(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5952259
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 9/22 20060101AFI20160630BHJP
F28F 1/30 20060101ALI20160630BHJP
F28F 9/02 20060101ALI20160630BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20160630BHJP
【FI】
F28F9/22
F28F1/30 A
F28F9/02 301B
F28D1/053 A
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-501809(P2013-501809)
(86)(22)【出願日】2011年3月29日
(65)【公表番号】特表2013-524145(P2013-524145A)
(43)【公表日】2013年6月17日
(86)【国際出願番号】EP2011054843
(87)【国際公開番号】WO2011120977
(87)【国際公開日】20111006
【審査請求日】2014年3月27日
(31)【優先権主張番号】1052447
(32)【優先日】2010年3月31日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】510337414
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン リオンデ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・マルク ルシュー
【審査官】
横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭63−159683(JP,U)
【文献】
特開2007−170747(JP,A)
【文献】
特開2004−219044(JP,A)
【文献】
特開平10−160385(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/008172(WO,A1)
【文献】
特開2001−336885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/22
F28D 1/053
F28F 1/30
F28F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却流体を循環させるための少なくとも1本の細長いチューブ(3)と、このチューブ(3)の端部が接続されており、前記流体を流通させるための少なくとも1つの集合タンク(5)とを備えている熱交換器であって、前記集合タンク(5)は、前記チューブ(3)の端部のための受止部を有するマニホールド(9)を備えており、この受止部は、前記チューブ(3)のための保持部を形成する内側突出部(19)を備えている熱交換器において、
前記受止部は、前記内側突出部(19)を、前記マニホールド(9)の前記保持部以外の部分に連結する接続部(21)を備え、この接続部(21)は、前記集合タンク(5)と対向する前記マニホールド(9)の側部において突出しており、それにより、前記内側突出部(19)及び前記接続部(21)が、互いに反対方向に突出しており、
前記チューブ(3)の端面が、前記集合タンク(5)の内側に面している前記マニホールド(9)の内側面(16)にほぼ一致する位置に配置されているか、前記マニホールド(9)の内側面(16)に到達しない位置に離隔して配置されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記内側突出部(19)と前記接続部(21)は、前記チューブ(3)の長手方向に突出していることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記保持部は、前記集合タンク(5)に導かれる前記チューブ(3)の端部の近傍において、前記チューブ(3)の外側の形状と適合するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記接続部(21)は、前記マニホールド(9)の内側面(16)である1つの同じ平面に位置する基部(50)を有し、この基部(50)により、前記接続部(21)は、前記集合タンク(5)の残りの部分に連結されており、また前記内側突出部(19)は、この平面から凹んだ形状であり、それにより、前記チューブ(3)のための前記保持部が、前記平面から内側に突出していないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記チューブ(3)の端面が、前記マニホールド(9)の内側面(16)にほぼ一致する位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記集合タンク(5)の内側に面している前記マニホールド(9)の内側面(16)に到達していない位置であって、前記内側面(16)から4mm以下の距離に、前記チューブ(3)の端面が位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記マニホールド(9)は、0.8〜1.8mmの厚さのプレートで作られていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記マニホールド(9)は、1.2〜1.5mmの厚さのプレートで作られていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