(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の建物の各々に設けられた前記制御手段は、前記消費上限目標電力値、前記総消費電力値、前記推奨電力消費量及び建物の電力消費量を前記表示手段に表示すると共に、建物の電力消費量が該建物に対して前記消費監視センターから報知された推奨電力消費量を超えた場合には、予め定められた優先順位に基づき、該建物において停止すべき電力負荷を前記表示手段に表示する請求項1に記載の消費監視システム。
前記複数の建物の各々の推奨電力消費量は、前記消費上限目標電力値を、前記複数の建物の各々の過去の電力使用量の実績に基づいて分配するようにして前記複数の建物毎に設定される請求項1又は2に記載の消費監視システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、契約電力等を超えないように電力の消費を管理するのみでは、必ずしも省エネルギーの促進を図り得るものではない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電力などのエネルギーの消費の抑制を促進しうる消費監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、複数の建物の各々での電力消費量の上限の目標値である推奨電力消費量を系統電力で許容される範囲で設定し、前記推奨電力消費量を前記複数の建物の各々に報知する
と共に、前記複数の建物が存在する監視領域で消費される電力の上限の目標値である消費上限目標電力値を設定し、前記消費上限目標電力値を前記複数の建物の各々に報知し、前記監視領域内での総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超えた場合には、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超えたことを前記複数の建物に対して報知する消費監視センターと、前記複数の建物の各々に設けられ、前記消費監視センターから報知された情報を表示可能な表示手段を有する制御手段と、を含む。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、複数の建物の各々の推奨電力消費量を系統電力で許容される範囲で設定し、推奨電力消費量を複数の建物の各々に報知し、注意を喚起する。これにより、推奨電力消費量を超えないようにエネルギーの消費を抑えることができる。
【0009】
また、請求項
1に記載の発明によれば、監視領域で消費される電力の上限の目標値である消費上限目標電力値を設定すると共に、監視領域内での総消費電力値が消費上限目標電力値を超えた場合は、その旨を複数の建物に報知して注意を喚起する。これにより、消費上限目標値を超えないようにエネルギーの消費を抑えることができる。
【0010】
請求項
2の発明は、請求項
1に記載の発明において、前記複数の建物の各々に設けられた前記制御手段は、前記消費上限目標電力値、前記総消費電力値、前記推奨電力消費量及び建物の電力消費量を前記表示手段に表示すると共に、建物の電力消費量が該建物に対して前記消費監視センターから報知された推奨電力消費量を超えた場合には、予め定められた優先順位に基づき、該建物において停止すべき電力負荷を前記表示手段に表示する。
【0011】
請求項
2に記載の発明によれば、電力負荷ごとに動作の優先順位を設定することで、総消費電力値が消費上限目標電力値を超えた場合に、動作の優先順位が低い電気機器を報知する。これにより、電力消費を抑えるために停止させる電気機器の選択が容易となる。
【0012】
請求項
3の発明は、請求項
1又は
2に記載の発明において、前記複数の建物の各々の推奨電力消費量は、前記消費上限目標電力値を、前記複数の建物の各々の過去の電力使用量の実績に基づいて分配するようにして前記複数の建物毎に設定される。
【0013】
請求項
3に記載の発明によれば、監視領域に余裕をもって供給可能な電力に基づき、各建物における推奨電力消費量を設定することができる。
【0014】
請求項
4の発明は、請求項
1〜
3のいずれか1項に記載の発明において、前記複数の建物の各々は、人感センサを備え、前記複数の建物の各々に設けられた制御手段は、前記人感センサが検知した結果から建物が無人であると判定された場合は、該建物が無人であることを前記消費監視センターに報知し、前記消費監視センターは、前記無人である建物には最小限の電力を供給するものとし、有人である建物には、前記消費上限目標電力値から前記無人である建物に供給する最小限の電力を減じた電力量を、前記有人である各建物の過去の電力使用量の実績に基づいて前記有人である各建物に分配するようにして前記推奨電力消費量を算出する。
【0015】
請求項
4に記載の発明によれば、無人であると判定された建物には最小限の電力を供給するようにして、他の有人と思われる建物について推奨電力消費量を設定するので、電力の需要が多い有人の建物により大きな推奨電力消費量を設定できる。
【0016】
請求項
5の発明は、請求項
1〜
4のいずれか1項に記載の発明において、蓄えた電力を前記監視領域に供給可能な車両又は蓄電池を
外部電源として前記複数の建物が有する場合、前記消費監視センターは、前記車両又は前記蓄電池を有する建物に前記車両又は前記蓄電池の余剰電力を前記監視領域に供給するように報知し、該報知された建物の制御手段は、余剰電力を前記監視領域に供給可能か否かを判定する。
【0017】
請求項
