(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来の制御盤は、例えば、
図20に示すような構成になっている。
図20(a)は開閉扉203を取り外した状態の制御盤201を示す正面図であり、
図20(b)は開閉扉203を取り付けた状態の制御盤201を一部切り欠いて示す側面図である。
【0003】
まず、制御盤用筺体205があり、この制御盤用筺体205は、例えば、鋼板製であって有底器形状をなしていて、その横断面形状は長方形となっている。すなわち、制御盤用筺体205は、底板207と、この底板207より立設された4個の側壁209、209、209、209とから構成されている。また、既に説明した開閉扉203は制御盤用筺体205の前面開口部211を開閉するように、図示しないヒンジを介して一つの側壁209に回動自在に取り付けられている。
【0004】
上記制御盤用筺体205の底壁207には、各種機器を取り付けるための基板213が取り付けられている。この基板213には各種機器を取り付けるための複数のガイド部材215が取り付けられている。そして、上記ガイド部材215には、各種機器、例えば、ブレーカ217、パワーサプライ219、インバータ221、端子台223等が取り付けられている。また、その他にも、リレー225、リレー端子227、プログラマブルコントローラ(PLC)229、モーターコントローラ231、モータードライバーコントローラ235等が取り付けられている。
なお、上記インバータ221とモーターコントローラ231とモータードライバーコントローラ235は基板213に直接取り付けられている。
【0005】
また、上記基板213には配線ダクト233が適所に取り付けられていて(
図20(a)に示す場合には、横2列、縦2列に設置されている。)、上記各種機器より引き出された配線類はこれら配線ダクト233内に収容された状態で配設されている。また、上記筺体205には図示しない配線取出部があり、上記配線類はその配線取出部を介して制御盤用筺体205の外部に引き出されることになる。
【0006】
なお、この種の制御盤の構成を示すものとして、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等がある。
【0007】
ところが、
図20に示すような制御盤201の場合には次のような問題があった。
まず、制御盤201の小型化が難しいという問題があった。その要因としては、例えば、制御盤201内に配線ダクト233が設置されていて、その配線ダクト233は各種機器と同じ平面内に設置される構成になっているため、制御盤201としての面積が大きくなってしまうことが挙げられる。
また、配線ダクト233を使用した配線の引き回し作業が面倒であるという問題もあった。
【0008】
そこで、本件特許出願人は、これらの問題を解決するべく特許出願を行っている。それが特許文献4である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、特許文献4に開示されている制御盤によって、構成の簡略化と小型化、配線の引き回し作業の容易化を図ることができるが、それでも不十分であった。
例えば、配線ダクトをなくすことにより制御盤の面積を縮小することができ、それによって、簡略化と小型化を図ることはできるが、基本的には、各機器が正面側のみを向いた状態で取り付けられる構成であるため、機器が増加すれば制御盤の面積はやはり拡大していき、十分な小型化を図る上では限界があった。
また、取り付けられた機器の背面側の空間を配線スペースとして使用しているが、その配線作業は決して容易なものとはいえなかった。
【0011】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、さらなる構成の簡略化と小型化及び配線の引き回し作業の容易化を図ることが可能な制御盤用筺体と制御盤を提供することにある。
【0012】
なお、本件特許出願人は、上記課題を解決するものとして、特許出願を行っている(特願2011−275614)が、本願は、それをさらに改良したものであり、上記特許出願に係る発明の利点を維持した状態で、防塵・防滴機能を備えさせるように工夫したものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するべく本願発明の請求項1による制御盤用筐体は、
