(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
本欄に記載された解決法は、追求することができる解決法であるが、必ずしも前に考えられたり追求されたりした解決法ではない。したがって、そうでないと示されていない限り、本欄に記載された解決法のいずれも、本欄に含まれているという理由だけで従来技術とみなされると考えられるべきではない。同様に、1つまたは複数の解決法に関して特定された問題は、そうでないと示されない限り、本欄に基づいて、いかなる従来技術においても認識されていると考えるべきではない。
【0007】
本発明は、添付の図面において、限定するためでなく、例として示されているものである。図中、同様の参照番号は同様の要素に言及している。
量子ドット(QD)に基づく表示技術に関する例示的な可能な実施形態が、本明細書に記載されている。以下の記載において、説明の目的で、本発明の完全な理解を与えるために、多くの特定の詳細が記載されている。しかし、本発明はこれらの特定の詳細がなくても実施することができることが明らかだろう。他の例では、本発明を不必要に塞ぐ、曖昧にする、または分かりにくくするのを防ぐために、よく知られている構造およびデバイスは徹底的に詳細には記載しない。
【0008】
例示的な実施形態を、以下の概略により本明細書に記載する。
1.総括
2.構造概略
3.画像レンダリング表面
4.カラー・フィルタ
5.別個に変調された光線
6.3D表示
7.光源制御ロジック
8.例示的な工程フロー
9.実施機構・ハードウェア概略
10.均等、拡張、代替、その他
1.総括
この概略は、本発明の可能な一実施形態のいくつかの態様の基本的な記載を提示している。この概略は可能な実施形態の態様の包括的または徹底的要約ではないことに留意すべきである。さらに、この概略は可能な実施形態のいかなる特に顕著な態様または要素を特定するものとして、または可能な実施形態のいかなる範囲、特に本発明を一般的に詳しく説明するものとして理解することを意図するものではないことに留意すべきである。この概略は単に、集約および単純化した形式の例示的な可能な実施形態に関するいくつかの概念を提示するものであり、以下の例示的な可能な実施形態のより詳細な説明に対する単なる概念的な前置きとして理解されたい。
【0009】
本明細書に記載された技術に基づいて、第1の光による照射の上に第2の光を発する量子ドット、量子井戸(量子ウェル)などの光変換材料を、直接使用して、表示パネルを形成することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、第2の光は、画素毎光変調層(または、バルブ層)(例えば、LCD表示パネル)によって光変調を受けることなく、画像をレンダリングする。本明細書に記載した技術に基づいて、LCD層などのライト・バルブ層なしで表示システムを形成することができ、液晶材料などの光変調材料で画素毎光変調を行う複雑な画素または
サブ・ピクセル構造を作り出すため、別の場合に必要な高価な製造工程なしで製造することができる。
【0011】
本明細書に記載したような表示パネルを、幅広い範囲の支持材料上に容易に形成することができる。本明細書に記載したような技術に基づいて、光変換材料を堆積/配置することができるあらゆるところに、画像レンダリング表面を、形成することができる。例えば、画像レンダリング表面を、光変換材料によって、配置された機械的構造に結合させる、機械的構造と一体化させる、機械的構造と隣接させることなどができる。いくつかの可能な実施形態では、画像レンダリング表面は、光変換材料をホスティングする構造に機械的に結合させることができる。いくつかの他の可能な実施形態では、画像レンダリング表面は、このような構造に機械的に結合させることができない。例えば、いくつかの実施形態では、光変換材料を画像レンダリング表面から離して配置することができる。いくつかの実施形態では、画像レンダリング表面と光変換材料の間に介在している光学構造/構成部品があってよい。いくつかの他の実施形態では、このような介在している光学構造/構成部品がなくてよい。例えば、画像レンダリング表面および光変換材料は両方とも、同じ光学構造/構成部品内に存在してよい。一例では、光変換材料を、ガラス、プラスチック、キャンバス(帆布)、紙、光学グレード材料、不透明支持材料などによって提供される支持表面に被覆して、支持表面の近くにまたは支持表面に画像レンダリング表面を生じさせることができる。別の例では、光変換材料を、ガラス、プラスチックなどの光学的透明材料内に埋め込んで、光学的透明材料の近くにまたは光学的透明材料に画像レンダリング表面を生じさせることができる。本明細書に記載した表示パネルを、多くの異なる場所で展開または使用することができる。例えば、このような表示パネルを、スタジアム、コンサート、大きな部屋、小さなオフィス、家屋、公園、車両、屋外または屋内の場所などに容易に設定または設置することができる。
【0012】
本明細書に記載した光変換材料は、レーザ源などからのコヒーレント光で励起または照射することができることに留意されたい。いくつかの実施形態では、画像レンダリングは、光変換材料から発せられた非コヒーレント光で達成される。非コヒーレント光での画像レンダリングにより、レーザ光などのコヒーレント光によって形成された画像と比べて、優れた広視野角度を表示システムに提供することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、異なる色タイプの光変換材料を使用して、本明細書に記載した表示パネルを形成することができる。例えば、表示パネルを、フィルムに取り付けることができ、非混合パターンで、または代替形態では混合状態/形態で異なる色タイプの量子ドットによって被覆または堆積させることができる。各画素は、2つ、3つまたはそれ以上のタイプの量子ドットを含むことができ、各タイプは異なる色の光を生成するように構成されている。異なるタイプの量子ドットは、異なるタイプ(例えば、波長)の入力光に反応することができる。レーザなどの光源は、異なるタイプ(波長)の第1の光で量子ドットを照らして、異なる色の第2の光を発光させることができる。異なるタイプの第1の光による照明の強度は、画像データに基づき、異なる画素またはサブ・ピクセルに対して変えることができる。例えば、画素が赤色を表現する場合、赤色量子ドットを励起させるためのタイプの第1の光の強度を非ゼロ値に設定することができ、青色および緑色量子ドットを励起させるための他のタイプの第1の光の強度をゼロに設定することができる。第1の光は、表示パネル内の全ての画素を通して掃引し、いかなる光変調/バルブ層(例えば、LCD層)なしで量子ドットによって直接レンダリングされる画像を形成することができる。第1の光を発光させる光源は、表示パネルに対して前部、後部、側部または別の位置を含むどこにでも配置することができる。例えば、光源は表示パネルに対して上部前側位置に配置することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、特定の波長の第1の光(励起光)に反応する光変換材料を、
