(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
帯状の旧長尺体及び帯状の新長尺体それぞれの延出方向を一致させた状態で、それらの一部領域を重ね合わせて重複領域を形成し、当該重複領域で前記新旧長尺体を切断することで、前記旧長尺体に終端縁を形成するとともに、前記新長尺体に先端縁を形成し、これら終端縁と先端縁とを突き合わせて接続用接着シートにより接続する長尺体接続装置において、
前記旧長尺体を繰り出し可能に支持する旧長尺体支持手段と、
前記新長尺体を繰り出し可能に支持する新長尺体支持手段と、
前記重複領域で前記新旧長尺体を切断可能な切断手段と、
前記切断手段による切断位置よりも前記延出方向における繰出方向上流側に設けられるとともに、前記新旧長尺体を移動規制可能な第1規制手段と、
前記切断手段による切断位置よりも前記延出方向における繰出方向下流側に設けられるとともに、前記新旧長尺体を移動規制可能な第2規制手段と、
前記終端縁と先端縁とに跨る領域に前記接続用接着シートを貼付する貼付手段と、
前記切断手段の切断方向を変更可能な切断方向変更手段とを備え、
前記旧長尺体及び新長尺体の少なくとも一方を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの出力を入力として前記切断手段の切断方向を決定する機能を有する制御手段とを更に備えていること特徴とする長尺体接続装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記接続装置にあっては、新旧長尺体の切断方向が、その延出方向に直交していると、前述のような回転ローラや剥離板による折り曲げ力が新旧長尺体の接続部に瞬時に加わるため、当該接続用接着シートが剥がれ易くなる場合がある、という不都合を生じる。
また、切断方向によっては、長尺体における切断不適切な部分(例えば長尺体に形成された模様や、長尺体に仮着された接着シート等)を切断してしまう、という不都合がある。
【0005】
[発明の目的]
本発明の目的は、接続用接着シートにより接続された旧長尺体及び新長尺体を折り曲げて利用しても、接続用接着シートが剥がれてしまうことを回避することができる長尺体接続装
置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、旧長尺体及び新長尺体の条件に応じて切断位置を変更することができる長尺体接続装
置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、帯状の旧長尺体及び帯状の新長尺体それぞれの延出方向を一致させた状態で、それらの一部領域を重ね合わせて重複領域を形成し、当該重複領域で前記新旧長尺体を切断することで、前記旧長尺体に終端縁を形成するとともに、前記新長尺体に先端縁を形成し、これら終端縁と先端縁とを突き合わせて接続用接着シートにより接続する長尺体接続装置において、
前記旧長尺体を繰り出し可能に支持する旧長尺体支持手段と、
前記新長尺体を繰り出し可能に支持する新長尺体支持手段と、
前記重複領域で前記新旧長尺体を切断可能な切断手段と、
前記切断手段による切断位置よりも前記延出方向における繰出方向上流側に設けられるとともに、前記新旧長尺体を移動規制可能な第1規制手段と、
前記切断手段による切断位置よりも前記延出方向における繰出方向下流側に設けられるとともに、前記新旧長尺体を移動規制可能な第2規制手段と、
前記終端縁と先端縁とに跨る領域に前記接続用接着シートを貼付する貼付手段と
、
前記切断手段の切断方向を変更可能な切断方向変更手段
とを備え、
前記旧長尺体及び新長尺体の少なくとも一方を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの出力を入力として前記切断手段の切断方向を決定する機能を有する制御手段とを更に備える、という構成を採っている。
【0007】
本発明において、前記貼付手段による接続用接着シートの貼付方向を変更可能な貼付方向変更手段を有する、という構成が好ましくは採用される。
【0009】
更に、前記旧長尺体及び新長尺体を間に挟んで前記切断手段と対向配置され、前記切断方向に延出可能な受け手段を更に備え、
前記切断手段の切断方向に応じて、前記受け手段の延出方向を変更可能な受け方向変更手段を有する、という構成を採ることができる。