後方の左右にそれぞれ配置され角部材と
該角部材の長手方向全長において前方に向かって真っ直ぐに延長されたフレーム状の取付部
とを一体に備えた
柱状の一対の一体フレームと、
前方の左右にそれぞれ配置され上記角部材と略同じ端面形状をなす柱状の一対の柱骨組材と、上記一対の一体フレーム
及び上記一対の柱骨組材以外のその他の骨組材と、上記一対の一体フレームと
上記一対の柱骨組材とその他の骨組材とにより組み立てられた骨組体の各面に取り付けられた遮蔽板と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2による制御盤用筐体は、請求項1記載の制御盤用筐体において、
上記一体フレームの取付部の先端には溝が上下に延長されて設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項3による制御盤用筐体は、
請求項1又は請求項2記載の制御盤用筐体において、
上記一体フレームの角部材の内側面には溝が上下に延長されて設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項4による制御盤用筐体は、
請求項1〜請求項3
の何れかに記載の制御盤用筺体において、
上記一体フレームの取付部は、機器取付用レールを取り付けるための機器取付用レール取付部であることを特徴とするものである。
又、請求項5による制御盤用筐体は、
請求項1〜請求項4
の何れかに記載の制御盤用筺体において、上記遮蔽板は、所定の形状と厚みの固定用弾性部材を上記一体フレーム又
上記一対の柱骨組材又はその他の骨組材の溝
であって上記遮蔽板の外側に圧入することにより固定されるものであることを特徴とするものである。
又、請求項6による制御盤用筐体は、請求項5記載の制御盤用筺体において、上記固定用弾性部材は上記遮蔽板の厚みに応じた任意の厚みのものが選択・使用されることを特徴とするものである。
又、請求項7による制御盤は、
請求項4記載の制御盤用筺体と、上記一の一体フレームの機器取付用レール取付部間に取り付けられ正面側及び/又は背面側に機器が着脱可能に取り付けられる機器取付用レールと、上記機器取付用レールに着脱可能に取り付けられた各種機器と、を具備したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように、本願発明の請求項1による制御盤用筺体によると、左右にそれぞれ配置され角部材とフレーム状の取付部を一体に備えた一対の一体フレームと、上記一対の一体フレーム以外のその他の骨組材と、上記一対の一体フレームとその他の骨組材とにより組み立てられた骨組体の各面に取り付けられた遮蔽板と、を具備した構成をなしているので、まず、このような構成の制御盤用筺体を使用することにより、内部構造を露出させることなく制御盤を構成することができ、それによって、防塵・防滴構造の制御盤を提供することができる。
また、骨組体を構築するに際して、角部材とフレーム状の取付部を一体化させた一体フレームを使用しているので、骨組体を構成する部品点数を減少させることができ、且つ、骨組体の組立作業の容易化を図ることができる。
また、請求項2による制御盤用筺体によると、請求項1記載の制御盤用筺体において、上記一体フレームの取付部は、機器取付用レールを取り付けるための機器取付用レール取付部であるので、その取付部を使用することにより、別途、取付部を設けることなく、機器取付用レールを取り付けることができ、上記効果をより確実に得ることができる。
また、請求項3による制御盤用筺体によると、請求項2記載の制御盤用筺体において、前面側は開閉扉になっているので、使い勝手の良い制御盤を提供することができる。
また、請求項4による制御盤用筺体によると、請求項3記載の制御盤用筺体において、遮蔽板の全部又は一部は透明であるので、内部を任意の個所から視認可能な制御盤を提供することができる。
