の角変位を測定する。
コントロールボタン自体の選択が装置の方位に影響を与えてもよいので、別の態様において、コントロールボタンが選択される前に、または後に、傾斜センサは時間当たりの装置の角変位を測定する。
【0054】
傾斜センサは、装置の方位を検出する。例えば、傾斜センサは、装置が左か右に回転されたか、上へ揺れたか下へ揺れたか、右回りか左回りにヨーイングしたかの度合いを検出する。
1つの態様において、傾斜センサは、X軸に関する回転傾斜の少なくとも2つの離散準位を測定する。その場合には、装置は、左に回転される、右に回転される、または左もしくは右に回転しないと言ってもよい。
さらに、傾斜センサは、前方方向または後方方向におけるY軸に関する勾配傾斜の少なくとも2つの離散準位を測定する。この場合には、装置は、上に揺れる、下へ揺れる、または上もしくは下に揺れないと言ってもよい。
さらに、傾斜センサは、Z軸に関するヨーイング傾斜の少なくとも2つの離散準位を測定する。その場合には、装置は、右回りにヨーイングされる、左回りにヨーイングされる、またはヨーイングされないと言ってもよい。
このような具体化において、傾斜センサは、装置が左への15°および45°の間で回転された場合、装置が左に回転されたことを示す。
別の具体例として、傾斜センサは、装置が15°未満で前に、後方へ15°未満で揺れた場合、装置が前または後ろに揺れていないことを示す。
別の具体化において、傾斜センサは、左から右のおよび前にもしくは後ろへの両方向に、3レベル以上の傾斜を示してもよい。
このような具体化において、特定方向内の傾斜のレベルの各々は、装置が傾けられた範囲の度合いに対応する。
【0055】
角変位の示度(インジケーション)が表示される(ステップS306)。上述のように、中立位置の方位がユーザに直観的に分からない場合もある。更に、各軸は各軸に関する各方向の中に2つ以上の傾斜範囲を有してもよい。
これらおよび他の理由で、インジケータは角変位の示度(インジケーション)または角変位が対応する傾斜範囲の示度(インジケーション)のいずれかを表示するために実時間または近似実時間で備えられる。
コントロールボタンが選択される前または後に角変位が一度に測定される場合、インジケータは、すべての使用可能情報に基づいた時間の傾斜範囲の適切な角変位または示度(インジケーション)を推定する。
中立位置が複数の軸に関して定義される場合、ユーザはインジケータがどの軸を示しているか判定することができ、インジケータは重要なデフォルトまたはプリセットされた軸を有することができ、または、決定は感度のよいコンテキストでもよい。
【0056】
図6B〜6Aは、1つの典型的な態様による具体例のインジケータを示す。
図6Aにおいて、インジケータ600は、ディスプレイ上の装置の方位を示す。ユーザがコントロールボタン選択を解釈するために用いる装置の方位に気づくように、インジケータはビジュアルフィードバックを備える。
【0057】
インジケータ600は、正の傾斜インジケータ601および負の傾斜インジケータ604(それは負(左)および正(右)の方向を指す)をそれぞれ含んでいる。さらに、インジケータ600は、装置が中立位置、または傾斜センサによって未登録の位置(上下逆さまのような)にある場合のように装置が傾けられない場合、正の傾斜インジケータ601および負の傾斜インジケータ604と視覚的に識別される中心インジケータ602を含んでいる。
装置が示された方向内の傾けられる場合、傾斜インジケータの1つは点灯されるか、または別の傾斜インジケータおよび中心インジケータ602と視覚的に識別される。更に、装置が正当に左側に回転されない場合、中心インジケータ602は点灯されるか、または正の傾斜インジケータ601および負の傾斜インジケータ604と視覚的に識別される。
図1に示すように、装置が正しい方角に置かれる場合、例えば中心インジケータが点灯される。
図4Aの範囲402内に示すように、装置が正しい方角に置かれる場合、正の傾斜インジケータ601は点灯される。また、
図4Aの範囲401内に示すように、装置が正しい方角に置かれる時、負の傾斜インジケータ604が点灯される。
【0058】
図6Bおよび
図6Cに示した別の具体例において、インジケータ605はまた、負・正の方向をも指す2つの部分的な傾斜インジケータ606および607をそれぞれ含んでいる。
