特許第5951938号(P5951938)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オプティムの特許一覧

特許5951938端末のリモートシステム、リモート操作方法
<>
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000002
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000003
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000004
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000005
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000006
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000007
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000008
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000009
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000010
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000011
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000012
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000013
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000014
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000015
  • 特許5951938-端末のリモートシステム、リモート操作方法 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5951938
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】端末のリモートシステム、リモート操作方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20160630BHJP
【FI】
   G06Q10/10
【請求項の数】12
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2011-117208(P2011-117208)
(22)【出願日】2011年5月25日
(65)【公開番号】特開2012-247859(P2012-247859A)
(43)【公開日】2012年12月13日
【審査請求日】2014年3月3日
【審判番号】不服2015-7351(P2015-7351/J1)
【審判請求日】2015年4月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【合議体】
【審判長】 金子 幸一
【審判官】 石川 正二
【審判官】 野崎 大進
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−17083号公報(JP,A)
【文献】 特開2004−229213号公報(JP,A)
【文献】 特開2010−211586号公報(JP,A)
【文献】 特表2006−518071号公報(JP,A)
【文献】 特開2010−268497号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と、当該端末をリモート操作するリモート端末と、リモートサーバとを備えるリモートシステムであって、
前記リモートサーバは、
前記端末からのリモート要求に応じて、当該端末に記憶された前記リモート要求に関するハードウェアとして設定されているデータ及びソフトウェアとして設定されているデータを取得し、前記リモート端末に通知するデータ取得モジュールを備え、
前記リモート端末は、
前記端末からのリモート要求に対するリモート操作をリモート操作者から受付けて、当該リモート操作をリモートサーバに送信する操作受付モジュールを備え、
前記リモートサーバは、さらに、
前記リモート操作者から受付けたリモート操作を、前記リモート端末から前記端末に対してリアルタイムで画面共有を行ったリモート操作ではなく、前記端末からのリモート要求に対応した操作を行うコマンドとして、前記端末に送信するコマンド送信モジュールと、
一のユーザインターフェースから他のユーザインターフェースへ段階的に移行する際の表示順及び操作内容を規定するシナリオデータと、当該シナリオデータを前記端末において実行させるコマンドと、からなる設定演出データを前記端末に送信する設定演出データ送信モジュールと、を備えるリモートシステム。
【請求項2】
前記端末は、
前記リモートサーバから受信した前記設定演出データを記憶する設定演出データ記憶モジュールと、
記憶した前記設定演出データの再表示要求を受け付ける再表示要求受付モジュールと、
受け付けた前記再表示要求に応じた前記設定演出データに基づいて、一のユーザインターフェースから他のユーザインターフェースへの遷移を段階的に再表示する設定演出データ再表示モジュールと、を備える請求項1に記載のリモートシステム。
【請求項3】
前記リモートサーバは、
前記端末から前記端末の画面情報に対応する画像ID、文字の少なくともいずれか一方を取得する画面情報取得モジュールと、
取得した前記画像ID、前記文字の少なくともいずれか一方に対応した画像を、前記リモート端末に表示する端末情報出力モジュールと、を備える請求項1または2に記載のリモートシステム。
【請求項4】
前記画面情報取得モジュールが、前記端末の画面情報に対応する画像IDを取得できない場合は、前記端末から、取得できない画像IDに対応する画像そのものを取得し、
前記端末情報出力モジュールは、リモートサーバに予め記憶された雛形データと、前記端末から取得した画像とを使用して、前記端末の画面情報に相当する画像を、前記リモート端末に表示する請求項3に記載のリモートシステム。
【請求項5】
前記端末が、前記端末に表示されているスクリーンショットの画像データを、逐次、前記リモートサーバに送信する画面情報送信モジュールを備え、
前記リモートサーバが、送信された画像データを受信して、前記リモート端末に転送する画面情報転送モジュールを備え、リアルタイムで画面共有を行う準備が完了したタイミングで、前記画面情報送信モジュールと画面情報転送モジュールとを起動することで、前記コマンドによるリモート操作を停止し、前記リモート端末から前記端末に対してリアルタイムで画面共有を行うことでリモート操作を行うフルリモートシステムを実行し、前記コマンド送信モジュールの処理を停止する請求項1または2に記載のリモートシステム。
【請求項6】
前記操作受付モジュールは、予め対応付けられた禁止データに対するリモート操作または、禁止されたリモート操作を検知した場合は、前記リモート端末又は前記リモートサーバに、当該リモート操作を記憶するログ記憶モジュールをさらに備える請求項1または2に記載のリモートシステム。
