(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
最新の基地局暦データバージョンを示す前記情報が、前記最新の基地局暦データバージョンと関連付けられる一意なバージョン識別子を示す情報を含む、請求項1に記載のモバイルデバイス。
前記記憶された基地局暦データが最新であるかどうかを判定するための前記手段が、前記記憶された前記基地局暦データと関連付けられるバージョン識別子と、前記最新の基地局暦データと関連付けられるバージョン識別子とを比較するための手段を含む、請求項2に記載のモバイルデバイス。
位置サーバから通知を受信するための前記手段が、前記受信機上の前記位置サーバから受信された情報にアクセスするための手段と、前記位置サーバから受信された前記情報を処理して、前記位置サーバから受信された前記情報が前記通知を含むかどうかを判定するための手段とを含む、請求項4に記載のモバイルデバイス。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル通信技術はかなりの発展をとげており、これは将来にわたって続く可能性が高い。現在、多くの自動車、トラック、航空機、船、および他の乗り物は、衛星ベースまたは地上ベースの送受信機のネットワークを通じて便利で信頼性の高いモバイル通信を可能にする、デバイスを備えている。この技術の進歩によって、手持ち式で持ち運び可能なモバイル通信デバイスが広く使われるようにもなった。
【0003】
モバイル通信システムの多くの顧客は、自身の位置を正確に求めることが望ましいとも考えている。この目的のために、多くの位置ベースのサービスが出現している。たとえば、所望の種類の近隣施設への道順または位置のようなサービスが、ワイヤレスデバイスが作成した位置情報に基づいて提供され得る。
【0004】
これまで、位置情報は、基本的に、NAVSTAR衛星を用いた全地球測位システム(GPS)、ロシアのGLONASSシステム、もしくは欧州のEUTELSATシステムのような衛星測位システム(SPS)、または、LORAN-Cのような地上ベースの測位システムによって生成されていた。しかし、従来のSPS技術を支援しまたは完全に置き換えるさらなる手段が、近年の、より高速で、正確で、信頼性の高い測位の測定に対する要求を満たしてきた。たとえば、SPSなどによって生成される位置情報の正確さを改善するために、既知の位置にある固定された基地局が、モバイルデバイスが用いる支援データを送るために用いられてきた。
【0005】
支援情報の使用には、いくつかの利点がある。現在のセルラー基地局は、モバイルデバイスと通信できる、モバイルデバイスに対して比較的近傍に位置するとともに、他の隣接するまたは近隣のセルラー基地局の比較的近傍にも位置する。支援データの使用は、衛星測位システムの機能を向上または拡張し、測定時間および感度が改善されるので、以前には不可能であった場所で動作が可能になる。加えて、測位システムの正確さを低下させる傾向がある環境的な要因および他の要因に対応するための、さらに多くのかつ密集した受信機を備えることで、正確さの改善を実現することができる。さらに、追加の基地局が将来配備されていくと、現在のシステムよりもさらに密度が高くなり、さらに高い分解能が実現されつづける可能性が高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今日のワイヤレス通信規格の多くは、基地局暦データ(BSA)の送信を規定するが、現在配備されているワイヤレス基地局システムは、通常、固有の暦データをブロードキャストしない。一般に、BSAデータが提供され得るとしても、それは主に、たとえば、アドホックに、または必要に応じて要求されるトランザクションであるので、最も効果的な、または最も費用効率の高い技法ではない。つまり、モバイルデバイスは、測位アプリケーションまたはサービスを起動するたびに、基地局暦データを要求しなければならない。
【0007】
したがって、現在、BSAは、モバイルデバイスにサービスしている位置サーバから取得する必要があり、その結果、モバイルデバイスはその暦情報についてサーバとコンタクトをとらなければならない。多くの場合、位置サーバは、モバイルデバイスとコンタクトをとりBSAを最新に保つための方法を、何ら持っていない。サーバが、BSAをたとえば2時間前にダウンロードしている可能性があるが、サーバには通常、そのダウンロードの記憶はなく、BSAが再び必要である場合には、それがモバイルデバイスがすでに持っているデータと同じデータであるとしても、BSAを再ダウンロードしなければならない。これは当然、時間、帯域、および他のリソースを使う。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で開示される実施形態は、ワイヤレスネットワーク事業者によって提供されるリアルタイム基地局暦データのソースへの直接のアクセスを有するネットワークサーバを用意することで、上記のニーズに対処する。