(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外枠と、取り外し可能なように前記外枠内に配置された少なくとも4つの内枠と、前記少なくとも4つの内枠内のそれぞれに配置される少なくとも4つの水力発電モジュールと、を有し、
前記水力発電モジュールは、水平軸水力発電装置を有し、前記水平軸水力発電装置の軸方向は水平面に対して平行であり、
少なくとも4つの取付軸をさらに有し、前記少なくとも1つの水平軸水力発電装置は、各々の前記取付軸に対応して取り付けられ、前記取付軸は、各々の前記内枠に固定されてまたは回転自在に取り付けられるモジュール化された海洋エネルギー発電装置。
前記内枠または前記外枠に軸方向対称に配置および固定された少なくとも8つの水流偏向器をさらに有し、前記水流偏向器は、水流方向に沿って前記水平軸水力発電装置の上流側および下流側のそれぞれに配置される、請求項1に記載のモジュール化された海洋エネルギー発電装置。
前記内枠または前記外枠に配置され、前記水力発電モジュールの上流側および下流側に水流方向に沿ってそれぞれ配置される少なくとも2つの障壁をさらに有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のモジュール化された海洋エネルギー発電装置。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
海洋エネルギー(潮流エネルギー、海洋波エネルギー、および海流エネルギーを含む)は、海水の流れによって生成された機械的エネルギーを意味する。海洋エネルギーは、再生可能エネルギーの一種で、大きな発展の見通しとその莫大な準備金と広域な分布に支払うべき価値を有する。海洋エネルギーの主な用途は、発電である。海洋エネルギー発電の動作原理は、風力発電および従来の水力発電と同様である。すなわち、海水の機械的エネルギーは、エネルギー変換装置によって電気的エネルギーに変換される。具体的には、まず、海水が水力タービンに衝撃を与え、水力タービンは、水流エネルギーを機械的回転エネルギーへ変換し、その後、水力タービンは、機械的な駆動システムを介して電力を発生する発電装置を駆動し、それにより、最終的に機械的エネルギーを電気的エネルギーへ変換する。
【0003】
近年では、エネルギー不足の増加や重大な温室効果の増大により、エネルギーの低炭素化が求められている。したがって、風力エネルギーや海洋エネルギー(潮力エネルギー、潮流エネルギー、海洋波エネルギー、および海流エネルギーを含む)などのクリーンエネルギーが、エネルギー開発の今後の方向性となる。しかし、比較的成熟した風力エネルギーの利用を除いて、クリーンエネルギーのための発電装置は、依然として開発段階であり、海洋エネルギーの利用は、未だ初期段階に留まっている。汎用装置や実績のある装置は存在しない。装置は、相対的に低効率であり、大規模にすることは困難である。
【0004】
海洋環境が複雑であり、水抵抗が大きいため、従来の海洋エネルギー発電装置の海中への設置は非常に困難であり、莫大な費用を必要とする。さらに、海洋エネルギー発電装置は、長期に亘って海水に接し、海水による長期の腐食と多大な衝撃にさらされるため、一定期間の使用後に定期的に保全や交換する必要がある。しかしながら、海中にある従来の海洋エネルギー発電装置の保全および交換は、非常に困難であり、莫大な費用を必要とする。一部の部品の破損であっても海洋エネルギー発電装置の全体を廃棄する必要があり、これは海洋エネルギー発電装置の莫大な費用を引き起こす1つの要因であり、また、従来の海洋エネルギー発電装置が大規模で商業化された操業を実現できない直接の要因である。
【0005】
水平軸水力発電装置(羽根車および発電装置を含む)の全体は水中にあるため、水平軸水力発電装置の保全と修復は難しく、費用も高くなってしまう。水平軸水力発電装置の発電効率は、垂直軸水力発電装置より良好であるにもかかわらず、水平軸水力発電装置はまだ商業化されていない。しかしながら、海洋エネルギー発電分野の技術者は、その保全と修復の方法の改善について見て見ぬふりをしている。
【0006】
さらに、従来の海洋エネルギー発電装置は、一般的に、1または2の水力発電装置を有する。しかしながら、1または2の水力発電装置を使用するので、出力を改善するために、羽根車の直径を大きくする必要があり、それによって大幅に羽根車の回転速度が低下し、ねじりトルクが増加するので、中心軸とギアボックスとの間の摩擦が増加し、中心軸とギアボックスの費用が高くなる。また、発電装置全体の規模が制限され、発電装置の費用は高くなり、これによって海洋エネルギー発電装置の開発が制限される。
【0007】
しかしながら、現在、海洋エネルギー発電分野における技術者は、単一の水力発電装置の発電力を改善するためにどのように水力発電装置の羽根車を拡張するか、またはどのように羽根車の羽根の構造を改善するかということのみに焦点を当てるという技術上の偏りがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、モジュール化された海洋エネルギー発電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、外枠と、少なくとも4つの内枠と、少なくとも4つの水力発電モジュールと、を有するモジュール化された海洋エネルギー発電装置を提供する。前記少なくとも4つの内枠は、取り外し可能なように前記外枠内に配置される。前記少なくとも4つの水力発電モジュールは、前記少なくとも4つの内枠内のそれぞれに配置される。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、前記水力発電モジュールは、前記水平軸水力発電装置を有し、前記水平軸水力発電装置の軸方向は水平面に対して平行である。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、前記モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、前記内枠または前記外枠に固定された少なくとも1つの水流偏向器をさらに有する。