(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記抜取用パイプ(2)の2つのねじ山プロテクター(1)をさらに有しており、各プロテクターが、管状本体、前記抜取用パイプのねじ山に相補的なねじ、及び自由端を含む、
請求項1に記載のアセンブリ。
前記位置決め手段は、前記ベルト(51)から延びる2つのストラップ(52,53)であり、該ストラップの一方(52)が前記モジュール(3)の支持体として機能し、前記ストラップ(52,53)の各々は、該ストラップがプロテクター(2)の自由端で互いに締結されるように設計された相補的な把持手段(63,64)を有する、
請求項2に記載のアセンブリ。
前記プロテクター(1)の各々に接続されたキャップ(16)をさらに含んでおり、前記モジュール(3)は、前記プロテクター(1)の前記キャップ(16)上に位置決めされるように設計されている、
請求項2〜6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
前記抜取用パイプ(2)と前記モジュール(3)との間の取り外し可能な接続部は、前記モジュール(3)と前記抜取用パイプ(2)との間の接続部の破損を示す証拠として機能するように設計された閉止要素(60)を含む、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、抜取用パイプの機械的特性又はそれら抜取用パイプに関連する機器の機械的特性に影響を与えないような、抜取用パイプの物流管理とこのパイプの識別とについてのこれらの問題に対する解決案を提案することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明は、アセンブリであって、当該アセンブリが、
端部にねじ山を備えた石油抜取用パイプと、
この抜取用パイプの2つのねじ山プロテクターであって、各プロテクターが、管状本体、抜取用パイプのねじ山に相補的なねじと、を有しており、
このアセンブリは、抜取用パイプの少なくとも1つの特性に関連する情報を含むように設計された少なくとも1つモジュールを有しており、このモジュールは、抜取用パイプに取り外し可能に接続される、アセンブリを提案する。
【0008】
変形形態として、アセンブリは、独立して又は組み合わせて用いられる以下の特徴の1つ以上を表す:
モジュールは、抜取用パイプの特性に対応するRFID識別子を含むような、プロテクター上に取り付けられたRFID媒体である;
アセンブリは、地理的位置手段を含む;
プロテクターは、熱可塑性ポリカーボネートやポリウレタンの射出成形によって形成される;
アセンブリは、プロテクターのそれぞれに接続されるキャップを含んでおり、モジュールはプロテクターのキャップ上に配置されるように設計されており、そのプロテクターは、典型的には、分割カラー(collar)によってパイプに接続された可撓性ストラップを有しており、モジュールがこのストラップ上に配置され、ストラップとプロテクターとには、相補的な取り付け手段が備えられている。
【0009】
本発明は、システムにも関し、当該システムは:
オス側とメス側とを有する抜取用パイプと、
オス側とメス側とがそれぞれ抜取用パイプのオス側及びメス側に取り付けられた、2つの抜取用パイププロテクターと、
抜取用パイプの少なくとも1つの特性に対応するにRFID識別子を含む2つのRFID媒体であって、このRFID識別子は、外部データベースにおいて互いに関連付けられており、且つプロテクターが取り付けられた抜取用パイプの特性に関連している、RFID媒体と;
RFID識別子を読み取るとともにその読み取りを表示するように設計された通信手段と;を有する。
【0010】
変形形態として、このRFID識別子は、以下のリスト(パイプの有効長、パイプの内径や外径、パイプの固有の識別子)の抜取用パイプの特性に対応している。
【0011】
本発明は、抜取用パイプを管理する方法に関し、この抜取用パイプには、このパイプに関連する情報を含むように設計されたモジュールに関連したプロテクターが設けられており、この方法は:
モジュールの情報を読み取るステップと、
既存のデータベースに含まれる情報と読み取った情報とを比較することによって情報を処理するステップと、
ユーザ要求に対応する値をデータベース内で選択するステップと、
この値を表示するステップと、を含む。
【0012】
変形形態として、この方法は、固有の識別子と抜取用パイプとを含む少なくとも1つのモジュールを関連付けするような前処理ステップを含み、モジュールの識別子及びプロテクターに関する情報の識別子が、データベースにおいてコンパイルされている。
【0013】
本発明は、アセンブリにも関し、このアセンブリは、
端部にねじ山が設けられた石油抜取用パイプと、
この抜取用パイプ用の2つのねじ山プロテクターであって、各プロテクターが、管状本体、抜取用パイプのねじ山に相補的なねじ、及び自由端を含む、プロテクターと、を有しており、
このアセンブリは、抜取用パイプの少なくとも1つの特性に関連する情報を含むように設計された少なくとも1つのモジュールを有しており、このモジュールは、抜取用パイプの特性に対応するRFID識別子を含み、且つ抜取用パイプに取り外し可能に接続されるようなRFID媒体である。
【0014】