このサーバは、ワイヤレスネットワークの中のモバイルデバイスからの、基地局暦情報に対する要求に応答するように設計される。基地局暦要求を作成するモバイルデバイスによって提供されるサービングセル情報に基づいて、サーバは、基地局暦データの少なくともサブセットを、モバイルデバイスに提供する。サブセットは、アプリケーション、ニーズ、およびモバイルデバイスの状況に応じて、最適化され得る。そうすることで、サーバは、各一意に識別可能なモバイルデバイスに渡される、データの記録をとる。同時に、サーバは、ネットワーク事業者によって提供される基地局暦データの変化の記録をとる。すべてのモバイルデバイスに送信された既知のデータサブセットと、基地局暦データの変化とを比較することによって、サーバは、どのモバイルデバイスが更新された情報を必要としているかを、ネットワークリソースの利用を最小限にする効率的な方式で、決定することができる。
【0009】
したがって、本明細書で説明される1つの実施形態の広範な態様によれば、遠隔局装置は、現在の基地局暦データ(BSA)と、モバイルデバイスが保持するBSAのバージョンの識別情報とを格納する、位置サーバを含む。位置サーバは、現在のBSAが、モバイルデバイスが保持するBSAのバージョンよりも新しいかどうかを判定し、新しい場合、現在のBSAの少なくともサブセットを、モバイルデバイスに選択的にプッシュするように動作する。
【0010】
本明細書で説明される別の実施形態の広範な態様によれば、暦データ管理システムが、モバイルデバイスから離れた位置において提供される。このシステムは、暦データの少なくとも現在のバージョンを格納するための暦メモリと、モバイルデバイスが保持する暦データのバージョンの識別情報を格納するためのモバイルデバイス情報メモリとを、含む。ダウンロードシステムは、暦データの現在のバージョンが、モバイルデバイスが保持する暦データのバージョンよりも新しい場合、暦データの現在のバージョンの少なくともサブセットを、モバイルデバイスに選択的にダウンロードする。
【0011】
本明細書で説明される別の実施形態の別の広範な態様によれば、モバイルデバイスから離れた位置から暦情報を管理するための方法が提供される。方法は、一意なバージョン識別子を暦データの各それぞれのバージョンに割り当てるステップと、暦データの少なくとも現在のバージョンおよび現在のバージョンに割り当てられた一意なバージョン識別子を管理するステップとを、含む。一実施形態では、バージョン識別子は、関連するモバイルデバイスのすべての暦が最新であることが確実になるまでロールオーバーしない、再使用可能なシーケンスカウンタであってよい。方法はさらに、モバイルデバイスが保持する暦データバージョンのバージョン識別子を管理するステップを含む。バージョン識別子は、モバイルデバイスが保持する暦データのバージョンに割り当てられた、バージョン識別子に相当する。方法はさらに、暦データの現在のバージョンに割り当てられたバージョン識別子が、モバイルデバイスが保持する暦データのバージョンのバージョン識別子よりも新しい場合、モバイルデバイスの中の暦データの少なくともサブセットを更新するステップを含む。
【0012】
本明細書で説明される実施形態のさらに別の広範な態様によれば、コンピュータ可読媒体が提供される。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行されると、暦データバージョンを固定された位置で管理し、一意なバージョン識別子を各それぞれの暦データバージョンに割り当て、モバイルデバイスが保持する暦データのバージョンの識別子と、暦データの現在のバージョンの識別子とを固定された位置で管理し、暦データの現在のバージョンの識別子がモバイルデバイスが保持する暦データのバージョンの識別子よりも新しい場合、モバイルデバイスの中の暦データの少なくともサブセットを更新する、命令を記憶する。
【0013】
本明細書で説明される実施形態のさらに別の広範な態様によれば、送信機および受信機を有するモバイルデバイスが提供される。デバイスはまた、暦データを保持するためのメモリと、前記メモリの中の暦データが最新ではないという通知を位置サーバから受信するための通知受信機とを、有する。デバイスはまた、通知に応答して最新の暦データを要求するための、最新暦要求器を有する。
【0014】
様々な実施形態が、添付の図面とともに例示される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面の様々な図において、同様の参照番号は同様のまたは類似の部分を指すために用いられる。
【0017】
