特許第5952376号(P5952376)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.の特許一覧

特許5952376所定量の飲料を作るためのシステム、方法及びカプセル
<>
  • 特許5952376-所定量の飲料を作るためのシステム、方法及びカプセル 図000002
  • 特許5952376-所定量の飲料を作るためのシステム、方法及びカプセル 図000003
  • 特許5952376-所定量の飲料を作るためのシステム、方法及びカプセル 図000004
  • 特許5952376-所定量の飲料を作るためのシステム、方法及びカプセル 図000005
  • 特許5952376-所定量の飲料を作るためのシステム、方法及びカプセル 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5952376
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】所定量の飲料を作るためのシステム、方法及びカプセル
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/36 20060101AFI20160630BHJP
   A47J 31/06 20060101ALI20160630BHJP
【FI】
   A47J31/36 328
   A47J31/06 323
【請求項の数】23
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-233023(P2014-233023)
(22)【出願日】2014年11月17日
(62)【分割の表示】特願2012-516005(P2012-516005)の分割
【原出願日】2009年12月30日
(65)【公開番号】特開2015-57107(P2015-57107A)
(43)【公開日】2015年3月26日
【審査請求日】2014年12月15日
(31)【優先権主張番号】09162995.6
(32)【優先日】2009年6月17日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】09162934.5
(32)【優先日】2009年6月17日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】09162998.0
(32)【優先日】2009年6月17日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】09162982.4
(32)【優先日】2009年6月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512164779
【氏名又は名称】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】コン ユアン ジェラルド ウォン
(72)【発明者】
【氏名】グイド ブラント
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリク コルネリス コエリング
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ カメルビーク
(72)【発明者】
【氏名】アレンド コルネリス ヤコブス ビースヘウヴェル
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−310612(JP,A)
【文献】 特開2001−061663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/36
A47J 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を作るためのシステムにおいて、該システムが
― 少なくとも1の使い捨て可能なカプセル、ここで、該カプセルは、外周壁と底と蓋とを備えている実質的に円柱状に形成されている;
― ある量の流体、例えば水、を該少なくとも1の使い捨て可能なカプセルに供給するための流体分配デバイスと、該少なくとも1の使い捨て可能なカプセルを収容するための収容器と、飲料を容器、例えばカップ、に供給するための出口装置とを備える器具、
を備え、
― 該少なくとも1の使い捨て可能なカプセルは、抽出可能な製品を容れる内部空間を囲い込むためのチャンバーを備え、該チャンバーは、
i 該抽出可能な製品と協働して飲料を作るために該内部空間への流体の通過を可能にする入口領域、ここで、該入口領域はカプセルの底に又はその近傍に備えられている;
ii カプセルから飲料の少なくとも一部を導出するための出口領域、ここで、該出口領域はカプセルの蓋に又はその近傍に備えられている;
を備え、
― 該システムは
v 該流体分配デバイスを、流体を供給するために入口領域と流体連絡させ;
vi 該出口領域が、該出口装置と流体連絡に置かれることを可能にする
ようにさらに配置されており、
― 該カプセルは、入口領域及び出口領域の両方と協働して、入口領域及び出口領域を破断し、そうすることにより該チャンバーを流体が通過することを可能にすることを意図されている移動可能な物体をさらに含み、
― 該カプセルの該移動可能な物体は、飲料の排出のためにカプセルに制御された開口を与えるように、該出口領域と協働するように配置された外部作動装置を含む、
前記システム。
【請求項2】
該移動可能な物体が、更に、該出口領域及び/又は該入口領域を開口するために、該チャンバー内に配置された内部の物体、および該内部の物体と協働することを意図された外部作動装置を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