変形形態として、モジュールは、抜取用パイプの周りに取り付けられるように設計されたベルトと、このモジュールをプロテクターの自由端に取り外し可能に位置決めするように設計されたこのモジュール用の位置決め手段とを含むようなハーネスに取り付けられる。
【0015】
この位置決め手段は、次に、典型的には、ベルトから延びる2つのストラップであり、これらストラップの一方は、モジュールの支持体として機能し、これらストラップの各々は、ストラップがプロテクターの自由端で一緒に取り付けられるように設計された相補的な把持手段を有する。
このベルトは、次に、典型的には、そのベルトの内面において抜取用パイプと接触するように設計された、例えばネオプレン又は多孔質ネオプレンのエラストマーコーティングを有する。
別の変形形態によれば、抜取用パイプとモジュールとの間の取り外し可能な接続部は、モジュールと抜取用パイプとの間のこの接続部の破損を示す証拠として機能するように設計された閉止要素を含む。
【0016】
さらに別の変形形態によれば、このモジュールは、地理的位置手段に関連付けされる。
さらに別の変形形態によれば、このプロテクターは、熱可塑性ポリカーボネート又はポリウレタンの射出成形によって形成される。
さらに別の変形形態によれば、このアセンブリは、プロテクターのそれぞれに接続されたキャップをさらに含んでおり、モジュールは、プロテクターのキャップ上に位置決めされるように設計されている。
【0017】
本発明は、システムにも関し、当該システムは:
オス側とメス側とを有する抜取用パイプと、
オス側とメス側とがそれぞれ抜取用パイプのオス側とメス側に取り付けられた2つの抜取用パイププロテクターと、
抜取用パイプの少なくとも1つの特性に対応するRFID識別子を含む2つのRFID媒体であって、このRFID識別子は、外部データベースにおいて互いに関連付けられており、且つこのプロテクターが取り付けられる抜取用パイプの特性とも関連付けされている、RFID媒体と、
油井の近く位置決めされるとともに、この油井において使用される抜取用パイプのRFID識別子を読み取り、且つ油井で用いられる抜取用パイプのRFID識別子だけでなく、抜取用パイプの特性の選択も順々に表示するように設計された通信手段と、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の他の特徴、目的及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明から明らかになる。この詳細な説明は、単に例示であって限定するものではない。
【0020】
図1には、情報を記憶することが可能なモジュール3に関連付けられた抜取用パイプ2のねじ山プロテクター1が示されている。
図示されるプロテクター1は、有利には、透明又は不透明であるようなプラスチック及び/又は(金属−プラスチック・プロテクター等の)複合材料、典型的には熱可塑性ポリカーボネート又はポリウレタンを射出成形することに形成される。
【0021】
変形形態として、プロテクター1は、ポリプロピレン又はアクリロニトリル・ブタジエン・スチレンから形成されており、このプロテクターは、金属、金属−プラスチック、又は複合部品で補強される。
図示されるプロテクター1は、抜取用パイプ2の雄ねじ又は雌ねじに相補的な雌ねじ又は雄ねじ12が設けられた管状本体11と、パイプ2が接触することがある衝撃を和らげるように、プロテクター1の外径の拡大部を規定する外側リング13とを有する。いくつかの凹部14が、管状本体11と外側リング13との間に規定されており、この凹部は、典型的には、半径方向リブ15によって範囲が定められている。
【0022】
図示されるプロテクター1は、このプロテクターの自由端に位置するキャップ16に関連付けされている。
このキャップ16は、中央プレート17と脚部18とを含んでおり、この脚部は、プロテクター1の本体上に配置されたピン等の係止手段と協働するように設計されており、こうして、キャップ16をプロテクター1の所定の位置に保持する。
【0023】
中央プレート17は、いくつかの形態をとることができる。図示される実施形態では、この中央プレートは、プロテクター1の自由端に位置する開口部を完全に閉止することが可能なディスクであり、こうして、その液密性を保証する。変形形態として、中央プレート17は、プロテクター1の自由端における開口部を完全に閉止しなくてもよく、その中央プレートは、プロテクター1の直径に沿って延びるストリップであってもよい。
【0024】
図1は、モジュール3がプロテクター1に固定される変形形態を示している。変形形態として、モジュール3は、後で
図2で確認されるように、キャップ16に、又はパイプ2に固定される。モジュール3の取り付けは、任意の適切な技術によって達成することができ、それはモジュール3、プロテクター1、パイプ2又はキャップ16に損傷を与えることなくそのモジュール3が所定の位置に保持されることを保証する。
【0025】
具体的には、以下の実施形態を挙げることができる。
プロテクター1は、モジュール3が位置決めされるような凹部14の内部を規定する;プロテクターの凹部14(複数可)の内部は、次に、モジュール3がプロテクター1のこの凹部14内に保持されることを特に保証するように樹脂で充填される;
モジュール3は、プロテクター1又はキャップ16上に接着剤で接合される又は溶接される;
モジュール3は、(あらゆる種類の腐食を制限するために好ましくはプラスチックで成形されたリベットやスクリューボルトセット等の)締結具によりプロテクター1又はキャップ16に固定される;