ワイヤレスモバイルデバイスの位置を計算するために、ワイヤレス信号測定を用いる解決法は、何らかの形態の基地局暦(BSA)データを必要とする。BSAは、ワイヤレス信号の発信源である基地局の、位置、キャリブレーション、および他の特性を格納する。クライアントサーバシステムが、この基地局暦情報をモバイルデバイスに渡すために用いられる。しかし、基地局暦情報は静的ではなく動的であり、管理およびワイヤレスネットワークの要件の変化によって、時間とともに常に変化している。BSAへの変化をもたらす事象の種類の例には、基地局送信機をネットワークから取り除く基地局送信機をオフにすること、新たな基地局送信機をネットワークに導入すること、基地局のパラメータを変更することなどがある。BSAへの変化をもたらす別の事象は、特定の基地局を新たな物理的な位置に移動することである。したがって、モバイルデバイスに渡される基地局暦データは、すぐに古くなり得る。測位計算に古い情報を用いると、測位の性能が低下する。
【0018】
本明細書で説明されるシステムおよび技法は、基地局暦情報への変更が知られているネットワークの中で、更新された基地局暦情報を提供することに、制御の大部分を費やす。この解決法は、制御されたサーバのローディングを実現する、ネットワークの中のモバイルデバイスのBSAの更新時期の判定論理を提供し、更新が必要である時のみ、かつ、更新を必要とするモバイルデバイスのみを対象に、更新する。
【0019】
モバイルネットワーク環境15の中の暦データ管理システム10の実施形態が、
図1に示される。モバイルネットワーク環境15は、携帯電話20のような示された様々なモバイルデバイスがローミングし得る、領域18を含む。本明細書で使用する「モバイルデバイス」または単に「モバイル」は、セルラーもしくは他のワイヤレス通信デバイス、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)、個人情報マネージャ(PIM)、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、または、ワイヤレス通信、ナビゲーション信号、もしくは両方を受信することができる他の適切なモバイルデバイスのような、デバイスを指す。「モバイルデバイス」という用語はまた、衛星信号受信、支援データ受信、または位置関連処理が、そのデバイスで行われるかPNDで行われるかにかかわらず、短距離ワイヤレス接続、赤外線接続、有線接続、または他の接続などによって、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)と通信するデバイスを含むものである。また、「モバイルデバイス」は、衛星信号受信、支援データ受信、または位置関連処理が、そのデバイスで行われるか、サーバで行われるか、またはネットワークに関連する別のデバイスで行われるかにかかわらず、インターネット、Wi-Fi、または他のネットワークなどを介してサーバとの通信が可能である、ワイヤレス通信デバイス、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブック、スマートブックなどを含むすべてのデバイスを含むものとする。上記の任意の動作可能な組合せも、「モバイルデバイス」と見なされる。
【0020】
領域18は、任意の数の基地局を含み、例として4つの基地局24、26、28、および30が示されており、これらによって、モバイルデバイス(携帯電話20)は、既知の方式で、それ自体の位置を求める際に使うことができる信号を受信することができる。携帯電話20は、やはり既知の方式で、基地局28と2方向でワイヤレスに通信しているように示される。
【0021】
図1で表される特定の時間において、示されるように、いくつかの衛星32、34、...が領域18から見えるところにあり得る。衛星32および34は、やはり既知の方式で、受信する局の位置を求める際に使うことができる信号をブロードキャストする種類の、衛星である。信号は、少なくとも暦データを含み得る。暦データは、データを発信する衛星(または他のエンティティ)の位置を示す情報を含むデータである。GPS衛星システムでは、各衛星は、暦情報(これを元に、GPS衛星群の中の衛星の各々の位置をある特定の時間において求めることができる)とともに、天体暦情報(送信する衛星に対してより正確な位置情報を提供する)を送信する。暦データは位置情報には限定されず、たとえば、クロック状態情報と、関連する送信機と関連付けられた他のデータとも格納し得ることに、留意されたい。暦データは、たとえば、基地局24、26、28、または30の1つまたは複数への送信のために、受信機(図示せず)によって受信され、元の形態で、修正された形態で、または調整された形態で再びブロードキャストされ得ることにも、留意されたい。
【0022】
しかし、通常の現在配備されているワイヤレスシステムでは、基地局24、26、28、および30は、ブロードキャストされていれば携帯電話20の位置を求めるために使われ得る、固有の暦データをブロードキャストしない。これまでは、この暦データは、位置サーバから取得する必要があった。
【0023】