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記水流偏向器はシリンダー形状であり、前記水流偏向器の直径は徐々に減少する。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、前記内枠または前記外枠に軸方向対称に配置および固定された少なくとも8つの水流偏向器をさらに有し、前記水流偏向器は、前記水平軸水力発電装置の上流側および下流側に水流方向に沿ってそれぞれ配置される。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、少なくとも4つの取付軸をさらに有し、少なくとも1つの水平軸水力発電装置は、各々の取付軸に対応して取り付けられ、少なくとも1つの取付軸は、各々の内枠に対応して取り付けられる。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、前記モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、少なくとも4つの取付軸をさらに有し、少なくとも1つの水平軸水力発電装置は、各々の取付軸に対応して取り付けられ、少なくとも1つの取付軸は、各々の内枠に回転自在に取り付けられる。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、前記モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、前記取付軸を回転させるために駆動する前記取付軸に接続された駆動部をさらに有する。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記水力発電モジュールは、垂直軸水力発電装置を有し、前記垂直軸水力発電装置の軸方向は水平面に対して垂直である。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、前記モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、少なくとも1つの回転ドア型荷重調節モジュールをさらに有する。各回転ドア型荷重調節モジュールは、水誘導部と、ローラースピンドルと、ドライバと、を有する。水誘導部は、隣合わせで接続された少なくとも2つの水誘導板を有する。ローラースピンドルは、水誘導部の1つの端部に固定される。ドライバは、ローラースピンドルに接続され、水誘導部を展開または折り畳むように回転するローラースピンドルを駆動する。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、前記モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、前記内枠または前記外枠に配置された少なくとも2つの障壁をさらに有する。少なくとも2つの障壁は、前記水力発電モジュールの上流側および下流側に水流方向に沿ってそれぞれ配置される。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、前記モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、前記内枠または前記外枠に配置された少なくとも1つの水流制限板をさらに有する。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、前記モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、前記外枠に水平面に対して平行に配置された少なくとも1つの浮標プラットフォームをさらに有する。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、前記モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、前記外枠の2つの端部に配置された少なくとも2つの浮標部をさらに有し、各浮標部は水流方向に対して平行であり、水平面に対して垂直である。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、前記モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、ドラッギングリングおよびドラッグチェーンをさらに有し、ドラッギングリングは、前記外枠に配置され、ドラッグチェーンの一端は、ドラッグリングに配置される。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、前記モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、固定装置をさらに有し、前記固定装置は、基部と、固定部と、複数のアンカー杭とを備える。前記基部は、固定溝を有する。前記外枠は、前記固定部を介して前記基部の前記固定溝に固定される。前記アンカー杭のうち少なくとも1つは、前記基部を貫通して配置され、固定するために海底に挿入される。
【発明の効果】
【0025】
要約すると、本発明に係るモジュール化された海洋エネルギー発電装置は、少なくとも4つの組み込みモジュールを有し、水力発電モジュールは、配列内に分散させることができる。従来の海洋エネルギー発電装置と比較して、本発明において発電力は改善され、従来の海洋エネルギー発電装置の単一の水力発電装置を大規模にすることによって生じる高コストの問題が解決される。前記取り外し可能な内枠と前記外枠によって、モジュール化アセンブリおよび発電装置の交換を実現することができ、保全および設置の費用が大幅に削減され、従来の海洋エネルギー発電装置の大規模化および商業化できないという問題を克服する。
【0026】
水力発電モジュールが水平軸水力発電装置である場合には、回転自在な取付軸により、水流が流入する方向に関わらず、水平軸水力発電装置の羽根車が常に水流に対向するようにすることができ、それにより、最大発電力を確保することができる。このケースは、特に潮力エネルギーによる発電に適している。一実施形態によれば、複数の水平軸水力発電装置を取付軸に取り付けることができ、これにより発電力を大幅に向上させることができる。水平軸水力発電装置の羽根車がより大きな応力を受けて、より高速回転するように、水流は、水流偏向器により集中的に水平軸水力発電装置に誘導され、これにより発電効率を向上させることができる。好ましくは、水流偏向器は、水平軸水力発電装置の上流側および下流側に配置することができる。これにより、潮流が(例えば、満潮および干潮のように)方向を変えても、水流偏向器は、効果的に水流を誘導することができる。