本明細書に記載された表示システムで使用することができる。例えば、それぞれ異なる入力光周波数/波長に感度がある異なる色タイプの入力狭帯域量子ドットを使用して、表示パネルを直接形成することができる。入力狭帯域赤色量子ドットは、第1の光波長範囲に感度があってよい。入力狭帯域緑色量子ドットは、第2の光波長範囲に感度があってよい。入力狭帯域青色量子ドットは、第3の光波長範囲に感度があってよい。第1、第2、および第3の光波長範囲は、実質的にまたは僅かに非重複であってよい。本明細書で使用する場合、入力狭帯域量子ドットの内容で僅かな非重複とは、観察者(ビューワ)に分かる第1の光に基づいて生成されるように、第2の光に視覚的中間生成物を生成しない第1の(例えば、入力)光内の波長の重複のことを言う場合がある。これらの3つの光波長範囲内の第1の光を発する光源を、入力狭帯域量子ドットを照明/励起するために使用して、異なる色の第2の光を生成することができる。これらの実施形態における第1の光の照明の強度は、表示システムによってレンダリングされる画像を含む画像データに基づいて、異なる画素に対して変えることができる。第1の光は、表示パネルを通して掃引し、入力狭帯域量子ドットによって直接画像を形成することができる。表示パネルに対して前部、後部、側部または別の位置を含むどこにでも、光源を配置することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、出力狭帯域量子ドットを使用して、3次元(3D)表示システムを作り出すことができる。左投射画像フレームおよび右投射画像フレームは、3D表示システムと眼鏡(グラス)を同期させることなく、1対の受動グラスを通して観察することができる。各画素は、第1のセットの赤色、緑色および青色量子ドットと、第2のセットの赤色、緑色および青色量子ドットとを含むことができる。各セットの量子ドットは、画像のレンダリングを独自にサポートすることができる。第1のセットの量子ドットは、光源によって発光された第1の光内の第1のセットの波長範囲にだけ感度があり、第2のセットの量子ドットは、光源によって発光された第1の光内の第2のセットの波長範囲にだけ感度があってよい。第1のセットの量子ドットによって生成される光波長は、第2のセットの量子ドットによって生成される光波長と実質的にまたは僅かに非重複であってよい。本明細書で使用する場合、出力狭帯域量子ドットの内容で僅かな非重複とは、ビューワに分かる第2の光に視覚的中間生成物を生成しない第2の(例えば、出力)光内の波長の重複のことを言う場合がある。個別の波長および/または個別の波長範囲の第1の光の強度は、画像データに基づいて、画素に入射する第1の光を変調させるように個別に制御可能とすることができる。
【0016】
右側画像フレームは、第1のセットの波長範囲の第1の光で照らされる第1のセットの量子ドットによって生成される第2の光によってレンダリングすることができ、左側画像フレームは、第1のセットの波長範囲の第1の光で照らされる第2のセットの量子ドットによって生成される第2の光によってレンダリングすることができる。量子ドットを、パターン化する、部分的に混合する、または完全に混合することができる。上に記載したようにビューワの3Dグラスの右投射は、第1のセットの量子ドットによって生成された第2の光内の光波長に対して透過可能であるが、第2のセットの量子ドットによって生成される第2の光内の光波長に対して不透明であってよい。逆に、ビューワの3Dグラスの左投射は、第2のセットの量子ドットによって生成される第2の光内の光波長に対して透過可能であるが、第1のセットの量子ドットによって生成される第2の光内の光波長に対して不透明であってよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、右画像フレームおよび左画像フレームは、フレーム・シーケンス法でレンダリングすることができる。
いくつかの実施形態では、方法は、本明細書に記載された表示システムを提供することを含んでいる。いくつかの可能な実施形態では、本明細書に記載された機構は、これに限らないが、ハンドヘルド・デバイス、ゲーム機、テレビ、ラップトップ・コンピュータ、ネットブック・コンピュータ、セルラー無線電話機、電子ブック・リーダ、POS端末、
デスクトップ・コンピュータ、コンピュータ・ワークステーション、コンピュータ・キヨスク、携帯情報端末(PDA)、および様々な他の種類の端末および表示ユニットを含む、表示システムの一部を形成する。
【0018】
本明細書に記載された好ましい実施形態、一般的原理および特性の様々な変更形態は、当業者には簡単に分かるだろう。したがって、開示は示した実施形態に限ることを意図したものではなく、本明細書に記載した原理および特性と一致する最も幅広い範囲に合致するべきものである。
【0019】
2.構造概略
図1Aは、本発明の一実施形態による、例示的な表示システム100を示している。表示システム100は、光源102、および複数の画素、例えば、104−1、104−2、104−3などを備えている。複数の画素を、幾何的形状で2次元アレイに配置することができる。画素が形成することができる幾何的形状の例としては、これに限らないが、矩形、三角形、楕円形、多角形などが挙げられる。
【0020】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する画素(例えば、104−1)は、3つ以上のサブ・ピクセル(例えば、106−1、106−2および106−3)を含むことができる。画素(104−1)内のサブ・ピクセル(106−1、106−2および106−3)を、単一の点または単一のブロットとして、または直線または非直線パターンで配置することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、光源102は、複数の画素を照射する光線(例えば、108)を発する。光線108は、可視光(例えば、青色光)であってよく、または不可視光(例えば、紫外線)であってよい。光線108はまた、これに限らないが、複数の画素が配置される画像レンダリング表面(例えば、112)上に比較的小さな有効照射領域を維持するコヒーレント光であってもよい。本明細書で使用する場合、有効照射領域は、(例えば、光線108からの)光の強度が特定の閾値の強度より上であり、有効照射領域の外側に漏れる光の強度が閾値より下である領域のことを言う場合がある。
【0022】
本明細書に記載された画素(例えば、104−1)は、光変換材料の一部を含むことができる。本明細書に記載された光変換材料の例は、これに限らないが、量子ドット、量子井戸、または照射によるエネルギーを受け、エネルギーを光に変換する別の材料であってもよい。例示する目的でのみ、量子ドットを光変換材料の例として使用する。簡潔にするために、光源102からの光は第1の光と示され、第1の光の照射の際に光変換材料によって生成された光は、第2の光と示されている。画素(104−1)が光源102から第1の光によって照射された場合、画素(104−1)内の量子ドットは励起され、その後、第2の光を作り出す。画素(104−1)内の量子ドットによって発光される第2の光は、画素(104−1)に入射する第1の光の強度に比例してよい。
【0023】
各サブ・ピクセル(106−1、106−2および106−3)は、3つ以上の原色のうちの特定の色を加えるように構成することができる。例えば、サブ・ピクセル106−1は、第1の光によって励起された場合に赤色の第2の光を発光させる第1のタイプの量子ドット(赤色量子ドット)を含むことができ、サブ・ピクセル106−2は、第1の光によって励起された場合に緑色の第2の光を発光させる第2のタイプの量子ドット(緑色量子ドット)を含むことができ、サブ・ピクセル106−3は、第1の光によって励起された場合に青色の第2の光を発光させる第3のタイプの量子ドット(青色量子ドット)を含むことができる。いくつかの可能な実施形態では、より多くのタイプのサブ・ピクセルは、3つの原色以外で構成することができる。例えば、最高彩度の(saturated)紫色を発するように構成されたサブ・ピクセルは加えて、本明細書に記載された画素の
一部であってよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、光源102からの第1の光はその後、複数の画素をスキャンする。複数の画素のスキャンは、画像をレンダリングする際にパターンで行うことができる。パターンは、直線的、または非直線的であってよい。特定の実施形態では、2つの掃引方向(例えば、110−1および110−2)の1つ(例えば、110−1)に沿って直線パターンを最初にスキャンすることによって、次いで2つの掃引方向(110−1および110−2)のもう一方(例えば、110−2)に沿って次の直線パターンをスキャンするように移動することによって、スキャンを行うことができる。
【0025】
1つの画素を照射する第1の光の強度は、別の画素を照射する第1の光の強度とは異なってよい。本明細書に記載した技術に基づいて、光源102からの第1の光の強度は、表示システム(100)によって受信された画像データに基づく表示システム(100)内の最も小さな個別の表示ユニットに基づいて決められる。本明細書に記載された最も小さな個別の表示ユニットは、画素、または画素内のサブ・ピクセルであってもよい。
【0026】