5の発明によれば、監視領域の電力供給が逼迫した場合に、電力供給が可能な車両又は蓄電池を有する建物に、車両又は蓄電池の電力を監視領域に供給するように報知することで、監視領域の逼迫した電力供給を緩和できる。
【0018】
請求項
6の発明は、請求項
1〜
4いずれか1項に記載の発明において、前記複数の建物が自然エネルギーで発電する自然エネルギー発電手段を
外部電源として有する場合は、前記自然エネルギー発電手段で生成した電力を前記監視領域に供給するように前記自然エネルギー発電手段を有する建物に報知し、該報知された建物の制御手段は、前記自然エネルギー発電手段が生成した電力の余剰電力を前記監視領域に供給可能か否かを判定する。
【0019】
請求項
6に記載の発明によれば、監視領域の電力供給が逼迫した場合に、太陽光発電装置又は風力発電装置等の自然エネルギー発電手段を有する建物に、自然エネルギー発電手段が生成した電力を監視領域に供給するように報知することで、監視領域の逼迫した電力供給を緩和できる。
【0020】
請求項
7の発明は、請求項
1〜
4のいずれか1項に記載の発明において、前記複数の建物が自家発電手段を
外部電源として有する場合は、前記自家発電手段で生成した電力を前記監視領域に供給するように前記自家発電手段を有する建物に報知し、該報知された建物の制御手段は、前記自家発電手段で生成した電力の余剰電力を前記監視領域に供給可能か否かを判定する。
【0021】
請求項
7に記載の発明によれば、監視領域の電力供給が逼迫した場合に、燃料電池等の自家発電手段を有する建物に、自家発電手段で生成した電力を監視領域に供給するように報知することで、監視領域の逼迫した電力供給を緩和できる。
【0022】
請求項
8の発明は、請求項
5〜
7のいずれか1項に記載の発明において、
前記外部電源を有する建物の制御
手段は、ユーザの操作によって、前記余剰電力を前記監視領域に供給するように前記外部電源を制御する。
【0023】
請求項
8に記載の発明によれば、建物に備わる車両、蓄電池、自然エネルギー発電手段又は自家発電手段によって監視領域への電力供給が可能であることをユーザが確認した上で、電力の供給がなされるので、監視領域に電力を供給した建物が電力不足になることを防止できる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、複数の建物の各々での電力消費量の上限の目標値である推奨電力消費量を設定することにより、各建物において省エネルギーを励行させ、省エネルギーを促進することができるという優れた効果を有する。
【0025】
また、請求項
1に記載の発明によれば、監視領域の電力供給が逼迫したことを各建物に報知することにより、各建物において省エネルギーを励行させ、省エネルギーを促進することができるという優れた効果を有し、請求項
2に記載の発明によれば、所望の条件で設定した優先順位に基づいて停止すべき電力負荷を選択でき、省電力化を図ることができるという優れた効果を有する。
【0026】
請求項
3に記載の発明によれば、監視領域に対して余裕をもって供給可能な電力に基づいて、各建物に供給できる電力の上限を設定でき、請求項
4に記載の発明では、有人の建物に優先的に電力供給が可能なようにすることができる。
【0027】
請求項
5、
6、
7に記載の発明によれば、監視領域の電力供給が逼迫した場合に、各建物から電力の供給が可能か否かを判定することにより、監視領域の逼迫した電力の供給を緩和できる。
【0028】
請求項
8に記載の発明によれば、各建物から監視領域への電力供給はユーザの判断に基づくので、装置による誤動作等によって、徒に建物の電力が監視領域に供給されることを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[第1の実施の形態]
以下、図面を用いて、本実施の第1の形態に係る消費監視システムについて説明する。
図1には、本実施の形態に係る消費監視システムの概略構成が示されている。本実施の形態では、エネルギー資源の一例として電気エネルギーである電力を適用し、領域変圧器62を介して系統電力12が供給される領域(以下、「監視領域」とする)での電力の消費(消費電力値)を監視する。領域変圧器62は、系統電力12から供給された電力を領域内電力線64での送電に適した電圧及び電流に変換する。
【0031】
領域内電力線64での電圧及び電流には、三相3線式200V、単相2線式200V又は単相2線式100V等が考えられる。
【0032】
領域内電力線64は、
図1では区間開閉器66を有した環状方式としたが、樹枝状方式、低圧バンキング方式又はレギュラーネットワーク方式であってもよい。
【0033】
監視領域内の建物10A、10B及び10Cは、各々分電盤14が領域内電力線64に接続されている。
【0034】
また、本実施の形態に係る消費監視システム100は、領域内の建物10A、10B及び10Cを結ぶネットワーク72を有し、ネットワーク72及び領域内電力線64には、領域内の電力消費量を監視し、各建物に領域内の電力消費量に係る報知をする監視センター82が設けられている。
【0035】
監視領域内の建物10A、10B及び10Cは、各々EV、HV又はPHV等の車両18A、18B及び18Cが接続可能に構成されている。以下、建物10A、10B及び10C、並びに車両18A、18B及び18Cの構成について説明するが、建物10A、10B及び10Cの各々の構成、並びに車両18A、18B及び18Cの各々の構成は、いずれも同じなので、同一の符号によって説明する。
【0036】
