【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年12月16日付けで、株式会社リクルートホールディングスがウェブサイト(https://itunes.apple.com/jp/app/id930795822?mt=8)にて、渡瀬丈弘及び新谷哲功が発明した順番管理システムに関するアプリを公開した。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
A.第1実施形態
図1は、本実施形態に係る順番管理システム1000の概略構成を示す図である。同図に示すように、順番管理システム1000は、レストランなどの施設に設けられる順番管理端末100と、順番管理端末100に接続されたプリンタ200と、通信ネットワークNを介して順番管理端末100を統括管理する管理サーバ300とを備えて構成されている。
【0013】
本実施形態では、あるレストランAが提供する飲食サービスに関して、来訪者の順番待ちを管理する場合を例に説明するが、これに限る趣旨ではなく、複合アミューズメントシステム、ショッピングモール、デパートなどの店舗や、病院や公共施設など、来訪者の順番待ちの管理を行うあらゆる施設に適用可能である。また、説明の便宜上、レストランAに設置された順番管理端末100、店舗Bに設置された順番管理端末100を図示しているが、多数の施設に設置される順番管理端末100が管理サーバ300によって管理されている。
【0014】
順番管理端末100は、施設の入り口付近などに設置され、来訪者が当該施設へ入場したり、サービスを受けたりする際の順番待ちを管理するための端末装置であり、タブレット端末などが利用される。サービスを提供する業者は、あらゆる業種・業態の業者が対象となる。もっとも、順番管理端末100は、タブレット端末に限る趣旨ではなく、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)など、通信ネットワークNを介して管理サーバ300とデータの授受が可能なあらゆる端末装置を利用することができる。
【0015】
プリンタ200は、有線ケーブルまたは無線によって順番管理端末100と接続され、順番待ちの数などをあらわす順番券やクーポンなどを発券する。
【0016】
管理サーバ300は、例えば、演算処理能力の高いコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。ここで、管理サーバ300を構成するコンピュータは、必ずしも1台である必要はなく、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。管理サーバ300は、各施設ごとに順番管理端末100を管理するための管理データベース310を備えている。管理データベース310は、クライアント管理テーブルTA1及びステータス管理テーブルTA2を備えている。
【0017】
クライアント管理テーブルTA1には、施設ごとに固有のIDとパスコード(アカウント)が対応づけて登録されている。ここでは、「レストランA」で利用される順番管理端末100に対して「ID:A1・・・」、「パスコード:AA2・・・」が設定されている。これら施設ごとのID及びパスコードは、例えば、システム導入の際に各施設で順番待ちの管理を行う管理者(例えば、店舗のオーナーなど)によって設定される。なお、本実施形態では、1施設で1台の順番管理端末100を利用する場合を想定するが、1施設で複数の順番管理端末100を利用しても良い(第2実施形態参照)。1施設で複数の順番管理端末100を利用する場合には、同一のIDとパスコードを利用しても良いが、例えば所定の条件に従い、複数のIDとパスワードを使い分けるようにしても良い。
【0018】
ステータス管理テーブルTA2には、各施設での順番待ちリストが登録されている。この順番待ちリストは、順番待ちをしている者の一覧と、各々の順番待ち状況(ステータス)をあらわす情報(ステータス情報)が含まれる。レストランAについては、順番待ちをしている予約グループが「1組」、受け付け時間は「AM 11:11」、予約人数は「2名」等である。ステータス管理テーブルTA2の登録内容は、順番管理端末100から送信される順番待ちリストへの新規登録情報、またはステータスの更新情報(詳細は後述)に基づいて変更される。なお、どのような情報をステータス情報とするかは、各施設の管理者等が適宜設定および変更可能となっている。
【0019】
通信ネットワークNは、管理サーバ300と順番管理端末100との間で相互に情報を送受信可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0020】
<順番管理端末100>
図2は、順番管理端末100の主要構成を示すブロック図である。順番管理端末100は、プロセッサ110と、入力装置115と、表示装置116と、通信インタフェース120と、記憶資源130とを備える。
【0021】
