【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的は、上記に定義されるブーツによって解決され、それは、第1の締結領域と第1の折畳部の間に、第1の締結領域に隣接して、好ましくは直接そこに配置され底部を有する第1のフランジを備える第1の移行領域をさらに備え、第1の移行領域の第1のフランジの底部によって画定される第1の最小直径D
1と、第1の折畳部によって画定される第2の最大直径D
2との比は、共にブーツの主軸に沿って長手方向の断面で見た場合、略1:1.01から略1:1.25の間であり、好ましくは1:1.18、さらに好ましくは略1:1.02から略1.12の間であり、さらに好ましくは略1:1.03から略1:1.09の間である。本発明のロールブーツの半径方向に対称的な実施形態により、第1の移行領域の第1のフランジの底部はまた、ブーツの内周において少なくとも一部に配置されたリブの頂部面として画定される場合もあることは明白である。このことから、直径D
1は、本発明によるブーツの内部で測定された第1のフランジの底部の間の距離であることが明らかである。第2の最大直径D
2は、第1の折畳部によって画定されるように、ブーツの主軸に対して画定された第1の折畳部の外側の最大値によって画定される。数学的な観念では、第1の折畳部の前記最大値は、前記第1の折畳部の一種の曲がり角であり、ブーツの主軸に対して外側の最大の曲がり角であると定義することができる。2つの直径は共に、組み立てられていない状態においてブーツを考慮して規定される。
【0010】
本発明によると、別の一実施形態では第1の移行領域は、ブーツの円周に関して少なくとも部分的に略30°から89.8°の範囲内の、好ましくは略56°から略86°の範囲内の、さらに好ましくは略60°から略82°の範囲内の、さらに好ましくは略62°から略80°の範囲内の角度αを提供する。
【0011】
本発明の文脈において、用語「略」は、正確な値に限定されない値を指しているが、参照される値からのわずかな誤差も包含されるべきであることを理解すべきである。特に+/−5%、さらに好ましくは+/−2%、さらに好ましくは+/−1%の誤差は、問題の値を基準として用語「略」の範囲内である。上限89.8°は、略89.8°であるとして規定されているのではなく、上限89.8°は、規定される範囲の限度を定義する正確な値であることを意味することに留意されたい。
【0012】
「ロールブーツの円周に対して少なくとも部分的に・・・角度αが提供される」という言い回しの意味は、本発明によるロールブーツが、第1の移行領域の領域においてブーツの外周上に隆起を有する場合があり、それがプランジ継手のローラを取り囲むように作用し得ることが可能であるということである。そのような隆起が、第1の移行領域における当該ブーツの円周を囲むように配置され、前記隆起の間の第1の移行領域の一部分において円錐形状を有することにより第2のフランジを形成する場合、角度αが測定される。
【0013】
前記第1の移行領域の第1のフランジは好ましくは、第1の締結領域の内面に対して実質的に直角で、さらに好ましくは直角で配置される。しかしながら、ブーツが据え付けられるべき継手の外側の部分が実質的に直角に配置されていない継手の前縁部を有する場合、他の角度も可能である。本発明によるブーツの第1のフランジは好ましくは、継手の外側部分の前縁の表面と直接接触し、好ましくは前記内面の少なくとも70%が継手の外側部分の前縁の表面と直接接触する。
【0014】
本発明によるロールブーツは特に、ボールソケットプランジ継手またはトリローブ型の内側形状を有するプランジ継手に関して使用されてよい。よって本発明によるロールブーツは、トリローブ型に具現化された継手筐体に適合させるためにアダプターに加えて使用される場合もある。しかしながら本発明によるロールブーツの内側形状は、トリローブ型プランジ継手の場合、特にトリローブ型の等速継手の場合、いかなるアダプターの利用も避けるために継手筐体のトリローブ型の外側形状に既に適合されていることが好ましい。
【0015】