【請求項7】
端末と、当該端末をリモート操作するリモート端末と、リモートサーバとを備えるリモート操作方法であって、
前記リモートサーバは、
前記端末からのリモート要求に応じて、当該端末に記憶された前記リモート要求に関するハードウェアとして設定されているデータ及びソフトウェアとして設定されているデータを取得し、前記リモート端末に通知するステップ、を実行し、
前記リモート端末は、
前記端末からのリモート要求に対するリモート操作をリモート操作者から受付けて、当該リモート操作をリモートサーバに送信するステップを実行し、
前記リモートサーバは、さらに、
前記リモート操作者から受付けたリモート操作を、前記リモート端末から前記端末に対してリアルタイムで画面共有を行ったリモート操作ではなく、前記端末からのリモート要求に対応した操作を行うコマンドとして、前記端末に送信するステップと、
一のユーザインターフェースから他のユーザインターフェースへ段階的に移行する際の表示順及び操作内容を規定するシナリオデータと、当該シナリオデータを前記端末において実行させるコマンドと、からなる設定演出データを前記端末に送信するステップと、を実行するリモート操作方法。
【請求項8】
前記端末は、
送信された前記コマンドに基づいて、当該リモート要求に対する前記リモート操作者のリモート操作を前記端末に反映する際に、前記端末を操作するユーザが、当該端末で当該リモート要求に応じた操作を自ら行うためのユーザインターフェースを、段階的に表示するステップを実行する請求項7に記載のリモート操作方法。
【請求項9】
前記リモートサーバは、
前記端末から前記端末の画面情報に対応する画像ID、文字の少なくともいずれか一方を取得するステップと、
取得した前記画像ID、前記文字の少なくともいずれか一方に対応した画像を、前記リモート端末に表示するステップと、を実行する請求項7に記載のリモート操作方法。
【請求項10】
前記取得するステップでは、前記端末の画面情報に対応する画像IDを取得できない場合は、前記端末から、取得できない画像IDに対応する画像そのものを取得し、
前記リモート端末に表示するステップでは、リモートサーバに予め記憶された雛形データと、前記端末から取得した画像とを使用して、前記端末の画面情報に相当する画像を、前記リモート端末に表示する請求項9に記載のリモート操作方法。
【請求項11】
リアルタイムで画面共有を行う準備が完了したタイミングで、
前記端末が、前記端末に表示されているスクリーンショットの画像データを、逐次、前記リモートサーバに送信するステップを実行し、
前記リモートサーバが、送信された画像データを受信して、前記リモート端末に転送するステップを実行することで、前記コマンドによるリモート操作を停止し、前記リモート端末から前記端末に対してリアルタイムで画面共有を行うことでリモート操作を行うフルリモートシステムを実行し、前記端末からのリモート要求に対応した操作を行うコマンドとして、前記端末に送信する処理を停止する請求項7に記載のリモート操作方法。
【請求項12】
前記リモート操作者からリモート操作を受付けるステップにおいて、予め対応付けられた禁止データに対するリモート操作または、禁止されたリモート操作を検知した場合は、前記リモート端末又は前記リモートサーバに、当該リモート操作を記憶する請求項7に記載のリモート操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公衆回線網を介して接続されたユーザの端末を、リモートから操作するリモートシステム、リモート操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆回線網に接続された携帯端末をWebサーバ等と接続することで、ユーザに様々なサービスが提供されている。特に、スマートフォン(高機能携帯電話)の登場により、従来、パソコンに対して行われていた高度なサービスを、携帯電話で行うことが可能になってきた。
【0003】
また、サーバが提供するサービスではなく、スマートフォン単独でも、様々な機能がそれ自体に搭載されている。したがって、ユーザは、搭載されている全ての機能を熟知するには時間がかかることが多い。例えば、ユーザが所望する機能が、スマートフォンに搭載されていても、その機能を設定する方法が不明であるため、ユーザがその機能を活用することができないといった問題も生じている。
【0004】
したがって、このような高度なWebサービスや、高度なスマートフォンの機能を最大限、利用するには、スマートフォンに対する設定操作や機能を、ユーザは熟知する必要がある。さらに、操作に不慣れなユーザが、端末に対して、初めての設定を行うと、削除すべきでない設定情報を削除してしまったり、適切でない設定を行うことでエラーを発生させてしまう場合も多い。
【0005】
このような課題に対して、ユーザの端末に対して、システムからリモートサポート(遠隔保守)を行うことで、ユーザの端末を遠隔から設定したり、遠隔からユーザを指導する方法が知られている。例えば、特許文献1では、サポート対象となる各クライアントの画面情報をサーバ側で取得し、サーバでこの画面情報を、常時、一覧表示することで、クライアントに対するサポート及び監視の効率を向上させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−6062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、リモートサポートを行う端末から、サポートを受けるユーザ端末にリモートログイン等をして、リアルタイムで画面共有をすることで、リモート操作を行うことが知られている。すなわち、サポート端末に、ユーザ端末に表示されている画面を、逐次、転送して表示するとともに、サポート端末を操作すると、あたかも、ユーザ端末を操作しているかのように、入力操作(リモート操作)を行うことが可能となる。
【0008】
しかしながら、このようにリアルタイムで画面共有を行うリモートシステムは、変化する画面情報のデータを、逐次、相手側に送信する必要があり、通信に必要なデータ量が多い。このため通信帯域の容量が大きくなくては、充分なサービスを行うことができない。また、このリモートシステムは、処理するデータ量が多いことから、リモートサービスの開始が遅くなったり、一のリモート操作が完了するまで長時間を要してしまうことがある。しかし、ユーザにとっては、短時間でリモートサポートサービスを提供し、リモート操作が円滑であることが望ましい。
【0009】
本発明は、これらの課題に鑑み、ユーザにとって迅速にリモートサポートサービスを開始するとともに、リモート操作を即座に完了できることが可能なリモートシステム、リモート操作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明は、端末と、当該端末をリモート操作するリモート端末と、リモートサーバとを備えるリモートシステムであって、
前記リモートサーバは、
前記端末からのリモート要求に応じて、当該端末に記憶された前記リモート要求に関するハードウェアとして設定されているデータ及びソフトウェアとして設定されているデータを取得し、前記リモート端末に通知するデータ取得モジュールを備え、
前記リモート端末は、
前記端末からのリモート要求に対するリモート操作をリモート操作者から受付けて、当該リモート操作をリモートサーバに送信する操作受付モジュールを備え、
前記リモートサーバは、さらに、
