(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5952113
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】メディアゲートウェイ、通話情報記憶方法
(51)【国際特許分類】
H04M 3/53 20060101AFI20160630BHJP
H04M 3/00 20060101ALI20160630BHJP
H04L 12/66 20060101ALI20160630BHJP
【FI】
H04M3/53
H04M3/00 B
H04L12/66 C
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-156466(P2012-156466)
(22)【出願日】2012年7月12日
(65)【公開番号】特開2014-22767(P2014-22767A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 由洋
【審査官】
松平 英
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−348163(JP,A)
【文献】
特開2010−283576(JP,A)
【文献】
特開2007−135120(JP,A)
【文献】
特開2001−168902(JP,A)
【文献】
特開2006−032997(JP,A)
【文献】
特表2011−511510(JP,A)
【文献】
米国特許第07738638(US,B1)
【文献】
岡本 龍明 他,現代暗号,産業図書株式会社,1997年 6月30日,初版,p.107〜108
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F12/14
21/00−21/88
G09C 1/00−5/00
H04B 7/24−7/26
H04K 1/00−3/00
H04L 9/00−9/38
12/00−12/955
13/02−13/18
29/00−29/14
H04M 3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
PSTNとIP網とをつなぐメディアゲートウェイであって、
前記IP網に送信する音声IPパケット又は前記IP網から受信した音声IPパケットを複製する複製手段と、
前記複製された音声IPパケット情報を通話情報として記憶する記憶手段と、
通話ごとに生成される音声制御リソースに対応して音声複製用リソースを生成する生成手段とを有し、
前記複製手段は、前記音声複製用リソースを前記音声制御リソースに付与することによって前記音声IPパケットを複製するメディアゲートウェイ。
【請求項2】
前記音声複製用リソースに対応する前記音声制御リソースが消滅した際に前記音声複製用リソースを消去する消去手段をさらに有し、
前記音声複製用リソースの消去までに記憶された前記複製された音声IPパケット情報を前記通話情報とする請求項1に記載のメディアゲートウェイ。
【請求項3】
前記メディアゲートウェイに固有のキー情報を用いて前記通話情報にディジタル署名を
付与する付与手段と、
音声通話サービスの利用者により定められたキー情報を用いて、前記ディジタル署名が付与された通話情報を暗号化する暗号化手段と、をさらに有する請求項1又は2に記載のメディアゲートウェイ。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記通話情報を前記メディアゲートウェイに内蔵されたストレージ又は外付けされたストレージに記録する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のメディアゲートウェイ。
【請求項5】
PSTNとIP網とをつなぐメディアゲートウェイを用いた通話情報記憶方法であって、
前記IP網に送信する音声IPパケット又は前記IP網から受信した音声IPパケットを複製する複製ステップと、
前記複製された音声IPパケット情報を通話情報として記憶する記憶ステップと、
通話ごとに生成される音声制御リソースに対応して音声複製用リソースを生成する生成ステップとを有し、
前記複製ステップは、前記音声複製用リソースを前記音声制御リソースに付与することによって前記音声IPパケットを複製する通話情報記憶方法。
【請求項6】
前記音声複製用リソースに対応する前記音声制御リソースが消滅した際に前記音声複製用リソースを消去する消去ステップをさらに有し、
前記音声複製用リソースの消去までに記憶された前記複製された音声IPパケット情報を前記通話情報とする請求項5に記載の通話情報記憶方法。
【請求項7】
前記メディアゲートウェイに固有のキー情報を用いて前記通話情報にディジタル署名を付与する付与ステップと、
音声通話サービスの利用者により定められたキー情報を用いて、前記ディジタル署名が付与された通話情報を暗号化する暗号化ステップと、をさらに有する請求項5又は6に記載の通話情報記憶方法。
【請求項8】
前記記憶ステップにおいて、前記通話情報を前記メディアゲートウェイに内蔵されたストレージ又は外付けされたストレージに記録する、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の通話情報記憶方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディアゲートウェイを用いた音声通話に関する。
【背景技術】
【0002】
