(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5952430
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】クロロトリフルオロエチレンからのトリフルオロエチレンの合成方法
(51)【国際特許分類】
C07C 17/25 20060101AFI20160630BHJP
C07C 21/18 20060101ALI20160630BHJP
C07C 17/42 20060101ALI20160630BHJP
C08F 14/18 20060101ALI20160630BHJP
C07B 63/04 20060101ALN20160630BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20160630BHJP
【FI】
C07C17/25
C07C21/18
C07C17/42
C08F14/18
!C07B63/04
!C07B61/00 300
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-559274(P2014-559274)
(86)(22)【出願日】2013年2月22日
(65)【公表番号】特表2015-513545(P2015-513545A)
(43)【公表日】2015年5月14日
(86)【国際出願番号】FR2013050373
(87)【国際公開番号】WO2013128102
(87)【国際公開日】20130906
【審査請求日】2014年12月10日
(31)【優先権主張番号】1251784
(32)【優先日】2012年2月28日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルデュク,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ラニュゼル,ティエリー
(72)【発明者】
【氏名】ガレ,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ウブ,セルジュ
(72)【発明者】
【氏名】ギロー,エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ドミンゲス・ドス・サントス,ファブリス
【審査官】
前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭46−002324(JP,B1)
【文献】
米国特許第02802887(US,A)
【文献】
特開平02−001709(JP,A)
【文献】
特開昭62−263679(JP,A)
【文献】
特開昭62−001744(JP,A)
【文献】
特開昭61−097308(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/000853(WO,A1)
【文献】
特表2010−505995(JP,A)
【文献】
特表2008−510831(JP,A)
【文献】
特開平04−288028(JP,A)
【文献】
特開昭62−252736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 17/00
C07C 21/00
C08F 14/00
C07B 63/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロロトリフルオロエチレン(CTFE)からトリフルオロエチレン(VF3)を製造するための方法であって、方法は大気圧下で実施される以下の段階:
i)H2/CTFEモル比が0.5/1〜2/1の範囲である水素及びCTFEからなり、不活性ガスを含んでもよいガス混合物Aを反応器中、支持体上に担持させたPd、Pt、Rh又はRuを主成分とする触媒の床上に導入し、25〜50℃の温度での十分な接触時間の後に、VF3及び有機副生成物を含む反応生成物、および更に未消費のH2、不活性ガス及びCTFE、及びHCl及びHFから選択される水素酸からなるガス混合物Bを得る段階;
ii)水で洗浄した後、希塩基で洗浄することにより混合物B中に存在しているHCl及びHFから選択される水素酸を除去し、次いで乾燥して、VF3及び有機副生成物を含む反応生成物、更に未消費のH2、不活性ガス及びCTFEからなるガス混合物Cを回収する段階;
iii)周囲温度未満の温度でガス混合物Cをカラム中に溶媒と向流方向で通して、一方で水素及び不活性ガス、他方で溶媒中に溶解している有機生成物からなる混合物を得る段階;
iv)沸点まで加熱することにより溶媒中に溶解している有機生成物を脱着させて、一方で吸収に再循環させる溶媒、他方で水素及び不活性ガスを欠く反応生成物からなる混合物Dを得る段階;
v)有機生成物の混合物Dを蒸留して、カラム頂部でVF3を回収し、カラム底部で未変換のCTFE及び反応副生成物からなる混合物Eを得る段階;