【0027】
一実施形態によれば、回転ドア型荷重調節モジュールは、水力発電モジュールによって受ける負荷を調整することができる。したがって、モジュール化された海洋エネルギー発電装置により発電した電力を安定して出力し、直接使用することができ、それによって、従来の海洋エネルギー発電装置の出力電力が有する広域な変化や不安定性という問題を解決することができる。
【0028】
本発明の実施の形態におけるモジュール化された海洋エネルギー発電装置は、上流側および下流側に配置された少なくとも2つの障壁によって海中のゴミが水力発電モジュールに損傷を与えるのを防止し、それによって水力発電モジュールの耐用年数を延ばすことができる。
【0029】
本発明の実施形態において、水流制限板は、海中のゴミが水力発電モジュールに損傷を与えるのを防止し、他の方向の水流が水力発電モジュールと干渉するのを防止し、それによって発電モジュールの発電効率を向上させる。
【0030】
本発明の実施形態において、モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、浮標プラットフォームまたは浮標部を介してフローティング型内に固定してもよいし、固定装置を介して海底に固定することもできる。さらに、ドラッグリングとドラッグチェーンによって、モジュール化された海洋エネルギー発電装置を効果的に水中に固定でき、メンテナンスや修理にも好適である。
【0031】
本発明の他の特徴、態様、および利点について、添付の特許請求の範囲、および添付図面を用いて以下に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るモジュール化された海洋エネルギー発電装置の上面図である。
図2は、
図1の部分拡大図である。
図3は、
図1の正面断面図である。
図4は、
図3の部分拡大図である。
図1〜
図3を参照する。モジュール化された海洋エネルギー発電装置100は、外枠1と、少なくとも4つの内枠3と、少なくとも4つの水力発電モジュール4と、を有する。
【0034】
実施形態において、外枠1は、鋼で形成され、水流の抵抗を低減させるような設計になっている。したがって、外枠1は、軽量で、簡単な構成で、加工および製造が容易で、設置、調整および解体し易く、工学的用途に好適である。
【0035】
少なくとも4つの内枠3は、着脱可能に外枠1内に配置される。実施形態において、内枠3は、フックを有していてもよいし、外枠1は、スロットを有していてもよい。内枠3は、フックとスロットの係合を介して外枠1内に挿入される。しかしながら、本発明の内枠3と外枠1との間の固定形態は、これに限定されるものではない。
【0036】
本発明の実施形態において、水力発電モジュール4は、内枠3の配列された配置によって配列内に分散される。水力発電モジュール4の数を増加すれば、各水力発電モジュール4の羽根車を拡張する必要がなくなる。全体の発電装置の発電力を改善することによって、水力発電モジュール4の製造コストが大幅に低減され、水力発電モジュール4の耐用年数を延ばすことができ、従来技術の研究の優先事項がとして単一の水力発電装置を拡張することのみに焦点を当てていたという技術上の偏りを克服する。
【0037】
1つの内枠3と1つの水力発電モジュール4は、組み込みモジュールを形成する。言い換えれば、各組み込みモジュールは、1つの内枠3と、少なくとも1つの水力発電モジュール4と、を有する。実際の適用においては、まず水力発電モジュール4が内枠3に固定され、次に、少なくとも4つの内枠3が外枠1のそれぞれに固定され、それによって、モジュール化された設置と水力発電モジュール4の配列された分布を実現することができる。詳細には、組み込みモジュールは海岸で設置され、その後、組み込みモジュールは、海中で外枠1の中に取り付けられ、外枠1に固定され、それによって、設置工程を大幅に簡素化し、設置時間を削減し、さらに海中での設置困難性を低減することができる。
【0038】
第1の実施形態において、水力発電モジュール4は、水平軸水力発電装置を有し、水平軸水力発電装置の軸方向A2は、水平面Pに対して平行である。水平軸水力発電装置は、平行である羽根車41と、発電機42と、を有し、水平軸水力発電装置の軸方向A2は、水平軸水力発電装置の羽根車41の軸方向である。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。他の実施形態において、水力発電モジュール4は、垂直軸水力発電装置を有してもよく、垂直軸水力発電装置の軸の方向は、水平面に対して平行であってもよい。
【0039】
羽根車41と水平軸水力発電装置の発電機42は水中にあるため、水平軸水力発電装置に欠陥がある場合は、従来の海洋エネルギー発電装置を海中で保全する必要がある。この保全は困難であり、莫大な費用を必要とする。しかし、本発明の実施形態におけるモジュール化された海洋エネルギー発電装置100によれば、組み込みモジュールを保全や交換のために海中から直接的に摘出することができるので、それによって、大幅に保全費用を低減し、モジュール化された海洋エネルギー発電装置100の商業化の実現することができる。
【0040】
実施形態において、モジュール化された海洋エネルギー発電装置100は、少なくとも4つの取付軸2をさらに有し、少なくとも1つの水平軸水力発電装置は、取付軸2に対応して取り付けられ、少なくとも1つの取付軸2は、各内枠3に対応して取り付けられる。実施形態において、取付軸2の軸方向A1は、水平面Pに対して垂直である。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。他の実施形態において、取付軸2の軸方向A1は、水平面Pに対して平行であってもよい。1つの内枠3と、対応する取付軸2と、水平軸水力発電装置とは、組み込みモジュールを形成する。言い換えれば、各組み込みモジュールは、少なくとも1つの取付軸2と、少なくとも1つの水平軸水力発電装置を有する。実施形態において、内枠3の数は、取付軸2の数に等しく、水平軸水力発電装置の数はまた、取付軸2の数と等しい。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。他の実施形態において、1つの組み込みモジュールは、複数の取付軸2と、複数の水力発電モジュール4と、を有することができる。