該内部の物体は、入口領域及び/又は出口領域と接触している、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
該内部の物体が、該入口領域及び/又は該出口領域に開口を与えるための突出部を備えている、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
該突出部が入口領域及び出口領域の方に向けられている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
該外部作動装置が延ばされた状態と押し込まれた状態との間を移動可能である、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項7】
該外部作動装置が、該内部の物体と協働すると、押し込まれた状態に留まることを意図されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
該外部作動装置が柔軟な橋により、該チャンバーを囲む、該カプセルの部分に接続されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
該柔軟な橋の物質が二安定性であり、外部作動装置の延ばされた位置のための第一の安定な状態及び外部作動装置の押し込まれた位置のための第二の安定な状態を有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
該外部作動装置が、出口領域を破断するための突出部を備える、請求項2または3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
該外部作動装置が、チャンバーから排出させるための開口を備えられている、請求項2または3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
該収容器が、延ばされた状態にある外部作動装置を有するカプセルを収容することを拒否するような寸法に作られている、請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
該内部の物体が、チャンバーにおいて流体を分布させるための横にある開口を備えられている導管を備える、請求項2または3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
該内部の物体が、抽出可能な製品及び/又は流体及び/又は飲料に関して、化学的に不活性である、請求項2または3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
該内部の物体が流体及び/又は飲料に少なくとも部分的に可溶である、請求項2または3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
該内部の物体の少なくとも一部が、味の改良剤及び/又は味の強化剤から形成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
該チャンバーは1以上の物質層により積層されている、ここで、少なくとも1の物質層がフィルターを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
該出口領域及び/又は入口領域が、該カプセル全体の物質よりも機械的に弱い物質から成っている、請求項1〜のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
使い捨て可能なカプセルであって、該カプセルは、外周壁と底と蓋とを備えている実質的に円柱状に形成されおり、
抽出可能な製品を容れる内部空間を囲い込むためのチャンバー、
ここで該チャンバーは、
i 該抽出可能な製品と協働して飲料を作るために該内部空間への流体の通過を可能にする入口領域、ここで、該入口領域はカプセルの底に又はその近傍に備えられている;
ii カプセルから飲料の少なくとも一部を導出するための出口領域、ここで、該出口領域はカプセルの蓋に又はその近傍に備えられている;
を備える;および
入口領域及び出口領域の両方と協働して、入口領域及び出口領域を破断し、そうすることにより該チャンバーを流体が通過することを可能にすることを意図されている移動可能な物体
を備え、
該カプセルの該移動可能な物体は、飲料の排出のためにカプセルに制御された開口を与えるように、該出口領域と協働するように配置された外部作動装置をさらに備えている、上記使い捨て可能なカプセル。
【請求項20】
該カプセルは、生分解性の物質から成っている、請求項19に記載のカプセル。
【請求項21】
システムにおいて抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を作る方法において、
該システムは、
― 少なくとも1の使い捨て可能なカプセル、ここで、該カプセルは、外周壁と底と蓋とを備えている実質的に円柱状に形成されている;
― ある量の流体、例えば水、を該少なくとも1の使い捨て可能なカプセルに供給するための流体分配デバイスと、該少なくとも1の使い捨て可能なカプセルを収容するための収容器と、飲料を容器、例えばカップ、に供給するための出口装置とを備える器具、
を備え、
― 該少なくとも1の使い捨て可能なカプセルは、抽出可能な製品を容れる内部空間を囲い込むためのチャンバーを備えられており、
該チャンバーは、
i 該抽出可能な製品と協働して飲料を作るために該内部空間への流体の通過を可能にする入口領域、ここで、該入口領域はカプセルの底に又はその近傍に備えられている;
