特許第5952445号(P5952445)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5952445
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】ハンマー
(51)【国際特許分類】
   B25D 1/02 20060101AFI20160630BHJP
【FI】
   B25D1/02
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-29452(P2015-29452)
(22)【出願日】2015年2月18日
【審査請求日】2015年5月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】591020526
【氏名又は名称】井本刃物株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107940
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 憲吾
(74)【代理人】
【識別番号】100120938
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 教郎
(74)【代理人】
【識別番号】100122806
【弁理士】
【氏名又は名称】室橋 克義
(74)【代理人】
【識別番号】100168192
【弁理士】
【氏名又は名称】笠川 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100174311
【弁理士】
【氏名又は名称】染矢 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100182523
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 由賀里
(74)【代理人】
【識別番号】100195590
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 博臣
(72)【発明者】
【氏名】井本 太
【審査官】 小川 真
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭50−20698(JP,B1)
【文献】 実公昭39−19165(JP,Y1)
【文献】 実公昭10−706(JP,Y1)
【文献】 中国実用新案第204172836(CN,U)
【文献】 豪国特許出願公開第2838197(AU,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25D 1/00
B25G 1/00
B25G 3/00
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄と、この柄の先端部に取り付けられたヘッドとを備えており、
上記ヘッドには、貫通孔が形成されており、
この貫通孔に、上記柄が、貫通孔の内面との間に隙間が生じうるように挿通されており、
上記柄のヘッドより先端側の部位に、ヘッドに当接することによって柄の先端側へのヘッドの抜け止め作用を奏する当接部が形成されており、
少なくとも、上記ヘッドのうちの上記柄が挿通されている部分、及び、柄のうちの上記貫通孔の出入り口に対応する部分が、弾性部材によって被覆されており、
上記隙間により、上記ヘッドが、上記柄に対して微動可能であり、
上記弾性部材が、上記柄の基端側への上記ヘッドの抜け止め作用を奏するハンマー。
【請求項2】
上記柄が、矩形の横断面を有しており、
この柄の幅及び厚さの少なくとも一方が、柄の先端に向かって漸増している請求項1に記載のハンマー。
【請求項3】
上記柄が、金属製の実構である請求項1又は2に記載のハンマー。
【請求項4】
上記柄の基端部近傍に、連結及び係止に用いられうる貫通孔が形成されている請求項1からのいずれかに記載のハンマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンマーに関する。
【背景技術】
【0002】