前記リモート操作者から受付けたリモート操作を、前記リモート端末から前記端末に対してリアルタイムで画面共有を行ったリモート操作ではなく、前記端末からのリモート要求に対応した操作を行うコマンドとして、前記端末に送信するコマンド送信モジュールと、
一のユーザインターフェースから他のユーザインターフェースへ段階的に移行する際の表示順及び操作内容を規定するシナリオデータと、当該シナリオデータを前記端末において実行させるコマンドと、からなる設定演出データを前記端末に送信する設定演出データ送信モジュールと、を備えるリモートシステムを提供する。
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、
前記端末は、
前記リモートサーバから受信した前記設定演出データを記憶する設定演出データ記憶モジュールと、
記憶した前記設定演出データの再表示要求を受け付ける再表示要求受付モジュールと、
受け付けた前記再表示要求に応じた前記設定演出データに基づいて、一のユーザインターフェースから他のユーザインターフェースへの遷移を段階的に再表示する設定演出データ再表示モジュールと、を備えるリモートシステムを提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明によれば、リモートサーバは、端末からのリモート要求に応じて、当該端末に記憶された前記リモート要求に関するハードウェアとして設定されているデータ及びソフトウェアとして設定されているデータを取得し、前記リモート端末に通知する。リモート端末は、端末からのリモート要求に対するリモート操作をリモート操作者から受付けて、当該リモート操作をリモートサーバに送信する。そして、リモートサーバは、さらに、リモート操作者から受付けたリモート操作を、リモート端末から端末に対してリアルタイムで画面共有を行ったリモート操作ではなく、端末からのリモート要求に対応した操作を行うコマンドとして、端末に送信する。そして、一のユーザインターフェースから他のユーザインターフェースへ段階的に移行する際の表示順及び操作内容を規定するシナリオデータと、当該シナリオデータを前記端末において実行させるコマンドと、からなる設定演出データを前記端末に送信する。
第2の特徴に係る発明によれば、端末は、リモートサーバから受信した前記設定演出データを記憶する。そして、記憶した前記設定演出データの再表示要求を受け付ける。さらに、受け付けた前記再表示要求に応じた前記設定演出データに基づいて、一のユーザインターフェースから他のユーザインターフェースへの遷移を段階的に再表示する。
【0013】
したがって、リモート操作に対応した操作を行うコマンドにより、リモート操作を実現するため、リアルタイムで画面共有を行うことがないリモートシステムを実現する。このリモートシステムによれば、データ処理量が少ないため、各端末の負荷が少なく、データ通信量も少ないため、ユーザにとって迅速にリモートサポートサービスを開始するとともに、リモート操作を即座に完了できることができる。
【0014】
第1の特徴に係る発明は、リモートシステムのカテゴリであるが、リモート操作方法、プログラムのカテゴリであっても同様の作用、効果を奏する。
第2の特徴に係る発明は、リモートシステムのカテゴリであるが、リモート操作方法、プログラムのカテゴリであっても同様の作用、効果を奏する。
【0017】
課題として、第1の特徴に係る発明において、コマンドを、単にサーバからユーザの端末に送信して実行する方法では、ユーザが操作方法を意識することなく、実行が完了してしまう。例えば、端末の設定に関するコマンドであれば、その設定操作方法を、ユーザが学習する機会はない。したがって、この場合、ユーザは、再度、同じような設定を行う際に、自らの操作で設定することができない。さらに、ユーザ端末に対して、一の設定を行うにも、いくつもの段階的な操作を経て、設定したい項目に到達できる場合がある。このような場合は、この段階的な操作の全てを理解しておかなくては、設定が完了できない。
【0020】
の特徴に係る発明は、第1または第2の特徴に係る発明であって、前記リモートサーバは、
前記端末から前記端末の画面情報に対応する画像ID、文字の少なくともいずれか一方を取得する画面情報取得モジュールと、
取得した前記画像ID、前記文字の少なくともいずれか一方に対応した画像を、前記リモート端末に表示する端末情報出力モジュールと、を備えるリモートシステムを提供する。
【0021】
の特徴に係る発明によれば、リモートサーバは、端末から、端末の画面情報に対応する画像ID、文字の少なくともいずれか一方を取得し、取得した画像ID、文字の少なくともいずれか一方に対応した画像を、リモート端末に表示する。
【0022】
したがって、リモートサーバは、端末の画面情報をリモート端末に表示させることが可能である。この際に、端末の画面情報そのものを送受信するのではなく、画像ID、文字の送受信により対応した画像の表示処理を行うので、端末とリモートサーバ間のデータ転送量を削減し、リモート操作時間のロスを回避することが可能である。いわば、リアルタイムな画面共有のシミュレーションをすることが可能となる。さらに、このデータ転送量を削減した状態で、端末に段階的に表示させたユーザインターフェースを、リモート端末側でも、この演出が行われているか否かを確認することが可能である。
【0023】
の特徴に係る発明は、リモートシステムのカテゴリであるが、リモート操作方法、プログラムのカテゴリであっても同様の作用、効果を奏する。
【0024】
の特徴に係る発明は、第の特徴に係る発明であって、前記画面情報取得モジュールが、前記端末の画面情報に対応する画像IDを取得できない場合は、前記端末から、取得できない画像IDに対応する画像そのものを取得し、
前記端末情報出力モジュールは、リモートサーバに予め記憶された雛形データと、前記端末から取得した画像を使用して、前記端末の画面情報に相当する画像を、前記リモート端末に表示するリモートシステムを提供する。
【0025】
の特徴に係る発明によれば、端末の画面情報に対応する画像IDを取得できない場合は、端末から取得できない画像IDに対応する画像そのものを取得し、リモートサーバに予め記憶された雛形データと、端末から取得した画像を使用して、端末の画面情報に相当する画像を、リモート端末に表示する。
【0026】
したがって、例えば、新しい端末で、画像IDがサポートサーバ100に登録されていない場合であっても、端末に表示されている画像そのものを取得して、リモート端末に表示することが可能である。
【0027】
の特徴に係る発明は、リモートシステムのカテゴリであるが、リモート操作方法、プログラムのカテゴリであっても同様の作用、効果を奏する。
【0028】
の特徴に係る発明は、第1または第2の特徴に係る発明であって、前記端末が、前記端末に表示されているスクリーンショットの画像データを、逐次、前記リモートサーバに送信する画面情報送信モジュールを備え、
前記リモートサーバが、送信された画像データを受信して、前記リモート端末に転送する画面情報転送モジュールを備え、リアルタイムで画面共有を行う準備が完了したタイミングで、前記画面情報送信モジュールと画面情報転送モジュールとを起動することで、前記コマンドによるリモート操作を停止し、前記リモート端末から前記端末に対してリアルタイムで画面共有を行うことでリモート操作を行うフルリモートシステムを実行し、前記コマンド送信モジュールの処理を停止するリモートシステムを提供する。
【0029】