【0010】
また、本発明は、帯状の旧長尺体及び帯状の新長尺体それぞれの延出方向を一致させた状態で、それらの一部領域を重ね合わせて挟み込んで保持することによって重複領域を形成する工程と、
前記重複領域で前記新旧長尺体を切断する切断方向が前記延出方向に直交する方向とならないように前記新旧長尺体の条件に応じて決定する工程と、
前記切断方向に前記新旧長尺体を切断し、前記旧長尺体に終端縁を形成するとともに、前記新長尺体に先端縁を形成する工程と、
前記終端縁と先端縁とを突き合わせ、これら終端縁と先端縁とに跨る領域に前記接続用接着シートを貼付する工程とを備える、という方法を採っている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、切断方向変更手段を採用したことで、新旧長尺体の接続部をそれらの延出方向に直交することのない傾いた方向とすることができる。これにより、接続用接着シートにより接続された旧長尺体及び新長尺体を折り曲げて利用しても、前述のような回転ローラや剥離板による折り曲げ力が新旧長尺体の接続部に瞬時に加わることがなく、接続用接着シートが剥がれてしまうことを回避することができる。更に、新旧長尺体に形成された模様や仮着された接着シート等の条件に応じて切断位置を変更することができる。
【0012】
また、貼付方向変更手段を採用した場合、新旧長尺体にバランス良く接続用接着シートを貼付可能となる。
【0013】
更に、撮像手段を採用し、制御手段が撮像手段からの出力を入力として切断手段の切断方向を決定する機能を有する場合、新旧長尺体における切断不適切な部分を切断してしまうことを防止できる。
【0014】
また、受け手段及び受け方向変更手段を採用した場合、切断方向を変更しても、切断手段による切断を円滑に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、基準となる図を挙げることなく、例えば、上、下、左、右、または、前、後といった方向を示した場合は、全て
図1を正規の方向(付した番号が適切な向きとなる方向)から観た場合を基準とし、上、下、左、右方向が紙面に平行な方向であり、前が紙面に直交する手前方向、後が紙面に直交する奥方向とする。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、「旧長尺体」及び「新長尺体」は、2本の長尺体を接続するにあたって、相対的に先に繰り出して利用される方を「旧長尺体」、後に繰り出して利用される方を「新長尺体」とする。また、新長尺体を繰り出して当該新長尺体の終端縁に次の長尺体を接続する場合、新長尺体が旧長尺体となり、次の長尺体が新長尺体となる。
【0017】
図1〜
図6において、長尺体接続装置10は、下側に位置する帯状の旧長尺体RS1及び上側に位置する帯状の新長尺体RS2それぞれの延出方向(左右方向)を一致させた状態で、それらの一部領域を重ね合わせて重複領域WAを形成し、当該重複領域WAで新旧長尺体RS2、RS1を切断することで、旧長尺体RS1に終端縁RS1r及び不要旧長尺体部分RS1Dを形成するとともに、新長尺体RS2に先端縁RS2f及び不要新長尺体部分RS2Dを形成し、終端縁RS1rと先端縁RS2fとを突き合わせて接続用接着シートSSにより接続するものであり、ロール状に巻回された旧長尺体RS1を繰り出し可能に支持する支持軸からなる旧長尺体支持手段13と、ロール状に巻回された新長尺体RS2を繰り出し可能に支持する支持軸からなる新長尺体支持手段14と、各支持手段13、14から繰り出される新旧長尺体RS2、RS1を案内するガイド手段15と、重複領域WAで新旧長尺体RS2、RS1を切断可能な切断手段17と、切断手段17の切断方向を変更可能な切断方向変更手段19と、旧長尺体及RS1及び新長尺体RS2を間に挟んで切断手段17と対向配置され、切断手段17の切断方向に延出可能な受け手段18と、切断手段17による切断位置よりも延出方向における繰出方向上流側(左側)に設けられるとともに、新旧長尺体RS2、RS1を移動規制可能な第1規制手段21と、切断手段17による切断位置よりも延出方向における繰出方向下流側(右側)に設けられるとともに、新旧長尺体RS2、RS1を移動規制可能な第2規制手段22と、新長尺体RS2を保持して重複領域WAを形成可能に設けられた重複領域形成手段23と、旧長尺体RS1の終端縁RS1rと新長尺体RS2の先端縁RS2fとに跨る領域に接続用接着シートSSを貼付する貼付手段25と、旧長尺体RS1及び新長尺体RS2の少なくとも一方を撮像する撮像手段26とを備えて構成されている。