例えば、画素が最も小さな個別の表示ユニットである実施形態では、画像データは、第1の画素が第1の輝度レベルを表すためのものであり、第2の画素が第2の異なる輝度レベルを表すためのものであることを示すことができる。したがって、光線108が第1の画素を照射している場合、第1の光の強度は、第1の輝度レベルに釣り合った第1の値に設定することができ、もう一方では、光線108が第2の異なる画素を照射している場合、第1の光の強度は、第2の輝度レベルに釣り合った第1の値に設定することができる。
【0027】
同様に、サブ・ピクセルが最も小さな個別の表示ユニットである実施形態では、画像データは、画素(104−1)内の第1のサブ・ピクセル(106−1)が第1の色値(赤色用では100)を表すためのものであり、画素(また、104−1であってもよい)内の第2のサブ・ピクセル(106−2)が第2の色値(赤色であってもよく、または赤色でなくてもよい、例えば、緑用では50)を表すためのものであることを示すことができる。したがって、光線108が第1のサブ・ピクセル(106−1)を照射している場合、第1の光の強度は、第1の色値(赤色用では100)に釣り合った第1の値に設定することができ、もう一方では、光線108が第2のサブ・ピクセル(106−2)を照射している場合、第1の光の強度は、第2の色値に釣り合った第2の値に設定することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、光源102は、モータ、鏡、レンズ、光学マスク、コリメータ、または画像レンダリング表面(112)で、またはその近くで第1の光を光変換材料に運ぶように協働するその他の電子、光学または機械要素の1つまたは複数を備えた電子光学機械システムを備えることができる。
【0029】
表示システム100は、色表示システムであってもよい。これは、それぞれ特定の色の光を発光する(例えば、色量子ドットを備えた)光変換ユニットのパターンを使用すること、特定の波長範囲の第1の光の照射に応じて特定の色を発する各色/タイプの量子ドットを備えた画素に対して異なる色/タイプの量子ドットの混合物を使用すること、染料ベースのみの、量子ドットベースのみの、一部染料・一部量子ドットベースのカラー・フィルタで白色光を発光する量子ドットの混合物を使用することなどを含む、様々な方法で達成することができる。
【0030】
3.画像レンダリング表面
図1Bは、本発明のいくつかの可能な実施形態による、複数の画素(例えば、104)を備えた例示的な画像レンダリング表面(例えば、112)の上面図を示している。本明
細書に記載された複数の画素は、光変換材料を含むことができ、図示するように矩形などの幾何形状パターンで配置することができる。楕円形、三角形、四角形など、またはその組合せなどの別の幾何形状パターンを使用して、本明細書に記載された画像レンダリング表面上に画素を配置することもできる。
【0031】
図2Aは、本発明のいくつかの可能な実施形態による、複数の画素(例えば、104−1および104−2を含む)を備えた例示的な画像レンダリング表面(例えば、112)の側面図を示している。本明細書で使用する場合、画像レンダリング表面は、光変換材料によってレンダリングされる画像をビューワによって認識することができる物理的または仮想表面のことを言うことがあり、画像レンダリング表面は平坦面、屈曲面、湾曲面などであってよい。「仮想」という用語はここで、用語が「対称物体に対する仮想対称軸」の表現で使用される方法と同様の意味で使用され、仮想対称軸は対称物体上で物理的に描かれていてもよく、または描かれていなくてもよいが、それにもかかわらず、仮想軸をビューワによって認識することができる。いくつかの実施形態では、画像レンダリング表面(112)は、光学層(例えば、214)の上面である。光学層(214)は、これに限らないが、光変換材料をホスティングする光学材料の層であってもよい。本明細書に記載した光学層の例としては、これだけに限らないが、フィルム、シート、基板層などが挙げられる。光学層(214)の厚さは、ナノメートル、数十ナノメートルなどからミリメートル、センチメートル、またはそれ以上の範囲にわたる可能性がある。光学層(214)の1つまたは複数の表面は、表示用途によって、積層されていてもよく、または積層されていなくてもよい。本明細書に記載された画素(例えば、104−1)は、量子ドットなどの光変換材料の一部(例えば、216−1)を含むことができる。
【0032】
図2Bは、本発明のいくつかの可能な実施形態による、複数の画素(例えば、104−1および104−2を含む)を含む別の例示的な画像レンダリング表面(例えば、112)の側面図を示している。いくつかの実施形態では、複数の個別の非連続3次元形状(そのうちの1つは例えば、220−1)を、支持層(218)上でアレイに配置することができる。量子ドットなどの光変換材料を、各3次元形状で配置することができる。
図2Bの画素(例えば、104−1)は、このような3次元形状(例えば、220−1)の上面のことを言うことがある。これらの実施形態では、画像レンダリング表面(112)は、3次元形状の上面を延長させることによって形成することができる。本明細書で使用する場合、本明細書に記載の支持層(例えば、218)は、これに限らないが、光変換材料を備えた形状を配置することができるいかなる裏当て層であってもよい。本明細書に記載の支持層の例としては、これだけに限らないが、紙、キャンバス、布地、プラスチック、金属シート、または他の材料で作られた剛性または可撓性裏当て材料が挙げられる。支持層(218)の厚さ、重量、剛性、弾性などの物理的性状は、表示用途によって変えることができる。加えて、および/または任意選択で、画素(214)は、表示用途によって、積層されていてもよく、または積層されていなくてもよい。加えて、および/または任意選択で、画素(214)は、表示用途によって、充填材料(例えば、透明樹脂、ガラスなど)に浸漬されていてもよく、または浸漬されていなくてもよい。
【0033】
図2Cは、本発明のいくつかの可能な実施形態による、複数の画素(例えば、104−1および104−2を含む)が、2つの支持層(または基板、218および222)の間にはさまれている例示的な構成の側面図を示している。いくつかの実施形態では、量子ドットなどの光変換材料を、支持層(218と222)の間でアレイに配置することができる。
図2Cにおいて画像レンダリング表面(例えば、112)は、上部支持層(例えば、222)の底面のことを言うことがある。2つの支持層は、同じ材料で作られていてもよく、または異なる材料で作られていてもよい。本明細書に記載した支持層の厚さ、重量、剛性、弾性などの物理的性状は、表示用途によって変えることができる。加えて、および/または任意選択で、画素(214)は、表示用途によって、充填材料(例えば、透明樹
脂、ガラスなど)に浸漬されていてもよく、または浸漬されていなくてもよい。
【0034】
4.カラー・フィルタ
いくつかの実施形態では、量子ドットなどの光変換材料からの第2の光は、カラー・フィルタなしで色画像を直接レンダリングする。例えば、異なる色量子ドットを含んだユニット構造を、異なる原色を表現するための画素またはサブ・ピクセルとして使用することができる。これらの実施形態では、異なる色/タイプの量子ドットを、混合または重複されない異なるサブ・ピクセル内にホスティングすることができる。画素またはサブ・ピクセルからの第2の光によって表現される色画素値は、第1の光が画素またはサブ・ピクセルをそれぞれ照射する場合に、第1の光の強度を変調させることによって設定することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、カラー・フィルタを使用して、色を加えることができる。
図3Aは、本発明のいくつかの可能な実施形態による、複数の画素(例えば、104−1および104−2を含む)が複数のカラー・フィルタ(例えば、302−1および302−2を含む)によって覆われている例示的な構成の側面図を示している。いくつかの実施形態では、カラー・フィルタを、画素またはサブ・ピクセルの上に印刷する、または別の場合には堆積させることができる。カラー・フィルタは、特定のパターンで画素またはサブ・ピクセルと位置合わせすることができる。いくつかの実施形態では、カラー・フィルタは、