部分的な傾斜インジケータの各々は、中心インジケータ604と、一方の負の傾斜インジケータ604または正の傾斜インジケータ601との間に配置される。
装置が示した方向に部分的に傾けられる場合、部分的な傾斜インジケータは点灯されるか、またはインジケータ605の他の構成要素と視覚的に識別される。
1つの具体化において、装置が部分的に対応する方向に部分的に傾けられる場合、部分的な傾斜インジケータおよび中心インジケータの両方が点灯される。
例えば、装置が
図4Bに示す傾斜範囲404内の正しい方角に置かれる時、負の傾斜インジケータ604は点灯され、装置が
図4Bの傾斜範囲405内の正しい方角に置かれる時、負の部分的な傾斜インジケータ606および中心インジケータ602が点灯される。
図1に示すように、装置が中立位置の中で正しい方角に置かれる時、中心インジケータ602が点灯され、装置が
図4Bに示す傾斜範囲406内の正しい方角に置かれる時、正の部分的な傾斜インジケータ607および中心インジケータ602が点灯される。装置が
図4Bに示す傾斜範囲407内の正しい方角に置かれる時、正の傾斜インジケータ601は点灯される。
傾斜インジケータまたは部分的な傾斜インジケータの任意数は、各軸のために意図される。多数の関連づけられた傾斜範囲(例えば同数)がある軸については、より多くかより少数の傾斜インジケータがビジュアルフィードバックを備えるために用いられてもよい。
【0059】
図6Dは、ディスプレイ上に示すことができる2つの軸傾斜インジケータを示す。
図6Dに関連して検討した軸は、勾配(前方および後方)および回転(左および右)軸と呼ばれているが、これらの名称は任意であり、インジケータの1組はヨー軸または別の軸である。インジケータ609は、1つの軸に関してインジケータ605と同様に作動する。
しかし、インジケータ609は、また、1つの前もって記述された軸指標605(それは回転インジケータと記述される)に、負の縦揺指示計610、部分的な負の縦揺指示計611、部分的な正の縦揺指示計612および正の縦揺指示計614を含む勾配傾斜インジケータを統合する。
図6Eに示す別の態様において、インジケータは、装置の方位の有意性を示す単独形体615を含んでいる。例えば、単独形体インジケータは、装置の角変位の測定のために、数値が出力されてもよいか否かを示す。
【0060】
インジケータは一連の矢印または直観的な明かりとして
図1および
図6で示しているが、1つの態様において、インジケータは、ディスプレイ105などのようなディスプレイに組み入れられ、または、インジケータは、オーディオを介してユーザに装置の傾斜を説明する音または音声ファイルをするスピーカである。
更に、別の態様において、角変位または傾斜範囲の示度(インジケーション)は、表示されないし、その逆に生成されない。
【0061】
図3に戻って、第1コントロールボタンの選択が受信される(ステップS307)。一態様において、コントロールボタンは、キーパッドボタンであり、ユーザがボタンを押し下げることによって生成され、かつプロセッサに送信される信号(キーパッドボタンの選択が発生したことを示す信号)を可能にする場合、選択が発生する。
別の態様において、コントロールボタンは、物理的制御ではなく、むしろ接触検出スクリーン上のアイコンである。
この態様において、ユーザがアイコンに関連づけられた接触検出スクリーンのエリアに触れる場合、選択が発生し、接触検出スクリーンのアプリケーションが接触の座標を読み込み、座標をアイコンの位置と関連させて、コントロールボタンが選択されたことを示す信号を送信する。
他の型のコントロールボタンの選択もまた想定される。
【0062】
図5の具体化により、装置500は、ユーザがディスプレイ505上に示されたGUIと対話するためにテキストを入力することを可能にするキーパッド(すなわちコントロールボタンをグループ化すること)を含む。各コントロールボタンは、マルチ出力信号(各出力信号は1つのキャラクタにより関連づけられる)に対応する。
一態様において、キーパッドは、「2」から「9」にラベル付けされた(それらは各々複数の文字および数に対応する)8つのコントロールボタンを含む。
例えば、「2」にラベル付けられたコントロールボタンは、文字「A」「B」および「C」、および数字「2」に対応する。さらに、キーパッド内に含まれた他のコントロールボタンは、他のテキストエントリー機能を行なう。例えば、「*」にラベル付けられたコントロールボタンは、出力される次のキャラクタの変更に用いられる。
