(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各々が、屈折力を有するとともに、物体側に向いた物体側の面と、像側に向いた像側の面とを有する、第1のレンズ素子と、第2のレンズ素子と、第3のレンズ素子と、第4のレンズ素子と、第5のレンズ素子とを光軸に沿って物体側から像側へ当該順に配置して備える撮像レンズであって、
当該撮像レンズの屈折力は、前記第1乃至第5のレンズ素子のみの屈折力から構成され、
前記第1のレンズ素子は、周縁部近傍に凸部をなす前記像側の面を有し、
前記第2のレンズ素子は、周縁部近傍に凸部をなす前記物体側の面と、前記光軸近傍に凹部をなす前記像側の面とを有し、
前記第3のレンズ素子は、正の屈折力を有するとともに、周縁部近傍に凹部をなす前記像側の面を有し、
前記第4のレンズ素子は、前記光軸近傍に凹部をなす前記物体側の面を有し、
前記第5のレンズ素子は、プラスチック材料で構成されるとともに、前記光軸近傍に凹部をなす前記像側の面と凸部をなす前記物体側の面とを有し、
前記第1乃至第5のレンズ素子の前記光軸に沿った厚さの総和を示すALTと、前記第3のレンズ素子と前記第4のレンズ素子との間の前記光軸に沿った空隙長を示すG34とは、
ALT/G34≦7.7
を満たすとともに、
前記第5のレンズ素子の前記光軸に沿った厚さを示すT5と、前記第4のレンズ素子と前記第5のレンズ素子との間の前記光軸に沿った空隙長を示すG45とは、
T5/G45≦5.0
を満たしていることを特徴とする撮像レンズ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】本発明に係る撮像レンズの第1の好ましい実施形態を示す模式図である。
【
図3】第1の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図4】第1の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図5】(a)〜(d)は、第1の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図6】本発明に係る撮像レンズの第2の好ましい実施形態を示す模式図である。
【
図7】第2の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図8】第2の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図9】(a)〜(d)は、第2の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図10】本発明に係る撮像レンズの第3の好ましい実施形態を示す模式図である。
【
図11】第3の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図12】第3の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図13】(a)〜(d)は、第3の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図14】本発明に係る撮像レンズの第4の好ましい実施形態を示す模式図である。
【
図15】第4の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図16】第4の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図17】(a)〜(d)は、第4の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図18】本発明に係る撮像レンズの第5の好ましい実施形態を示す模式図である。
【
図19】第5の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図20】第5の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図21】(a)〜(d)は、第5の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図22】本発明に係る撮像レンズの第6の好ましい実施形態を示す模式図である。
【
図23】第6の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図24】第6の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図25】(a)〜(d)は、第6の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図26】本発明に係る撮像レンズの第7の好ましい実施形態を示す模式図である。
【
図27】第7の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図28】第7の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図29】(a)〜(d)は、第7の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図30】本発明に係る撮像レンズの第8の好ましい実施形態を示す模式図である。
【
図31】第8の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図32】第8の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図33】(a)〜(d)は、第8の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図34】本発明に係る撮像レンズの第9の好ましい実施形態を示す模式図である。
【
図35】第9の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
【
図36】第9の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
【
図37】(a)〜(d)は、第9の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
【
図38】第1〜第9の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかのレンズパラメータ間の関係の値を示す表である。
