(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5952076
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】プロテクタ付コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/58 20060101AFI20160630BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20160630BHJP
【FI】
H01R13/58
H01R13/639 Z
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-107654(P2012-107654)
(22)【出願日】2012年5月9日
(65)【公開番号】特開2013-235723(P2013-235723A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】後藤 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】豊田 竜平
(72)【発明者】
【氏名】河合 貴典
(72)【発明者】
【氏名】石原 義之
【審査官】
石川 貴志
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第03638169(US,A)
【文献】
国際公開第82/003296(WO,A1)
【文献】
特開2007−207726(JP,A)
【文献】
特開2006−221920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線群の端部に接続された端子を収容するコネクタと、該コネクタの後端部に開口端部が嵌合され、該コネクタの後方に導出された前記電線群を保護するプロテクタとを備えるプロテクタ付コネクタであって、
前記プロテクタの開口端部に周方向に沿って結束バンドを装着する溝が形成され、
前記開口端部の前記溝が形成されている周方向の一部に、前記開口端部が前記コネクタの後端部に嵌合された際に形成される隙間が設けられ、
前記溝の一部に前記結束バンドのバンド本体が挿通されるとともに、前記バンド本体のロック部が係止される係止枠が設けられ、
前記溝に装着される結束バンドの結束力により、前記隙間の間隔が狭められるように構成した
ことを特徴とするプロテクタ付コネクタ。
【請求項2】
前記プロテクタに連接され前記電線群の軸方向の動きを規制するゴムブーツをさらに備え、
前記ゴムブーツの先端部分が前記プロテクタの内部に介装され、さらに前記ゴムブーツの先端部が前記プロテクタの開口端部の内側と前記コネクタの後端部との間に配置され、
前記溝に装着される結束バンドの結束力により、前記ゴムブーツの先端部を介して前記プロテクタの開口端部の内側が前記コネクタの後端部側に押圧されるように構成した
ことを特徴とする請求項1に記載のプロテクタ付コネクタ。
【請求項3】
前記プロテクタは、厚み方向に対して直交する方向に上下に分割されたカバーとプロテクタ本体とで構成され、
前記カバーと前記プロテクタ本体との接合部分に、前記開口端部が前記コネクタの後端部に嵌合された際に形成される隙間が設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプロテクタ付コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタにプロテクタ等が装着されているプロテクタ付コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
プロテクタ付コネクタは、コネクタの後方に導出されたワイヤハーネス等の電線群がプロテクタにより収容保護され、さらにプロテクタに連接されるゴムブーツにより軸方向の動きが規制される構成を有している。
【0003】
このようなプロテクタ付コネクタの一例としては、たとえば
図8(a)に示すように、コネクタ1にプロテクタ2が装着される構成がとられている。この場合、同図(a)のd−d線に沿った断面図である
図8(b)に示すように、コネクタ1の後端部1aにプロテクタ2の開口部2aが嵌合される。ところが、コネクタ1の形状とプロテクタ2の形状において、それぞれバラツキがある。
【0004】
そのため、そのバラツキを考慮するようにすると、コネクタ1の後端部1aとプロテクタ2の開口部2aとの間に所定の隙間3が形成されるようにする必要がある。このような隙間3が形成されてしまうと、コネクタ1の後端部1aにプロテクタ2の開口部2aが嵌合されたとき、コネクタ1の後端部1aとプロテクタ2の開口部2aとの間がガタついてしまうばかりか、その隙間3から水が進入してしまうおそれがある。ちなみに、その隙間3から水が進入してしまうと、内部腐食を生じたり、電線群のショートを生じたりする。
【0005】