を含む方法。
【請求項2】
混合物Eを第2カラムを用いて蒸留して、このカラムの頂部で未変換のCTFEを回収して再循環させ、この第2カラムの底部で反応副生成物を除去する追加の段階vi)を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
段階v)で得たVF3を50℃の最高温度で安定化させるのに十分な量のリモネンの存在下で貯蔵する追加の段階を含む請求項1及び2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
触媒はアルミナまたは活性炭支持体上に担持されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
触媒はアルミナ支持体上に担持させたPdを主成分としている請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
段階iii)で使用する溶媒は1〜4個の炭素原子を含むアルコールである請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
段階iii)で使用する溶媒はエタノールである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
HCl及びHFから選択される水素酸を除去した後の混合物Bの乾燥をモレキュラーシーブを用いて実施する請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
不活性ガスは窒素であり、窒素/H2モル比は0/1〜2/1の範囲である請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
窒素/H2モル比は0/1〜1/1の範囲である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
反応器は、その温度が25〜50℃に維持されている熱交換流体が満たされているジャケットを有している請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
モノマーとしてVF3、コモノマーとして少なくとも1つの部分的にまたは完全にフッ素化されているオレフィンを含むフッ素化コポリマーまたはターポリマーを製造するための方法であって、方法は大気圧下で実施される以下のVF3の製造段階:
i)H2/CTFEモル比が0.5/1〜2/1の範囲である水素及びCTFEからなり、不活性ガスを含んでもよいガス混合物Aを反応器中、支持体上に担持させたPd、Pt、Rh又はRuを主成分とする触媒の床上に導入し、25〜50℃の温度での十分な接触時間の後に、VF3及び有機副生成物を含む反応生成物、更に未消費のH2、不活性ガス及びCTFE、及びHCl及びHFから選択される水素酸からなるガス混合物Bを得る段階;
ii)水で洗浄した後、希塩基で洗浄することにより混合物B中に存在しているHCl及びHFから選択される水素酸を除去し、次いで乾燥して、VF3及び有機副生成物を含む反応生成物、更に未消費のH2、不活性ガス及びCTFEからなるガス混合物Cを回収する段階;
iii)周囲温度未満の温度でガス混合物Cをカラム中に溶媒と向流方向で通して、一方で水素及び不活性ガス、他方で溶媒中に溶解している有機生成物からなる混合物を得る段階;
iv)沸点まで加熱することにより溶媒中に溶解している有機生成物を脱着させて、一方で吸収に再循環させる溶媒、他方で水素及び不活性ガスを欠く反応生成物からなる混合物Dを得る段階;
v)有機生成物の混合物Dを蒸留して、カラム頂部でVF3を回収し、カラム底部で未変換のCTFE及び反応副生成物からなる混合物Eを得る段階;
を含む方法。
【請求項13】
オレフィンをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び1,1−クロロフルオロエチレンから選択する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ポリ(VF3/VF2/CFE)ターポリマーを得る請求項12及び13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
オレフィンはCTFEであり、段階v)の終わりにVF3とCTFEの混合物が蒸留カラム頂部で得られる請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は不飽和フルオロハイドロカーボンの分野に関し、より具体的にはクロロトリフルオロエチレンを気相中、支持体上に担持させたVIII族金属の触媒を用いて水素化分解することによるトリフルオロエチレン(VF
3またはTrFE)の製造という主題を有する。
【背景技術】
【0002】
VF
3のようなフルオロオレフィンは公知であり、注目すべき特性、特に優れた化学的強度及び良好な耐熱性を示すフルオロカーボンポリマーの製造においてモノマーまたはコモノマーとして使用されている。