釘等の対象物を打撃するためのハンマーとして、過去には、主として木製の柄の先端に金属製のヘッドが固定されたものが多用されていた。ヘッドに形成された貫通孔に、柄の先端側を挿入し、この先端にくさびを打ち込む。これにより、柄の先端が拡大して、ヘッドが柄の先端に固定される。このハンマーは、使用中にくさびが抜け出るおそれがある。また、木製の柄は、強度が高くなく、強力な打撃には向かない。
【0003】
木製より強度が向上した金属製パイプからなる柄も用いられている。この金属製パイプは、その先端部がヘッドの円形横断面の貫通孔に圧入されることにより固定される。しかし、このハンマーにおいても、ヘッドが脱落するおそれはある。
【0004】
上記いずれのハンマーも、ヘッドが柄に固定されている。これらのハンマーにおいては、打撃時の大きな衝撃及び振動がそのまま柄に加わる。長期の使用により柄の疲労劣化のおそれがある。また、この大きな衝撃及び振動が、作業者の手にも伝わる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述した現状に鑑みてなされたものであり、打撃時に柄に加わる衝撃及び振動が緩和されたハンマーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るハンマーは、
柄と、この柄の先端部に取り付けられたヘッドとを備えており、
上記ヘッドには、貫通孔が形成されており、
この貫通孔に、上記柄が、貫通孔の内面との間に隙間が生じうるように挿通されており、
柄のヘッドより先端側の部位に、ヘッドに当接することによって抜け止め作用を奏する当接部が形成されている。
【0007】
好ましくは、少なくとも、上記ヘッドのうちの上記柄が挿通されている部分、及び、柄のうちの上記貫通孔の出入り口に対応する部分が、弾性部材によって被覆されている。
【0008】
好ましくは、上記柄が、矩形の横断面を有しており、
この柄の幅及び厚さの少なくとも一方が、柄の先端に向かって漸増している。
【0009】
好ましくは、上記柄が、金属から鍛造によって中実の構造に形成されている。
【0010】
好ましくは、上記柄の基端部近傍に、連結及び係止に用いられうる貫通孔が形成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るハンマーでは、打撃時にヘッドに加わった衝撃及び振動が、そのまま直接に柄に伝わらない。すなわち、ヘッドに加わった衝撃及び振動が、柄との間で緩衝される。その結果、柄の寿命が延長される。このハンマーは、使用者の手にも優しい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るハンマーを示す正面図である。
図2図2(a)は、図1のハンマーのヘッドを示す正面図であり、図2(b)は平面図であり、図2(c)は図2(a)のII−II線に沿って見た断面図である。
図3図3(a)は、図1のハンマーの柄を示す正面図であり、図3(b)は平面図であり、図3(c)は側面図である。
図4図4(a)は、図1のハンマーにおける、ゴム被覆が除去された状態の先端近傍を示す正面図であり、図4(b)は、図4(a)のIV−IV線に沿って見た断面図である。
図5図5(a)は、柄の先端に形成されたストッパの他の例を示す斜視図であり、図5(b)はストッパのさらに他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0014】
図1に示されたハンマー2は、ヘッド4と柄6とを備えている。ヘッド4は、柄6の先端部分に取り付けられている。ヘッド4と柄6とは、後述するとおり、ヘッド4の貫通孔8に、柄6が挿通されることにより、連結されている。ヘッド4の打撃部14を除く部分と、柄6とが、弾性部材10によって被覆されている。この弾性部材10は、本実施形態ではゴムから形成されているが、ゴムには限定されない。
【0015】
この弾性部材(以下、ゴムと呼ぶ)10は、柄6における使用者に把持される部分をも覆っている。使用者は、ゴム10で覆われた柄6を握りやすい。使用者の手に対するハンマー2打撃時の衝撃及び振動も緩和される。また、このゴム10は、後述されるように、ヘッド4の抜け止めに寄与し、柄6に対するヘッド4の位置の安定にも寄与する。
【0016】
