特許第5951806号(P5951806)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5951806超音波接合装置および超音波接合装置のアンビル交換方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5951806
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】超音波接合装置および超音波接合装置のアンビル交換方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/10 20060101AFI20160630BHJP
   B23K 31/00 20060101ALI20160630BHJP
【FI】
   B23K20/10
   B23K31/00 M
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-557367(P2014-557367)
(86)(22)【出願日】2013年12月17日
(86)【国際出願番号】JP2013083770
(87)【国際公開番号】WO2014112272
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2015年5月27日
(31)【優先権主張番号】特願2013-4661(P2013-4661)
(32)【優先日】2013年1月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】オートモーティブエナジーサプライ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊治
(72)【発明者】
【氏名】松岡 孝
(72)【発明者】
【氏名】萩原 公明
【審査官】 水野 治彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−279657(JP,A)
【文献】 特開2002−100653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/10
B23K 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被接合部材が配置されるアンビルと、
前記アンビルの振動を非接触で検出する変位センサーと、
前記変位センサーが取り付けられる一端と、前記一端の逆側に位置する他端と、前記一端と前記他端とを連結するアーム部と、を有する支持ブラケットと、
前記他端が取り付けられ、前記支持ブラケットを水平方向に旋回可能に支持する支持ベースと、を有し、
前記支持ブラケットの前記一端、前記アーム部および前記他端は、一体化されており、
前記支持ブラケットが水平方向に旋回することにより、前記変位センサーは、前記アンビルの振動を検出するための初期位置と、前記アンビルの交換の際に前記アンビルと干渉しない退避位置と、の間を移動可能であり、
前記支持ベースは、装置本体に旋回自在に固定されて前記支持ブラケットの旋回中心となる基部と、前記装置本体に固定自在である先端部と、前記基部と前記先端部とを連結している中間部を有し、
前記中間部は、前記支持ブラケットの前記他端が取り付けられており、
前記支持ブラケットの前記アーム部は、前記中間部と略直交する方向に延長しており、
前記先端部は、前記初期位置において前記装置本体に固定されており、前記基部を旋回中心とする前記初期位置から前記退避位置への移動の際に前記固定が解消される、超音波接合装置。
【請求項2】
前記アンビルは、略角柱状であり、前記被接合部材が載置される端面を有し、
前記変位センサーは、前記初期位置において、前記アンビルの前記端面を取り囲んでいる側面に対向している請求項1に記載の超音波接合装置。
【請求項3】
前記一端は、前記アンビルの前記側面に相対するように、前記アーム部から屈曲して立ち上がっている請求項に記載の超音波接合装置。
【請求項4】