【0018】
前記旧長尺体支持手段13及び新長尺体支持手段14は、同様の構造をなし、2本の長尺体を比べて古い長尺体となる旧長尺体RS1を支持する方が旧長尺体支持手段13となり、新しい長尺体となる新長尺体RS2を支持する方が新長尺体支持手段14となる。つまり、各支持手段13、14は、支持する長尺体RS1、RS2に応じて適宜交替するものである。
【0019】
前記ガイド手段15は、
図1の状態において旧長尺体支持手段13から繰り出される旧長尺体RS1が掛け回されるガイドローラ30と、当該ガイドローラ30の上方に設けられて新長尺体支持手段14から繰り出される新長尺体RS2が掛け回されるガイドローラ31と、ガイドローラ30、31をそれぞれ支持する駆動機器としての直動モータ32、33とを備えて構成されている。
【0020】
前記切断手段17は、新旧長尺体RS2、RS1の重複領域WAの上方に設けられた駆動機器としての直動モータ38と、直動モータ38の出力軸38Aに切断方向変更手段19を介して支持された駆動機器としての回動モータ43と、回動モータ43の出力軸43Aに支持されたL型アーム41と、L型アーム41の一方のアーム41Aに支持された押さえ部材42と、押さえ部材42の凹部42Aに支持された駆動機器としてのリニアモータ37と、リニアモータ37のスライダ37Aに支持された切断刃36とを備えている。押さえ部材42の下面42Bは、図示しない減圧ポンプや真空エジェクタ等の吸着手段に接続された図示しない吸引孔が形成されている。
【0021】
前記切断方向変更手段19は、直動モータ38の出力軸38Aに支持された駆動機器としての回動モータ54からなり、当該回動モータ54の出力軸54Aが回動モータ43を支持する構成となっている。
【0022】
前記受け手段18は、新旧長尺体RS2、RS1の重複領域WAの下方に設けられた駆動機器としての直動モータ49と、直動モータ49の出力軸49Aに支持された駆動機器であって受け方向変更手段としての回動モータ55と、回動モータ55の出力軸55Aに支持された駆動機器としての回動モータ52と、回動モータ52の出力軸52Aに支持されたL型アーム51と、L型アーム51の一方のアーム51Aに支持され、
図1の状態で前後方向に延出する溝48Aを備えて前後方向に延出する形状に設けられた受け部材48とを備えている。受け部材48の上面48Bは、図示しない減圧ポンプや真空エジェクタ等の吸着手段に接続された図示しない吸引孔が形成されている。
【0023】
前記第1規制手段21は、重複領域WAにおける旧長尺体RS1及び新長尺体RS2の一方の面(上面)側に配置された駆動機器としての直動モータ59と、直動モータ59の出力軸59Aに支持され、図示しない減圧ポンプや真空エジェクタ等の吸着手段に接続された図示しない吸引孔が形成された第1吸着部57と、それらの他方の面(下面)側に配置された駆動機器としての直動モータ60と、直動モータ60の出力軸60Aに支持され、図示しない減圧ポンプや真空エジェクタ等の吸着手段に接続された図示しない吸引孔が形成された第2吸着部58とを備えている。
【0024】
前記第2規制手段22は、切断手段17より右側に設けられ、実質的に第1規制手段21と同様の構造が採用されているので、第1規制手段21の構成に対し、符号の末尾に「’」を付し、説明を省略する。
以上のような構成とすることで、
図1に示されるように、切断手段17と第1及び第2規制手段21、22とには、新旧長尺体RS2、RS1の重複領域WAを左右方向に通過する通路STが形成される。
【0025】
前記重複領域形成手段23は、駆動機器としてのリニアモータ64と、リニアモータ64のスライダ64Aに支持され、旧長尺体RS1を把持部材63Aで把持可能な駆動機器としてのチャックシリンダ63と、駆動機器としてのリニアモータ66と、リニアモータ66のスライダ66Aに支持された、新長尺体RS2を把持部材65Aで把持可能な駆動機器としてのチャックシリンダ65とを備えている。
【0026】