【
図39】第1〜第9の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかのレンズパラメータ間の関係の値を示す表である。
【
図40】本発明の撮像レンズの第1の適用例を示す部分断面模式図である。
【
図41】本発明の撮像レンズの第2の適用例を示す部分断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明についてより詳細に説明するに当たり、留意されるべきことは、類似の要素は、本開示全体を通して同一の参照符号で示しているということである。
【0020】
以下の説明において、「レンズ素子が、正(または負)の屈折力を有する」とは、レンズ素子が、その光軸近傍において正(または負)の屈折力を有することを意味する。
「物体側の面(または像側の面)が、特定の領域に凸部(または凹部)を有する」とは、その特定の領域に隣接する径方向外側の領域と比較して、その特定の領域が、光軸と平行な方向に、より多く隆起している(または、窪んでいる)ことを意味する。一例として
図1を参照すると、レンズ素子は、その光軸(I)に関して径方向に対称である。レンズ素子の物体側の面は、領域Aに凸部を有し、領域Bに凹部を有し、領域Cに凸部を有する。なぜなら、領域Aは、その径方向外側の領域(すなわち、領域B)と比較して、光軸(I)に平行な方向に、より隆起しており、領域Bは領域Cと比較して、より窪んでおり、領域Cは領域Eと比較して、より隆起しているからである。
「周縁部近傍に」とは、専ら撮像光を通過させるためのレンズ素子の曲面における周縁に沿った領域を指し、それは
図1における領域Cである。撮像光は、主光線Lcと周辺光線Lmとを含む。
「光軸近傍に」とは、専ら撮像光を通過させるための曲面における光軸周辺の領域を指し、それは
図1における領域Aである。また、レンズ素子は、さらに、光学撮像レンズ装置内への取り付け用の拡張部Eを有する。理想的には、撮像光は拡張部Eを通過しない。拡張部Eの構造および形状は、本明細書に記載のものに限定されない。以下の実施形態では、分かりやすくするため、拡張部Eは図示していない。
【0021】
図2を参照する。本発明に係る撮像レンズ10の第1の好ましい実施形態は、光軸(I)に沿って物体側から像側へ順に配置される、開口絞り2と、第1のレンズ素子3と、第2レンズ素子4と、第3のレンズ素子5と、第4のレンズ素子6と、第5のレンズ素子7と、光学フィルタ8と、を備える。光学フィルタ8は、赤外光を選択的に吸収するための赤外線カットフィルタであり、これによって、像面100に形成される像の欠陥を軽減する。
【0022】
第1、第2、第3、第4、第5のレンズ素子3〜7、および光学フィルタ8のそれぞれは、物体側に向いた物体側の面31、41、51、61、71、81と、像側に向いた像側の面32、42、52、62、72、82と、を有する。撮像レンズ10に入射する光は、順に、開口絞り2、第1のレンズ素子3の物体側の面31と像側の面32、第2のレンズ素子4の物体側の面41と像側の面42、第3のレンズ素子5の物体側の面51と像側の面52、第4のレンズ素子6の物体側の面61と像側の面62、第5のレンズ素子7の物体側の面71と像側の面72、光学フィルタ8の物体側の面81と像側の面82を通って進み、像面100に像を形成する。物体側の面31、41、51、61、71および像側の面32、42、52、62、72のそれぞれは、非球面であり、光軸(I)と一致する中心点を有する。
【0023】
レンズ素子3〜7のそれぞれは、本実施形態では、プラスチック材料で構成されており、屈折力を有する。しかしながら、他の実施形態では、レンズ素子3〜6のうち少なくとも1つを他の材料で構成できる。
【0024】
図2に示す第1の好ましい実施形態では、第1のレンズ素子3は、正の屈折力を有する。第1のレンズ素子3の物体側の面31は、光軸(I)近傍に凸部311を有するとともに、該第1のレンズ素子3の周縁部近傍に凸部312を有する凸面である。第1のレンズ素子3の像側の面32は、光軸(I)近傍に凸部321を有するとともに、該第1のレンズ素子3の周縁部近傍に凸部322を有する凸面である。
【0025】
第2のレンズ素子4は、負の屈折力を有する。第2のレンズ素子4の物体側の面41は、光軸(I)近傍に凸部411を有するとともに、該第2のレンズ素子4の周縁部近傍に凸部412を有する凸面である。第2のレンズ素子4の像側の面42は、光軸(I)近傍に凹部421を有するとともに、該第2のレンズ素子4の周縁部近傍に凹部422を有する凹面である。
【0026】
第3のレンズ素子5は、正の屈折力を有する。第3のレンズ素子5の物体側の面51は、光軸(I)近傍に凸部511を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凸部512を有し、さらに凸部511と凸部512との間に配された凹部513を有する。第3のレンズ素子5の像側の面52は、光軸(I)近傍に凹部521を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凹部522を有し、さらに凹部521と凹部522との間に配された凸部523を有する。
【0027】
第4のレンズ素子6は、正の屈折力を有する。第4のレンズ素子6の物体側の面61は、光軸(I)近傍に凹部611を有するとともに、該第4のレンズ素子6の周縁部近傍に凹部612を有する凹面である。第4のレンズ素子6の像側の面62は、光軸(I)近傍に凸部621を有するとともに、該第4のレンズ素子6の周縁部近傍に凸部622を有する凸面である。
【0028】
第5のレンズ素子7は、負の屈折力を有する。第5のレンズ素子7の物体側の面71は、光軸(I)近傍に凸部711を有するとともに、該第5のレンズ素子7の周縁部近傍に凹部712を有する。第5のレンズ素子7の像側の面72は、光軸(I)近傍に凹部721を有するとともに、該第5のレンズ素子7の周縁部近傍に凸部722を有する。
【0029】
第1の好ましい実施形態では、撮像レンズ10は、上記のレンズ素子3〜7の他には、屈折力を有するレンズ素子を備えていない。
【0030】
第1の好ましい実施形態の面31〜81、32〜82に対応するいくつかの光学パラメータの値を示す表を、