本発明の文脈において、用語「第1の移行領域」は、第1の締結領域に近接する、好ましくは第1の締結領域に直接隣接する領域として理解されるべきである。それは第1のフランジを始まりとして、好ましくは前記第1の締結領域の内面に対して実質的に直角に配置される。継手筐体について言及すると、前記第1のフランジは、ロールブーツの折畳部領域に向かって誘導される継手筐体の前方の一部を取り囲むものとして記載することができる。
【0016】
本発明の文脈における「実質的に直角で配置される」という言い回しは、前記第1のフランジの外面と前記第1の締結領域の内面、または前記内面を延長する直線との間の角度が90°であることが好ましくはあるが、直角からの誤差もまた包含されるべきであることを意味しており、これは、解決すべき目的を解決することができない本発明の一実施形態につながることはない。特に、+/−5%さらに好ましくは+/−2%の前記直角の誤差は、前記言い回しの意味の範囲内である。
【0017】
第1の移行領域の端部領域は、ブーツの主軸に沿った長手方向の断面で見た場合、主張されるロールブーツの折畳部領域の第1の折畳部の第1の湾曲部に隣接して、好ましくは直接隣接して円錐形状を有するブーツの第2のフランジによって画定されてよい。
【0018】
角度αは、前記第1の締結領域の前記内面に対して実質的に直角で配置されると主張されるブーツの前記第1のフランジの前記外面と、円錐形状を有する前記第2のフランジの外面との間で測定される。前記第1の移行領域から、第1のフランジと第2のフランジの間に配置された円筒形の部分が含まれる場合がある。第1の移行領域の第1のフランジと第2のフランジの間にこのような円筒形の部分が存在する場合、前記角度αは、前記第1のフランジの前記外面の平行線の間で測定され、円錐形状を備える第2のフランジの開始地点を通過する。
【0019】
主張されるブーツの主な利点は、それが、外側または内側の補強リブが全く存在しない場合でも形態安定性を高めることを実現することである。しかしながら本発明の観点において、外側および/または内側補強リブは、第1の折畳部と移行領域の間に、または第1の折畳部の中、またはブーツ内の第1の折畳部と第2の折畳部の間にそれぞれ存在する場合がある。補強リブは、例えばブーツの中とブーツの外に交互に配置される場合がある。外側補強リブのみ、または内側補強リブのみが存在することも可能である。例えば6、8、10または12の外側および/または内側補強リブが存在する可能性がある。
【0020】
前記向上した形態安定性により、継手の内部部品の分解もまた妨げられる。これは、本発明のブーツによって付与される高い保持力に起因するものである。これにより、大きな角度での屈曲または押し込み作用による継手の内部部品の分解のリスクは抑えられる。
【0021】
さらに高い保持力を付与する高い形態安定性に起因して、本発明によるロールブーツは所定の位置にあることにより、プランジ継手内でのシャフトの軸方向のセンタリングを実現することで保持リングすなわちばね手段または当分野で知られた他の手段を省くことができる。その点において、および蛇腹状のブーツと比べて、ブーツ内の空気の体積が減少することで前記軸方向のセンタリングを助けている。本発明によるロールブーツを備えた継手構成に含まれる油の量と、ブーツ内の残りの空気体積との比を利用して、このような継手構成の保持行為を最適にすることができる。
【0022】
本発明の別の好ましい一実施形態では、直径D
1から派生する半径r
Mは、前記ロールブーツが、いかなるアダプターも必要とせずにトリローブ型継手筐体に対して固定させるためにトリローブ型の内側形状を有するならば、主張されるロールブーツの最小半径r
Lと基本的に同一であり、あるいは本発明によるロールブーツが、第1の締結領域においてトリローブ型の内側形状を持たない場合、このようなトリローブ型のアダプターによって提供される最小直径と基本的に同一である。
【0023】
直径D
1とD
2の比が主張される範囲内にあるならば、当該ロールブーツの作製が有利に簡素化される。これは、主張されるブーツの幾何学形状が、特に角度αが略60°から略82°の範囲内にある場合、制限された切り下げを示すためである。さらに保持力に関する最大値は、先に定義されるように直径D
1とD
2の比によって提供される。
【0024】