まず、前述のように、建物10A、10B及び10Cには、領域変圧器62及び領域内電力線64を介して電力会社から供給される系統電力12が接続される分電盤14が設けられており、系統電力12からの電力が分電盤14を介して建物10A、10B及び10C内に供給されるようになっている。
【0037】
分電盤14には、複数の電力供給先として、電力負荷である家電機器20及び住設機器22等が接続されており、系統電力12からの電力が供給される。
【0038】
さらに建物10A、10B及び10Cは、系統電力12以外の外部電源として太陽光発電装置16又は風力発電装置96を備えていてもよい。さらに、外部電源として、燃料電池90を備えてもよいし、系統電力12又は太陽光発電装置16、風力発電装置96若しくは燃料電池90の電力の余剰分を蓄える蓄電池92を備えていてもよい。
【0039】
また、分電盤14に車両連結部26を介して接続された車両18A、18B及び18Cの車両用蓄電池28を充電することが可能であり、その逆に、車両用蓄電池28から分電盤14に電力を供給することも可能である。
【0040】
車両用蓄電池から取り出される電力は直流であるが、各車両が備えるインバータ(図示せず)によって、単相2線式100Vで50Hz又は60Hzの交流に変換して、後述する車両連結部26を介して、分電盤14へ供給する。
【0041】
車両連結部26は、ケーブルによって車両と接続されることにより、分電盤14と車両とを電気的に接続するコネクタである。当該コネクタは、分電盤14からの電力を車両に供給する又は車両の電力が分電盤14に供給するための電力線の端子と、建物内のエネルギーの管理や制御を行うHEMS(Home Energy ManagementSystem)30と車両との通信に係る情報線の端子を有してもよい。
【0042】
車両連結部26は、HEMS30の制御によって車両へ電力の供給を行い、車両用蓄電池28を充電する。また、車両連結部26は、HEMS30の制御に従って、車両用蓄電池が放電したことによる電力を、分電盤14に供給する。
【0043】
また、HEMS30は、車両連結部26と車両連結部26に接続されている車両との間の電流をモニターして、車両連結部26を介して車両用蓄電池28が充電されているか、又は車両用蓄電池28の放電により、車両の電力が分電盤14に供給されているかを把握している。
【0044】
図2に示されるように、建物10A〜Cには、分電盤14が設けられており、屋外から引込まれた系統電力12は、積算電力計(図示省略)を介して分電盤14に供給される。なお、太陽光発電装置16の発電電力、風力発電装置96の発電電力、燃料電池の発電電力、蓄電池92の放電電力、及び車両18Aからの放電電力などの建物10A〜C内で生成した電力は、系統電力12の電圧、周波数、位相に変換され、分電盤14へ供給されることで建物10において使用(消費)可能となる。
【0045】
車両の車両用蓄電池28から供給される電力は、前述のように車両が有するインバータによって変換可能である。燃料電池90又は蓄電池92から供給される電力は、各々に設けられたインバータ(図示せず)等の変換手段によって系統電力12と電圧、周波数及び位相が同一の交流に変換して分電盤14に供給するようにしてもよい。
【0046】
また、
図2の構成においては、電力源の電力を建物10A〜C内の電気機器で使用するか、又は系統電力12へ供給する所謂売電を行う構成としている。
【0047】
図3に示されるように、この分電盤14には、メインブレーカ(主開閉器)34が設けられており、系統電力12は、このメインブレーカ34の一次側に供給される。このメインブレーカ34としては、契約電力に応じた遮断容量のものを適用することができる。また、メインブレーカ34としては、建物10内の電気負荷の総容量に応じて設定された遮断容量のものを適用することもできる。
【0048】
分電盤14内には、複数の分岐ブレーカ36が設けられており、分岐ブレーカ36のそれぞれの一次側がメインブレーカ34の二次側に接続されている。また、分岐ブレーカ36のそれぞれには、建物10内に設けられている電気機器が接続される。また、建物10に設けられた電気機器のそれぞれには、分岐ブレーカ36の何れかに接続される。
【0049】
これにより、建物10では、メインブレーカ34及び分岐ブレーカ36を介して、電気機器のそれぞれに系統電力12を含む電力が供給される。なお、本実施の形態に係る建物10には、単相3線式の100V/200Vの系統電力が供給され、各電気機器には、電気機器ごとの定格電圧に応じた電圧(100V又は200V)が供給される。
【0050】
ここで、分岐ブレーカ36Aには、建物10内に設けられた照明器具32が接続される。これにより、メインブレーカ34及び分岐ブレーカ36Aをオン(閉じる)することで、建物10内の照明器具32の点灯が可能となる。なお、ここでは、一つの分岐ブレーカ36Aを照明器具32用としているが、照明器具32の総容量に応じて、複数の分岐ブレーカ36Aが用いられる。
【0051】
分岐ブレーカ36Bには、建物10A〜Cに設けられている汎用コンセント(図示省略)が接続される。この汎用コンセントには、建物10A〜Cに設けられる冷蔵庫3838を含む各種の家電機器が接続され、これにより、各家電機器に電力が供給される。
【0052】
さらに、建物10では、エアコン94が接続されるコンセント、蓄電池92の充放電器92A用の専用コンセント、車両連結部26、燃料電池90へ動作用の電力供給のための専用コンセントが設けられる。この場合、専用コンセント毎に異なる分岐ブレーカ36Cに接続される。なお、専用コンセントに換えてそれぞれの電気機器の近傍に手元開閉器を設けた構成であっても良い。
