(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5951894
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】LTEeNodeBの復帰機能
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20160630BHJP
【FI】
H04W52/02 111
【請求項の数】21
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-515287(P2015-515287)
(86)(22)【出願日】2013年6月6日
(65)【公表番号】特表2015-518360(P2015-518360A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(86)【国際出願番号】US2013044610
(87)【国際公開番号】WO2014007938
(87)【国際公開日】20140109
【審査請求日】2014年12月2日
(31)【優先権主張番号】61/667,325
(32)【優先日】2012年7月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/672,548
(32)【優先日】2012年11月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】セルゲイエフ,ヴァディム
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィドフ,アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】モロゾフ,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】マルツェフ,アレクサンデル
(72)【発明者】
【氏名】フー,ジョン−ケ
(72)【発明者】
【氏名】ホ,ヨン ヒョン
【審査官】
伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−518765(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/004639(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/101998(WO,A1)
【文献】
特開2008−263335(JP,A)
【文献】
特開2011−055105(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/099513(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワーク内の拡張ノードB(Evolved Node B:eNB)において電力消費を低減する方法であって、
ユーザーイクイップメント(User Equipment:UE)に対して、復帰プロシージャの1以上のパラメータを送信するステップと、
高電力状態から低電力状態に入るステップと、
少なくとも部分的に前記1以上のパラメータに基づく復帰信号の受信をモニタリングするステップと、
前記復帰信号の受信に応答して、高電力状態に入るステップと、
前記復帰信号の受信に応答して、前記UEに接続確立信号を送信するステップと、
を含み、
前記復帰プロシージャの前記1以上のパラメータは、前記復帰信号に用いられるデジタルシーケンスを含み、また、リスニング間隔の長さを有し、
当該リスニング間隔は、リスニング長を含む少なくとも1つのリスニング期間と、少なくとも1つの非リスニング期間とを含む、
方法。
【請求項2】
前記復帰信号は、前記eNBによってランダムアクセスチャネル(Random Access Channel:RACH)上で受信される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記eNBは、継続的に前記復帰信号をモニタリングし、前記復帰信号は、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)シンボル2つ分の長さを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記復帰信号の長さは、少なくとも前記リスニング長である、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記復帰信号の長さは、少なくとも前記リスニング間隔の長さである、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記復帰信号の長さは、前記リスニング長よりも短い、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記復帰プロシージャの前記1以上のパラメータは、前記リスニング期間のタイミングを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ユーザーイクイップメント(UE)であって、