【0003】
トリフルオロエチレンは標準の圧力及び温度条件下でガスである。この物質の使用に関わる主なリスクは、他のハロゲン化オレフィンと同様にその可燃性、安定化されていないときのその自己重合の傾向、その化学的不安定性に起因する爆発性、及び過酸化に対する予想される感受性に関する。トリフルオロエチレンは、約10%の爆発下限界(LEL)及び約30%の爆発上限界(UEL)で非常に可燃性であるという顕著な特徴を示す。しかしながら、重大な危険は、VF
3がある圧力条件下、エネルギー源の存在下でたとえ酸素が存在していなくとも激しく爆発的に分解する傾向に関連している。VF
3の限界安定性圧力(Pst)(点火することのない最高圧力)を測定するために本出願人が実施した試験により、4バールでのVF
3のPstを測定することができる。爆発の事象では、試験の条件下でPex/Pi過剰圧力比は約10である。それに関する限り最小点火エネルギーは未知である。このことが、コントロールされない発熱重合(自己重合)から生ずるような点熱源を避けることが必須である理由である。最後に、VF
3はハロゲン化エチレン性化合物であるので、過酸化可能な化合物の中に含まれる。過酸化のリスク及び自己重合のリスクは液相の存在下で上昇する。このタイプの分子の貯蔵中の過酸化または重合開始の結果として爆発のリスクがある。
【0004】
この上記の主なリスクを考慮して、VF
3の合成及び貯蔵は特殊な問題を示し、これらのプロセスを通して厳密な安全性のルールが課されている。
【0005】
VF
3を合成するためのいくつかのルートが文献に記載されている。
【0006】
例えば文献EP 485 246に記載されている第1のルートは、銅または銀と白金族(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムまたは白金)の少なくとも1つの金属を主成分とする混合触媒の存在下で気相中で実施される1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(CFC−113)の水素化分解からなる。出発材料は容易に入手可能であるが、この技術からの主な生成物はCTFEであり、VF
3は副生成物にすぎない。これらの触媒の寿命は比較的短く、CFC−113の変換を増加させるとVF
3の良好な選択率を得ることは困難である。よって、VF
3の収率は低い。
【0007】
トリフルオロエチレンを製造するための第2のルートは、テトラフルオロエタンHFC−134aの接触脱フッ化水素に基づいている。よって、文献FR 2 729 136は触媒としてフッ化アルミニウムを用いる方法を記載している。トリフルオロエチレンはBF
3の存在下で接触脱フッ化水素することにより得られる。HFC−134の変換率は18.5%である。この技術のための触媒のコストは低く、水素を注入する必要がなく、生成物の収集が簡単である。しかしながら、操作条件は難しく、HFC−134aの変換率もトリフルオロエチレンの収率も低い。
【0008】
トリフルオロエチレンを製造するための第3のルートは、例えば文献JP 57026629に記載されている1,1,2−トリフルオロ−2−クロロ−1−ブロモエタンの脱臭素化/脱塩素化反応により表される。この反応は水及び脱ハロゲン化剤(例えば、Zn)の存在下で行われる。反応条件は温和であるが、出発材料は入手しにくく、反応は大量の流出物を生ずる。
【0009】
例えば文献US 5,892,135に記載されているトリフルオロエチレンを製造するための第4のルートは、1つ以上の金属元素(例えば、Ru、Cu、Ni、Cr)、またはその金属酸化物またはハロゲン化物からなる触媒の存在下での124、114a及び115のようなCF
3CClFXタイプ(XはH、ClまたはFである)の飽和ハロゲン化炭化水素に関する。CF
3CClFXの変換率は91%に達し得、トリフルオロエチレンの選択率は83%に達し、残りは1132a、HFC−134a及び1122である。トリフルオロエチレンを製造するためのこの技術は比較的高い収率を示す。しかしながら、反応温度は高く(325〜425℃)、触媒は容易にその活性を失う。また、反応生成物を収集、分離及び精製する際に困難を示す。
【0010】
トリフルオロエチレンを製造するための第5の公知ルートは、活性成分としてVIII族金属及び多孔性材料(例えば、活性炭、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム及びフッ化アルミニウム)からなる支持体を有する触媒の存在下で出発材料としてクロロトリフルオロエチレン(CTFE)及び水素を使用している。
【0011】
CTFEの接触水素化分解は通常気相中で実施されている。例えば、文献US 3,564,064は活性炭またはアルミナの支持体上のPdまたはPtを主成分とする触媒を記載している。反応温度は200〜320℃であり、接触時間は0.1〜4秒である。反応から生じたガスを水及び塩基で洗浄した後、無水硫酸カルシウムで乾燥させる。生成物をメタノール/ドライアイス混合物で冷却したトラップでの凝縮により回収した後、回収した混合物をアセトン/ドライアイスで冷却したトラップにおいて分別蒸留することにより精製する。80%以上のVF