の特徴に係る発明によれば、端末が、端末に表示されているスクリーンショットの画像データを、逐次、リモートサーバに送信し、リモートサーバが、送信された画像データを受信して、リモート端末に転送し、リアルタイムで画面共有を行う準備が完了したタイミングで、画面情報送信モジュールと画面情報転送モジュールによるフルリモートシステムに切替える。
【0030】
したがって、リモートシステムのデータ通信状況等に応じて、リアルタイムで画面共有を行うフルリモートシステムに切替えてリモートサービスを提供することが可能である。
【0031】
の特徴に係る発明は、リモートシステムのカテゴリであるが、リモート操作方法、プログラムのカテゴリであっても同様の作用、効果を奏する。
【0032】
の特徴に係る発明は、第1または第2の特徴に係る発明であって、前記操作受付モジュールは、予め対応付けられた禁止データに対するリモート操作または、禁止されたリモート操作を検知した場合は、前記リモート端末又は前記リモートサーバに、当該リモート操作を記憶するログ記憶モジュールをさらに備えるリモートシステムを提供する。
【0033】
の特徴に係る発明によれば、予め対応付けられた禁止データに対するリモート操作または、禁止されたリモート操作を検知した場合は、前記リモート端末又は前記リモートサーバに、当該リモート操作を記憶する。
【0034】
したがって、リモート操作により不正にデータを操作されたり、誤操作があった場合に、ログを記憶しておくことが可能である。
【0035】
の特徴に係る発明は、リモートシステムのカテゴリであるが、リモート操作方法、プログラムのカテゴリであっても同様の作用、効果を奏する。
【0037】
したがって、端末を所有するユーザは、以前に、段階的に表示されたユーザインターフェースを、再表示させることが可能である。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、ユーザにとって迅速にリモートサポートサービスを開始するとともに、リモート操作を即座に完了できることが可能なリモートシステム、リモート操作方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は、クイックリモートシステム1の構成図である。
図2図2は、サポートサーバ100、ユーザ端末10、サポート端末150の機能ブロック図である。
図3図3は、サポートサーバ100、ユーザ端末10、サポート端末150が実行するリモートサポート処理を示すフローチャート図である。
図4図4は、設定コマンド対応テーブルを示す図である。
図5図5は、ユーザ端末10が実行するユーザインターフェース演出処理を示すフローチャート図である。
図6図6は、サポート端末150に表示される画面イメージ図である。
図7図7は、ユーザ端末10に表示される画面イメージ図(基本設定画面)である。
図8図8は、ユーザ端末10に表示される画面イメージ図(サウンド設定画面)である。
図9図9は、ユーザ端末10が実行する画面情報分析処理を示すフローチャート図である。
図10図10は、画像ID対応テーブルを示す図である。
図11図11は、ユーザ端末10に表示される画面情報を説明する図である。
図12図12は、画像ID・文字対応テーブルを示す図である。
図13図13は、ユーザ端末10が実行するアイコン画像取得・はめ込み処理を示すフローチャート図である。
図14図14は、サポート端末150に表示される画面イメージ図(フルリモート切替メッセージ)である。
図15図15は、サポート端末150に表示される画面イメージ図(ログ記憶時のメッセージ)である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0042】
以下では、本発明の好適な実施形態として、クイックリモートシステムをリモートサポートシステムに適用した例について説明する。本発明において、ユーザ端末10に対してリモート操作することは、ユーザ端末10にサポートをリモートから行う用途で使用される場合について説明する。後述するサポートサーバは、一般的には、リモートサーバであってよい。サポート端末は、リモート端末であってよい。後述する設定コマンドは、設定に限定されない一般的なコマンドであってよい。サポート要求は、一般的には、リモート要求であってよい。
【0043】
[クイックリモートシステムのシステム構成]
図1は、本発明の好適な実施形態であるクイックリモートシステム1のシステム構成図である。クイックリモートシステム1は、ユーザ端末10a〜10c(以下、単に「10」とする)、サポートサーバ100、公衆回線網3(インターネット網や第3世代、第4世代通信網など)、サポート端末150から構成される。
【0044】
ユーザ端末10は、公衆回線網3を介して、サポートサーバ100と通信可能に接続されている。サポートサーバ100とサポート端末150は、LAN(Local Area Network)で接続されていてもよいし、公衆回線網3を介して接続されていてもよい。クイックリモートシステム1内の通信は、無線通信、有線通信を問わない。ユーザ端末10が公衆回線網3と接続するために、ルータ等のネットワーク機器を介して通信可能であってよい。
【0045】
ユーザ端末10は、ユーザがサポートを受けるための一般的な情報端末であってよく、後述する機能を備える情報機器や電化製品である。ユーザ端末10は、例えば、携帯電話、スマートフォン10b、複合型プリンタ、テレビ10a、ルータ又はゲートウェイ等のネットワーク機器、コンピュータ10cに加えて、冷蔵庫、洗濯機等の白物家電であってもよいし、電話機、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、電子辞書端末、携帯型音楽プレーヤ、携帯型コンテンツ再生・録画プレーヤ等の一般的な情報家電であってよい。
【0046】
サポート端末150は、ユーザ端末10に対してサポートを行うサポート者が使用する一般的な情報端末である。
【0047】
一般的に、リモートサポートは、サポート端末150からユーザ端末10に対してリアルタイムで画面共有を行って、リモート操作を行うことでサポートが行われる。すなわち、ユーザ端末10に表示されているスクリーンショットとなる画面情報が、サポート端末150に表示され、この画面情報に対して、サポート端末150からリモート操作することで、このリモート操作が直接、ユーザ端末10に反映される。このリモートシステムは、後述するフルリモートシステムに対応する。しかし、クイックリモートシステム1(適宜、以下、「クイックリモート」)では、このリアルタイムで画面共有によるリモート操作を行わないリモートシステムである。
【0048】
[各機能の説明]
図2は、サポート端末150、サポートサーバ100、ユーザ端末10の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
【0049】
ユーザ端末10及びサポート端末150は、制御部として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える(有線によるLAN接続であってもよい)。
【0050】
さらに、ユーザ端末10及びサポート端末150は、出力・入力部として、制御部で制御したデータや画像を出力表示する表示部を備え、かつ、ユーザやサポート者からの入力を受付けるタッチパネルやキーボード、マウス等を備える。加えて、ユーザ端末10及びサポート端末150は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリによる、データのストレージ部を備える。
