(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5952489
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】ソーシャルメディアによる製品の予約
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20120101AFI20160630BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20160630BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
G06Q30/06 304
【請求項の数】20
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-509130(P2015-509130)
(86)(22)【出願日】2013年4月25日
(65)【公表番号】特表2015-523618(P2015-523618A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(86)【国際出願番号】US2013038173
(87)【国際公開番号】WO2013163397
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2014年12月19日
(31)【優先権主張番号】61/638,365
(32)【優先日】2012年4月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/648,781
(32)【優先日】2012年5月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パコルケ ティム
(72)【発明者】
【氏名】ビーバーニー ヤーハン
(72)【発明者】
【氏名】テイラー チェーズ ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ミラー サニー
(72)【発明者】
【氏名】マクパイク ジェフ
【審査官】
山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−301954(JP,A)
【文献】
特開2009−176278(JP,A)
【文献】
特開平11−161695(JP,A)
【文献】
特開2003−58757(JP,A)
【文献】
中村勇介,"ソーシャルコマース、国産ツール充実 ヤマサ、良品計画など開設も相次ぐ",日経デジタルマーケティング,日経BP社,2011年 9月25日,第48号,p.28
【文献】
寺西廣記,foursquareプロモーション 位置情報SNSを使って店舗の販促を行うノウハウ,佐々木幹夫/株式会社翔泳社,2011年11月11日,初版第1刷,pp.77-89
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入手可能性が限られた製品を予約する方法であって、
製品予約プラットフォームを通じて、製品に対する予約の受付け可能性を告知するメッセージが配信される期間を複数の消費者に告知し、
前記期間内における前記複数の消費者に知られていない特定の時点において、前記製品予約プラットフォームが前記メッセージを前記複数の消費者に配信し、
前記複数の消費者による前記メッセージの受領後に、前記製品予約プラットフォームが前記複数の消費者の少なくとも1人から予約リクエストを受信し、
前記予約リクエストが第1所定リクエスト構文に従っていると前記製品予約プラットフォームが判断し、
前記判断に基づいて、製品予約を成立させるかを判断するために、前記製品予約プラットフォームが演算装置において前記予約リクエストを処理し、
前記複数の消費者の少なくとも1人のうち第1消費者に対して前記製品予約を成立させるとの判断に基づき、前記製品予約プラットフォームが当該第1消費者に製品予約を成立させる、
方法。
【請求項2】
前記期間は、ソーシャルネットワークサービスを通じて告知される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メッセージは、製品予約の成立を得るために予約リクエストにおいて必要とされる情報を特定する、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記メッセージは、前記製品の購入を処理するウェブサイトを特定する、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