図2にはヘッド4が示され、図3には柄6が示されている。ヘッド4は、基部12と上記打撃部14とを有している。打撃部14は、本実施形態では基部12の両端それぞれに形成されているが、基部12の一端側にのみ形成されてもよい。打撃部14の外径は、基部12の外径より大きい。本実施形態では、基部12及び打撃部14ともに円柱状を呈しているが、かかる形状には限定されない。打撃部は、例えばナットやボルト頭のような六角柱を含む多角柱等であってもよい。基部は、四角柱を含む多角柱等であってもよい。また、打撃部と基部との横断面形状が同一であってもよい。
【0017】
本実施形態では、基部12を被覆するゴム10の表面は、打撃部14の表面とほぼ面一にされている(図1)。このゴム10の厚さを厚くするために、基部12の幅(図2(c)における左右方向の幅)を狭くして、基部12の表面と打撃部14の表面との段差を大きくしてもよい。この場合、基部12の横断面積及び断面係数を低下させないように、基部12の横断面の縦長さ(図2(c)における上下方向の長さ)を長くしてもよい。かかる形状により、基部12の強度低下が防止されうる。具体的には、基部12の横断面形状を、縦長の長円形、長方形を含む多角形等にしてもよい。本実施形態では、ヘッド4のうち、ゴム10に被覆されているのは基部12であるが、基部12のみに限定されない。打撃部14のうち、その端面である打撃面14aを除く部分が被覆されてもよい。
【0018】
基部12の中央部には、ヘッド4の軸方向に垂直な方向に、前述の貫通孔8が形成されている。貫通孔8には、柄6がその基端側から挿通される。図2(b)に示されるとおり、貫通孔8は、矩形の横断面を有している。図2(a)及び図2(c)に示されるとおり、貫通孔8の横断面の横幅及び縦幅ともに、貫通孔8の一端側(基端側)から他端側(先端側)に向かって漸増している。貫通孔8は、一端側から他端側に向かってテーパー状を呈している。貫通孔8の横幅とは、柄6の幅方向に対応する幅(図2(b)における左右方向)である。貫通孔8の縦幅とは、柄6の厚さ方向に対応する幅(図2(b)における上下方向)である。
【0019】
図示しないが、基部12の貫通孔8が開口している部位に、柄6の延びる方向に、ガイド部が突設されるのが好ましい。このガイド部は、貫通孔8の延長部分を構成し、柄6をガイドする。ガイド部は貫通孔8の延長部分を囲む筒状を呈している。このガイド部によれば、基部12を太くする必要なく、柄6の基部12への勘合長さが長くなる。ガイド部は、ハンマーの大型化を回避するために、貫通孔8の基端側に突設されるのが好ましい。このガイド部の形成には、基部12の横断面積及び断面係数を増加させる利点もある。
【0020】
図3に示されるとおり、柄6は細長い板状を呈している。柄6は、概ね矩形の横断面形状を有している。ここでは、柄6の横断面の長辺方向(図3(b)における左右方向)を幅方向と呼び、短辺方向(図3(b)における上下方向)を厚さ方向と呼ぶ。柄6は、金属から鍛造によって中実の構造に形成されている。従って、柄6は、薄くされているが、高強度を有している。柄6が薄いので軽くなる。また、上記ゴム被覆の層を厚くすることができる。その結果、打撃時の振動吸収性能が向上する。かかるハンマー2は、使用者の手に優しくなる。柄6の剛性を低下させずに軽量化を図るため、柄6の表裏両面に、長手方向に沿う溝が形成されてもよい。換言すれば、横断面がH字状を呈していてもよい。ヘッド4は、その中心軸方向(長手方向)が、柄6の幅方向にほぼ平行となる姿勢で柄6に取り付けられている。
【0021】
柄6の先端側(図における上端側)の長手方向の所定範囲16において、図3(a)に示されるとおり幅が先端に向けて漸増しており、図3(c)に示されるとおり厚さが先端に向けて漸増している。この所定範囲16においては、その正面視形状(図3(a))も側面視形状(図3(c))も、テーパー状を呈している。この所定範囲16をテーパー領域16と呼ぶ。このように、ヘッド4が位置する柄6のテーパー領域16は、その断面係数が大きくされている。従って、ヘッド4からの衝撃及び振動に対する耐久性が向上している。柄6の幅及び厚さのいずれか一方がテーパー状にされてもよい。
【0022】