ii カプセルから該飲料の少なくとも一部を導出するための出口領域、ここで、該出口領域はカプセルの蓋に又はその近傍に備えられている;ここで、該カプセルは、入口領域及び出口領域の両方を破断し、それを通して該チャンバーを流体が通過することを可能にするために、該チャンバーと協働させることを意図された移動可能な物体を備えている
を備えられており、
― 該カプセルの該移動可能な物体は、飲料の排出のためにカプセルに制御された開口を与えるように、該出口領域と協働するように配置された外部作動装置をさらに備えており、
― 該システムは、
vii 該流体分配デバイスを、流体を供給するために入口領域と流体連絡させ;
viii 該出口領域が該出口装置と流体連絡に置かれることを可能にする
ようにさらに配置されており、
該方法が、カプセルの該外部作動装置を作動して、該外部作動装置を出口領域と協働させて、該チャンバーを流体が通過することを可能にする段階を含む、
前記方法。
【請求項22】
該外部作動装置は、該カプセルの使用の直前に手動で押し込まれる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を作るための使い捨て可能なカプセルを製造する方法において、該方法が、
― 抽出可能な製品を容れる内部空間を囲い込むためのチャンバーを有し、外周壁と底と蓋とを備えている使い捨て可能で実質的に円柱状に形成されているカプセルを形成すること、
ここで、該チャンバーは、
i 該抽出可能な製品と協働して飲料を作るために該内部空間への流体の通過を可能にする入口領域、ここで、該入口領域はカプセルの底に又はその近傍に備えられている;
iiカプセルから飲料の少なくとも一部を導出するための出口領域、ここで、該出口領域はカプセルの蓋に又はその近傍に備えられている;
を備えられている、
出口領域及び入口領域の両方を破断し、これを通して該チャンバーを流体が通過することを可能にするために、使用中に出口領域及び入口領域と協働させることを意図された移動可能な物体をカプセルに備えること
― 使い捨て可能なカプセルの内部空間に抽出可能な製品を入れること、及び
料の排出のためにカプセルに制御された開口を与えるように、該出口領域と協働するように配置された外部作動装置を該カプセルの該移動可能な物体に備えること、
を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を作るためのシステムにおいて、該システムが
― 少なくとも1の使い捨て可能なカプセル;
― ある量の流体、例えば水、を該少なくとも1の使い捨て可能なカプセルに供給するための流体分配デバイスと、該少なくとも1の使い捨て可能なカプセルを収容するための収容器と、飲料を容器、例えばカップ、に供給するための出口装置とを備える器具、
を備え、ここで、
― 該少なくとも1の使い捨て可能なカプセルは、抽出可能な製品を容れる内部空間を囲い込むためのチャンバーを備え、該チャンバーは、
i 該抽出可能な製品と協働して飲料を作るために、該内部空間への流体の通過を可能にする入口領域;
ii カプセルから飲料の少なくとも一部を導出するための出口領域を備え;
― 該システムは
i 該分配デバイスを、流体を供給するための入口領域と流体連絡させ;
ii 該出口領域が、該出口装置と流体連絡に置かれることを可能にする
ようにさらに配置されている、前記システムに関する。
【0002】
本発明は、さらに上で述べられたシステムのカプセルに関する。特に、本発明の特徴に従うと、カプセルは、抽出可能な製品を容れる内部空間を取り囲むためのチャンバーを備えるところの実質的に密封的に閉鎖されたカプセルに関連しており、該チャンバーは、
i 該抽出可能な製品と協働して飲料を作るために、該内部空間への流体の通過を可能にする入口領域;
ii カプセルから該飲料の少なくとも一部を導出するための出口領域を備えている。
【0003】
本発明は、上記のシステムにおけるカプセルの使用に関する。
【0004】
本発明は、さらにシステムにおいて抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を作る方法に関係しており該方法において該システムが
― 少なくとも1の使い捨て可能なカプセル;
― ある量の流体、例えば水、を該少なくとも1の使い捨て可能なカプセルに供給するための流体分配デバイスと、該少なくとも1の使い捨て可能なカプセルを収容するための収容器と、飲料を容器、例えばカップ、に供給するための出口装置とを備える器具、
を備え、
― 該少なくとも1の使い捨て可能なカプセルは、抽出可能な製品を容れる内部空間を囲い込むためのチャンバーを備えられており、ここで該チャンバーは、
i 該抽出可能な製品と協働して飲料を作るために該内部空間への流体の通過を可能にする入口領域;
ii カプセルから該飲料の少なくとも一部を導出するための出口領域を備えられており
― 該システムが、
iii 該分配デバイスを、流体を供給するための入口領域と流体連絡させ;
iv 該出口領域が該出口装置と流体連絡に置かれることを可能にする
ようにさらに配置されている
【0005】
本発明は、抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を作るための使い捨て可能なカプセルを製造する方法において、
― 抽出可能な製品を容れる内部空間を取り囲むためのチャンバーを有する使い捨て可能なカプセルを形成し、
該チャンバーは、
i 該抽出可能な製品と協働して飲料を作るために、該内部空間への流体の通過を可能にする入口領域;
iiカプセルから飲料の少なくとも一部を導出するための出口領域
を備えられている、前記方法にいっそうさらに関する。
【背景技術】
【0006】