3の選択率で、CTFEの変換率は60%以上である。
【0012】
しかしながら、CTFEの接触水素化分解は、文献CN 1 080 277に記載されているように液相中、塩化水素酸受容体及びVIII族金属の存在下で実施され得る。酸受容体はアルコール、アミン、エステルまたはエーテルである。CTFEの変換率は100%に達し、VF
3の選択率は80〜90%であり、収率は60〜90%である。トリフルオロエチレンに加えて、ジフルオロエチレン、1,1,2−トリフルオロエタン及び1,1−ジフルオロエタンが副生成物として得られる。
【0013】
CTFEからトリフルオロエチレンを製造するための技術をCFC−113から出発する技術と比較すると、反応生成物が減少し、トリフルオロエチレン収率が比較的大きく上昇する。しかしながら、他のルートについて挙げられている触媒の寿命の問題、並びに回収、分離及び精製の困難さがこの技術にも存在する。実際、これらの段階は工業規模で実施される反応と適合していなければならない。
【0014】
よって、VF
3をこの分子の爆発性のリスクをできる限り抑える条件下で経済的に得るべく上記の欠点を解消することができるCTFEからトリフルオロエチレンを製造するための代替方法の開発が真に必要である。
【0015】
今回、CTFEの水素化分解の場合支持体上に担持させたVIII族金属、特にPdを主成分とする触媒の使用、並びに分離及び精製段階の特定のシーケンスにより、大気圧下及び比較的低温でCTFEの優れた変換率及びVF
3の優れた選択率を得ることができることを知見した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】欧州特許出願公開第485 246号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第2 729 136号明細書
【特許文献3】特開昭57−026629号公報
【特許文献4】米国特許第5,892,135号明細書
【特許文献5】米国特許第3,564,064号明細書
【特許文献6】中国特許第1 080 277号公報
【発明の概要】
【0017】
よって、本発明の主題は、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)からトリフルオロエチレン(VF
3)を製造するための方法であり、前記方法は大気圧下で実施される以下の段階:
i)H
2/CTFEモル比が0.5/1〜2/1の範囲である水素、CTFE及び場合により不活性ガス(例えば、窒素)からなる混合物Aを反応スペース中、支持体上に担持させたVIII族金属を主成分とする触媒の床上に導入し、十分な接触時間の後に、VF
3及び有機副生成物を含む反応生成物、更に未消費のH
2、任意の不活性ガス及びCTFE、及び水素酸からなるガス混合物Bを得る段階。反応器の温度はジャケット中に25〜50℃の温度で維持されている熱交換流体を循環させることによりコントロールされている;
ii)水で洗浄した後、希塩基で洗浄することにより前記混合物B中に存在している水素酸を除去し、次いで乾燥して、VF
3及び有機副生成物を含む反応生成物、更に未消費のH
2、前記不活性ガス(存在するならば)及びCTFEからなるガス混合物Cを回収する段階;
iii)周囲温度以下の温度で前記ガス混合物Cをカラム中に溶媒と向流方向で通して、一方で水素及び不活性ガス(存在するならば)、他方で前記溶媒中に溶解している有機生成物からなる混合物を得る段階;
iv)沸点まで加熱することにより前記溶媒中に溶解している有機生成物を脱着させて、一方で吸収に再循環させる溶媒、他方で水素及び不活性ガス(存在するならば)を欠く反応生成物からなる混合物Dを得る段階;
v)前記の有機生成物の混合物Dを第1カラムを用いて蒸留して、カラム頂部でVF
3を回収し、カラム底部で未変換のCTFE及び反応副生成物からなる混合物Eを得る段階;
vi)前記混合物Eを蒸留して、このカラムの頂部で未変換のCTFEを回収して再循環させ、この第2カラムの底部で反応副生成物を除去する段階;
を含む。
【0018】
本発明の主題を構成する方法は、分子の爆発性のリスクをできるだけ抑え、反応温度をかなり低下させながら、VF
3が得られ非常に高い変換率(最高80%)を80%までの範囲のVF
3の選択率で達成し、よって工業的規模で効率的に適用することができるという作用効果を呈する。
【0019】
他の特徴及び作用効果は、以下の本発明に記載のCTFEからVF
3を製造するための方法の詳細説明及び添付図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】CTFEからVF
3を製造するためのすべての段階を図式的に示す。