図1に示されるモバイルネットワーク環境15では、携帯電話20は、それぞれのホームシステムから離れた「ビジティング」システムまたは「ローミング」システムにあるように示される。それぞれのシステムは、場合によっては単にホームシステムにおいて動作することもあり得るので、この実施形態は例示を目的に示される。ローミングシステムの中にある場合、それぞれのシステムのホームシステムへの通信は、たとえば基地局28と関連付けられた、ビジティングシステムサーバ36を介する。ビジティングシステムサーバ36は、少なくともホームシステムサーバ38を通じて、ホームシステム40と通信する。
【0024】
携帯電話20は、固有の暦データ22を保持し、暦データ22は最新である可能性もあり最新ではない可能性もある。暦データ22は、ホームシステムにおいて、位置サーバ42からすでにダウンロードされている可能性もある。位置サーバ42はとりわけ、ホームシステム10に登録されたモバイルデバイスを追跡する。
【0025】
上で述べられたように、基地局暦情報は静的ではなく、動的であり時間とともに常に変化する。この変化は、たとえば、管理と、携帯電話20が動作するワイヤレスネットワークの要件の変化とによるものであり得る。測位の計算に古い情報を用いると測位の性能が低下するので、モバイルデバイスが正確にそれぞれの位置を測定するようにするために、暦データは最新である必要がある。したがって、例示される実施形態では、位置サーバ42は、ワイヤレスネットワーク事業者45によって提供される、リアルタイムの基地局暦データ43のソースへの直接のアクセスを有する。
【0026】
したがって、示される実施形態では、位置サーバ42は、暦メモリ44および関連するバージョンメモリ46を含む。バージョンメモリは、暦メモリ44に保持される暦データの各バージョンに、一意な識別子を割り当てる。関連するバージョンインジケータ(v1、v2、v3、v4など)を有する暦データエントリ(データ1、データ2、データ3、データ4など)のリストが示されるが、いくつかの実施形態では、関連する一意な識別子を有する最新の暦データのみを保存することが可能であり得る。
【0027】
加えて、位置サーバ42は、とりわけ、ホームシステム10に登録される各モバイルデバイスが現在保持する暦データバージョンの識別情報を格納する、モバイルデバイス情報メモリ48を管理する。たとえば、例示される実施形態では、MD1(携帯電話20)として指定されるモバイルデバイスは、暦バージョンv2を有するように示され、MD2(図示せず)として指定されるモバイルデバイスは、暦バージョンv3を有するように示される。暦メモリ44の中の、現在の、または最新の暦バージョン52はv4であるので、示される実施形態では、暦バージョンv2とv3の両方が古い。
【0028】
比較器システム50は、バージョンメモリ44の中の現在の(最新の)暦データバージョンを、モバイルデバイス情報メモリ48に保持されるモバイルデバイスの現在の(古い可能性のある)暦データバージョンと、比較する。実際に、比較器システム50が、モバイルデバイスの暦データバージョンが古いと判定した場合、すなわち、暦メモリ44の中の最新の暦データバージョンまたはそのサブセットと一致しないと判定した場合、最新の暦データバージョン52またはそのサブセットがスケジューリングされ、モバイルデバイスにプッシュされる。比較器システム50はいくつかの方法で実装されてよく、たとえば、メモリに保存される命令がプロセッサによって実行されて、1つまたは複数のモバイルデバイスの現在の暦データバージョンにアクセスし、バージョンメモリの中の暦データバージョンにアクセスし、比較動作を実行し、比較動作の結果に基づいてインジケータ(「古いバージョン」フラグのような)を提供することができる。比較器システム50はまた、ハードウェア(たとえば、いくつかの実装形態では1つまたは複数の基板に集積され得るハードウェアゲート回路など、ここで1つまたは複数の基板は本明細書で説明されたモジュールの1つまたは複数の機能を含み得る)として実装されてもよい。加えて、ハードウェアおよび/またはソフトウェアおよび/またはファームウェアの組合せを組み込む実施形態が、用いられてもよい。
【0029】
効率的にするために、最新の暦データバージョン52のサブセットは、たとえば、暦データサブセット生成器54によって生成され得る。暦データサブセットの1つの可能な実施形態は、たとえば、変更された暦データのみを含み得る。別の実施形態は、モバイルデバイスがローミングしているシステム中の、基地局24、26、28、および30の変更された暦データのみを含み得る。他のサブセットは、当業者には明らかであろう。サブセット自体が、暦データバージョン自体と同じまたは同様の方式で、バージョンを付けられて扱われてもよいことにも、留意されたい。
【0030】