図3Aに示すように、光学層(例えば、302)の一部であってもよい。光学層(302)は、基板層、フィルム、シートなどであってもよい。カラー・フィルタは、量子ドットのみ、着色染料のみ、または一部量子ドット・一部着色染料を含むことができる。この構成の画素またはサブ・ピクセルは、白色光を発光する量子ドットの混合物を含むことができる。白色光は、Rec.709によるD65、P3によるD50、または標準ベースまたは非標準ベースの白色点となるように構成することができる。
【0036】
図3Bは、本発明のいくつかの可能な実施形態による、複数の画素(例えば、104−1および104−2を含む)が基板(例えば、222)内の複数のカラー・フィルタ(例えば、302−1および302−2を含む)によって覆われている別の例示的な構成の側面図を示している。
図3Aおよび
図3Bに示すように、画像レンダリング表面(112)は、これらの例示的な構成において、カラー・フィルタの表面を延長させることによって形成された表面のことを言うことがある。
【0037】
例示的な目的で、画素は、
図2A〜
図2C、
図3Aおよび
図3Bに示された例示的な構成で使用されてきた。本発明の目的で、サブ・ピクセルを、画素の代わりに例示的な構成で使用することもできることに留意されたい。
【0038】
5.別個に変調された光線
図1Cは、本発明の一実施形態による、3つ以上のタイプ/色の光変換材料(例えば、量子ドット)の異なる1つをそれぞれが別々に励起する3つ以上の異なる波長範囲において光源(例えば、102)が光を発する例示的な表示システム(例えば、100)を示している。本明細書で使用する場合、「波長範囲」という用語は、コヒーレント・レーザ光の場合と同様に、波長の比較的狭い分布のことを言うことがある。3つ以上のタイプ/色の量子ドットを、複数の画素、例えば、104−4、104−5、104−6などに配置することができる。複数の画素を、幾何形状内に2次元アレイで配置することができる。画素が形成することができる幾何形状の例としては、これだけに限らないが、矩形、三角形、楕円形、多角形などが挙げられる。
【0039】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載した画素は、3つ以上のタイプ/色の量子ドットそれぞれの部分を含むことができる。異なるタイプ/色の量子ドットを、非混合パタ
ーンで配置することができる、または
図1Cに示すように混合物として配置することができる。異なるタイプの量子ドットが混合される図示した実施形態では、表示システム(100)が可能である空間分解能は、そうでない場合の2倍、3倍、またはそれ以上である可能性がある。
【0040】
いくつかの実施形態では、光源102は、複数の画素を照射する3以上の個別の光線(例えば、108−1、108−2および108−3)内の3つ以上の異なる波長範囲の光を発する。光線(108−1、108−2および108−3)のいずれも、独立して可視光(例えば、青色光)であってもよく、または不可視光(例えば、紫外線)であってもよい。光線(108−1、108−2および108−3)のいずれかは、これだけに限らないが、複数の画素が配置される画像レンダリング表面(例えば、112)上に比較的小さな有効照射領域を維持するコヒーレント光であってもよい。
【0041】
本明細書に記載された光変換材料の例は、これに限らないが、量子ドット、量子井戸、または照射によるエネルギーを受け、エネルギーを光に変換する別の材料であってもよい。例示する目的でのみ、量子ドットを光変換材料の例として使用する。
【0042】
混合量子ドットを含んだ画素(例えば、104−4)が光線108−1からの第1の光によって照射された場合、画素(104−4)内の第1の色/タイプの量子ドットが励起され、その後、第1の色の第2の光を作り出す。画素(104−4)によって発光された第1の色の第2の光は、画素(104−4)に入射する光線108−1の強度に比例してよい。同様に、画素(例えば、104−4)が光線108−2からの第1の光によって照射された場合、画素(104−4)内の第2の色/タイプの量子ドットが励起され、その後、第2の色の第2の光を作り出す。画素(104−4)によって発光された第2の色の第2の光は、画素(104−4)に入射する光線108−2の強度に比例してよい。画素(例えば、104−4)が光線108−3からの第1の光によって照射された場合、画素(104−4)内の第3の色/タイプの量子ドットが励起され、その後、第3の色の第2の光を作り出す。画素(104−4)によって発光された第3の色の第2の光は、画素(104−4)に入射する光線108−3の強度に比例してよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、各光線(108−1、108−2および108−3)はその後、複数の画素をスキャンする。複数の画素のスキャンは、画像をレンダリングする際にパターンで行うことができる。パターンは、直線的、または非直線的であってよい。特定の実施形態では、最初に2つの掃引方向(例えば、110−1および110−2)の1つ(例えば、110−1)に沿って直線パターンをスキャンし、次いで2つの掃引方向(110−1および110−2)のもう一方(例えば、110−2)に沿って次の直線パターンをスキャンするように移動することによって、スキャンを行うことができる。異なる光線は、同期(同じ開始時間、同じ掃引速度)方法で、遅延同期(例えば、異なる開始時間だが、同じ掃引速度)方法で、または非同期(おそらく異なる開始時間および異なる掃引速度で、独立した無相関タイミング)方法でスキャンを行うことができる。
【0044】
1つの画素(例えば、104−4)を照射する光線(例えば、108−1)の強度は、別の画素(例えば、104−5)を照射する光線(この例では、108−1)の強度とは異なってよい。
【0045】
例えば、光線108−1が画素(104−4)を照射している場合、光線108−1の強度は、レンダリングされる画像の画像データに基づいて決められるように、画素(104−4)内の第1の色に対する画素値に釣り合った値に設定することができ、もう一方では、光線108−1が画素(104−5)を照射している場合、光線108−1の強度は、画像データに基づいて決められるように、画素(104−5)内の第1の色に対する異
なる画素値に釣り合った異なる値に設定することができる。
【0046】
6.3D表示
図1Dは、本発明の一実施形態による、例示的な表示システム(例えば、100)を示している。いくつかの実施形態では、画像レンダリング表面(112)での複数の画素(例えば、104−7、104−8、および104−9)内の各画素は、2セットの光変換材料を含んでいる。第1のセットの光変換材料は、3つ以上の異なる第1の色(例えば、R1、G1、B1など)で第2の光を発する3つ以上のタイプ/色の第1の光変換材料(例えば、量子ドット)を含んでいる。第2のセットの光変換材料は、3つ以上の異なる第2の色(例えば、R2、G2、B2など)で第2の光を発する3つ以上のタイプ/色の第2の光変換材料(例えば、量子ドット)を含んでいる。
【0047】
複数の画素(例えば、104−7、104−8、および104−9)を、幾何的形状で2次元アレイに配置することができる。画素が形成することができる幾何的形状の例としては、これだけに限らないが、矩形、三角形、楕円形、多角形などが挙げられる。
【0048】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する画素(例えば、104−7)は、2セットの3つ以上のサブ・ピクセルを含むことができる。第1のセットのサブ・ピクセルは、サブ・ピクセル106−4、106−5および106−6を含むことができる。第2のセットのサブ・ピクセルは、サブ・ピクセル106−7、106−8および106−9を含むことができる。第1のセットのサブ・ピクセルは、第1のセットの光変換材料に対応し、第2のセットのサブ・ピクセルは、第2のセットの光変換材料に対応する。画素(例えば、104−7)内のサブ・ピクセル(例えば、106−4、106−5、106−6、106−7、106−8、および106−9)を、単一の点または単一のブロットとして、または直線または非直線パターンで配置することができる。
【0049】
