(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5951736
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】架空電線用スペーサ
(51)【国際特許分類】
H02G 7/12 20060101AFI20160630BHJP
H02G 1/02 20060101ALI20160630BHJP
【FI】
H02G7/12
H02G1/02
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-241318(P2014-241318)
(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公開番号】特開2016-103922(P2016-103922A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2015年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000545
【氏名又は名称】特許業務法人大貫小竹国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村 宏成
【審査官】
甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】
特表2002−530037(JP,A)
【文献】
実公昭34−007552(JP,Y1)
【文献】
実開昭60−111331(JP,U)
【文献】
特開平01−164216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 7/00−7/22
H02G 1/00−1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並設された2本の電線を渡すように設けられ、それぞれの前記電線をその径方向から挿入可能とする開口部を中間部に備えるスペーサ本体と、
このスペーサ本体の両端部に一体に設けられ、前記開口部を介して挿入された前記電線を保持する一対の保持部と、
前記開口部を閉塞する閉塞部材と、を備え、
前記スペーサ本体と前記閉塞部材とに間接活線把持工具で把持可能な被把持部が設けられていることを特徴とする架空電線用スペーサ。
【請求項2】
閉塞部材は、前記スペーサ本体の前記開口部を分けて閉塞する第1及び第2の閉塞部材で構成され、前記第1の閉塞部材は、前記スペーサ本体の一端部に設けられた保持部に近接する前記開口部の端部に回動可能に設けられると共に前記スペーサ本体の一端部に設けられた保持部に保持される電線の保持状態を固定可能とし、前記第2の閉塞部材は、前記スペーサ本体の他端部に設けられた保持部に近接する前記開口部の端部に回動可能に設けられると共に前記スペーサ本体の他端部に設けられた保持部に保持される電線の保持状態を固定可能とするものであることを特徴とする請求項1記載の架空電線用スペーサ。
【請求項3】
前記スペーサ本体の周囲には、該スペーサ本体を周囲から締め付ける締付けバンドが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の架空電線用スペーサ。
【請求項4】
前記スペーサ本体の内周面には、前記第1の閉塞部材を閉じた状態を仮支持する突条が形成され、前記第2の閉塞部材には係合凸部が設けられ、前記スペーサ本体には、前記第2の閉塞部材を前記開口部の閉塞位置へ回動させた場合に、前記係合凸部と係合する係合孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の架空電線用スペーサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧架空線の複導体送電線などのように並設された複数の架空電線の離間距離を確保するために利用される架空電線用スペーサに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、高圧架空線の複導体送電線においては、2条の電線間にスペーサを取り付け、電線の接触による騒音を防止するようにしている。
【0003】
また、三相の架空送電線路や配電線路においても、電線が大きく振動して異相同士の送電線が互いに接触して相間短絡が生じることを防止するために、相間距離を確保するための相間スペーサを取り付けるようにしている。
【0004】
このうち、相間スペーサとしては、各種構成が提案されており、例えば、一方の架空送電線を把持するクランプと、相間スペーサの全長を調整する長さ調整金具部と、架空送電線間の所定の絶縁距離を保持する碍子部と、他方の架空送電線を把持するクランプとを有して構成したものや(特許文献1参照)、各架設送配電線を把持する一対の把持部と、把持部を連結支持する所定の長さを有する連結部と、を備え、各把持部を、各架設送配電線を保持可能な保持孔を形成する保持部を含む一対の腕部と、各腕部の一端を回動可能に支持する支軸と、各腕部の他端を互いに係止可能に支持する係止部とを有し、保持部を、それぞれが各架設送配電線を挟持する挟持面を有する一対の挟持部材を備えて構成したもの(特許文献2)、各送電線の幅方向の全幅に亘って架設される棒状の基体と、この基体上を往復移動する送電線保持体を備え、この送電線保持体は係止固定部及び送電線挟持部を備え、係止固定部によって送電線保持体の基体上の往復移動を実現するとともに、送電線保持体が送電線保持位置において固定されるようにし、この送電線保持位置において送電線挟持部によって送電線を挟持保持するようにしたもの(特許文献3)などが公知となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-019635号公報