いくつかの実施形態では、全体の暦データ、または全体の暦データへの変更のすべてが、モバイルデバイスにダウンロードはされない場合、たとえば、モバイルデバイスが別のビジティングシステムまたは領域でローミングする時に、必要な追加の暦データをさらにダウンロードしなければならない可能性があることを確証するために、「サブセットのダウンロード」フラグなどのようなインジケータを利用する必要があり得る。別の実施形態では、通知がモバイルデバイスに送信されてモバイルデバイスのメモリなどに保持されてよく、モバイルデバイスが次いで測位の測定を行わなければならない場合に、モバイルデバイスは、最新の暦データ52について、要求を位置サーバ42に送信する。この要求は当然、現在のニーズに応じたものである必要はなく、予定されたものであってもよく、または他のものであってもよい。
【0031】
示される実施形態では、ダウンロードシステム56によって、最新の暦データバージョン52または、サブセット生成器54によって生成される暦データバージョン52のサブセットがダウンロードされる。いくつかの実装形態では、ダウンロードシステム56は、携帯電話20に最新の暦情報を送信するための、1つまたは複数のメッセージを生成するように構成される。暦データのサブセットが生成される場合、いくつかの実施形態では、前の暦バージョンを保存または保管する必要があり得る。そのような状況では、ダウンロードシステム56は、少なくともいくつかの追加のデータを有する最新の暦データの生成されたサブセットを含む、1つまたは複数のメッセージを生成するように構成され得る。たとえば、携帯電話20が、現在の最新の暦データよりもバージョンがたとえば2つまたはそれ以上に古い暦データを有する場合、携帯電話20にダウンロードされるサブセットは、すべての前のバージョンに対するすべての暦データの差分を含んでもよいが、通常、ダウンロードは、古いモバイルデータの完全なデータ置換を含む。
【0032】
任意の特定のホームシステムが、数千のモバイルデバイスをサービスし得ることが、理解されよう。その結果、ホームシステムによってサービスされるモバイルデバイスのすべてに、同時に任意の変更された暦データを直ちにダウンロードすることは、現実的ではない可能性がある。したがって、サービスされるモバイルデバイスへの最新の暦データ52(またはそのサブセット)のダウンロードを開始するために、スケジューラ58が提供され得る。たとえば、スケジューラ58は、所定の事象が発生すると、ダウンロードを開始するように動作してよい。たとえば、モバイルデバイスがモバイルネットワークにログインした時、入力として測位位置を用いるアプリケーションに対してモバイルデバイスが測位要求を行った時、モバイルデバイスが更新を要求した時、または、ネットワーク中の他のモバイルデバイスに対する更新と連動するタイムスケジュールで、ダウンロードは開始され得る。一実施形態では、ホームシステムサーバ38は、更新を必要とするモバイルデバイスに呼び出しまたは通知を送信することができ、そうしたデバイスがサーバに対して要求を行うのをトリガする。次いでサーバは、現在のモバイルサービング基地局に基づく、必要とされる適切な更新されたサブセットおよび任意の新たなサブセットを提供する要求に、応答する。
【0033】
位置サーバ42の様々な部分が、ホームシステム40に包含されるものとして示されるが、位置サーバ42は、ホームシステム40の外部に位置し、必要に応じて呼び出されるだけであってもよいことに、留意されたい。しかし、いずれの事象においても、様々なモバイルデバイスの暦バージョンの状態は既知であり、位置サーバ42によって更新される。
【0034】
比較器システム50のように、
図1に示される他のモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、または組合せで実装され得る。たとえば、ソフトウェア実装では、上で説明された動作を実行するためのデータおよび命令は、メモリに記憶され、1つまたは複数のプロセッサによって実行されてよい。メモリは、1つまたは複数のモジュールで実装されてよく、プロセッサは、2つ以上のプロセシングリソースを含み得る。同様に、動作を実行するためのハードウェアは、説明された機能モジュール間で、少なくとも部分的に共有されてよい。
【0035】
ここで、
図2に対してさらに参照が行われ、
図2は、モバイルデバイス60のブロック図を示す。モバイルデバイス60は、携帯電話20のような携帯電話であってよく、または、本明細書で説明された何らかの他の種類のモバイルデバイスであってもよい。モバイルデバイス60は、アンテナ63を介してセルラーネットワーク中の無線通信に通常用いられる種類のものであり得る、送信機61および受信機62を含む。受信機62からの、かつ送信機61への、モバイルデバイス60内の信号は、やはり本明細書で説明された種類のものである、1つまたは複数のプロセッサ64によって制御される。
【0036】
位置アプリケーション65は、プロセッサ64と連動して動作し、特定の位置機能を実行し、位置アプリケーション65が提供する特定の位置機能を実行する際に用いる、暦情報を含む位置に基づく情報を要求する。位置アプリケーションはモバイルデバイス60の一部として示されるが、位置アプリケーションは代替的に、モバイルデバイス60に常駐しない種類のアプリケーションであってもよい。たとえば、位置アプリケーションは、一時的な使用のためにダウンロードされる種類のアプリケーションであってもよい。
