【実施例】
【0056】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
1 (メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体の製造
[参考製造例1]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:31:27:40
(注1)IPA 関東化学株式会社製
(注2)V−601 和光純薬工業株式会社製
(注3)X−24−8201 信越化学工業社製
(注4)EA 関東化学株式会社社製
(注5)HEMA 関東化学株式会社社製
(注6)MAPTAC エボニック・デグサ・ジャパン株式会社製,50%水溶液
【0057】
[参考製造例2]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−22−174DX)(注7)40g、エチルアクリレート(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)170gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を90g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−22−174DX=2:31:27:40
(注7)X−22−174DX 信越化学工業社製
【0058】
[参考製造例3]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−22−174ASX)(注8)40g、エチルアクリレート(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を83g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−22−174ASX=2:31:27:40
(注8)X−22−174ASX 信越化学工業社製
【0059】
[参考製造例4]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40.4g、エチルアクリレート(注4)27.3g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)31.3g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:27.3:31.3:40.4
【0060】
[参考製造例5]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(注4)26g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)30g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)8g、イソプロパノール(注1)120gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を83g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=4:26:30:40
【0061】
[参考製造例6]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)20g、エチルアクリレート(注4)41.5g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)36.5g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:41.5:36.5:20
【0062】
[参考製造例7]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)50g、エチルアクリレート(注4)23g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)25g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)100gを3〜4時間かけて添加した。次いで、IPAに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を96g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:23:25:50
【0063】
[参考製造例8]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド(DADMAC)(注9)3.34g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
DADMAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:31:27:40
(注9)DADMAC 東京化成工業株式会社製,60%水溶液
【0064】
[参考製造例9]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)30g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)6g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を89g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=3:30:27:40
【0065】
[参考製造例10]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)35g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)6g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=3:35:32:30
【0066】
[参考製造例11]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)36g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:36:32:30
【0067】
[参考製造例12]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)37g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を90g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、10℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:37:32:30
【0068】
[参考製造例13]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−22−174DX)(注7)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)36g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−22−174DX=2:36:32:30
【0069】