「0」にラベル付けたコントロールボタンは、現在のキャラクタが指定された後、次のキャラクタに進むために用いられ、「#」とラベル付けされたコントロールボタンは、「スペース」キャラクタを挿入するために用いられる。
【0063】
複数の第1出力信号の1つは、少なくとも選択および角変位(ステップS309)、または少なくとも選択、角変位および複数の傾斜範囲に基づいて出力される。第1コントロールボタンが複数の第1出力信号に関係しているので、角変位、または角変位および複数の傾斜範囲は複数の第1出力信号のどれが出力されるか判定するために用いられる。
一態様において、3つの傾斜範囲がその1つの軸のまわりで定義される場合、および第1コントロールボタンが3つの傾斜範囲に関係している場合には、装置の中立位置は1つの軸に関して決定される。この場合、角変位が第1傾斜範囲内にある場合、第1出力信号が出力され、角変位が第2傾斜範囲内にある場合、第2出力信号が出力され、また、角変位が第3傾斜範囲内にある場合、第3出力信号が出力される。
代替態様において、出力信号は、公式またはアルゴリズムに基づき、角変位、および第1コントロールボタンに関連づけられた出力信号の数に基づいて出力される。
【0064】
図7〜
図10は、操作の異なる状態の
図5の装置の正面および側面図を示している。特に、
図7Aおよび7Bは、中立位置の装置500の正面と側面図をそれぞれ示す。
図8Aは、X軸について負の回転で操作される装置の正面図を示しており、
図8Bは、X軸について正の回転で操作される装置の正面図を示す。
同様に、
図9Aは、Y軸について正の勾配で操作される装置の側面図を示しており、
図9Bは、Y軸について負の勾配で操作される装置の側面図を示す。
図8および9において、装置は、
図7に示される中立位置からそれぞれの軸について約±30°傾けられている。
【0065】
キーパッドのコントロールボタンが選択されている時、傾斜センサによって測定された角変位によって示されるように装置の方位は、装置により出力信号出力に影響を与え、例えば、コントロールボタンの選択によって生成されたキャラクタに影響を与える。
キーパッドの単一のコントロールボタンによって表現される、複数のキャラクタまたは出力信号の各々は、装置の異なる方位に対応する。
キーパッドのコントロールボタンの1つが選択されている場合、装置は、選択されたコントロールボタンに対応する複数のキャラクタ、および傾斜センサによって示された装置の方位を識別する。
複数のキャラクタの1つおよびキャラクタのための場合は、識別された方位に基づいて識別され、識別されたキャラクタが出力される。
【0066】
装置が左か右に回転された度合いは、コントロールボタンが選択されている場合に、コントロールボタンによって表現される複数のキャラクタのどれが出力されるかに影響を与える。
一具体化において、複数のキャラクタを表現するコントロールボタンは、3個の文字を表現し、コントロールボタンによって表現される文字は、コントロールボタン上の左から右までリストされる。
装置は、装置が右に回転され、左に回転され、または左にも右にも回転されなかったことを示すように構成される。
このような一具体化において、コントロールボタンが選択されている場合に、左へ装置を回転することは、左端にリストされたキャラクタが出力されるべきであることを示す。
同様に、コントロールボタンが選択されている場合に、右へ装置を回転することは、右端にリストされたキャラクタが出力されるべきであることを示す。
最後に、コントロールボタンが選択されている時、中立位置で装置を正しい方角に置いておくことは、中心のキャラクタが出力されるべきであることを示す。
【0067】
別の具体化において、コントロールボタンが選択されている場合に、左へ装置を回転することは、右端のリストされたキャラクタが出力されるべきであることを示し、コントロールボタンが選択されている場合に、右へ装置を回転することは、左端のリストされたキャラクタが出力されるべきであることを示し、また、コントロールボタンが選択されている時、中立位置で装置を正しい方角に置いておくことは、中心のキャラクタが出力されるべきであることを示す。
例えば、左へ装置を回転すると右端にリストされたキャラクタが上に見え、他のキャラクタより顕著にリストされるので、また、右へ装置を回転すると、左端にリストされたキャラクタが上に見え、他のキャラクタより顕著にリストされるので、そのような具体化が用いられてもよい。