また、請求項5による制御盤用筺体によると、請求項4記載の制御盤用筺体において、上記遮蔽板は、所定の形状と厚みの固定用弾性部材を上記一体フレーム又はその他の骨組材の溝に圧入することにより固定されるようになっているので、遮蔽板の着脱が容易化される。
また、請求項6による制御盤用筺体によると、請求項5記載の制御盤用筺体において、上記固定用弾性部材は上記遮蔽板の厚みに応じた任意の厚みのものが選択・使用されるように構成されているので、様々な厚みの遮蔽板に容易に対応することができる。
また、請求項7による制御盤によると、請求項2〜請求項6の何れかに記載の制御盤用筺体と、上記一対の一体フレームの機器取付用レール取付部間に取り付けられ正面側及び/又は背面側に機器が着脱可能に取り付けられる機器取付用レールと、上記機器取付用レールに着脱可能に取り付けられた各種機器と、を具備した構成をなしているので、構成の簡略化、小型化、機器の取付作業と配線作業の容易化等を阻害することなく、所望の防塵・防滴機能を備えた使い勝手の良い制御盤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、
図1乃至
図19を参照して本発明の一実施の形態を説明する。
本実施の形態における制御盤用筐体1は、
図1及び
図2に示すように、基本的には筐体本体3と開閉扉5とから構成される。
なお、
図1及び
図2は、天井用遮蔽板(追って説明する。)を撤去した状態の制御盤用筺体1を示している。
【0017】
まず、筐体本体3の構成から説明する。上記筐体本体3には、
図5及び
図6に示すように、骨組体7があり、この骨組体7は、下部骨組材9a、9b、9c、9d、柱骨組材11a、11b、一体フレーム13a、13b、梁材15a、15b、15c、上部骨組材17a、17b、17c、17dから構成されている。
【0018】
上記骨組体7の構成を詳しく説明すると、上記下部骨組材9a、9b、9c、9dは、
図5に示すように、長方形形状に組み合わされ、その長方形形状の前方側(
図5中左下側)の幅方向(
図5中左上から右下に向かう方向)両側端に、上記柱骨組材11a、11bが立設されている。また、上記長方形形状に組み合わされた下部骨組材9a、9b、9c、9dの後方側(
図5中右上側)の幅方向(
図5中左上から右下に向かう方向)両側端に上記一体フレーム13a、13bが立設されている。
また、上記柱骨組材11aと上記一体フレーム13aとの間には梁材15aが設けられており、上記柱骨組材11bと上記一体フレーム13bとの間には梁材15bが設けられている。また、上記一体フレーム13a、13b間にも、梁材15cが設けられている。また、上記柱骨組材11a、11bや上記一体フレーム13a、13bの上端側(
図5中上側)には、上記上部骨組材17a、17b、17c、17dが長方形形状に組み合わされて設けられている。
【0019】
また、
図5に示すように、上記下部骨組材9a、9b及び上記柱骨組材11aの連結、上記下部骨組材9b、9c、及び、上記一体フレーム13aの連結、上記上部骨組材17a、17b、及び、上記柱骨組材11aの連結、上記上部骨組材17b、17c及び上記一体フレーム13aの連結は、連結ブロック19を介在させた状態で行われる。また、上記柱骨組材11aと上記下部骨組材9aは、ブラケット20によっても連結されている。同様に、上記柱骨組材11aと上部骨組材17aは、ブラケット20によっても連結されている。
【0020】
また、上記下部骨組材9c、9d及び上記一体フレーム13bの連結や、上記上部骨組材17c、17d及び上記一体フレーム13bの連結も、連結ブロック19を介在させた状態で行われている。また、上記骨組体7の左側(
図3中右下側)における上記下部骨組材9a、9d及び上記柱骨組材11bの連結は、連結ブロック21によって行われている。また、上記上部骨組材17a、17d、上記柱骨組材11bの接続は、連結ブロック22によって行われている。
なお、上記連結ブロック19、21、22を介しての連結、上記ブラケット20を介しての連結については後述する。
【0021】
次に、上記骨組体7を構成する各種骨組材や梁材の構成を順次説明する。
まず、下部骨組材9a〜9d、柱骨組材11a、11b、上部骨組材17a〜17dは、