【0041】
実施形態において、取付軸2は、回転自在に内枠3に取り付けられている。回転自在な取付軸2により、水平軸水力発電装置の羽根車41は、常に水流に対向するようにすることができ、それにより、最大発電力を確保することができる。満潮の水流方向と干潮の水流方向は反対なので、回転自在な取付軸2を有するモジュール化された海洋エネルギー発電装置100は、潮流エネルギー発電に特に適している。実施形態において、
図1に示すように、概して長方形断面の中央に桟31を有する長方形である。取付軸2の両端部は、回転自在に桟31に配置される。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。他の実施形態においては、取付軸2は、回転自在に内枠3に固定されなくてもよい。
【0042】
実施形態において、モジュール化された海洋エネルギー発電装置100は、駆動部5をさらに有し、駆動部5は取付軸2を回転するように駆動するために取付軸2に連結される。実施形態において、取付軸2の数に応じた駆動部5の数は、少なくとも4つである。各駆動部5は、モータ51と、駆動機構52と、を有する。駆動機構52は、取付軸2の一端(
図4では上端)に接続され、モータ51は、回転駆動機構52を介して取付軸2を回転させるために駆動する。本実施形態において、駆動機構52は、主駆動ギヤと、主駆動ギヤに従属する従属駆動ギヤと、を有する。モータ51は、主駆動ギヤを回転するように駆動し、それによって、従属駆動ギヤを回転するように駆動する。従属駆動ギヤのギヤ穴は、取付軸2の上端にしっかりと嵌合することにより、取付軸2を回転するように駆動する。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。他の実施形態において、駆動部は、モータと、減速機と、を有していてもよい。既存のモータは高速で回転するので、モータの回転速度は、減速機により大幅に減速され、取付軸2の回転速度および回転域を効果的かつ正確に制御することができる。
【0043】
実際の適用において、水流は、
図1の水流方向Dに沿ってモジュール化された海洋エネルギー発電装置100に流入し、駆動部5は動作しない。この時、水平軸水力発電装置の羽根車41は水流に対抗する。水流が水流方向D(
図1の上側から下側の方向)に沿ってモジュール化された海洋エネルギー発電装置100に流入すると、駆動部5は、取付軸2を回転するように駆動することによって、水平軸水力発電装置を180度回転するように駆動する。これにより、羽根車41は、下向きから上向きに変えられ、それにより、水平軸水力発電装置の羽根車41が常に水流に対抗することを確実にすることができる。このケースは、特に潮力エネルギーによる発電に適しており、最大発電力をさらに確実なものとすることができる。
【0044】
本実施形態において、水平軸水力発電装置は、2つの羽根車を有する1つの発電機、3つの羽根車を有する1つの発電機、4つの羽根車を有する1つの発電機、またはそれらの組み合わせであってもよい。しかしながら、本発明は、水平軸水力発電装置の羽根車41の数を限定するものではない。
【0045】
本実施形態では、モジュール化された海洋エネルギー発電装置100は、内枠3または外枠1に配置された少なくとも1つの水流制限板10をさらに有する。好ましくは、モジュール化された海洋エネルギー発電装置100は少なくとも2つの水流制限板10を有し、2つの水流制限板10は、内枠3または外枠1の2つの端部に配置される。詳細には、2つの水流制限板10を
図1に示すように外枠1の左側と右側に配置してもよい。水流制限板10を2つの端部に配置することによって、水流を可能な限り外枠1の中央に集中させることができ、水流が2つの端部から流れることを防止し、水流が直接的に羽根車41に流入できるようにし、羽根車41を回転するように駆動し、発電力を向上させる。しかしながら、水流制限板10の数や配置は、本発明において限定されるものではない。他の実施形態において、水流制限板10を外枠1の底部にさらに配置してもよい。
【0046】
さらに、海洋環境は複雑なので、水流の主方向は水流方向Dとその反対方向であるにもかかわらず、時には他の方向の水流が干渉することがある。2つの水流制限板10によって羽根車41への他の方向の水流の干渉を回避することができ、各羽根車41を一方向に沿って安定的に回転させるようにでき、これによって水力発電モジュール4の発電効率を向上することができる。さらに、水流制限板10によって、外枠1の緊密性を適切に向上させることができ、海中のゴミが外枠1内に侵入して水力発電モジュール4に損傷を与えることを防止する。
【0047】
図5は、本発明の第2の実施形態に係るモジュール化された海洋エネルギー発電装置の上面図である。
図6は、
図5の部分拡大図である。
図7は、
図5の正面断面図である。
図8は、
図7の部分拡大図である。
図5〜
図8を参照する。
【0048】
第2の実施形態において、外枠1の構成および機能、取付軸2、内枠3、水力発電モジュール4、および駆動部5は、第1の実施形態として記載されている。同一の構成要素は同一の符号によって示し、詳細な説明には記載しない。相違点のみを以下に説明する。
【0049】
本実施形態において、モジュール化された海洋エネルギー発電装置200は、内枠3または外枠1に固定された少なくとも1つの水流偏向器6をさらに有する。好ましくは、モジュール化された海洋エネルギー発電装置200は、内枠3または外枠1に軸方向対称に配置および固定された少なくとも8つの水流偏向器6をさらに有し、水流偏向器6は、水流方向Dに沿って水平軸水力発電装置の上流側および下流側にそれぞれ配置される。
【0050】