先行技術において、コーヒー分配器具における配置のために例えば挽かれたコーヒーを含む、密封的に封止されたカプセルは、それ自体公知である。コーヒーを作る間に、そのような封止されたカプセルの入口領域は、穴が開けられ、その結果、カプセルの内部空間の挽かれたコーヒーに、加圧下、流体を供給するために入口の開口部が用意される。すると、これは、カプセルの内部空間内の圧力を上昇させ、その結果、カプセルの出口領域は該器具に存在する蓋貫通手段に対して押しつけられる。十分な圧力が印加されたとき、出口領域は、該蓋貫通手段に対して引き裂け、出口開口部を作り出し、該開口部を通って、コーヒー飲料が該器具に存在する出口を通ってカプセルから流れ出すことができる。使用中に、該出口は、コーヒー飲料が出口を通って流動し得るように、収容器の出口領域と流体連絡している。公知のカプセルは単独のチャンバーの配置を備え、その壁はカプセルの外面を形成することが理解されるだろう。
【0007】
上で説明されたシステムにおいて、流体の優先的な通路は、例えば少なくとも1の入口の開口から少なくとも1の出口の開口へと、カプセル内の抽出可能な製品を通って流れ、このことは、作られた飲料の所望されない濃さ及び/又は該作られた飲料の濃さにおけるカプセルごとの変化をもたらし得ることが見出されてきた。さらに、出口の開口は、流体の圧力により形成されるので、出口の開口の数、位置及び/又はサイズは偶然、形成される。
先行技術文献として、(1)米国特許出願公開第2004/0045443号明細書、(2)米国特許出願公開第2005/0051478号明細書、(3)米国特許出願公開第2005/0205601号明細書、(4)米国特許出願公開第2005/0287251号明細書、(5)米国特許出願公開第2006/0174773号明細書、(6)国際公開第2008/132571 A 号パンフレット、(7)国際公開第2007/114685 A 号パンフレット、(8)国際公開第2003/059778 A 号パンフレット、が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、代替のシステム、カプセル及び方法を提供することは、本発明の目的の一つである。
【0009】
この目的のために、本発明に従うシステムにおいては、該カプセルは、入口領域及び出口領域と協働して、入口領域及び出口領域を破断し、そうすることによりチャンバーが流体にそこを通過することを可能にすることを意図されている移動可能な物体をさらに含む。用語「物体」は、使用中に適切に協働することが意図されている1または2以上の部品を備える適切な作動装置と解釈され得ることが理解されるだろう。本発明に従うカプセルは密閉するように封止されていることがさらに理解されるだろう。この特徴は、抽出可能又は可溶な製品が実質的にそのままでいることを可能し、そのことにより取り囲むものは流体及び/又は空気に対して密であるところの、取り囲むものとして解釈されるべきである。この特徴は、使用前の相対的に長い期間の間に、香り又は抽出性の保存を許し得る。
【0010】
この技術的な対策は、カプセルに移動可能な物体を備えることにより、開口のタイミング、カプセルの表面に沿っての空間的な分布及び寸法が最適化され得るところの、所定の1以上の出口開口の創設が可能であるという洞察に基づいている。該移動可能な物体は、好ましくは該製品が収容されるチャンバーの中に少なくとも部分的に、配置されることが理解されるであろう。
【0011】
用語「チャンバー」は、周囲の環境に存在する又は存在するかもしれない所望されない分子の、カプセルの内部空間への侵入を防ぐ物質障壁として理解されるべきであることが理解されるであろう。好ましくは、該物質障壁は、気体、湿気、及び蒸気が内部空間へ侵入することを防ぐために形成される。結果として、チャンバーの中において取り囲まれた抽出可能な製品の適切な選択された品質は、環境の化学物質との所望されない化学反応を受けることを防ぐことにより劣化せず及び/又は保存される。特に、コーヒーの酸化は防止され、そうすることにより実質的にその本来の味を保ち、そのことは、飲料の改善された品質をもたらし得る。
【0012】
任意のタイプの固体、液体又は粉末状の物質が飲料を作るのに使用され得るので、該抽出可能な製品はコーヒーに限られないことがさらに理解されるであろう。例えば、カプセルは、液状、固体又は粉末のいずれかの形態の濃厚物を含んでいてもよい。あるいは又は追加的に、カプセルは粉末にされたミルク、チョコレート粉末、スープ粉末等を含んでいてもよい。カプセルは、流体と相互作用すると互いに混合されるところの、意図される飲料の適切な数の成分を容れる適切な数の区画を含むこともまた可能である。
【0013】
用語「出口領域」及び「入口領域」は、例えばカプセルの表面上又はその内部体積におけるそれぞれの機能の領域を意味し、該領域は、裸眼により知覚され得なくてもよい。これは、収容器中へのユニークな方法における収容を可能にするようにカプセルが形づけられるとき、可能であり得る。あるいは、「出口領域」及び/又は「入口領域」は、該システムにおけるその適切な正しい配置を可能にするように、カプセルの上で適切に印をつけられてもよい。これは、カプセルが、収容している収容器において、方向の自由度を許すように形付けられているとき、例えばカプセルが回転の自由度を有するとき、例えばカプセルが球状、円柱状などであるとき、特に利点を有する。使い捨て可能なカプセルはたくさんの使い捨て可能なカプセルを含む包装で市販されていてもよく、ここで、包装における積み重ねの最適化が、収容器における方向の不確実性を許す、カプセルの所望される3次元の形状をもたらし得ることが理解されるであろう。特にそのようなカプセルのために、「出口領域」及び「入口領域」の識別は有利であり得る。
【0014】
出口装置は、飲料を容器の中へと導くための適切なコレクター及び導管を備えていてもよい。しかし、該出口装置は、収容器と一体化されていて、特定のコレクター又は導管を有していないこともまた可能である。