【特許文献2】特開2007−166859号公報
【特許文献3】特開2010-246337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これら相間スペーサは相間距離を大きく確保する場合には有用であるが、離間距離が比較的短い複導体送電線においては使いにくいものであり、このため、従来においては、複導体送電線を相互に固定するために、
図5で示されるように、並設された電線100a,100b間に渡すように配置されたスペーサ101をバインド線102等によって電線100a,100bに巻き付けて固定する巻き付け式の複導体用スペーサを使用していた。
【0007】
ところが、このような巻き付け式の複導体用スペーサは、間接活線工具では、取り付けが困難であり、直接活線に頼らざるを得ないため、スペーサの取り付けや交換には、高圧配電線の停電が必要となる。特に、複導体送電線は、変電所付近の送電容量の大きいところに設置される場合が多いため、高圧配電線を停電させることは難しい。
このため、停電させることなく間接活線作業によって取り付けることが可能な架空電線用スペーサの開発が望まれていた。
【0008】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、複導体送電線などのように離間距離が短い電線同士の離間距離を確保するためのスペーサであって、停電させることなく間接活線作業にて容易に取り付けことができる架空電線用スペーサを提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、本発明に係る架空電線用スペーサは、並設された2本の電線を渡すように設けられ、それぞれの前記電線をその径方向から挿入可能とする開口部を中間部に備えるスペーサ本体と、このスペーサ本体の両端部に一体に設けられ、前記開口部を介して挿入された前記電線を保持する一対の保持部と、前記開口部を閉塞する閉塞部材と、を備え、前記スペーサ本体と前記閉塞部材とに間接活線把持工具で把持可能な被把持部が設けられていることを特徴としている。
【0010】
したがって、スペーサ本体に設けられた被把持部を間接活線把持工具で把持してスペーサを架設したい2本の電線にアプローチし、電線の一方を開口部から挿入して一方の保持部に保持させ、その後、電線の他方を開口部から挿入して他方の保持部に保持させ、しかる後に、閉塞部材をそこに設けられた被把持部を間接活線把持工具の把持部で把持して動かすことで開口部を閉塞すればよい。
【0011】
ここで、閉塞部材を、前記スペーサ本体の前記開口部を分けて閉塞する第1及び第2の閉塞部材で構成し、前記第1の閉塞部材を、前記スペーサ本体の一端部に設けられた保持部に近接する前記開口部の端部に回動可能に設けると共に前記スペーサ本体の一端部に設けられた保持部に保持される電線の保持状態を固定可能とし、前記第2の閉塞部材を、前記スペーサ本体の他端部に設けられた保持部に近接する前記開口部の端部に回動可能に設けられると共に前記スペーサ本体の他端部に設けられた保持部に保持される電線の保持状態を固定可能とするものであってもよい。
【0012】
このような構成とすれば、第1の閉塞部材と第2の閉塞部材とによって、電線の保持部への保持状態を1箇所ずつ固定しながら開口部を閉塞することができるので、架空電線用スペーサの確実な取り付けが可能となる。
【0013】
また、電線の保持部への保持状態をより強固にするために、前記スペーサ本体の周囲に、該スペーサ本体を周囲から締め付ける(スペーサ本体の外側への拡がりを抑制する)締付けバンドを設けるようにしてもよい。このような構成とすれば、2本の電線の弛度がアンバランスの場合、電線の重量がスペーサ本体にかかるため、スペーサ本体の周囲に締付けバンドを設けることで、スペーサ本体の強度を確保することができ、また、電線を保持する保持力を高めることが可能となる。
なお、各保持部には、ここに挿入される電線に食い込むように突起等が内面に形成されるものであっても、内面に電線に食い込ませる部材を設置するようにしてもよい。
【0014】
また、前記スペーサ本体の内周面に、前記第1の閉塞部材を閉じた状態を仮支持する突条を形成し、また、前記第2の閉塞部材に係合凸部を設け、前記スペーサ本体に、前記第2の閉塞部材を前記開口部の閉塞位置へ回動させた場合に、前記係合凸部と係合する係合孔を設けるようにしてもよい。