本実施形態において、水流偏向器6はシリンダー形状であり、水流偏向器の直径は徐々に減少する。詳細には、2つの水流偏向器6ごとに、水流偏向器6は、内枠3の中央にある桟31に沿う軸方向に対して対称である。
図6に示すように、上側に位置する水流偏向器6の直径は、上から下に向かって小さくなり、下側に位置する水流偏向器6の直径は、下から上に向かって小さくなる。水流偏向器6によって、水流は、中央に集められ水力発電モジュール4に誘導されるので、発電機の羽根車はより多くの負荷を受け、より高速に回転することにより、発電効率を向上させることができる。しかしながら、本発明において、水流偏向器6の数や形状はこれに限定されない。他の実施形態において、水流偏向器6は、正方形であってもよいし、直径はシリンダー状に減少させてもよい。
【0051】
本実施形態において、モジュール化された海洋エネルギー発電装置200は、外枠1に水平面に対して平行に配置された浮標プラットフォーム11をさらに有する。浮標プラットフォーム11は、固体浮力材料から作られ、主にモジュール化された海洋エネルギー発電装置200の全体に浮力を与えるために使用される。実際の適用においては、浮標プラットフォーム11は、外枠1全体の中間上部に配置され、海水面から約8メートル下に位置する。
【0052】
本実施形態において、モジュール化された海洋エネルギー発電装置200は、ドラッグリング81と、ドラッグチェーン82とをさらに有する。ドラッグリング81は、外枠1に配置され、ドラッグチェーン82の一端はドラッグリング81に配置される。詳細には、複数のドラッグリング81は外枠1に配置され、複数のドラッグチェーン82のそれぞれの一端はドラッグリング81を介して配置され、他端は海岸上の杭に固定される。好ましくは、4つ以上のドラッグリング81を有し、そのうち4つを外枠1の四隅のそれぞれに配置する。ドラッグリング81とドラッグチェーン82の配置によって、モジュール化された海洋エネルギー発電装置200は水中に固定され、保全や修復にも好適である。
【0053】
図9は、本発明の第3の実施形態に係るモジュール化された海洋エネルギー発電装置の上面図である。
図10は、
図9の正面断面図である。
図11は、本発明の第3の実施形態に係るモジュール化された海洋エネルギー発電装置の障壁を示す概略図である。
図9〜
図11を参照する。
【0054】
第3の実施形態において、外枠1の構造および機能、取付軸2、内枠3、水力発電モジュール4、水流偏向器6、ドラッグリング81、およびドラッグチェーン82は、第2の実施形態として記載されている。同一の構成要素は同一の符号によって示す。したがって、詳細な説明には記載しない。相違点のみを以下に説明する。
【0055】
本実施形態において、モジュール化された海洋エネルギー発電装置300は、外枠1の2つの端部に配置された少なくとも2つの浮標部12をさらに有する。各浮標部12は、水流方向Dに対して平行であり、水平面Pに対して垂直である。本実施形態において、各浮標部12は、固定浮標121と、調整浮標122と、を有する。固定浮標121によって与えられる浮力は不変である。調整浮標122は、調整浮標122の浮力を調整するために内部の空気量や水分量を調整することもでき、それによってモジュール化された海洋エネルギー発電装置300全体の水深を制御する。
【0056】
本実施形態において、調整浮標122は、固定浮標121に平行である。モジュール化された海洋エネルギー発電装置300を用いる場合には、調整浮標122は、固定浮標121と比較して水平面Pから遠く離れた外枠1の一方の端部に配置される。詳細には、
図10に示すように、調整浮標122は固定浮標121の下に配置され、調整可能であり、調整浮標122と固定浮標121は、同一線上に沿って分布している。調整浮標122の浮力は調節可能であり、調整浮標122は頂部でなく底部に配置されるので、モジュール化された海洋エネルギー発電装置300の水深を効果的かつ迅速に調整することができ、それによってモジュール化された海洋エネルギー発電装置300全体の設置および保全がより簡便となる。
【0057】
本実施形態において、内枠3の数は6つであり、浮標部12の数は4つである。浮標部12のうち2つは外枠1の左右両側に配置され、他の2つの浮標部12は2つの隣接する内枠3の間に配置される。したがって、浮標部12は、外枠1の2つの端部に配置されるのみならず、外枠1の中央にも配置される。そのため、海中のモジュール化された海洋エネルギー発電装置の位置300がより安定するように、モジュール化された海洋エネルギー発電装置300全体により負担される浮力の分布は、より均一である。しかしながら、本発明に係る内枠3の数および浮標部12の数はこれに限定されない。
【0058】
本実施形態では、2つの水平軸水力発電装置ごとに取付軸2に取り付けられている。
【0059】
本実施形態において、モジュール化された海洋エネルギー発電装置300は、少なくとも2つの障壁111をさらに有する。2つの障壁111(
図9に図示せず)は、内枠3または外枠1に配置される。少なくとも2つの障壁111は、水流方向Dに沿って水力発電モジュール4の上流側と下流側のそれぞれに配置される。障壁111は、水流方向Dに垂直であり、水平面Pに対して垂直である。実施形態において、2つの障壁111は内枠3と、外枠1との間に固定される。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。他の実施形態において、障壁111は、外枠1の外側に配置してもよく、外枠1の上流側および下流側に配置してもよい。障壁111により、海中のゴミが水力発電モジュール4内に引き込まれることを効果的に防止することができ、それによって水力発電モジュール4を保護し、水力発電モジュール4の耐用年数を延ばすことができる。
図11に示すように、障壁111は、格子線状である。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
【0060】
図12は、本発明の第4の実施形態に係るモジュール化された海洋エネルギー発電装置の上面図である。
図13は、本発明の第4の実施形態に係るモジュール化された海洋エネルギー発電装置の回転ドア型荷重調節モジュールの正面図である。