プロテクター1又はキャップ16は、その表面にステム(stem)の形態の突起物を有することができる;リングの形態(又はリングを含む形態)のモジュール3は、この突起物の周囲に位置決めされる;この突起物の上端は、次に、この上端を変形させるように加熱され、こうして、モジュール3を係止するようにモジュール3(又はモジュール3のリング)の直径よりも大きな直径を得るように加熱される;
モジュール3は、プロテクター1及びキャップ16にクリップ止めされ、モジュール3の取付けが力を加えることによって達成される;
モジュール3は、プラスチックや、エラストマー、金属、又は索具リングによってプロテクター1又はキャップ16に接続される;
モジュール3は、後で
図2及び
図3を参照して説明されるように具体的にはストラップ31上に縫い付けられる;
モジュール3は、(超音波溶接、摩擦溶接又はミラー溶接(mirror welds)等によって)プロテクター1又はキャップ16に溶接される;
プロテクター1又はキャップ16をモジュール3の周りにオーバーモールドすることができ、このモジュールは、適用可能な場合には、モジュールの劣化を回避するために型成形中にそのモジュールを保護するエンベロープ内に有利に位置決めされる。
【0026】
変形形態として、プロテクター1は、
図1に示されるキャップ16の代わりに射出成形によって直接的に形成された壁を用いて閉止される。所望の使用に応じて、この壁は、キャップ16が典型的に関連している状態で、
図1〜
図3に示されるような「開いた状態」のプロテクター1を得るために、機械加工によって保持又は除去することができる。
この壁が保持される場合には、製造コストの面で有利となるように、モジュールをこの壁に直接的に適用することができ、モジュール3がプロテクター1から分離できないようにする。
【0027】
図2及び
図3には、ヒンジによって旋回自在に取り付けられたキャップ16がプロテクター1に設けられた、2つの変形形態が示されている。
図2には、第1の変形形態の分解図が示されている一方、
図3には、第2の変形形態の組立図が示されている。
ここで、キャップ16は、中央プレート17で構成されており、この中央プレート17の一方の側に2つの脚部18が設けられており、第1の脚部には、プロテクター1において形成された孔20と協働するように設計された突起部19が設けられおり、ここではその外側リングにおいて、ヒンジを形成する。第2の脚部には、プロテクター1の相補的な手段22に「クリップ止め可能な」保持手段21が形成されており、ユーザによって係合が解かれて、そのヒンジの周りにキャップ16の旋回を可能にする。
【0028】
また、パイプ2は、このパイプ2の周囲に堅く取り付けられたカラー(collar)も備えており、カラーには、モジュール3に近接して取り付けられるような自由端を有するストラップ31が取り付けられている。このカラー30は、ユーザによって切断することができる材料、例えばプラスチックから有利に形成されており、それによって、カラー30が、偶発的な衝撃や力が発生した場合にパイプ2に保持される一方、ユーザによって着脱可能な状態のままにすることを保証するような十分な耐性を提供する。
【0029】
カラー31の全部又は一部は、プロテクター1を設けること、典型的にはカラー31の取付ヘッド(複数可)を保護するための突起物による衝撃から保護することができる。従って、パイプ2を油井に挿入される前に、ユーザは、パイプ2からカラー30を取り外すためにそのカラー30を切断することができる。
【0030】
このストリップ31は、例えばフック及びパイル地タイプの典型的には自己把持式ストラップ、例えばベルクロ(登録商標)という名前で販売されている自己把持式ストラップ又は任意の他の適切な手段、例えば「デュアルロック(登録商標)」の名称で一般に販売されている一緒にクリップ止めするような取り外し可能なキノコ形状締結具であり、相補的な磁気ストリップによって、又はプロテクター上に設けられたダブテール(dovetail)形状内に力を加えることによってクリップ止めするような台形ストラップ31を含むシステムによって把持される。例えばベルクロ(登録商標)のパイル地部分やフック部分をデュアルロック(登録商標)の把持ストリップと関連付けることによって、ベルクロ(登録商標)やデュアルロック(登録商標)という名前の下で販売されている要素を組み合わせて用いることも可能である。プロテクター1及びキャップ16には、次に、典型的には、相補的な締結手段それぞれ32及び33が設けられており、それら締結手段がパイプ2の端部に配置されるときに、ユーザがストラップ31をプロテクター1に及びキャップ16に取り付けることが可能になる。
【0031】
そのストリップがプロテクター1に及びキャップ16に取り付けられるときに、モジュール3が、キャップ16の中央プレート17の中心に実質的に位置決めされるように、ストラップ31は有利に寸法決めされている。
【0032】
図2に示される実施形態では、プロテクター1は、その外側リング13に設けられたスリットを含んでおり、それによって、ストラップ31の通過が可能になり、ストラップがプロテクター1によって外部衝撃や外力から保護される。プロテクター1は、このプロテクター1の本体11上に例えばリブを含むこともでき、それによって、ストラップ31を保護する。
【0033】