このような構成とすれば、開口部が下方に向いている場合でも、第1の閉塞部材と第2の閉塞部材とを開口部の閉塞位置に固定することができるので、スペーサの取付作業が容易となり、また、取り付け状態が外れる不都合を回避することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上述べたように、本発明に係る架空電線用スペーサによれば、並設された2本の電線を渡すように設けられたスペーサ本体に、電線のそれぞれを径方向から挿入可能とする開口部を中間部に設け、このスペーサ本体の両端部に開口部を介して挿入された電線を保持する一対の保持部と、開口部を閉塞する閉塞部材とを備え、スペーサ本体と閉塞部材とに間接活線把持工具で把持可能な被把持部を設けるようにしたので、間接活性把持工具により被把持部を把持して操作することで、スペーサ本体を電線に取り付けることも、また、取り付けられたスペーサ本体の開口部を閉塞部材で閉塞してスペーサ本体の取付状態を固定することも間接活線作業によって行なうことが可能となり、停電させることなく間接活線作業にて架空電線用スペーサを容易に取り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明に係る架空電線用スペーサを示す図であり、(a)はその側面図、(b)はその正面図、(c)はその背面図である。
【
図2】
図2は、
図1で示す本発明に係る架空電線用スペーサの閉塞部材を開けた状態を示す図であり、(a)はその側面図、(b)はその正面図である。
【
図3】
図3(a)は、本発明に係る架空電線用スペーサの閉塞部材に設けられる係合凸部を示す斜視図であり、
図3(b)は、係合凸部が挿入係止する係合孔を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る架空電線用スペーサを電線に取り付ける手順を示す図であり、(a)は、架空電線用スペーサを並設された電線にアプローチする状態を示す図、(b)は、一方の電線(図中上側の電線)を開口部から差し入れて一方の保持部に保持させた状態を示す図、(c)は、他方の電線(図中下側の電線)も開口部から差し入れて他方の保持部に保持させた状態を示す図、(d)は、第1の閉塞部材で開口部の上側半分を閉塞した状態を示す図、(e)は、第2の閉塞部材で開口部の残り半分(下側半分)を閉塞した状態を示す図である。
【
図5】
図5は、従来の巻き付け式の複導体用スペーサを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る架空電線用スペーサについて図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1及び
図2において、架空電線用スペーサ1は、合成ゴムなどの樹脂等によって形成され、並設された2本の架線を渡すように設けられる断面C字状のスペーサ本体2を備えている。
【0019】
すなわち、このスペーサ本体2は、直線状に延設された連結部3と、この連結部の両端部から折り返すように形成されて、一方の端部に電線の側面を保持する第1の保持部4が形成され、また、他方の端部に電線の側面を保持する第2の保持部5が形成されている。
【0020】
それぞれの保持部4,5は、電線の外径に等しいか、これよりも幾分小さい内径に形成されるように折り返されており、折り返された先端部4a,5aと連結部3との距離が電線の外形よりも幾分小さく形成されている。また、好ましくは、保持部4,5の内面にここに挿入される電線に噛み込む突起などの噛み込み機構4b、5bを備えるようにするとよい。この噛み込み機構は、保持部の内面に突起等が一体に形成されるものであっても、保持部の内面に電線に食い込ませる部材を設置するようにしてもよい。
【0021】
したがって、スペーサ本体3の中間部には、それぞれの保持部4,5の先端部4a,5aの間を離間させることによって連結部3と対峙する部分に開口部6が形成されている。
【0022】
また、スペーサ本体2の周囲には、スペーサ本体2を周囲から締め付ける締付け、外側への拡がりを抑制する締付けバンド7が幅方向(電線の軸方向)の両端部近傍の2箇所に設けられている。この締付けバンド7は、開口部6を除くスペーサ本体2の全周に亘って設けられているもので、弾性変形可能な帯状の金属材を加工して形成され、スペーサ本体2の保持部4,5を収縮させる(径方向内側へ圧縮させる)力を常時かけると共に、連結部3の過度の伸張を防いでいる。
【0023】
そして、スペーサ本体2の開口部6は、以下述べる第1及び第2の閉塞部材11,12によって閉塞可能となっている。
【0024】
第1の閉塞部材11は、前記スペーサ本体2の一端部に設けられた一方の保持部4に近接する開口部6の端部、すなわち、第1の保持部4の先端部4aに連結片11aを介して回動可能に一体に形成されているもので、開口部6の図中上側から一方の保持部4にかかる空間を閉塞し、第1の保持部4に保持される電線の保持状態を固定するようにしている。
【0025】
また、第2の開閉部材12は、前記スペーサ本体3の他端部に設けられた他方の保持部5に近接する開口部6の端部、すなわち、第2の保持部5の先端部5aに連結片12aを介して回動可能に一体に形成されているもので、開口部6の図中下側から他方の保持部5にかかる空間を閉塞し、第2の保持部5に保持される電線の保持状態を固定するようにしている。
【0026】
第1の閉塞部材11を開口部6の閉位置に位置させた状態において架空電線用スペーサ1の周面となる側面と、第2の開閉部材12を開口部6の閉位置に位置させた状態において架空電線用スペーサ1の周面となる側面には、間接活線把持工具で把持可能な被把持部11b,12bが突設され、また、スペーサ本体2の周面(この例では、第2の保持部5の外周面)にも間接活線把持工具で把持可能な被把持部2aが突設されている。
【0027】