【
図2】クロマトグラフ分析により同定された副生成物の存在を説明するために提案された反応スキームを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の
図1に図式的に示されている本発明の方法は、CTFEの水素化分解によりVF
3を合成するための反応に基づいている。この反応は支持体上に担持させたVIII族金属を主成分とする触媒を用いて実施される。この反応に適したVIII族金属はPd、Pt、Rh及びRuから選択される。触媒の支持体は活性炭、アルミナ及び炭酸カルシウムから選択される。
【0022】
1つの実施形態によれば、反応をAl
2O
3上に担持させたパラジウムを主成分とする触媒、例えば参照番号:アルミナペレットタイプ463上の0.2R463パラジウムとしてJohnson Mattheyより販売されているものを用いて実施する。
【0023】
本方法は、気相中、25〜50℃に維持されている熱交換流体を反応器のジャケット中に循環させることにより温度コントロールされている触媒の床上に(混合物Aを形成する)水素、CTFE及び場合により不活性ガス(例えば、窒素)を同時に導入することからなる。H
2/CTFEモル比は0.5/1〜2/1、好ましくは1/1〜1.2/1である。窒素/H
2モル比は0/1〜2/1、好ましくは0/1〜1/1である。
【0024】
反応器の入口でのガス混合物の全流速(単位:標準リットル/秒)に対する触媒の容量(単位:リットル)の比として計算される接触時間は10〜30秒、好ましくは15〜25秒である。
【0025】
反応は完全ではない。よって、水素化分解反応器の出口では反応生成物及び希釈窒素(存在するならば)と混合して水素及びCTFEが残存している。これらの生成物の組合せが混合物Bを形成する。VF
3は主な反応生成物であるが、試験のクロマトグラフ分析及びこれらの副生成物の形成を説明するために提案されている反応スキーム(添付の
図2)により示されるように、副生成物は二次及び/または後続反応により形成される。
【0026】
水素化分解反応器の出口では、形成された水素酸がまず除去される。HCl及びHFが洗浄カラム中の水に吸収され、最後の微量の酸を希塩基(NaOHまたはKOH)で洗浄することにより除去する。ガス混合物Cを構成する未変換の反応物質(H
2及びCTFE)、希釈窒素(存在するならば)及び反応生成物(VF
3、143、133及び他の有機生成物)からなるガス混合物の残りを乾燥機に送入して、微量の洗浄水を除去する。乾燥は物質、例えば硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、炭酸カリウム、シリカゲルまたはゼオライトを用いて実施する。1つの実施形態では、シリポライトのようなモレキュラーシーブ(ゼオライト)を乾燥のために使用する。
【0027】
続いて、混合物C中に存在している他の生成物の残りから水素及び不活性物質を分離する段階は吸収のために大気圧下、周囲温度以下の温度、好ましくは10℃以下の温度、より好ましくは−25℃の温度で1〜4個の炭素原子を含むアルコール、好ましくはエタノールの存在下で吸収/脱着させることにより実施する。1つの実施形態では、有機生成物の吸収はカラム中で−25℃に冷却したエタノールと向流させて実施する。エタノールの流速は吸収しようとする有機生成物の流速の関数として調節される。この温度でエタノールに溶解しない水素及び不活性ガスは吸収カラム頂部で除去される。続いて、エタノールをその沸点まで加熱することにより有機生成物をガス混合物Dの形態で回収(脱着)し、その後このガス混合物を蒸留する。
【0028】
よって、このタイプの混合物に対して公知のドライアイス/溶媒(アセトンまたはメタノール)混合物で冷却したトラップを用いる有機生成物の凝縮に基づく分離方法とは異なり、混合物C中に存在する水素+不活性物質/有機化合物を分離する段階は溶媒と直接接触させることにより実施する。
【0029】
続いて、純粋のVF
3を混合物Dから蒸留して、他の有機生成物(混合物Eを形成するCTFE、F143、F133及び他の有機生成物)から分離する。混合物Dの蒸留は大気圧下、凝縮では−70℃〜ボイラーでは−30℃の範囲の温度で実施する。1つの実施形態では、蒸留はガラス製装置を用いて実施される低温タイプである。使用されるカラムは例えばOldershawタイプのカラムである。
【0030】
カラム頂部から出た純粋なVF
3は大気圧下、−80℃に維持されている交換器及び中間貯蔵タンクにおいて凝縮することにより回収される。
【0031】
他の有機化合物を含む混合物Eはカラム底部で回収される。第2カラムを用いて混合物Eを蒸留すると、カラムの頂部で未変換のCTFEが回収及び再循環され得、第2カラムの底部で反応副生成物が除去され得る。
【0032】
本発明に記載のVF
3の製造方法により、50〜80%のVF
3の選択率で、60〜80%のCTFEの変換率を得ることができる。
【0033】