【0015】
用語「抽出可能な製品」は、可溶である又は適切なコロイド、例えばインスタントコーヒー及びスープ−ピューレなどのようなコロイドを形成するために使用される物質を包含することがさらに理解されるであろう。
【0016】
本発明に従うシステムの実施態様において、カプセルは実質的に円柱状に形成されており、外周壁、底及び蓋を含む。
【0017】
チャンバーは、外部的に近付くことのできる区画である必要はないことが理解される。例えば、チャンバーは、例えば円柱状に又は円錐形であり得るカプセルさらなる1以上の機能層を積層して成ることが可能である。
【0018】
使い捨て可能なカプセルを例えばペレットのように、又は切頭円錐又はピラミッドのように形づけることにより、出口領域の表面積を最大にすることは有利であり得る。これらの例示的な実施態様において、得られる3次元物体のベース部分の表面積は増加されて、カプセルの排液を改善する。使い捨て可能なカプセルがペレットとして形づけられているとき、入口領域と出口領域の間の流体の通路は最小化され、そのことは、カプセルの中で流体の優先的な通路の発生のチャンスを減少させ得る。使い捨て可能なカプセルが切頭円錐又はピラミッドとして形づけられているとき、実質的に円錐又はピラミッドの頂点からカプセルに入った流体は、シャワー効果を有し得、カプセル内での流体の優先的な通路発生のチャンスを実質的に減少させる。
【0019】
さらに、上記の、カプセルの形づけの可能性と移動可能な物体を使用しての開口機能との組み合わせが、飲料を作るために十分な、流体の最小必要圧力を減少させ得る。これは、先行技術から公知のシステムに対して、本発明に従うシステムのエネルギー消費を減少させる効果を有する。
【0020】
本発明に従うシステムのさらなる実施態様において、出口領域は、チャンバーの蓋又はその近傍に備えられてもよく、入口領域は、チャンバーの底又はその近傍に備えられていてもよい。そのような構成は、カプセルの製造の容易さに関して利点を有し得る。例えば、チャンバーがバケツの形状を有するとき、バケツの底は、流体を供給するために使用され得、ここで、バケツの上方部分は蓋により覆われていてもよく、蓋物質は、バケツの形状の少なくとも壁に使用されている物質とは異なる固有の機械的強度を有していてもよい。そのような配置もまた、カプセルが使用の間に、横方向から掴まれることを意図されているときには、有利であり得る。
【0021】
本発明に従うシステムの実施態様において、移動可能な物体は、チャンバー中に好ましくは入口領域及び/又は出口領域と接触して配置されている内部の物体と協働することが意図されている外部の作動装置を含む。
【0022】
出口領域にたくさんの所定の開口を与えるように適切に移動される準備ができたチャンバー中に内部の物体が配置されているところの、組み込まれた配置を備えることが有利であることが見出される。そのような内部の物体は、実質的に中実であっても中空であってもよいことが理解される。それは、例えば肉眼で見える断面を有する末端部を備えていてもよい。あるいは、該内部の物体は、顕微鏡でしか見えない断面、例えば、約1mm未満の断面を有する1以上の突起を備えていてもよい。
【0023】
該内部の物体上に備えられた突出部は、入口領域及び出口領域の方に向けられていることが可能である。結果として、該内部の物体と係合すると、入口領域と出口領域の両方が、開口が与えられるだろう。好ましくは、該内部の物体は、延ばされた状態と押し込まれた状態の間で移動可能であり得る外部作動装置により作動される。例えば、該カプセルは、カプセル全体の物質より機械的に弱い物質から製造された出口領域及び/又は入口領域を含み得る内部チャンバーを含み得る。好ましくは、該チャンバーは、周囲の環境から保護され得、例えばチャンバーは2以上の物質層の間に挟まれていてもよい。物質層は、さらなる機能目的のために用意されていることが理解されるだろう。例えば、物質のそのような層は、入口−又は出口フィルターとして作用し得る。
【0024】
流体及び/又は飲料がカプセルに入る又はカプセルから排出することを許す前に、流体及び/又は飲料を濾すことが有利であることが見出される。例えば、抽出可能な製品の粒子が実質的にない飲料を作ることが所望され得る。出口領域と協働する適切なフィルターを置くことにより、所望されるフィルター効果が達成され得る。フィルター物質のタイプ及び性質の選択は当業者の通常の技術の範囲内であることが理解されるであろう。好ましくは、フィルターは、抽出可能な製品の粗い粒子と細かい粒子とを区別するように配置されており、カプセルにおいて多くのサイズの粒子の混合物を使用することを許し、そのことは、そのような混合物を含む使い捨て可能なカプセルのための関連する製造コストを削減し得る。
【0025】
例えば、外部作動装置は、二安定であり得るところの変形可能な箔の細片などにより支持され得る。結果として、外部作動デバイスとカプセルの間の偶然の係合が防がれる。さらに、二安定性のために、作動装置は、内部の物体と協働すると押し込まれた状態に留まることを意図される。そのような配置は、開けられたカプセルが取り扱われるとき、作動装置がカプセルを離して、該製品の流れだしをもたらすことがないという利点を有する。
【0026】
本発明に従うシステムの別のさらなる実施態様において、外部作動装置は入口領域又は出口領域を破断するための突出部を含む。
【0027】