【0051】
ユーザ端末10において、制御部がアプリケーション層の所定のプログラムを読み込むことで、通信部、出力・入力部、記憶部と協働して、データ送信モジュール11、画面情報送信モジュール12、演出モジュール13、コマンド実行モジュール14、再表示モジュール15、画面情報分析モジュール17を実現する。ユーザ端末10の記憶部の一部が、演出画像ストレージ16を実現する。各モジュールの具体的な機能については、図3に基づいて説明する。
【0052】
サポート端末150において、制御部が所定のアプリケーション層の所定のプログラムを読み込むことで、通信部、出力・入力部、記憶部と協働して、端末情報表示モジュール151、設定操作受付モジュール152とを実現する。各モジュールの具体的な機能については、図3に基づいて説明する。
【0053】
サポートサーバ100は、制御部として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイスを備える(有線であってもよい)。加えて、サポートサーバ100は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリによる、データのストレージ部を備える。
【0054】
サポートサーバ100の制御部が所定のアプリケーション層の所定のプログラムを読み込むことで、通信部、記憶部と協働して、データ取得モジュール101、画面情報取得モジュール102、端末情報出力モジュール103、コマンド送信モジュール104、登録モジュール105、ログ記憶モジュール106を実現する。各モジュールの機能については、以下で説明する。
【0055】
[リモートサポート処理]
図3は、ユーザ端末10、サポートサーバ100、サポート端末150が実行するリモートサポート処理のフローチャートである。
【0056】
ユーザ端末10は、ユーザからサポートを要求する操作を受付ける(ステップS01)。ユーザ端末10には、リモートサポートを受けるためのアプリケーションがインストールされており、例えば、このアプリケーションを起動する操作をユーザから受付ける。
【0057】
ユーザ端末10が、ユーザからサポートを要求する操作を受付けた場合(ステップS01:「YES」)には、ユーザ端末10は、サポートサーバ100に接続して、サポート要求があった旨をサポートサーバ100に通知して、ステップS02に処理を移す。ユーザ端末10が、ユーザからサポートを要求する操作を受付けない場合(ステップS01:「NO」)は、ステップS01の処理をループする。
【0058】
次に、サポートサーバ100のデータ取得モジュール101は、ユーザ端末10の設定情報の取得を要求する(ステップS02)。
【0059】
設定情報とは、ユーザ端末10にハードウェアとして設定されているデータ及び、ソフトウェアとして設定されているデータである。サポートサーバ100は、ユーザ端末10に記憶されている全ての設定情報を取得要求しなくてよく、サポートサーバ100が取得する設定情報は、ユーザ端末10の機種ごとに、サポートサーバ100に予め定められていてよい。一例として、図6に示すように、サポート端末150に表示されるサポート画面155では、サウンド設定のマナーモードの設定が「有効」であったり、着信音量が「29」であることが、ソフトウェアとして設定される設定情報である。なお、設定情報に加えて、図6に示す、お客様情報(電話番号、端末のモデル名、ネットワーク)を取得要求してもよい。
【0060】
この要求に応じて、ユーザ端末10のデータ送信モジュール11は、サポートサーバ100に要求された設定情報を送信する(ステップS03)。
【0061】
サポートサーバ100のデータ取得モジュール101は、ユーザ端末10から送信された設定情報を受信し、取得する(ステップS04)。サポートサーバ100は、任意のサポート端末150を選択して、サポート要求があった旨と、そのユーザ端末10の設定情報を取得したことを、選択したサポート端末150に通知する。
【0062】
この通知に応じて、選択されたサポート端末150の端末情報表示モジュール151は、サポート者から操作に応じて、サポートサーバ100にアクセスすることで、サポートサーバ100の端末情報出力モジュール103が、設定情報をサポート端末150に表示させる(ステップS05)。一例として、図6に示すようなサポート画面155がサポート端末150に表示される。
【0063】
次に、サポート端末150の設定操作受付モジュール152は、ユーザからのサポート要求に対する解決策となる設定操作(リモート操作)をサポート者から受付ける(ステップS06)。サポート者から設定操作を受付けた場合(ステップS06:「YES」)には、その設定操作をサポートサーバ100に送信し、ステップS07に移行する。サポート者から設定操作を受付けない場合(ステップS06:「NO」)は、サポート者からの入力待ちとなり、ステップS06をループする。
【0064】
サポートサーバ100のコマンド送信モジュール104は、サポート端末150からの設定操作を受信すると、その設定操作に対応する設定コマンドを生成し(ステップS07)、生成した設定コマンドをユーザ端末10に送信する(ステップS08)。その後、ステップS09に処理を移す。
【0065】
設定コマンドとは、サポートサーバ100が、サポートの要求をした設定を、ユーザ端末10に対して行わせるコマンドである。例えば、ユーザ端末10のサウンド設定が、所定のコンフィグレーションファイルに記述されることで設定されている場合には、このコンフィグレーションファイルをユーザが望む設定に更新することで、サウンド設定が変更される。この際に、サポートサーバ100が、所定のコマンドを送信して、ユーザ端末10に記憶されているコンフィグレーションファイルを入れ替えたり、記述を変更する。ここで送信した所定のコマンドが、設定コマンドである。
【0066】
図4の設定コマンド対応テーブルに示すように、サポート端末150から受付けた設定操作と、生成する設定コマンドは、予め対応付けられてサポートサーバ100に記憶されている。設定コマンドは、設定コマンド対応テーブル内のコマンドそのものであってもよいが、サポート端末150から入力された文字、数値を設定コマンド対応テーブル内のコマンドに含めて、設定コマンドを生成してもよい。図4の例では、設定操作が「音量変更操作」であって、着信音量変更を「音量15」に設定する操作である。この場合に対応する設定コマンドは、着信音量コマンド1である。
【0067】
次に、サポートサーバ100は、設定演出データをユーザ端末10に送信する(ステップS09)。ユーザ端末10の演出モジュール13は、サポートサーバ100から送信された設定演出データを受信し、受信した設定演出データを演出画像ストレージ16に記憶し、ユーザインターフェースの演出処理を実行する(ステップS10)。
【0068】
設定演出データとは、サポート要求した設定を、ユーザが自らユーザ端末10を操作して設定する際に、ユーザ端末10に段階的に表示されるユーザインターフェースに関するデータである。すなわち、設定演出データは、このユーザインターフェースを、ユーザ端末10に段階的に表示するシナリオデータと、このシナリオデータを実行させるためのコマンドから構成される。
【0069】