プロセッサ110は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、記憶資源130に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理端末100の各部を中枢的に制御する。各種レジスタは、例えば、プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等である。
【0022】
入力装置115は、順番待ちリストへの受付や順番待ちリストからの消込み等の入力を受け付けるための各種操作ボタンやタッチパネル115aを備えている。
【0023】
表示装置116は、順番待ちリストや受付ボタン等を含む受付画面や待受画面を表示するための装置であり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。
【0024】
通信インタフェース120は、通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークN上の他の端末と通信をするためのハードウェアモジュールである。通信インタフェース120は、例えば、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルモデム、光モデム、ソフトモデム等の変調復調装置である。
【0025】
記憶資源130は、例えば、物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスである。物理デバイスは、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶資源130は、複数の物理デバイスを1つの論理デバイスにマッピングして構築してもよいし、1つの物理デバイスを複数の論理デバイスにマッピングして構築してもよい。
【0026】
記憶資源130には、オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、各種データ等が格納される。ドライバプログラムとしては、例えば、通信インタフェース120を制御するための通信インタフェースドライバプログラム等がある。また、記憶資源130には、これら各種プログラムや各種データのほか、管理サーバ300と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(以下「順番管理アプリケーション」という)AP1が記憶されている。
【0027】
順番管理アプリケーションAP1は、入力装置115に対する入力が所定時間なされなかったときに表示装置116に待受画面を表示させるための表示制御モジュールM1を有する。
【0028】
図3は、順番管理端末100の表示装置116に表示される受付画面を例示した図である。順番管理端末100は、利用者が直接タッチパネル115aを操作することで、順番待ちリストへの受付や消込み等の入力を受け付ける。ここで、利用者としては、施設の来訪者や従業者等が想定される。例えば、来訪者は順番待ちリストに新たに順番待ちの登録するための入力を行い、従業者等は順番待ちリストに登録されている情報のステータスを更新するための入力を行う。なお、ここでは、施設の管理者や従業者などを従業者等と総称する。
【0029】
図3に示すように、受付画面では、ステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストの少なくとも一部、例えば、順番待ちをしている者の受付番号とその人数等を含む行が、受付をした順番に時系列に並べられた一覧が表示されるとともに、順番待ちリストへの受け付け操作を促すメッセージや受付ボタン等が表示装置116に表示される。
【0030】
<順番待ちリストへの受付処理>
来訪者は、施設に設置された順番管理端末100を操作して、順番待ちリストに順番待ちを新規に登録するための受付を行う。まず、受付画面の受付ボタンをタッチした後、表示装置116に表示されるメッセージに従ってタッチパネル115aを適宜操作して、来訪者の人数等を入力する。順番待ちリストへの受付の際に入力される項目は、予約者の人数のみならず、好みの席タイプ(例えば、テーブルまたはカウンター)などが含まれていても良い。いかなる項目を入力対象とするかは、各施設の管理者等の意向に応じて決定すればよい。
【0031】
入力が終了すると、入力された情報、すなわち新規登録情報は、順番管理端末100から通信ネットワークNを介して管理サーバ300にアップロードされる。管理サーバ300は、ある施設(ここでは、レストランA)から新規登録情報を受信すると、受信した新規登録情報をステータス管理テーブルTA2に追加して、当該施設の順番待ちリストを更新する。
【0032】
なお、来訪者が直接タッチパネル115aを操作する代わりに、従業者等が、順番待ちを受け付けるための入力を行っても良い。このとき、従業者等は、施設の入り口付近に設置された順番管理端末100を操作してもよいし、後述するように、従業者等が個別に使用する順番管理端末100を操作してもよい。