予約リクエスト収集モジュールが、前記予約リクエストを前記ソーシャルネットワークサービスから収集する、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記予約リクエストの処理を行なうにあたって、前記製品予約プラットフォームにおいて、前記予約リクエストにより受信した少なくとも1つの製品属性を、在庫商品と比較する、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記製品予約プラットフォームが、ソーシャルネットワークサービスを通じて前記メッセージを前記複数の消費者に配信する、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記製品予約プラットフォームが、ソーシャルネットワークサービスにおけるダイレクトメッセージとして、少なくとも第1予約リクエストを受信する、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記製品予約プラットフォームが、前記ダイレクトメッセージの第1コンテンツをプロセッサにおいて処理し、
前記製品予約プラットフォームが、前記第1コンテンツの少なくとも一部に基づいて、前記製品予約プラットフォームにおいて第1製品の入手可能性を判断し、
前記製品予約プラットフォームが、前記第1製品の入手可能性に係る判断に基づいて、前記第1予約リクエストを製品予約キャンペーンモジュールに送信する、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記期間は、24時間の期間と2日間の期間の少なくとも一方を含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
入手可能性が限られた製品を予約する方法であって、
製品予約プラットフォームを通じて、製品に対する予約の受付け可能性を告知するメッセージが配信される期間を複数のエンドユーザに告知し、
前記期間内における前記複数のエンドユーザに知られていない特定の時点において、前記製品予約プラットフォームが前記メッセージを、複数の電子機器に配信し、
前記複数の電子機器による前記メッセージの受領の応答として、前記製品予約プラットフォームが当該複数の電子機器の少なくとも一部から予約リクエストを受信し、
製品予約を成立させるかを判断するために、前記製品予約プラットフォームが演算装置において前記予約リクエストを受信順に処理し、
特定のエンドユーザに対して前記製品予約を成立させるとの判断に基づき、前記製品予約プラットフォームが当該エンドユーザに製品予約を成立させる、
方法。
【請求項12】
製品提供者によって告知された期間内における複数の消費者に知られていない特定の時点において、製品に対する予約の受付け可能性を告知するメッセージを、当該複数の消費者に配信開始する製品予約キャンペーンモジュールと、
前記複数の消費者による前記メッセージの受領後に、前記複数の消費者の少なくとも1人から予約リクエストを受信する予約リクエスト収集モジュールと、
前記予約リクエストが第1所定リクエスト構文に従っていると判断する予約リクエスト処理モジュールと、
を備えており、
前記製品予約キャンペーンモジュールは、製品予約を成立させるかを判断するために、前記予約リクエストを処理し、
前記製品予約キャンペーンモジュールは、前記複数の消費者の少なくとも1人のうち第1消費者に対して前記製品予約を成立させるとの判断に基づき、当該第1消費者に製品予約を成立させる、
製品予約システム。
【請求項13】
前記製品予約キャンペーンモジュールは、ソーシャルネットワークサービスを通じて、前記期間の告知と前記メッセージの配信開始を行なう、
請求項12に記載の製品予約システム。
【請求項14】
前記メッセージは、製品予約の成立を得るために予約リクエストにおいて必要とされる情報を特定し、
前記予約リクエスト処理モジュールは、前記予約リクエストが前記情報を含んでいるとき、前記製品予約を成立させると判断し、
前記予約リクエスト処理モジュールは、前記予約リクエストが前記情報を含んでいないとき、前記製品予約を成立させないと判断する、
請求項13に記載の製品予約システム。
【請求項15】
前記メッセージは、前記製品の購入を処理するウェブサイトを特定可能である、
請求項14に記載の製品予約システム。
【請求項16】
前記予約リクエスト処理モジュールは、前記予約リクエストにより受信した少なくとも1つの製品属性を、在庫商品と比較する、
請求項12に記載の製品予約システム。
【請求項17】
前記製品予約キャンペーンモジュールは、前記メッセージの配信日以前に、少なくとも1つの宣伝広告メッセージを、前記複数の消費者に配信する、
請求項12に記載の製品予約システム。
【請求項18】
前記予約リクエスト収集モジュールは、ソーシャルネットワークサービスにおけるダイレクトメッセージとして、前記予約リクエストを受信する、
請求項12に記載の製品予約システム。
【請求項19】
前記期間は、24時間の期間と2日間の期間の少なくとも一方を含んでいる、
請求項12に記載の製品予約システム。
【請求項20】
前記製品予約キャンペーンモジュールは、第一種に係る第一メディアチャネルを通じて前記メッセージを配信し、
前記予約リクエスト収集モジュールは、前記第一種とは異なる第二種に係る第二メディアチャンネルを通じて前記予約リクエストを受信する、