復帰プロシージャの1以上のパラメータを受信する受信回路と、
当該UEは拡張ノードB(Evolved Node B:eNB)に接続すべきであると判定する処理回路と、
前記判定に応答して、少なくとも部分的に前記1以上のパラメータに基づく復帰信号を前記eNBに送信する送信回路と、
を備え、
前記復帰信号は、前記eNBを低電力状態から高電力状態に入らせるように構成され、
前記受信回路は更に、接続確立プロシージャに関する送信を受信し、
前記復帰プロシージャの前記1以上のパラメータは、前記UEによって前記復帰信号に用いられるデジタルシーケンスを含み、また、リスニング間隔の長さを有し、
当該リスニング間隔は、リスニング長を含むリスニング期間と、非リスニング期間とを含む、
ユーザーイクイップメント(UE)。
【請求項9】
前記送信回路は更に、前記復帰信号をランダムアクセスチャネルで送信する、
請求項8に記載のUE。
【請求項10】
前記復帰信号の長さは、少なくとも前記リスニング長の長さである、
請求項8に記載のUE。
【請求項11】
前記復帰信号の長さは、少なくとも前記リスニング間隔の長さである、
請求項8に記載のUE。
【請求項12】
前記復帰信号の長さは、前記リスニング長よりも短い、
請求項8に記載のUE。
【請求項13】
前記復帰プロシージャの前記1以上のパラメータは、前記リスニング期間のタイミングを含む、
請求項8に記載のUE。
【請求項14】
ホーム拡張ノードB(Home Evolved Node B:HeNB)であって、
ユーザーイクイップメント(UE)に対して、復帰プロシージャの1以上のパラメータを送信する送信部と、
少なくとも部分的に前記復帰プロシージャの前記1以上のパラメータに基づく復帰信号を受信する受信部と、
前記復帰プロシージャの前記1以上のパラメータの送信後に低電力状態に入り、前記受信部により前記復帰信号が受信されたときに、前記低電力状態から高電力状態に入る電力制御部と、
を備え、
前記送信部は更に、前記HeNBが前記高電力状態に入ったあとに、前記UEに接続確立信号を送信し、
前記復帰プロシージャの前記1以上のパラメータは、前記復帰信号に用いられるデジタルシーケンスを含み、また、リスニング間隔の長さを有し、
当該リスニング間隔は、リスニング長を含むリスニング期間と、非リスニング期間とを含む、
HeNB。
【請求項15】
低電力HeNBである、請求項14に記載のHeNB。
【請求項16】
前記受信部は、継続的に前記復帰信号をモニタリングする、
請求項14に記載のHeNB。
【請求項17】
前記受信部は、前記復帰信号をランダムアクセスチャネルで受信する、
請求項14に記載のHeNB。
【請求項18】
前記復帰信号の長さは、少なくとも前記リスニング長である、
請求項14に記載のHeNB。
【請求項19】
前記復帰信号の長さは、少なくとも前記リスニング間隔の長さである、
請求項14に記載のHeNB。
【請求項20】
前記復帰信号の長さは、前記リスニング長よりも短い、
請求項14に記載のHeNB。
【請求項21】
前記復帰プロシージャの前記1以上のパラメータは、前記リスニング期間のタイミングを含む、
請求項14に記載のHeNB。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2012年9月8日出願の“Wake-Up Functionality For An LTE eNodeB(LTE eNodeBの復帰機能)”と題される米国特許出願第13/672,548号に対する優先権を主張する。米国特許出願第13/672,548号は、2012年7月2日出願の“Advanced Wireless Communication Systems and Techniques(進歩した無線通信システムおよび技術)”と題される米国特許仮出願第61/667,325号に対する優先権を主張している。両開示を参照することにより、その全体を本明細書に援用する。
【0002】
実施形態は、3GPP(Third Generation Partnership Project)のeNodeB(eNB)が低電力スリープモードに入り、3GPPのユーザーイクイップメント(UE)から復帰信号を受信したときに復帰するためのシステム、方法および命令に関する。
【背景技術】
【0003】
ここに記載する背景の目的は、本開示の背景を一般に示すことである。ここに指名される発明者の成果は、この背景技術に記載される限りでは、本明細書の態様が出願時の先行技術とはみなされないのと同様に、本開示に対する先行技術として明示的に認められるものではなく、黙示的に認められるものでもない。本明細書で別段指摘されない限り、この節に記載されるアプローチは、本開示の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、また、この節に記載されることを理由に先行技術であるとみなされるものでもない。
【0004】