【0033】
<順番待ち状況の更新処理>
図4は、順番管理端末100において、従業者等によって順番待ち状況(ステータス)の更新指示をする際の操作画面を例示した図である。同図に示すように、順番待ち状況の更新指示として、例えば「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」のいずれかの選択が可能となっている。「取消」は、順番待ちをキャンセルすることを意味し、「変更」は、いったん入力された順番待ちの詳細(予約者の人数など)を変更することを意味する。また、「呼出」は、予約者に対して予約の順番が来たことを口頭で呼び出したり、電話やメールなどで知らせた状態であることを意味し、「案内」は、順番が来た者を実際に案内したときに、順番待ちの行を消し込むことを意味する。本実施形態では、受付番号ごとに、すなわち順番待ちリストの個々の行について、順番待ち状況の更新操作が可能となっている。
【0034】
一例を挙げて説明すると、従業者等は、まず、順番待ち状況の更新対象を特定すると、その対象が表示されている行を右から左へとスワイプする。
図4に示す例では、受付番号1番の来訪者を呼び出したときなどに、受付番号1番の行をスワイプした場合を例示している。この結果、
図4の左上部分に示すような「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」を示す操作ボタン群BGが表示される。従業者等は、所望の操作ボタン(例えば「呼出」)をタップすることで、順番待ち状況の更新操作を行う。かかる操作がなされると、順番待ち状況の更新指示をあらわすステータスの更新情報が、順番管理端末100から通信ネットワークNを介して管理サーバ300にアップロードされる。管理サーバ300の更新部は、受信したステータスの更新情報に基づき、ステータス管理テーブルTA2を書き換え、当該施設の順番待ち状況(ステータス)を更新する。
【0035】
なお、上述した順番待ち状況の更新操作について、もとの状況に戻したい場合も生じ得る。例えば、呼出に応じなかったため、「取消」を行ったものの、その予約者が数分後に戻ってきた場合などである。このような場合を想定し、本実施形態では、順番待ち状況の更新操作について、一定数(たとえば過去20操作分)の履歴を残しておき、その履歴をもとに、順番待ち状況の再更新する(復活させる)ことが可能となっている。また、順番待ち状況の更新操作は、「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」に限定する趣旨ではなく、施設の業務形態等に応じて、管理者等が適宜設定および変更可能である。
【0036】
また、順番管理端末100は、施設内等に設置されている大型ディスプレイなどに、順番待ち状況を表示させることができる。この場合には、順番管理端末100と外部ディスプレイとをケーブルで接続して利用する。外部ディスプレイの画面に順番待ち状況が大きく表示されるので、来訪者は、外部ディスプレイに表示される順番待ち状況を確認することで、おおよその待ち時間等を把握することが可能となる。
【0037】
<表示制御処理>
次に、表示制御モジュールM1によって実現される機能など、本実施形態における処理について説明する。
図5乃至
図7は、順番管理端末100によって実行される順番待ちの管理処理の流れを示すフローチャートである。
【0038】
図5は、順番管理端末100に表示される受付画面に関連する処理の流れを示すフローチャートである。順番管理端末100は、上述のとおり施設の入り口等に設置され、
図3に例示するような、順番待ちの受付をするための受付画面を表示装置116に表示させる(ステップS51)。
【0039】
順番管理端末100は、表示された受付画面に対して、来訪者や従業者等がタッチパネル115aなどの入力装置115への操作入力が受け付けられたか否かを検知する(ステップS52)。例えば、タッチパネル115aへの操作が検知され、入力が受け付けられたとき(ステップS52:YES)、
図6に例示する順番待ちリストへの追加または更新処理が実行される。
【0040】
他方、タッチパネル115aを含む入力装置115への操作入力が検知されなかったとき(ステップS52:NO)、入力装置115への操作入力が検知されない状態が所定時間経過したか否かを判断する(ステップS53)。この処理は、例えば、順番管理端末100が最後に操作入力を受け付けたときにタイマをスタートさせて、当該タイマが所定時間を経過したか否かを検出することによって、実現され得る。例えば、所定時間として1分が設定されているときは、ステップS53において、順番管理端末100に対して1分間以上、操作入力がなされなかったか否かを検出する。
【0041】
順番管理装置100は、入力装置115への操作入力が所定時間以上検知されなかったとき(ステップS53:YES)、