【0068】
他の具体化において、キーパッドのコントロールボタンは、3つの文字および数字、もしくは4つの文字および数字などのように、3キャラクタ以上に相応する。
例えば、従来の電話機の「7」にラベル付けられたコントロールボタンは、文字「P」「Q」「R」および「S」、および数字「7」に対応する。
このような場合に、傾斜センサは、装置の回転方位にのみ基づいて、選択されたコントロールボタンによって表現される3つのキャラクタ以上の1つが識別されてもよいように、3つを超える離散的な左から右の回転位置を識別するように構成される。
離散的な回転位置の各々は、選択されたコントロールボタンによって表現されるキャラクタの1つに対応する。
例えば、選択されたコントロールボタンが「7」にラベル付けられたキーである場合、
図4Bの範囲404内に示されるように回転される装置は、文字「P」が出力されるべきであることを示す。
図4Bの範囲405内に示されるように回転される装置は、文字「Q」が出力されるべきであることを示す。
図4Bの範囲406内に示されるように回転される装置は、文字「R」が出力されるべきであることを示す。
図4Bの範囲407内に示されるように回転される装置は、文字「S」が出力されるべきであることを示す。また、中立位置で正しい方角に置かれている装置は、
図1内に示されたように、数字「7」が出力されるべきであることを示す。
【0069】
装置の回転方位が、出力されるキャラクタを識別するために用いられる一方、装置の勾配方位は、キャラクタのための活字ケースを識別するために用いられる。
一具体化において、コントロールボタンが選択されている場合に前方に揺れられている(または傾けられた)装置は、大文字で出力される、装置の回転(左から右の傾斜)方位によって識別されるキャラクタをもたらす。
同様に、コントロールボタンが選択されている場合に前方にまたは後方に(中立の勾配位置で)揺れられていない装置は、小文字で出力される、装置の回転(左から右の傾斜)方位によって識別されるキャラクタをもたらす。
【0070】
ある具体化において、後方に揺れられている(または傾けられた)装置は、シンボルを出力してもよい。
シンボルは、従来のコンピュータキーボード上で選択されるコントロールボタンによって表現される数字に対応するシンボルであってもよい。
例えば、後方に装置が揺れられている間に、数字「1」を表現するコントロールボタンが選択されている場合、シンボル「!」は従来のコンピュータキーボード(例えば、「Shift」かつ「1」を押すとコンピュータキーボード上にキャラクタ「!」を出力する)上で数字「1」に対応するので、シンボル「!」が出力されてもよい。
【0071】
傾斜センサは、出力されるキャラクタの活字ケースを示すために必要なピッチ方向のより多くの傾斜位置を検出するのに有用である。このため、キャラクタの活字ケースを示すために用いられない勾配位置は、キャラクタを選択するために用いてもよい。例えば、コントロールボタンは3つの文字および数字を表現してもよく、3つの回転位置が3つの文字内を選択するために用いられてもよい。2つの勾配位置が、文字の活字ケースを選んでもよく、第3の勾配傾斜位置が、キーによって表現される数字を選択してもよい。
【0072】
更に、傾斜センサは、装置が左、中立または右に、回転されたか否かを示し、または装置が前方、中立または後方に揺れたか否かを独立して示す。その結果として、傾斜センサは装置が9つの方位の1つにあるか否かを示すことを可能する。9つの方位の各々は、キャラクタおよびキャラクタのための活字ケースに対応してもよい。
【0073】
図10は、「2」にラベル付けられたキーパッド上のコントロールボタンが選択された時に、出力してもよいキャラクタおよび活字ケースに対応する出力信号への装置方位の1つの可能なマッピングを示すテーブルである。図に示すマッピングにおいて、左に回転され前方に揺れられている装置は、大文字「A」を出力し、回転されずにいずれの方向にも揺れられない装置は、活字ケース内の小文字「b」を出力し、後ろに揺れられている装置は、数字「2」を出力する。3つを超える回転位置または3つを超える勾配位置を識別できる傾斜センサの他の具体化において、キャラクタと活字ケースにマップされてもよい、より多くの方位が利用可能である。
【0074】