図14は、
図13の部分拡大図である。
図15は、
図13の側面図である。
図16は、
図15の部分拡大図である。
図12〜
図16を参照する。
【0061】
第4の実施形態において、外枠1の構造および機能、内枠3、障壁111、浮標部12、ドラッグリング81、およびドラッグチェーン82は、第3の実施形態として記載されており、同一の構成要素は同一の符号によって示す。したがって、詳細な説明には記載せず、相違点のみを以下に説明する。
【0062】
本実施形態において、水力発電モジュール4’は、垂直軸水力発電装置であり、垂直軸水力発電装置の軸の方向は水平面に対して垂直である。4つの水力発電モジュール4’は、1つの内枠3に配置される。しかしながら、本発明において内枠内の水力発電モジュール4’の詳細な数および型は、これに限定されるものではない。
【0063】
モジュール化された海洋エネルギー発電装置400は、少なくとも1つの回転ドア型荷重調節モジュール6’をさらに有し、各回転ドア型荷重調節モジュール6’は、水誘導部61と、ローラースピンドル62と、ドライバ63と、を有する。水誘導部61は、隣合わせで接続された少なくとも2つの水誘導板611を有する。本実施形態において、水誘導板611の数は、さらに多い。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。水誘導板611の数は、少なくとも2つであり、水平面に垂直な方向に沿って各水誘導板611の長さを効果的に短くし、水流の衝撃に対する水誘導板611の抵抗を増加させる。垂直方向に沿う水誘導板611の長さが長すぎると、水流の衝撃が大きいため、水誘導板611が容易に変形して、真ん中で壊れることさえある。
【0064】
ローラースピンドル62は、水誘導部61の一端Eに固定される。ドライバ63は、ローラースピンドル62に接続され、ドライバ63は、水誘導部61を展開または折り畳むように回転するローラースピンドル62を駆動する。本実施形態において、水誘導板611の断面は反っている、つまり、水誘導板611は反った板である。そのため、ローラースピンドル62は、水誘導部61を折り畳み、水誘導板611は、スペースを小さくするために、さらにローラースピンドル62に取り付けられる。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
【0065】
本実施形態において、ローラースピンドル62の軸方向は、水平面に対して平行である。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。他の実施形態において、ローラースピンドル62は、水平面に対して垂直であってもよく、外枠1に配置されてもよい。本発明において、ローラースピンドル62の配置位置はこれに限定されるものではない。
【0066】
本実施形態において、水誘導モジュール6’は、少なくとも2つの誘導レール64をさらに有し、2つの誘導レール64は、ローラースピンドル62と同じ側に平行に配置される。ローラースピンドル62は、水誘導部61を展開したとき、水誘導部61の他端Fの2つの端部は、2つの誘導レール64のそれぞれに挿入される。本実施形態において、1つの水誘導部61は、3つの誘導レール64に対応し、そのうちの2つは、水誘導部61の2つの端部に配置され、他の誘導レール64は、水誘導部61の中央に配置される。しかしながら、本発明において、誘導レール64の数はこれに限定されるものではない。水誘導部61の一端Eは、ローラースピンドル62との接続を介して固定されており、水誘導部61の他端Fは誘導レール64を介して間隔を空けるために使用される。水誘導部61の2つの端部は、それぞれ間隔が空けられるので、展開された水誘導部61は、水流を停止または誘導するための「保護障壁」を形成するために、完全に展開することができる。
【0067】
本実施形態において、水誘導モジュール6’は、少なくとも1つの連結軸65と、少なくとも2つのローラー66と、をさらに有する。少なくとも2つの水誘導板611は、連結軸65を介して接続され、ローラー66は連結軸65の両端にスリーブのように取り付けられている。ローラースピンドル62が水誘導部61を展開する場合には、水誘導部61の他端Fの2つの端部は、それぞれ2つの誘導レール64の中に入り、2つのローラー66は、2つの誘導レール64にそれぞれスライドする。本実施形態において、連結軸65の数は、水誘導板611の数に比べて1つ少なく、各連結軸65は、3つのローラー66に対応し、ローラー66の数は、誘導レール64の数に対応する。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
【0068】
本実施形態において、各水誘導板611は、それぞれ2つの端部に凹凸の穴を有し、隣接する2つの水誘導板611の端部は、互いに嵌合することができる。連結軸65は、水誘導板611を接続するための穴を貫通する。連結軸65は、水誘導板611と接続され、各水誘導板611が方向を変更するために回転自在であることを可能にする。したがって、水誘導部61が折り畳まれる場合、ローラースピンドル62の周りに折り畳まれることができる。水誘導部61が展開される場合、複数の水誘導板611は、ほぼ全体的に一直線上に配置され、さらに効果的に水流を停止または誘導する「保護障壁」を形成する。ローラースピンドル62は、連続的に水誘導部61を展開するように、ローラー66は、
図15に示すように誘導レール64に沿って上から下へ回転し、水誘導部61をさらに展開する。ローラー66は、2つの誘導レール64に挿入するために水誘導部61の他端Fの2つの端部を効果的に誘導し、さらに効果的に他端Fを固定する。
【0069】
本実施形態において、水誘導板611と、水流方向Dとの間の角度は、0度より大きく90度よりも小さい。したがって、本発明の実施形態に係る水誘導モジュール6’は、水流を停止および誘導することができる。
【0070】