【0037】
デバイス60はまた、暦メモリ68に保持される暦データが最新ではないという通知67を、上で説明された位置サーバ42のような位置サーバから受信するための、通知受信機66を含む。通知はたとえば、ネットワークオーバーヘッドメッセージの一部として、または他の手段によって、送信され得る。通知は、位置アプリケーション65の動作とは無関係に受信されてよく、モバイルデバイス60のあらゆる動作と完全に独立に、位置サーバ42によって開始されてもよい。通知67が受信されたという事実は、通知メモリ69において記録される。
【0038】
いくつかの実施形態では、位置サーバ42は、暦情報の現在のバージョン識別子を示すものを格納する、メッセージを送信することができる。通知受信機66は、受信されたメッセージにアクセスして、受信されたメッセージが暦情報に関連する通知(たとえば、暦情報の新たなバージョンの通知)を格納しているかどうかを判定することができる。次いで、通知情報(たとえば、暦および/または暦のサブセットの、バージョン番号、日付、もしくは他の識別子)が、通知メモリ69に記憶される。
【0039】
暦データが有効であるか、または最新であるかどうかを、通知メモリ69に記録された通知に基づいて判定するための、暦有効性試験器59が提供される。この判定は、ネットワークまたは位置サーバ42によって提供される暦情報に基づいて、自律的に行われ得る。暦データが有効ではないという暦有効性試験器59による判定に応答して、最新の暦データを要求するための、最新暦要求器70が提供される。
【0040】
いくつかの実施形態では、暦データについて、または暦データを用いて生成されるデータについて、要求が位置アプリケーション65によって行われる時、暦有効性試験器59は、通知メモリ69を確認して、通知67が受信されたかどうかを判定する。通知67が受信されている場合、最新暦要求器70が、位置サーバ42に要求を送信し戻し、最新の暦データを送る。それに応答して、位置サーバ42は、暦メモリ68に記憶されるべき最新の暦データを送信し、または、その暦データが送信されるようにする。一方、通知67がまったく受信されていないことを通知メモリが示す場合、最新暦要求器70は、位置アプリケーション65が、暦メモリ68に格納される現在の暦データを使用できるようにする。いくつかの実施形態では、最新暦要求器70は、たとえば、通知メモリ69を定期的に確認して、通知67が受信されたかどうかを判定するように固有のスケジュールで動作し、通知状態に応答して、上で示された方式で動作できることに、留意されたい。
【0041】
点線71で囲まれた様々な機能、具体的には、位置アプリケーション65、通知受信機66、暦メモリ68、通知メモリ69、暦有効性試験器59、および最新暦要求器70は、
図1のモジュールに関して上で述べられたように、ソフトウェア、ハードウェア、またはこれらの組合せで実装され得る。より具体的には、本明細書で開示した実施形態に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、具体的な適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を具体的な適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0042】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または、本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで、実装または実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または、任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0043】
本明細書で説明される位置測定技術はまた、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)などのような様々なワイヤレス通信ネットワークとともに実装され得る。「ネットワーク」および「システム」という用語はしばしば、互換的に使用される。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)ネットワーク、Long Term Evolution(LTE)ネットワーク、WiMAX(IEEE802.16)ネットワークなどであり得る。CDMAネットワークは、cdma2000、広帯域CDMA(W-CDMA)などのような、1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)を実装することができる。