その後、蒸留レシーバとして作用する中間貯蔵タンク中に回収された純粋なVF
3をコンディショニングドラムに移す。1つの実施形態によれば、本発明の方法は、段階v)で得たVF
3を50℃の最高温度でVF
3を安定化させるのに十分な量のリモネンの存在下で貯蔵する追加段階を含む。各種段階の連続シーケンスを選択した操作条件(大気圧、低温)下で実施される本発明に従うクロロトリフルオロエチレンの水素化分解によるVF
3の製造方法により、物理化学的性質(可燃性、反応性及び爆発性)によりもたらされる問題を解決しながら、VF
3を生産することができる。この目的は、特に溶媒(例えば、エタノール)を用いる吸収/脱着による有機化合物からの水素及び不活性ガス(存在するならば)の分離段階により達成される。その後、非凝縮性材料(未変換の水素、不活性物質等)を含まない反応生成物は大気圧下、低温で容易に蒸留され得る。
【0034】
本発明の方法の他の作用効果を以下にリストする:
−この分子の爆発性のリスクをできるだけ抑えることができる条件下で純粋なVF
3を回収することができる;
−この分子の爆発性のリスクが避けられるような条件下でVF
3を経済的に製造することができる;
−蒸留条件を調節することにより、カラム頂部で重合に直接使用し得る所定比率のCTFEを含むVF
3及びCTFEの混合物を得ることができる。この化合物は重合に対して不活性であるので、カラム頂部でCTFEと同伴される反応副生成物である143aの任意に付随する存在は不利でない。
【0035】
本発明の方法に従って得られるVF
3は特にフルオロカーボンポリマーの製造のためのモノマーまたはコモノマーとして使用される。VF
3と共重合され得るコモノマーは特に部分的にまたは完全にフッ素化されているオレフィンである。非限定例として、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン(VF
2)及び2,3,3,3−テトラフルオロプロペンが挙げられ得る。VF
2及びVF
3と共重合され得る他のハロゲン化オレフィンの中で、CTFE、HFP及び1,1−クロロフルオロエチレン(CFE)が特に挙げられ得る。
【0036】
本発明は、モノマーとしてVF
3、コモノマーとして少なくとも1つの部分的にまたは完全にフッ素化されているオレフィンを含むフッ素化コポリマーまたはターポリマーを製造するための方法にも関し、前記方法は予め上記の段階に従うVF
3の合成を含む。
【0037】
1つの実施形態によれば、本発明はモノマーとしてVF
3、CTFE、及び場合により部分的にまたは完全にフッ素化されているオレフィンを含むフッ素化コポリマーまたはターポリマーを製造するための方法に関し、VF
3及びCTFEの混合物は上記のVF
3の合成方法の蒸留段階の出口で直接得られる。この方法の作用効果は、純粋な成分から生じた混合物の製造及びホモジナイゼーションを避けて、重合前の操作が簡素化されることである。
【0038】
特に、VF
3をフッ化ビニリデン及び場合により少なくとも1つの他のハロゲン化オレフィンの存在下で重合することにより、特に有利な電気特性を有する電気活性な部分的にフッ素化されているコポリマーまたはターポリマー、例えばポリ(VF
3/VF
2/CFE)ターポリマーを得ることができる。この場合、これらのコポリマー及びターポリマーから得られる材料は圧電性、焦電性及び/または電歪性である。これらのコポリマー及びターポリマーから作成されるフィルムはリラクサ強誘電性の典型的な特徴、すなわち低いヒステリシス、高い誘電率、強い変形を有している。
【0039】
VF
3/VF
2/CFEターポリマー、その製造方法及び圧電性複合材料の作成におけるその使用は文献US 2008/0081195に記載されている。
【0040】
下記実施例は本発明を限定することなく本発明を説明する。
【実施例】
【0041】
[
実施例1]
触媒の性能の試験
触媒充填物の作成:
試験しようとする触媒の床を不活性物質(例えば、コリンドンまたはシリカ)の2つの層の間に挿入する。まず、ジャケットを備えた長さ1200mm、直径25mmのステンレス鋼管からなる管状反応器にコリンドンの第1層を50cmの高さで導入する。その後、この層の上に100cm
3の試験触媒に相当する層を導入した後、触媒の層の上に反応管が完全に埋まるまでコリンドンを再び導入する。
【0042】
その後、こうして充填した触媒を水素流下で以下のように活性化する:反応管を管状炉に置き、頂部から2mol/hの水素流を供給する。次いで、炉を400℃まで加熱し、系を同じ水素流下で12時間放置する。この400℃での活性化期間後(触媒の化学還元)、管を水素流下で周囲温度まで冷却し、次いでその後水素化分解試験床上に設置すべく分離する。
【0043】
CTFEの水素化分解のための反応:
活性化触媒を充填した反応管を
−質量流量計によりコントロールされるCTFE供給管;
−質量流量計によりコントロールされる水素供給管;
−質量流量計によりコントロールされる不活性物質(適切な場合、窒素)供給管;