図3に示される変形形態では、ストラップ31用のこの通路は、キャップ16の締結手段21に相補的な手段22を含むような外側リング13の一部に対応する。この変形形態は、ストラップ31が所定の位置にある限りは、キャップ16を閉じた状態に保持することが可能になる。
【0034】
この変形形態では、プロテクター1は、プロテクター1の自由端から突出した場所に存在するようなノッチ24も含む。これらのノッチ24は、典型的には、ユーザがパイプ2からプロテクター1を締め付ける又は緩めるためにそれらノッチ内にツールを挿入できるように設計されており、長手方向の衝撃に対するさらなる保護も達成している。
【0035】
図4及び
図5には、別の実施形態が示されており、ここでモジュール3は、ハーネスと関連しており、そのハーネスが、プロテクター2に締結され、且つプロテクター1に又はパイプ2に特定の手段を必要とすることなく、プロテクター2の自由端に位置決めされることを可能にする。
【0036】
より正確には、ハーネス5は、2つのストラップそれぞれ52及び53が延びるようなベルト51を含む。ハーネス5は、典型的には、ポリエステル及び/又はネオプレンから形成される。
【0037】
ベルト51は、前述したような相補的な把持手段56及び57、典型的には自己把持式要素を含む2つの自由端54及び55を有する。これらの相補的な把持手段56及び57は、典型的には、ベルト51の2つの対向面で位置決めされ、それによって、ベルト51の2つの自由端54及び55を重ね合わせるときに、相補的な把持手段56及び57が係合する。
【0038】
2つの自由端54及び55の各々は、有利には、開口部それぞれ58及び59を含んでおり、ベルトの2つの自由端54及び55が重ね合わされる且つ相補的な把持手段56及び57が係合されるときに、整列するように設計されており、それによって、ベルト51の閉止要素60、典型的には
図5に示されるようにリベットがそれら相補的な把持手段に挿入される。
【0039】
ハーネス5のベルト51は、閉止要素60が、所定の直径を有するプロテクター2上にそのハーネスを堅固に保持するような寸法にされており、それによって、ベルト51をプロテクター2から取り外す際には、閉止要素60を取り外す必要がある。
【0040】
2つのストラップ52及び53が、ベルト51から延びており、それによって、ベルトがパイプ2の周囲で閉じられるときに、これらストラップ52及び53が直径方向に対向するように存在する。2つのストラップ52及び53を分離するベルト51の一部の長さは、こうして有利には、ハーネス5が取り付けられるように意図されたパイプ2の外周に等しくなる。これらストラップの各々は、こうして、自由端それぞれ61及び62を有する。
【0041】
図示されるような2つのストラップ52及び53は、支持ストラップ52及び締結ストラップ53として規定することができる。
以前に示したように、支持ストラップ52は、典型的には、支持ストラップ52の自由端61の近くに位置決めされたモジュール3を包含する。
【0042】
ストラップ52及び53の自由端61及び62には、有利には、相補的な把持手段63及び64、典型的には前述したような自己把持式要素が備えられている。これらの相補的な把持手段63及び64は、典型的には、異なる面にそれぞれ位置決めされており、それによって、ストラップ52及び53の2つの自由端63及び64を重ね合わせることによって、相補的な把持手段63及び64を係合させることができる。ストラップ52,53及びモジュール3は、有利には、ハーネスがパイプ2に取り付けられ且つ2つのストラップがそれら相補的な把持手段63及び64を用いて締結される場合に、モジュール3が、プロテクターの自由端に、典型的にはそのキャップ16に位置決めされるように寸法決めされ且つ位置決めされる。
【0043】
前述したようにプロテクター1が配置される端部にパイプ2が示されるような
図5を参照すると、パイプ2がハーネス5のベルト51によって巻き付けられ、次に、2つのストラップ52及び53が、その自由端においてプロテクター2に、必要ならばキャップ16に締結される。次に、前述したように、閉止要素60を用いてハーネス5をパイプ2に位置決めした状態で係止することが可能になる。
【0044】
この特定の実施形態は、こうして、プロテクター1が特定の材料から形成される、又はモジュール3の取付面がこのモジュールの取り付けを可能にするために特別に準備され且つ清掃される必要なしに、モジュール3、パイプ・アセンブリ2、専用の把持手段を何ら有していないプロテクター1を利用することができる。
【0045】
また、閉止要素60は、選択されたパイプ2に堅固にモジュール3が取り付けられた状態のままにすることを保証することを可能にし、実際には、モジュール3をパイプ2から分離させるには、ハーネス5の、モジュール3の、又は閉止要素60の破壊を必要とする。ユーザは、こうして、最初に締結されたパイプ2から分離されたモジュール3を明確に識別することができ、閉止要素60は、シールや破損証拠として機能することができる。
【0046】
さらに、ストラップ52及び53は、有利には、それら相補的な把持手段63及び64によって組み付けられ且つ分離することが可能であり、ユーザは、ドリフト操作等のパイプ2に対する操作を常に確認及びチェックすることができる。実際には、ユーザは、ベルト51を介してパイプ2に堅固に取り付けられた状態のままである2つのストラップ52及び53を分離させることのみが必要となり、必要ならばプロテクター又はプロテクター1全体のキャップ16を取り外し、自分のチェック動作を行い、次に、キャップ16又はプロテクター1を取り換え、最終的には2つのストラップ52及び53を一緒に再締結する。