cdma2000は、IS-95、IS-2000、およびIS-856規格を含む。TDMAネットワークは、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))、Digital Advanced Mobile Phone System(D-AMPS)または何らかの他のRATを実装することができる。GSM(登録商標)およびW-CDMAは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)という名称の組織からの文書で説明される。cdma2000は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)という名称の組織からの文書で説明される。3GPPおよび3GPP2の文書は、公に利用可能である。WLANは、IEEE 802.11xネットワークでもよく、WPANは、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE 802.15x、または何らかの他のタイプのネットワークでもよい。本技法はまた、WWAN、WLAN、および/またはWPANの任意の組合せとともに実装され得る。
【0044】
ここでさらに
図3を参照すると、暦情報を管理するための方法の様々な実施形態の流れ
図72が示される。ボックス73は、固定された位置において、暦データバージョンを管理することを示す。その固定された位置は、たとえば、ホームシステム40と関連付けられる位置であってよい。「固定された位置」という用語は、暦データバージョンが、動かせないまたは移動しない位置で管理されるということを必ずしも暗示せず、暦データバージョンは、位置サーバ42によってサービスされるモバイルデバイスと同じ位置にはないということを暗示する。点線のボックス74は、いくつかの実施形態では、暦情報が基地
局暦データであってよく、またはそれを含んでもよいということを示す。いくつかの実施形態では、暦データは、点線のボックス76で示されるように、衛星暦データであってよく、またはそれを含み得る。
【0045】
ボックス78は、各暦データバージョンに対して、一意なバージョン識別情報を割り当てることを示す。言及されたように、いくつかの実施形態では、すべての暦データの完全な履歴を管理する必要はなくてもよい。現在関心のある暦データは当然、最近のまたは最新の暦データバージョンである。
【0046】
ボックス80は、モバイルデバイスの暦データを管理することを示す。通常、このことは、位置サーバ40によってサービスされるいくつかのモバイルデバイスのための、暦データを管理することを含む。ボックス82は、モバイルデバイスの暦データが現在のものであるかどうかを判定することを示す。上で言及されたように、このことは、いくつかの実施形態では、モバイルデバイス中の現在の暦データバージョンを、システムによって管理される最新のバージョンと比較する(点線のボックス86)ことによって行われ得る。あるいは、モバイルデバイスが保持する暦データが現在のバージョンではないという事実は、システム内のモバイルデバイスのすべてに対してフラグを設定し(点線のボックス84)、次いで、スケジュール通りに、または他の方式でモバイルデバイスの暦データを更新することによって、サーバ中の暦データが更新される場合には常に記録され得る。
【0047】
ボックス88は、暦データの現在のバージョンがモバイルデバイスの暦データのバージョンよりも新しい場合に、モバイルデバイス中の暦データを更新することを示す。上で言及されたように、いくつかの実施形態では、点線のボックス90で示されるように、モバイルデバイス中の暦データのサブセットのみを更新するのが望ましい可能性がある。更新ステップ88または90は、点線のボックス92で示されるように、スケジュール通りに実行され得る。スケジューリングの実施形態がボックス94で示され、ボックス94において、モバイルデバイスは、モバイルデバイスが最新ではないということを通知される。この通知に応答して、モバイルデバイスは、モバイルデバイスが測位の測定を行う必要がある時に、最新の暦データを要求する。
【0048】
上で説明されたステップの少なくとも一部について、実行の順序は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく相互に変更されてよいことに、留意されたい。さらに、本明細書で開示される実施形態に関して説明する任意の方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで具現化されるか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具現化されるか、またはその2つの組合せで具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または、当技術分野で既知の任意の他の形態の記憶媒体中に常駐し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であり得る。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に常駐し得る。