さらに、連結部3の内面には、前記第1の閉塞部材11を閉位置に位置させた場合に、第1の閉塞部材11の挿入端の角部が係止されて閉位置に仮止めするための突条2bが形成されている。また、第2の閉塞部材12には、閉位置に位置させた場合に、連結部3と対峙する側面に係合突起13が形成され、この係合突起13と対峙する連結部3の部位には係合突起13が挿入係止する係合孔14が形成されている。
【0028】
この係合突起13は、第2の閉塞部材12の幅方向に2つ設けられ、また、係合孔14も、これに合わせて連結部の幅方向に2つ設けられている。この例において、係合突起13は、
図3(a)にも示すように、円錐状の頭部13aと、この頭部を支持する基柱部13bとを一体化して構成され、係合孔14は、係合突起13の頭部の最大径よりも小さい径に形成された通孔14aと、この通孔の周縁が弾性変形しやすいように、周縁に径方向に形成された複数(この例では4つ)の切れ込み14bとによって構成されている。したがって、係合突起13の頭部13aを係合孔14の通孔14aに挿入して押し込むと、通孔14aの周縁が頭部13aによって弾性変形して頭部13aが挿通し、頭部13aが完全に挿通された状態において、頭部13aの底面に係合孔14の周縁(通孔14aの周縁)が係止されて係合突起13の抜けが防止されるようになっている。
【0029】
以上の構成において、例えば、上下に並設された2本の電線に架空電線用スペーサ1を取り付けるには、
図4(a)に示されるように、第1及び第2の閉塞部材を回動させて開口部を全開とする開位置の状態としておき、この状態でスペーサ本体の被把持部を間接活線把持工具で把持して持ち上げ、取り付けたい2本の電線に対して下側からアプローチする。
【0030】
そして、
図4(b)に示されるように、上側の電線100a(第1の電線)を開口部から挿入して上側の保持部(第1の保持部4)に保持させる。この際、電線を開口部から挿入して第1の保持部の手前に位置させると、第1の保持部の開口部から移行する部分は、電線径よりも幾分狭く形成されているので、スペーサ本体を下方へ引っ張るように電線100aに押し付けると、第1の保持部4や締付けバンド7が幾分弾性変形して拡がり、電線は第1の保持部4へ導かれる。この第1の保持部4に導かれた電線は、スペーサ本体2の弾性力や締付けバンド7の弾性力により第1の保持部4に保持され、しかも、保持部4の内面に食い込み機構4bが設けられている場合には、この食い込み機構4bが電線の表面に食い込むので、スペーサ本体3は電線の軸方向に移動することがなくなる(
図4(c)の状態)。
【0031】
その後、スペーサ本体3を引っ張りつつ、下側の電線100b(第2の電線)を開口部から挿入して下側の保持部(第2の保持部5)に保持させる。この場合も、電線を開口部6から挿入して第2の保持部5の手前に位置させると、第2の保持部5の開口部6から移行する部分は、電線径よりも幾分狭く形成されているので、スペーサ本体2を上方へ押し上げるように電線100bに押し付けると、第2の保持部5や締付けバンド7が幾分弾性変形して拡がり、電線100bは第2の保持部5へ導かれる。この第2の保持部5に導かれた電線100bは、スペーサ本体2の弾性力や締付けバンド7の弾性力により第2の保持部5に保持され、また、保持部の内面に食い込み機構5bが設けられている場合には、この食い込み機構5bが電線の表面に食い込んだ状態となる。
【0032】
以上のようにして、2つの電線を対応する保持部に保持させた後に、間接活性把持工具を用いて第1の閉塞部材11を回動させ、関節活線把持工具で被把持部11bを把持して開口部6から内側へ押し込み、開口部6の上側半分を閉塞すると共に第1の保持部4に保持された電線の保持状態を下側から支持して固定する。
【0033】
この際、第1の閉塞部材11は、仮止め用の突条2bによって挿入端の角部が係止されるので、間接活性把持工具を第1の閉塞部材11から離しても、第1の閉塞部材11で閉塞した状態が解除されることはない。
【0034】
その後、間接活性把持工具を用いて第2の閉塞部材12を回動させ、関節活線把持工具で被把持部12bを把持して開口部6から内側へ押し込み、開口部6の残りの部分を閉塞し、第2の保持部5に保持された電線の保持状態を上側から支持して固定する。
【0035】
この際、第1の閉塞部材11は、第2の閉塞部材12によって下から押し上げられるような力が作用するので、第1の保持部4の保持状態はより強固に固定され、また、第2の閉塞部材12の係合突起13が係合孔14に係合して第2の閉塞部材12がスペーサ本体2から外れることが回避され、第2の保持部5の保持状態がしっかり固定された状態となる。
したがって、線路を停電させることなく、間接活性工具を用いた間接活線作業によって架空電線用スペーサ1を2本の電線100a,100bに容易に架設することが可能となる。
【0036】
尚、上述の例では、上下に2条の電線が配された例の取り付け例を示したが、水平方向で並設された2本の電線においても、例えば、高所作業車のバケット上から水平方向にアプローチすることで、同様に取り付け可能となる。
【符号の説明】
【0037】
1 架空電線用スペーサ
2 スペーサ本体
2a,11b,12b 被把持部
2b 突条
4,5 保持部
6 開口部
7 締付けバンド
11 第1の閉塞部材
12 第2の閉塞部材
13 係合突起
14 係合孔
100a,100b 電線