前記他端は、前記アーム部から下方に屈曲して延長しており、前記支持ベースの前記中間部に対して突き当たるようにして、取り付けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波接合装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の超音波接合装置において、前記装置本体に対する前記支持ベースの前記先端部の固定を解消し、前記支持ブラケットの前記基部を旋回中心として、前記支持ブラケットを前記初期位置から前記退避位置まで水平方向に旋回させてから、前記アンビルの交換を行う超音波接合装置のアンビル交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波接合装置および超音波接合装置のアンビル交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波接合装置においては、重ね合わされた金属板を、アンビルの端面上に載置し、振動するホーンを押付けることによって、接合(固相接合)しており、接合の良否は、アンビルの振動を検出することに基づいて判定している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−115986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、アンビルの振動を非接触で検出する変位センサーをアンビルの近傍に配置し、検出精度を向上させる場合、使用によって摩耗したアンビルを交換する際に、アンビルと変位センサーとが干渉して、交換作業が困難となる問題を有する。一方、変位センサーを取り外した後でアンビルを交換する場合、変位センサーとアンビルとの干渉は、防止されるが、アンビルの交換完了後、変位センサーを再び取り付ける際、変位センサーとアンビルとの間の距離を一定に保つように設置することは困難であり、手間のかかる作業となっている。
【0005】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、アンビルの近傍に配置される変位センサーを有していても、アンビルの交換作業が容易である超音波接合装置および超音波接合装置のアンビル交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の一様相は、被接合部材が配置されるアンビルと、前記アンビルの振動を非接触で検出する変位センサーと、前記変位センサーが取り付けられる一端と、前記一端の逆側に位置する他端と、前記一端と前記他端とを連結するアーム部と、を有する支持ブラケットと、前記他端が取り付けられ、前記支持ブラケットを水平方向に旋回可能に支持する支持ベースと、を有する超音波接合装置である。また、前記支持ブラケットの前記一端、前記アーム部および前記他端は、一体化されている。そして、前記支持ブラケットが水平方向に旋回することにより、前記変位センサーは、前記アンビルの振動を検出するための初期位置と、前記アンビルの交換の際に前記アンビルと干渉しない退避位置と、の間を移動可能である。さらに、前記支持ベースは、装置本体に旋回自在に固定されて前記支持ブラケットの旋回中心となる基部と、前記装置本体に固定自在である先端部と、前記基部と前記先端部とを連結している中間部を有する。前記中間部は、前記支持ブラケットの前記他端が取り付けられている。前記支持ブラケットの前記アーム部は、前記中間部と略直交する方向に延長している。前記先端部は、前記初期位置において前記装置本体に固定されており、前記基部を旋回中心とする前記初期位置から前記退避位置への移動の際に前記固定が解消される。
【0007】
上記目的を達成するための本発明の別の様相は、前記超音波接合装置において、前記装置本体に対する前記支持ベースの前記先端部の固定を解消し、前記支持ブラケットの前記基部を旋回中心として、前記支持ブラケットを前記初期位置から前記退避位置まで水平方向に旋回させてから、前記アンビルの交換を行う超音波接合装置のアンビル交換方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る超音波接合装置および超音波接合装置のアンビル交換方法によれば、支持ブラケットは、一端、アーム部および他端が一体化されているため、軽量化および寸法精度の確保が容易である。また、アンビルを交換する直前、装置本体に対する支持ベースの先端部の固定を解消し、支持ブラケットの基部を旋回中心として、支持ブラケットを初期位置から水平方向に旋回させることで、変位センサーは、アンビルの交換の際にアンビルと干渉しない退避位置に移動するため、アンビルを交換中における変位センサーとアンビルとの干渉が、簡単に防止される。さらに、アンビルの交換完了後、支持ブラケットを逆向きに水平方向に旋回(復動)させることにより、変位センサーは、初期位置に復帰するため、変位センサーとアンビルとの間の距離を一定に保つことが容易である。したがって、アンビルの交換作業が容易となる。つまり、アンビルの近傍に配置される変位センサーを有していても、アンビルの交換作業が容易である超音波接合装置および超音波接合装置のアンビル交換方法を提供することが可能である。
【0009】
