(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前面開口の断熱箱体からなり前記前面開口に開閉扉を装着してなる冷却庫本体の内部には、間口方向の一側に被冷却物を収納する収納室が設けられるとともに、他側に設けられた設置室には、前記収納室と対面する方向の前後に亘って冷却ファンと冷却器とが配されてケーシング内に収められてなる冷却ユニットが設置され、前記冷却ファンの駆動に伴い、前記収納室の空気が前記冷却ユニットの正面から吸い込まれて前記冷却器と熱交換することで冷気が生成され、その冷気が前記冷却ユニットの背面から吹き出されたのち同冷却ユニットの側面側に回り込んで前記収納室に循環供給されるようにした冷却庫において、
前記冷却ユニットの背面下部と前記設置室の対向した壁面との間にはスペーサ板が装着され、同スペーサ板には奥行方向に沿って水抜き溝が形成されているとともに、
前記冷却ユニットの下面側には、前記冷却器からの除霜水を受けるドレンパンが、その一方の側部を前記水抜き溝の下方に臨ませた形態で出し入れ可能に装着されており、
前記ドレンパンは、左右の開口側縁にフランジが張り出し形成された構造である一方、
前記スペーサ板における前記水抜き溝の前記壁面側の側縁には、垂下したのち前記収納室側に直角曲げされたL字形をなす一のレール部が形成されるとともに、前記冷却ユニットの下面には、L字形をなす他のレール部が、前記一のレール部とは向かい合った姿勢で所定間隔を開けて形成され、
前記ドレンパンは、左右の前記フランジを対応する前記レール部に載せて吊り下げ状に支持されており、
前記ドレンパンの前記一方の側部は、前記左右の前記フランジのうち前記一のレール部に載置されているフランジであり、
前記一のレール部は、前記スペーサ板と一体的に形成されており、
前記水抜き溝及び前記一のレール部は、それぞれ前記一のレール部に載置されている前記フランジの長手方向に沿って延びる長手状をなしており、
さらに前記水抜き溝及び前記一のレール部は長手方向における長さが同じ長さであることを特徴とする冷却庫。
前記スペーサ板の側縁には前記壁面に当てられる取付部が立ち上がり形成され、前記取付部の奥縁には、前記壁面の奥側に立てられた掛止部に差し込まれる差込溝が切り込み形成される一方、同取付部の手前側の端部には、ねじ止め用の取付孔が形成されていることを特徴とする請求項2記載の冷却庫。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、この種の急速冷却庫では、食材の付着等で庫内が汚れやすいという事情があるため、適宜にホース等から水道水を掛けて水洗いされるが、そのときに洗浄に供した後の排水がスペーサ板に降り懸かって引き続きその上に残るおそれがあり、庫内を清潔に保つためにさらなる改良が切望されていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、洗浄に供した後の排水が残ることを回避して庫内を清潔に保てるようにするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前面開口の断熱箱体からなり前記前面開口に開閉扉を装着してなる冷却庫本体の内部には、間口方向の一側に被冷却物を収納する収納室が設けられるとともに、他側に設けられた設置室には、前記収納室と対面する方向の前後に亘って冷却ファンと冷却器とが配されてケーシング内に収められてなる冷却ユニットが設置され、前記冷却ファンの駆動に伴い、前記収納室の空気が前記冷却ユニットの正面から吸い込まれて前記冷却器と熱交換することで冷気が生成され、その冷気が前記冷却ユニットの背面から吹き出されたのち同冷却ユニットの側面側に回り込んで前記収納室に循環供給されるようにした冷却庫において、前記冷却ユニットの背面下部と前記設置室の対向した壁面との間にはスペーサ板が装着され、同スペーサ板には奥行方向に沿って水抜き溝が形成されているとともに、前記冷却ユニットの下面側には、前記冷却器からの除霜水を受けるドレンパンが、その一方の側部を前記水抜き溝の下方に臨ませた形態で出し入れ可能に装着されているところに特徴を有する。
【0006】
庫内に洗浄水を掛けて洗浄する場合に、洗浄に供したのちの排水の一部がスペーサ板に降り懸かる可能性があるが、降り懸かった排水は水抜き溝を通ってその下に配されたドレンパンで受けられる。溜まった排水は、例えばドレンパンで受けられた除霜水とともに庫外に廃棄される。洗浄に供したのちの排水がスペーサ板上に残ることが回避され、庫内を清潔に保つことができる。
【0007】
また、以下のような構成としてもよい。
(1)前記スペーサ板は、前記冷却ユニットの背面下部を前記設置室の前記壁面に取り付けるための取付板を兼用している。
スペーサ板が、冷却ユニットを設置室の壁面に取り付ける取付板を兼用していることで、構造が簡単にまとめられる。
【0008】
(2)前記スペーサ板の側縁には前記壁面に当てられる取付部が立ち上がり形成され、前記取付部の奥縁には、前記壁面の奥側に立てられた掛止部に差し込まれる差込溝が切り込み形成される一方、同取付部の手前側の端部には、ねじ止め用の取付孔が形成されている。
スペーサ板を壁面に取り付ける場合には、取付部の奥縁の差込溝を掛止部に差し込んで支持したのち、手前の端部の取付孔にねじを通して締め付けることで壁面に固定される。奥側を引っ掛け構造として手前側のみをねじ止めするようにしたから、スペーサ板を壁面に取り付ける作業を能率良く行うことができる。
【0009】