キャラクタに対応する出力信号は、第1軸の角変位または装置の傾斜位置に基づいて選択されると記述されている。また、キャラクタのための大文字もしくは小文字に対応する出力信号は、第2軸の角変位または装置の位置に基づいて選択されると完全に記述されている。
他の具体化において、異なる軸の角変位は、キャラクタに対応する信号の出力またはキャラクタの大文字および小文字を有効にしてもよい。一般に、装置のいかなる方位も、キャラクタまたは活字ケースを選択するためにどの軸が用いられたかにかかわらず、いかなるキャラクタおよびキャラクタのための活字ケースに図で表してもよい。
【0075】
コントロールボタンの選択に応じて出力されるキャラクタに対応する信号の出力に加えて、装置の方位は、選択されるべきメニューオプションを示すために用いてもよい。
例えば、電話機上の「1」キーなどのような、いかなるキャラクタにも対応しないコントロールボタンの選択は、電話機のディスプレイ上でメニュー(電話機の異なる方位に対応するメニューの各オプション)を示す。
メニューから選択すべきであることを示すコントロールボタン(例えば「OK」キー、「Enter」キーまたは「1」キー)が選択されている場合の装置の方位は、どのメニューオプションが選択されているかを示してもよい。
一態様において、「1」キーが選択されている場合、
図11Aおよび
図11Bで示すものと同じようなシンボルのメニューが表示される。
装置を傾けて、「1」キーを選択すると、対応するシンボルが再び出力されてもよい。
シンボルが出力された後、「1」キーがシンボルメニューを表示するために再び選択されるまで、上記のように、文字と数字が出力されてもよい。
十分に装置を逆にして、装置を振り、またはその逆に装置の傾斜として解釈されない方法で装置を移動させることは、別のメニューを生成する。
【0076】
選択が受信される場合、角変位が第1傾斜範囲内にあれば、第1出力信号が出力され、選択が受信される場合、角変位が第2傾斜範囲内にあれば、第2出力信号が出力される。
更に、選択が受信される場合、角変位が第3のまたは第4傾斜範囲内にあれば、第3のまたは第4出力信号がそれぞれ出力される。
【0077】
複数の第1軸傾斜範囲が第1軸について定義され、複数の第2軸傾斜範囲が第2軸について定義される場合、複数の第1出力信号の1つは、複数の第1軸傾斜範囲、複数の第2軸傾斜範囲に基づいて出力されてもよい。
選択が受信される場合、第1軸の成分が第1の第1軸傾斜範囲内にある場合、および第2軸の成分が第1の第2軸傾斜範囲内にある場合、第1出力信号が出力されてもよいし、第1軸の成分が第2の第1軸傾斜範囲内にある場合、および第2軸の成分が第1の第2軸傾斜範囲内にある場合、第2出力信号が出力されてもよいし、第1軸の成分が第2の第1軸傾斜範囲内にある場合、および第2軸の成分が第2の第2軸傾斜範囲内にある場合、第3出力信号が出力されてもよいし、第1軸の成分が第2の第1軸傾斜範囲内にある場合、および第2軸の成分が第2の第2軸傾斜範囲内にある場合、第4出力信号が出力されてもよい。
【0078】
または、別の態様において、選択が受信される場合、第1成分が第1の第1軸傾斜範囲内にある場合、および第2軸の成分が第1の第2軸傾斜範囲内にある場合、第1出力信号が出力されてもよいし、第1成分が第1の第1軸傾斜範囲内にある場合、および第2軸の成分が第2の第2軸傾斜範囲内にある場合、第2出力信号が出力されてもよいし、第1成分が第1の第1軸傾斜範囲内にある場合、および第2軸の成分が第3の第2軸傾斜範囲内にある場合、第3出力信号が出力されてもよいし、第1成分が第2の第1軸傾斜範囲内にある場合、および第2軸の成分が第1の第2軸傾斜範囲内にある場合、第4出力信号が出力されてもよいし、第1成分が第2の第1軸傾斜範囲内にある場合、および第2軸の成分が第2の第2軸傾斜範囲内にある場合、第5出力信号が出力されてもよいし、第1成分が第2の第1軸傾斜範囲内にある場合、および第2軸の成分が第3の第2軸傾斜範囲内にある場合、第6出力信号が出力されてもよいし、第1成分が第3の第1軸傾斜範囲内にある場合、および第2軸の成分が第1の第2軸傾斜範囲内にある場合、第7出力信号が出力されてもよいし、第1成分が第3の第1軸傾斜範囲内にある場合、および第2軸の成分が第2の第2軸傾斜範囲内にある場合、第8出力信号が出力されてもよいし、第1成分が第3の第1軸傾斜範囲内にある場合、および第2軸の成分が第3の第2軸傾斜範囲内にある場合、第9出力信号が出力されてもよい。