【0047】
さらに、ネオプレン又は多孔質ネオプレン等の内部エラストマーコーティングを含むベルト51を用いることによって、パイプ2の周囲に吸着カップ(suction-cup)効果を提供することが可能となり、こうして、パイプ2の周囲の所定の位置に保持されるような能力を補強することができる。
【0048】
最後に、プロテクター1の自由端に、すなわちパイプ2の一端にモジュール3を位置決めすることを保証することにより、モジュール3に含まれる情報の読み取りが、パイプ2の又はプロテクター1の周囲に締結されたモジュールと比較すると大幅に改善される。
【0049】
これらの実施例では、例えばチェック又は洗浄操作のためにプロテクター1を引き抜くときに、パイプ2を劣化させることなく、モジュール3は、モジュール3と関連するパイプ2との間に偶発的な分離が生じるいかなるリスクも回避することを可能にするようにパイプ1に接続される。
【0050】
より一般的には、
図1、
図2、
図3、又は
図4及び
図5に示される実施形態が考慮される場合に、モジュール3は、プロテクター1、そのキャップ16、又はカラー(collar)30等の取付手段を介してパイプ2に取り外し可能に接続される、。
【0051】
モジュール3をキャップ16上に位置決めすることには、いくつかの利点がある。実際には、モジュール3の伝送は、パイプ2の金属特性によって抑制される。このため、プロテクター1のキャップ16にモジュール3を位置決めすることによって、モジュール3は、パイプ2からきるだけ離間して保持され、モジュールの放射の際に生じる可能性がある干渉が、次に低減される。
【0052】
モジュール3がプロテクター1のキャップ16上に位置決めされる場合には、このキャップ16は、モジュールがそのキャップから分離されないようにプロテクター1の本体に有利に接続される。このような接続の例は、軽量の鎖、ケーブル、コード、又はさらに
図2の実施形態のヒンジ接続によって達成することができる。
モジュール3は、例えば補強材又は凹部においてそのモジュールに損傷を与える可能性があるような外部衝撃や外力に曝されないように、有利に配置されている。
【0053】
モジュール3は、典型的には、有利にはUHF(極超短波)タイプのRFIDタグを含むRFIDモジュールである。すなわち、RFIDモジュールは、860MHz〜960MHzの範囲内に含まれる周波数を用いる。モジュールは、GPSタイプ測位モジュール又はGPRSモジュールに関連付けることもでき、このようなモジュールは、当該技術分野において公知であり、モジュールに関連付けられたパイプを、例えばパイプの注文や配送、或いは在庫位置のリアルタイム監視できるように配置することを可能にする。
【0054】
このようなGPSやGPRS測位モジュールは、典型的には、パイプの「束(bundle)」に関連付けされている、すなわち、パイプのロットは、それらパイプを梱包や輸送するためにスリング(sling)及びヨーク(yoke)と一緒に接続される。測位モジュールは、測位モジュールの放射と干渉させないように十分に離間するように、スリング又はヨークの束に有利に位置決めされる。
【0055】
こうして、測位モジュールによって使用現場まで梱包されたこのようなロットを地理的に監視することが可能になり、使用現場で各種パイプを個別に監視することが、次に、例えばRFIDタイプのモジュール3によって達成される。
【0056】
こうして測位モジュールをパイプの「束」に関連付けることによって、RFIDタイプのモジュールよりもより多くのコストがかかるこのような測位モジュールの必要な数が減少する。
【0057】
地理的測位モジュールと問題になっているパイプの束内の様々なモジュールのパイプとが、それらパイプが梱包されるときに、例えばデータベースに有利に関連付られる。
【0058】
なお、NFC(近距離通信)技術に基づくRFID(無線周波数識別)技術は、当該技術分野において公知であり、ここでは詳細には説明しない。RFID技術は、オブジェクト(対象物)に接着又は組み込まれるような一般的に「マーカー」と呼称されるモジュールを用いており、このモジュールは、送信機−受信機によって放射される無線クエリを受信するとともにこの無線クエリに応答することが可能な、電子チップに関連付けられたアンテナを含む。
【0059】
特定の実施形態によれば、「パッシブUHF」として公知である極超短波波技術、すなわち典型的には860MHz〜960MHzが用いられ、ここでモジュール3は、電池、又は電池を備えたアクティブ極超短波モジュールを含まない。
【0060】
モジュールは、例えば512ビットでコード化された情報を含んでいる。以下のエンコードが、典型的には用いられる:
30ビットでエンコード化された固有の識別子、この識別子は、50年の期間に亘って年間2〜4百万本のパイプの固有の識別子をエンコードすることが可能である;
パイプの長さ:メートルで、略センチメートル近い精度で、0〜15m=1500の範囲のパイプの長さについて2,048値を用いる、すなわち11ビットである;
パイプ直径:典型的には10個の直径値について32値を用いる、すなわち5ビットである;
ねじの種類:32値でエンコード化された10個の異なるねじ山タイプ、すなわち5ビットである;