−その温度がサーモスタット制御浴により調節される熱交換流体のジャケットに対する供給管;
−一方ではCTFE及びH
2の変換率、他方ではVF
3の選択率を測定するために必要な分析の実施を可能にする反応生成物を取り出すための系;
を含む水素化分解床上に設置する。
【0044】
操作条件及び各種タイプの触媒充填物で得られた結果を表1にまとめる。
【0045】
試験した触媒の物理化学的特性は以下の通りである:
Al
2O
3上の触媒:約5m
2/gのBET比表面積及び<0.1cm
3/gの細孔容積、
C上の触媒:約1600m
2/gのBET比表面積及び約1cm
3/gの細孔容積。
【0046】
【表1】
【0047】
[
実施例2]
本発明に記載の方法の実施
図1に図式的に示されているマイクロパイロットプラントを次のように操作した。
−各々が管の全長に亘ってジャケットを備えている長さ1200mm、直径25mmのステンレス鋼製金属管からなる4つの水素化分解反応器(A)に次の混合物:
−66ml(110g)のコリンドン、
−275ml(436g)の0.2% Pd/Al
2O
3触媒(BET比表面積=5.3m
2/g及び<1cm
3/gの細孔容積)、
−45ml(78g)のコリンドンを充填する。
−触媒組成物を流速1mol/hの水素により250℃で6時間還元する。
−その後、各反応器のジャケットに25℃でサーモスタット制御されている熱交換流体を供給する。
−各反応器に1mol/hのCTFE及び1mol/hの水素を供給する。反応器に不活性ガス(この場合、窒素)を供給することも可能である。
【0048】
反応物質の流速の和(単位:標準リットル/秒)に対する触媒の容量(単位:リットル)の比として計算される接触時間は22秒のオーダーを有する。
【0049】
4つの反応器から出るガスを一緒に集め、直径4mm、長さ5mmを有するフルオロポリマー製リングがパックされている長さ355mm、直径40mmのフルオロポリマー製管からなる水素酸をスクラビングするためのカラム(B)の底部に導入する。
【0050】
スクラビングカラムに10l/hの流速で水を連続供給する。
【0051】
水素酸が負荷された水をスクラビングカラムの底部で連続除去する。その後、こうして水素酸を含まない反応生成物を、シリポライト3Aタイプのモレキュラーシーブが満たされている長さ800mm、直径50mmのステンレス鋼製の2つの金属管が連続して配置されている乾燥セクション(C)に送入する。
【0052】
その後、こうして乾燥したガスを、ジャケットを備えており、直径4.3mm、長さ4.5mmのガラスリングがパックされている長さ700mm、直径40mmのステンレス鋼製金属管からなる吸収カラム(D)に送入する。吸収カラムの頂部にポンプを介して8リットル/時の流速でエタノールを供給する。吸収カラムのジャケットに−25℃の熱交換流体を供給する。
【0053】
水素及び不活性物質は吸収カラムの頂部から去り、エタノール中に溶解されている反応生成物はカラムの底部を出て、直径4.3mm、長さ4.5mmのガラスリングがパックされている長さ250mm、直径18mmのガラスカラム及びエタノールを加熱マントルを用いて沸点まで加熱する1lの丸底ガラスフラスコからなる脱着セクション(E)に送入する。
【0054】
反応により生じた有機生成物を蒸発させ、カラム頂部を介して脱着セクションを離れ、有機生成物を含まないエタノールをポンプにより抜き取り、吸収カラム(D)の頂部に供給する。
【0055】
その後、脱着セクションから生じた有機生成物の混合物を、直径28mmのOldershawタイプの15プレートを含むカラムを有する濃縮セクション、及び直径28mmのOldershawタイプの5プレートを含むカラムを有するストリッピングセクションからなる蒸留セクション(F)に送入する。
【0056】
この蒸留のボイラーは、−30℃の熱交換流体が供給されているジャケットを備えているガラスタンクから構成されている。望ましくない重質生成物及び未変換のCTFEを連続的に抽出して、ボイラー中の未変化レベルを維持する。
【0057】
濃縮カラムの上に−75℃の熱交換流体が供給されているガラス還流コンデンサーを載せる。純粋のVF
3をデフレグメーターのように挙動する交換器の頂部で回収し、最後に−80℃で維持されている熱交換流体が供給されているジャケットを備えているステンレス鋼製金属タンクからなる受容タンンク(G)に送入する。
【0058】
連続操作でのこのマイクロパイロットを用いるVF
3生産キャンベーンの結果を表2に集める。
【0059】
【表2】
試験1では、2つの水素化分解管のみにCTFE及び水素を供給する。吸収セクションの−20℃でのエタノールの3kg/hの流速は未変換の水素から有機生成物を分離するのに十分である。蒸留セクションでは、−72℃の交換器の温度により、98.65%のVF
3純度を達成することができる。VF
3生産量は38.1g/hであり、これは導入したCTFEに対して23.8%の粗収率に相当する。