【0079】
出力信号が表示され(ステップS310)、そして、方法300は終了する(ステップS311)。出力信号は、ディスプレイ105などのようなディスプレイ上に表示される。
代替態様においては、出力信号は表示されない。
【0080】
また、
図5の具体化において、装置500は、装置500のユーザにグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)を提示するために用いられるディスプレイ505を含んでいる。GUIは、装置500へのテキスト入力をユーザに要求する機能を実行して、装置500のユーザにテキスト入力を可能にする。例えば、ユーザは、人名を入力することによって、装置500上に格納された電話帳内の人についての入力を識別してもよい。
別の具体例として、ユーザは、人によって用いられる人名および1つ以上の電話番号などのような、人を示す情報の入力により、電話帳に人についての入力を加えてもよい。
更に、ユーザは、GUIによって装置500から送信されるテキストメッセージを指定することができ、もしくは装置500上に格納される別のテキスト形式のノートを指定することができる。
また、装置500は、ユーザがテキストメッセージを指定することを可能にするGUIを表示する。
【0081】
コントロールボタンの選択がなされる時、装置方位に基づいたコントロールボタン選択の解釈は、単一のコントロールボタンの選択により行なわれてもよい操作の数を増加させる。例えば、各コントロールボタンの選択は、検出されてもよい装置の別個の方位の数と等しい方式の数で解釈されてもよい。
更に、装置の方位は、いかなるキャラクタにも対応しないコントロールボタンの選択をどのように解釈してよいか示してもよい。
したがって、ユーザは、単に装置を傾けてコントロールボタンを選択することにより、迅速に比較的複雑な操作を行なうことが可能である。例えば、装置が左に回転されている間に「*」キーを選択すると、装置が左に回転されている間に次に「*」キーが選択されるまで、テキスト入力(例えば数字だけ、すべての大文字)の特定のモードはテキスト入力のために用いてもよい。
別の態様において、傾斜センサは、コントロールボタンの選択の受信に際して、ユーザインタフェースが傾斜の方向に対応してスクロールされるように、傾斜のスクローリングを有効にする。
コントロールボタンの選択時に発生する前方の勾配は、例えば、上方へスクロールしながら、ユーザインタフェース、またはユーザインタフェース上のメニュー項目内の結果として生じる。
【0082】
別の一般的な態様によれば、コンピュータが読み取り可能な媒体上に明確に格納されたコンピュータプログラム記録媒体(製品)が、詳述される。コンピュータプログラム記録媒体(製品)は、少なくとも第1軸に関しての装置(少なくとも複数の第1出力信号に関連づけた第1コントロールボタンを含む装置)の中立位置を決定し、少なくとも第1軸に関する装置の角変位を測定することを含む操作を、コンピュータに行なわせるために使用可能である。また、コンピュータプログラム記録媒体(製品)は、第1コントロールボタンの選択を受信し、少なくとも選択と角変位に基づいた複数の第1出力信号1つの出力することを含む操作を、コンピュータに行なわせるために使用可能である。
【0083】
最後に、多くの具体化が電話装置として記述され例証されたが、ここに関連する概念は決して電話機に限定されず、事実上、コントロールボタンの数字がデバイス設計とレイアウトの制限により最小限にされるあらゆる装置を含む広く様々な装置に適用可能である。実例の装置は、コンピュータキーボード、リモートコントロール、時計、ジョイスティックまたはゲーム制御装置、または他のコンピュータ入力装置または消費者の電子装置を含む。
【0084】
その結果、多くの具体化が記述された。しかしながら、様々な変形がなされてもよいことが理解できる。例えば、異なる具体例の要素は、他の具体例を作成すために組み合わせてもよいし、補足してもよいし、取り外されてもよい。
さらに、様々な技術は、具体例を作成するために、例えば、様々なデジタル電子回路、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、統合構成要素、個別部品、制御演算装置、メモリまたは記憶装置、通信装置、レンズ、フィルタ、ディスプレイ装置、および映写装置を含むような技術を用い、組み合わせ、変更してもよい。