請求項12に記載の製品予約システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「製品の予約」を発明の名称とし、2012年4月25日に提出された米国特許仮出願61/638,365、および「ソーシャルメディアによる製品の予約」を発明の名称とし、2012年5月18日に提出された米国特許仮出願61/648,781の優先権の利益を主張するものである。その内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0002】
商店にとって、入手可能性が限られた製品を販売することは普通である。例えば、会社や商店は、コレクターによって求められる限定版の製品を製造できる。初期製品提供の一部である新製品を販売している商店は、入手可能な製品数よりも多くの消費者が存在する事態を経験することがある。入手可能性が限られた製品を求める消費者らは、オフライン店舗に長時間列をなして待つことがある。開店前に何時間も店舗の外に居座り、入手可能性が限られた製品の入手を望む消費者もいる。イベントやサービスを予約しようとする消費者にも同様のことが言える。
【0003】
入手可能性が限られた製品の入手を望んで長い行列に並ぶことは、消費者にとってネガティブな購買経験となりうる。消費者が荒天下でオフライン店舗の外で待つ場合は、なおさらである。もちろん、待っても商品を入手できずに去る消費者がいる。ネガティブな購買経験は、消費者らを、将来的に特定の商店や製造業者から商品を買いたくないという気持ちにさせうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、入手可能性が限られた製品と消費者をマッチングさせる改善されたシステムおよび方法に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の記載は、開示内容の幾つかの態様についての基本的理解を提供するための簡潔なサマリである。当該サマリは、開示の全容を示すものではない。開示内容にとって重要な要素を特定したり、開示内容の範囲を画定したりすることは意図していない。以下のサマリは、後に続く詳細な説明の前置きとして、開示内容に係る幾つかの概念を、簡潔に示しているに過ぎない。
【0006】
入手可能性が限られた製品、サービス、およびイベントの少なくとも1つを予約するシステムおよび方法が提供される。ソーシャルネットワーキングサービスが、入手可能性が限られた製品、サービス、あるいはイベントの入手可能性の告知に用いられうる。当該告知は、消費者らが知らない間になされうる。消費者らは、当該告知に対してソーシャルネットワークを介して応答でき、当該入手可能性が限られた製品、サービス、あるいはイベントに対して仮想の行列を作りうる。実施形態によっては、消費者は、告知に応答して製品、サービス、あるいはイベントを予約できる。例えば、50個だけの製品が入手可能な場合、50人の消費者のみが列に並ぶことができる。
【0007】
いくつかの実施形態の少なくとも一部は、例えば、コンピュータにより実行可能な命令群あるいはモジュール群を保存することにより、あるいはコンピュータにより読み取り可能なデータ構造を利用することにより、コンピュータ読み取り可能な媒体上で実現されうる。
【0008】
もちろん、上記の実施形態に係る方法およびシステムは、他の要素、ステップ、コンピュータにより実行可能な命令群、あるいはコンピュータにより読み取り可能なデータ構造を追加的に含みうる。
【0009】
上記および他の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。その他の特徴や利点は、明細書、図面、および特許請求の範囲より明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示は、添付の図面に示された例示に限られるものではない。当該図面において、同じ参照符号は、同様の要素を示している。
【0011】
【
図1】本開示に係る態様の幾つかを実現するために用いられうる演算装置の例を示す図である。
【
図2】実施形態例に係る製品予約システムの実現に用いられうるインフラを示す図である。
【
図3】実施形態例に係る製品予約処理を示す図である。
【
図4】本開示に係る態様の幾つかを実現するために用いられうる製品予約システムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
様々な実施形態についての以下の記載においては、発明が実施される様々な形態が説明を通じて示されるとともに、記載の一部をなす添付の図面が参照される。その他の実施形態が利用されうること、および構造的および機能的な変更が本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて可能であることは明らかである。開示中の見出しは、当該開示の態様を限定するとみなされるべきではない。本開示により恩恵を受ける当業者は、実施形態例が当該見出しの例に限定されないことを理解するであろう。
【0013】
