(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5952096
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】光半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 31/02 20060101AFI20160630BHJP
【FI】
H01L31/02 B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-132846(P2012-132846)
(22)【出願日】2012年6月12日
(65)【公開番号】特開2013-258247(P2013-258247A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124291
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 悟
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 勇治
(72)【発明者】
【氏名】西尾 文孝
【審査官】
山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−082828(JP,A)
【文献】
特開2004−020973(JP,A)
【文献】
特開2001−264162(JP,A)
【文献】
特開平09−027643(JP,A)
【文献】
特開2007−053196(JP,A)
【文献】
特開2010−161257(JP,A)
【文献】
特開2009−200403(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/046676(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00−31/0392、31/08−31/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光半導体チップと、
回路チップと、
前記光半導体チップと前記回路チップとを接続するチップ接続ワイヤと、
前記光半導体チップと前記回路チップとが収容される収容部を有するパッケージと、
前記光半導体チップ、前記回路チップ、及び前記チップ接続ワイヤを覆うように前記収容部に充填されたシリコーン樹脂と、を備え、
前記光半導体チップと前記回路チップとは、前記収容部の同じ底面上に固定されており、
前記パッケージには、前記光半導体チップと前記回路チップとが対向する方向において前記光半導体チップと前記回路チップとの間に設けられ、前記収容部の前記底面から突出した突起部が一体に形成され、
前記突起部は、前記パッケージと同一の材料からなり、前記突起部が一体に形成されたパッケージは、前記シリコーン樹脂よりも低い熱伝導率を有している、
光半導体装置。
【請求項2】
前記突起部は、前記チップ接続ワイヤと前記底面とが対向する方向において前記チップ接続ワイヤと前記底面との間に設けられている、
請求項1記載の光半導体装置。
【請求項3】
前記チップ接続ワイヤは、所定の方向に沿って複数並んでおり、
前記突起部は、前記所定の方向に沿って延在している、
請求項2記載の光半導体装置。
【請求項4】
前記パッケージは、黒色を呈している、
請求項1〜3のいずれか一項記載の光半導体装置。
【請求項5】
前記突起部の高さは、前記光半導体チップの高さ及び前記回路チップの高さよりも小さい、
請求項1〜4のいずれか一項記載の光半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光半導体チップ及び回路チップを備える光半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光半導体チップを備える装置として、例えば、特許文献1に記載のプラスティックパッケージが知られている。このプラスティックパッケージでは、ダイボンディングによりダイエリアにフォトデバイスチップが実装され、ワイヤボンディングによりフォトデバイスチップとリードフレームとが接続されている。ダイエリアを包囲するチップ収容体には、当該チップ収容体を形成する熱硬化性エポキシ樹脂よりも弾性係数の小さいシリコーン樹脂が満たされている。
【0003】
光半導体チップに加え、回路チップを備える光半導体装置においては、光半導体チップ及び回路チップが、例えばワイヤボンディングにより接続される。光半導体チップ、回路チップ、及びこれらを接続するチップ接続ワイヤは、シリコーン樹脂により覆われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−309215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光半導体チップ及び回路チップを備える光半導体装置は、例えば自動車に設置される場合等、温度変化の大きい環境下で使用される場合がある。温度変化によりシリコーン樹脂が膨張や収縮を起こすと、光半導体チップと回路チップとを接続するチップ接続ワイヤがシリコーン樹脂の膨張や収縮に伴って変形し、ワイヤに負荷がかかる懼れがある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、温度変化に起因するシリコーン樹脂の膨張や収縮に伴うチップ接続ワイヤの変形を低減できる光半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光半導体装置は、光半導体チップと、回路チップと、光半導体チップと回路チップとを接続するチップ接続ワイヤと、光半導体チップと回路チップとが収容される収容部を有するパッケージと、光半導体チップ、回路チップ、及びチップ接続ワイヤを覆うように収容部に充填されたシリコーン樹脂と、を備え、パッケージには、光半導体チップと回路チップとが対向する方向において光半導体チップと回路チップとの間に設けられ、収容部の底面から突出した突起部が一体に形成されている。