図7に示すような端面形状を有する柱状の部材である。上記下部骨組材9a〜9d、柱骨組材11a、11b、上部骨組材17a〜17dには、T字型溝23、23が、その長さ方向(
図7中紙面に直交する方向)に沿って延長・形成されている。このT字型溝23、23は、その開口部(
図7中左側又は下側)の幅が内部(
図7中右側又は上側)の幅よりも狭くなっている。また、上記下部骨組材9a〜9d、柱骨組材11a、11b、上部骨組材17a〜17dには、L字型溝25、25がその長さ方向(
図7中紙面に直交する方向)に沿って延長・形成されている。
【0022】
また、
図7に示すように、上記L字型溝25、25の近傍には遮蔽板係合部26、26が、その長さ方向(
図7中紙面に直交する方向)に沿って延長・形成されている。また、上記下部骨組材9a〜9d、柱骨組材11a、11b、上部骨組材17a〜17dには、円形の一部を切除したような形状の溝27、27が、その長さ方向(
図7中紙面に直交する方向)に沿って延長・形成されていて、その両端(
図7中紙面に直交する方向の両端)には、それぞれ2つずつの雌ネジ部27a、27bが形成されている。
なお、上記下部骨組材9a〜9d、柱骨組材11a、11b、上部骨組材17a〜17dは、例えば、アルミの押し出し成形によって成形されるものである。
【0023】
次に、一体フレーム13a、13bであるが、
図8に示すような端面形状を有する柱状の部材である。上記一体フレーム13a、13bは、
図8に示すように、角部材29と機器取付用レール取付部31とが一体に成形されたものである。上記角部材29は略四角柱形状の部分であり、
図8に示すように、T字型溝33、33、L字型溝35、35が、その長さ方向(
図8中紙面に直交する方向)に沿って延長・形成されている。また、
図8に示すように、上記L字型溝35、35の近傍には、それぞれ遮蔽板係合部36、36が、その長さ方向(
図8中紙面に直交する方向)に沿って延長・形成されている。また、上記角部材29には、円形の一部を切除したような形状の溝37が、その長さ方向(
図8中紙面に直交する方向)に沿って延長・形成されていて、その両端側(
図8中紙面に直交する方向)には、それぞれ雌ネジ部37a、37aが形成されている(
図8中片側のみ示す)。
【0024】
また、上記機器取付用レール取付部31は、略平板上の部分であり、その先端(
図8中下端)には、T字型溝39が、長さ方向(
図8中紙面に直交する方向)に沿って延長・形成されている。また、
図1、
図5、
図10、
図11に示すように、上記機器取付用レール取付部31には、複数の貫通孔41が穿孔されている。
なお、上記一体フレーム13a、13bも、例えば、アルミの押し出し成形によって成形されるものである。
【0025】
梁材15a〜15cは、
図9に示すような端面形状を有する柱状の部材である。上記梁材15a〜15cの
図9中上側の幅方向(
図9中左右方向)両端には、L字型溝43、43が、それぞれ長さ方向(
図9中紙面に直交する方向)に沿って延長・形成されている。また、
図9に示すように、上記L字型溝43、43の近傍には、それぞれ遮蔽板係合部44、44が、それぞれ長さ方向(
図9中紙面に直交する方向)に沿って延長・形成されている。また、上記梁材15a〜15cの
図9中下側の幅方向(
図9中左右方向)両端には、T字型溝45、45が、それぞれ長さ方向(
図9中紙面に直交する方向)に沿って延長・形成されている。上記L字型溝43は、前述した下部骨組材7等のL字型溝25と同様の溝である。また、上記T字型溝45は、前述した下部骨組材7等のT字型溝23と同様の溝である。
なお、上記梁材15a〜15cも、例えば、アルミの押し出し成形によって成形されるものである。
【0026】
次に、各部の連結構造について説明する。
まず、上部骨組材17b、17c、一体フレーム13aの連結ブロック19を介しての連結構造から説明する。上記連結ブロック19は、
図10、
図11に示すような略立方体形状の中空部材である。上記接続ブロック19の各面のうち、骨組体7の外側を向いた3つの面46a、46b、46c(