図1は、本開示に係る態様の幾つかを実現するために用いられうるコンピュータ102の例を示している。コンピュータ102は、演算ユニット104を含みうる。演算ユニット104は、少なくとも1つの処理ユニット106を備えうる。処理ユニット106は、ソフトウェア命令群を実行する処理装置であれば、その種別は問わない。処理ユニット106は、例えば、マイクロプロセッサ装置である。コンピュータ102は、様々な非一時的かつコンピュータにより読み取り可能な媒体(システムメモリ108など)を含みうる。システムメモリ108は、RAM110のようなランダムアクセスメモリ(RAM)とROM112のような読み出し専用メモリ(ROM)の少なくとも一方を、少なくとも含みうる。システムメモリ108は、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)やフラッシュメモリなどのメモリ技術、CD−ROMやデジタル多目的ディスク(DVD)などの光ディスクストレージ、磁気ストレージ装置など、所望の情報の保存に用いられ、コンピュータ102によりアクセス可能な媒体のいずれかでありうる。
【0014】
処理ユニット106とシステムメモリ108は、別のメモリストレージに直接あるいは間接的に接続されうる。別のメモリストレージの例としては、ハードディスクドライブ116、リムーバブル磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ118、およびフラッシュメモリカードが挙げられる。また、処理ユニット106とシステムメモリ108は、少なくとも1つの入力装置120、および少なくとも1つの出力装置122に直接あるいは間接的に接続されうる。出力装置122は、例えば、表示装置136、テレビジョン、プリンタ、ステレオ、スピーカを含みうる。実施形態によっては、少なくとも1つの表示装置が眼鏡に内蔵されうる。眼鏡に内蔵された表示装置は、ユーザにフィードバックを提供できる。また、少なくとも1つの表示装置を内蔵した眼鏡は、携帯表示システムを提供できる。入力装置120は、例えば、キーボード、タッチスクリーン、遠隔制御パッド、ポインティング装置(マウス、タッチパッド、スタイラス、トラックボール、ジョイスティックなど)、スキャナ、カメラ、マイクを含みうる。
【0015】
コンピュータ102、演算ユニット104などの電子装置の少なくとも1つは、少なくとも1つのネットワークインターフェースに直接あるいは間接的に接続されうる。ネットワークインターフェースの例としては、ネットワーク132のようなネットワークと接続するインターフェース130が挙げられる。
図1に示した例においては、ネットワークインターフェース130は、ネットワークアダプタまたはネットワークインターフェースカード(NIC)を備えうる。ネットワークアダプタまたはNICは、演算ユニット104からのデータおよび制御信号を、少なくとも1つの通信プロトコルに基づくネットワークメッセージに変換するように構成されている。通信プロトコルの例としては、伝送制御プロトコル(TCP)、インターネットプロトコル(IP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)が挙げられる。これらのプロトコルは、本技術分野において周知であるため、詳細な説明は省略する。インターフェース130は、ネットワークに接続するためのあらゆる接続エージェントを使用しうる。接続エージェントの例としては、無線送信器、電力線アダプタ、モデム、イーサネット(登録商標)接続が挙げられる。しかしながら、ネットワーク132は、少なくとも1つの情報配信ネットワークでありうる。情報配信ネットワークは、インターネット、イントラネット、クラウド、LANのような、あらゆる種別あるいはトポロジーの単体ネットワークあるいは複合ネットワークである。ネットワークは、本技術分野において周知であるため、詳細な説明は省略する。ネットワーク132は、少なくとも1つの有線あるいは無線通信チャネルを有するように、様々に構成されうる。通信チャネルは、少なくとも1つのロケーション(学校、職場、家庭、居住施設、ネットワーク資源など)を少なくとも1つのネットワークサーバ134あるいは他のコンピュータ(コンピュータ102と同一あるいは同様のもの)に接続する。もちろん、システム100は、各コンポーネントを複数備えうる(例えば、複数のコンピュータ102、複数の表示装置136など)。
【0016】
コンピュータ102やネットワーク132内の他の電子装置が携帯型であるか据置型であるかによらず、先に列挙した入力装置、出力装置、および周辺記憶装置に加え、演算装置が、直接的に、あるいはネットワーク132を介して、他の様々な周辺装置に接続されうる。当該周辺装置は、入力機能、出力機能、記憶機能の少なくとも1つを実行可能な装置を含む。
【0017】
図2は、実施形態例に係る製品予約システムの実施に用いられうるインフラを示している。製品予約プラットフォーム202は、メッセージの生成および要求の処理に用いられうる。製品予約プラットフォーム202は、商店や会社により稼働されるサーバ上でホストされうる。製品予約プラットフォーム202は、消費者206a〜206dにメッセージを送るためにソーシャルネットワーキングサービス204を使用できる。当該ソーシャルネットワーキングサービスは、例えば、ツイッター、フェイスブック、グーグルプラスを含む。実施形態によっては、ソーシャルネットワーキングサービス204は、消費者らへのメッセージの配信と、各消費者とのメッセージのやり取りの双方に用いられうる。例えば、ツイッターは、全てのフォロワーへ送られるツイートをユーザが生成できるようにしている。また、ツイッターは、他のフォロワーにシェアされないメッセージを、各利用者が(例えば、ダイレクトメッセージ経由で)交換できるようにしている。