前記貼付手段25は、L型アーム41、51の他方のアーム41B、51Bに支持されたリニアモータ68、69を備え、各リニアモータ68、69のスライダ68A、69Aには減圧ポンプや真空エジェクタ等の吸着手段に接続された図示しない吸引孔が形成されている。なお、本実施形態の場合、回動モータ54、55が貼付手段25による接続用接着シートSSの貼付方向を変更可能な貼付方向変更手段として機能することとなる。
【0027】
前記撮像手段26は、切断手段17の左右両側において、重複領域WAの上下両側の計4箇所に設けられ、新旧長尺体RS2、RS1の表面を撮像する光学センサやカメラ等からなる。撮像手段26は、撮像したデータを図示しない制御手段に出力可能に設けられ、当該制御手段は、撮像手段26からの出力を入力として、例えば、新旧長尺体RS2、RS1の表面にある模様、仮着された接着シート、切断刃36では切断できない部分、新旧長尺体RS2、RS1における商品部分等の切断不可領域SA(
図6参照)の位置を判断し、切断手段17の切断方向を決定する機能を備えたシーケンサやパーソナルコンピュータ等で構成される。
【0028】
次に、前記長尺体接続装置10による新旧長尺体RS2、RS1の接続方法について説明する。
【0029】
先ず、図示しない繰出手段を介して旧長尺体支持手段13から旧長尺体RS1を繰り出す間に、貼付手段25が直動モータ68、69を駆動し、スライダ68A、69Aを前方或いは後方に移動させる。その後、作業者又は図示しない接着シート供給装置が接続用接着シートSSを供給すると、貼付手段25が図示しない吸着手段を駆動し、スライダ68A、69Aで接続用接着シートSSをそれぞれ吸着保持させた後、直動モータ68、69を駆動し、旧長尺体RS1の上下両側にスライダ68A、69Aを位置させる。また、作業者によって、新長尺体RS2のリード端側を引き出し、当該リード端側を把持部材65Aの間に配置させる(
図1参照)。その後、重複領域形成手段23がチャックシリンダ65を駆動し、把持部材65Aにより新長尺体RS2のリード端側を保持させる。
【0030】
そして、旧長尺体RS1を繰り出す間に、旧長尺体RS1の減少又は旧長尺体RS1の最終端が図示しない検知手段によって検知されると、繰出手段による旧長尺体RS1の繰り出しを停止させる。次いで、重複領域形成手段23がリニアモータ66を駆動し、新長尺体RS2のリード端側を保持した把持部材65Aを通路STの左側から右側に通過させる。そして、ガイド手段15が直動モータ33を駆動し、ガイドローラ31を下降して新長尺体RS2を旧長尺体RS1に略平行に位置させる(
図1中2点鎖線参照)。その後、第1及び第2規制手段21、22が直動モータ59、60、59’、60’を駆動し、第1及び第2吸着部57、58、57’、58’により新旧長尺体RS2、RS1を挟み込んで保持させる。これにより、旧長尺体RS1の上面側に新長尺体RS2が重ね合わされ、それらの重複領域WAが形成される(
図2参照)。このとき、第1及び第2規制手段21、22が吸着手段を駆動し、第1及び第2吸着部57、58、57’、58’に接する長尺体RS1、RS2に対して吸着を行う。なお、重複領域WAが形成された後も、把持部材65Aにより新長尺体RS2のリード端側が保持されたままとなる。
【0031】
重複領域WAを形成した後、撮像手段26によって新旧長尺体RS2、RS1の表面を撮像し、当該撮像したデータが図示しない制御手段に出力される。そして、制御手段では、撮像手段26からの出力を入力として切断手段17の切断方向を決定する。具体的には、例えば、
図6(A)〜(C)の二点鎖線で示した切断縁CPのように、切断方向は、切断不可領域SAの形状、サイズ、隣り合う切断不可領域SAの間隔等の条件に応じて、且つ、新旧長尺体RS2、RS1の延出方向に直交する方向とならないように決定される。なお、切断方向は、延出方向に直交する方向からの傾きが、できるだけ大きくなるように決定することが好ましい。切断手段17の切断方向が決定されると、制御手段の制御によって切断方向変更手段19及び受け方向変更手段が回動モータ54、55を駆動し、決定した切断方向に応じた向きに、切断刃36の向き及び受け部材48及びその溝48Aの延出方向が変更される。
ここで、制御手段によって、切断手段17の切断方向を決定するにあたり、貼付手段25により貼付される接続用接着シートSSの貼付方向も決定され、制御手段の制御によって貼付方向変更手段が回動モータ54、55を駆動し、決定した貼付方向に応じた向きに、スライダ68A、69Aの向きを設定可能となる。なお、本実施形態では、切断方向及び貼付方向が同一となる。