シナリオデータとは、ユーザがサポート要求した設定を、自らユーザ端末10を操作して設定するために、ユーザ端末10に表示するユーザインターフェースについて、どのユーザインターフェースを、どの順番で表示し、どのような操作で次のユーザインターフェースに移行するかといった取り決めを定めたデータである。図4の例では、設定演出データは、着信音量シナリオ1であって、最初に、設定ウィンドウを表示し、次に、サウンド設定の選択表示をして・・というシナリオで構成されている。設定演出データは、このシナリオデータを、ユーザ端末10に実行させるためのコマンドを含む。
【0070】
設定演出データは、図4の設定コマンド対応テーブルのように、設定操作、設定コマンドと予め対応付けられている。したがって、サポートサーバ100は、設定操作、設定コマンドが決定すれば、設定演出データも決定する。図4の例では、設定コマンド「着信音量コマンド1」に対応する設定演出データは、「着信音量シナリオ1」である。
【0071】
次に、ユーザ端末10のコマンド実行モジュール14は、サポートサーバ100から受信した設定コマンドを実行する(ステップS11)。すなわち、コマンド実行モジュール14は、サポートサーバ100から受信した設定コマンドを実行することで、サポート要求した項目を実際に設定させることができる。例えば、先の例では、ユーザ端末10の着信音量を音量15に設定することが可能である。
【0072】
このように、クイックリモートシステム1では、リモートログイン等によりリモート操作そのものに関する操作データを扱うのではなく、リモート操作に対応するコマンドを利用することで、迅速にサポート端末150からのリモート操作を行うことが可能となる。
【0073】
[ユーザインターフェースの演出処理]
図5図7図8に基づいて、ユーザ端末10の演出モジュール13が実行し、上述のステップS10に対応するユーザインターフェースの演出処理について説明する。最初に、演出モジュール13は、ユーザ端末10の表示部に、サポート要求した設定のユーザインターフェースの演出が始まるメッセージを表示し、演出を開始してよいかの操作を受付ける。このユーザからの演出開始の操作に応じて、ステップS30の処理を開始する。
【0074】
演出モジュール13は、設定演出データのシナリオデータに基づいて、ユーザインターフェースの演出処理を実行する。図5のシナリオデータは、ユーザ端末10の着信音量を設定するシナリオである。このシナリオは、三段階の画面表示(基本設定画面、サウンド設定画面、着信音設定画面)で構成されている。この例のように、シナリオが必ずしも三段階で構成されるというものではなく、その設定が完了するまで必要な画面構成数が段階数となる。この例では、最初に、ユーザ端末10の表示部に「着信音量を設定するデモを行ないます。画面をタップしてください。」等のメッセージが表示されてもよい。
【0075】
最初に、演出モジュール13は、基本設定画面の表示を行う(ステップS30)。基本設定画面とは、図7に示すような画面であって、ユーザ端末10の通信設定(無線とネットワーク)、サウンド設定、メール設定、アプリケーション設定・・など、ユーザ端末10の基本的な設定を行う画面である。ここで、基本設定画面において、ユーザがこの画面で操作すべき項目を強調表示してもよい。すなわち、図7に示すように、この場合、シナリオが「着信音量の設定」であるので、次にユーザが操作すべきアイコンとして、サウンド設定54の項目を強調表示してよい。
【0076】
次に、演出モジュール13は、ユーザからの操作待ちとなる(ステップS31)。例えば、図7に示す、次へアイコン55を操作した場合(ステップS31:「YES」)には、次の段階のユーザインターフェースを表示するために、ステップS32に移行する。次へアイコン55を操作するまで(ステップS31:「NO」)は、本処理の処理待ちとなる。
【0077】
次に、第2段階として、演出モジュール13は、サウンド設定画面を表示する(ステップS32)。サウンド設定画面とは、図8に示すようなユーザ端末10のサウンド関連を設定する画面である。通常、ユーザがユーザ端末10に対して、基本設定画面で、サウンド設定の項目を選択操作すると、サウンド設定画面が表示される。このサウンド設定画面においても、ユーザがこの画面で操作すべき項目を強調表示してもよい。すなわち、図8に示すように、この場合、シナリオが「着信音量の設定」であるので、次にユーザが操作すべきアイコンとして、電話着信音57の項目を強調表示してよい。
【0078】
次に、同様に、演出モジュール13は、ユーザからの操作待ちとなる(ステップS33)。例えば、図8に示す、次へアイコン56を操作した場合(ステップS33:「YES」)には、次の段階のユーザインターフェースを表示するために、ステップS34に移行する。次へアイコン55を操作するまで(ステップS33:「NO」)は、本処理の処理待ちとなる。
【0079】
次に、第3段階として、演出モジュール13は、電話着信音設定画面を表示する(ステップS34)。電話着信音設定画面は、電話着信音を設定するための画面である。図示しないが、通常、この画面を操作することで、ユーザはユーザ端末10の着信音量を変更できる。ここでは、実際に、ユーザ端末10の着信音量を変更設定しないが、変更するためのユーザインターフェースは、変更完了となるまで演出表示する。
【0080】
なお、ステップS31、S33では、ユーザからの操作を受信するか否かにより、次のステップに移行しているが、例えば、ユーザからの操作を受信せずに、所定時間経過したら、次のステップに移行してもよい。
【0081】
[設定演出データの再表示]
上述のように、設定コマンドがサポートサーバ100から送信され、ユーザ端末10に設定が実行されるタイミングのみで、設定演出データがユーザ端末10に表示されるのではなく、一度、受信した設定演出データは、演出画像ストレージに記憶され、ユーザからの任意の表示要求に応じて、再表示可能に構成されてよい。この場合は、再表示モジュール15が、ユーザから再表示を要求する操作を受付けて、演出画像ストレージに記憶された設定演出データを読み出し、段階的に表示したユーザインターフェースを再表示する。
【0082】
[画面情報分析処理]
一方、リモートサポート処理のステップS02からステップS05までの処理に並行して、ユーザ端末10は、図9の画面情報分析処理を実行する。すなわち、ステップS01と同様に、ユーザ端末10は、サポート要求があったと判断した場合(ステップS20:「YES」)は、ステップS21に処理を移す。サポート要求があるまでは、ステップS01と同様に処理待ちとなる(ステップS20:「NO」)。
【0083】
画面情報とは、原則的には、ユーザ端末10に表示されている画面イメージ全体である。例えば、ユーザ端末10の表示部の領域を越えて、画面イメージが存在する場合(ユーザ端末10の画面をスクロールすると表示される領域が存在する場合)には、表示部の領域を超えた部分を含む。
【0084】
ユーザ端末10の画面情報分析モジュール17は、現在、ユーザ端末10の表示部に表示されている画像及び文字の分析を行う(ステップS21)。画面情報分析モジュール17は、最初に、表示部に表示されている文字を抽出する。
【0085】
一方、ユーザ端末10には、図10に示す画像ID対応テーブルが予め記憶されている。すなわち、画像ID対応テーブルは、ユーザ端末10の表示部に表示されるアイコン画像が画像IDとともに対応づけられたテーブルである。この画像ID対応テーブルを参照して、画面情報分析モジュール17は、現在、表示部に表示されている画像のうち、画像IDに対応するアイコン画像があるか否かを判断する。この結果、画面情報分析モジュール17は、抽出された文字と、画面上に存在したアイコン画像に対応する画像IDを決定する(ステップS22)。