第1のセットのサブ・ピクセル(106−4、106−5および106−6)はそれぞれ、3つ以上の異なる第1の色のうちの特定の色を加えるように構成することができる。例えば、サブ・ピクセル106−4は、光線108からの第1の光によって励起された場合にタイプI赤色光(R1)を発光し、サブ・ピクセル106−5は、第1の光によって励起された場合にタイプI緑色光(G1)を発光し、サブ・ピクセル106−6は、第1の光によって励起された場合にタイプI青色光(B1)を発光することができる。さらに、サブ・ピクセル106−7は、光線108からの第1の光によって励起された場合にタイプII赤色光(R2)を発光し、サブ・ピクセル106−8は、第1の光によって励起された場合にタイプII緑色光(G2)を発光し、サブ・ピクセル106−9は、第1の光によって励起された場合にタイプII青色光(B2)を発光することができる。いくつかの可能な実施形態では、より多くのタイプのサブ・ピクセルは、3つの原色以外で構成することができる。例えば、最高彩度の紫色を発するように構成されたサブ・ピクセルは加えて、本明細書に記載された画素の一部であってよい。
【0050】
サブ・ピクセルが最も小さな個別の表示ユニットである実施形態では、画像データは、画素(104−1)内の第1のサブ・ピクセル(106−4)が第1の色値(R1用では100)を表すためのものであり、画素(また、104−1であってもよい)内の第2のサブ・ピクセル(106−5)が第2の色値(赤色であってもよく、または赤色でなくてもよい、例えば、G1用では50)を表すためのものであることを示すことができる。したがって、光線108が第1のサブ・ピクセル(106−4)を照射している場合、第1の光の強度は、第1の色値(R1用では100)に釣り合った第1の値に設定することができ、もう一方では、光線108が第2のサブ・ピクセル(106−5)を照射している場合、第1の光の強度は、第2の色値(G1用では50)に釣り合った第2の値に設定することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、光源102からの第1の光は、その後、複数の画素をスキャンする。複数の画素のスキャンは、画像をレンダリングする際にパターンで行うことができる。パターンは、直線的、または非直線的であってよい。特定の実施形態では、最初に2つの掃引方向(例えば、110−1および110−2)の1つ(例えば、110−1)に沿って直線パターンをスキャンし、次いで2つの掃引方向(110−1および110−2)のもう一方(例えば、110−2)に沿って次の直線パターンをスキャンするように移動することによって、スキャンを行うことができる。いくつかの実施形態では、複数の画素内の全ての画素内の第1のセットのサブ・ピクセル全てを、フィールド順次またはフレーム順次方法で、複数の画素内の全ての画素内の第2のセットのサブ・ピクセル全ての前に、第1の光によってスキャンすることができる。いくつかの実施形態では、複数の画素内の全ての画素内の第1のセットのサブ・ピクセル全てからの第2の光は、第1の画像を直接レンダリングすることができ、複数の画素内の全ての画素内の第2のセットのサブ・ピクセル全てからの第2の光は、第2の画像を直接レンダリングすることができる。3D表示用途では、第1または第2の画像の一方は左側画像であり、もう一方は右側画像であってよい。左側および右側画像はともに、3D画像を形成する。本明細書で使用する場合、「直接レンダリングする」というのは、第1の光によって励起されたときに、光バルブ層(例えば、LCD層)を通した画素毎光変調なしで第2の光が2Dまたは3D表示用途の画像を直接レンダリングすることを意味する。本明細書に記載する技術に基づき、画像をレンダリングする光変調は、光変換材料上に照射する第1の光で行われる。本明細書に記載する技術に基づく表示システムは、光バルブ層がなくてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、第1のセットのサブ・ピクセルによって加えられる3つ以上の第1の色(R1、G1およびB1)は独立して、色空間内の色の完全な相補を支持することができ、第2のセットのサブ・ピクセルによって加えられる3つ以上の第2の色(R2、G2およびB2)は独立して、色空間内の色の完全な相補を支持することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、3つ以上の第1の色(R1、G1およびB1)の光の光波長は、3つ以上の第2の色(R2、G2およびB2)の光の光波長に、まったく、またはほとんど重複していない。
【0054】
いくつかの可能な実施形態では、ビューワは、左視点が2セットのうちの第1のセットの3つ以上の色に対して透過可能であるが、もう一方、すなわち2セットのうちの第2のセットの3つ以上の色に対して不透明であるよう構成され、右視点が2セットのうちの第2のセットの3つ以上の色に対して透過可能であるが、もう一方、すなわち2セットのうちの第1のセットの3つ以上の色に対して不透明であるよう構成された、1対のグラスを着用することができる。本明細書に記載した技術に基づき、ビューワのグラスと表示システムなどの画像レンダリング・システムの間の同期は、3D表示用途では不要である。
【0055】
図1Eは、本発明の一実施形態による、別の例示的な表示システム(例えば、100)を示している。いくつかの実施形態では、画像レンダリング表面(112)での複数の画素(例えば、104−10、104−11、および104−12)内の各画素は、2セットの光変換材料を含んでいる。第1のセットの光変換材料は、3つ以上の異なる第1の色(例えば、RGB1など)で第2の光を発する3つ以上のタイプ/色の第1の光変換材料(例えば、量子ドット)を含んでいる。第2のセットの光変換材料は、3つ以上の異なる第2の色(例えば、RGB2など)で第2の光を発する3つ以上のタイプ/色の第2の光変換材料(例えば、量子ドット)を含んでいる。
【0056】
複数の画素(例えば、104−10、104−11、および104−12)を、幾何的形状で2次元アレイに配置することができる。画素が形成することができる幾何的形状の
例としては、これだけに限らないが、矩形、三角形、楕円形、多角形などが挙げられる。
【0057】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する画素(例えば、104−10)は、少なくとも2つのサブ・ピクセルを含むことができる。第1のサブ・ピクセル(この例では、106−10)は、第1のセットの光変換材料を含むことができ、第2のサブ・ピクセルは、第2のセットの光変換材料を含むことができる。画素(例えば、104−10)内のサブ・ピクセル(例えば、106−10、および106−11)を、単一の点または単一のブロットとして、または直線または非直線パターンで配置することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、光源102は、複数の画素を照射する3つ以上の個別の光線(例えば、108−1、108−2および108−3)内の3つ以上の異なる波長範囲の光を発する。光線(108−1、108−2および108−3)のいずれも、独立して可視光(例えば、青色光)であってもよく、または不可視光(例えば、紫外線)であってもよい。光線(108−1、108−2および108−3)のいずれかは、これだけに限らないが、複数の画素が配置される画像レンダリング表面(例えば、112)上に比較的小さな有効照射領域を維持するコヒーレント光であってもよい。
【0059】
画素(この例では、104−10)内の混合量子ドットを含んだ第1のサブ・ピクセル(例えば、106−10)が光線108−1からの第1の光によって照射された場合、第1のサブ・ピクセル(106−10)内の第1の色/タイプの量子ドットが励起され、その後、3つ以上の第1の色(RGB1)の第1の色の第2の光を作り出す。第1のサブ・ピクセル(106−10)によって発光された第1の色の第2の光は、第1のサブ・ピクセル(106−10)に入射する光線108−1の強度に比例してよい。同様に、第1のサブ・ピクセル(106−10)が光線108−2からの第1の光によって照射された場合、第1のサブ・ピクセル(106−10)内の第2の色/タイプの量子ドットが励起され、その後、3つ以上の第1の色(RGB1)の第2の色の第2の光を作り出す。第1のサブ・ピクセル(106−10)によって発光された3つ以上の第1の色(RGB1)の第2の色の第2の光は、第1のサブ・ピクセル(106−10)に入射する光線108−2の強度に比例してよい。3つ以上の第1の色(RGB1)の第3の色などに対しても同様である。