該内部の物体に突出部を与えない又は直接入口領域の方にのみ向かっている突出部を与えることが有利であり得る。この特徴は、カプセルのチャンバーは適切な製品で完全に供給されているだろうという洞察に基づき、出口領域及び入口領域は、静止状態においてさえ、機械的応力下に置かれている。その取扱いの間にチャンバーの所望されない破損の機会を減らすために、内部の物体は、好ましくは、出口領域及び/又は入口領域から少しの距離における、それらの近傍に配置される。しかし、該内部の物体は、出口領域及び入口領域と接触するように配置されることさえ可能であり得、出口領域及び入口領域の制御された開口は該内部の物体が外部作動装置により移動された後にのみ意図される。
【0028】
外部作動装置は、作られた飲料の排出のためのカプセルにおける制御された開口を与えるように、出口領域と協働するように好ましくは配置される。外部作動装置が突出部を含むとき、出口領域の物質を制御可能に破断するように配置されていてもよく、そうすることにおいて、該内部の物体が、入口領域を破断するようにチャンバーの中でさらに突出されるようにする。外部作動装置は、流体を分配デバイスからチャンバーの方へ供給するための開口を与えるか又はチャンバーから排出するための開口を与えるためのいずれかのために配置され得ることが理解される。この実施態様は図2を参照してより詳細に議論される。
【0029】
本発明に従うシステムの別のさらなる実施態様において、分配デバイスの収容器は、延ばされた外部作動装置を有するカプセルを収容することを退けるような寸法に作られている。
【0030】
先行して開口されたチャンバーを有するカプセルのみが除外され、そうすることにより器具における鋭い要素を避けるシステムを提供することが有利であることが見出される。これは例えば高齢者にとって、又は運動異常の患者にとって有利であり得る。好ましくは、外部作動装置は、カプセルの使用の直前に手で押し下げられる。チャンバーを開けると特徴的な音がして、チャンバーが無傷であることを知らせるので、手によるそのような操作はチャンバーの完全性の制御の独立した情報源を与えるために、有利であり得る。そのような特徴は、飲料を作るために、損傷したカプセルの使用が避けられるという利点を有する。
【0031】
本発明に従うシステムの別のさらなる実施態様において、該内部の物体は流体をチャンバーにおいて分配するための横にある開口を備えられた導管を含む。
【0032】
内部の物体をチャンバーにおける補助的な導管及び流体の分配器として使用することが有利であることが見出される。結果として、チャンバーにおける流体の不都合な優先的通路の創設がさらに無効にされる。
【0033】
本発明に従うシステムのさらなる実施態様において、該移動可能な物体は、抽出可能な製品及び/又は流体及び/又は飲料に関して、化学的に不活性である。
【0034】
移動可能な物体のために、抽出可能な製品の物質に関して実質的に化学的に不活性である物質を選択することが有利であることが見出される。用語「化学的に不活性である」は、化学的な生成物を形成するために抽出可能な製品及び/又は流体及び/又は飲料と化学反応を起こす能力がないことと解釈されるべきであることが理解されるであろう。飲料は、抽出可能な製品又は流体のいずれかと異なる化学的性質を有していてもよいことが理解されるであろう。特に、移動可能な物体の物質は、高められた温度、例えば90〜100℃の範囲においてもまた、化学的に不活性である。この特徴は、公衆の安全のために特に重要であり得る。
【0035】
本発明に従うシステムの別のさらなる実施態様において、移動可能な物体は、該流体及び/又は飲料に少なくとも部分的に可溶である。例えば、該移動可能な物体は、味の改良剤及び/又は味の強化剤から少なくとも部分的に形成されていてもよい。
【0036】
該移動可能な物体は、抽出可能な製品の直接の近傍に存在するという事実を利用することが有利であり得る。例えば、該移動可能な物体は、消費可能な物質、例えば糖又は味強化剤又は味改良剤から製造され得る。さらに、該移動可能な物体は、固化された液状濃厚物などから製造され得る。結果として、物質障壁を破断した移動可能な物体は、溶解して、所望される追加の味覚、香り又は他の補足的な性質を、そうでなければ素朴な飲料に与え得る。該移動可能な物体は、流体、例えば水、のpH値を変化させることを意図された物質から形成されることもまた可能であり得る。これは、水道水での飲料の調製の観点から、該水道水が劣る性質を有する地域において特に有利であり得る。
【0037】
本発明に従うカプセルは、上記において議論されたシステムのカプセルに関係する。特に、本発明に従うカプセルは、入口領域及び出口領域を破断して、そうすることにより流体がそこを通過することをチャンバーに可能にさせるように、入口領域及び出口領域と協働することを意図されている移動可能な物体を含む。好ましくは、該カプセルは、生分解性の物質から製造される。
【0038】
本発明に従うシステムにおいて抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を作る方法は、
― カプセルの移動可能な物体を作動して、該移動可能な物体に、出口領域及び入口領域と協働させ、チャンバーが流体にそこを通過することを可能にすること
を含む。
【0039】
本発明に従う使い捨て可能なカプセルを製造する方法は、
― カプセルの中に移動可能な物体の少なくとも一部を用意し、該移動可能な物体に使用中にチャンバーと協働させて、出口領域及び入口領域を破断して、流体にそこを通過することをチャンバーに可能にさせること;
― 使い捨て可能なカプセルの内部空間に抽出可能な製品を入れること
を含む。
【0040】
本発明のこれら及び他の態様は、図面を参照してより詳細に議論され、該図面において、類似の参照番号は類似の要素を意味する。図面は説明の目的のために提示されており、添付の特許請求の範囲を制限するために使用されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1a】飲料を作るための先行技術のシステムを断面の正面図で模式的に示す。