本発明のさらに他の目的、特徴および特質は、以後の説明および添付図面に例示される好ましい実施の形態を参照することによって、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係る超音波接合装置を説明するための概略図である。
図2図1に示されるアンビルの側面図である。
図3図2の線III−IIIに関する断面図である。
図4】超音波接合時における挙動を説明するための概念図である。
図5】アンビルの摩耗を説明するための断面図である。
図6図1に示されるマウント部を説明するための斜視図である。
図7図1に示されるマウント部を説明するための平面図である。
図8図6および図7に示される支持ブラケットを説明するための平面図である。
図9図6および図7に示される支持ブラケットを説明するための側面図である。
図10図6および図7に示される上部プレートを説明するための平面図である。
図11】支持ブラケットの旋回を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る超音波接合装置を説明するための概略図、図2は、図1に示されるアンビルの側面図、図3は、図2の線III−IIIに関する断面図、図4は、超音波接合時における挙動を説明するための概念図、図5は、アンビルの摩耗を説明するための断面図である。
【0013】
本実施の形態に係る超音波接合装置10は、図1に示されるように、超音波接合部20および接合良否判定部50を有する。超音波接合部20は、台座部であるベースプレート15に配置された装置本体であり、被接合部材である板材W、Wを超音波接合するために使用され、アンビル30およびホーン40を有する。
【0014】
アンビル30は、図2および図3に示されるように、略角柱状であり、板材W、Wが載置される端面33と端面33を取り囲んでいる側面31とを有し、また、先端部32、移行部34および基端部36から構成される。端面33は、先端部32に配置され、角錐形状を有する複数の突起が碁盤目状に形成されている。基端部36は、先端部32の断面形状より大きな断面形状を有する拡径部である。移行部34は、先端部32と基端部36とを連結している。
【0015】
先端部32の断面形状を小さくしたのは、先端部32の剛性(強度)を低下させ、アンビル30が振動する際の先端部32の振幅を大きくすることで、アンビルの振動の検出を容易とするためである。基端部36の断面形状を、先端部32の断面形状より大きくしたのは、検出感度に対する基端部36の振幅(振動)の影響が小さいため、アンビル30全体としての剛性および耐久性を確保するためである。
【0016】
ホーン40は、アンビル30に載置される板材W、Wを加圧しかつ振動を付与する端面43を有し、振幅および加圧力が一定に維持されように、制御される。端面43は、角錐形状を有する複数の突起が碁盤目状に形成されている。
【0017】
ホーン40(端面43)の振動は、図4に示されるように、超音波接合の開始直後において、上方の板材Wにのみ伝達されるため、ホーン40と板材Wとの摺動による摩擦熱、および、板材Wと板材Wとの摺動による摩擦熱が発生する。そして、摩擦熱により、板材Wと板材Wとが接合し始めると、ホーン40の振動がアンビル30に伝達されることになり、アンビル30も振動することとなる。その後、板材Wと板材Wとの接合が完了することにより、板材Wと板材Wとは摺動しなくなる。
【0018】
アンビル30の端面33は、超音波接合の繰り返しよって、図5に示されるように、摩耗し、アンビル30の先端部32の長さが短く(高さが低く)なってくるため、アンビル30は、定期的に交換される。
【0019】
接合良否判定部50は、板材W、Wの接合状態の良否を判定するために使用され、変位センサー52が取り付けられたマウント部60および解析装置54を有する。
【0020】
変位センサー52は、アンビル30の振動を非接触で検出する非接触式変位センサーからなり、アンビル30の振動データを解析装置54に送信する。非接触式変位センサーは、例えば、渦電流変位センサーやレーザードップラー変位計であり、接触式振動センサーと異なり、センサーの自重が振動状態に影響を与えることがないため、アンビル30の振動を高精度で検出することが可能である。なお、渦電流変位センサーは、高分解能かつ高精度であり、応答速度が速く、また、センサヘッドが小さく、ほこり、水、油など耐環境性に優れている点で、好ましい。
【0021】