パイプの厚さ:64値でエンコード化された50個の厚さ値、すなわち6ビットである;
パイプ製造業者の名称や略称識別子:典型的には6ビットでエンコード化される;
顧客の名称又は略称識別子(例えばパイプの受取人):典型的には8ビットでエンコード化される;
つまり、これらの情報によって合計71ビットが占められる。
【0061】
モジュール内の512ビットメモリのうちの残りのビットは、パイプが経験した直近のイベント(場所、日付、読み取り機、アクション)を記憶するために使用される。これらのイベントの各々は、典型的には百ビット又はそれ近いビットでエンコード化される。こうして、典型的には、パイプの耐用期間の中で直近の3〜5の間のイベントをモジュールに記録することができる。
【0062】
特定の一実施形態によれば、プロテクター1及び/又はパイプ2は、典型的には、シリアル番号又はバーコードの形態の第2の識別手段を含んでおり、このような第2の手段は、典型的には、モジュール3が故障した場合にのみ使用される。
【0063】
なお、
図1、
図2、
図3、
図4及び
図5は、プロテクター2を備えたパイプ1の一端部を有することに留意されたい。同様の配置は、パイプ2の他端部に確認されることが容易に理解することができる。
【0064】
例えば、オス側とメス側とを含む抜取用パイプ2の場合には、オス側とメス側との両方には、それぞれオス側プロテクターとメス側プロテクターとが備えられており、これらプロテクター1の各々には、次に、有利にはモジュール3が提供される。
【0065】
こうして、本発明は、抜取用パイプ自体の特性に悪影響を及ぼすことなく、抜取用パイプの迅速かつ自動化された識別を可能にするあらゆる手段を有することを可能にする。実際には、パイプ2に関連する情報がプロテクター(複数可)1に又はパイプ2に関連するプロテクター(複数可)のキャップ(複数可)16に含まれるようなモジュール3を設置することによって、パイプ上で直接的にパイプを識別するいくつかの手段を埋め込むことを行うような当業者の従来のアプローチとは異なり、パイプ2自体にいかなる構造的変更を実施することなくその設置を可能にする。
【0066】
図6には、以前に説明されたようなプロテクターとモジュールとに関連する抜取用パイプを監視する方法が概略的に示されている。
【0067】
パイプをモジュールに関連付けるステップE1
このステップE1は、そのパイプの梱包中に、典型的にはパイプの製造に続いて配置される。
その配置される時に、1つ以上のモジュールが、以前説明したように例えばパイプの各端部における1つのモジュールに関連付けされる。モジュールが、パイプ自体に又はプロテクターに取り付けられているか否かに依存して、2つの変形形態が区別される。
【0068】
モジュールが、例えば
図1に示される実施形態に対応するようなプロテクターに関連付けされる場合には、ねじ山プロテクターは、パイプをロットとして梱包する及びそのロットを輸送又は保管する前に、パイプ、典型的にはそのパイプ端部の各々におけるプロテクターに関連付けされる。
【0069】
モジュールが、例えば
図2〜5に示される実施形態に対応するようなパイプに関連付けされる場合には、1つ以上のモジュールは、例えばそのパイプ端部付近でパイプ本体にクランプ止めされるプラスチックカラーによって、又は以前示したようなハーネスによってそれらモジュールを取り付けることによって、パイプに関連付けされる。
【0070】
抜取用パイプとモジュール(複数可)との間を関連付ける際に、パイプに関連する1つ以上の情報項目が、モジュール(複数可)に適用される。
いくつかの実施形態は、このステップE1を実現することが可能である。
パイプは、例えば、典型的にはその製造業者によって規定された固有の識別子でタグ付けすることができる。モジュール(複数可)は、次に、それらパイプに適用されるこの識別子を有することもできる。
【0071】
変形形態として、モジュールに含まれる情報は、有利には、関連するパイプの以下の1つ以上の特性に対応する。
パイプの長さ、
パイプの内径及び外径、
パイプのねじ切りやタップ立ての種類、
パイプの厚さ、
パイプ用ねじの幾何学的特性、
顧客の識別、
パイプ履歴のトレーサビリティ(特に様々な場所、日付及びアクションを参照する)、
パイプ用ねじ上に存在するコーティングのタイプ、
注文番号、
固有のパイプ番号を含む。
【0072】
変形形態として、モジュール(複数可)には、既に固有の識別子が設けられている。パイプ識別子やそのプロパティ(例えば、その製造業者や、その寸法、パイプを特徴付けることができる他のプロパティ)は、次に、データベースにおいてそのパイプに関連付けられたモジュール(複数可)のそれら識別子やプロパティに結び付けられる。固有の識別子を用いることによって、それらの識別子によってプロテクターを明確に識別することが可能になる。
【0073】
モジュールが、パイプの又はプロテクターの固有の識別子を含む場合には、この識別子は、次に、このようなモジュールに備え付けられた別のパイプやプロテクターの識別子を含むデータベースに関連付けされるだけではなく、パイプ又はモジュールに関連付けられる情報にも関連付けされる。
【0074】
具体的には、挙げることができる情報項目は、次の通りである。
パイプの幾何学的特性、
パイプに行われたテストの報告、
パイプに描かれたロット番号と、その製造場所、
パイプ及び/又はモジュールに関するアクションの履歴である。