図3に示している。撮像レンズ10は、全系の有効焦点距離(EFL)が3.633mm、半視野(HFOV)が39.55°、Fナンバーが1.8、系の長さ(TTL)が4.671mmである。系の長さとは、第1のレンズ素子3の物体側の面31と像面100との間の光軸(I)における距離を指す。
【0031】
本実施形態では、物体側の面31〜71および像側の面32〜72のそれぞれは非球面であって、次の関係を満たしている。
ここで、
Rは、非球面の曲率半径を表す。
Zは、光軸(I)から距離Yにある非球面上の任意の点と、非球面の光軸(I)上の頂点における接平面と、の間の垂直距離として定義される非球面の深さを表す。
Yは、非球面上の任意の点と光軸(I)との間の垂直距離を表す。
Kは、円錐定数を表す。
a
2iは、2i次の非球面係数を表す。
【0032】
第1の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図4に示している。
【0033】
第1の好ましい実施形態に対応するレンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図38および39の第1の好ましい実施形態に対応する列に示している。
同図において、
T1は、光軸(I)における第1のレンズ素子3の厚さを表す。
T2は、光軸(I)における第2のレンズ素子4の厚さを表す。
T3は、光軸(I)における第3のレンズ素子5の厚さを表す。
T4は、光軸(I)における第4のレンズ素子6の厚さを表す。
T5は、光軸(I)における第5のレンズ素子7の厚さを表す。
G12は、第1のレンズ素子3と第2のレンズ素子4との間の光軸(I)における空隙長を表す。
G23は、第2のレンズ素子4と第3のレンズ素子5との間の光軸(I)における空隙長を表す。
G34は、第3のレンズ素子5と第4のレンズ素子6との間の光軸(I)における空隙長を表す。
G45は、第4のレンズ素子6と第5のレンズ素子7との間の光軸(I)における空隙長を表す。
Gaaは、第1のレンズ素子3、第2のレンズ素子4、第3のレンズ素子5、第4のレンズ素子6、第5のレンズ素子7の間の光軸(I)における4つの空隙長の和、すなわち、G12、G23、G34、G45の和を表す。
ALTは、光軸(I)におけるレンズ素子3〜7の厚さの和、すなわち、T1、T2、T3、T4、T5の和を表す。
BFLは、第5のレンズ素子7の像側の面72と像側の像面100との間の光軸(I)における距離を表す。
【0034】
図5(a)〜5(d)は、第1の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。このシミュレーション結果の各々では、470nm、555nm、650nmの波長にそれぞれ対応する曲線を示している。
【0035】
図5(a)から分かるように、縦球面収差に対応する曲線の各々では、(縦軸で示す)各視野での焦点距離が±0.04mmの範囲内にあるので、第1の好ましい実施形態では、各波長で比較的低い球面収差を実現可能である。また、各視野で曲線が相互に近接しているので、第1の好ましい実施形態では、色収差が比較的低い。
【0036】
図5(b)および5(c)から分かるように、これらの曲線の各々は、±0.3mmの焦点距離の範囲内にあるので、第1の好ましい実施形態では、光学収差が比較的低い。
【0037】
さらに、
図5(d)に示すように、歪曲収差に対応する曲線の各々は、±1.5%の範囲内にあるので、第1の好ましい実施形態は、多くの光学系の撮像品質要求を満たすことが可能である。
【0038】
上記のことから、第1の好ましい実施形態の撮像レンズ10は、系の長さを4.671mm未満にまで縮小したとしても、依然として比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0039】
図6を参照する。本発明の撮像レンズ10の第1と第2の好ましい実施形態の違いは、第2の好ましい実施形態では、第3のレンズ素子5の像側の面52が、光軸(I)近傍に凸部524を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凹部525を有することにある。
図6では、分かりやすくするため、第1の好ましい実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0040】
第2の好ましい実施形態の面31〜81、32〜82に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図7に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が3.708mm、HFOVが38.980°、Fナンバーが1.8、系の長さが4.773mmである。
【0041】
第2の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図8に示している。
【0042】
第2の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図38および39の第2の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0043】
図9(a)〜9(d)は、第2の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図9(a)〜9(d)から分かるように、第2の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0044】
図10を参照する。本発明の撮像レンズ10の第1と第3の好ましい実施形態の違いは、第3の好ましい実施形態では、第3のレンズ素子5の物体側の面51が、光軸(I)近傍に凸部511を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凸部512を有する凸面であることにある。
図10では、分かりやすくするため、第1の好ましい実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0045】
第3の好ましい実施形態の面31〜81、32〜82に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図11に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が3.552mm、HFOVが40.72°、Fナンバーが1.8、系の長さが4.549mmである。
【0046】