【0053】
ところで、
図2に示されるように、建物10A〜Cには、建物10A〜Cのエネルギー消費を管理するHEMS30が設けられており、太陽光発電装置16等の発電手段の発電電力の管理、蓄電池92等への充放電の制御などを行う機能を併せ持つ。なお、以下では、分電盤14と別に制御装置であるHEMS30を設けて説明するが、分電盤14とHEMS30とが一体とされた構成であっても良い。
【0054】
図4に示されるように、HEMS30は、CPU44A、RAM44B、ROM44C、HDD44Dを備え、これらがバス44Eに接続された一般的構成のマイクロコンピュータを備えている。ROM44C及び記憶手段として用いられるHDD44Dには、各種のプログラム及びデータが記憶されており、CPU44Aは、ROM44C及びHDD44Dに記憶されているプログラムを実行することで各種の処理を行う。このとき、RAM44Bはワークメモリとして使用される。
【0055】
このHEMS30には、ネットワークインターフェイス(NET I/F)46が設けられ、このネットワークI/F46がインターネットなどの公衆回線網又は専用回線網に接続されることで、HEMS30が所定のホストサーバ84に接続される(
図2も参照)。これにより、HEMS30は、予め設定されたデータを監視センター82内のホストサーバ84へ送信すると共に、ホストサーバ84から各種のデータの取得が可能となる。
【0056】
また、HEMS30には、U/I(ユーザインターフェイス)50が設けられている。
図5に示されるように、U/I50は、表示手段とされるディスプレイ52A、電源スイッチ52B、メニュースイッチ52C及びスピーカ52D等が設けられている。ディスプレイ52Aとしては、LCDを用いたタッチパネル式とし、これにより、各種の表示と共に、表示面に触れる(以下、「操作」とする)ことで、ディスプレイ52Aに表示しているUI(ユーザインターフェイス)に応じた各種の情報の入力操作が可能となっている。
【0057】
図4に示されるように、U/I50は、バス44Eに接続されている。これにより、CPU44Aは、U/I50のディスプレイ52Aに各種の情報を表示させる。また、CPU44Aは、予め設定したUIをディスプレイ52Aに表示し、この表示に応じたタッチ操作によって各種の情報の入力が可能となるようにしている。なお、HEMS30としては、ディスプレイ52Aを含むU/I50が別に設けられて、U/I50がHEMS30に接続されるなどの任意の構成を適用することができる。
【0058】
一方、
図3に示されるように、分電盤14には、照明器具32用の分岐ブレーカ36Aの二次側に、スイッチ54及び検出手段の一つとされる電流センサ56が設けられている。これにより、照明器具32の消費電流が電流センサ56により検出され、スイッチ54により照明器具32への電力供給が一括してオン/オフ(通電/遮断)される。このスイッチ54及び電流センサ56は、HEMS30に接続されている。
【0059】
図4に示されるように、HEMS30には、入出力インターフェイス(入出力I/F)58が設けられ、この入出力I/F58に、ドライバ60及びA/D変換器60が接続されている。また、ドライバ60にはスイッチ54が接続され、A/D変換器60には電流センサ56が接続されている。これにより、CPU44Aは、電流センサ56からの入力信号から照明器具32で消費される電力値(W又はkW)の検出が可能となっていると共に、必要に応じてスイッチ54を操作することで照明器具32の消灯(供給電力の遮断)が可能となっている。
【0060】
HEMS30には、通信ユニット48が設けられている。本実施の形態に係る建物に設けられる各電気機器とHEMS30とは、例えば無線通信によってデータ及び制御信号の送受信が可能となっている。建物に設ける各電気機器は、無線通信等の通信手段を介して動作中か否か及び動作中の消費電力の送信を行う。これにより、HEMS30では、建物内での各電気機器の動作状態(動作中か否か)及び消費電力の検出が可能となっている。
【0061】
また、各電器機器は、通信ユニット48を介してHEMS30から入力される制御信号によって停止される。CPU44Aは、必要に応じて電気機器へ作動を停止する制御信号を送信し、これにより、該当電気機器が作動を停止する。
【0062】
なお、HEMS30と各電気機器との接続は、無線通信に限らず、電力線を介した通信、建物10A〜Cに設置した通信回線を用いた屋内ネットワークによる通信など、任意の通信方法を適用することができる。また、HEMS30は、太陽光発電装置16、風力発電装置96、燃料電池90、蓄電池92の充電装置、車両連結部26等とも接続され、それぞれの動作状態の検出が検出されると共に、HEMS30により動作が制御される。
【0063】
HEMS30は、自機が設置されている建物内で消費される消費電力の総量である総消費電力値(以下、「総消費電力Pc」(kW)とする)を算出し、総消費電力Pcと監視センター82から報知された推奨電力消費量Prとを比較することで、総消費電力Pcが推奨電力消費量Pr以内か否かを監視する。
【0064】
また、HEMS30は、ディスプレイ52Aに所定のUIを表示することで、ユーザが予め定めた電気機器ごとの動作の優先順位(以下、「優先順位」とする)の設定を行うことができる。
【0065】