【0075】
パイプの梱包の際に、従ってパイプのねじ切りされた端部にプロテクターを配置する際に、抜取用パイプの特性に関する情報がモジュールに書き込まれる。モジュールに含まれる情報が、実際には、モジュールが配置されるパイプに対応することを確実にする。
【0076】
モジュールに含まれる情報を読み取るE2ステップ。
モジュールに含まれる情報は、適当な通信手段によって読み取られる。
モジュールに含まれる情報のこの読取りは、挙げることができるがこれらに限定されないようないくつかの状況で生じる可能性がある。
在庫や在庫品のチェック、
抜取用パイプの注文やロットの監視、
掘削又は抜取現場でパイプを用いる前に、パイプのねじ山プロテクターの引き抜きの際に、現場で使用されるパイプを識別してタグ付けする。
【0077】
モジュールに含まれる情報を読み取ることは、所定の場所に近接したプロテクターを通過させる際に、要求に応じて又は自動的に達成される。
モジュール3に障害が発生した場合には、そのモジュールに含まれる情報は、典型的には、読み取ることができない、又は一部のみが読み取られる。この場合に、プロテクター1及び/又はパイプ2にシリアル番号又はバーコード等の第2の識別手段が備えられている場合には、オペレータは、この第2の識別手段によってパイプ及び/又はプロテクターを識別することができる。
【0078】
モジュールに含まれる情報を処理するE3ステップ。
モジュールに含まれる情報の読み取りに続いて、この情報は、有利には、以下の動作の全て又は一部を行うように設計された通信手段によって処理される。
ユーザが所望する特定の情報のみをそのモジュールから抽出するために、読み取られた情報をセグメント化する、
読み取られた情報をデータベースに記憶された情報と比較する。
【0079】
読み取られた情報がデータベースに記憶されているデータと比較される実施形態では、通信手段は、典型的には、ユーザによるクエリに対応するデータをデータベースから抽出するように設計される。
このステップE3は、典型的には、所望の情報を表示するステップを構成するE4に続いて行われる。
【0080】
図7は、以前に規定された方法を実行するように設計されたシステム10の例を示している。
システム10は、いくつかのパイプ2を有しており、パイプの各々には、
図1〜5において以前提示したようなプロテクター1及びモジュール3が設けられているだけでなく、モジュール3に含まれる情報を読み取り、処理及び表示することが可能な通信手段4も設けられている。
【0081】
通信手段4は、典型的には、1つ以上のアンテナ41を含んでおり、これらのアンテナは、モジュール3を検出するとともに、規定の距離に含まれるモジュールの情報を読み取るように設計される。
この距離、従って使用されるアンテナ41の性質は、典型的には、アンテナ41の位置と機能に従って選択される。
【0082】
一例として、ストレージ領域に位置決めされたアンテナ41について、ストレージ領域の全体の面積に亘って配置されたモジュール3を検出することが可能なアンテナ41を選択することが有利である。
アンテナ41が、油井内に降下するパイプ2を準備するゾーン等の特定のゾーンに又はストレージ領域に位置決めされ、ここで、油井内に下降するように意図された次のパイプ2が、保管されており、このようなゾーン内に持ち込まれるパイプ2のモジュール3のみが検出され且つ読み取られることを保証するように、短距離用アンテナ41を選択することが有利となる。
【0083】
短距離用アンテナ41は、プロテクターやキャップに対してプロテクター1のねじを外すために用いられるツール上にも位置決めすることができ、こうして、それらツールをパイプに接続されたモジュール3に近接させる。
なお、アンテナ41をプロテクター・ビン内に位置決めすることが可能であり、ここで、プロテクター1は、次に使用されるパイプを記憶し、それらパイプは、
図1に示される実施形態の場合には締結され、又は
図2〜
図5に示した実施形態の場合には、パイプからそれらプロテクターを取り外すことに続いて、異なる関連するストラップ、ハーネス及びモジュールを含む容器内に締結される。このようなアンテナによって、例えばパイプ2が実際に油井中に下降されるか、これらから直ぐに下降されることを確認することが可能になる。
【0084】
モジュール3毎に含められた情報の検出及び読み取りは、実際に使用されるパイプ2に関連付けられているモジュール3のみが特定され且つ読み取られることを保証にするために、パイプ2からプロテクター1のねじを外す際に、直接的に達成される。
通信手段4は、典型的には、モジュール内に存在する情報を処理するように設計されたプロセッサ等の処理手段42だけでなく、ユーザが所望の情報を確認することを可能にする表示手段43も含む。
【0085】
実装例
本発明の態様の第1の実施例は、抜取用パイプをチェックするための操作に関するものである。
ユーザが、パイプを使用する前に又は使用現場へのそれらパイプを送る前に、ロットとして保管された抜取用パイプの特性をチェックしようとする。
ユーザは、次に、典型的にはポータブルコンピュータ、タブレット又はPDA等のデバイスに関連付けることができるような、典型的には、問題になっているパイプに関連する様々なプロテクターのモジュールに含まれる情報を読み取るための携帯型装置を備えている。
【0086】
様々なパイプのモジュールで読み取られた情報は、典型的には以下の情報を含むデータベース内に入力された情報と比較される。