図11中左上側の面が46a、右上側の面が46b、上側の面が46c)のそれぞれには、貫通孔47、47、47が穿孔されている(図中上側の面46cに設けられた貫通孔47のみ示す。)。
【0027】
また、上記連結ブロック19の各面のうち、骨組体17の内側を向いた3つの面46d、46e、46f(
図9中左下側の面が46d、右下側の面が46e、下側の面が46f)のそれぞれには、上記貫通孔47、47、47に対応した貫通孔49、49、49が穿孔されている(図中左下側の面が46d、右下側の面が46eに設けられた貫通孔49のみ示す。)。
なお、上記貫通孔49は上記貫通孔47よりも小さいものとなっている。
【0028】
また、上記面46d、46e、46fのそれぞれには、複数の(本実施の形態の場合には4つ)の位置決め用突起50が突出・形成されている。これら各面の4つの位置決め用突起50は、
図7に示すように、例えば、上部骨組材17b、17cの端面の所定箇所に係合し、それによって、連結ブロック19と上部骨組材17b、17cとの間の位置決めがなされることになる。
図7中4つの位置決め用突起50を仮想線で示す。
以上が、連結ブロック19の構成である。
【0029】
上記連結ブロック19の面46dには上部骨組材17bの端面が当接される。そして、上記連結ブロック19の面46bの貫通孔47からボルト51aが挿入される。このボルト51aは上記連結ブロック19の面46dの貫通孔49を貫通し、上記上部骨組材17bの雌ネジ部27bに螺合される。
なお、ボルト51aは上記貫通孔47を通って連結ブロック19の内面にその頭が当接されるようになる。
【0030】
また、上記接続ブロック19の面46eには上部骨組材17cの端面が当接される。そして、上記接続ブロック19の面46aの貫通孔47からボルト51bが挿入される。このボルト51bは上記接続ブロック19の面46eの貫通孔49を貫通し、上記上部骨組材17cの雌ネジ部27bに螺合される。
なお、この場合にも、ボルト51bは上記貫通孔47を通って連結ブロック19の内面にその頭が当接されるようになる。
【0031】
また、上記接続ブロック19の面46fには、上記一体フレーム11の角部材29の端面が当接される。そして、上記接続ブロック19の面46cの貫通孔47からボルト51cが挿入される。このボルト51cは上記接続ブロック19の面46fの貫通孔49を貫通し、上記一体フレーム13aの雌ネジ部37aに螺合される。
なお、この場合にも、ボルト51cは上記貫通孔47を通って連結ブロック19の内面にその頭が当接されるようになる。
このようにして、上部骨組材17b、17c、一体フレーム13aが連結ブロック19を介して連結・固定されることになる。
なお、連結ブロック19を使用したその他の角部の連結構造も同様である。
【0032】
また、下部骨組材9a、9d、及び、上記柱骨組材11bの連結ブロック21を介しての連結、上部骨組材17a、17d、及び、柱骨組材11bの連結ブロック22を介しての連結も、上記連結ブロック19を介しての連結と基本的には同じであるが、上記連結ブロック21や連結ブロック22を介しての連結には、上記連結ブロック19を介しての連結にはない構成が含まれている。
【0033】
すなわち、
図5に示すように、上記連結ブロック21には開閉扉連結部53が前方側(
図5中左下側)へと突出・形成されており、この開閉扉連結部53には開閉扉用回動軸55が立設されている。また、上記連結ブロック22には前方側(
図3中左下側)へと突出された開閉扉接続部57が設けられており、この開閉扉接続部57には開閉扉用回動軸59が立設されている。これら開閉扉用回動軸55開閉扉用回動軸59の間に開閉扉5が回動自在に取り付けられることになる。その取付構造については後述する。
【0034】
また、柱骨組材11aと下部骨組材9aとの内側部のブラケット20を介しての連結は次のような構成となっている。まず、上記ブラケット20の構成について説明する。上記ブラケット20は、
図12に示すように、略L字型の部材であり、L字の一片には貫通孔61aが穿孔されているとともに、他の一片には貫通孔61bが穿孔されている。以上が、上記ブラケット20の構成である。
【0035】
上記ブラケット20の
図12中左側の面は柱骨組材11aに当接されるとともに、上記ブラケット20の