HEMS30は、ユーザにより建物で使用する電気機器毎に、少なくとも使用の優先順位、電気機器を特定する情報(以下、一例として「機器ID」とする)を含む機器情報が入力されることで、各電器機器の登録が行われる。機器情報に含まれる機器IDは、HEMS30が電気機器を特定可能とする電気機器ごとに固有のコードを用いる。このようなコードは、公知の任意の構成を適用しうる。
【0066】
HEMS30は、機器IDを用いて各電気機器と通信を行うことで、該当電気機器が動作中か否か、動作中の消費電力を把握し、また、電気機器を停止する場合に、停止する電気機器の特定に用いる。
【0067】
図6には、機器情報として入力される優先順位の一例が示されている。この優先順位では、動作が最優先されるレベル1に、照明器具32、冷蔵庫38が設定され、夜に建物の照明が消えたり、冷蔵庫38が停電により機能しなくなってしまうのを防止するようにしている。
【0068】
また、次の優先順位とするレベル2には、蓄電池92(蓄電池92の充放電器92A)、車両18(車両連結部26)などが設定される。また、優先順位が最も低いレベル4には、エアコン94等が設定される。さらに、レベル3には、テレビジョンやステレオなどのAV機器等、電子レンジやトースター、電気炊飯器などの台所回りの家電製品等を設定することができる。
【0069】
また、例えば、複数の部屋にエアコン94が設置されているなど、同じ種類の電気機器が複数ある場合、その電気機器ごとに優先順位を設定しても良く、同じ種類の電気機器については、同じ優先順位を設定するものであっても良い。
【0070】
なお、電気機器の優先順位は、電気機器毎にデフォルトの優先順位を記憶し、このデフォルトの優先順位を用いても良く、また、必要に応じてユーザがデフォルトの優先順位を、電気機器の種類ごと又は電気機器ごとに変更するものであっても良い。また、ここでは、優先順位をレベル1からレベル4の4段階としているが、少なくとも2段階以上とし、4段階以上などとして、細かく優先順位を設定しうる構成としても良い。
【0071】
また、HEMS30のディスプレイ52Aには、監視センター82から報知された各種情報が表示可能である。例えば、監視センター82は、監視領域における総消費電力値が、当該監視領域で消費される電力の目標値である消費上限目標電力値を超えた場合は、その旨を監視領域内の各建物に報知する。各建物のHEMS30では、監視領域での総消費電力値が消費上限目標電力値を超えたこと(以下、「消費電力過剰」という場合もある)をディスプレイ52Aに表示してユーザに報知する。
【0072】
このとき、HEMS30は、自機が設置されている建物の総消費電力Pcが推奨電力消費量Prを超えている場合には、電力消費を抑えるために停止する電気機器として、作動中の電気機器の中で優先順位の最も低い電気機器をディスプレイ52Aに表示する。なお、消費電力過剰を報知する場合、ディスプレイ52Aでの表示と共に、少なくとも建物内のユーザに消費電力過剰を認識される各種の構成を適用できる。この場合、認識HEMS30に設けているスピーカ52Dから音声やアラームを発するようにしてもよく、また、音声やアラームを発するか否かを選択できるものであって良い。
【0073】
監視領域で消費される電力の目標値である消費上限目標電力値は、系統電力12で許容される範囲で監視センター82が設定する。一例として、監視領域に供給可能な電力の最大限度の80%程度を、消費上限目標電力値とすることが考えられる。
【0074】
また、各建物における推奨電力消費量Prは、監視領域で消費される電力の目標値である消費上限目標電力値を、監視領域内の建物の各々における過去の電力使用量の実績に基づいて監視センター82が分配することによって設定される。従って、過去に電力使用量が多かった建物は、過去に電力使用量が少なかった建物よりも大きな推奨電力消費量Prが設定される。なお、監視領域内の建物の各々における過去の電力使用量の実績を統計的に抽出するには、例えば、最近1週間、最近10日間又は最近1ヶ月での各建物の消費実績の平均値に基づく等が考えられる。
【0075】
本実施の形態では、各建物に人感センサを別途備えてもよく、HEMSは、当該人感センサの検知結果から、建物内の人の有無を判定するようにしてもよい。
【0076】
さらにHEMS30は、建物が無人であると判定した場合には、当該判定結果を監視センター82に送信し、監視センター82は、無人である建物には最小限の電力を供給するものとし、有人である建物には、消費上限目標電力値から無人である建物に供給する最小限の電力を減じた電力を、有人である建物の各々の過去の電力使用量の実績に基づいて有人である建物の各々に分配するように推奨電力消費量を決定してもよい。
【0077】
人感センサには、赤外線、超音波又は可視光による既知の探知方式を用いることが可能であり、無人と判定された建物に供給される最小限の電力は、当該建物に備わる電気機器の待機電力を賄える程度であるとする。
【0078】
図7には、監視領域内の総消費電力の一例を示している。
図7では、監視領域に供給可能な電力の最大限度を3MWとし、その80%である2.4MWを消費上限目標電力値としている。
図7では、7時と、18〜19時で総消費電力が消費上限目標電力値を上回っているので、監視センター82は、当該時刻に、監視領域内の各建物に、監視領域内の総消費電力値が消費上限目標電力値を超えた旨を報知する。
【0079】
なお、ディスプレイ52Aから入力可能な機器情報としては、建物10A〜C内での設置場所を含むことができる。機器情報に設置場所を含む場合、HEMS30は、電気機器毎の建物10内での設置場所を入力するUIをディスプレイ52Aに表示する。また、設置場所の入力は、例えば、建物10内の間取りを登録し、その間取り(間取り図)をディスプレイ52Aに表示して、各電器機器の位置を入力するものであっても良い。