【0060】
同様の方法で、画素(この例では、104−10)内の混合量子ドットを含んだ第2のサブ・ピクセル(例えば、106−11)が光線108−1からの第1の光によって照射された場合、第2のサブ・ピクセル(106−11)内の第1の異なる色/タイプの量子ドットが励起され、その後、3つ以上の第2の色(RGB2)の第1の異なる色の第2の光を作り出す。第2のサブ・ピクセル(106−11)によって発光された第1の色の第2の光は、第2のサブ・ピクセル(106−11)に入射する光線108−1の強度に比例してよい。同様に、第2のサブ・ピクセル(106−11)が光線108−2からの第1の光によって照射された場合、第2のサブ・ピクセル(106−11)内の第2の異なる色/タイプの量子ドットが励起され、その後、3つ以上の第2の色(RGB2)の第2の異なる色の第2の光を作り出す。第2のサブ・ピクセル(106−11)によって発光された3つ以上の第2の色(RGB2)の第2の異なる色の第2の光は、第2のサブ・ピクセル(106−11)に入射する光線108−2の強度に比例してよい。3つ以上の第2の色(RGB2)の第3の異なる色などに対しても同様である。
【0061】
いくつかの実施形態では、各光線(108−1、108−2および108−3)は、その後、複数の画素内のサブ・ピクセルをスキャンする。複数の画素のスキャンは、画像をレンダリングする際にパターンで行うことができる。パターンは、直線的、または非直線的であってよい。特定の実施形態では、最初に2つの掃引方向(例えば、110−1および110−2)の1つ(例えば、110−1)に沿って直線パターンをスキャンし、次い
で2つの掃引方向(110−1および110−2)のもう一方(例えば、110−2)に沿って次の直線パターンをスキャンするように移動することによって、スキャンを行うことができる。異なる光線は、同期(同じ開始時間、同じ掃引速度)方法で、遅延同期(例えば、異なる開始時間だが、同じ掃引速度)方法で、または非同期(おそらく異なる開始時間および異なる掃引速度で、独立した無相関タイミング)方法でスキャンを行うことができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、複数の画素内の全ての画素内の第1のサブ・ピクセル全てを、フィールド順次またはフレーム順次方法で、複数の画素内の全ての画素内の第2のサブ・ピクセル全ての前に、第1の光によってスキャンすることができる。いくつかの実施形態では、複数の画素内の全ての画素内の第1のサブ・ピクセル全てからの第2の光は、第1の画像を直接レンダリングすることができ、複数の画素内の全ての画素内の第2のサブ・ピクセル全てからの第2の光は、第2の画像を直接レンダリングすることができる。3D表示用途では、第1または第2の画像の一方は左側画像であり、もう一方は右側画像であってよい。左側および右側画像はともに、3D画像を形成する。本明細書で使用する場合、「直接レンダリングする」というのは、第2の光が光バルブ層(例えば、LCD層)を通した画素毎光変調なしで第1の光によって励起されたときに、2Dまたは3D表示用途の画像を直接レンダリングすることを意味する。本明細書に記載する技術に基づき、画像をレンダリングする光変調は、光変換材料上に照射する第1の光で行われる。本明細書に記載する技術に基づく表示システムは、光バルブ層がなくてもよい。
【0063】
画素(この例では、104−10)内の1つの第1のサブ・ピクセル(例えば、106−10)を照射する光線(例えば、108−1)の強度は、別の画素内の別のサブ・ピクセルを照射する光線(この例では、108−1)の強度と異なっていてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1のサブ・ピクセルによって加えられる3つ以上の第1の色(RGB1)は独立して、色空間内の色の完全な相補を支持することができ、第2のサブ・ピクセルによって加えられる3つ以上の第2の色(RGB2)は独立して、色空間内の色の完全な相補を支持することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、3つ以上の第1の色(RGB1)の光の光波長は、3つ以上の第2の色(RGB2)の光の光波長に、まったく、またはほとんど重複していない。
いくつかの可能な実施形態では、ビューワは、左投射が2セットのうちの第1のセットの3つ以上の色に対して透過可能であるが、もう一方、すなわち2セットのうちの第2のセットの3つ以上の色に対して不透明であり、右投射が2セットのうちの第2のセットの3つ以上の色に対して透過可能であるが、もう一方、すなわち2セットのうちの第1のセットの3つ以上の色に対して不透明である、1対のグラスを着用することができる。本明細書に記載した技術に基づき、ビューワのグラスと表示システムなどの画像レンダリング・システムの間の同期は、3D表示用途では不要である。
【0066】
例示する目的で、光源は第1の光の1つまたは3つの光線を含むことができると記載した。実施形態は、第1の光の異なる数の光線を発する光源を含んでいる。例えば、同じまたは異なる波長範囲の第1の光の2つ、4つ、5つ、6つなどの光線を使用して、光変換材料を励起させて、受信されたまたは記憶された画像データ内で特定される画像を直接レンダリングする第2の光を生成することができる。
【0067】
例示する目的で、光源を使用して、光変換層で作られた画像レンダリング表面を通して掃引すると記載した。実施形態は、そのいくつかを使用して画像レンダリング表面の一部を通して掃引することができ、その他のいくつかを使用して、画像レンダリング表面の異なる部分を通して掃引することができる多数の光源を含んでいる。加えて、鏡、光学マス
ク、レンズ、スプリッタなどの固定および可動光学構成部品を使用して、ビームを分割または組み合わせ、画像レンダリング表面の異なる位置を通して光線を移動させることができる。本明細書に記載した技術に基づいて、第1の光の光線は画像レンダリング表面上の異なる画素またはサブ・ピクセルを通して移動し、第1の光の光線の強度は、レンダリングされている画像を含む受信または記憶された画像データに基づいて変調される。また、本明細書に記載した第1の光の光線は連続的または断続的であってもよい。例えば、画像レンダリング表面を照明する途中に、第1の光の光線は、第1の光の光線が画像データに対応する特定の強度で特定の画素またはサブ・ピクセルを照らすことができる穿孔を備えた光学マスクにわたって移動することができる。
【0068】
7.光源制御ロジック
図4は、本発明のいくつかの可能な実施形態による、表示システム(例えば、100)内の表示ロジック(402)の例示的な構成を示している。いくつかの可能な実施形態では、表示ロジック402は、加えて、および/または任意選択で、表示システム100内の光源(例えば、102)内の(1つまたは複数の)構成部品を制御するように構成された光源制御ロジック(404)を備えることができる。表示ロジック402は、画像データ源406(例えば、セット・トップ・ボックス、ネットワーク・サーバ、記憶媒体など)と動作可能に結合することができ、画像データ源406から画像データを受信するように構成されている。画像データは、無線放送、またはイーサネット(登録商標)、高解像度マルチメディア・インタフェース(HDMI(登録商標))、無線ネットワーク・インタフェース、デバイス(例えば、セット・トップ・ボックス、サーバ、記憶媒体など)などからを含む、様々な方法で画像データ源406によって提供することができる。内部または外部源から受信される画像フレームを、表示ロジック402によって使用して、表示システム100内の光源(102)を駆動することができる。例えば、表示ロジック402は、光源(102)を制御して、特定の画素またはサブ・ピクセル・ガイド(例えば、
図1Bの110)まで移動し、特定の強度で画素またはサブ・ピクセルを照らすように構成することができる。画像フレームを表示ロジック402によって使用して、本明細書に記載するように、画像レンダリング表面上で様々な解像度で様々なフレーム内で個別のまたは集合画素値を導き出すことができる。
【0069】
8.例示的な工程フロー