[参考製造例14]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)16g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)42g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を91g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、30℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:16.2:42.4:40.4
【0070】
[参考製造例15]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)27g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)31g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、15℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:27.3:31.3:40.4
【0071】
[参考製造例16]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)20.2g、エチルアクリレート(EA)(注4)65.7g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)13.1g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、−10℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:65.7:13.1:20.2
【0072】
実施例1〜8及び比較例1〜5:ヘアミルク
下記表1、2に示すヘアミルクを下記製造方法により調整し、(イ)しなやかさ、(ロ)ハリコシ感、(ハ)しっとり感、(ニ)まとまり感の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を合わせて表1、2に示した。
【0073】
【表1】
【0074】
(※1)ハイコール K−350(カネダ社製)
(※2)シリコン KF−56(信越化学工業社製)
(※3)GENAMIN STAC(クラリアント・ジャパン社製)
(※4)BY22−050A(東レ・ダウコーニング社製)
(※5)SM8904 Cosmetic Emulsion(東レ・ダウコーニング社製)
(※6)SILSTYLE 401(東レ・ダウコーニング社製)
(※7)シリコン KF−96−10CS(信越化学工業社製)
(※8)KF−96−3000cs(信越化学工業社製)
(※9)FZ−4188(東レ・ダウコーニング社製)
【0075】
【表2】
【0076】
(製造方法)
A:成分1〜11を70℃に加熱し、均一に溶解する。
B:成分12〜14を均一溶解する。
C:AにBを添加し、混合乳化する。
D:成分19、20を均一溶解する。
E:CにD、成分15〜18、21、22を添加し、混合する。
F:上記乳化物をディスペンサー容器に充填し、乳液状ヘアトリートメントを得た。
【0077】
〔評価項目(イ)〜(ニ)の評価方法〕
化粧品評価専門パネル10名に、実施例及び比較例のヘアミルクを、洗髪後、タオルドライした髪に使用してもらい、その後ドライヤーで十分に乾燥させ、(イ)しなやかさ、(ロ)ハリコシ感、(ハ)しっとり感、(ニ)まとまり感の各項目について、各自が以下の評価基準(I)に従って5段階に官能評価し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準(II)に従って判定した。
(イ)しなやかさは毛髪を3本の指で挟んで、力を入れたときに毛髪が押し返してくる応力及び毛髪から指をはずした時の毛髪の戻り具合を評価し、(ロ)ハリコシ感は頭頂部で毛髪を左右に分けた際の分け目部分の毛髪を手で軽く押しつけた場合の毛髪の戻り具合(弾力性)を目視にて評価し、(ハ)しっとり感は仕上がりの手触り(感触)にて評価し、(ニ)まとまり感については、ブラッシングをしない際での毛髪全体のまとまり感を外観にて評価してもらった。
【0078】
評価基準(I)
[評価結果] :[評点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
評価基準(II)
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 : ◎
3.5以上4.5未満 : ○
1.5以上3.5未満 : △
1.5未満 : ×
【0079】
表1、2の結果から明らかなように、実施例1〜8のヘアミルクは、比較例1〜5と比べ、各成分の特性が十二分に発揮されるため、全ての評価項目において優れた結果であった。
一方、成分(A)の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を含有しない比較例1は、成分(B)の25℃における粘度が1000mPa・s以上のジメチルポリシロキサンの効果に大きく依存してしまうため、毛髪にしなやかさとしっとり感は出るものの、ハリコシ感は一切感じられないものであった。また成分(B)を含有しない比較例2は、成分(A)の効果に大きく依存してしまうため、しなやかさ、しっとり感とまとまり感に欠けるものであった。成分(B)の代わりにアモジメチコンを含有した比較例3は、ハリコシ感の向上が見られるものの、まとまり感に欠け、しなやかさも満足いくものではなかった。成分(B)の代わりに(ビスブチロキシアモジメチコン/PEG−60)コポリマーを含有した比較例4は、まとまり感に欠け、しなやかさも満足いくものではなかった。成分(B)の代わりに25℃における粘度が1000mPa・s未満のジメチルポリシロキサン(10mPa・s)を含有した比較例5は、しなやかさの向上が見られたが、しっとり感とまとまり感では満足いくものではなかった。
【0080】
実施例9:ヘアクリーム
(成分) (%)
1.モノステアリン酸グリセリル 3.5
2.モノステアリン酸ポリオキシエチレン(40モル) 2.0
3.ホホバ油 3.0
4.ワセリン 8.0
5.α−オレフィンオリゴマー(※10) 5.0
6.ジメチルポリシロキサン(※11) 1.0
7.セトステアリルアルコール 2.0
8.ベヘニルアルコール 2.0
9.ジメチルポリシロキサン(25℃での粘度
:100万mPa・s)55%溶液(※4) 3.0
10.1,3ブチレングリコール 5.0
11.キサンタンガム 0.1
12.精製水 残 量
13.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル
・ベヘニル・オクチルドデシル)(※12) 0.5
14.エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05
15.安息香酸ナトリウム 0.02
16.香料 0.01
17.参考製造例1の(メタ)アクリル
シリコーン系グラフト共重体 0.6
18.エタノール 5
(※10)SILKFLO 364NF(LIPO CHEMICALS INK社製)
(※11)シリコンKF−96(20CS)(信越化学工業社製)
(※12)エルデュウCL−301(味の素社製)
【0081】
(製造方法)
A:成分1〜9、13を70℃で加熱溶解する。
B:成分10〜12、14を70℃で加熱均一混合後、Aに添加し、乳化する。
C:成分17、18を均一混合する。
D:Bを室温まで冷却後、成分15、16、Cを添加し、水中油型アイクリームを得た。
【0082】
実施例9のヘアミルクは「しなやかさ」、「ハリコシ感」、「しっとり感」、「まとまり感」の全ての項目に優れたヘアクリームであった。
【0083】
実施例10:乳液状ヘアトリートメント
(成分) (%)
1.イソステアリン酸ポリオキシエチレン
(40モル)硬化ひまし油 0.5
2.セトステアリルアルコール 0.5
3.ベヘニルアルコール 0.2
4.ステアリルジメチコン(※13) 5