【0080】
図8には、このときの一例を示している。なお、
図8では、電気機器の一部のみを図示している。この
図8に示されるように、例えば建物10Aには、リビング68Aに照明器具32、エアコン94及びテレビジョンなどの家電機器(図示省略)が配置され、台所(キッチン)70に、照明器具32、冷蔵庫38等が配置される。このとき、例えば、和室68Bにもエアコン94が設けられている場合、リビング68Aのエアコン94(94A)及び和室68Bのエアコン94(94B)が識別されるように入力される。なお、ここでは、
図8上で電気機器の位置を特定するように説明するが、これに限らず、ユーザが電気機器の設置位置を特定しうるものであれば、居室名などの居室を特定する情報を用いるなどの任意の構成を適用することができる。
【0081】
本実施の形態のHEMS30は、入力された電気機器ごとの機器情報に基づき電気機器毎の優先順位を設定すると、電気機器を優先順位と共にHDD44Dに格納することで登録する。また、機器情報に電気機器の設置位置を含む場合、設置位置を含めて電気機器の登録を行う。HEMS30は、各電器機器の登録内容に基づき、推奨電力消費量Prに対する消費電力の監視及び監視結果の報知を行う。
【0082】
以下に、本実施の形態における、監視領域での総消費電力が消費上限目標電力値を超えたことを報知された場合にHEMS30で実行する監視処理の制御について説明する。
【0083】
図9には、第1の実施の形態に係る監視処理の概略を示している。このフローチャートでは、予め設定された時間間隔(例えば、1分〜10分程度)で実行され、最初のステップ110で、建物における総消費電力Pcを算出する。
【0084】
本実施の形態では、電流センサ56によって検出する電流値を読み込むことで、照明器具32の消費電力を検出可能である。これと共に、HEMS30は、各電気機器と通信を行うことで、作動中の電気機器を特定し、特定した電気機器の消費電力値(以下、「消費電力」とする)を検出する。なお、照明器具32を除く各電器機器の消費電力の検出は、分電盤14の各分岐回路に設けた電流センサを用いて消費電流を検出して算出するようにしても良く、別途、分電盤の一次側に設けられた電力計を用いて検出するものであっても良い。
【0085】
ステップ110では、検出した消費電力から建物におけるその時点の総消費電力Pcを算出し、ステップ112では、算出した総消費電力Pcと監視センター82から報知された推奨電力消費量Prとを比較し、総消費電力Pcが推奨電力消費量Prを超えているか否かを判定する。
【0086】
ここで、総消費電力Pcが推奨電力消費量Pr以下の場合(Pc≦Pr)、ステップ112で否定判定して、ステップ114へ移行し、推奨電力消費量Pr及び総消費電力Pcをディスプレイ52Aに表示する。次のステップ118では、総消費電力Pcを履歴としてHDD44Dに格納する。
【0087】
なお、
図9では、予め設定された時間間隔で総消費電力Pcを検出し、検出した総消費電力Pcが推奨電力消費量Prを超えているか否かを確認するようにしているが、これに限らず、例えば、総消費電力Pcを連続的に検出(瞬間値を検出)しながら、推奨電力消費量Prと比較することで、総消費電力Pcが推奨電力消費量Prを超えているか否かを確認するなど、総消費電力Pcと推奨電力消費量Prを比較する任意の構成を適用することができる。
【0088】
図10(A)には、ディスプレイ52Aにおける表示の一例とする表示画面74を示している。この表示画面74では、その建物に対して設定された推奨電力消費量Prが表示されると共に、その時点で算出された総消費電力Pcが表示される。ユーザは、このディスプレイ52Aの表示を見ることで、その時点でどの程度の電力消費があるかを確認できると共に、総消費電力Pcと推奨電力消費量Prとの差を認識することができる。
【0089】
これに対して、総消費電力Pcが推奨電力消費量Prを超えている場合(Pc>Pr)、
図9に示されるフローチャートでは、ステップ112で肯定判定してステップ118へ移行する。このステップ118では、動作中の電気機器のそれぞれについて登録されている優先順位を読出し、最も優先順位の低い電気機器を選択する。このとき、該当する優先順位の電気機器が複数あれば、それぞれの電気機器を選択する。また、ステップ120では、優先順位の低い電気機器が動作しているか否かを確認する。
【0090】
ここで、優先順位がレベル2又はレベル2より低いレベル3、レベル4の電気機器が動作していれば、ステップ120で肯定判定してステップ122へ移行する。このステップ122では、ディスプレイ52Aに、総消費電力Pcが推奨電力消費量Prを超えた消費電力過剰が発生したことをユーザに報知する表示を行う。これと共に、ディスプレイ52Aに、選択した電気機器を表示することで、電力消費を抑えるために停止させる電気機器を提示する。
【0091】
図10(B)には、このときの一例とする表示画面76を示している。この表示画面76では、総消費電力Pcが推奨電力消費量Prを超えたことを示すメッセージ78が表示される。また、表示画面76では、選択した機器を停止させるように提案するメッセージ80を表示する。このとき、94Bが動作しており、動作している電気機器の中でエアコン94の優先順位が最も低いことで、表示画面76には、エアコン94を停止するように薦めるメッセージ80が表示される。