このような不具合を解消するようにしたものとして、たとえば特許文献1に示されているカバー付コネクタが知られている。このカバー付コネクタは、コネクタハウジング(コネクタに相当する)に被ロック部を形成し、カバー(プロテクタに相当する)のカバー本体の両側部の一方にヒンジ部を介して開き止めロック板を一体形成し、コネクタハウジングの被ロック部を開き止めロック板によりカバー本体のロック部に押圧付勢するようにした構成としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−55863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1に示されるカバー付コネクタでは、開き止めロック板によりカバー本体のロック部が押圧付勢されるため、コネクタハウジング(コネクタに相当する)とカバー(プロテクタに相当する)のロック間のクリアランスを無くすことができ、コネクタハウジング(コネクタに相当する)とカバー(プロテクタに相当する)との嵌合部分がガタつかないようになっている。
【0008】
ところが、このようなカバー付コネクタでは、コネクタハウジング(コネクタに相当する)とカバー本体とのロック間のクリアランスが無くなり、嵌合部分でのガタつきが無くなるものの、カバー(プロテクタに相当する)のカバー本体の両側部の一方にヒンジ部を介して開き止めロック板を一体形成したり、カバー本体にロック部を形成し、コネクタハウジングの被ロック部をそのロック部に係止させたりしているため、コネクタハウジング(コネクタに相当する)とカバー本体とのガタつきの無い嵌合のための構成が複雑なものとなってしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、簡単な構成でコネクタとプロテクタとの嵌合部分のガタつきを確実に無くすことができるプロテクタ付コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のプロテクタ付コネクタは、電線群の端部に接続された端子を収容するコネクタと、該コネクタの後端部に開口端部が嵌合され、該コネクタの後方に導出された前記電線群を保護するプロテクタとを備えるプロテクタ付コネクタであって、前記プロテクタの開口端部に周方向に沿って結束バンドを装着する溝が形成され、前記開口端部の前記溝が形成されている周方向の一部に、前記開口端部が前記コネクタの後端部に嵌合された際に形成される隙間が設けられ、
前記溝の一部に前記結束バンドのバンド本体が挿通されるとともに、前記バンド本体のロック部が係止される係止枠が設けられ、前記溝に装着される結束バンドの結束力により、前記隙間の間隔が狭められるように構成したことを特徴とする。
また、前記プロテクタに連接され前記電線群の軸方向の動きを規制するゴムブーツをさらに備え、前記ゴムブーツの先端部分が前記プロテクタの内部に介装され、さらに前記ゴムブーツの先端部が前記プロテクタの開口端部の内側と前記コネクタの後端部との間に配置され、前記溝に装着される結束バンドの結束力により、前記ゴムブーツの先端部を介して前記プロテクタの開口端部の内側が前記コネクタの後端部側に押圧されるように構成したことを特徴とする。
また、前記プロテクタは、厚み方向に対して直交する方向に上下に分割されたカバーとプロテクタ本体とで構成され、前記カバーと前記プロテクタ本体との接合部分に、前記開口端部が前記コネクタの後端部に嵌合された際に形成される隙間が設けられていることを特徴とする。
本発明のプロテクタ付コネクタでは、プロテクタの開口端部に周方向に沿って形成されている溝に結束バンドを装着し、その結束バンドを結束すると、プロテクタの開口端部の溝が形成されている周方向の一部に設けられた隙間の間隔が狭められ、プロテクタの開口端部の内側がコネクタの後端部側に押圧される。
【発明の効果】
【0011】
本発明のプロテクタ付コネクタによれば、プロテクタの開口端部に周方向に沿って形成されている溝に結束バンドを装着し、その結束バンドを結束すると、プロテクタの開口端部の溝が形成されている周方向の一部に設けられた隙間の間隔が狭められ、プロテクタの開口端部の内側がコネクタの後端部側に押圧されるようにしたので、簡単な構成でコネクタとプロテクタとの嵌合部分のガタつきを確実に無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のプロテクタ付コネクタの一実施形態を説明するものであって、コネクタ、プロテクタ、ゴムブーツが一体化された状態を示す斜視図である。
【
図2】
図1のプロテクタ付コネクタのプロテクタに結束バンドが装着された状態を示す斜視図である。
【
図4】
図1のプロテクタ付コネクタを示す側面図である。
【
図5】
図1のプロテクタ付コネクタを示す平面図である。
【
図6】
図4及び
図5のプロテクタ付コネクタを示す図であって、
図6(a)は
図4のa−a線に沿った断面図であり、
図6(b)は
図5のc−c線に沿った断面図である。
【
図8】従来のプロテクタ付コネクタを示すものであって、同図(a)はプロテクタ付コネクタを示す平面図、同図(b)は同図(a)のd−d線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のプロテクタ付コネクタの一実施形態の詳細を、
図1〜
図7を参照して説明する。なお、以下に説明するプロテクタ付コネクタは、たとえば車両にて配索されるワイヤハーネス等の電線群の保護や経路規制等に用いられるものである。
【0014】
まず、
図1及び