【0049】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアに関与する実装形態の場合、方法および方法のステップは、本明細書で説明された機能を実行するモジュール(たとえば、プロシージャ、機能など)を用いて実装され得る。本明細書で説明する方法を実装する際に、命令を有形に具現化する任意の機械可読媒体を使用してもよい。たとえば、ソフトウェアコードはメモリに記憶され、プロセッサユニットにより実行されてもよい。メモリは、プロセッサユニット内に実装されてもよく、またはプロセッサユニットの外部に実装されてもよい。本明細書では、「メモリ」という用語は、長期メモリ、短期メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、または他のメモリのいずれかの種類を指し、メモリのいかなる特定の種類またはメモリの数、またはメモリが記憶される媒体の種類について限定されない。
【0050】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアで実装する場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に1つもしくは複数の命令またはコードとして記憶されてもよい。この例には、データ構造によって符号化されたコンピュータ可読媒体、およびコンピュータプログラムによって符号化されたコンピュータ可読媒体が含まれる。コンピュータ可読媒体は、物理的なコンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の使用可能な媒体とすることができる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスク(disk)ストレージ、磁気ディスク(disk)ストレージ、半導体ストレージ、または他のストレージデバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを記憶するために使用できコンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含むことができる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フレキシブルディスク(disk)およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。「コンピュータ可読媒体」という用語は、上記の組合せも含む。「コンピュータ可読媒体」という用語は、伝搬信号を指さない。
【0051】
コンピュータ可読媒体を含む実装形態100の一般的な例が
図4に示され、ここで
図4をさらに参照する。実装形態100は、コンピュータの動作のためのコードまたは命令を保持する、メモリ104およびコンピュータ可読媒体106と通信する、プロセッサ102を含む。プロセッサ102、メモリ104、およびコンピュータ可読媒体106は、本明細書において上で説明された種類のものである。I/Oデバイス108は、プロセッサ102への、かつプロセッサ102からのアクセスを、可能にするように提供される。メモリ104およびコンピュータ可読媒体106は、示されるような個別のユニットではなく、単一のユニットで実装されてもよいことに、留意されたい。
【0052】
本明細書で説明された様々な概念で提供される技術的な利点には、モバイルデバイスが保持する暦データのインテグリティの高さがある。これらの概念は、非常に高い更新頻度を必要とせずに、正確な関連する暦情報をモバイルデバイスが確実に有するようにするための、最良の方法の1つを提供する。GPS環境では、特に、衛星が使用できなくなり、または衛星の動作が不安定であり、デバイスのナビゲーション機能に影響を与え得る場合に、ナビゲーションデバイスがまさしく最新の暦情報を確実に有するように、通常大きな距離がとられる。本明細書で説明される概念は、地上ベースのナビゲーションと衛星ベースのナビゲーションの両方に対して、セルラーモバイルデバイスに同様の能力を実現する。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態が、ある程度の具体性を伴って説明され例示されたが、本開示は単に例示として行われ、部分、構造、ステップ、ブロック、アルゴリズム、または機能の組合せおよび配置の多くの変更が、以下で特許請求されるような本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、講じられてもよいことを理解されたい。