【0092】
また、表示画面76では、メッセージ80に対して確認ボタン80Aが表示される。これにより、ディスプレイ52Aの表示を見たユーザがこの確認ボタン80Aを操作(タッチ)することで、提示した電気機器を停止するように指示できる(停止を了承)。
【0093】
なお、ここでは、2つのメッセージ78、80を表示するようにしているが、これに限らず、例えば、メッセージ78のみを先に表示し、所定のタイミングでメッセージ80が表示されるように画面を切換えるものであっても良い。また、ディスプレイ52Aの電気機器の表示に触れるなどの操作を行うことで、建物10の間取り図(
図8参照)を簡略化してディスプレイ52Aに表示し、該当電気機器の設置位置を明示するようにしても良い。このときの簡略化した表示は、ユーザが該当電気機器の設置位置を特定しうるものであれば良い。
【0094】
この
図10(B)では、選択された電気機器が一つの場合を示しているが、同じレベルの電気機器が複数台ある場合、それぞれをディスプレイ52Aに表示するようにしても良い。
図10(C)には、このときの一例とする表示画面76Aを示している。この表示画面76Aでは、2台の「エアコンA」、「エアコンB」(例えば、エアコン94A、94B)が動作しているために、これらのエアコン94A、94Bを停止することを薦めるメッセージ82A、82B、82Cが表示される。このとき、表示した電気機器ごとに確認ボタン82D、82Eを表示して、停止させる電気機器を個々に指定できるようにしているが、一つの確認ボタンで停止を指示できるようにしも良い。
【0095】
また、
図9のステップ122では、ディスプレイ52Aへの表示に加え、スピーカ52Dから表示内容を音声で知らせるか、消費電力過剰が表示されたことを示すアラームを発するようにしても良い。
【0096】
次のステップ124では、ディスプレイ52Aに表示した確認ボタン80Aが操作されたか否か(停止が指示されたか否か)を確認し、ステップ126では、ディスプレイ52Aにメッセージ80等を表示してから所定時間が経過したか否かを確認する。
【0097】
ここで、確認ボタン80Aが操作された場合、ステップ124で肯定判定してステップ128へ移行する。また、所定時間が経過しても確認ボタン80Aが操作されなかった場合、ステップ126で肯定判定してステップ116へ移行する。
【0098】
このステップ128では、ディスプレイ52Aに表示して停止を薦めている電気機器(ここではエアコン94)を停止させる。この後に、ステップ116へ移行する。なお、このときには、消費電力過剰となった総消費電力Pcを記憶するようにしても良い。
【0099】
なお、ディスプレイ52Aの表示をユーザが確認することで、表示した電気機器を停止するようにしているが、ユーザの確認を行わずに、表示した電気機器を停止するようにしても良い。また、同じ優先順位の電気機器の間で更に優先順位を設定し、優先順位の低い電気機器として複数の電気機器を表示している場合に、表示している電気機器の間で優先順位の低い電気機器を順に停止させるようにしても良い。このとき、電気機器を停止させるごとに総消費電力Pcを算出し、総消費電力Pcが推奨電力消費量Prと等しくなるか下回ったとき(Pc≦Pr)に、次の電気機器の作動停止を解除するようにしても良い。
【0100】
〔第2の実施の形態〕
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は、構成は第1の実施の形態と同一なので、その詳細な説明は省略し、
図11に示した外部電源使用処理について説明する。
【0101】
図11には、第2の実施の形態に係る外部電源使用処理の概略を示している。このフローチャートでは、監視センター82から監視領域の総消費電力が消費上限目標電力値を超えて、電力の需給が逼迫した場合の、各建物における外部電源の使用の処理に関するものである。
【0102】
本実施の形態では、監視センター82は、各建物にどのような外部電源が設けられているかを把握していて、電力を監視領域に供給可能な外部電源を有する建物には、余剰電力を供給するように報知し、報知された建物のHEMS30は、
図11に示した処理を行う。
【0103】
図11のステップ210では、太陽光発電装置16、燃料電池90、蓄電池92又は風力発電装置96等の外部電源から供給可能な電力Pgを把握する。
【0104】
外部電源から供給可能な電力Pgは、自然エネルギー発電手段である太陽光発電装置16であれば、現時点での日射量による発電能力に基づいて、自家発電手段である燃料電池90は定格出力に基づいて、車両用蓄電池及び蓄電池92は現時点での電圧値に基づいて、自然エネルギー発電手段である風力発電装置96は現時点での風力による発電能力に基づいて、各々把握可能である。
【0105】
続くステップ212では、建物における総消費電力Pcを算出する。本実施の形態では、電流センサ56によって検出する電流値を読み込むことで、照明器具32の消費電力を検出可能である。これと共に、HEMS30は、各電気機器と通信を行うことで、作動中の電気機器を特定し、特定した電気機器の消費電力値(以下、「消費電力」とする)を検出する。なお、照明器具32を除く各電器機器の消費電力の検出は、分電盤14の各分岐回路に設けた電流センサを用いて消費電流を検出して算出するようにしても良く、別途、分電盤の一次側に設けられた電力計を用いて検出するものであっても良い。
【0106】