メディアゲートウェイを用いた音声通話において、メディアゲートウェイは、PSTN(Public Switched Telephone Networks)を流れる音声とIP(Internet Protocol)網を流れる音声IPパケットとのメディア変換を行う。そして、メディア変換の際、音声IPパケットの複製が行われる。
【0003】
特許文献1には、異なるネットワーク間での相互作用を可能にするゲートウェイを介して供給される、通話呼及び他の通信サービスについての呼詳細記録の生成方法が開示されている。当該方法においては、監視装置によりメディアゲートウェイ制御プロトコル(MGCP)メッセージのタイムスタンプ付きコピーが生成され、これらのコピーはローカルネットワークを介して監視制御センターへ転送される。
【0004】
特許文献2には、IP網上で通話状態に影響を与えることなく音声モニタでき、且つ、故障箇所の特定ができる音声モニタ方法が開示されている。当該方法においては、音声モニタ抽出ポイントから通話中の音声がIPパケット上にコピーされ、音声モニタ端末に転送される。
【0005】
特許文献3には、パケット通信ネットワークにおいて、呼のエンドポイントに関連付けられたコントローラにより用いられるネットワークリソースの割当て方法が開示されている。当該方法においては、呼フローにて1人の加入者当たり1つ備えられるストリングが、ネットワークサーバによって署名及び暗号化され、各トランザクションにおいてゲートコントローラによってその正当性が確認される。また、サーバは、応答が送信の際に失われ、再送信する必要がある場合に備えて、サーバの応答をいくらかの間保存する。
【0006】
特許文献4には、メディアゲートウェイを論理的に分割して複数のメディアゲートウェイから制御するメディアゲートウェイ装置が開示されている。これにより、分割後のメディアゲートウェイの処理能力が分割前の収容チャネル数より少ない場合にも、分割前の収容チャネルを効率よく利用することができる。
【0007】
特許文献5には、拡張型メディアゲートウェイにおいて認証と識別のサービスを与えるシステムが開示されている。当該システムは、末端ユーザーに語句を話すように促し、録音音声および/または音声認識および/または音声確認/識別などの音声資源機能モジュール(ARF)を実行することによって未加工のデータの形で応答を集める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−18295
【特許文献2】特開2005−348163
【特許文献3】特開2006−320028
【特許文献4】特開2007−129381
【特許文献5】特表2004−527816
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1乃至5に記載の技術には、通話情報を再現することができないという問題があった。
【0010】
たとえば、特許文献1に記載の呼詳細記録の生成方法においては、メディアゲートウェイの呼制御プロトコルであるMGCPメッセージが複製される。MGCPメッセージは、それ自体に音声情報を持たないため、パケットの損失が生じた場合等には、実際の音声通話と同等の音声情報を生成することが不可能である。
【0011】
また、特許文献2に記載の音声モニタ方法及び装置においては、コピーした音声IPパケットがIP網を介して音声モニタ端末へ転送されるため、コピーした音声IPパケットが一部損失してしまったり、IP網上で意図的に改ざんされてしまったりする可能性がある。
【0012】
特許文献3乃至5においても、上記問題に対する解決手段は開示されていない。
【0013】
本発明の目的は、上述した課題を解決するメディアゲートウェイ、通話情報記憶方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のメディアゲートウェイは、PSTNとIP網とをつなぐメディアゲートウェイであって、IP網に送信する音声IPパケット又はIP網から受信した音声IPパケットを複製する複製手段と、複製された音声IPパケット情報を通話情報として記憶する記憶手段と、を有する。
【0015】
本発明の通話情報記憶方法は、PSTNとIP網とをつなぐメディアゲートウェイを用いた通話情報記憶方法であって、IP網に送信する音声IPパケット又はIP網から受信した音声IPパケットを複製する複製ステップと、複製された音声IPパケット情報を通話情報として記憶する記憶ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通話情報の誤損失や不正利用を排除し、通話情報の再現性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施形態にかかる音声通話システム1000の構成を示す図である。
【
図2】第1の実施形態にかかるメディアゲートウェイ100の動作を示すフローチャートである。
【
図3】第2の実施形態にかかる音声通話システム1000aの構成を示す図である。
【
図4】第2の実施形態にかかるメディアゲートウェイ100aの動作を示すフローチャートである。
【
図5】第2の実施形態にかかるメディアゲートウェイ100aの構成を示す図である。
【
図6】第2の実施形態にかかるメディアゲートウェイ100aの構成を示す図である。
【
図7】第3の実施形態にかかるメディアゲートウェイ100bの構成を示す図である。
【
図8】第4の実施形態にかかるメディアゲートウェイ100cの構成を示す図である。
【
図9】第4の実施形態にかかるメディアゲートウェイ100cの記録ストレージ20cを示す図である。