従来のeNBは、一般に、大きなカバーエリア内の多数のユーザーにサービスを提供する。しかしながら、3GPPのLTE(Long Term Evolution)ネットワーク技術が発展するに従って、eNBはより小さいカバーエリア、例えば1軒の家や1つのオフィスを対象に考慮されるようになっている。eNBのカバーエリアが小さくなると、相当長い期間そのeNB上でのユーザートラフィックが無い状態が生じ得る。しかしながら、そのような時間もeNBは電力供給されたままである可能性があり、このように電力が無駄になってしまう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下の詳細な説明および添付の図面によれば、実施形態を容易に理解できるであろう。説明を容易にするために、同じ参照符号は同じ要素を示す。添付の図面に含まれる図において、実施形態は例示を目的として示されており、限定を目的としていない。
【
図1】様々な実施形態に係る、UEおよびeNBを含むネットワークシステムの大まかな例を示す概略図である。
【
図2-A】様々な実施形態に係る、eNBが低電力モードに入るプロセスを示す例示的なフローチャートである。
【
図2-B】様々な実施形態に係る、eNBが低電力モードを終了するプロセスを示す例示的なフローチャートである。
【
図3-A】様々な実施形態に係る例示的な復帰信号構成を示す図である。
【
図3-B】様々な実施形態に係る別の例示的な復帰信号構成を示す図である。
【
図3-C】様々な実施形態に係る別の例示的な復帰信号構成を示す図である。
【
図3-D】様々な実施形態に係る別の例示的な復帰信号構成を示す図である。
【
図4】本明細書に記載の様々な実施形態を実施する際に使用可能な例示システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書では、送信機能と受信機能との一方または両方を一定期間停止するスリープモードにeNBが入ることを可能にする装置および方法が記載される。スリープモードに入る前に、eNBは自身が通信しているUEと共に復帰プロシージャのパラメータを送信してよい。パラメータは、UEが復帰信号を構成する際に利用可能な符号系列および/またはタイミング情報を含んでよい。UEがeNBと通信を行う必要がある場合、UEは復帰信号を送信し、eNBをスリープモードから復帰させてよい。
【0007】
以下の詳細な説明では、添付の図面を参照する。添付の図面は詳細な説明の一部を成し、全体を通して同じ参照符号は同じ要素を示す。添付の図面には、実施可能な実施形態を例として示す。当然ながら他の実施形態を用いることもでき、本開示の範囲を逸脱することなく、構造または論理構成の変更を行うことができる。したがって、以下の詳細な説明は限定の意味で理解されるものではなく、実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定められる。
【0008】
各種工程は、請求項に記載の主題を理解するのに最も役立つ形で、複数の個別の動作または工程として記載される場合がある。しかしながら、記載の順序は、そのような工程が必ず順序に依存すると黙示するものとして解釈されるべきではない。具体的には、そのような工程は、提示の順序で実行されなくてよい。記載の工程は、記載の実施形態とは異なる順序で実行されてよい。追加的な実施形態では、様々な追加の工程が実行されてもよいし、記載の工程が省略されてもよい。
【0009】
本開示において、「Aおよび/またはB」および「AまたはB」は、(A)、(B)または(AおよびB)を意味する。本開示において、「A、Bおよび/またはC」は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、BおよびC)を意味する。
【0010】
「ある実施形態において」または「実施形態において」という表現を用いる場合、同じであるか異なる実施形態のうち1以上を意味する場合がある。更に、「備える」、「含む」、「有する」等の表現は、本開示の実施形態に関して用いられる場合、同義語である。
【0011】
図1は、様々な実施形態に係る無線通信ネットワーク100の概略図である。無線通信ネットワーク100(以下「ネットワーク100」という)は、次世代UMTS地上波無線アクセスネットワーク(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network:E−UTRAN)等の、3GPPのLTEネットワークのアクセスネットワークであってよい。ネットワーク100は、UE110と無線通信を行うeNB105を含んでよい。一部の実施形態では、eNB105はLTEホットスポットであってよく、LTEホットスポット・インドア(LTE Hotspot indoor:LTE−Hi)であってもよい。一部の実施形態では、eNB105は、例えばホームeNBのような、低電力または狭範囲のeNBであってよい。
【0012】