図7に例示する表示制御処理を実行する。他方、順番管理装置100が最後に操作入力されてから所定時間が経過していないときは(ステップS53:NO)、ステップS52に戻り、入力装置115に対する操作入力を検知する処理(ステップS52)と、操作入力がなされない状態が所定時間以上経過したかを検出する処理(ステップS53)を繰り返す。
【0042】
図6は、順番管理端末100に対して入力が受け付けられたときに実行される、順番待ちリストへの追加または更新処理の一例を示すフローチャートである。順番管理端末100は、来訪者や従業者等による入力を検知すると、順番待ちリストへの受付であるか否か、すなわち、順番待ちリストに新たに順番待ちを1組追加する新規登録操作であるか否か、を検知する(ステップS61)。順番管理端末100は、順番待ちリストへの受付であると判断すると(ステップS61:YES)、順番待ちリストに順番待ちを1組新たに追加する処理を行い(ステップS62)、その後、
図5のステップS51に戻り、追加処理後の順番待ちリストを含む受付画面を表示する。
【0043】
一方、順番管理端末100の受付部及び更新部は、順番待ちリストへの受付ではないと判断すると(ステップS61:NO)、「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」のいずれかの順番待ち状況の更新操作であるか否かを判断する(ステップS63)。いずれかの順番待ち状況の更新操作でないと判断した場合には(ステップS63:NO)、処理を終了する。一方、いずれかの順番待ち状況の更新操作であると判断すると(ステップS63:YES)、更新操作に応じて順番待ち状況を更新し(ステップS64)、その後、
図5のステップS51に戻り、更新された順番待ちリストを含む受付画面を表示する。
【0044】
例えば、順番待ちしていた者ないしそのグループを店内に案内すると、従業者等は、タッチパネル115aに表示される複数の行の中から、案内を終えた来訪者を特定し、この来訪者に対応する行をスワイプして「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」を示す操作ボタン群BGを表示させる。そして、従業者等は、「案内」を示す操作ボタンをタップすることで順番待ち状況の更新操作を行う。「案内」が選択されると、対応する第1順位の者が消去され、後続の者が順番待ちリストの第1順位であるとして順番管理端末100に表示される。なお、「取消」、「変更」、「呼出」がタップされた場合も同様に、それぞれの更新操作に応じた処理が順番管理端末100において実行されることとなる。
【0045】
図7は、入力装置115への入力が所定時間なされなかったとき、順番管理装置100によって実行される表示制御処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、受付画面が表示された状態で、入力装置115への入力が所定時間なされなかったとき、表示装置116に待受画面が表示される。
【0046】
このとき、順番管理装置100は、管理サーバ300のステータス管理テーブルTA2で管理されている順番待ちリストを参照して、順番待ちをしている者があるか否かを判定する(ステップS71)。順番待ちをしている者がある場合(ステップS71:YES)、順番管理装置100は、順番待ちリストへの受付が必要な旨のメッセージを含む第1の待受画面を、表示装置116に表示する(ステップS72)。
【0047】
一方、順番待ちをしている者がいない場合(ステップS71:NO)、すぐに施設内に入場したり、サービスを受けることが可能であるから、順番待ちリストへの受付は不要である。そこで、順番管理装置100は、従業者等に声を掛けることを来訪者に依頼する旨のメッセージを含む第2の待受画面を、表示装置116に表示する(ステップS73)。
【0048】
その後、入力装置115に来訪者ないし従業者等による操作入力が受け付けられるまで第1または第2の待受画面を表示し続ける(ステップS74)。そして、操作入力が受け付けられたことを検出すると、ステップ51に戻り、受付画面を表示する。
【0049】
図8乃至
図10は、本実施形態において、表示装置116に表示される画面例である。
【0050】
図8は、2組順番待ちしているときに表示される第1の待受画面の一例を示す図である。例えば、
図3に例示する受付画面が表示された後、入力装置115に所定時間、何も入力がなされない状態が続くと、例えば、
図8に示す第1の待受画面が表示される。この第1の待受画面には、「画面をタッチして受付してください」等、まず順番待ちの受付をすべきである旨のメッセージが含まれている。これにより、来訪者は、画面をタッチして受付画面を見るまでもなく、現在順番待ちをしている人がいて、順番待ちリストへの受付が必要であることが分かる。
【0051】
また、第1の待受画面は、メッセージに加えて、待ち組数や予想される待ち時間が表示されることが好ましい。これにより、来訪者は、待受画面を見るだけでより正確に順番待ちの状況を把握することができる。なお、予想される待ち時間は、1組が案内されるまでの平均的な時間を予め設定しておくことにより、算出することができる。例えば、順番待ちの1組目が案内される時間が15分、2組目以降が案内される時間が10分であるものと設定されていれば、例えば、現在2組が順番待ちをしているとき、来訪者が順番待ちの受付をすれば、順番待ちの3組目となるので、予想される待ち時間は、15分+10分+10分=35分であるものと算出できる。