【0008】
この光半導体装置では、光半導体チップ及び回路チップがパッケージの収容部に収容され、光半導体チップ、回路チップ、及びこれらを接続するチップ接続ワイヤを覆うように、シリコーン樹脂が収容部に充填されている。収容部の底面からは、光半導体チップと回路チップとの間に設けられ、パッケージと一体に形成された突起部が突出している。このため、収容部に充填されたシリコーン樹脂の量が、突起部が設けられている分だけ低減されている。従って、温度変化により膨張や収縮を起こすシリコーン樹脂の量が減り、温度変化に起因するシリコーン樹脂の膨張や収縮に伴うチップ接続ワイヤの変形を低減できる。
【0009】
突起部は、チップ接続ワイヤと底面とが対向する方向においてチップ接続ワイヤと底面との間に設けられてもよい。この場合、チップ接続ワイヤの近傍のシリコーン樹脂の量が低減されるため、温度変化に起因するシリコーン樹脂の膨張や収縮に伴うチップ接続ワイヤの変形をさらに低減できる。
【0010】
チップ接続ワイヤは、所定の方向に沿って複数並んでおり、突起部は、所定の方向に沿って延在していてもよい。この場合、チップ接続ワイヤ毎に突起部を設ける必要がなく、突起部を容易に設けることができる。
【0011】
パッケージは、黒色を呈していてもよい。この場合、パッケージに照射された光が好適に吸収されるため、パッケージに照射されて反射した光が光半導体チップの動作に影響を与えることを抑制できる。
【0012】
パッケージは、シリコーン樹脂よりも低い熱伝導率を有していてもよい。この場合、パッケージと一体に形成された突起部により、回路チップの駆動により発生する熱の光半導体チップへの伝導が好適に抑制される。従って、回路チップで発生する熱が光半導体チップの動作に影響を与えることを抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、温度変化に起因するシリコーン樹脂の膨張や収縮に伴うチップ接続ワイヤの変形を低減できる光半導体装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第一実施形態の光半導体装置の平面図である。
【
図3】突起部のない光半導体装置においてシリコーン樹脂が収縮した状態を示す断面図である。
【
図4】第二実施形態の光半導体装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ実施形態について詳細に説明する。なお、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
[第一実施形態]
図1は第一実施形態の光半導体装置の平面図、
図2は
図1中のII-II矢視断面図である。
図1に示される光半導体装置OS1は、例えば自動車における車間距離センサ等として使用される。光半導体装置OS1は、フォトダイオードアレイ1及び信号処理回路チップ2の双方を備えるハイブリッドデバイスである。光半導体装置OS1は、フォトダイオードアレイ1及び信号処理回路チップ2の他に、パッケージ3A、複数(例えば、9つ)のチップ接続ワイヤ4、及びシリコーン樹脂5(
図2参照)を備えている。
【0017】
パッケージ3Aは、フォトダイオードアレイ1及び信号処理回路チップ2を収容する筐体である。パッケージ3Aは、平面視において略矩形状を呈す基部31と、平面視における基部31の各辺から基部31に直交する方向に延びる4つの側壁部32〜35と、を有する。基部31の上面31aと4つの側壁部32〜35の内側面32a〜35aとに囲まれた空間に、フォトダイオードアレイ1及び信号処理回路チップ2が収容される。すなわち、基部31(上面31a)と4つの側壁部(内側面32a〜35a)とは、フォトダイオードアレイ1と信号処理回路チップ2とが収容される収容部として機能する。基部31の上面31aは、収容部の底面として機能する。基部31には、フォトダイオードアレイ1や信号処理回路チップ2が固定される不図示のパターンが設けられている。
【0018】
パッケージ3Aは、黒色を呈している。パッケージ3Aは、シリコーン樹脂よりも低い熱伝導率を有している。パッケージ3Aを形成する材料としては、例えば液晶ポリマー等を使用することができる。
【0019】
フォトダイオードアレイ1は、光を検知する光半導体チップであり、複数(例えば9つ)のフォトダイオードを配列することにより形成されている。フォトダイオードアレイ1は、複数(例えば、2つ)のリード接続ワイヤ7を介して、リード6に電気的に接続されている。信号処理回路チップ2は、フォトダイオードアレイ1から入力された信号を処理する回路チップであり、入力された信号を増幅するアンプである。信号処理回路チップ2は、複数(例えば、12つ)のリード接続ワイヤ7を介して、リード6に電気的に接続されている。リード接続ワイヤ7の接続は、例えばワイヤボンディング等により行われる。