図2に示すように、プロテクタ付コネクタ10は、コネクタ20、プロテクタ30、ゴムブーツ40を備えている。コネクタ20及びプロテクタ30は、インサート成形品である。
【0015】
コネクタ20は、図示しない電線群の端部を収容するものであり、一体構成とされたものであって、開口端21側にその電線群の端部の端子が配置される構成を有している。プロテクタ30は、その開口端部の内側がコネクタ20の後端部側に嵌合されるものである。また、プロテクタ30は、コネクタ20の後方に導出された図示しない電線を収容保護するものであって、厚み方向に対して直交する方向に上下に分割されたプロテクタ本体31とカバー32とを有している。
【0016】
プロテクタ本体31の幅方向の左側面には、後述のロック爪34が係止されるロック枠部33が形成されている。なお、
図1及び
図2には示されていないが、プロテクタ本体31の幅方向の右側面にもロック枠部33が形成されている。また、プロテクタ本体31の先端側(コネクタ20の後端部と嵌合される側)には、結束バンド50が装着される溝33aが形成されている。溝33aには、結束バンド50のバンド本体51が挿通されるとともに、ロック部53が係止される係止枠33cが設けられている。なお、係止枠33cは、後述の溝33b側に設けられていてもよい。
【0017】
一方、カバー32のバンド本体51側に向けられた開口縁部には、プロテクタ本体31のロック枠部33に係止されるロック爪34が設けられている。また、カバー32の先端側(コネクタ20の後端部と嵌合される側)には、結束バンド50が装着される溝33bが形成されている。ここで、プロテクタ本体31にカバー32が装着されることにより、溝33a、33bがプロテクタ本体31及びカバー32の開口縁部の周方向で連通するようになっている。
【0018】
また、これらの溝33a、33bに結束バンド50が装着されることで、結束バンド50の位置ズレが防止される。また、上述した係止枠33cに結束バンド50のバンド本体51が挿通されるとともに、バンド本体51のロック部53が係止されることで、結束バンド50の溝33a、33bに沿っての位置ズレが防止される。
【0019】
また、プロテクタ本体31及びカバー32の開口縁部であって、溝33a、33bが形成されている周方向の一部に、
図6(b)に示すように、隙間33dが設けられている。この隙間33dは、プロテクタ30の開口端部がコネクタ20の後端部側に嵌合された際に形成されるものであり、プロテクタ本体31及びカバー32の溝33a、33bが形成されている部分の接合部分に形成されているものであって、結束バンド50の結束力により、その間隔が狭められるようになっている。これにより、プロテクタ本体31及びカバー32の開口縁部の内側がコネクタ20の後端部側に押圧されるようになっている。なお、その隙間33dにあっては、溝33a、33bが形成されている周方向の一部に限らず、厚み方向に対して直交する方向に上下に分割されたカバー32とプロテクタ本体31との接合部分の全域にわたって形成されるようにしてもよい。
【0020】
また、プロテクタ本体31及びカバー32の後端側には、ゴムブーツ40の引出孔35aが形成されている。このゴムブーツ40は、プロテクタ30により収容保護される図示しない電線の長手向の動きを規制するものである。また、ゴムブーツ40の先端部分がプロテクタ30の内部に介装され、さらにゴムブーツ40の後述の先端部41がプロテクタの開口端部の内側とコネクタ20の後端部との間に配置されている。なお、コネクタ20とプロテクタ30との嵌合状態や、ゴムブーツ40の装着状態の詳細については後述する。
【0021】
ここで、上述した溝33a、33bには、たとえば
図3に示すような結束バンド50が装着される。結束バンド50は、内面に複数の鉤部52を有したバンド本体51と、このバンド本体51を挿通させて任意の位置の鉤部52を着脱自在に係止する四角枠状のロック部53とを備えている。
【0022】
次に、コネクタ20とプロテクタ30との嵌合状態や、ゴムブーツ40の装着状態について説明する。まず、コネクタ20の後端部における幅方向左右での嵌合状態等について説明する。
【0023】
すなわち、
図4及び
図4のa−a線に沿った断面図である
図6に示すように、コネクタ20の幅方向左右の後端部には、係合段部22が周方向に沿って設けられている。また、コネクタ20の後端部の幅方向左右には、係合片23が設けられている。この係合片23は、プロテクタ本体31の幅方向左右の先端部の溝33aの内側に向けて突設されている。
【0024】
また、この係合片23は、後述のゴムブーツ40の先端部41の係合溝42に係合されるようになっている。これにより、ゴムブーツ40の先端部41の位置ズレ等が抑制される。
【0025】
一方、プロテクタ本体31の幅方向左右の先端部の溝33aの内側には、ゴムブーツ40の先端部41を収容保持する収容凹部35が設けられている。この収容凹部35がコネクタ20の幅方向左右の後端部の嵌合部分とされている。なお、ゴムブーツ40の先端部41の幅方向左右の内側には、上述した係合片23が係合される係合溝42が設けられている。また、ゴムブーツ40の先端は、コネクタ20の幅方向左右の係合段部22に当接するようになっている。
【0026】