図5は、本発明の可能な一実施形態による例示的な工程フローを示している。いくつかの可能な実施形態では、光源制御ロジック(例えば、404)および光源(例えば、102)を備えた表示システム(例えば、100)内の1つまたは複数の計算デバイスまたは構成部品は、この工程フローを行うことができる。本明細書に記載された技術に基づく表示システムは、光透過率が画素毎に変調される光バルブ層がなくてもよい。ブロック510では、表示システム(100)は、1つまたは複数の画像フレーム用の画像データを受信する。
【0070】
ブロック520では、表示システム(100)は、画像データに基づいて、光源を制御して、画像レンダリング表面を照らすように構成された光変換材料を照射するために第1の光を発する。
【0071】
ブロック510では、表示システム(100)は、光変換材料によって、第2の光を発して、画像レンダリング表面上に1つまたは複数の画像フレームの少なくとも一部をレンダリングする。ここで、光変換材料によって発せられる第2の光は、第1の光によって励起される。
【0072】
いくつかの実施形態では、光変換材料は、複数の画素を形成するように2次元アレイに配置された1つまたは複数の光変換材料のうちの1つである。
いくつかの実施形態では、画素は、表示システム(これだけに限らないが、モノクロ表示システム、またはカラー・フィルタを備えたカラー表示システムであってもよい)内の最も基本的な表示ユニット構造であってよい。いくつかの他の実施形態では、画素はさらに、3つ以上の異なる色のうちの1つを加えるようにそれぞれ構成された、3つ以上のサブ・ピクセルを(基本的表示ユニット構造として)備えることができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、光源は第1の光としてコヒーレント・レーザ光線を発するレーザである。いくつかの実施形態では、第1の光は、少なくとも1つの掃引方向に画像レンダリング領域の一部を通して掃引する。いくつかの実施形態では、第1の光の強度は、第1の光が画像レンダリング領域の一部を通して掃引しているときに、画像データの少なくとも一部に基づいて変調される。いくつかの実施形態では、光源は、画像レンダリング表面の前方、後方、および/またはそれに対して上部位置、底部位置または別の位置に配置されている。
【0074】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載した光変換材料は量子ドットを含んでいる。量子ドットは、それぞれのタイプが3つ以上の異なる色のうちの異なる1つを発するように構成された3つ以上の異なるタイプの量子ドットを含むことができる。いくつかの実施形態では、異なるタイプの量子ドットは混合されない。例えば、3つ以上の異なるタイプの量子ドットのうちの各タイプの量子ドットは、3つ以上の異なるタイプの量子ドットのうちの他のタイプの量子ドットが配置される他の領域とは別の領域に配置されている。いくつかの他の実施形態では、異なるタイプの量子ドットのいくつかまたは全てを混合させることができる。例えば、3つ以上の異なるタイプの量子ドットのうちの2つ以上のタイプの量子ドットはが、混合状態で共通の領域内に配置される。
【0075】
いくつかの実施形態では、第1の光は、2つ以上の互いに重なり合わない波長範囲を含んでいる。各互いに重なり合わない波長範囲は、2つ以上の異なる色の1つに対応することができる。いくつかの実施形態では、互いに重なり合わない波長範囲のうちの第1の波長範囲内の第1の光は、互いに重なり合わない波長範囲のうちの第2の異なる波長範囲内の第1の光が第2の異なるタイプの量子ドットを照射するのと同時に、第1のタイプの量子ドットを照射する。いくつかの実施形態では、「互いに重なり合わない」はまた、2つの互いに重なり合わない波長範囲間の最小限だけまたは僅かな重複波長のことを言うことがある。いくつかの実施形態では、波長範囲は連続しており、いくつかの他の実施形態では、波長範囲は個別であってもよく、あるいは非連続を含むこともできる。
【0076】
いくつかの実施形態では、光変換材料は、3つ以上の異なるタイプの量子ドットを含んでいる。3つ以上の異なるタイプの量子ドットを、3つ以上の互いに重なり合わない時間にわたり照射することができる。例えば、第1の光を発する光線は、1つずつ3つの異なる重なり合わない時間にわたり画素内の3つの異なるサブ・ピクセルを掃引することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、光変換材料は2つ以上の別個のセットの量子ドットを含んでいる。それに応じて、第1の光は、2つ以上の別個のセットの波長の光を含むことができる。2つ以上の別個のセットの量子ドットのうち第1の別個のセットの量子ドットは、2つ以上の別個のセットの波長のうち第1の別個のセットの波長の光のみに反応してよい。2つ以上の別個のセットの量子ドットのうち第2の別個のセットの量子ドットは、2つ以上の別個のセットの波長のうち第2の別個のセットの波長の光のみに反応してよい。いくつかの実施形態では、第1の別個のセットの量子ドットは左側画像フレームをレンダリングするように構成することができ、第2の別個のセットの量子ドットは右側画像フレームをレンダリングするように構成することができる。いくつかの実施形態では、左側画像フレームおよび右側画像フレームは、3次元(3D)画像を形成する。いくつかの実施形態
では、左側画像フレームおよび右側画像フレームを、時間フレーム・シーケンスで次々とレンダリングすることができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1のセットの量子ドットの発光する第2の光は、立体画像の左側画像ブロックをレンダリングし、第2の別個のセットの量子ドットの発光する第2の光は、立体画像の右側画像ブロックをレンダリングする。いくつかの実施形態では、左側画像ブロックまたは右側画像ブロックの少なくとも1つは、H.264マクロブロックまたはH.264サブ・マクロブロックの1つである。
【0079】
9.実施機構・ハードウェア概略
一実施形態によると、本明細書に記載した技術は、1つ以上の専用計算デバイスによって実施される。専用計算デバイスは、本明細書に記載の技術を行うように有線接続されていてもよく、または本明細書に記載技術を行うように非一時的にプログラミングされた1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのデジタル電子デバイスを備えることができる、またはファームウェア、メモリ、他の記憶装置、または組合せにおけるプログラム命令によって本明細書に記載の技術を行うようにプログラミングされた1つまたは複数の汎用ハードウェア・プロセッサを備えることができる。このような専用計算デバイスはまた、本明細書に記載の技術を達成するためにカスタム・プログラミングされたカスタム有線論理(ハードワイヤード・ロジック)、ASIC、またはFPGAを組み合わせることができる。専用計算デバイスは、デスクトップ・コンピュータ・システム、ポータブル・コンピュータ・システム、ハンドヘルド・デバイス、ネットワーク・デバイス、または本明細書に記載の技術を実施するために有線および/またはプログラム・ロジックを組み込んだあらゆる他のデバイスであってもよい。
【0080】
例えば、
図6は、本発明の一実施形態を実施することができる、コンピュータ・システム600を示すブロック図である。コンピュータ・システム600は、情報を通信するためのバス602または他の通信機構と、情報を処理するためにバス602に結合されたハードウェア・プロセッサ604とを備えている。ハードウェア・プロセッサ604は例えば、汎用マイクロプロセッサであってもよい。
【0081】
コンピュータ・システム600はまた、情報およびプロセッサ604によって実行される命令を記憶するためにバス602に結合された、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスなどのメイン・メモリ606を備える。メイン・メモリ606はまた、プロセッサ604によって実行される命令の実行中に、一時変数または他の中間情報を記憶するために使用することができる。このような命令は、プロセッサ604にアクセス可能な非一過性記憶媒体に記憶された場合に、コンピュータ・システム600を、命令で特定された操作を行うようにカスタマイズされた専用機械にする。