【0018】
メッセージの配信および交換は、インターネットのような広域ネットワーク208を通じて実行できる。また、通信リンクは、少なくとも1つの無線キャリア(例えば、無線キャリア210)を含みうる。実施形態によっては、広域ネットワークに接続された無線キャリアを含みうる。
【0019】
消費者らは、配信されたメッセージの受信およびメッセージの交換に様々な装置を使用できる。モバイル端末206a、206bは、スマートフォンにより実施され、無線キャリア210を介して広域ネットワーク208に接続できる。デスクトップコンピュータ206c、206dは、イーサネット接続などの周知の接続を介して、広域ネットワーク208に接続できる。タブレット装置206eは、ワイファイなどの周知の無線プロトコルを用いて、広域ネットワーク208に接続できる。
【0020】
図2に示すように、製品予約プラットフォーム202は、入手可能性が限られた製品の予約リクエストの可能性を告知するメッセージを、消費者らに配信できる。配信のタイミングは、ランダム、または演算装置により選択された疑似ランダムとされうる。あるいは、イベントのタイミングは、イベントや発売の企画者により選択されることも可能である。配信のタイミングは、人によっては知られうるが、消費者のように特定の受信者ではない。配信されたメッセージの受信後、消費者は、予約リクエストを応答できる。詳しくは後述するように、製品予約プラットフォーム202は、複数の予約リクエストを先入れ先出し方式で処理し、製品の予約が成立した消費者へ予約メッセージを送信できる。
【0021】
製品予約プラットフォーム202は、マーケティングキャンペーンに関連付けられた様々な機能を実行できる。例えば、当該プラットフォームは、発売に係る詳細データを取得および実装するのみならず、ソーシャルメディアメッセージの構成およびスケジューリングを行なうために使用されうる。当該プラットフォームは、予約の確認や失敗を追跡し、全体的な分析を提供するためにも使用されうる。また、製品予約プラットフォーム202は、不正を防ぐロジックを含みうる。当該ロジックの例としては、1人あたりの予約数上限を1に設定する、予約コードを発行する、製品予約内容を確認するために購入あるいは引き取り時において消費者に示す情報を取得および保存する、などが挙げられる。また、製品予約プラットフォーム202は、高度に的を絞った告知メッセージセグメンテーションを支援する顧客データ管理システムと統合されうる。製品発売について顧客が事前登録して製品の属性や関心を特定すると、当該顧客に対してロイヤリティプログラムが開始されうる。
【0022】
図3は、一実施形態例に係る製品予約プロセスを示している。実施形態によっては、
図3に示されたステップ群の少なくとも一部は、
図2に示された製品予約プラットフォーム202によって実現されうる。まず、ステップ302において、メッセージ元は、ある製品に対する予約リクエストの受付けを告知するメッセージを、消費者らに配信する。当該配信は、ソーシャルネットワークサービスを介して行なわれうる。当該配信は、先に告知された期間内であって、当該消費者らが知らない特定時点において行なわれうる。例えば、ある商店は、ある製品に対する予約リクエストの受付を告知するメッセージが特定の日に配信される旨を、消費者らに知らせうる。そして、当該商店は、その日においてランダムあるいは疑似ランダムに定められた時点において、当該メッセージを配信できる。あるいは、当該商店は、当該消費者らが知らない所定の時点において、当該メッセージを配信できる。また、製品予約システムは、製品予約リクエストの受付けを告知するメッセージの配信に先立ち、リマインダメッセージを配信できる。
【0023】
当該メッセージは、予約リクエストに必要とされる情報を特定できる。当該必要とされる情報は、製品の色、製品のサイズなどの製品を特定する情報を含みうる。製品を特定する情報の例としては、ハッシュタグ(#hashtag)が挙げられる。また、当該メッセージは、製品予約リクエストの提供と製品購入の少なくとも一方に用いられうるウェブサイトを特定できる。少なくとも1つの広告メッセージが、先に告知された期間内かつ予約リクエストの受付けを告知するメッセージの配信に先立って配信されうる。
【0024】