解析装置54は、例えば、良否判定プログラムがインストールされたコンピュータからなる。良否判定プログラムは、超音波接合の際におけるアンビル30に伝達されるエネルギーを算出し、算出されたエネルギーが所定の値に達している場合、接合状態が良好であると判定するものである。エネルギーは、アンビル30の振動データから生成される振動波形データを解析して算出される。良否判定プログラムは、上記形態に限定されない。
【0022】
次に、変位センサー52が取り付けられるマウント部60を説明する。
【0023】
図6および図7は、図1に示されるマウント部を説明するための斜視図および平面図、図8および図9は、図6および図7に示される支持ブラケットを説明するための平面図および側面図、図10は、図6および図7に示される上部プレートを説明するための平面図、図11は、支持ブラケットの旋回を説明するための平面図である。
【0024】
マウント部60は、図6および図7に示されるように、下部プレート62、支持ブラケット70および上部プレート80を有する。
【0025】
下部プレート62は、ベースプレート15に固定され、上方に突出するピン64と、挿入孔66(図11参照)とを有する。下部プレート62は、厚さが異なるものが複数用意されており、必要に応じて適宜選択されて、上方に配置される上部プレート80の高さを調整するために使用される。
【0026】
ピン64は、上部プレート80および支持ブラケット70の旋回範囲を規制するストッパーつまり回り止めピンであり、例えば、上部プレート80および支持ブラケット70が回り過ぎて、近傍に配置されている装置や治具と干渉することを防ぐために設けられている。挿入孔66は、後述されるロケートピン95を挿入するために使用される。
【0027】
アンビル30は、取付ブラケット38を介し、ベースプレート15にボルト39によって締結(固定)されている。一方、取付ブラケット38は、ベースプレート15に固定されている下部プレート62に対して一体化されておらず、下部プレート62から分かれており、アンビル30の振動が、下部プレート62を介して支持ブラケット70に直接伝達されないように設定されている。
【0028】
支持ブラケット70は、図8および図9に示されるように、先端部72、アーム部74および基端部76を有し、これらは、一体化されているため、支持ブラケット70の軽量化および寸法精度の確保が容易である。
【0029】
先端部72は、変位センサー52が取り付けられる一端であり、アーム部74から屈曲して立ち上がっており(上方に延長しており)、アンビル30の側面31に対して平行に延長する対向面72Aを有する。対向面72Aには、変位センサー52が配置されている。したがって、変位センサー52を、アンビル30の側面31の近傍に容易かつ高精度に位置決めすることが可能である。変位センサー52は、ナット52Aおよびストッパースクリュー(不図示)によって位置調整可能に構成されており、ナット52Aおよびストッパースクリューを緩めることで、変位センサー52とアンビル30の側面31との間のクリアランスを調整することができる。
【0030】
対向面72Aには、ガイドバー73がさらに配置されている。ガイドバー73は、変位センサー52の近傍に位置し、対向面72Aからアンビル30の側面31に向かって突出している。ガイドバー73の突出量は、変位センサー52の突出量より大きく設定されている。したがって、例えば、アンビル30の振動が予期せぬ程大きい場合であっても、ガイドバー73の存在により、アンビル30と変位センサー52との接触が妨げられるため、変位センサー52の破損が防止される。ガイドバー73は、ナット73Aおよびストッパースクリュー(不図示)によって位置調整可能に構成されており、ナット73Aおよびストッパースクリューを緩めることで、ガイドバー73とアンビル30の側面31との間のクリアランスを調整することができる。
【0031】
アーム部74は、L字状であり、先端部72と基端部76とを連結しており、上部プレート80と略直交する方向に延長する直線部と、直線部から水平方向に略直角に屈曲している直線部と、から構成される。
【0032】
基端部76は、上部プレート80に取り付けられる他端であり、アーム部74から屈曲して降下しており(下方に延長しており)、上部プレート80に対して突き当たる対向面77を有する。つまり、支持ブラケット70の基端部76は、平面受けであり、支持ブラケット70のガタが抑制されるため、変位センサー52の検出精度の低下が防止される。なお、対向面77は、上部プレート80に締結するためのボルト孔78A,78Bを有する。
【0033】
上部プレート80は、支持ブラケット70を水平方向に旋回させるために使用される支持ベースである。支持ブラケット70の旋回は、図11に示されるように、変位センサー52の初期位置Pから退避位置Pへの移動および退避位置Pから初期位置Pへの移動のために実施される。初期位置Pは、変位センサー52がアンビル30の振動を検出するための位置である。退避位置Pは、アンビル30の交換の際に変位センサー52とアンビル30とが干渉しない位置である。