第3の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図12に示している。
【0047】
第3の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図38および39の第3の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0048】
図13(a)〜13(d)は、第3の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図13(a)〜13(d)から分かるように、第3の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0049】
図14を参照する。本発明の撮像レンズ10の第4の好ましい実施形態は、第3の好ましい実施形態のものと同様の構成を有し、すなわち、第3のレンズ素子5の物体側の面51は、光軸(I)近傍に凸部511を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凸部512を有する凸面である。また、面31〜81、32〜82に対応する光学データ、レンズ素子3〜7のレンズパラメータ、および非球面係数の一部が、第3の好ましい実施形態のものとは異なる。
図14では、分かりやすくするため、第1の好ましい実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0050】
第4の好ましい実施形態の面31〜81、32〜82に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図15に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が3.660mm、HFOVが39.340°、Fナンバーが1.8、系の長さが4.683mmである。
【0051】
第4の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図16に示している。
【0052】
第4の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図38および39の第4の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0053】
図17(a)〜17(d)は、第4の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図17(a)〜17(d)から分かるように、第4の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0054】
図18は、本発明に係る撮像レンズ10の第5の好ましい実施形態を示しており、これは第1の好ましい実施形態のものと同様の構成を有するものである。本発明の撮像レンズ10の第1と第5の好ましい実施形態の違いは、レンズ素子3〜7の光学データ、非球面係数、レンズパラメータの一部にある。
図18では、分かりやすくするため、第1の好ましい実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0055】
第5の好ましい実施形態の面31〜81、32〜82に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図19に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が3.618mm、HFOVが39.670°、Fナンバーが1.8、系の長さが4.687mmである。
【0056】
第5の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図20に示している。
【0057】
第5の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図38および39の第5の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0058】
図21(a)〜21(d)は、第5の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図21(a)〜21(d)から分かるように、第5の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0059】
図22は、本発明に係る撮像レンズ10の第6の好ましい実施形態を示しており、これは第3の好ましい実施形態のものと同様の構成を有するものである。本発明の撮像レンズ10の第3と第6の好ましい実施形態の違いは、レンズ素子3〜7の光学データ、非球面係数、レンズパラメータの一部にある。
図22では、分かりやすくするため、第1の好ましい実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0060】
第6の好ましい実施形態の面31〜81、32〜82に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図23に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が3.546mm、HFOVが40.230°、Fナンバーが1.8、系の長さが4.452mmである。
【0061】
第6の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図24に示している。
【0062】
第6の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図38および39の第6の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0063】
図25(a)〜25(d)は、第6の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図25(a)〜25(d)から分かるように、第6の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0064】
図26は、本発明に係る撮像レンズ10の第7の好ましい実施形態を示しており、これは第3の好ましい実施形態のものと同様の構成を有するものである。本発明の撮像レンズ10の第3と第7の好ましい実施形態の違いは、レンズ素子3〜7の光学データ、非球面係数、レンズパラメータの一部にある。