ここで、ゴムブーツ40の幅方向左右の先端部41がコネクタ20の幅方向左右の後端部とプロテクタ本体31の幅方向左右の先端部の収容凹部35との間に介在されるため、コネクタ20の幅方向左右の後端部とプロテクタ本体31の幅方向左右の先端部との間、すなわち、コネクタ20とプロテクタ本体31との幅方向左右の嵌合部分がゴムブーツ40の先端部41により密閉されることになる。
【0027】
また、コネクタ20の後端部における厚み方向上下での嵌合状態等について説明すると、
図5及び
図5のb−b線に沿った断面図である
図7に示すように、コネクタ20の厚み方向上下の後端部には、上述した係合段部22が設けられている。また、コネクタ20の厚み方向上方の後端部には、折返し片23aが設けられている。コネクタ20の厚み方向下方の後端部には、当接段部23bが設けられている
【0028】
一方、カバー32の先端部の溝33bの内側は、上述したコネクタ20の厚み方向上方の折返し片23aに対応している。そして、その溝33bの内側と折返し片23aとの間に、ゴムブーツ40の先端側が挟持される。なお、ゴムブーツ40の先端は、コネクタ20の厚み方向上方の係合段部22に当接するようになっている。
【0029】
また、ゴムブーツ40の先端部41には、折返し片23aの先端に係合される係合段部43が設けられている。これにより、上述した結束バンド50の結束力により、その溝33bの内側と折返し片23aとの間、すなわち、コネクタ20とカバー32との厚み方向上方での嵌合部分が、ゴムブーツ40の先端部41により密閉されることになる。
【0030】
また、プロテクタ本体31の先端部の溝33aの内側は、上述したコネクタ20の厚み方向下方の当接段部23bに対応している。そして、その溝33aの内側と当接段部23bとの間に、ゴムブーツ40の先端部41が挟持される。なお、ゴムブーツ40の先端は、コネクタ20の厚み方向下方の係合段部22に当接するようになっている。
【0031】
これにより、上述した結束バンド50の結束力により、その溝33aの内側と当接段部23bとの間、すなわち、コネクタ20とプロテクタ本体31との厚み方向下方での嵌合部分がゴムブーツ40の先端部41により密閉されることになる。
【0032】
このように、本実施形態では、プロテクタ30の開口端部に周方向に沿って形成されている溝33a、33bに結束バンド50を装着し、その結束バンド50を結束すると、プロテクタ30の開口端部の溝33a、33bが形成されている周方向の一部に設けられた隙間33dの間隔が狭められるようにした。これにより、プロテクタ30の開口端部の内側がコネクタ20の後端部側に押圧されることから、簡単な構成でコネクタ20とプロテクタ30との嵌合部分のガタつきを確実に無くすことができる。
【0033】
また、本実施形態では、プロテクタ30の開口端部に周方向に沿って形成されている溝33a、33bに結束バンド50を装着し、その結束バンド50を結束すると、プロテクタ30の開口端部の溝33a、33bが形成されている周方向の一部に設けられた隙間33dの間隔が狭められ、さらに、先端部41がプロテクタ30の開口端部の内側とコネクタ20の後端部との間に配置されたゴムブーツ40を介し、プロテクタ30の開口端部の内側がコネクタ20の後端部側に押圧されるようにした。これにより、プロテクタ30の開口端部の内側とコネクタ20の後端部との間が密閉されることから、コネクタ20とプロテクタ30との嵌合部分のガタつきを無くしつつ、コネクタ20とプロテクタ30との嵌合部分からの水の進入を確実に防止することができる。
【0034】
また、結束バンド50が溝33a、33bに装着されるため、結束バンド50の位置ズレを防止することができる。
【0035】
また、本実施形態では、たとえば溝33aに結束バンド50のバンド本体51が挿通されるとともに、バンド本体51のロック部53が係止される係止枠33cが設けられているため、結束バンド50の溝33a、33bに沿っての位置ズレを防止することができる。
【0036】
また、プロテクタ30の厚み方向に対して直交する方向に上下に分割されたカバー32とプロテクタ本体31との接合部分の全域にわたって、プロテクタ30の開口端部がコネクタ20の後端部に嵌合された際に形成される隙間33dが設けられるようにすると、コネクタ20の形状とプロテクタ30の形状においてそれぞれバラツキがあっても、それぞれバラツキを許容することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
たとえば車両にて配索されるワイヤハーネス等の電線群の保護や経路規制等に用いられるもの以外に、電力線や信号線等の保護や経路規制等に用いられるものにも適用可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 コネクタ
2 プロテクタ
10 プロテクタ付コネクタ
20 コネクタ
21 開口端
22 係合段部
23 係合片
23a 折返し片
23b 当接段部
30 プロテクタ
31 プロテクタ本体
32 カバー
33 ロック枠部
33a、33b 溝
33c 係止枠
33d 隙間
34 ロック爪
35 収容凹部
35a 引出孔
40 ゴムブーツ
41 先端部
42 係合溝
43 係合段部
50 結束バンド
51 バンド本体
52 鉤部
53 ロック部