記冷却流体の循環に使用される前記チューブ(3)の集合体を有し、この集合体における前記チューブ(3)は、5〜15mmのピッチで離隔していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記冷却流体の循環に使用される前記チューブ(3)の集合体を有し、この集合体における前記チューブ(3)は、6〜10mmのピッチで離隔していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記集合タンク(5)は、それにかしめられているカバーを備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記集合タンク(5)は、ろう付けされたカバーを備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記チューブ(3)は、薄板を折り曲げることにより作られていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項14】
前記チューブ(3)は、内側に突出する波形状であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の熱交換器のための集合タンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器、特に自動車に使用される熱交換器と、その集合タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、エンジンを冷却するラジエータとして使用される熱交換器は、冷却流体を循環させる、複数の細長いチューブを備えている。冷却流体と、この流体に接触する流体、通常は空気との間で、熱交換が行われる。
【0003】
2個の集合タンクが、これらの両端を支持し、チューブ内の流体は、互いに連通するようになっている。これらの集合タンクは、カバーと、プレートの形状のマニホールドを備えている。
【0004】
カバーとマニホールドとの接続部のシールは、集合タンクの端部に沿って延びるシールによりなされる。マニホールドの端部は、シールのためのハウジングを形成するスロット若しくは溝であってもよい。この溝により、カバーとマニホールドとの間の相対的な位置決めもなされる。
【0005】
マニホールドには、チューブを挿通しうる孔が設けられ、この孔を介して、チューブの各端部は、集合タンクの内部と連通するようになっている。管は、通常はろう付けにより、マニホールドに固着されている。
【0006】
各管とマニホールドとの間の結合強度を高めるために、各孔を囲む集合タンクの部分を、カラーとして形成するのが一般的な方法である。各カラーは、孔内のチューブの案内長さを増大させ、チューブをカバーにろう付けするための表面積を増大させる。
【0007】
孔を開ける際に、マニホールドの材料を押し返すことにより、カラーが形成される。カラーの高さ、即ち、プレートから、通常は集合タンクの内部までの突出量は、使用される材料の厚さに関係する。材料が厚い程、カラーは高くなる。
【0008】
信頼性を高めるために、チューブの端部は、カラーから、集合タンクの内部に突出している。カラーから突出しているチューブの端部と、カラー自体の間に設けた端部との間に設けた集合タンクの部分において、集合タンク内を流れる冷却流体は、渦状になる。この渦が、内部の圧力損失を生じ、熱交換器の性能を低下させる。更に、問題の部分に、「デッドゾーン」、即ち熱交換器の作用に無用の部分が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】ヨーロッパ特許第0990868号
【特許文献2】フランス国特許公開第2783903号
【特許文献3】ヨーロッパ特許第1384968号
【特許文献4】米国特許第5327959号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1は、集合タンクの外側で、マニホールドの側方に突出するカラーにより、圧力損失を減少させるようになっている発明を記載している。チューブの挿入方向とは反対方向、即ち、マニホールドの内部から外部への方向へ向かう孔を開けることにより、カラーが形成されている。しかし、これにより、熱交換器の組立は困難となり、時には、不可能となることもある。これは、孔が円錐状に形成されていないためである。マニホールドの材料を押し返す時に形成される円錐状は、管の挿入方向とは反対方向に、狭くなっている。
【0011】
生産性を高めるためには、このような状態は好ましくない。その上、2本の隣接するチューブの軸線間の距離、即ち、ピッチを、5mmと8mmの間まで減少させると、事態はさらに悪くなる。
【0012】
特許文献2には、マニホールドの内面に、追加のプレートを結合させることが提案されている。内部カラーから突出するチューブの部分の間の間隙は、追加のプレートで満たされる。この追加のプレートにより、かしめ力に対する部品の抵抗を増大させ、チューブの端部は保護される。しかし、このプレートは、熱交換器の残りの部分に結合される追加の部材となり、製造経費を増大させる。
【0013】
特許文献3には、複数の部材よりなる回収器が提案されている。中間の第1部分は、マニホールドにかしめられ、外側の第2部分は、第1部分に接着されたり、かしめられたり、溶接されている。第1部分は、チューブが挿入するのが容易となるように形成されている。しかしこの場合、追加の部品が必要であるので、上記と同様な欠点が生じる。
【0014】