実施形態例によっては、製品予約システムは、応答として製品予約の成立を受けるために製品予約リクエストが従わねばならない所定の構文を特定できる。当該例においては、製品予約リクエストが所定の構文に従っていない場合、製品予約システムは、製品予約を成立させなくてもよい。別の実施形態例においては、製品予約システムは、製品予約リクエストが所定の構文に従っていない場合、二度目の機会を提供できる。当該例においては、製品予約システムは、個人にフォローアップメッセージを送信できる。当該フォローアップメッセージは、当該個人に対し、先に受信した製品予約リクエストが所定の構文に従っていなかった旨を通知し、製品予約リクエストのメッセージに使用されるべき所定構文を示す。個人は、当該フォローアップメッセージの受領に応じて、所定の構文に従った第二の製品予約リクエストを送信できる。そして、製品予約システムは、第二の製品予約リクエストのメッセージが所定の構文に従っていれば、当該メッセージへの応答として、製品予約を成立させうる。
【0025】
製品予約リクエストのメッセージに用いられうる構文の一例は、[固有のハッシュタグ]、[姓]、[名]、[靴のサイズ]でありうる。これにより、告知メッセージは、例えば、「Twitter #RSVP is now open for new Air Foamposite One #Electrolime」とされうる。そして、対応する製品予約リクエストのメッセージは、例えば、本例における所定の構文に従う「#Electrolime、氏名、10.5」とされうる。別の構文が追加的あるいは代替的に用いられうることは勿論である。
【0026】
次に、ステップ304において、配信した告知メッセージへの応答として、予約リクエストが受信される。予約リクエストは、単一のエンティティ宛てとされうる。実施形態によっては、製品予約プラットフォームは、応答時間(例えば60分)を設定できる。製品予約プラットフォームは、例えば、応答時間内に受信した製品要求リクエストに対してのみ予約を成立できる。実施形態によっては、予約リクエストの送信にツイッターのダイレクトメッセージが使用されうる。ステップ306においては、製品予約を成立させるために、演算装置において受信した順に予約リクエストへの応答が処理される。ステップ306は、予約リクエストに含まれた属性(色やサイズなど)と在庫商品との比較を含みうる。別実施形態においては、予約リクエストにおける属性は、空席表や予定リストと比較されうる。製品予約プラットフォーム202などのコンポーネントは、属性にアクセスするために、到来するメッセージをパースできる。ステップ306において処理が実行された後、ステップ308において製品予約を成立させるかが判定される。製品予約を成立させない場合、ステップ310において、通知メッセージが送信されうる。製品予約を成立させる場合、ステップ312において、製品予約成立の旨が消費者に送信される。実施形態によっては、ステップ306〜312は、製品予約プラットフォーム202と他のコンポーネントの少なくとも一方により自動的に実行されうる。
【0027】
製品予約確認に加え、製品予約システムは、製品予約リクエストを処理し、様々な種類の通知メッセージを生成できる。例えば、製品予約システムは、製品予約リクエストを処理し、リクエストされた製品やサイズが認識できない、あるいは在庫なしである旨を判定できる。通知メッセージは、その旨を消費者に示しうる。また、製品予約システムは、ある消費者について該当する製品の予約が成立済みであるかを判定できる。通知メッセージは、当該消費者の予約が成立済みである旨を示し得る。
【0028】
製品予約システムを実現するために、別種のメディアチャネルが用いられうることは勿論である。また、製品予約システムを実現するために、様々な種類のメディアチャネルの組合せが用いられうる。例えば、ある種のメディアチャネル(ツイッターなど)が予約リクエストの受付け可能性の告知を配信するために用いられうる。そして、別種のメディアチャネル(電話など)が予約リクエストの応答を提供するために用いられうる。
【0029】
別実施形態は、プッシュ通知機能を使用できる。例えば、アンドロイドおよびiOS携帯装置は、プッシュ通知機能を有している。当該機能は、本開示の各種態様を実現するために使用されうる。消費者は、アプリケーションおよび事前登録をダウンロードできる。事前登録処理の一部として、消費者らは、当該アプリケーション限定の製品発売への参加を登録されうる。消費者らを事前登録することにより、いくらかの追加情報(靴や服のサイズ、趣味嗜好、エクスプレスチェックアウトの設定)が提供されうる。そして、当該情報は、製品発売情報を適切な個人に向けるために使用されうる(これをロイヤリティプログラムとみなすこともできる)。消費者らに求められるのは、購入や予約のためにプッシュ通知に応じることのみである。また、プッシュ通知は、消費者らに的を絞ったメッセージを送信するために使用されうる。そのようなメッセージは、当該消費者らの趣味嗜好にマッチしており、購入に際してプッシュ通知への「受領確認」のみを要求する。また、実施形態によっては、ソーシャルネットワークサービスではなく、ウェブサイトにより実現されうる。
【0030】
本開示の各態様が製品についての使用に限定されないことは、当業者であれば明らかであろう。別実施形態においては、ここに記載の方法およびシステムが、入手可能性の限られたサービスに関して使用されうる。また、製品予約システムは、入手可能性の限られていないものの、予約が望まれる製品(需要が高く、購入まで非常に長く待つ可能性がある製品など)に対して用いられうる。なお、説明中に用いられている「製品」という語は、物品、サービスなどの購入可能なものを指す。また、実施形態によっては、ある製品に係る予約リクエストの受付け可能性を一般告知に先立って知らせるメッセージを、優先消費者らなどへ提供できる。