図12中下側の面は下部骨組材9aに当接される。上記柱骨組材11aのT字型溝23内には、このT字型溝23の形状に対応したT字型ナット63aが挿入されている。そして、上記ブラケット20の貫通孔61aを貫通して、上記T字型ナット63aにボルト65aが螺合されている。同様に、上記下部骨組材9aのT字型溝23内にもT字型ナット63bが挿入されており、上記ブラケット20の貫通孔61bを貫通して、上記T字型ナット63bにボルト65bが螺合されている。このようにして、柱骨組材9aと下部骨組材7aとの内側部がブラケット20を介して連結される。
【0036】
また、柱骨組材11aと上部骨組材17aとのブラケット20を介しての連結も同様の構成となっている。
なお、
図12は、下部骨組材9aや柱骨組材11a等の骨組材は省略されており、上記ブラケット20、T字型ナット63a、63b、及び、ボルト65a、65bの関係のみを図示したものである。
以上のようにして、骨組体7が構築されている。
なお、筺体本体3の梁材15a〜15cの端部の連結構造は追って詳細に説明する。
【0037】
また、
図5に示すように、上記骨組体7の、下部骨組材9a、9b、9c、9dに囲まれた箇所には、底板用遮蔽板67aが設置されている。この底板用遮蔽板67aは板状の部材で、
図13に示すように、上記下部骨組材9a、9b、9c、9dの遮蔽板係合部26に、底板用遮蔽板67aの各辺の端部が係合されるとともに、上記下部骨組材9a、9b、9c、9dのL字型溝25内に固定用弾性部材68が圧入され、それによって、上記下部骨組材9a、9b、9c、9dの内側に底板用遮蔽板67aが固定される。上記固定用弾性部材68の底板用遮蔽板67aを押圧する部分の厚み(
図13中上下方向の大きさ)に関しては、予め種々の大きさのものが用意されていて、実際に使用する底板用遮蔽板67aの厚みに応じて、適切な厚みを備えた固定用弾性部材68が選択・使用されるものである。
なお、上記固定用弾性部材68は弾性部材であり、例えば、ゴム製である。
また、上部骨組材17a、17b、17c、17dに囲まれた箇所にも、同様にして、天井用遮蔽板67bが設置されている。
【0038】
また、柱骨組材11a、一体フレーム13a、上部骨組材17b、梁材15aによって囲まれた箇所にも、上部側壁用遮蔽板67cが設置されている。この上部側壁用遮蔽板67cは、前述した底板用遮蔽板67aと同様に、その各辺の端部側が上記柱骨組材11aの遮蔽板係合部26、上記一体フレーム13aの遮蔽板係合部36、上記上部骨組材17bの遮蔽板係合部26、上記梁材13aの遮蔽板係合部44に係合されるとともに、上記柱骨組材11aのL字型溝25、上記一体フレーム13aのL字型溝35a、上記上部骨組材17bのL字型溝25、上記梁材15aのL字型溝43に固定用弾性部材68がそれぞれ圧入され、それによって、上部側壁用遮蔽板67cが柱骨組材11a、一体フレーム13a、上部骨組材17b、梁材15aによって囲まれた箇所に設置されるものである。
なお、上記上部側壁用遮蔽板67cと上記一体フレーム13aの機器取付用レール取付部31との間には隙間が形成されることになる。
【0039】
また、同様の構成により、柱骨組材11a、一体フレーム13a、下部骨組材9b、梁材15aによって囲まれた箇所にも、下部側壁用遮蔽板67dが設置されている。また、同様の構成により、柱骨組材11b、一体フレーム13b、上部骨組材17d、梁材15bによって囲まれた箇所には上部側壁用遮蔽板67eが設置されており、柱骨組材11b、一体フレーム13b、下部骨組材9d、梁材15bによって囲まれた箇所には下部側壁用遮蔽板67fが設置されている。
【0040】
また、上部骨組材17c、一体フレーム13a、13b、梁材15cによって囲まれた箇所には、上部背面板用遮蔽板67gが設置されている。この上部背面板用遮蔽板67hも前述した底板用遮蔽板67aと同様に、その各辺の端部側が上部骨組材15cの遮蔽板係合部26、一体フレーム13a、13bの遮蔽板係合部36、36、梁材15cの遮蔽板係合部44に係合されると共に、上部骨組材17cのL字型溝25、一体フレーム13a、13bのL字型溝35、35、梁材15cのL字型溝43に固定用弾性部材68が圧入され、それによって、上部背面板用遮蔽板67gが固定される。