ステップ212では、検出した消費電力から建物10におけるその時点の総消費電力Pcを算出し、ステップ214では、算出した総消費電力Pcと外部電源が供給可能な電力Pgとを比較し、外部電源が供給可能な電力Pgが総消費電力Pcを超えているか否かを判定する。
【0107】
ここで、外部電源が供給可能な電力Pgが総消費電力Pcを超えている場合(Pg>Pc)、ステップ214で肯定判定して、ステップ216へ移行し、外部電源が供給可能な電力Pg及び総消費電力Pcをディスプレイ52Aに表示すると共に、外部電源が供給可能な電力Pgと総消費電力Pcとの差分を余剰電力とし、当該余剰電力を監視領域内に供給する旨の指示を表示する。
【0108】
図12(A)には、ディスプレイ52Aにおける表示の一例とする表示画面74Aを示している。この表示画面74Aでは、監視領域の総消費電力Pcと建物10Aの外部電源の発電能力と、領域に供給可能な余剰電力が表示される。ユーザは、このディスプレイ52Aの表示を見ることで、その時点でどの程度の余剰電力があるかを確認できると共に、確認ボタン80Fを操作(タッチ)することで、余剰電力を領域に供給できる。
【0109】
次のステップ218では、ユーザによって、HEMS30から監視領域への余剰電力の供給の指示があったか否かが判定され、肯定判定された場合は、ステップ220で余剰電力を監視領域内に供給するように各外部電源及び分電盤14等を制御する。
【0110】
なお、ステップ218で否定判定した場合は、ステップ224において、ステップ216でのメッセージ表示から所定時間が経過したか否かが判定され、所定時間が経過した場合は、余剰電力を監視領域内に供給せずに手順をステップ222に移行させる。
【0111】
ステップ222では、算出した総消費電力Pc、外部電源が供給可能な電力Pg及びそれらの差分として算出される余剰電力を履歴としてHDD44Dに格納する。
【0112】
また、ステップ214で否定判定した場合は、ステップ226で外部電源にPHV又はHVが含まれているか否かが判定される。外部電源の種別は、HEMS30が、各外部電源と通信することにより、特定する。本実施の形態では、車両連結部26を介しての通信でもよいし、別途無線通信手段を介して外部電源の種別を特定するようにしてもよい。
【0113】
続くステップ228では、発電能力を有するPHV又はHV等の車両のエンジンを作動させた場合に車両から供給可能な電力が総消費電力Pcを上回るか否かを判定し、肯定判定の場合は、ステップ230で車両のエンジンを始動し、余剰電力を監視領域内に供給する指示を表示する。
【0114】
図12(B)には、このときの一例とする表示画面74Bを示している。この表示画面74Bでは、車両のエンジンを始動すると余剰電力が生じることと、車両のエンジンを始動して生じた余剰電力を領域に供給するか否かのメッセージが表示される。
【0115】
ユーザは、確認ボタン80Gを操作(タッチ)することで、余剰電力を監視領域に供給することができる。
【0116】
なお、エンジン作動時に車両から供給可能な電力は、車両の定格出力に基づいて決定してよい。本実施の形態では、HEMS30は、建物の車両連結部26に連結されている車両の定格出力をHDD44Dに予め記憶しておくものとする。
【0117】
ステップ230以降、手順はステップ218に移行し、ユーザからの操作によって余剰電力が監視領域内に供給する指示がなされたか否かが判定される。
【0118】
なお、ステップ226又はステップ228において、各々否定判定がされた場合は、エンジンを始動しても余剰電力が生じない場合であるから、ステップ232において外部電源を使用することを指示する表示を行い、手順をステップ222に移行させる。
【0119】
図12(C)には、このときの一例とする表示画面74Cを示している。この表示画面74Cでは、建物10Aにおける電力の不足分を表示し、車両、蓄電池、燃料電池、太陽光発電装置又は風力発電装置等の外部電源を使用するか否かのメッセージが表示される。
【0120】
ユーザは、確認ボタン80Hを操作(タッチ)することで、外部電源の電力を使用することができる。
【0121】
以上説明したように、本実施の形態では、監視領域内の電力消費量が逼迫した場合に、各建物が有する外部電源の電力に余力があるか否かを判定し、余力がある場合には、各建物の余剰電力を監視領域内に供給することが可能であり、これによって、逼迫した監視領域内の電力需給を緩和できる。
【0122】
なお、本実施の形態では、監視センター82から、外部電源を有する建物に、外部電源を監視領域に供給するように報知したが、かかる報知はせずに、監視領域内の総消費電力が消費上限目標電力値を超えたことのみを各建物に報知するようにしてもよい。
【0123】
当該報知を受けた建物のHEMS30は、建物に使用可能な外部電源が設けられている場合に、
図11の処理を行い、余剰電力を監視領域に供給するようにしてもよい。
【0124】
また、本実施の形態では、外部電源に発電能力を有するPHV又はHVが含まれる場合には、それらのエンジンを始動させることによって、余剰電力を生成できる場合は、当該余剰電力を監視領域内に供給することも可能となる。
【0125】
また、本実施の形態では、ディスプレイ52Aに各種のメッセージを表示することで、ユーザに報知するように説明したが、これに限らず、音声やアラームによりユーザに報知するなど、ユーザがそのメッセージを容易に認識しうる各種の報知手段を適用することができる。
【0126】
さらに、以上説明した本実施の形態の構成および制御は一例であり、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。