【0020】
図2に示されるように、フォトダイオードアレイ1と信号処理回路チップ2とは、互いに対向する状態で収容部内に配置されており、例えばダイボンディング等により上述のパターンに固定されている。すなわち、フォトダイオードアレイ1及び信号処理回路チップ2は、パターンを介して、基部31に固定されている。フォトダイオードアレイ1において、固定面から反対側の面までの距離(高さ)d1は、例えば0.32mm程度である。信号処理回路チップ2において、固定面から反対側の面までの距離(高さ)d2は、例えば0.4mm程度である。
【0021】
本実施形態においては、上面31aに平行な方向で、かつ、フォトダイオードアレイ1と信号処理回路チップ2とが対向する方向は、Y方向とされている。上面31aと平行な方向で、かつ、Y方向と垂直な方向は、X方向とされている。上面31aに垂直な方向は、Z方向とされている。
【0022】
図1に戻り、チップ接続ワイヤ4は、フォトダイオードアレイ1と信号処理回路チップ2とを電気的に接続する。複数のチップ接続ワイヤ4は、X方向(所定の方向)に沿って並んでいる。チップ接続ワイヤ4の接続は、例えばワイヤボンディング等により行われる。
【0023】
シリコーン樹脂5は、収容部内の部品を保護すべく、フォトダイオードアレイ1、信号処理回路チップ2、チップ接続ワイヤ4、及びリード接続ワイヤ7等を覆うように収容部に充填されている。シリコーン樹脂5は、フォトダイオードアレイ1で検知する光を透過させることができるように、透光性を有している。
【0024】
次に、上述のパッケージ3Aについて詳細に説明する。
【0025】
図2に示されるように、パッケージ3Aには、突起部36が設けられている。突起部36は、基部31の上面31aから突出している。突起部36は、Y方向において、フォトダイオードアレイ1と信号処理回路チップ2との間に設けられている。突起部36は、X方向に沿って延在しており(
図1参照)、Z方向において、複数のチップ接続ワイヤ4と上面31aとの間(複数のチップ接続ワイヤ4の真下)に設けられている。上面31aから突起部36の先端までの距離(高さ)d3は、例えば、0.3mm程度であり、フォトダイオードアレイ1の高さd1及び信号処理回路チップ2の高さd2よりも小さい。突起部36は、パッケージ3Aと同一の材料によりパッケージ3Aと一体に形成されている。
【0026】
以上のように、本実施形態に係る光半導体装置OS1では、フォトダイオードアレイ1及び信号処理回路チップ2がパッケージ3Aの収容部に収容され、フォトダイオードアレイ1、信号処理回路チップ2、及びこれらを接続するチップ接続ワイヤ4を覆うように、シリコーン樹脂5が収容部に充填されている。収容部の底面である上面31aからは、フォトダイオードアレイ1と信号処理回路チップ2との間に設けられ、パッケージ3Aと一体に形成された突起部36が突出している。
【0027】
図3は、突起部のない光半導体装置においてシリコーン樹脂が収縮した状態を示す断面図である。光半導体装置は、上述のように自動車に設置される場合等、温度変化の大きい環境下で使用される場合がある。
図3に示されるように、突起部のない光半導体装置100において、温度変化によりシリコーン樹脂5が収縮を起こした場合、チップ接続ワイヤ4がシリコーン樹脂5の収縮に伴って変形し、チップ接続ワイヤ4に負荷がかかる懼れがある。温度変化によりシリコーン樹脂5が膨張を起こした場合にも、チップ接続ワイヤ4がシリコーン樹脂5の膨張に伴って変形し、チップ接続ワイヤ4に負荷がかかる懼れがある。
【0028】
これに対し、光半導体装置OS1では、上述のように、上面31aから突起部36が突出しているため、収容部に充填されたシリコーン樹脂5の量が、突起部36が設けられている分だけ低減されている。従って、温度変化により膨張や収縮を起こすシリコーン樹脂5の量が減り、温度変化に起因するシリコーン樹脂5の膨張や収縮に伴うチップ接続ワイヤ4の変形を低減できる。
【0029】
光半導体装置OS1では、突起部36は、チップ接続ワイヤ4と上面31aとが対向するZ方向において、チップ接続ワイヤ4と上面31aとの間(チップ接続ワイヤ4の真下)に設けられている。このため、チップ接続ワイヤ4の近傍のシリコーン樹脂5の量が低減される。従って、温度変化に起因するシリコーン樹脂5の膨張や収縮に伴うチップ接続ワイヤ4の変形をさらに低減できる。
【0030】
光半導体装置OS1では、チップ接続ワイヤ4は、X方向に沿って複数並んでおり、突起部36は、X方向に沿って延在している。このため、チップ接続ワイヤ4毎に突起部36を設ける必要はなく、突起部36を容易に設けることができる。
【0031】
光半導体装置OS1では、パッケージ3Aは、黒色を呈している。このため、パッケージ3Aに照射された光が好適に吸収され、パッケージ3Aに照射されて反射した光がノイズとなってフォトダイオードアレイ1の動作に影響を与えることを抑制できる。
【0032】
光半導体装置OS1では、パッケージ3Aは、シリコーン樹脂5よりも低い熱伝導率を有している。このため、パッケージ3Aと同一の材料により一体に形成された突起部36により、信号処理回路チップ2の駆動により発生する熱のフォトダイオードアレイ1への伝導が好適に抑制される。従って、信号処理回路チップ2で発生する熱がフォトダイオードアレイ1の動作に影響(暗電流の増大といった悪影響等)を与えることを抑制できる。