図1に示すように、UE110は送受信モジュール120を有してよい。更に、送受信モジュール120は、ネットワーク100の他の要素(例えばeNB105)と無線接続を行うために、UE110のアンテナ125と接続されてよい。アンテナ125は、電力増幅器124により駆動されてよい。電力増幅器124は、
図1に示すように送受信モジュール120の構成要素であってもよいし、UE110の別個の構成要素であってもよい。一実施形態では、電力増幅器124は、アンテナ125における全送信の電力を供給する。他の実施形態では、UE110に、複数の電力増幅器もしくは複数のアンテナ、またはその両方が存在してよい。UE110の送受信モジュール120は、送信機能と受信機能の一方または両方のための回路構成を有してよい。特定の実施形態では、送受信モジュール120の代わりに、送信回路を有する送信モジュールおよび/または受信回路を有する受信モジュール(図示なし)を別個に設けてよい。
【0013】
同様に、eNB105は、送受信モジュール130を有してよい。送受信モジュール130は、UE110等のネットワーク要素と無線通信を行うために、eNB105のアンテナ135と接続されてよい。eNB105は更に、送受信モジュール130に接続される電力増幅器140と、電力制御部145とを有してよい。一実施形態では、電力増幅器140は、アンテナ135における全送信の電力を供給する。他の実施形態では、eNB105に、複数の電力増幅器もしくは複数のアンテナ、またはその両方が存在してよい。UE110と同様に、eNB105の送受信モジュール130は、送信機能と受信機能の一方または両方のための回路構成を有してよい。特定の実施形態では、eNB105の送受信モジュール130の代わりに、送信回路を有する送信モジュールおよび/または受信回路を有する受信モジュール(図示なし)を別個に設けてよい。
【0014】
図2−Aは、一実施形態に係る、eNB105等のeNBが高電力状態から低電力のスリープモードに入る際の論理構成を示す。本開示の以下の記載全体で「スリープモード」という表現を用いるが、当然ながらスリープモードという表現は、対応する高電力状態の機能のうち1以上が低減されるか排除され得る低電力状態を意味する。高電力状態は、そのような1以上の機能が駆動されるか用いられる状態を意味することがある。本明細書で用いられる「スリープモード」という表現は、3GPPの仕様や電気電子技術者協会(Institute of Electrical and Electronics Engineers:IEEE)の仕様等の仕様で定義されるような「スリープモード」に厳密に限定されるものではない。
【0015】
eNB105は、電力制御部145等の電力制御部またはプロセッサを用いてスリープモードに入ってよく、またはスリープモードを制御してよい。一部の実施形態では、eNBがスリープモードであるとき、該eNBの送信機能と受信機能の両方がオフにされ、他の実施形態では、eNBの送信機能と受信機能のうち一方のみがオフにされる。
【0016】
まず、eNBは、ステップ200でスリープモードに入ることを決定してよい。この決定は、所定期間のeNBの休止、特定の時刻、eNBと関連付けられる1以上のUE(UE110等)上で動作するアプリケーションに関する情報、3GPPネットワークから受信されるトラフィック等の要因に応答してなされてよい。
【0017】
ステップ200でeNBがスリープモードに入ることを決定すると、ステップ205において該eNBは、UEと共に復帰プロシージャのパラメータを送信してよい。一部の実施形態では、UEが応答し、eNBとUEとの間でネゴシエーションプロセスが発生してよい。特定の実施形態では、復帰プロシージャのパラメータは、ほぼ同時にUEへ送信されてもよく、連続して送信されてもよい。送信される復帰プロシージャのパラメータには、eNBが自身の受信部をオンにしUEから送信される復帰信号をリスニングする際の期間および時間間隔に関する情報が含まれてよい。このような間隔には、
図3を参照して後述するeNBのリスニング期間とeNBのリスニング間隔とのうち1以上が含まれてよい。また、送信されるパラメータには、復帰信号のデジタルシーケンスまたはコードが含まれてよい。復帰信号のデジタルシーケンスまたはコードにより、eNBは、周囲の無線送信または他のセルのUEからの送信と、復帰信号とを認識し区別することができる。一部の実施形態では、送信されるパラメータには、eNBとUEの両方にとって既知のパラメータが再利用されてよい。例えば、リスニング間隔は、eNBによりUEに対して構成されるランダムアクセスチャネルリソースに対応してよい。或いは、eNBは、UEの間欠受信(Discontinuous Reception:DRX)について定義されるプロシージャ等の従来のプロシージャを用いて、自身のスリープモードを構成してよい。eNBが複数のUEと通信を行う場合、パラメータのうち1以上を異なるUE間で共有してもよいし、パラメータを各UE固有のものとして、eNBがUEを区別できるようにしてもよい。
【0018】