【
図10】メディアゲートウェイを用いた関連技術の音声通話を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1の実施形態]
[構成]
図1は、第1の実施形態にかかる音声通話システム1000の構成を示す図である。
【0019】
音声通話システム1000は、IP網500と、PSTN600と、それらをつなぐメディアゲートウェイ100とを含む。メディアゲートウェイ100は、PSTN600を流れる音声データを、音声IP網500を流れる音声IPパケットに変換し、IP網500を流れる音声データを、PSTN600を流れる音声IPパケットに変換する機能を備える。
【0020】
メディアゲートウェイ100は、IP網500に送信する音声IPパケット又はIP網500から受信した音声IPパケットを複製する複製手段10と、複製された音声IPパケット情報を通話情報として記憶する記憶手段(記録ストレージ)20と、を有する。記録ストレージ20には、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などを用いることができる。また、記録ストレージ20には、メディアゲートウェイ100に内蔵されたストレージだけでなく、メディアゲートウェイ100に外付けされたストレージを用いることができる。ストレージを外付けにすることにより、メディアゲートウェイ100に依存せずにストレージを調達することが可能である。そのため、記録容量の上限を上げることができる。
[動作]
図2は、第1の実施形態にかかるメディアゲートウェイ100の動作を示すフローチャートである。
【0021】
通話を開始すると、音声IPパケットが複製される(ステップS11)。複製の際、IPヘッダを含めた音声IPパケットの複製が行われる。複製された音声IPパケットは、記録ストレージ20に送信され、記憶される(ステップS12)。
[作用効果]
第1の実施形態にかかるメディアゲートウェイ100によれば、複製された通話情報をディアゲートウェイ上で記録するので、通話情報の誤損失や不正利用を排除し、通話情報の再現性を向上させることができる。
【0022】
また、通話当事者が関与すること無くメディアゲートウェイ上で通話情報の記録処理を行うので、記録された通話情報の客観性を保つことができる。さらに、通話当事者による通信端末機能を利用した通話情報の記録処理と比較して、通信端末機能における記録処理操作に起因する雑音を排除することができる。
[第2の実施形態]
図3は、第2の実施形態にかかる音声通話システム1000aの構成を示す図である。
【0023】
メディアゲートウェイ100aは、第1の実施形態におけるメディアゲートウェイ100において、通話ごとに生成される音声制御リソース1に対応して音声複製用リソース2(2a、2b)を生成する生成手段30をさらに有する。以下で説明を省略する構成については、第1の実施形態にかかる構成と同様である(同一符号を付与して説明を省略)。
【0024】
ここで、音声制御リソース1とは、IP網500上で、通話先のメディアゲートウェイとの間のコネクション確立に使用するメディアゲートウェイ100a上のリソースをいう。一般的に、メディアゲートウェイにおける音声処理は、
図10に示すように、DSP(Digital Signal Processor)を使用して実現される。音声制御リソース1は、メディアゲートウェイ上での音声処理において、PSTNを流れる音声データと音声IPパケットとの変換制御を行う機能を有する。すなわち、音声制御リソースの基本動作は音声処理制御であるが、それ以外にも、DSPへの指示により、特定の音声データの作成、複数の音声のミックス、音声IPパケットの複製を行う。本発明においては、音声IPパケットを複製する際に使用するリソースを、音声複製用リソースと呼ぶ。
【0025】
音声複製用リソース2は、音声IPパケットを複製する機能を有する。音声複製用リソース2は、メディアゲートウェイ100aで保有するリソースのうち、音声制御リソース1とは別にリソースを用意することで実現する。一度の通話において、IP網500へ送信する音声IPパケットを複製する音声複製用リソース2aと、IP網500から受信する音声IPパケットを複製する音声複製用リソース2bの2つの音声複製用リソースを用意する。すなわち、一度の通話において、任意のメディアゲートウェイ上では1〜N個(必要個数はDSP制御方式に依存)の音声制御リソースを使用し、この際、対象の音声IPパケットを複製するならば、さらに1〜N個の音声複製用リソースを使用する。
【0026】
図4は、メディアゲートウェイ100aの動作を示すフローチャートである。
【0027】
通話を開始する際に、メディアゲートウェイ100a上で、通話に対応する音声制御リソース1及び音声複製用リソース2が生成される(ステップS21)。生成された音声複製用リソース2により、音声IPパケットが複製される(ステップS22)。複製の際、IPヘッダを含めた音声IPパケットの複製が行われる。音声複製IPパケットは、音声複製用リソース2から記録ストレージ20aに送信され、記憶される(ステップS23)。
【0028】
図5を用いて、
図3に示す音声複製IPパケットの送信先を詳細に説明する。
【0029】
メディアゲートウェイ100aには、音声複製IPパケット受信用ポート40aが設けられている。音声複製IPパケット受信用ポート40aは、複製された音声IPパケット(音声複製IPパケット)を受信するためのポートである。音声複製用リソース2cにより複製された音声IPパケット(音声複製IPパケット)は、メディアゲートウェイ100a内に設けられた音声複製IPパケット受信用ポート40aに送信され、記録ストレージ20aに記憶される。