【0034】
したがって、例えば、アンビル30を交換する直前、支持ブラケット70を水平方向に旋回させることで、変位センサー52は、アンビル30の交換の際にアンビル30と干渉しない退避位置Pに移動するため、アンビルの交換中における変位センサー52とアンビル30との干渉が、簡単に防止される。さらに、アンビルの交換完了後、支持ブラケット70を逆向きに水平方向に旋回(復動)させることにより、変位センサー52は、初期位置Pに復帰するため、変位センサー52とアンビル30との間の距離を一定に保つことが容易である。したがって、アンビルの交換作業が容易となる。
【0035】
なお、変位センサー52を水平方向に旋回させることは、変位センサー52の検出感度に対する影響が、垂直方向の位置ずれに比較し、水平方向の位置ずれの場合は小さい点で好ましい。
【0036】
上部プレート80は、ボルト86およびボルト93によって、下部プレート62に固定されている。つまり、上部プレート80は、下部プレート62およびベースプレート15を介して、装置本体に固定自在である。したがって、変位センサー52によってアンビル30の振動を検出する際、上部プレート80を固定することにより、上部プレート80のガタが抑制され、上部プレート80のガタが支持ブラケット70に伝達されないため、変位センサー52の検出精度の低下が防止される。
【0037】
具体的には、上部プレート80は、基部82、中間部84および先端部90を有する。基部82は、ヒンジピン83によって下部プレート62に旋回自在に固定されており、ヒンジピン83は、上部プレート80(支持ブラケット70)の旋回中心となる。
【0038】
中間部84は、基部82と先端部90とを連結しており、ボルト孔85(図10参照)と、屈曲して立ち上がっている直立部87とを有する。ボルト孔85は、中間部84をボルト86によって下部プレート62に固定するために利用される。直立部87は、ボルト孔88A,88B(図8および図9参照)を有し、支持ブラケット70の基端部76の対向面77が突き当てられる。ボルト孔88A,88Bとボルト孔78A,78Bとは位置合わせされており、ボルト89A,89Bが挿通されて、上部プレート80の中間部84と支持ブラケット70の基端部76とが締結される。
【0039】
先端部90は、図10に示されるように、ボルト孔92および貫通孔94を有する。ボルト孔92は、ボルト93によって先端部90を下部プレート62に固定するために利用される。貫通孔94は、ロケートピン95を挿入するために利用され、下部プレート62の挿入孔66(図11参照)と位置合わせされている。したがって、ロケートピン95は、先端部90の貫通孔94を通過し、下方に位置する下部プレート62の挿入孔66と嵌合することで、先端部90(上部プレート80)を下部プレート62に対して位置決めすることが可能である。
【0040】
次に、アンビル30の交換手順を詳述する。
【0041】
アンビル30を交換する際は、まず、ボルト86およびボルト93が外され、上部プレート80の中間部84および先端部90と、下部プレート62との締結が解消される。そして、ロケートピン95と下部プレート62の挿入孔66との嵌合が解除され、ロケートピン95が先端部90の貫通孔94から取り外されることにより、上部プレート80が旋回可能となる(図10参照)。
【0042】
その後、上部プレート80の基部82に位置するヒンジピン83を中心として、上部プレート80が水平方向に旋回させられる。これにより、上部プレート80によって支持されている支持ブラケット70は、水平方向に旋回し、アンビル30から離間する。その結果、支持ブラケット70の先端部72に取り付けられている変位センサー52は、初期位置Pから退避位置Pに移動する(図11参照)。
【0043】
そして、ボルト39が外され、アンビル30の取付ブラケット38とベースプレート15との締結が解消され、使用により摩耗したアンビル30が、新品のアンビル30と交換される。この際、変位センサー52は、退避位置Pに移動しており、アンビル30の近傍に存在しないため、変位センサー52とアンビル30との干渉が簡単に防止され、アンビル30の交換がスムーズに実施される。
【0044】
アンビルの交換完了後、ボルト39が締結され、アンビル30の取付ブラケット38とベースプレート15とが固定される。そして、上部プレート80の基部82に配置されるヒンジピン83を中心として、上部プレート80が水平方向かつ逆向きに旋回(復動)させられる。