また、同様にして、下部骨組材9c、一体フレーム13a、13b、梁材15cによって囲まれた箇所には、下部背面板用遮蔽板67hが設置されている。
【0041】
次に、開閉扉5の構成について説明する。
開閉扉5は、
図1〜
図3に示すように、開閉扉用骨組材71a、71b、71c、71dと、梁材71eによってその骨組が構成されている。上記開閉扉用骨組材71a〜71dは、
図14に示すような端面形状を有する部材であり、梁材71eは、既に説明した
図9に示す部材である。
【0042】
上記開閉扉用骨組材71a、71b、71c、71dには、
図14に示すように、L字型溝73が形成されているとともに遮蔽板係合部75が形成されており、また、T字型溝77、雌ネジ部79aを備えた溝79が設けられている。上記開閉扉用骨組材71aと71cとの連結部には連結ブロック74が介装され、既に説明したと同様の構造により連結される。すなわち、
図16(b)に示すように、ボルト72、72を連結ブロック74を介してそれぞれの雌ネジ部79、79に螺合することにより固定される。上記連結ブロック74は、前述した連結ブロック19と同様の構成であるが、大きさが異なるものである。
なお、上記開閉扉用骨組材71aと71dとの連結、上記開閉扉用骨組材71bと71dとの連結も同様である。
【0043】
また、上記開閉扉用骨組材71bと71cとの角には、
図1〜
図4に示すように、別の連結ブロック81が設置されている。この連結ブロック81はL字形状をなしていて、図示しない貫通孔を介してボルト(図示せず)を差し込んで、それぞれの雌ネジ部79、79に螺合することにより連結固定される。
なお、開閉扉5には把持部83が取り付けられている。
【0044】
また、上記開閉扉用骨組材71a、71b、71c、梁材71eとの間には上部開閉扉用遮蔽板85が設置されている。また、上記開閉扉用骨組材71a、71b、71d、梁材71eとの間には下部開閉扉用遮蔽板87が設置されている。本実施の形態の場合には、これら上部開閉扉用遮蔽板85、下部開閉扉用遮蔽板87として、透明な材料を使用している。
なお、その取付構造は、既に説明した他の遮蔽板のそれと同じである。
【0045】
次に、開閉扉5の筺体本体3に対する取付構造について説明する。前述したように、筺体本体3側には上下にそれぞれ開閉扉用回動軸55、59が突出・配置されている。一方、上記連結ブロック74、81側には、
図15、
図16に示すように、貫通孔91、93が形成されていて、上記開閉扉用回動軸55、59はこれら貫通孔91、93内に挿入・配置されている。そして、開閉扉5は、上記開閉扉用回動軸55、59を中心にして回動することになる。
【0046】
次に、筺体本体3の梁材15a〜15c、開閉扉5の梁材71eの端部の連結構造について説明する。
図17に示すように、筺体本体3の梁材15a〜15c、開閉扉5の梁材71eの端部は、連結ユニット95を使用して連結されている。一例として、筺体本体3の梁材15cと一体フレーム13bの連結構造を断面にして
図18に示す。
【0047】
まず、梁材15cのT字型溝45内と一体フレーム13bのT字型溝33内に、連結ユニット95の一方の連結金具95aが挿入される。また、梁材15cの反対側のT字型溝45内と一体フレーム13bのT字型溝33内に、連結ユニット95の他方の連結金具95bが挿入される。また、梁材15cには貫通孔97が穿孔されていて、そこにはスリーブ95cが内装されている。後は、ボルト95dを一方の連結金具95a側から差し込んで、治具99を使用して、他方の連結金具95bに形成されている雌ネジ部に螺合させることにより、梁材15cと一体フレーム13bとの連結が完了するものである。
なお、一体フレーム13bと梁材15bとの連結箇所、梁材15bと柱骨組材11bとの連結箇所、一体フレーム13aと梁材15cとの連結箇所、一体フレーム13aと梁材15aとの連結箇所、梁材15aと柱骨組材11aとの連結箇所、開平扉用骨組材71eと開平扉用骨組材71a、71bとの連結箇所についても同様である。
以上が制御盤用筺体1の構成である。
【0048】