5.プロピレングリコール 10
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
7.椿油 0.1
8.塩化アルキルトリメチルアンモニウム液(80%)(※14) 0.3
9.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジオクチル
ドデシル(※15) 0.3
10.N−ラウロイルサイコシンイソプロピル(※16) 0.3
11.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム80%混合物 0.3
12.精製水 残 量
13.ヒドロキシエチルセルロース(※17) 0.1
14.参考製造例11の(メタ)アクリル
シリコーン系グラフト共重体 0.5
15.エタノール 4
16.魚由来コラーゲン 0.5
17.N−アセチル−L−グルタミン 0.1
18.香料 0.1
19.ジメチルポリシロキサン(25℃での粘度
:10万mPa・s)30%溶液(※9) 4.0
(※13)DC2503(DN)(東レ・ダウコーニング社製)
(※14)アーカード 22−80(ライオン・アクゾ社製)
(※15)アミテルLGOD(日本エマルジョン社製)
(※16)エルデュウSL−205(味の素社製)
(※17)NATROSOL250HHR(ハークレス社製)
【0084】
(製造方法)
A:成分1〜11を70℃に加熱し、均一に溶解する。
B:成分12〜13、16〜17を均一溶解する。
C:成分14〜15を均一溶解する。
D:AにBを添加し、混合乳化する。
E:DにC、成分18、19を添加し混合する。
F:上記乳化物をチューブ容器に充填し、乳液状ヘアトリートメントを得た。
【0085】
実施例10の乳液状ヘアトリートメントは、「しなやかさ」、「ハリコシ感」、「しっとり感」、「まとまり感」の全ての項目に優れた乳液状ヘアトリートメントであった。
【0086】
実施例11:ヘアスタイリングジェル
(成分) (%)
1.ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.5
2.カルボキシビニルポリマー 0.5
3.精製水 残 量
4.水酸化ナトリウム 0.1
5.精製水 5.0
6.エタノール 15
7.プロピレングリコール 3.0
8.N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジオクチルドデシル(※20) 0.5
9.ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウム
メトサルフェート80%混合物(※18) 0.3
10.ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウム
メトサルフェート80%混合物(※19) 0.1
11.テアニン 0.1
12.ヒドロキシプロリン 0.1
13.加水分解シルク 0.1
14.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
15.香料 0.5
16.参考製造例1の(メタ)アクリル
シリコーン系グラフト共重体 0.6
17.エタノール 5
18.ジメチルポリシロキサン(25℃での粘度
:100万mPa・s)55%溶液(※4) 3
(※18)DEHYQART L80(コグニス社製)
(※19)DEHYQUART AU56/G(コグニス社製)
(※20)エルデュウPS−201(味の素社製)
【0087】
(製造方法)
A:成分1〜3を均一に混合する。
B:成分4〜5を均一に混合する。
C:成分6〜15を均一に混合する。
D:成分16、17を均一に混合する。
E:AにB、C、D、成分18を順に添加する。
F:上記混合物をチューブ容器に充填し、ヘアスタイリングジェルを得た。
【0088】
実施例11のヘアスタイリングジェルは、「しなやかさ」、「ハリコシ感」、「しっとり感」、「まとまり感」の全ての項目に優れたヘアスタイリングジェルであった。
【0089】
実施例12:ミスト状ヘアトリートメント
(成分) (%)
1.塩化ジステアリルジメチルアンモニウム75%混合物(※21) 0.2
2.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム80%混合物(※3) 0.3
3.エタノール 30
4.セトステアリルアルコール 0.5
5.ポリオキシエチレン(30モル)硬化ひまし油 0.5
6.プロピレングリコール 10
7.ミリスチン酸イソプロピル 0.1
8.参考製造例12の(メタ)アクリル
シリコーン系グラフト共重体 0.2
9.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・
2−オクチルドデシル)(※22) 0.1
10.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
11.香料 0.03
12.グリシン 0.2
13.加水分解シルク (※23) 1.0
14.ジメチルポリシロキサン(25℃での粘度
:400万mPa・s)15%溶液(※24) 5.0
15.精製水 残 量
(※21)アーカード 2HP−75(ライオン・アクゾ社製)
(※22)エルデュウPS−203(味の素社製)
(※23)シルクゲンGソルブルS−E(一丸ファルコス社製)
(※24)BY11−014(東レ・ダウコーニング社製)
【0090】
(製造方法)
A:成分1〜11を混合する。
B:成分12〜15を均一混合する。
C:BにAを添加し、混合する。
D:上記混合物をアトマイザー容器に充填し、ミスト状ヘアトリートメントを得た。
【0091】
実施例12のミスト状ヘアトリートメントは、「しなやかさ」、「ハリコシ感」、「しっとり感」、「まとまり感」の全ての項目に優れたミスト状ヘアトリートメントであった。
【0092】
実施例13:泡沫状ヘアトリートメント
エアゾール原液処方
(成分) (%)
1.ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウム
メトサルフェート80%混合物(※25) 0.2
2.塩化ジステアリルジメチルアンモニウム75%混合物(※21) 0.3
3.ジメチルポリシロキサン(10mPa・s) 2
4.1,3−ブチレングリコール 5
5.参考製造例2の(メタ)アクリル
シリコーン系グラフト共重合体 0.05
6.参考製造例6のカチオン性(メタ)アクリル
シリコーン系グラフト共重合体 0.05
7.エタノール 2.5
8.ポリクオタニウム−51(※26) 0.5
9.ポリクオタニウム−10(※27) 0.5
10.ジラウロイルグルタミン酸リシンNa(※28) 0.5
11.精製水 残 量
12.L−バリン 0.5
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.3
14.香料 0.1
15.ジメチルポリシロキサン(25℃での粘度
:100万mPa・s)55%溶液(※4) 5.0
(※25)DEHYQUART L80(BASF社製)
(※26)LIPIDURE−PMB(日油社製)
(※27)カチナールHC−100(東邦化学工業社製)
(※28)ペリセアL30(旭化成ケミカルズ社製)
【0093】
(製造方法)
A:成分1〜7を均一に混合する。
B:成分8〜13を均一溶解する。
C:BにAを添加し、均一に混合する。
D:Cに成分14、15を添加し、混合する。
E:Dのエアゾール原液と噴射剤(液化石油ガス)の質量比が97:3になるようにエアゾール缶に充填し、泡沫状ヘアトリートメントを得た。
【0094】
実施例13の泡沫状ヘアトリートメントは、しなやかさ」、「ハリコシ感」、「しっとり感」、「まとまり感」の全ての項目に優れた泡沫状ヘアトリートメントであった。