【0045】
これにより、上部プレート80によって支持されている支持ブラケット70は、水平方向に旋回し、アンビル30に向かって近接する。その結果、支持ブラケット70の先端部72に取り付けられている変位センサー52は、退避位置Pから初期位置Pに復帰するため(図10参照)、変位センサー52とアンビル30との間の距離を一定に保つことが容易である。なお、上部プレート80が過剰に旋回(復動)しようとする場合、下部プレート62に配置されるピン64に当接して制止される。そのため、アンビル30の近傍に配置されている装置や治具との予期せぬ干渉が防止される。
【0046】
その後、ロケートピン95が、上部プレート80の先端部90の貫通孔94に挿入され、下方に位置する下部プレート62の挿入孔66に嵌合することで、上部プレート80(先端部90)が下部プレート62に対して位置決めされる。
【0047】
そして、ボルト86およびボルト93が締結され、上部プレート80の中間部84および先端部90と、下部プレート62とが固定される(図6および図7参照)。また、変位センサー52およびガイドバー73と、アンビル30との間のクリアランスが確認され、必要に応じて、ナット52A,73Aおよびストッパースクリューが緩められて、クリアランスが調整される。
【0048】
以上のように、本実施の形態においては、支持ブラケットは、先端部(一端)、アーム部および基端部(他端)が一体化されているため、軽量化および寸法精度の確保が容易である。また、アンビルを交換する直前、支持ブラケットを水平方向に旋回させることで、変位センサーは、アンビルの交換の際にアンビルと干渉しない退避位置に移動するため、アンビルの交換中における変位センサーとアンビルとの干渉が、簡単に防止される。さらに、アンビルの交換完了後、支持ブラケットを逆向きに水平方向に旋回(復動)させることにより、変位センサーは、初期位置に復帰するため、変位センサーとアンビルとの間の距離を一定に保つことが容易である。したがって、アンビル交換作業が容易となる。
【0049】
支持ブラケットの先端部(一端)は、アンビルの側面に相対するように、アーム部から屈曲して立ち上がっているため、変位センサーをアンビルの近傍に容易かつ高精度に位置決めすることが可能である。
【0050】
支持ブラケットの基端部(他端)は、アーム部から下方に屈曲して延長し、上部プレート(支持ベース)に対して突き当たるようにして、取り付けられており、支持ブラケットのガタが抑制されるため、変位センサーの検出精度の低下が防止される。
【0051】
上部プレート(支持ベース)は、変位センサーによってアンビルの振動を検出する際、下部プレートおよびベースプレートを介して装置本体に固定されているため、上部プレート(支持ベース)のガタが抑制され、上部プレート(支持ベース)のガタが支持ブラケットに伝達されないため、変位センサーの検出精度の低下が防止される。
【0052】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。例えば、上部プレート(支持ベース)の高さを調整するために使用される下部プレートは、必要に応じて省略することも可能である。
【0053】
本出願は、2013年1月15日に出願された日本特許出願番号2013−004661号に基づいており、それらの開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。
【符号の説明】
【0054】
10 超音波接合装置、
15 ベースプレート、
20 超音波接合部、
30 アンビル、
31 側面、
32 先端部、
33 端面、
34 移行部、
36 基端部、
38 取付ブラケット、
39 ボルト、
40 ホーン、
43 端面、
50 接合良否判定部、
52 変位センサー、
52A ナット、
54 解析装置、
60 マウント部、
62 下部プレート、
64 ピン、
66 挿入孔、
70 支持ブラケット、
72 先端部、
72A 対向面、
73 ガイドバー、
73A ナット、
74 アーム部、
76 基端部、
77 対向面、
78A,78B ボルト孔、
80 上部プレート(支持ベース)、
82 基部、
83 ヒンジピン、
84 中間部、
85 ボルト孔、
86 ボルト、
87 直立部、
88A,88B ボルト孔、
89A,89B ボルト、
90 先端部、
92 ボルト孔、
93 ボルト、
94 貫通孔、
95 ロケートピン、
初期位置、
退避位置、
,W 板材(被接合部材)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11