特許文献4には、斜面を備える貫通孔が記載されている。斜面は、チューブが集合タンクの内部に貫通しないように形成され、渦を生成する危険性が回避される。しかし、斜面と、チューブの端部との間の接触面は、大きく減少するので、すべてのチューブに接触部が生じる保証や、この位置で、強いろう付けが施されるという保証はない。最後に、この熱交換器の機械的強度は減少する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的は、このような課題を解決することである。本発明による熱交換器は、冷却流体を循環させる、少なくとも1本の細長いチューブと、チューブの一端に、前記流体を導く、少なくとも1つの集合タンクとを備え、この集合タンクは、前記チューブの端部のための受止部を有するマニホールドを備え、この受止部が、チューブの保持部に形成された内側突出部を備える熱交換器において、
受止部が、内側突出部を、マニホールドの残りの部分に連結する接続部を備え、この接続部は、回収器に対向するマニホールドの側部において突出し、それにより、内側突出部及び接続部が、互いに反対方向に突出していることを特徴としている。
【0016】
熱交換器のこのような構造により、マニホールドの上面を含む平面の下に、チューブの端部を設けることが出来る。それにより、渦の生成が防止される。貫通孔に、十分な長さのチューブを容易に挿入することが可能であり、かつチューブの長さを減少させ、材料を節約することができる。
【0017】
内側突出部は、集合タンクの内部に突出している。受止部が、マニホールドの内部に形成されている。突出部には、チューブの端部に挿入されるのに適切な形状の断面の貫通孔が設けられている。
【0018】
次に、本発明の実施態様を述べる。
1) チューブが挿入される貫通孔は、接続部から離れた位置にある。
2)
内側突出部と接続部は、チューブの長手方向に突出している。
3) 集合タンクに導入される端部の近傍において、保持部は、チューブの外形と適合するようになっている。
4) 接続部は、プレートの残りの部分に連結された基部を有し、基部は、内
側面である1つの同じ面に設けられ、内側突出
部は、内側面から、入り込んでおり、チューブを保持する部分は、内側面から突出していない。
5) チューブの端
面は、
集合タンクの内側に面しているマニホールドの内側面に
ほぼ一致する位置
に配置されている。
6) チューブの端
面は、マニホールドの内側面
に到達しない位置に離隔して配置されている。好ましくは、内側面に到達していない位置であって、内側面から、4mm以下の距離に位置している。
7) マニホールドは、0.8〜1.8mm、好ましくは、1.2〜1.5mmの厚さのプレートで作られている。
8) 冷却流体の循環に使用されるチューブの束を有し、この束は、5〜15mm、好ましくは6〜10mmのピッチで離隔している、
9) 集合タンクへかしめられるカバーを有している。
10)
集合タンク(「回収プレート
」ともよぶ)にろう付けされるカバーを有している。
11) チューブは、シート状の材料を折り曲げることにより作られている。
12) チューブは、内側に突出する波形状である。
【0019】
本発明は、上記の特徴を有する熱交換器のための
集合タンクにも関する。
【0020】
図は、本発明を説明し、かつ必要に応じてそれを定義するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】
図1と
図2に示す熱交換器用のマニホールドの拡大縦断面図。
【
図4】
図3のマニホールドにおけるIVの部分を、上方から見た拡大斜視図。
【
図7】本発明によるマニホールドの第1の実施例を示す縦断面図。
【
図8】本発明によるマニホールドの別の実施例を示す要部の縦断面図。
【
図9】マニホールドと流体循環管の第1の組立状態を示す、IVの部分の縦断面図。
【
図10】マニホールドと流体循環管が、第2の組立状態を示す、
図9と同様の部分IVの縦断面図。
【
図13】部分IVの、更に次の工程を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1と
図2は、例えば、自動車エンジンを冷却するための熱交換器1を示す。この熱交換器1は、冷却液を循環させるための、細長いチューブ3を備えている。これらのチューブ3は、密集して配置されている。チューブ3は、1つ以上の列若しくは層として構成されている。
図2は、1列のチューブ3よりなる熱交換器1を示している。
【0023】
各チューブ3の各端部は、対応する集合タンク5に接続されている。従って、熱交換器1は、互いに連通するチューブ3を備える上下2個の同類の集合タンク5を備えている。集合タンク5は、平行六面体の形状で、上下に対向している。
【0024】
2本の隣接するチューブ3の間には、波形状の熱交換フィン7が設けられ、その波形の各頂部は、隣接する2本のチューブ3に接触している。
【0025】
作動時に、チューブ3内を循環する冷却流体と、通常は空気である外部の流体との間で、熱交換が行われる。
【0026】
図3は、1個の集合タンク(図示せず)におけるマニホールド9として形成されたプレートを示している。このマニホールドとカバー(この図には示さず)により、集合タンク5が形成されている。この実施例においては、カバーは、平行六面体よりなり、マニホールドは、1つの平面に延びる、四角形体である。
【0027】
マニホールド9は、中心部10と、これを囲む周縁部11とを備えている。中心部10には、チューブ3の端部を、挿入するのに好適な形状と位置に、貫通孔12が設けられている。
【0028】
周縁部11には、シール4を収容するのに好適な周溝13が設けられている。シール4は、カバーと、マニホールド9をシールしている。マニホールド9の周壁15は、その中心部10に対し、ほぼ直角方向を向いている。周壁15は、カバーの横壁に接し、かつマニホールド9にかしめられるようになっている。