図1b】飲料を作るための先行技術のシステムを断面の正面図で模式的に示す。
図1c】飲料を作るための先行技術のシステムを断面の正面図で模式的に示す。
図2】本発明に従う使い捨て可能なカプセルの実施態様を模式的に示す。
図3】本発明に従うシステムの収容器に収容された図2の使い捨て可能なカプセルを模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図面の詳細な説明
図1a〜1cは、抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を作るための先行技術のシステム101を示す。システム101は、交換可能なカプセル102と器具104とを備える。器具104は、交換可能なカプセル102を保持するための収容器106を備える。図1a〜1cにおいて、カプセル102と収容器106との間に明確性のために隙間が描かれている。使用中に、カプセル102は収容器106と接触していてもよいことが理解されるだろう。一般に、収容器106は、カプセル102の形状に対して相補的な形状を有する。器具104は、ある量の流体、例えば水、を例えば9バールの加圧下で、交換可能なカプセル102に供給するための流体分配デバイス108をさらに備える。さらに、出口装置109が、容器例えばカップにカプセル102から流体を与えるために備えられていてもよい。
【0043】
図1a〜1cに示されたシステム101において、交換可能なカプセル102は、外周壁110、該外周壁110を第1の端部114で閉じている底112、及び該底112の反対側の第2の端部118で該外周壁110を閉じている蓋116を備える。外周壁110、底112、及び蓋116は、抽出可能な製品(図示されていない)を含む内部空間120を取り囲む。
【0044】
図1a〜1cのシステム101は、カプセル102を貫通することを意図された底貫通手段122を備える。図1aは、引き込まれた位置における底貫通手段122を示す。図1bは、底112に入口開口部124を作り、該開口部124を通して、抽出可能な製品20に流体を供給するための、延ばされた位置における底貫通手段122を示す。図1a〜1cにおいて、貫通手段122は、それを通して流体が、内部空間120に収容された抽出可能な製品20に供給されることのできる穴126を備える。図1a〜1cのシステム101は、カプセル102の蓋116を貫通することを意図された蓋貫通手段128(該図においては突出部として具体化されている)をさらに含む。示された実施態様においては、該蓋貫通手段128は、出口装置109の一部を形成してもよい。
【0045】
図1a〜1cに示されたシステム101は、カップ一杯のコーヒーを作るために以下のように操作され、ここで該抽出可能な製品は煎られかつ挽かれたコーヒーである。
【0046】
カプセル102は、収容器106の中に置かれる(図1aを参照のこと)。入口開口部124を作り出すために、底貫通手段が作動されて、カプセル102の底112を貫通する(図1bを参照のこと)。流体、ここでは加圧下の熱湯、が入口開口部124を通って内部空間120における抽出可能な製品に供給される。水はコーヒーの挽かれたものを濡らし、所望される物質を抽出して、コーヒー飲料を形成する。
【0047】
加圧下の水を内部空間120に供給する間に、カプセル102内部の圧力は上昇するであろう。圧力の上昇は、蓋116を変形させ、蓋貫通手段128に押しつけられるようにする。ひとたび圧力があるレベルに到達すると、蓋116の引裂強度が越えられ、蓋は蓋貫通手段128に対して破裂して、出口開口部130を作り出す(図1cを参照のこと)。作られたコーヒーは、該出口開口部130及び出口装置109の出口132を介してカプセル102から排出し、容器、例えばカップ(図示されていない)に供給され得る。
【0048】
図1a〜1cに示されたシステム101において飲料を作る間、優先的な流れの通路はカプセル102の内部空間120の内部の抽出可能な製品の中に存在し得る。これらの優先的な通路は、入口開口部124から出口開口部130に延在し得る。一つのそのような可能性のある優先的な通路が図1cにおいて線PPで示される。
【0049】
図2は、本発明に従う使い捨て可能なカプセルの実施態様を模式的な方法で表す。図Aは、使い捨て可能なカプセル20の断面及び対応するその等角図を模式的に示し、それにより、図Bは使用直前のカプセル20aの断面及び対応する等角図を模式的に示す。
【0050】
図Aを参照すると、使い捨て可能なカプセル20は、飲料を作るための適切な製品(図示されていない)を収容することを意図されたチャンバー22を備えている。チャンバー22は、構造22a,22b,22c及び22dによって画定されており、それらのうちのいくつかはカプセルの表面を成していてもよく、他はカプセルの内表面を成していてもよい。例えば境界22a,22cは、カプセルの外壁を成していてもよいが、境界22b,22dは、補充の箔、膜、組織などを成していてもよい。例えば構造22b,22dは、出口及び入口フィルターそれぞれしていてもよい。カプセルは、部品22b,22dに使用される物質より堅くかつ機械的により強い物質によって実装されうる適切な保護層を成していてもよい外部構造24,23をさらに備えうる
【0051】
本発明に従って、チャンバーは、制御された方法で入口及び出口開口部を与えることを意図されている移動可能な物体25、26を備えられている。本発明に従う移動可能な物体は、協働する2つの部品−外部作動装置25及び内部の物体26を備え、後者はチャンバー22に収容されている。好ましくは、該内部の物体は、流体の流れの方向のチャンバーの寸法に実質的に調和するような寸法に合わされている。
【0052】