eNBは、ステップ205でパラメータを送信したあと、ステップ210において、自身と通信を行っている任意のUEにスリープモードに入ることを通知してよい。eNBは、UEとの同期を維持しない場合に該UEが自身からの同期信号を検索しないように、UEに通知を行ってよい。該通知の別の利点は、UEが、eNBがスリープモードであるから該eNBからメッセージを受信することはないと判定できることであり、よって、UE自身が、例えば従来のDRXプロシージャ等のスリーププロシージャを通じてスリープモードに入ることができる。
【0019】
eNBは、ステップ210で任意の接続されたUEに通知を行ったあと、ステップ215においてスリープモードに入ってよい。上述のように、スリープモードには、eNBがその受信機能と送信機能のうち一方または両方をオフにする場合が含まれてよい。一部の実施形態では、eNBとUEは、例えば周期的な3GPP同期信号やGPS同期信号等の同期信号を用いることにより、同期を維持してよい。他の実施形態では、eNBとUEは、同期を維持しなくてよい。一部の実施形態では、eNBは、スリープモードの間に受信機能をオフにしなくてよい。
【0020】
図2−Bは、一実施形態に係る、eNBがスリープモードを終了する際の論理構成を示す。本実施形態によれば、eNBの復帰を求めるUEは、まずステップ220において、eNBがまだスリープモードであるかを確認して判定してよい。UEは、ユーザーの命令に従って(例えば、ユーザーが発信またはインターネット接続の取得を要求する場合)、または他の基準に基づいて、このような確認を行ってよい。ステップ220での確認の結果、eNBがスリープ状態であると判定した場合、UEはステップ225において、eNBへ復帰信号を送信してよい。復帰信号を送信する際、UEは、eNBがステップ205でスリープモードに入る前に送信したパラメータのうち1以上を用いてよい。一部の実施形態では、復帰信号は、ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel:RACH)で送信されてよい。他の実施形態では、復帰信号は、他のチャネルで送信されてよい。
【0021】
復帰信号を受信すると、eNBはステップ230において、スリープモードを終了してよい。すなわち、スリープモードから復帰してよい。復帰には、概してeNBの高電力モードへの戻ることが含まれてよく、具体的には、送信機能と受信機能のうち一方または両方を再開することが含まれてよい。続いてeNBは、ステップ235において、従来の接続プロシージャを実行して、UEに接続してよい。一部の実施形態では、接続プロシージャはeNBにより開始されてよい。他の実施形態では、接続プロシージャはUEにより開始されてよい。いずれの実施形態においても、eNBは、例えば接続プロシージャを開始する目的で、或いはUEからの信号に応答して、1以上の接続確立信号を送信してよい。
【0022】
一部の実施形態では、eNBは、復帰信号を送信したUEの識別情報を確認してよい。このような確認は、eNBが完全にスリープモードを終了する前に行われてもよいし、スリープモードを終了してから接続プロシージャを実行するまでに行われてもよい。
【0023】
上述のプロシージャは、UEが復帰信号を送信してeNBを復帰させる実施形態に関するものであるが、他の実施形態では、eNBは他の基準に従ってスリープモードを終了してよい。例えばeNBは、時刻、該eNBに関連付けられたアプリケーションに関する情報、3GPPネットワークから受信されるトラフィック等に基づいて、スリープモードを終了してよい。
【0024】
図3−A〜
図3−Dは、様々な実施形態のネゴシエートされるパラメータを示す。
図3−Aに示される実施形態において、ネゴシエートされるパラメータはリスニング間隔300を含んでよく、リスニング間隔300は、リスニング期間305および非リスニング期間310を含んでよい。リスニング間隔は、時間軸315上で繰り返されてよい。本実施形態では、UEとeNBは互いに同期を維持しなくてよく、よってリスニング間隔300は、複数の図示されるリスニング期間305により示されるように、時間軸315上で繰り返されてよい。eNBとUEが互いに同期されていないので、該UEは、1つのリスニング間隔300と少なくとも同程度の長さの復帰信号320を送信してよい。復帰信号320には、ネゴシエートされる前のデジタルシーケンスまたはコードが含まれてよい。復帰信号320は少なくとも1つのリスニング間隔300と少なくとも同程度の長さであるので、復帰信号は少なくとも1つのリスニング期間と同時に生じる(325)可能性がある。一部の実施形態では、復帰信号320の長さを、少なくともリスニング間隔300に更なるリスニング期間305に加えた長さと同程度にして、復帰信号320が少なくとも1つのリスニング期間305と同時に生じるようにすることが好ましい。
【0025】
図3−Bに示す別の実施形態において、復帰信号330は、リスニング期間305とほぼ同じ長さであってよい。よって、本実施形態では、復帰信号はリスニング期間305のうち少なくとも1つと同時に(335)生じてよい。本実施形態は、eNBとUEが、例えばGPS同期や他の形態の同期信号を用いて互いに同期を維持する場合に、好ましい。