本発明のさらに好ましい一実施形態によると、第2の折畳部と第2の締結領域の間に、第2の締結領域に向かって直径dが縮小する円錐部分を備える第2の移行領域が含まれる。第2の移行領域の円錐部分を示す直径dは、円錐部分の対向する内面によって画定される。本発明の観念における第2の移行領域の円錐部分は、湾曲部分のない第2の移行領域の一部として画定され、さらに、折畳部領域から始まり第2の締結領域に向かって基本的に一様に縮小する直径を好ましくは有する。本発明の好ましい一実施形態では、第2の移行領域は、前記円錐部分のみを備える。
【0025】
前記第2の移行領域を設けることによって、本発明によるブーツは所定の位置にあることにより、継手構成内でのノッキングなどのマイナスの作用を生じることなくシャフトに対して支えをする。
【0026】
本発明の別の好ましい一実施形態では、ブーツは、第2の移行領域から第2の締結領域への移行部を備え、この移行部は基本的に切れ目がない。本発明の文脈において「基本的に切れ目がない」とは、いずれの段差も段もなく第2の締結領域が第2の移行領域に取り付けられることを意味する。特に、前記移行部は段差や段がない。しかしながら一種のビードあるいはリブまたは材料の堆積が、第2の移行領域と第2の締結領域の間の移行部に形成される場合もある。但しこれらは、例えば湾曲した形状などの滑らかな外側形状を有する。上記の全ては主張されるブーツの内側を指している。よって移行部は、第2の締結領域が第2の移行領域に取り付けられる領域内のブーツの材料の内面に配置される。好ましくは突起、各種の材料の堆積などが移行部に全く存在しないことで、前記移行部には実際に段差や段がない。上記の移行部の定義は、第2の締結領域におけるブーツの材料の厚さが、第2の移行領域におけるブーツの材料の厚さより大きくなる可能性を除外していない。
【0027】
本発明の別の好ましい一実施形態では、ブーツの材料の厚さは、第1の移行領域から第2の移行領域へと変動する。よって第1の移行領域および/または第2の移行領域自体内でのブーツの材料の厚さもまた変動する可能性がある。好ましくは厚さは、略0.5mmから略3mmの範囲内で、さらに好ましくは略0.8mmから略2mmの範囲内で変動する。
【0028】
本発明の別の好ましい一実施形態では、ブーツの材料の厚さは、第1の締結領域において減少する。さらに好ましくは、ブーツの材料の厚さは前記第2の折畳部において変動する。最も好ましくはブーツの材料の厚さの最小値は、前記第2の折畳部内にある。
【0029】
ブーツの材料の厚さの変動は、好ましくは先に定義した範囲内で、保持力の微細な調節を可能にし、これにより主張されるブーツの形態安定性の微細な調整を可能にする。本発明によるブーツは使用する際、2つの異なる作動範囲を提供し、これは力/経路の図表において測定され視覚化することができる。好ましくは作動の第1の範囲Aが存在しており、これは使用中、力、特に軸方向の力が、わずかに増大するのみであるのに対して、前記作動の第1の範囲に直接隣接して作動の第2の範囲Bが存在しており、そこでは力、特に軸方向の力が劇的に増大し、特に際限がなくなる。前記作動の第2の範囲Bに起因して、本発明によるブーツは、継手内での、特にプランジ継手内でのシャフトの軸方向のセンタリング能力を有する。ブーツの材料の厚さの変動は、特に先に挙げた領域において、主張されるブーツの前記力/経路の微細な調整能力をも可能にし、すなわち作動の第1および第2の範囲の微細な調整能力をも可能にする。
【0030】
本発明の別の好ましい一実施形態では、ブーツがプランジ継手に据え付けられた場合、最大限に押し込んだ状態で前記第2の折畳部の半径r
2は際限がなくなるため、前記ブーツの徐々に増大する軸方向の力もまた際限がなくなる。あるいは、ブーツがこれにより、ブーツが固定され得る継手の分解を阻止すると言うこともできる。上記に述べたことは、伸張した状態の本発明によるブーツを指しており、この場合シャフトは、プランジ継手筐体から可能な限り遠くに引き出されている。このようなブーツはまた、作動の第1の領域Aと第2の領域Bをそれぞれ示している。プランジ継手の分解は、本発明によるブーツに作用する最大の軸方向の力、ひいては、このようなブーツが据え付けられる継手に作用する最大の軸方向の力によって有利に妨げられる。
【0031】