図26では、分かりやすくするため、第1の好ましい実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0065】
第7の好ましい実施形態の面31〜81、32〜82に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図27に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が3.552mm、HFOVが40.190°、Fナンバーが1.8、系の長さが4.438mmである。
【0066】
第7の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図28に示している。
【0067】
第7の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図38および39の第7の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0068】
図29(a)〜29(d)は、第7の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図29(a)〜29(d)から分かるように、第7の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0069】
図30は、本発明に係る撮像レンズ10の第8の好ましい実施形態を示しており、これは第3の好ましい実施形態のものと同様の構成を有するものである。本発明の撮像レンズ10の第3と第8の好ましい実施形態の違いは、レンズ素子3〜7の光学データ、非球面係数、レンズパラメータの一部にある。
図30では、分かりやすくするため、第1の好ましい実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0070】
第8の好ましい実施形態の面31〜81、32〜82に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図31に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が3.408mm、HFOVが41.360°、Fナンバーが1.8、系の長さが4.506mmである。
【0071】
第8の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図32に示している。
【0072】
第8の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図38および39の第8の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0073】
図33(a)〜33(d)は、第8の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図33(a)〜33(d)から分かるように、第8の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0074】
図34を参照する。本発明の撮像レンズ10の第1の好ましい実施形態と第9の好ましい実施形態の違いは、第9の好ましい実施形態では、開口絞り2が、第1のレンズ素子3と第2のレンズ素子4との間に配置されていることにある。第3のレンズ素子5の物体側の面51は、光軸(I)近傍に凸部511を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凸部512を有する凸面である。第3のレンズ素子5の像側の面52は、光軸(I)近傍に凸部524を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凹部522を有する。第5のレンズ素子7の物体側の面71は、光軸(I)近傍に凸部711を有するとともに、該第5のレンズ素子7の周縁部近傍に凸部713を有し、さらに凸部711と凸部713との間に配された凹部714を有する。
図34では、分かりやすくするため、第1の好ましい実施形態のものと同一の凹部および凸部の参照符号は省略している。
【0075】
第9の好ましい実施形態の面31〜81、32〜82に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、
図35に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が3.485mm、HFOVが40.720°、Fナンバーが2.20、系の長さが4.620mmである。
【0076】
第9の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、
図36に示している。
【0077】
第9の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、
図38および39の第9の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0078】
図37(a)〜37(d)は、第9の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。
図37(a)〜37(d)から分かるように、第9の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0079】
比較のために、9通りの好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の上記関係を示す表を、
図38および39に示している。留意すべきことは、
図38および39に示すレンズパラメータおよび関係の値は、小数点第3位に丸めたものであるということである。
【0080】
本発明に係る撮像レンズ10のレンズパラメータの各々が以下の光学的関係を満たしている場合には、系の長さを縮小したとしても、依然として光学性能は比較的良好である。
【0081】