【0026】
図3−Cに示す別の実施形態において、非リスニング期間345を比較的短くすることによって、リスニング期間340がリスニング間隔300のほぼ全体を占めてよい。本実施形態では、リスニング期間340が比較的長いので、復帰信号350の送信は比較的短くてよい。復帰信号350が複数回送信される場合、復帰信号350は高い確率で少なくとも1つのリスニング期間340と同時に(355)生じるが、一部の実施形態では、復帰信号350を比較的短いシリーズで送信するだけでよい。
【0027】
図3−Dに示す実施形態において、eNBはその受信機能を停止しない。本実施形態では、リスニング期間とリスニング間隔は、単一の比較的大きいリスニング間隔360とみなされてよい。本実施形態では、UEは、単一の復帰信号365を送信するだけでよい。本実施形態は、eNBとUEが同期されている場合にも、eNBとUEが同期されていない場合にも適する。また、復帰信号は比較的短くてよく、2つの直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)シンボルを含むだけでよい。
【0028】
本開示の実施形態は、任意の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアを用いてシステムに実装され、必要に応じて構成されてよい。
図4は、本明細書に記載の様々な実施形態を実施する際に使用可能な例示的システム400を示す概略図である。
図4が示す一実施形態の例示的システム400は、1以上のプロセッサ405と、プロセッサ405のうち少なくとも1つに接続されるシステム制御モジュール410と、システム制御モジュール410に接続されるシステムメモリ415と、システム制御モジュール410に接続される不揮発性メモリ(Non-volatile Memory:NVM)/記憶部420と、システム制御モジュール410に接続される1以上の通信インターフェース425と、を含む。
【0029】
一部の実施形態では、システム400は、本明細書に記載のUE110として機能できるように構成されてよい。他の実施形態では、システム400は、
図1に示される実施形態または他の実施形態のうちいずれか1つに示されるeNB105として機能できるように構成されてよい。一部の実施形態では、システム400は、命令を有する1以上のコンピューター可読媒体(例えばシステムメモリまたはNVM/記憶部420)と、該1以上のコンピューター可読媒体に接続される1以上のプロセッサ(例えばプロセッサ405)とを含んでよい。該1以上のプロセッサは、モジュールを実装するために命令を実行して、本明細書に記載の動作を行ってよい。
【0030】
一実施形態におけるシステム制御モジュール410は、プロセッサ405のうち少なくとも1つに対して、かつ/またはシステム制御モジュール410と通信を行う任意の適切なデバイスもしくは要素に対して任意の適切なインターフェースを提供するために、任意の適切なインターフェースコントローラを有してよい。
【0031】
システム制御モジュール410は、システムメモリ415に対するインターフェースを提供するメモリ制御モジュール430を有してよい。メモリ制御モジュール430は、ハードウェアモジュール、ソフトウェアモジュールおよび/またはファームウェアモジュールであってよい。
【0032】
システムメモリ415は、例えばシステム400に関するデータおよび/または命令のロードおよび格納に用いられてよい。一実施形態におけるシステムメモリ415は、適切なDRAM等の任意の適切な揮発性メモリを含んでよい。一部の実施形態では、システムメモリ415は、DDR4 SDRAM(Double-Data-Rate4 Synchronous Dynamic Random Access Memory)を含んでよい。
【0033】
一実施形態におけるシステム制御モジュール410は、NVM/記憶部420および通信インターフェース425に対するインターフェースを提供する1以上の入出力(I/O)コントローラを含んでよい。
【0034】
NVM/記憶部420は、例えばデータおよび/または命令の格納に用いられてよい。NVM/記憶部420は、フラッシュメモリ等の任意の適切な不揮発性メモリを含んでよく、かつ/または、1以上のハードディスクドライブ(HDD)、1以上のCD(Compact Disc)ドライブ、1以上のDVD(Digital Versatile Disc)ドライブ等、任意の適切な不揮発性記憶装置を含んでよい。
【0035】
NVM/記憶部420の例として、システム400がインストールされるデバイスの物理的な一部として、ストレージリソースが含まれてよい。或いは、NVM/記憶部420は、そのようなデバイス(必ずしもその一部とは限らない)によってアクセスされてよい。例えば、NVM/記憶部420は、通信インターフェース425を介してネットワーク上でアクセスされてよい。
【0036】