パイプの参照、
パイプに関連するプロテクターの参照、
パイプの特性;例えばその内径、その外径の、その有効長、その重量、その製造業者、その両端のねじ山の特性、
パイプ又は関連するプロテクターに関する報告;例えばパイプ上で実行されるチェックの報告(典型的には、一般的に「ドリフト」と呼称されるパイプ内部をチェックする操作)、
パイプやパイプのロットに関連する注文番号、こうして、パイプやパイプのロットの仕向地を決定することが可能になる。
【0087】
ストレージ領域のパイプの特性をチェックしたい又はより一般的には在庫品を確認したいユーザは、モジュールに含まれる全ての識別子を読み取るようなポータブル読取り機をモジュールを備えたパイプの近くに通すことができ、次に、識別されたパイプに対応した情報が得られるように既存のデータベースに接続される。
【0088】
パイプの二重読み取りの際に、例えば、同じ識別子を二回読み取ることによって、又はパイプが、このパイプ端部にそれぞれ位置決めされたモジュールを含む場合には、一方又は同じパイプの2つのモジュールを読み取ることによって、この競合が、同じパイプのこれら複数の測定値を結び付けるデータベースにおいて管理される。
【0089】
ユーザは、レーザ測距器等の測定ツールによって抜取用パイプのチェック、例えばそれらパイプ寸法のチェックに進むことができる。次に、これらの測定値が様々なパイプのモジュールに含まれる情報と照合される。
【0090】
本発明の態様の第2の実施例は、例えば油井の場合には、現場でのパイプの使用に関する。
パイプは、ロット毎に現場に送られ、その後、それらパイプの端と端とを接続して配置されるように組み立てられて油井にもたらされ、その後、油井内に下降される。
【0091】
アンテナ等の通信手段は、次に、油井内にそれらパイプを下降させる前に、パイプを準備して組み立てるための領域内に有利に位置決めされる。
通信手段は、自動的に検出し、又はユーザによるコマンドの結果として検出され、この準備エリア内に送られるプロテクターは、従って、その準備エリアに送られるパイプを識別して、こうして、油井内に下降させる。
【0092】
ユーザは、こうして、油井内に下降される様々なパイプのリストを発生順に準備することができる。ユーザは、様々なタイプの情報、例えば様々なパイプの長さを適合することにより油井内のパイプの位置を特定することや、油井内に降下されたパイプの全長を知ること、にアクセスすることができる。
【0093】
以下の表1には、ユーザによって直接利用可能な表を得るようにするための、このような実装例が示される。
図示の例では、ユーザは、こうして油井内に挿入され及びこれから挿入されるのを待っている様々なパイプを確認することができ、それらパイプの挿入の順序、それらパイプの個々の及び累積長さ、それらパイプが配置される深さに関する利用可能な情報を有している。
【0094】
このような表は、有利には、リアルタイムで更新され、様々な通信手段の各々によって、下降させる前の準備エリア内のモジュールを検出する。ユーザは、次に、それらパイプの各々が、実際に油井内に下降されるときに、例えば様々なパイプを検証することができる。このような表は、インターネット等の通信手段を介して有利に共有されており、認証された人が有利にリアルタイムで油井の進行状況を問い合わせできるようにする。
【0096】
情報は、こうして典型的には、以下のデータ:パイプ番号、ねじ山の種類、パイプ径、パイプ長さ、油井内に下降されるパイプの長さの合計を再生表示する。
このタイプのアプリケーションについて、データベースへの問い合わせや接続を含むことなく、モジュールに含まれる情報のみを読み取ることが有利であり、それによって、システムは、ネットワーク切断によって影響を受けることがなく、これは、抜取用パイプが用いられる現場を考慮する際に特に有利となる。
【0097】
本発明は、従来の装置及び方法に比較して多くの利点を呈する。
最初の段階では、本発明は、抜取用パイプの監視及び追跡を達成するように提案されており、本発明は、抜取用パイプに関する特性及び情報に迅速且つ容易にアクセスすることを可能にする。本発明は、油井内に下降させる前にそのモジュールの取り外しを可能にしながら、パイプとこのパイプに関する情報を含むモジュールとの「偶発的な」分離から守ることも可能とする。
【0098】
ユーザは、こうして、モジュール内に含まれる情報を発端とするこの情報にアクセスすることができる。従って、もはや現場で測定操作を実行する必要がなくなり、問題となっている抜取用パイプに関する幾何学的情報は、モジュール内に含まれている情報によって迅速に検索できる。
パイプとプロテクターとで行われる操作の数は、従って大幅に削減される。
【0099】
在庫及び注文監視が簡素化され、リアルタイムで更新することができる。カウント操作も簡素化される。
また、複雑な、又はパイプの利用に関連した出来事が発生した場合には、本発明は、問題となっているパイプの様々な品質チェックのトレーサビリティを可能にする。
【0100】
例えば油井の掘削中に、ある出来事が所定の深さで検出される場合に、油井内に順次下降された様々なパイプの有効長に関する情報は、パイプがその出来事の深さに位置しているかを決定することを可能にする。ユーザは、次に、パイプに関する様々な情報;例えば、「ドリフト」等のパイプについて行われた様々なテストの報告にアクセスすることができる。