好ましくは、主張されるブーツの折畳部領域の第1の折畳部は、凸形状である。さらに好ましくは主張されるブーツの折畳部領域の第2の折畳部は、凹形状である。第1の折畳部または第2の折畳部の両方の幾何学的設計はさらに、当該ブーツの形態安定性を微細に調整するのに使用されてよい。とりわけ第2の折畳部は、半径方向、楕円形、クロソイド曲線、双曲線または伸開線のような幾何学形状を有する場合がある。好ましくは第2の折畳部は、実質的に半径方向の幾何学形状を有する。さらに好ましくは、第1の折畳部は、実質的に半径方向の幾何学形状を有する。
【0032】
好ましくは第1の折畳部の幾何学形状は、実質的に半円の形態として画定されるべきである。さらに第2の折畳部は好ましくは半径方向の幾何学形状を有し、実質的に半円になるように具現化される。後者は特に、第1の折畳部と第2の折畳部の間の移行部を無視した場合、基本的にその状態を保つ。
【0033】
本発明の別の好ましい一実施形態では、第2の移行領域を指す角度βは、略0.5°から略12°の範囲内、より好ましくは略1°から略10°の範囲内、最も好ましくは略1.5°から略7.5°の範囲内である。前記角度βは、本発明に従って第2の締結領域の内面によって画定される直線と、第2の移行領域の円錐部分の内面との間で測定される。第2の移行領域の前記円錐部分の長さ(L
1)と、第1の移行領域の円錐形状を有する第2のフランジの長さ(L
2)の比は、10:1から2:1の範囲内、好ましくは略3:1から略4:1の範囲内である。第1の移行領域の第2のフランジの長さL
2ならびに第2の移行領域の円錐部分の長さL
1は、長手方向の断面で見た場合ブーツの主軸に対して測定される。上記に定義した比の範囲内で、本発明によるブーツが据え付けられる継手構成の最大の接合角度で、第2の締結領域との接触、特にブーツをシャフトに対して据え付けるために第2の締結領域内に設置されるクランプ、特に何らかのクランプ耳、ならびに/あるいは第2の締結領域の外面上に配置されたビードまたは耳状の突起部の形態の何らかの種類の突起部との接触を避けることが可能である。しかしながらその場合がそうであるように、1:1から1:5の比L
1:L
2は、特にブーツがプロップシャフトに使用される場合は本発明の範囲内である。
【0034】
本発明の別の好ましい一実施形態では、第1の折畳部の内側半径r
1と第2の折畳部の内側半径r
2の比は、略1:1から略1:40の範囲内、好ましくは略1:2から略1:10の範囲内である。前記半径r
1およびr
2は、第1および第2の折畳部の内側形状に関して測定される。第1および/または第2の折畳部の幾何学形状設計が半径方向の設計でなく、半径r
1およびr
2を画定し易くする場合、上記の比は、例えば第1および/または第2の折畳部が楕円形またはクロソイド曲線の幾何学形状を有する場合、曲率の最大半径によって画定される。前記比はまた、特に保持力によって表現される形態安定性に関して、主張されるブーツの作動の第1および第2の範囲を微細に調整するのに利用される場合もある。
【0035】
本発明の別の好ましい一実施形態では、第1の最小直径D
1と、主張されるブーツの第1のバインダシート領域の第1の締結領域の内面によって画定される直線によって画定される第3の直径D
3の比は、略65%から略95%であり(略0.65:1から略0.95:1)、さらに好ましくは略72%から略85%である。ブーツがボールソケットプランジ継手に関して設計される場合、よってトリローブ形状を持たない場合、このとき第3の直径D
3の定義はかなり明瞭である。しかしながらブーツがトリローブ形状を有するように設計される場合、このとき第3の直径D
3は、長手方向の断面で見たときブーツの主軸と、ブーツのトリローブ型でない部分における第1のバインダシート領域による内面によって画定される直線との間の距離の2倍に等しいことが予測され、この場合その距離は、その最大値である。また第3の直径D
3は、組み立て前のブーツを考慮して画定される。
【0036】
本発明はさらに、上記に定義したロールブーツを備えるプランジ継手に言及しており、特にトリローブ型継手または球面継手として解釈される等速継手に言及している。好ましくは、プランジ継手は、トリローブ型の等速継手であり、ロールブーツは、第1の締結領域内にトリローブ型の内側形状を有しており、そのため、追加でアダプターを利用する必要がない。このような構成において、ロールブーツの第1の移行領域の第1のフランジは好ましくは、ブーツの主軸に沿って長手方向の断面で見た場合、ブーツの内側に向かって継手筐体の前縁の内面を覆うように突き出ている。このことによって、プランジ継手が分解する可能性が、さらに低くなる。当然、前記プランジ継手の継手筐体の前縁の内面を覆うこのような第1の移行領域の第1のフランジの底部の隆起は、プランジ継手がトリローブ形状のものである場合、ローブのない領域の中で観察される。