(1)ALT/G34≦7.70かつALT/G45≦16.50:ALTを適切に縮小することは、撮像レンズ10の全系の長さを縮小するために効果的である。一方、組立てを容易にすることを考慮すると、G34およびG45のそれぞれは、ある程度の長さであることが必要となる。撮像レンズ10の全系の長さを縮小するために、ALT/G34およびALT/G45のそれぞれは、比較的小さい値に設計される傾向にある。具体的には、ALT/G45≦16.50である場合には、組立てが容易となるようにG45は比較的大きくなる。4.00≦ALT/G34≦7.70かつ5.00≦ALT/G45≦16.50であることが好ましい。
【0082】
(2)BFL/G45≦10.5,BFL/T4≦3.40,BFL/T1≦2.35,BFL/G34≦3.60,BFL/T3≦3.90,EFL/T4≦9.50,EFL/G45≦18.00:EFLおよびBFLを縮小することは、撮像レンズ10の全系の長さを縮小するために効果的である。一方、組立てを容易にすることを考慮すると、G34およびG45のそれぞれは、ある程度の長さであることが必要となる。T1、T3、T4は、レンズ製造技術による制限を受ける。BFL/G45、BFL/T4、BFL/T1、BFL/G34、BFL/T3、EFL/T4、EFL/G45が比較的小さい値に設計される傾向にある場合には、撮像レンズ10の系の長さを縮小しつつ、依然として撮像レンズ10が良好な撮像品質を有し得るように、EFL、BFL、G45、G34、T1、T3、T4の間で、より良い構成を実現できる。2.00≦BFL/G45≦10.5、1.00≦BFL/T4≦3.40、1.00≦BFL/T1≦2.35、1.50≦BFL/G34≦3.60、1.50≦BFL/T3≦3.90、4.00≦EFL/T4≦9.50、7.00≦EFL/G45≦18.00であることが好ましい。
【0083】
(3)5.60≦EFL/T5≦13.00:EFLを縮小することは、撮像レンズ10の全系の長さを縮小するために効果的である。また、レンズ素子3〜7の中で第5のレンズ素子7の光学有効径は最も大きいので、T5を縮小することは、撮像レンズ10の全系の長さを縮小するために効果的である。この関係を満たしている場合には、より良い構成を実現できる。
【0084】
(4)Gaa/T5≧1.80,T5/G45≦5.00,T5/T1≦1.20:第5のレンズ素子7は、光学有効径が最も大きいので、その製造を容易とするために、比較的厚くなるように設計される。一方、T5を縮小することは、撮像レンズ10の全系の長さを縮小するために効果的である。よって、Gaa/T5が比較的大きい値に設計される傾向にあるとともに、T5/G45およびT5/T1のそれぞれが比較的小さい値に設計される傾向にある場合には、Gaa、G45、T1、T5の間で、より良い構成を実現できる。1.80≦Gaa/T5≦4.30、0.30≦T5/G45≦5.00、0.20≦T5/T1≦1.20であることが好ましい。
【0085】
要約すると、本発明に係る撮像レンズ10の作用および効果は、以下のように説明される。
1.凸部322、凸部412、凹部421、凹部522、凹部611、凹部721によって、像の光学収差を補正でき、これにより、撮像レンズ10の像品質が確保される。さらに凸部512との協働によって、像の光学収差の補正をさらに向上させることができる。第5のレンズ素子7がプラスチック材料で構成されていることによって、撮像レンズ10の重量およびコストを削減でき、また、第5のレンズ素子7を容易に非球面に構成できる。さらに、第1のレンズ素子3の物体側に配置された開口絞り2との協働によって、撮像レンズ10の全系の長さは、より効果的に縮小される。
2.関連する光学データの設計によって、球面収差などの光学収差を低減でき、またはさらに除去さえもできる。また、レンズ素子3〜7の面設計および配置によって、系の長さを縮小した場合でも、依然として光学収差を低減またはさらに除去もでき、その結果、比較的良好な光学性能が得られる。
3.経済的メリットを伴う薄型化された関連製品の開発を促すために、前述の9通りの好ましい実施形態によって、本発明の系の長さを5mm未満にまで縮小できることが分かっている。
【0086】
撮像レンズ10の第1の適用例を
図40に示しており、この例では、撮像レンズ10は、電子機器1(携帯電話機などであるが、これに限定されない)のハウジング11内に配置されて、該電子機器1の撮像モジュール12の一部をなしている。
【0087】
撮像モジュール12は、撮像レンズ10が配置される鏡筒21と、鏡筒21が配置されるホルダユニット120と、像面100(
図2を参照)に配置される撮像センサ130と、を有している。
【0088】
ホルダユニット120は、鏡筒21が配置される第1のホルダ部121と、第1のホルダ部121と撮像センサ130との間に介在させる部分を有する第2のホルダ部122と、を含んでいる。鏡筒21、およびホルダユニット120の第1のホルダ部121は、撮像レンズ10の光軸(I)と一致する軸(II)に沿って延在する。
【0089】
撮像レンズ10の第2の適用例を
図41に示している。第1と第2の適用例の違いは、第2の適用例では、ホルダユニット120が,ボイスコイルモータ(VCM)として構成されていることであり、第1のホルダ部121は、鏡筒21が配置される内側部分123と、内側部分123を取り囲む外側部分124と、内側部分123と外側部分124との間に介在させるコイル125と、コイル125の外側と外側部分124の内側との間に配置される磁性部品126と、を含んでいる。
【0090】
内側部分123と鏡筒21は、その中の撮像レンズ10と共に、撮像レンズ10の光軸(I)と一致する軸(III)に沿って、撮像センサ130に対して動くことができる。撮像レンズ10の光学フィルタ8は、外側部分124に当接するように配置された第2のホルダ部122に配置される。第2の適用例における電子機器1の他の構成要素の構成および配置は、第1の適用例のものと同じであり、従って、簡潔にするため、以下では説明しない。
【0091】
本発明の撮像レンズ10によって、適用例のそれぞれにおける電子機器1は、良好な光学性能および撮像性能を有しつつ、比較的縮小された全厚となるように構成でき、これによって、材料のコストが削減され、また、製品の小型化要求が満たされる。
【0092】
本発明について、最も現実的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関して説明したが、当然のことながら、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、最も広い解釈の趣旨および範囲に含まれる種々の構成を包括し、かかる変形および均等な構成のすべてを網羅するものとする。