【0052】
図9は、順番待ちがない場合に表示される受付画面の一例である。また、
図10は、順番待ちがないときに表示される第2の待受画面の一例を示す図である。例えば、
図9に例示する受付画面が表示された後、入力装置115に所定時間、何も入力がなされない状態が続くと、例えば、
図10に示す第2の待受画面が表示される。この第2の待受画面には、「スタッフへお声かけください」等、順番待ちの受付ではなく、従業者等に声をかけるべきである旨のメッセージが含まれている。これにより、来訪者は、画面をタッチして受付画面を見るまでもなく、現在誰も順番待ちをしておらず、スタッフに声をかければ、すぐに案内してもらえることが分かる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、順番待ちの待ち組数に応じて、入力が所定時間なかったときの待受画面を出し分けることができる。順番待ちが必要な場合には、順番待ちの受付をする旨のメッセージを表示させ、順番待ちが不要な場合には、スタッフに声をかける旨のメッセージを表示させる。これにより、順番待ちが必要か否かを、来訪者が即時かつ正確に把握できるので、順番待ちがなく順番券の発券の必要が無いときに、来訪者が発券操作をして不必要な発券をしたり、順番待ちがあり、来訪者が順番待ちの受付をして、順番券を発券すべきときに、来訪者が従業者等に声を掛けて従業者等のオペレーションが中断されたりするなどの無駄を防ぐことが可能となる。
【0054】
なお、ここでは、所定時間経過後に待受画面を表示させる実施例を示したが、待受画面を表示させるタイミング等はこれに限られるものではなく、順番待ちの待ち組数や時刻など、順番待ちの状況に応じて、待受画面を表示させるタイミング及び待受画面として表示させる内容を個別に設定し、出し分けるようにしてもよい。
【0055】
例えば、順番待ちがない場合には、所定時間の経過を待たずに、第2の待受画面を表示させるものとしてもよい。すなわち、順番管理端末100の表示制御モジュールM1は、順番待ちがない場合には、表示装置116に第2の待受画面を表示させ、順番待ちがある場合には上述の実施例と同様に、まずは受付画面を表示させ、その後所定時間入力がなければ、第1の待受画面を表示させるようにしてもよい。
【0056】
また、表示制御モジュールM1は、現在の時刻が、当該施設の営業時間内であるか否かを判断し、営業時間外であれば、「営業時間外です。お時間までお待ちください。」など、営業時間外であることを示す内容のメッセージを含む待受画面を、表示装置116に表示させるものとしてもよい。このとき、営業時間内であれば、上述したように、待ち組数に応じて待受画面を出し分けることができる。
【0057】
また、順番管理端末100の表示制御モジュールM1は、順番待ちの待ち組数に基づいて、予想される待ち時間を算出し、現在の時刻に予想される待ち時間を加えた時刻が、当該施設の営業時間内であるか否かを判断し、営業時間外であれば、「本日は受付を終了しました。」など、順番待ちの受付を終了したことを示す内容のメッセージを含む待受け画面を表示させるものとしてもよい。
【0058】
B.第2実施形態
上述した第1実施形態では、1施設で1台の順番管理端末100を利用する場合について説明したが、第2実施形態では、1施設で複数の順番管理端末100を利用する場合について説明する。
【0059】
図11は、第2実施形態に係る順番管理システム1000’の概略構成を示す図である。
図11に示す順番管理システム1000’は、1施設に複数台の順番管理端末100が設けられている点を除けば、
図1と同様である。よって、対応する部分には同一符号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0060】
1施設で複数台の順番管理端末100を利用する場合には、各順番管理端末100の間でデータが共有される点において、1台の順番管理端末100のみを利用する場合と異なる。
図12は、3台の順番管理端末100A〜100Cを利用して順番管理を行う場合のシーケンス図である。たとえば、レストランAにおいて特定の順番管理端末100(
図11に示す順番管理端末100A)が操作されると(C1)、その操作内容(ここでは、ステータスの更新情報を想定)は管理サーバ300にアップロードされる(C2)。管理サーバ300は、受信したステータスの更新情報に基づき、ステータス管理テーブルTA2に登録されているレストランAのステータス情報を更新する(C3)。そして、管理サーバ300は、クライアント管理テーブルTA1を参照し、レストランAで利用される順番管理端末100を特定する(C4)。ここでは、レストランAに対して3台の順番管理端末100A〜Cがクライアント管理テーブルTA1に登録されていることから、管理サーバ(送信部)300は、順番管理端末100A以外の端末、すなわち順番管理端末100B及び100Cに対してアップデートされた最新のステータス情報を送信し(C5)、処理を終了する。