次に、制御盤用筺体1の内部の構成について説明する。
まず、
図5、
図6に示すように、上記一体フレーム13a、13b間には、複数本(図では3本のみ示している。)の機器取付用レール101が設置されている。上記機器取付用レール101は、
図19に示すような端面形状をなしており、
図19中紙面に直交する方向に延長・形成された部材である。上記機器取付用レール101の前方側(
図14中左側)上下両端には、機器取付部103、103が設けられている。また、上記機器取付用レール101には溝105、105が形成されていて、それらの両端面側(
図19中紙面に直交する方向両端側)には雌ネジ部105a、105aが設けられている。
【0049】
上記機器取付用レール101は、その両端面を上記一体フレーム13a、13bに当接させた状態で、上記一体フレーム13a、13bの機器取付用レール取付部31の貫通孔41、41、41、41を貫通し上記機器取付用レール101の雌ネジ部105、105、105、105に螺合される図示しないボルトによって固定される。また、上記貫通孔41は上記機器取付用レール取付部31に複数個所設けられているため、上記機器取付用レール101は上記貫通孔41の設けられた範囲において任意の位置に取付けることができる。
【0050】
上記機器取付用レール101には機器取付部103、103を介して、複数の電気・電子機器107、109、111、113、115が着脱可能に取り付けられている。
このようにして、制御盤用筐体1内に上記複数の電気・電子機器107、109、111、113、115が取付けられることによって制御盤117が構成されている。
なお、制御盤用筺体1内には、その他に、上記複数の電気・電子機器107、109、111、113、115と外部の図示しない電気系統とを接続する複数本のケーブル等も設置されている。
【0051】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、制御盤用筺体1は、制御盤全体を箱状に囲むように構成されているので、各種電器・電子機器107〜115が露出することはなく、防塵、防滴効果を発揮して、各種電器・電子機器107〜115の不用意な損傷等を防止することができる。
また、構成の簡略化、小型化、機器の取付作業と配線作業の容易化等の利点はそのまま維持されている。
また、制御盤用筺体1の骨組を構築するに際して一体フレーム13a、13bを使用していて、この一体フレーム13a、13bは、柱状の角部材29と機器取付用レール101を取り付けるための機器取付用レール取付部31を一体化させた構成をなしており、よって、機器取付用レール101を取り付けるために別途フレームを要することはなく、骨組を構成する部品点数を減少させることができるとともに組立作業の容易化を図ることができる。
また、各遮蔽板の取り付けに際しては、遮蔽板の厚みに応じて予めその形状が設定されている固定用弾性部材68を圧入するだけで済むので、構成の簡略化、組立作業の容易化を図ることができる。
また、遮蔽板は、必要に応じて透明なものを使用することができるので、外側から内部を視認可能な制御盤を容易に提供することができる。
【0052】
なお、本発明は前一実施の形態に限定されるものではない。
制御盤用筺体の大きさ、形状は図示したものに限定されず、様々なものが想定される。
また、一体フレームの形状、大きさ等についても、これを特に限定するものではない。
また、前記一実施の形態では、後方の角部材とフレーム状の取付部を一体化させたものを例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、前方の角部材とフレーム状の取付部を一体化させたようなもの、上下の角部材とフレーム状の取付部を一体化させたもの、等でもよい。
また、どの遮蔽板を透明にするかについては任意に決定すればよい。
また、固定用弾性部材についても、その形状や材質等については、これを特に限定するものではない。
また、内部に取り付けられる機器取付用レールの形状、数、場所等についてもこれを特に限定するものではない。
さらに、取り付けられる電器・電子部品の種類、数等についても、これを特に限定するものではない。