通信インターフェース425は、システム400が1以上のネットワークを介してかつ/または任意の他の適切なデバイスと通信を行う際のインターフェースを提供してよい。システム400は、無線ネットワークの1以上の要素と、1以上の無線ネットワークの規格および/またはプロトコルのうちいずれかに従って、無線通信を行ってよい。
【0037】
一実施形態において、プロセッサ405のうち少なくとも1つは、システム制御モジュール410の1以上のコントローラ(例えばメモリ制御モジュール430)の論理構成と共に、パッケージ化されてよい。一実施形態において、プロセッサ405のうち少なくとも1つは、システム制御モジュール410の1以上のコントローラの論理構成と共にパッケージ化されて、システム・イン・パッケージ(SiP)を形成してよい。一実施形態において、プロセッサ405のうち少なくとも1つは、システム制御モジュール410の1以上のコントローラの論理構成と同じダイに統合されてよい。一実施形態において、プロセッサ405のうち少なくとも1つは、システム制御モジュール410の1以上のコントローラの論理構成と同じダイに統合されて、システム・オン・チップ(SoC)を形成してよい。
【0038】
様々な実施形態において、システム400は、例えばサーバー、ワークステーション、デスクトップ型コンピューター、モバイルコンピューター(ラップトップコンピューター、ハンドヘルド・コンピューター、タブレット、ノートブック等)であってよい。様々な実施形態において、システム400の有する要素の数は異なってよく、かつ/または、システム400は異なるアーキテクチャを有してよい。例えば一部の実施形態では、システム400は、カメラと、キーボードと、液晶ディスプレイ(LCD)(タッチスクリーン型ディスプレイを含む)と、不揮発性メモリポートと、多重アンテナと、グラフィックス・チップと、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)と、スピーカーとのうち1以上を含む。
【0039】
実施形態は、無線ネットワーク内のeNBの電力消費を低減する方法および装置を提供する。特定の実施形態では、eNBは、復帰プロシージャの1以上のパラメータをUEへ送信し、高電力状態から低電力状態に入り、少なくとも部分的に1以上のパラメータに基づく復帰信号の受信をモニタリングしてよい。eNBは、復帰信号を受信すると、高電力状態に入り、UEへ接続確立信号を送信してよい。特定の実施形態では、信号はeNBによってRACH上で受信されてよい。一部の実施形態では、eNBは継続的に復帰信号をモニタリングしてよく、復帰信号はOFDMシンボル2つ分の長さを有してよい。
【0040】
一部の実施形態では、復帰プロシージャのパラメータは、復帰信号に用いられるデジタルシーケンスを含んでよく、また、リスニング間隔の長さを有してよい。リスニング間隔は、リスニング長を含む少なくとも1つのリスニング期間と、少なくとも1つの非リスニング期間とを含んでよい。また、復帰プロシージャのパラメータは、リスニング期間のタイミングを含んでよい。特定の実施形態では、復帰信号の長さは、少なくともリスニング長であってよい。他の実施形態では、復帰信号の長さは、少なくともリスニング間隔の長さであってよい。代替の実施形態では、復帰信号の長さは、リスニング長より短くてよい。
【0041】
代替の実施形態におけるUEは、復帰プロシージャの1以上のパラメータを受信する受信回路と、UEがeNBに接続すべきであると判定する処理回路と、少なくとも部分的に1以上のパラメータに基づく復帰信号を該判定に応答してeNBへ送信する送信回路とを有してよい。復帰信号は、eNBに低電力状態から高電力状態へ入らせるように構成されてよい。受信回路は更に、接続確立プロシージャに関する送信を受信してよい。
【0042】
他の実施形態におけるHeNBは、復帰プロシージャの1以上のパラメータをUEへ送信する送信部と、少なくとも部分的に1以上のパラメータに基づく復帰信号を受信する受信部とを有してよい。HeNBは更に、電力制御部を有してよい。電力制御部は、パラメータの送信後に低電力モードに入ってよく、更に、復帰信号を受信したときに高電力モードに入ってよい。HeNBは更に、高電力モードに入ったときに接続確立信号をUEへ送信してよい。特定の実施形態では、HeNBは、低電力HeNBとみなされてよい。
【0043】
本明細書では、説明を目的として実施形態を図示し記載してきたが、このような適用は、本明細書に記載の実施形態の改造または変形をすべて包含するものである。したがって、本明細書に記載の実施形態が特許請求の範囲によってのみ限定されることは明白である。
【0044】
本開示において単数の要素もしくは「第1の」要素またはそれらの均等物が記載される場合、そのような記載には1以上の当該要素が包含され、2以上の当該要素を要することも排除することも意図していない。更に、特定された要素に対する序数の指示語(例えば、第1、第2、第3等)は、当該要素の区別のために用いられており、特段の条件付けがない限り、当該要素の数が限定されることを示したり暗示したりするものではなく、また、当該要素の特定の位置または順序を示すものでもない。