柄6のテーパー領域16における外形は、上記ヘッド4の貫通孔8の内面形状とほぼ相似している。このテーパー領域16は、特に限定されないが、柄6の先端から、貫通孔8の長さ以上の距離の範囲とするのが好ましい。柄6に対するヘッド4の取り付け位置において、貫通孔8の内面形状が、柄6の上記テーパー領域16の形状よりわずかに大きい。柄6の先端の幅は、貫通孔8の基端の横幅より広い。柄6の先端の厚さは、貫通孔8の基端の縦幅寸法より厚い。従って、下記のストッパ18が脱落したとしても、ヘッド4の柄6からの抜け落ちは防止される。テーパー領域16の外形と貫通孔8の内面形状とは、相似していることには限定されない。例えば、柄6はテーパー領域16を有する一方、貫通孔の内面はテーパーの無い直方体形状であってもよい。柄の外形及び貫通孔の内面ともに直方体形状を呈していてもよい。また、貫通孔8の中間に、柄6の先端の幅より狭い横幅の部位、及び/又は、柄6の先端の厚さより狭い縦幅の部位が形成された上で、そこから基端側に向けて横幅及び/又は縦幅が漸増するテーパー部やR(アール)部が形成されてもよい。上記のいずれの形状であっても、後述する隙間Cが存在し、ヘッドがストッパに当接する位置まで到達しうるように形成されておればよい。
【0023】
柄6の先端面には、上記ストッパ18が形成されている。本実施形態では、金属製ストッパ18が、溶接によって柄6の先端面に固着されている。図3(b)及び図3(c)に示されるとおり、このストッパ18の長さは、柄6の先端面における厚さより長い。ストッパ18は、柄6の厚さ方向の両外方に突出している。後述するように、このストッパ18の突出した部分が、ヘッド4に当接して、ヘッド4の柄6の先端からの抜け外れを防止する。ストッパ18は、当接部18と呼んでもよい。ストッパは、特に柄6の先端に形成されることに限定はされない。ストッパは、柄の先端から少し基端側に離れた部位に形成されてもよい。ヘッド4より柄6の先端側に形成されておればよい。
【0024】
柄6の基端部(図3(a)における下端部)には貫通孔20が形成されている。この貫通孔20は、ワイヤー、コード、鎖等の長尺物との連結、及び、フック等への係止に用いられる。この貫通孔20の形成部位には、上記ゴム10による被覆はなされてない。ハンマー2は、ワイヤー等を介して使用者の身体に連結されうる。これにより、使用中等における落下が防止される。また、ゴム被覆が無い場合等の何らかの事情により、ヘッド4が柄6の基端側に至った場合にも、脱落することが防止される。
【0025】
図4には、ハンマー2の先端領域、すなわち、柄6に対するヘッド4の取り付け部位が示されている。図4では、理解容易のため、被覆ゴム10が除去されたハンマー2の状態が示されている。柄6は、その基端側からヘッド4の貫通孔8に挿通される。ヘッド4が柄6の先端部に到達すると、柄6のストッパ18が、ヘッド4の貫通孔8の外周に当接する。このとき、図4に示されるように、貫通孔8の内面形状は、柄6の上記テーパー領域16の形状よりわずかに大きい。従って、貫通孔8の内面と柄6の外面との間には、隙間Cが生じる。この隙間Cは、柄6の幅方向にも生じ(図4(a))、柄6の厚さ方向にも生じる(図4(b))。ヘッド4は、柄6に固着されてはいない。ヘッド4は、柄6に対して微動が可能であり、ガタガタしている。
【0026】
ハンマー2の打撃時には、ヘッド4から打撃対象物に十分な打撃力が加わる。一方、ヘッド4は柄6に対して微動可能なため、柄6には大きな衝撃が伝わらない。このようなハンマー2は、従来のハンマーに比べて、その耐久性が向上する。また、使用者の手に対する衝撃も緩和される。
【0027】
ハンマー2は、図4に示された状態で、前述したゴム10による被覆がなされる(図1)。ゴム被覆には、キャビティが形成された成形用の型(図示せず)が用いられる。この型に、ハンマー2がセットされる。ハンマー2の外面には、ゴムの付着を促進し且つ強固にするための接着剤が塗布される。ハンマー2のヘッド4の基部12及び柄6の周囲にはゴムが取り付けられる。ヘッド4の基部12及び柄6の周囲に対応して、上記キャビティ面が位置する。この状態で加熱すると、ゴムが溶融する。冷却されると、キャビティ面に対応した、図1に示される外面形状のゴムの被覆層が形成される。前述の隙間Cには、ゴムが進入していてもよく、進入していなくてもよい。