【0029】
互いに平行な2個の平面、即ちマニホールド9の延長面の間に、中心部10が設けられている。これらの2個の平面とは、集合タンク5の内側に向かって曲がった第1面、即ちマニホールドの内側面16と、集合タンク5の外側に曲がった第2面、即ちマニホールドの外側面17である。
【0030】
本発明によれば、貫通孔12に挿入されたチューブ3の内端部は、内側面16とほぼ一致するか、それよりもわずかに短くなっている。
【0031】
図4〜
図6は、貫通孔12を有するマニホールド9の部分、即ち
図3における部分IVを、詳細に示している。
【0032】
マニホールド9は、貫通孔12を囲む
内側突出部(「カラー
」ともよぶ)19を形成する部分を有している。カラー19は、マニホールド9の延長面とほぼ直交し、外側面17から内側面16の方向に、マニホールド9の内面から突出している。カラー19の遊端は、内側面16から後退している。カラー19は、プレートの裏打ち材を押し出すことにより作られ、貫通孔12の断面をわずかに狭めることにより、マニホールド9の外面に形成されている。
【0033】
カラー19と、隣のチューブの通路に対応する接続部21は連結されている。接続部21は、延長面と直交し、内側面16より外側面17に延びる方向に突出している。この接続部21は、延長面の下側に位置している。
【0034】
換言すると、各貫通孔12の近傍において、マニホールド9は、チューブ3の端部のための受止部を備え、チューブ
3を保持すべく、内側に突出する部分と、この
内側突出部をマニホールドと連結する接続部とを備え、この接続部は、集合タンクと対向して、マニホールド9の側部に突出し、これら
内側突出部と接続部は、互いに反対方向に突出している。
【0035】
この実施例においては、貫通孔12は、平坦なチューブの通路となっている。すなわち、この通路の断面は、互いに平行な2本の平面と、これらを結合する半円とよりなっている。カラー19は、長円形の貫通孔12に準じる形となっている。
【0036】
この実施例において、接続部21は、貫通孔12の長さ方向を向く細長いボスのように、マニホールド9を形成することにより作られている。ボスの断面は、波形である。この波形は、チューブの全方向に延びている。特に、複数列の管である時に、長手方向に配置されたいくつかのカラー19のために、ただ1つの接続部21とすることが可能である。
【0037】
チューブを、より容易に挿入しうるベンドにより、カラー19の基部は、各接続部23の基板に取り付けられている。
【0038】
各カラー19は、貫通孔12を囲む突環となっている。
【0039】
図4〜
図6に示すように、マニホールドは、接続部とよく似た構成であり、管通孔の横方向に互いに連結された波形状である。即ち、接続部21も互いに連結されている。波形の頂部は、内側面16と外側面17を交互に有している。貫通孔12の延長面は、外側面17に含まれる頂部の線と一致している。
【0040】
図6に示すように、接続部23は、接続部23同士を連結するとともに、
集合タンク(「回収プレート
」ともよぶ)の残りの部分に接続される基部50を備えている。
【0041】
図7は、シールを収容するための周溝13を備える、マニホールド9内の管の通路のための貫通孔12を示している。
【0042】
図8は、スロット13を設けていない、マニホールドの例を示し、チューブ3(図示せず)とマニホールドの周壁15との間に、シールが設けられている。
【0043】
図9と
図10は、本発明の別の実施例を示し、集合タンクと対向する面の側部に、カラー19の遊端を、内側面16から2 mmの距離D1のように出来る限り近付けたものである。これにより、チューブ3を有することが可能になり、
図9のように、集合タンク5の内部の方向へ、向けられた内側面の側部において、マニホールド9の内側面から、端部が、最大で2 mm突出しているか、
図10のように、内側面の管の端部に位置することが可能となっている。
【0044】
図11〜
図13は、チューブ3の端部を支える部分の製造法を示している。
第1の段階において、
図11に示すように、金属プレートの部分は、ボス27のように形成される。プレートの大きな面になされる、少なくとも1回の押圧操作により、反対方向に突出するように、マニホールドの内面を形成し、更にマニホールドの外面を形成する。このようにしてマニホールドを変形させると、ボス27を形成するプレートの部分の厚さを一定にすることができる。
【0045】
第2段階において、
図12に示すように、ボス27の隆起の方向とは反対方向に隆起するボス29を形成する。これは、外面から内面に向かって行われる少なくとも1回の押圧操作によるものである。
【0046】
第3段階において、
図13に示すように、マニホールド9のプレートの外面から、ボス29の頂部を貫通する貫通孔12を形成する。この操作により、マニホールドを薄くして、ボス29を延ばし、カラー19が形成される。
【0047】
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、当業者による幾多の変形例が可能である。特に、チューブ3の断面を、上記の実施例と異なるものとしても良く、例えば、「豆型」、「四角形」若しくは他の形状でもよい。チューブの層の数は変更可能である。保持部は、内側包装面を超え、内側に僅かに突出していてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 熱交換器
3 チューブ
4 シール
5 集合タンク
7 熱交換フィン
9 マニホールド
10 中心部
11 周縁部
12 貫通孔
13 周溝
14 シール
15 周壁
16 内側面
17 外側面
19 カラー
21,23 接続部
27,29 ボス
50 基部