【0033】
光半導体装置OS1では、突起部36の高さd3は、フォトダイオードアレイ1の高さd1、及び信号処理回路チップ2の高さd2よりも小さい。
【0034】
突起部36の高さd3がフォトダイオードアレイ1の高さd1及び信号処理回路チップ2の高さd2よりも大きい場合、フォトダイオードアレイ1や信号処理回路チップ2を基部31に固定する際、フォトダイオードアレイ1や信号処理回路チップ2を吸着して搬送するためのコレットが、突起部36に干渉しやすい。従って、この場合、フォトダイオードアレイ1や信号処理回路チップ2を固定する位置と、突起部36を設ける位置との間の距離を大きくする必要があり、装置の大型化を招いてしまう。
【0035】
これに対し、光半導体装置OS1では、上述のように、突起部36の高さd3は、フォトダイオードアレイ1の高さd1、及び信号処理回路チップ2の高さd2よりも小さいため、コレットが突起部36に干渉することが防止される。従って、フォトダイオードアレイ1や信号処理回路チップ2を固定する位置と、突起部36を設ける位置との間の距離を小さくすることができ、装置の小型化を図ることができる。
【0036】
[第二実施形態]
図4は、第二実施形態の光半導体装置の平面図である。
図4に示されるように、本実施形態の光半導体装置OS2が第一実施形態の光半導体装置OS1(
図1参照)と異なる点は、突起部37の形状が第一実施形態の突起部36の形状と異なる点である。
【0037】
光半導体装置OS2のパッケージ3Bには、チップ接続ワイヤ4の個数に対応して、複数(すなわち、9つ)の突起部37が設けられている。突起部37は、Z方向において、各チップ接続ワイヤ4と上面31aとの間(各チップ接続ワイヤ4の真下)にそれぞれ設けられている。光半導体装置OS2では、チップ接続ワイヤ4毎に突起部37が設けられている。各突起部37の高さは、第一実施形態の突起部36と同様、例えば、0.3mm程度であり、フォトダイオードアレイ1の高さd1及び信号処理回路チップ2の高さd2よりも小さい。
【0038】
以上のように、本実施形態に係る光半導体装置OS2では、収容部の底面である上面31aからは、フォトダイオードアレイ1と信号処理回路チップ2との間に設けられ、パッケージ3Aと一体に形成された複数の突起部37が突出している。従って、収容部に充填されたシリコーン樹脂5の量が、複数の突起部37が設けられている分だけ低減されている。よって、温度変化により膨張や収縮を起こすシリコーン樹脂5の量が減り、温度変化に起因するシリコーン樹脂5の膨張や収縮に伴うチップ接続ワイヤ4の変形を低減できる。
【0039】
光半導体装置OS2では、突起部37は、各チップ接続ワイヤ4と上面31aとが対向するZ方向において、各チップ接続ワイヤ4と上面31aとの間(各チップ接続ワイヤ4の真下)にそれぞれ設けられている。このため、各チップ接続ワイヤ4の近傍のシリコーン樹脂5の量が低減される。従って、温度変化に起因するシリコーン樹脂5の膨張や収縮に伴うチップ接続ワイヤ4の変形をさらに低減できる。
【0040】
光半導体装置OS2では、パッケージ3Aは、黒色を呈している。このため、パッケージ3Aに照射された光が好適に吸収され、パッケージ3Aに照射されて反射した光がノイズとなってフォトダイオードアレイ1の動作に影響を与えることを抑制できる。
【0041】
光半導体装置OS2では、パッケージ3Aは、シリコーン樹脂5よりも低い熱伝導率を有している。このため、パッケージ3Aと同一の材料により一体に形成された複数の突起部37により、信号処理回路チップ2の駆動により発生する熱のフォトダイオードアレイ1への伝導が抑制される。従って、信号処理回路チップ2で発生する熱がフォトダイオードアレイ1の動作に影響を与えることを抑制できる。
【0042】
光半導体装置OS2では、各突起部37の高さd3は、フォトダイオードアレイ1の高さd1、及び信号処理回路チップ2の高さd2よりも小さい。従って、コレットが突起部36に干渉することが防止される。よって、フォトダイオードアレイ1や信号処理回路チップ2を固定する位置と、各突起部37を設ける位置との間の距離を小さくすることができ、装置の小型化を図ることができる。
【0043】
以上、本発明の光半導体装置の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態においては、光検知用の光半導体チップとして、フォトダイオードアレイ1を使用しているが、例えばAPD(Avalanche Photodiode)やPSD(Position SensitiveDetector)などの受光素子全般を使用してもよい。光半導体チップとしては、発光用のものを使用してもよく、例えば、LED等を使用することができる。
【0044】
上記実施形態においては、回路チップとして、光半導体チップから出力される信号を処理するための信号処理回路チップ2を使用しているが、光半導体チップを駆動するための駆動回路チップを使用してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…フォトダイオードアレイ、2…信号処理回路チップ、3A,3B…パッケージ、4…チップ接続ワイヤ、5…シリコーン樹脂、36,37…突起部、OS1,OS2…光半導体装置。