【0037】
当該ロールブーツをプランジ継手と組み合わせることにより、このような構成に挿入されるべきシャフトがある種自動的に軸方向に有利にセンタリングすることになる。
【0038】
最後に、本発明はまた、本発明による少なくとも1つのロールブーツと、少なくとも1つのプランジ継手と、シャフトとを備える継手構成に言及している。最も好ましくは、少なくとも1つのロールブーツが、張力を受けて据え付けられる。好ましくは継手構成は、2つのプランジ継手と、少なくとも1つの、好ましくは2つの本発明によるロールブーツとを備える。さらに好ましくは継手構成は、1つのプランジ継手および1つの固定継手、ならびに少なくとも1つの本発明によるロールブーツを備える。最も好ましいのは以下の継手構成である。
−本発明による2つのロールブーツを備える2つのプランジ継手、好ましくはトリローブ型プランジ継手を備えるシャフト、
−本発明による1つのロールブーツと、1つの蛇腹状の(またはダイアフラム)ブーツ、あるいは本発明によるロールブーツと比べて形態安定性の低下した、特に軸方向の保持力が低下した任意の他のブーツとを備える2つのプランジ継手、好ましくはトリローブ型プランジ継手を備えるシャフト、
−蛇腹状の(またはダイアフラム)ブーツおよびプランジブーツ、好ましくは本発明によるロールブーツを備えるトリローブ型プランジブーツを備える固定継手を備え、ロールブーツが張力を受けて据え付けられたシャフト、
−2つのプランジ継手、特にトリローブ型プランジ継手と、本発明による2つのロールブーツとを備え、両方のロールブーツが張力を受けて据え付けられることで、据え付け前の状態でのそれぞれの長さに比べてそれぞれの全長が短くなるシャフト、
−上記に定義されているが、両方のロールブーツが伸張されるように張力を受けて据え付けられることで、それぞれの据え付け後の長さが据え付け前の状態のそれぞれの長さと比べて長くなるシャフト、および
−2つのプランジ継手、特にトリローブ型プランジ継手と、本発明による2つのロールブーツとを備え、両方のロールブーツが張力を受けて据え付けられており、すなわち据え付け前の状態のそれぞれの長さと比べて一方のロールブーツの長さが短くなり、他方のブーツの長さが長くなるシャフトである。
【0039】
2つのプランジ継手と、本発明による2つのロールブーツとを備えるシャフトが提供される場合、ブーツは、張力を受けて据え付けられず、軸方向の力ならびにプランジの経路は、基本的に均等になるように、または両方のロールブーツの中に分散される。一方のロールブーツが長さが短くなるように据え付けられ、他方のブーツは長さが長くなるように据え付けられる場合、プランジ継手の一方は引っ込んだ端部位置に推し進められる。
【0040】
2つのプランジ継手を備える実施形態では、本発明による一方のロールブーツと、一方の蛇腹状のまたはダイアフラムブーツあるいは形態安定性が劣る、特に保持力が低下した任意の他のブーツは、当該ロールブーツと比べて据え付け後の蛇腹状ブーツまたは形態安定性が劣る任意の他のブーツを備えるプランジ継手につながり、主にシャフトのいかなる運動も行うが、その一方で本発明による据え付け後のロールブーツを備える他方のプランジ継手は、軸方向の動きを全く提供しない、あるいはほとんど提供しないため、固定式継手と同じように作用する。後者は、当該ロールブーツのより高い形態安定性によるものである。
【0041】
蛇腹状(またはダイアフラム)ブーツを備える固定式継手と、本発明によるロールブーツを備えるプランジ継手とを備える実施形態では、本発明によるロールブーツの軸方向の力に起因して、固定式継手は、軸方向になるように事前にきつく締められるため、固定式継手内での軸方向の動きは打ち消されることになる。
【0042】
本発明の他の利点および特徴は、本発明の特徴を単なる一例として例示する図面を参照して以下の詳細な記載を読むことで当業者に明らかになるであろう。