【0030】
図6を用いて、
図5に示す音声複製IPパケットの受信を詳細に説明する。メディアゲートウェイ100a内に設けられた音声複製IPパケット受信用ポート40aは、通話ごとの音声複製IPパケット(音声複製IPパケットX、Y、Z)を取得し、当該IPパケット内のIPヘッダ情報に記録されている送信先IPアドレス、送信先ポート番号、送信元IPアドレス、送信元ポート番号に基づき音声複製IPパケットを記録ストレージ20aに送信する。記録ストレージ20aでは、通話ごとに音声複製IPパケット(音声複製IPパケットX、Y、Z)を記憶する。
【0031】
第2の実施形態にかかるメディアゲートウェイ100aによれば、複製された通話情報をディアゲートウェイ上で記録するので、通話情報の誤損失や不正利用を排除し、通話情報の再現性を向上させることができる。
【0032】
また、音声複製用リソースを用いて音声IPパケットを複製することにより、通話をシームレスにハンドオーバ(ハンドオフ)することができる。
[第3の実施形態]
図7は、第3の実施形態にかかるメディアゲートウェイ100bの構成を示す図である。
【0033】
第3の実施形態にかかるメディアゲートウェイ100bは、第1及び2の実施形態におけるメディアゲートウェイ100及び100aにおいて、さらに音声複製用リソース2の生成元である音声制御リソース1が消滅した際に音声複製用リソース2を消去する消去手段50が設けられている。以下で説明を省略する構成については、第1及び2の実施形態にかかる構成と同様である(同一符号を付与して説明を省略)。
【0034】
消去手段50は、対象の通話が終了した時点、具体的には音声複製用リソース2の付与元であり通話ごとに生成された音声制御リソース1が消滅した時点で音声複製用リソース2を消去する。記録ストレージ20bは、それまでに記録された音声複製IPパケット情報を、記録対象の通話情報として記憶する。
【0035】
音声複製用リソース2は、付与元の音声制御リソース1に依存しており、付与元の音声制御リソース1が消去されれば、その意義が失われる。そのため、付与元の音声制御リソース1の消滅と同時期に音声複製用リソース2を消去することで、使用可能なリソース数の効率を向上させることができる。
【0036】
本動作によって生成された音声複製IPパケットは、音声通話にてIP網500を送受信される音声IPパケットと同一のものとなる。そして、複製した音声情報に改ざんの余地がなくなり、通話情報の完全性を保障することができる。また、通話当事者以外からの通話情報の参照が容易になる。
[第4の実施形態]
図8は、第4の実施形態にかかるメディアゲートウェイ100cの構成を示す図である。
【0037】
第4の実施形態にかかるメディアゲートウェイ100cでは、
図6に示す通話ごとの音声複製IPパケットに対して、対象の通話が完了した後にディジタル署名が付与され暗号化処理が行われる。
【0038】
メディアゲートウェイ100cは、実施の形態1乃至3におけるメディアゲートウェイ100、100a、100bにおいて、さらに付与手段60と、暗号化手段70とを有する。以下で説明を省略する構成については、第1乃至3の実施形態にかかる構成と同様である(同一符号を付与して説明を省略)。
【0039】
付与手段60は、通話情報に対し、メディアゲートウェイ100cに固有のキー情報を用いてディジタル署名を付与する。
【0040】
暗号化手段70は、音声通話サービスの利用者が定めたキー情報を用いて通話情報を暗号化する。
【0041】
図9は、ディジタル署名が付与され暗号化された通話情報を記憶する記録ストレージ20cを示す図である。
【0042】
複製した通話情報へのディジタル署名の付与処理と暗号化処理について説明する。付与手段60は、記録対象の通話情報に対して、メディアゲートウェイ100cに固有の識別情報(例えばMACアドレス)とシステム全体で設定するディジタル署名キーとを組み合わせてキー情報を作成し、ディジタル署名を付与する。暗号化手段70は、ディジタル署名が付与された通話情報に対して、サービス利用者により定められたユーザー識別子とパスワード情報とを組み合わせてキー情報を生成し、公開鍵方式による暗号化を施す。
【0043】
通話情報にディジタル署名が付与され、暗号化されることにより、記録した通話情報の機密性をより高めることができる。
[その他の実施形態]
本発明において、通話情報の記録期間を可変パラメータとすることができる。これにより、サービス利用者ごとに利用形態に即した記録期間を提供することができる。
【0044】
また、本発明において、通話者の声紋情報を別途用意し、記録した通話情報と合わせて利用することができる。これにより、その通話情報に十分な証拠能力をもたせることができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含むことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0046】
1 音声制御リソース
2、2a、2b、2c 音声複製用リソース
10 複製手段
20、20a、20b、20c 記憶手段(記録ストレージ)
30 生成手段
40a、40b、40c 音声複製IPパケット受信用ポート
50 消去手段
60 付与手段
70 暗号化手段
100、100a、100b、100c メディアゲートウェイ
500 IP網
600 PSTN
1000、1000a 音声通話システム