本発明に従うと、入口及び出口開口部を与える種々の様式が想定される。第一に、内部の物体26は、実質的に外表面が大きい物体として構築され得る。内部の物体26の末端領域26aを見よ。末端領域26aは、実質的に平坦である。これは、層22bの意図的な破断に関連しないところの、カプセルを単に扱っている間のチャンバー22の偶然の損傷を防ぐために有利であり得る。内部の物体の一部26aが平坦であり、十分な面積を覆うとき(それは出口領域の表面積と匹敵する面積である)、例えば外部作動装置25は、出口領域22bを貫通するための領域26aと協働することが意図される突起28で形成されていてもよい。末端部分26aは、この場合制御された貫通を可能にするための、作動装置25の支持構造として作用する。
【0053】
第二に、該内部の物体の末端部分26aは、突起27を備え得る。突起は、ベース26aからかなりの距離にわたる、分離された物として備えられてもよい。あるいは、突起は、大きなベースからの顕微鏡でしか見えない突出物であってもよい。図3を見よ。内部の物体26が外部作動装置25により押されたとき、それは入口領域22dの方へ移動されて、制御された態様でそれを破断する。
【0054】
第三に、内部の物体26は、出口領域22b及び入口領域22dに面する両方の外表面において突起又は突出部を備えることが可能である。この場合、出口領域22bの制御された破断は、内部の物体の突出部により実現されるので、外部作動装置25は突出部を備えられていても又は実質的に平坦であってもよい。外部作動装置25が突出部28を備えられているならば、突出部28は、好ましくは内部の物体26の方の突出部に、相対的に移動される。
【0055】
内部の物体26をその末端領域の一つにおいて平らに形づけることが有利であり得る。例えば、内部の物体26は、貯蔵するとき、その平らな末端領域により出口領域22b上に静止してもよい。内部の物体が軽い部材であり、かつ内部の物体の表面積が実質的に大きいのであれば、そのような配置は、貯蔵の間の偶然のチャンバー損傷の最小のリスクを有する、安全な「保管」配置を提供し得る。
【0056】
図Bは、外部作動装置が内部の物体26に対して押されたときの使い捨て可能なカプセル20aの断面を模式的な方法で表わす。結果として、内部の物体27の突出部は入口領域22d’を破断し、出口領域22b’は外部作動装置の突出部により破断される。
【0057】
外部作動装置がカプセルに移動可能に付着されていることが好ましい。該付着部材、例えば橋29a、29b、は、延ばされた状態のための第一の安定な位置(図Aに示されている)と使用後の状態のための第二の安定な位置(図Bに示されている)とを有する二安定構造として実装されている。結果として、F1、F2により模式的に示されるように、チャンバー22はその内部体積を通って適切な流体を通すことができる。用語、流体は、飲料を作るために使用される流体並びに飲料に関係し得ることが理解されるであろう。
【0058】
内部の物体26は、図Bの右部分に模式的に示されているように、内部のチャンバーの壁のみを破断するような寸法にされ得ることが理解されるであろう。これは出口領域の後ろの1以上の構造が無傷のままであることが所望されるとき、有利であり得る。例えばカプセル30の外表面は、チャンバーを開いても引裂かれず、又はさもなければ変形されないフィルター領域30aとして形成され得る。フィルター30aがカプセルの外表面に相当する場合、フィルター領域は引きはがす箔(図示されていない)により保護され得る。
【0059】
外部作動装置31は、流体がチャンバーの中へと流れ込む又はチャンバーから流れ出すことを許すための適切な数の開口32を備えられていてもよい。チャンバーが加圧下の流体が入れられることを意図されている場合には、本発明に従うシステムの器具の収容器を、使用後の作動装置を有するカプセルを維持するように配置することが 好ましい。例えば、収容器は、使用後の作動装置を備えられたカプセルを実質的にぴったりと嵌めこむように形作られていてもよい。
【0060】
図3は、本発明に従うシステムの収容器に収容された図2の使い捨て可能なカプセルを模式的な方法で示す。使い捨て可能なカプセル40は、図2を参照して議論されたのと類似の部品を含み得る。しかし、この例示的な実施態様において、チャンバー22に配置された内部の物体46は、横にある開口47を有する導管45を備えられている。カプセル40に入る流体の流れF1は、該物体46から出てくる放射状の流れF3によりチャンバー22の内部空間に分布され得る。この特徴に従って、内部空間における優先的な通路が作り出されることは、防止される。
【0061】
内部の物体46は、平坦な末端部41,42を備え得、その場合、肉眼で見える入口の開口の創設が可能にされ得る。あるいは、1つ又は両方の末端部41,42は、開口の所望されるネットワークが備えられるように、適切な突起が備えられていてもよい。
【0062】
本発明の特定の実施態様が上に記載されているが、本発明は記載された以外の方法で実施され得ることが理解される。さらに、種々の図面を参照して議論された別々の特徴は組み合わせられてもよい。
【符号の説明】
【0063】
20:使い捨て可能なカプセル
22:チャンバー
22a〜22d:構造
22b:出口領域
22d:入口領域
25、26:移動可能な物体
25:外部作動装置
26:内部の物体
26a:内部の物体の一部(末端部分)
27:突起
28:(押し入れる貫通ボタンの)突出部
29a:橋(延ばされた状態)
29b:橋(押し込まれた状態)
40:使い捨て可能なカプセル
41:平坦な末端部
42:平坦な末端部
45:導管
46:内部の物体
47:横にある開口
F1:カプセル40に入る流体の流れ
F3:物体46から出てくる放射状の流れ
図1a
図1b
図1c
図2
図3