【0032】
その後、切断手段17が直動モータ38を駆動し、切断刃36を下降させ、これと同時に、受け手段18が直動モータ49を駆動し、受け部材48を上昇させる。これと前後して、切断手段17及び受け手段18が吸着手段を駆動する。これにより、押さえ部材42と受け部材48とにより、新旧長尺体RS2、RS1が吸着保持されつつ切断刃36の左右両側近傍における重複領域WAが挟み込まれ、切断刃36の先端が溝48A内に挿入される。そして、切断手段17がリニアモータ37を駆動し、切断刃36を新旧長尺体RS2、RS1の後端側から前端側へ、或いは、前端側から後端側へ移動させる。これにより、重複領域WAで新旧長尺体RS2、RS1が切断されて切断縁CPが形成され、旧長尺体RS1に終端縁RS1r及び不要旧長尺体部分RS1Dが形成され、新長尺体RS2に先端縁RS2及び不要新長尺体部分RS2Dfが形成される(
図3参照)。
【0033】
新旧長尺体RS2、RS1を切断後、切断手段17が吸着手段の駆動を停止してから、直動モータ38を駆動し、切断刃36を上昇させるとともに、第2規制手段22が直動モータ59’を駆動し、第1吸着部57’を上昇させ、不要新長尺体部分RS2Dと旧長尺体RS1とを離間させる。この離間後、重複領域形成手段23がリニアモータ66を駆動し、把持部材65Aを右方向に移動し、先端縁RS2fと不要新長尺体部分RS2Dとを離間させる。離間させた不要新長尺体部分RS2Dは図示しない駆動機器等によって除去され、平面視で旧長尺体RS1の終端縁RS1rと、新長尺体RS2の先端縁RS2fとが突き合わされる。なお、不要新長尺体部分RS2Dを除去する間において、旧長尺体RS1の終端縁RS1r領域は、終端領域保持部としての第2規制手段22の第2吸着部58’と受け部材48とにより吸着保持され、当該終端縁RS1rが移動してしまうような不都合は発生しない。
【0034】
終端縁RS1r及び先端縁RS2fが突き合わされた後、切断手段17が回動モータ43を駆動し、L型アーム41を回転してスライダ68A及びこれに保持されている接続用接着シートSSを下向きとする。その後、切断手段17が直動モータ38を駆動し、スライダ68Aを下降させて接続用接着シートSSを突き合わされた終端縁RS1r及び先端縁RS2fを跨ぐ上側領域に押圧して貼付させる(
図4参照)。
【0035】
この貼付後、受け手段18が吸着手段の駆動を停止してから直動モータ49を駆動し、受け部材48を下降させた後、回動モータ52を駆動してL型アーム51を回転し、スライダ69A及びこれに保持されている接続用接着シートSSを上向きとする。また、受け部材48の下降後、第1規制手段21が直動モータ60を駆動し、第2吸着部58に吸着保持される不要旧長尺体部分RS1Dを下降させて新長尺体RS2と離間させる。離間させた不要旧長尺体部分RS1Dは図示しない駆動機器等によって除去される。なお、不要旧長尺体部分RS1Dを除去する間において、新長尺体RS2の先端縁RS2f領域は、先端領域保持部としての第1規制手段21の第1吸着部57と接続用接着シートSSを介在させたスライダ68Aとにより吸着保持され、当該先端縁RS2fが移動してしまうような不都合は発生しない。
【0036】
不要旧長尺体部分RS1Dの除去後、受け手段18が直動モータ49を駆動し、スライダ69Aを上昇させて接続用接着シートSSを突き合わされた終端縁RS1r及び先端縁RS2fを跨ぐ下側領域に押圧して貼付させる(
図5参照)。これにより、終端縁RS1r及び先端縁RS2fの上下両側に接続用接着シートSSがそれぞれ貼付され、当該接続用接着シートSSにより新旧長尺体RS2、RS1が接続される。そして、第1及び第2規制手段21、22及び貼付手段25が吸着手段の駆動を停止し、吸着部57、58’及びスライダ68A、69Aの吸着保持を解除してから、ガイド手段15、切断手段17、受け手段18、第1及び第2規制手段21、22が直動モータ32、38、49、59、60’を駆動し、ガイドローラ30、スライダ68A、69A、吸着部57、58’を新旧長尺体RS2、RS1から離間させる。この状態で、繰出手段(図示省略)を駆動することにより、旧長尺体RS1に連続して新長尺体RS2を繰り出し可能となる。
【0037】