詳細には、水流が小さい場合、ドライバ63は、下流の水誘導板611を完全に折り畳み、上流の水誘導板611を保護障壁を形成するために完全に展開するようにローラースピンドル62を駆動し、さらに羽根車の抵抗側に水流が流入するのを効果的に停止し、上流の水流を羽根車の可動側に誘導する。すなわち、水流は、水力発電モジュール4’の羽根車の凹部に垂直な方向に誘導され、それによって、水力発電モジュール4’に対する水流の衝撃を増加させて発電機の発電力を向上する。水流の高速化により発電力が広域な変化を有する場合、ドライバ63は、上流の水誘導板611を折り畳み、下流の水誘導板611を部分的に展開するためにローラースピンドル62を駆動し、水力発電モジュール4’の抵抗側に水流が流入し、それによって効果的に水力発電モジュール4’の羽根車の高速回転を減速し、発電力を安定化できる。
【0071】
したがって、本実施形態のモジュール化された海洋エネルギー発電装置400の回転ドア型荷重調節モジュール6’によると、水流が大きい場合、水力発電モジュール4’の出力を下げるために水流を停止するように上流の水誘導板611は折り畳まれ、下流の水誘導板611は部分的に展開される。水流が小さい場合、上流の水誘導板611は完全に展開され、水力発電モジュール4’の羽根車の凹部に垂直な方向に流れる水流を効果的に誘導し、それによって水力発電モジュール4’に対する水流の衝撃を増加させ、水力発電モジュール4’の回転を増加させ、発電力を向上させる。したがって、モジュール化された海洋エネルギー発電装置300により発電した電力を安定して出力し、直接使用することができ、それによって、従来の海洋エネルギー発電装置の出力電力が有する広域な変化や不安定性という問題を解決することができる。
【0072】
現在、世界中の水平軸水力発電装置モジュールまたは垂直軸水力発電モジュールを使用した海洋エネルギー発電装置の最大発電力はわずか1.2MWである。しかしながら、モジュール化された海洋エネルギー発電装置(全体で16つの水力発電モジュール)の発電力は、5MWに達することができる。このように、従来の海洋エネルギー発電装置が低い発電力を有し、商業化できないという問題は、完全に克服され、従来技術において単一の水力発電装置を拡張することのみに焦点を当てていたという技術上の偏りをも解決する。
【0073】
他の実施形態において、水力発電モジュール4’は、水平軸水力発電装置であり、回転ドア型荷重調節モジュール6’の水誘導板611と水流方向Dとの間の角度は90度であってもよい。水平軸水力発電装置のすべての羽根車が力を受けているため、水流の速度が速い場合、ドライバ63は、下流の水誘導板611を折り畳み、上流の水誘導板611を展開するようにローラースピンドル62を駆動し、効果的に水平軸水力発電装置に流入する水流を停止するための保護障壁を形成し、それにより、発電力の不安定性の発生による急激な発電力の上昇や直接出力できないことを防止する。水流の速度が遅いとき、ローラースピンドル62は、水誘導板611を折り畳むことができ、それにより水流が水平軸水力発電装置に流入することを可能にする。
【0074】
図17は、本発明の第5の実施形態に係るモジュール化された海洋エネルギー発電装置の上面図である。
図18は、
図17の正面断面図である。
図19は、
図17の側面断面図である。
図17〜
図19を参照する。本実施形態において、外枠1の構造および機能、取付軸2、内枠3、水力発電モジュール4、および水流偏向器6は、第3の実施形態として記載されているので、同一の構成要素は同一の符号によって示す。したがって、詳細な説明には記載せず、相違点のみを以下に説明する。本実施形態において、取付軸2は、内枠3に固定される。
【0075】
本実施形態において、モジュール化された海洋エネルギー発電装置500は、固定装置9をさらに有し、固定装置9は、基部91と、固定部92と、複数のアンカー杭93と、を備える。基部91は、固定溝912を有する。外枠1は、固定部92を介して基部91の固定溝912に固定される。アンカー杭93のうちの少なくとも1つは、基部91を介して配置され、固定するために海底20に挿入される。
【0076】
本実施形態において、基部91は、複数の不動空間911を有する鉄筋コンクリート基盤であり、不動空間911の断面積(水平面に平行な断面)は、各アンカー杭93の径方向断面積よりも大きく、コンクリートは、不動空間911とアンカー杭93との間の隙間に注がれ、充填される。実際の適用において、基部91は鉄筋コンクリート枠を形成するために予め製造された後、海に吊り下げられる。その後、各々のアンカー杭93は、不動空間911を通って海底20に入ることができ、最後に次のアンカー杭93を固定するためにコンクリートは不動空間911に注がれる。大きい断面積を有する複数の不動空間911を介して、基部91は、複数の「空間」または「空洞」を有する枠である。したがって、基部91の重量を大幅に低減することができ、基部91を海に吊り下げることに好適であり、これにより設置が容易となる。
【0077】
本実施形態において、固定溝912の軸方向は、水平面に対して平行であり、水流方向に垂直である。本実施形態において、固定溝912は矩形溝であり、基部91の上部に配置される。固定溝912の底部は基部91の上面よりも低くなっている。本実施形態において、固定溝912の幅は、外枠1の幅よりも大きく、外枠1を配置することができる。基材91の表面に配置された固定溝912を介して、モジュール化された海洋エネルギー発電装置500の位置を固定することができ、それによって、潮流の莫大な衝撃によって容易に偏向されるという従来技術の発電機の問題を克服する。したがって、本発明の実施形態におけるモジュール化された海洋エネルギー発電装置500は、潮流エネルギーの最大活用を確保することで発電効率を向上させるために、常に潮流に直面することができる。
【0078】
実際の適用においては、基部91の重量および体積を低減するために、基部91は3つの取り外し可能な部品を有する。固定部92は、複数のチェーン921と、複数のリング922と、を有し、リング922の一部は、外枠1を固定せずに2つの基部91に固定され、他のリング922は、外枠1に固定される。各チェーン921の2つの端部は、基部91上のリング922および外枠1上のリング922にそれぞれ接続される。本実施形態において、チェーン921とリング922は、外枠1の2つの端部に対称的に配置され、外枠1は、固定を維持するために2つの端部から引張力を受けることができる。したがって、満潮や干潮に関わらず、外枠1は、全体のモジュール化された海洋エネルギー発電装置500が発電効率を向上させるために潮流の衝撃に直面できるように、さらに安定状態を維持することができる。一実施形態において、チェーン921はドラッグチェーンまたは剛性プルロッドであってもよい。