【0031】
また、製品予約システムは、管理に係るプラットフォーム、モジュール、インターフェース、ダッシュボードなどを含みうる。これらは、新製品発売キャンペーンの立上げ、予約受付期間が始まったことを示す最初のメッセージ配信の構成および開始、成立した予約の監視などの管理機能を容易にするためのものである。
【0032】
図4は、本開示の各態様に基づいて実現されうる製品予約システム400の例を示している。製品予約システム400は、例えばツイッターインターフェースを介して、消費者らに製品とサービスの少なくとも一方の予約を可能にする製品予約処理を自動化する。製品予約システム400は、在庫商品データストレージ402において在庫商品を管理し、製品予約キャンペーンモジュール404を使用して消費者らと通信し、予約リクエスト収集モジュール406を介して予約リクエストを受信し、予約リクエスト処理モジュール408は、予約リクエストを処理している。また、製品予約システム400は、予約管理モジュール410を含んでいる。予約管理モジュール410は、製品予約データストレージ412に記憶された製品予約内容を管理する。その結果、消費者の体験が高められるとともに処理が合理化され、製品予約キャンペーンの創始および運用における諸経費および誤差範囲の有利に削減につながる。
【0033】
製品予約キャンペーンモジュール404は、製品予約システム400のユーザインターフェースとして機能する負荷分散型アプリケーションでありうる。管理者は、製品予約キャンペーンモジュール404を、在庫商品を更新し、製品予約キャンペーンを企画構成し、運用中の製品予約キャンペーンを監視するために利用できる。また、製品予約キャンペーンモジュール404は、キャンペーン開始ツイートを送信するなどして、製品予約の可能性を告知するメッセージの配信を開始できる。
【0034】
一旦製品予約キャンペーンが始まると、予約管理モジュール410は、ツイッターフィードを監視するなどして、キャンペーンを監視できる。予約管理モジュール410は、予約リクエスト収集モジュール406を監視する軽いアプリケーションでありうる。また、予約管理モジュール410は、予約データストレージ412へのインターフェースとして機能しうる。
【0035】
予約リクエスト収集モジュール406は、予約リクエストの受付け可能性を告知するメッセージに対する応答として受信した予約リクエストを収集するために、ツイッターに接続できる。製品予約システム400は、複数の予約リクエスト収集モジュール406を含みうる。予約リクエスト収集モジュール406は、予約リクエストを、例えばダイレクトメッセージとして受信できる。予約リクエスト収集モジュール406は、予約リクエストの初期処理を実行し、処理対象の予約リクエストをルートできる。製品予約システム400は、予約リクエスト処理モジュール408により、処理待ち中である予約リクエストのキュー414を維持できる。
【0036】
予約リクエスト処理モジュール408は、上述した予約リクエストの処理に用いられるビジネスロジックを含みうる。製品予約システム400は、複数の予約リクエスト処理モジュール408を含みうる。予約リクエスト処理モジュール408は、予約リクエストの内容が現在入手可能な製品とマッチするかを判断する。予約リクエスト処理モジュール408が製品を認識し、当該製品が入手可能であると判断すると、製品予約を成立させるために、製品予約キャンペーンモジュール404に要求を返送する。製品予約キャンペーンモジュール404は、予約内容の発行前に最終チェック(製品予約が重複していないかを確かめるチェックなど)を実行できる。
【0037】
製品予約システム400は、障害発生と時折生ずるトラフィックの急増の可能性の双方(アヴェイラビリティとスケーラビリティの双方)に対応できる。製品予約システム400は、モジュール化あるいは高度に分離された構成とされうる。リソース集約的なモジュールは、トラフィックのパターンに応じて追加のリソースを提供するために、アドホック的にレプリケートされうる。加えて、予約リクエストのキュー414の使用は、接続のブロックを有利に回避する。負荷バランサ416は、要求リクエストの収集と処理を容易にするために用いられうる。また、キャッシングシステムは、製品予約システム400による予約リクエストに対する迅速かつ確実な応答を支援するために用いられうる。
【0038】
これまでの説明は、実施形態の態様を例示するものである。本開示をレビューした当業者には、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内で多くの他の実施形態、改変、変形が明らかになるであろう。例えば、図面に例示された複数のステップは、記載された順序以外でも実行されうる。実施形態の態様によっては、例示されたステップの少なくとも1つは省略可能である。