【0082】
コンピュータ・システム600はさらに、プロセッサ604用の静的情報および命令を記憶するために、バス602に結合された読出専用メモリ(ROM)608、または他の静的記憶デバイスを備えている。磁気ディスクまたは光学ディスクなどの記憶デバイス610は、情報および命令を記憶するために、バス602に設けられ、これに結合されている。
【0083】
コンピュータ・システム600は、情報をコンピュータ・ユーザに表示するために、液晶ディスプレイなどのディスプレイ612にバス602を介して結合させることができる。英数字および他のキーを含む入力デバイス614は、プロセッサ604に情報およびコマンド選択を通信するために、バス602に結合されている。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ604に方向情報およびコマンド選択を通信し、ディスプレイ61
2上でカーソル移動を制御するための、マウス、トラックボール、またはカーソル方向キーなどのカーソル制御部616である。この入力デバイスは典型的には、デバイスが平面において位置を特定することを可能にする、2つの軸、第1の軸(例えば、x)、および第2の軸(例えば、y)内に2つの自由度を有する。
【0084】
コンピュータ・システム600は、コンピュータ・システムと組み合わせて、コンピュータ・システム600を専用機械にするまたはプログラミングする、カスタマイズ有線ロジック、1つまたは複数のASICまたはFPGA、ファームウェア、および/またはプログラム・ロジックを使用して、本明細書に記載した技術を実施することができる。一実施形態によると、本明細書に記載した技術は、メイン・メモリ606内に含まれる1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを実行するプロセッサ604に応じて、コンピュータ・システム600によって行われる。このような命令は、記憶デバイス610などの別の記憶媒体からメイン・メモリ606内に読み込むことができる。メイン・メモリ606内に含まれたシーケンスの命令を実行することにより、プロセッサ604が、本明細書に記載した工程ステップを行う。代替実施形態では、有線回路を、ソフトウェア命令の代わりに、またはこれと組み合わせて使用することができる。
【0085】
本明細書で使用する「記憶媒体」という用語は、機械を特定の方法で動作させるデータおよび/または命令を記憶するあらゆる非一過性媒体のことを言う。このような記憶媒体は、不揮発性媒体および/または揮発性媒体を含むことができる。不揮発性媒体としては例えば、記憶デバイス610などの光学または磁気ディスクが挙げられる。揮発性媒体としては、メイン・メモリ606などの動的メモリが挙げられる。普通の形態の記憶媒体としては例えば、フロッピー(登録商標)・ディスク、フレキシブル・ディスク、ハード・ディスク、半導体ドライブ、磁気テープ、またはあらゆる他の磁気データ記憶媒体、CD−ROM、あらゆる他の光学データ記憶媒体、穴のパターンを備えたあらゆる物理的媒体、RAM、PROM、およびEPROM、FLASH−EPROM、NVRAM、あらゆる他のメモリ・チップまたはカートリッジが挙げられる。
【0086】
記憶媒体は、伝達媒体とは別であるが、これと併せて使用することができる。伝達媒体は、記憶媒体間で情報を伝達するのに関与する。例えば、伝達媒体としては、バス602を備えたワイヤを含む、同軸ケーブル、銅ワイヤ、および光ファイバが挙げられる。伝達媒体はまた、無線および赤外線データ通信中に生成されるものなどの、音波または光波の形をとることができる。
【0087】
プロセッサ604が実行するための1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスの収容に、様々な形の媒体が挙げられる。例えば、命令は最初、遠隔コンピュータの磁気ディスクまたは半導体ドライブ上に収容することができる。遠隔コンピュータは、命令をその動的メモリにロードすることができ、モデムを使用して命令を電話線上で送信することができる。コンピュータ・システム600に対してローカルなモデムは、電話線上でデータを受信し、赤外線送受信機を使用して、データを赤外線信号に変換することができる。赤外線検出器は、赤外線信号内で運ばれるデータを受信することができ、適当な回路がデータをバス602上に置くことができる。バス602はデータをメイン・メモリ606に運び、そこからプロセッサ604は命令を検索および実行する。メイン・メモリ606によって受信された命令は任意選択では、プロセッサ604による実行の前または後のいずれかに、記憶デバイス610上に記憶することができる。
【0088】
コンピュータ・システム600はまた、バス602に結合された通信インタフェース618を備えている。通信インタフェース618は、ローカル・ネットワーク622に接続されたネットワーク・リンク620に結合している2方向データ通信を提供する。例えば、通信インタフェース618は、総合サービス・デジタル・ネットワーク(ISND)カ
ード、ケーブル・モデム、衛星モデム、またはデータ通信接続を対応するタイプの電話線に与えるモデムであってもよい。別の例として、通信インタフェース618は、データ通信接続を互換性LANに与えるための、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)カードであってもよい。無線リンクを実施することもできる。あらゆるこのような実施において、通信インタフェース618は、様々なタイプの情報を提示するデジタル・データ・ストリームを運ぶ電気、電磁気または光学信号を送受信する。
【0089】
ネットワーク・リンク620は典型的には、データ通信を1つまたは複数のネットワークを通して他のデータ・デバイスに与える。例えば、ネットワーク・リンク620は、接続をローカル・ネットワーク622を通してホスト・コンピュータ624に、またはインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)626によって操作されるデータ機器に与えることができる。ISP626は次に、現在普通は「インターネット」628と呼ばれるワールド・ワイド・パケット・データ通信ネットワークを通してデータ通信サービスを与える。ローカル・ネットワーク622およびインターネット628は両方とも、デジタル・データ・ストリームを運ぶ電気、電磁気または光学信号を使用する。様々なネットワークを通した信号、およびネットワーク・リンク620上、およびデジタル・データをコンピュータ・システム600へおよびそこから運ぶ通信インタフェース618を通した信号は、例示的な形態の伝達媒体である。
【0090】
コンピュータ・システム600は、(1つまたは複数の)ネットワーク、ネットワーク・リンク620および通信インタフェース618を通して、プログラム・コードを含め、メッセージを送信し、データを受信することができる。インターネットの例では、サーバ630は、アプリケーション・プログラム用の要求コードをインターネット628、ISP626、ローカル・ネットワーク622、および通信インタフェース618を通して伝達することができる。
【0091】
受信したコードを、後の実行のために、記憶デバイス610、または他の不揮発記憶装置内に受信、および/または記憶されたときに、プロセッサ604によって実行することができる。
【0092】
10. 均等、拡張、代替、およびその他
前述の明細書において、本発明の可能な実施形態を、実施によって変わる可能性がある多くの特定の詳細を参照して説明した。したがって、本発明であるもの、および本発明であることを出願人が意図したものに関する唯一かつ排他的な指標は、本出願から由来し、特定の形式を有する特許請求の範囲であって、かかる特許請求の範囲は、あらゆる後の修正を含んで発行する。かかる特許請求の範囲に含まれる用語に対して本明細書で明示的に記載されたあらゆる規定は、特許請求の範囲で使用されるこのような用語の意味に影響を与えるものである。したがって、特許請求の範囲で明示的に言及されていない限定、要素、性状、特性、利点または属性は、いかなる場合でもかかる特許請求の範囲を限定するものではない。したがって、明細書および図面は、制限的意味ではなく、例示的なものとしてみなされるべきである。