【0079】
本実施形態において、固定装置9は、誘導枠94をさらに有する。実際の適用では、基部91は、まず、海底20に吊り下げられ、その後、外枠1は基部91の固定溝912に入れられる。水平面に対して垂直な誘導枠94の1つの端部は、外枠1が正確に固定溝912に入るように誘導することができる。誘導枠94の上面は、水平面から露出しており、基部91が誘導枠94を介して水平に配置される際に、取り付ける人が容易に観測することができる。
【0080】
図20は、本発明の第6の実施形態に係るモジュール化された海洋エネルギー発電装置の側面断面図である。第6の実施形態において、外枠1の構造および機能、取付軸2、内枠3、および水力発電モジュール4は、第5の実施形態として記載されている。したがって、詳細な説明では説明しない。同一の構成要素は同一の符号によって示す。相違点のみを以下に説明する。
【0081】
本実施形態において、固定装置9’は、基部91と、固定部92’と、複数のアンカー杭93と、を有する。固定器92’は、梁で、梁の一端は、基部91に挿入され、他端は、外枠1の高さ方向に沿って延びる。好ましくは、梁は、鋼梁ベースである。本実施形態において、梁の断面は、直角三角形であり、梁の1つの直角の角は、コンクリートを介して基部91に挿入され、固定されており、他の直角の角は外枠1の高さ方向に平行である。矩形は、最も安定した構造である。本実施形態において、固定部92’は、外枠1の2つの端部に対称的のそれぞれに配置されており、それによって外枠1は、2つの方向に安定して固定される。したがって、満潮または干潮に関わらず、外枠1は安定を保つことができ、モジュール化された海洋エネルギー発電装置の全体が潮流の衝撃に直面することができ、それによって発電効率を改善することができる。本発明において、梁の高さ方向に沿う直角の角の長さはこれに限定されるものではない。
【0082】
図21は、本発明の第7の実施形態に係るモジュール化された海洋エネルギー発電装置の側面断面図である。第6の実施形態と第7の実施形態との相違点は、第7の実施形態における固定装置9”がコンクリートブロックであることである。本実施形態において、コンクリートブロックの高さは、モジュール化された海洋エネルギー発電装置の外枠1の高さの半分よりも大きい。しかしながら、本発明において、コンクリートブロックの高さは、これに限定されるものではない。
【0083】
要約すると、本発明の実施形態においてモジュール化された海洋エネルギー発電装置は、少なくとも4つの組み込みモジュールを有し、水力発電モジュールは、配列内に分散させることができる。従来の海洋エネルギー発電装置と比較して、本発明において発電力は改善され、従来の海洋エネルギー発電装置の単一の水力発電装置を大規模にすることによって生じる高コストの問題が解決される。取り外し可能な内枠と外枠によって、モジュール化アセンブリおよび発電装置の交換を実現することができ、保全および設置の費用が大幅に削減され、従来の海洋エネルギー発電装置が大規模化および商業化できないという問題を克服する。
【0084】
水力発電モジュールが水平軸水力発電装置である場合には、回転自在な取付軸により、水流が流入する方向に関わらず、水平軸水力発電装置の羽根車が常に水流に対向するようにすることができ、それにより、最大発電力を確保することができる。このケースは、特に潮力エネルギーによる発電に適している。一実施形態によれば、複数の水平軸水力発電装置を取付軸に取り付けることができ、これにより発電力を大幅に向上させることができる。水平軸水力発電装置の羽根車がより大きな応力を受けて、より高速回転するように、水流は、水流偏向器により集中的に水平軸水力発電装置に誘導され、これにより発電効率を向上させることができる。好ましくは、水流偏向器は、水平軸水力発電装置の上流側および下流側に配置することができる。これにより、潮流が(例えば、満潮および干潮のように)方向を変えても、水流偏向器は、効果的に水流を誘導することができる。
【0085】
一実施形態によれば、回転ドア型荷重調節モジュールは、水力発電モジュールが受ける負荷を調整することができる。したがって、モジュール化された海洋エネルギー発電装置により発電した電力を安定して出力し、直接使用することができ、それによって、従来の海洋エネルギー発電装置の出力電力が有する広域な変化や不安定性という問題を解決することができる。
【0086】
本発明の実施形態において、モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、これにより、水力発電モジュールの耐用年数を延長させる、上流側と下流側に配置された少なくとも2の障壁を介して水力発電モジュールを損傷海にゴミを防ぐことができます。
【0087】
本発明の実施の形態におけるモジュール化された海洋エネルギー発電装置は、上流側および下流側に配置された少なくとも2つの障壁によって海中のゴミによる水力発電モジュールの損傷を防止し、それによって水力発電モジュールの耐用年数を延ばすことができる。
【0088】
本発明の実施形態において、モジュール化された海洋エネルギー発電装置は、浮標プラットフォームまたは浮標部を介してフローティング型内に固定してもよいし、固定装置によって海底に固定することもできる。さらに、ドラッグリングとドラッグチェーンによって、モジュール化された海洋エネルギー発電装置を効果的に水中に固定でき、メンテナンスや修理にも好適である。
【0089】
本発明を特定の好ましい実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本開示は、本発明の範囲を限定するものではない。当該技術分野における通常の知識を有する者が本発明の範囲および要旨から逸脱することなく様々な修正および改変を行うことができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、上述の好ましい実施形態の記載に限定されるものではない。