【0086】
なお、画像ID対応テーブルは、サポートサーバ100にのみ記憶されていて、画面情報分析処理が開始すると、ユーザ端末10がサポートサーバ100からダウンロードして、ユーザ端末10に記憶してもよい。
【0087】
次に、画面情報送信モジュール12は、決定した画像IDと文字を、サポートサーバ100に送信する(ステップS23)。
【0088】
一例として、ユーザ端末10の表示部に、図11の画面情報62が表示されている場合で上述の処理を説明する。画面情報分析モジュール17は、文字を検索することで、「設定」、「無線とネットワーク」、「サウンド設定」を抽出する。そして、図10に示す、画像ID対応テーブルを参照して、画像ID「001」、「002」が対応するアイコン画像が存在すると判断する。したがって、文字「設定」、「無線とネットワーク」、「サウンド設定」を決定し、画像ID「001」、「002」を決定し、これらのデータをサポートサーバ100に送信する。
【0089】
一方、サポートサーバ100の画面情報取得モジュール102は、図12示す、画像ID・文字対応テーブルを参照して、取得した画像ID及び文字に対応する対応画像データを決定する。上記の例の場合では、文字「設定」、「無線とネットワーク」、「サウンド設定」を決定し、画像ID「001」、「002」では、対応画像データは、「Sound1.png」になる。
【0090】
対応画像データは、原則的には、ユーザ端末10に表示されている画面イメージ全体に対応する画像データである。例えば、ユーザ端末10の表示部の領域を越えて、画面イメージが存在する場合(ユーザ端末10の画面をスクロールすると表示される領域が存在する場合)には、表示部の領域を超えた部分を含む画像データである。
【0091】
サポートサーバ100の端末情報出力モジュール103は、サポート端末150からの要求に応じて、決定した対応画像データをサポート端末150に表示する。図6の例に示すように、サポート端末150には、ユーザ画面イメージ158の箇所に、ユーザ端末10に表示されている画面情報62と同じ画像が表示されている。したがって、サポート者は、ユーザが視認している画面情報を把握することが可能である。
【0092】
なお、画面情報分析処理は、ステップS20において、サポート要求があったタイミングで始動するが、ユーザ端末10の表示部に表示される画面情報が更新されるたびに、ステップS21からステップS23が実行される。これにより、常に、サポート端末150に、ユーザ端末10に表示さている画面情報と同じ画像が表示される。
【0093】
なお、ユーザ端末10に記憶される画像ID対応テーブルと、画像ID・文字対応テーブルは、ユーザ端末10の機種毎に異なるテーブルが設けられている。すなわち、リモートサポート処理のステップS04の設定情報において、サポートサーバ100は、ユーザ端末10の機種名を取得しておく。そして、この取得した機種名に基づいて、画像ID・文字対応テーブルを参照して、対応画像データを決定する。
【0094】
なお、上述の説明では、文字と画像IDとの両方で、一つの対応画像データが決定されているが、文字と画像IDのどちらか一方で、一つの対応画像データが決定されてもよい。
【0095】
なお、サポート端末150にユーザ端末10の画面情報を表示するにあたり、上述のような画像IDによる表示方法に限られず、リアルタイムな画面共有により、逐次、ユーザ端末10に表示されている画像データをサポート端末150に送信して、サポート端末150に表示してもよい。つまり、リモート操作は、コマンドにより擬似的に行われるため、後述するフルリモートではないが、ユーザ端末10の画面のみをサポート端末150が共有してよい。
【0096】
[アイコン画像取得・はめ込み処理]
サポートサーバ100に対応画像データが記憶されていない場合は、サポート端末150にユーザ端末10に表示されている画面情報を表示することができない。また、画像ID対応テーブルに存在しないアイコン画像がユーザ端末10に表示されている場合も、ユーザ端末10に表示されている画面情報をサポート端末150に表示することができない。そこで、以下の説明では、仮に、対応画像データがサポートサーバ100に記憶されていなかったり、画像IDに登録されていないアイコン画像がユーザ端末10に表示されていても、サポート端末150に画面情報を表示する方法について、図13を参照して説明する。
【0097】
ユーザ端末10は、画面情報分析処理のステップS22において、画像IDが決定できない場合がある。また、画像IDは決定できるが、画像ID・文字列対応テーブル内に、その決定した画像IDと文字に対応した項目がなく、対応画像データが存在しない場合がある。これらの場合は、ステップS41において、サポートサーバ100の画面情報取得モジュール102は、ユーザ端末10の画面情報を構成するアイコン画像、文字をユーザ端末10から取得する。ここでの画像とは、ユーザ端末10の画面上に存在する上述のアイコン画像(例えば、図11のアイコン画像63、64)である。
【0098】
サポートサーバ100の端末情報出力モジュール103は、ユーザ端末10から取得したアイコン画像と文字に基づいて、このアイコン画像と文字を、雛形データにはめ込む(ステップS42)。ここで、雛形データは、予めサポートサーバ100に記憶されたデータであって、ユーザ端末10に表示する画面情報のうち、アイコン画像と文字を抜いた背景データである。そして、このアイコン画像と文字が雛形データに、はめ込まれたデータをサポート端末150に送信する(ステップS43)。サポート端末150は、このはめ込みデータを受信して、ユーザ端末10の擬似的な画面情報として表示する。
【0099】
最後に、サポートサーバ100の登録モジュール105は、今回、ユーザ端末10から取得したアイコン画像に新たな画像IDを付して、機種名を判断するためのデータと対応づけて登録する(ステップS44)(機種名を判断するデータの取得については、後述する)。これにより、今まで登録されていなかったアイコン画像と画像IDを加えることで、画像ID対応テーブルを更新することが可能である。なお、はめ込まれたデータを、対応画像データとしてもよい。
【0100】
なお、画像の取得に時間がかかる場合は、スピードを優先して、文字のみをユーザ端末10から取得して、雛型データにはめ込んでもよい。これであっても、文字によりユーザ端末10に表示されている画面情報を、サポート者は推測することが可能である。
【0101】
なお、仮に、ユーザ端末10が新しい機種の場合には、サポートサーバ100に図12の画像ID・文字対応テーブルにおける、対応画像データが記憶されていないため、サポート端末150にユーザ端末10に表示されている画面情報を表示することができない。そこで、以下の説明では、仮に、対応画像データがサポートサーバ100に記憶されていなくても、画面情報を表示する方法について説明する。
【0102】
リモートサポート処理の設定情報の取得において、サポートサーバ100のデータ取得モジュール101は、ユーザ端末10の機種名を判断するためのデータを取得する。機種名を判断するためのデータとは、型番、MACアドレス、SIM(Subscriber Identity Module Card)カードのID番号、電話番号等であってよい。そして、取得した機種名を判断するためのデータに基づいて、この機種が、サポートサーバ100に登録されている機種か否かを判断する(ステップS40)。登録されている場合(ステップS40:「YES」)は、上述の処理を実行する。これに対して、登録されていない場合(ステップS40:「NO」)は、ステップS41以降を実行する。ステップS40は、図3に図示していない。ステップS41からの処理は、図3と同様である。