【0028】
このゴム10の弾性力の範囲で、ヘッド4は、柄6に対して弾力的に保持されている。ゴム被覆された状態でも、ヘッド4は、上記隙間Cの存在により、柄6に対する微動が可能である。柄6の先端方向へのヘッド4の抜けの防止は、上記ストッパ18によってなされる。柄6の基端方向へのヘッド4の抜けの防止は、この被覆ゴム10(図1)によってなされる。
【0029】
ヘッド4を弾力的に保持する作用だけをゴム10に期待する場合は、ヘッド4、並びに、柄6のうちのヘッド4より先端側部分、及び、ヘッド4より基端側のわずかな部分だけが被覆されてもよい。換言すれば、ヘッド4、及び、柄6のうちの貫通孔8の出入り口に対応する部分だけが被覆されてもよい。しかし、使用者の手に対する衝撃のさらなる緩衝を期待する場合は、柄6の基端近傍まで被覆されるのが好ましい。また、柄6の大部分をゴム10で被覆する場合、以下の利点が得られる。このゴム10の表面に、所望の表示を容易に形成することができる。表示とは、例えば、商品名、メーカー名、注意書き等である。また、使用者がしっかりと把持できるように、ゴム10の表面に凹凸を容易に形成することができる。凹凸の具体例としては、間隔を置いて多数本形成された、柄6の周方向に延びる環状の突条である。柄6の基端側の被覆ゴム10の厚さを厚くすれば、安定して把持することができる。ゴムによって被覆を行う場合には、上記のような表示、凹凸等を容易に形成することができる。
【0030】
ヘッド4と柄6との間に隙間Cは存在するが、ヘッド4と柄6とが一体にゴム被覆されているので、ヘッド4の柄6に対する位置取りが安定する。ヘッド4は、外力によって柄6に対する位置が変化しても、ゴム10の弾力によってすぐに元の位置に復帰しうる。ハンマー2の打撃によって生じるヘッド4の振動の一部は、このゴム10によって緩衝されうる。
【0031】
図5(a)及び図5(b)には、異なる他の柄22、24が示されている。これらの柄22、24の、ストッパ以外の形状構造は、図3に示された柄6のものと同一である。従って、図5において、図3の柄6と同一構成部については、その説明が省略される。
【0032】
図5(a)に示される柄22は、その先端にストッパ26が一体に形成されている。このストッパ26は、柄22の先端における幅方向外方に突出している。この柄22の先端近傍の正面視形状は、T字状を呈している。このストッパ26を含めたT字形状は、型鍛造によって形成してもよく、切削加工によって形成してもよい。この両外方に突出したストッパ26の部分が、ヘッド4の貫通孔8の外周に当接することにより、ヘッド4の脱落を防止する。
【0033】
図5(b)に示される柄24も、その先端にストッパ28が一体に形成されている。このストッパ28は、柄24の先端において、幅方向に沿って、厚さ方向外方に突出している。この両外方に突出したストッパ28の部分が、ヘッド4の貫通孔8の外周に当接することにより、ヘッド4の脱落を防止する。ストッパの形成範囲は、図5(b)に示されるような柄24の全幅には限定されず、幅の一部の範囲であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係るハンマーは、一般的なハンマーとしての機能を有することはもとより、振動や衝撃が緩和される。従って、強力な打撃を伴う作業にも好適である。
【符号の説明】
【0035】
2・・・ハンマー
4・・・ヘッド
6、22、24・・・柄
8・・・(ヘッドの)貫通孔
10・・・弾性部材(ゴム)
12・・・基部
14・・・打撃部
14a・・・打撃面
16・・・(柄の)テーパー領域
18、26、28・・・ストッパ
20・・・(柄の)貫通孔
C・・・隙間
【要約】
【課題】打撃時に柄に加わる衝撃が緩和されるハンマーの提供。
【解決手段】このハンマー2は、柄6と、この柄6の先端部に取り付けられたヘッド4とを備えており、上記ヘッド4には、貫通孔8が形成されており、この貫通孔8に、上記柄6が、貫通孔8の内面との間に隙間Cが生じうるように挿通されており、柄6のヘッド4より先端側の部位に、ヘッド4に当接することによって抜け止め作用を奏する当接部18が形成されている。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5