その後、新長尺体支持手段14及び新長尺体RS2が旧長尺体支持手段及び旧長尺体となって順次繰り出されることとなる。また、不要旧長尺体部分RS1Dが除去された旧長尺体支持手段13は、新長尺体支持手段となり、作業者によって次の長尺体が新長尺体として支持され、そのリード端側を把持部材63Aで把持してからリニアモータ64を駆動し、当該リード端側を通路STの左側から右側に通過させ、以降上記動作が繰り返されることとなる。この場合、前述の終端領域保持部は、第2規制手段22の第1吸着部57’により構成され、先端領域保持部は、第1規制手段21の第2吸着部58により構成される。
【0038】
従って、このような実施形態によれば、
図6(A)〜(C)に示されるように、切断手段17の切断方向を新旧長尺体RS2、RS1の延出方向に交差する傾斜方向に変更でき、当該延出方向に直交する方向にならないようにすることができる。これにより、接続された新旧長尺体RS2、RS1を折り曲げながら繰り出す場合、終端縁RS1rと先端縁RS2fとの間の全領域で瞬間的に接続用接着シートSSが折れ曲がることを回避でき、即ち、終端縁RS1rと先端縁RS2fとの間の全領域で徐々に(段階的に)接続用接着シートSSが折れ曲がるようになるので、当該折れ曲がりに起因する接続用接着シートSSの剥がれを防止することができる。しかも、新旧長尺体RS2、RS1の撮像データに基づいて切断方向を決定するので、切断不可領域SAの変更に応じ、当該切断不可領域SAを切断することなく切断縁CPの長さをできるだけ大きく設定することが可能となる。これにより、前述の接続用接着シートSSの剥がれをより確実に防止することができる。
【0039】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、位置若しくは配置等に関し、必要に応じて当業者が様々な変更を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0040】
例えば、各支持手段13、14の上下の相対位置を変更可能な構成とすれば、何れか一方のチャックシリンダ63、65と、当該何れか一方のシリンダチャック63、65を駆動するリニアモータ64、66を省略した構成とすることができる。
更に、前記貼付手段25は、L型アーム41、51の採用によって、切断方向を変更すると貼付方向も変更する構成としたが、切断手段17や受け手段18とは別体に設け、切断方向と同じ貼付方向又は独自の貼付方向を決定できるように、直動モータ38、49、回動モータ54、55と同等の駆動機器で移動できる構成としてもよい。
また、貼付手段25は、新旧長尺体RS2、RS1の上下いずれか一方に接続用接着シートSSを貼付できる構成でもよい。
更に、切断手段17と受け手段18とを入れ替えて上下逆としてもよい。
また、前記旧長尺体RS1及び新長尺体RS2としては、帯状の接着シートや、帯状の接着シートが仮着された帯状の剥離シート、その他、紙、布、鋼板、ベルト、樹脂、木板などであってもよい。
更に、旧長尺体RS1と新長尺体RS2とは、材質、形状、構成、組成的に同じものでも異なるものでもよい。
また、切断手段17では、切断刃36に代え、ロータリーカッタやレーザーカッタ、ジグソー、ワイヤカッター等を利用してもよい。
更に、撮像手段26の設置位置は、旧長尺体RS1及び新長尺体RS2を透視して切断不可領域SAを撮像できる場合には、重複領域WAの上下両側のうち何れか一方に設置されたものを省略してもよい。
また、撮像手段26として、新旧長尺体RS2、RS1の内部を透視したり、物質や組成を検出したりできるもの、例えば、超音波センサ、X線センサ、赤外線センサ等を採用してもよい。
更に、新旧長尺体RS2、RS1の切断方向は、新旧長尺体RS2、RS1の面に平行で当該長尺体RS1、RS2の延出方向に直交せずに当該延出方向に交差する方向であれば、
図6(A)〜(C)の切断縁CPに示す方向と異なる方向でもよい。例えば、
図6(D)に示されるようにクランク状の折れ線方向としたり、円弧状等の湾曲した曲線方向としたりしてもよい。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダ及びロータリシリンダ等のアクチュエタ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。