【0103】
ステップS44において、サポートサーバ100の登録モジュール105は、今回、ユーザ端末10から取得したアイコン画像に対して画像IDを付与し、このアイコン画像と画像IDを、機種名を判断するためのデータと対応づけて登録する。これにより、画像ID対応テーブルを更新できるとともに、次回は、新しい機種名ではなくなり、かつ、画像IDが付与されていることで、アイコン画像そのものの送受信ではなく、画像IDでの処理により、より高速に処理を行うことが可能になる。
【0104】
[フルリモートシステムとの切替え処理]
図3で説明したリモートサポート処理(クイックリモート)は、設定コマンドの使用と、画像IDの使用により、データ転送処理の負荷が少なく、高速にサポート処理を行うことが可能となる。しかし、サポート者側の要請として、ユーザ端末10に表示されている画面情報を直接、サポート端末150にて閲覧することができて、かつ、直接、その画面に対してリモート操作ができるフルリモートを行いたいという要望がある。
【0105】
フルリモートシステムとは、端末間で、逐次、画面共有を行ってリモートサービスが行われるリモートシステムである。すなわち、ユーザ端末10に表示されている画面のスクリーンショットを常時、サポート端末150に送信して表示する。そして、サポート端末150からのリモート操作入力が、逐次、ユーザ端末10の操作入力として反映される。この場合は、サポート者が直接的に、ユーザ端末10に対して行った操作を確認できるという点で、利便性が向上するが、ユーザ端末10に表示される画面情報のスクリーンショットを、逐次、サポート端末150に表示させ、かつ、表示された画面に対するリモート操作を反映させる必要があるため、サポートサーバ100を含め、システム全体の処理量の負荷が上がるとともに、データの転送量が多くなるという課題がある。
【0106】
そこで、リモートサポートを開始した段階では、クイックリモートを使用し、ユーザ端末10に対するリモートサポート処理を迅速に開始しておき、その後、フルリモートの準備ができた時点で、クイックリモートからフルリモートに切替える。この処理について、以下で説明する。
【0107】
フルリモートシステムを実行するために、ユーザ端末10は、ユーザ端末10の画面に表示されているスクリーンショットの画像データを、逐次、サポートサーバ100に送信する画面情報送信モジュール18を備える。一方、サポートサーバ100は、ユーザ端末10から送信された画像データを受信して、サポート端末150に転送する画面情報転送モジュール107を備える。
【0108】
図3のリモートサポート処理において、ユーザ端末10は、ステップS01において、ユーザからサポート要求を受けると、画面情報送信モジュール18が起動する。一方、サポートサーバ100は、サポート要求があった旨の通知をユーザ端末10から受けると、ステップS02からの処理を実行するとともに、画面情報転送モジュール107が起動する。
【0109】
画面情報転送モジュール107は、起動しても実際に、画面情報送信モジュール18から画像データを受信しないと、サポート端末150に画像を転送できない。また、仮に、画面情報転送モジュール107が、画像データをユーザ端末10から受信しても、ユーザ端末10から、画像データが、逐次、送られてくるため、受信した画像データをサポート端末に転送できなくては快適なフルリモートサービスを提供できない。したがって、画面情報転送モジュール107は、ユーザ端末10から画像データを受信し、かつ、サポート端末150に画像データを送信することが可能であり、かつ、サポート端末150が受信した画像データを逐次、表示しているか否かを確認する。また、ユーザ端末10とサポートサーバ100とサポート端末150との通信帯域が所定容量を確保できたタイミングで、準備が完了したとしてもよい。
【0110】
このような確認を行うために、フルリモートサービスの開始には時間がかかる場合が多い。ここで、図3で説明したクイックリモートは、このような準備に時間がかからないことが多いため、一般には、リモートサポートがフルリモートよりも先に開始される。
【0111】
クイックリモートによるリモートサポートが開始された後の、所定のタイミングで、クイックリモートを停止して、フルリモートによりリモートサービスを行う。この所定のタイミングとは、上述した準備が完了したタイミングであってよい。すなわち、フルリモートの準備ができたタイミングで、自動的に、クイックリモートで使用するコマンド送信モジュール104が停止する。そして、ユーザ端末10とサポート端末150とでリアルタイムで画面共有が始まり、サポート端末150のユーザ画面イメージ158に、共有されたユーザ端末10の画面が表示される。リモート操作についても、フルリモートによる操作受付が開始する。図14に示すように、フルリモートに切替えたことを、サポート者に知らせるメッセージを表示してもよい。
【0112】
例えば、通信帯域の容量が充分である際に、クイックリモートからフルリモートに自動的に切替えて、ユーザ端末10が移動した等の事情で、その後、通信帯域の容量に余裕がなくなった際に、フルリモートからクイックリモートに切替えてもよい。
【0113】
[個人情報に対する操作のログ記憶処理]
ユーザ端末10には、アドレス帳等の個人情報や、仕事上の営業秘密等のデータが記憶されている。したがって、リモートサポート処理において、サポート端末150からユーザ端末10に対するリモート操作により、この個人情報や営業秘密のデータが不正に操作される場合がある。また、意図的ではなくても、サポート者が操作を間違うことにより、ユーザ端末10に記憶された、アプリケーションやデータを削除してしまうことがある。
【0114】
そこで、予めサポート端末150でユーザ端末10に対する操作を禁止するデータ(アドレス帳等を拡張子で識別する等)や、禁止する操作の項目(データの「削除」の操作は許容しない等)をサポートサーバ100もしくはサポート端末150に記憶しておく。そして、サポート者が禁止されているデータに対する操作(閲覧、編集)をした場合や、禁止されている操作を行った場合は、サポートサーバ100又はサポート端末150がこれを検知し、サポートサーバ100又はサポート端末150のログ記憶モジュール153が、当該操作をログとして記憶する。なお、図15に示すように、禁止する行為(アドレス帳713を閲覧している)が行われた場合に、サポート端末150に、警告メッセージ712を表示してもよい。
【0115】
なお、クイックリモートの場合は、上記の禁止する操作が行われた場合には、ログの記憶とともに、設定コマンド(設定に限定されないコマンド)の生成(ステップS07)をしないで、操作に基づくコマンド操作をしないことが効果的である。
【0116】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0117】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0118】
1 クイックリモートシステム、3 公衆回線網、10 ユーザ端末、100 サポートサーバ、150 サポート端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15