【0060】
試験2では、4つの水素化分解管を平行に操作し、プラントの残りを供給する。処理しようとする有機生成物の流速を考慮して、吸収セクションに−25℃に冷却したエタノールを4kg/hで供給する。蒸留セクションでは、交換器頂部に−78℃の熱交換流体を供給し、これにより98.96%のVF
3の純度を達成することができる。これらの条件下で実施したプラントの生産量は67.5g/hのVF
3であり、すなわち供給したCTFEに対して21%の粗収率である。
【0061】
試験3では、4つの水素化分解管に反応物質(CTFE及びH
2)に加えて窒素を供給する。窒素の存在は、−25℃のエタノールが4kg/hで供給されている吸収セクションの分離の有効性を変化させない。蒸留セクションの条件を変更して、VF
3の回収率を高める。よって、−23℃のボイラー及び−75℃の交換器頂部の温度で、生産量は92.5g/hのVF
3であり、純度は98.7%である。未変換のCTFEの再循環により、これらの条件下で使用したCTFEに対して57.8%の粗収率を達成することができる。
【0062】
[
実施例3]
VF2/VF3コポリマーの製造
脱イオン水(1862g)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(0.34g)及びジプロピルペルオキシジカーボネート(1.8g)を収容している反応器にVF
3(396g)及びVF
2(750g)を充填する。次いで、この反応器を44℃の温度とする。反応が開始し、水を連続注入することにより補償される反応器の圧力低下により反映される。水(700g)を導入し、水の注入を停止すると、圧力は65バールに低下する。次いで、反応器を65℃に加熱すると、圧力は低下し続ける。圧力が38バールに達したら、反応器を冷却し、その後空にする。収集した反応混合物を濾過し、得られたケーキを上水(3l)で5回洗浄した後、オーブンにおいて恒量まで70℃で加熱する。
1H NMRにより分析した樹脂の組成は31.2mol%のVF
3に等しいことが知見される。DSCによる熱的キャラクタラリゼーションにより、99.8℃のキュリー転移温度及び151.2℃の融点を有する強誘電性樹脂が明らかになる。
【0063】
[
実施例4]
VF2/VF3/CFEターポリマーの製造
脱イオン水(2.5l)が充填されている4lの撹拌反応器に68mol%のVF
2及び32mol%のVF
3からなる混合物(360g)の初期充填物を導入する。この反応器を44℃の温度としたら、重合開始剤を水との混合物の形態で高圧ポンプを介して注入する。次いで、反応器の圧力を約90バールとすべく追加量の水を注入する。重合反応が始まり、圧力が低下する傾向を有している。圧力下で第2のモノマーの圧縮混合物を注入することにより圧力を一定に保つ。この混合物は以下のモル組成:58.15%のVF
2、27.31%のVF
3及び14.54%のCFEを有している。重合中、反応器内の温度は44〜51℃の値で維持されている。第2混合物の注入の流速が20g/h以下に下がるまで、反応を約7時間継続させる。水に懸濁した固体粉末の形態で回収されたポリマーは、
19F NMRによる分析と元素塩素の元素分析を合わせることにより評価して以下のモル組成を有している:
−VF
2:61.9%、
−VF
3:29.4%、
−CFE:8.7%。
その数平均モル質量は350000g/molであり、その融点は122.1℃である。
【0064】
[
実施例5]
VF3の蒸留から直接派生するVF3/CTFE混合物からのVF2/VF3/CTFEターポリマーの製造
脱イオン水(2.7l)及び分散剤としてのセルロースエステル(0.4g)を収容している3.5lの撹拌反応器にVDF(327g)、TrFE(163g)及びCTFE(10g)を充填する。CTFE(10g)は、蒸留条件を調節して本発明に従って製造したTrFEから派生し、ガスクロマトグラフィーによりアッセイしてTrFE中のCTFEの含量は4mol%である。次いで、反応器を46℃の温度とする。続いて、ペルオキシジカーボネート開始剤を注入し、反応を開始させる。モノマーが消費されると圧力が低下し、圧力低下は80〜110バールの圧力下でVDF/TrFE/CTFE混合物の連続注入により補償される。そのモル組成がそれぞれ67/26/1である混合物は、純粋VDF、及び蒸留条件をヨウ素調節して本発明の方法により得た21mol% CTFEを含むTrFEから製造した。混合物(500g)を反応器に導入し、注入を停止すると、圧力は40分間低下する。次いで、反応器を冷却し、残留モノマーを脱気した後、懸濁液(スラリー)の形態の生成物を反応器から排出させる。スラリーを濾過し、純粋な脱イオン水で数回洗浄し、最後に濾過した後、湿った粉末を70℃のオーブンで乾燥させる。720gの乾燥粉末を回収する。
1H及び
19F NMR分析により、次のモル組成が明らかとなる:
VF
2:69.8%、
TrFE:26.5%、
CTFE:3.7%。