【0061】
この結果、最新の情報が、常に同期した状態で各順番管理端末100に反映され、これにより、1施設で複数台の順番管理端末100を利用する場合であっても、順番待ちの更新情報が一部の順番管理端末100において反映されない等の不具合を生ずることなく、最適な順番待ち管理を行うことが可能となる。
【0062】
C.その他
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【0063】
上述の実施形態では、順番管理端末100と管理サーバ300とが連携して順番を管理するシステムについて説明したが、システムの構成はこれに限られず、種々の構成を採用可能である。例えば、管理サーバ300が有する機能を順番管理端末100側で備えることにより、順番管理端末100単体で順番管理システム1000と同等の機能を備える装置を構成することができる。
【0064】
また、上述の実施形態では、順番待ちがあるか否かによって、待受画面を出し分けるものとしたが、これに限られず、順番待ちの待ち組数に応じて、複数の待受画面を出し分けるものとすることができる。例えば、順番待ちがないときは、スタッフに声をかける旨のメッセージを含む待受画面を表示させ、順番待ちが所定数(たとえば5組)未満であれば、受付後店内で待つように促すメッセージを含む待受画面を表示させ、順番待ちが所定数以上であれば、受付後店外に出てもよい旨のメッセージを含む待受画面を表示させる、といったよりきめ細かな表示制御が可能である。
【0065】
さらに、第2の実施形態において、プリンタ200と接続された順番管理端末100Aを、施設の入り口付近に設置して来訪者による受付用の端末とし、順番管理端末100B及び100Cを従業者等が個別に保持し、従業者等による消込を含むステータス更新用の端末として運用することができる。このとき、受付用の順番管理端末100Aは、順番待ちの新規登録のみを受け付け可能とし、ステータス更新用の順番管理端末100B及び100Cは、順番待ちの新規登録とステータス更新の両方を受け付け可能とすることができる。これにより、来訪者は順番待ちの登録のみをすることができ、来訪者が誤って消込をしたり、ステータス更新をしたりすることを防ぐことができる。さらに、順番管理端末100において、順番待ちの新規登録のみを受け付け可能とするか、或いは、順番待ちの新規登録とステータス更新の両方を受け付け可能とするかを、単一のアプリ内でモードを切り替えることにより実現するようにしてもよい。
【0066】
プリンタ200から発券される順番券について特に言及しなかったが、QRコード(登録商標)を利用して順番待ち管理の効率化を図るようにしても良い。予約者は、順番待ちの入力を行った後、プリンタ200から発券される順番券を受け取る。その後、予約者は、自身のスマートフォン等を利用して順番券に印刷されたQRコードを読み取る。QRコードを読み取ることで、スマートフォン等の液晶パネルには現状の順番待ち状況(現状の待ち人数など)が表示される。そして、自身の順番が近づくと、呼出のためのリマインドメールが届く。これにより、店頭で長時間並ぶことなく入店することができ、“長時間待つ”といった行為のストレスを軽減することができるとともに、従来は“待つ”といった行為に費やしていた時間を有効に活用することが可能となる。
【0067】
なお、リマインドメールを設定する方法としては、たとえばQRコードを読み込んだときに、ページ内にメールアドレスの入力を促すメッセージを表示する方法などがある(「通知を受け取るメールアドレスを下記に入力してください。」など)。予約者は、このメッセージに従ってメールアドレスを入力することで、リマインドメールを受信することが可能となる。
【0068】
また、リマインドメールに代えて(あるいは加えて)電話呼出を行うようにしても良い。順番待ちの入力を終えた後、電話での呼出設定を希望するか、予約者に確認するメッセージを順番管理端末100に表示する(「電話でのお呼出を設定できます。ご希望の方は、下記ボタンを押した後、電話番号を入力してください。」など)。予約者は、電話での呼出設定を希望する場合には、このメッセージに従って電話番号を入力する。この結果、自身の順番が近付くと、自動音声等による呼出が行われ、店頭で長時間並ぶことなく入店することが可能となる。
【解決手段】順番管理システムにおいて、入力装置に対する入力が所定時間なされなかったか否かを判定し、入力装置に対する入力が所定時間なされなかったと判定されたときに待受画面を表示させる。このとき、順番待ちリストに順番待ちがあるとき、第1の待受画面を表示させ、順番待ちリストに順番待ちがないとき、第2の待受画面を表示させる。これにより、順番券の不要な発券を抑止するとともに、従業者等のオペレーション中断を削減することができる。