(3)前記ドレンパンは、左右の開口側縁にフランジが張り出し形成された構造である一方、前記スペーサ板における前記水抜き溝の前記壁面側の側縁には、垂下したのち前記収納室側に直角曲げされたL字形をなす一のレール部が形成されるとともに、前記冷却器ユニットの下面には、L字形をなす他のレール部が、前記一のレール部とは向かい合った姿勢で所定間隔を開けて形成され、前記ドレンパンは、左右のフランジを対応するレール部に載せて吊り下げ状に支持されている。
ドレンパンは、左右のフランジをレール部に沿って滑らせつつ出し入れされる。ドレンパンの装着時において、スペーサ板に降り懸かった洗浄水は、水切り溝からフランジ上に落ちた後、若しくは直接にドレンパン内に受けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、洗浄に供したのちの排水がスペーサ板上に残ることが回避され、庫内を清潔に保つことができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態を
図1ないし
図13に基づいて説明する。この実施形態では、急速冷却庫に適用した場合を例示している。
本実施形態の急速冷却庫は低背縦型であって、
図1ないし
図4に示すように、機械室90の上面に冷却庫本体10(以下、本体10)が載置され、機械室90の底面に配された脚11によって支持されている。
本体10は前面が開口されたやや横長の断熱箱体からなり、同本体10の前面開口部12には、断熱扉13が、正面から見た左側縁を中心として揺動開閉可能に装着されている。本体10の内部すなわち庫内では、
図2に示すように、正面から見た右側の6割程度の領域が、食品の収納室15とされ、残りの左側の領域が、冷却ユニット20の設置室16となっている。
【0013】
冷却ユニット20は、
図5および
図6にも示すように、冷却器21(蒸発器)と冷却ファン22とを組み付けてユニット化したものである。
冷却器21は、庫内の奥行方向に長いブロック状に形成されている。冷却器21には、同冷却器21の上面並びに手前側と奥側の面を覆うようにして、冷却器カバー25が取り付けられており、3枚のカバー板26,27,29を組み付けて概ね門形に形成されている。
【0014】
手前カバー板26はコ字形断面に形成され、冷却器21の手前側の面を覆って装着される。
奥カバー板27は、冷却器21の奥面を間隔を開けて覆うように機能し、全体としては、手前カバー板26よりも幅広でかつ深いコ字形断面に形成され、正面側(収納室15に対向する側)の端縁から内方に直角曲げされた正面板27Aが、冷却器21よりも収納室15側に突出した形態で配される。この正面板27Aの手前の端縁には、L形をなす補助板28が取り付けられ、この補助板28の手前側を向いた先端部28Aが、冷却器21における正面の奥縁に沿って当てられるようになっている。
上カバー板29は、冷却器21の上面を覆って装着され、その正面側の端縁から鈎形をなして立ち上がるようにして取付板30が形成され、同取付板30が、設置室16の天井壁16Cにねじ止めされるようになっている。
【0015】
冷却ファン22は、ファンケース35内に取り付けられている。ファンケース35は、冷却器カバー25の外形よりも一回り小さい背面側に開口した箱状に形成されている。ファンケース35の正面板35Aには、その中心位置に円形をなすシュラウド36が形成され、同シュラウド36内に冷却ファン22がブラケット(図示せず)により取り付けられている。
このファンケース35が、上記した冷却器カバー25の正面側に揺動開閉可能に取り付けられるようになっている。ファンケース35は、手前側の側面板35Bが、冷却器カバー25の手前カバー板26と面一となった状態で重ねられ、そのとき奥側の側面板35Cが、冷却器カバー25の奥カバー板27の正面板27Aに設けられた補助板28の基端部28Bに重ねられるようになっている。
ファンケース35の奥側の側面板35Cと、冷却器カバー25の奥カバー板27の正面板27Aとが突き合った隅部には、上下2箇所においてヒンジ38が設けられている。
【0016】
ファンケース35が閉じられたときには、4面の側面板の開口縁が冷却器21(冷却器カバー25)の正面との間で塞がれ、また上記したように、ファンケース35の手前側の側面板35Bと、冷却器カバー25における手前カバー板26とが面一となって閉じられ、それらの開口縁同士の間には、上下2箇所において閉鎖状態に施錠する施錠装置39が設けられている。
ファンケース35の閉鎖時には、同ファンケース35内に取り付けられた冷却ファン22が、冷却器21の正面中央部の直前に位置し、施錠装置39を解錠すると、ファンケース35はヒンジ38を中心として
図5の反時計回り方向に90度揺動して開放できるようになっている。
【0017】
ファンケース35の開放は、後記するように、庫内を水洗いするときと併せて、冷却器21を水洗いする場合に利用されるようになっている。
ここで冷却器カバー25は、手前カバー板26では、収納室15側の側縁に屈曲形成された屈曲板26Aが、冷却器21における正面の手前側の縁部を覆い、また奥カバー板27では、L字形をなす補助板28が、冷却器21の正面の奥縁を覆うようにして配され、それぞれその裏面を、除霜ヒータや、冷却器21の温度を検知する除霜サーミスタの取付面として使用しており、すなわち冷却器21を正面から(収納室15側から)水洗いする場合に、手前側と奥側の端部が屈曲板26Aや補助板28で遮られて水が当たり難い構造となっている。
【0018】
そこでその対策として、冷却器カバー25の手前カバー板26には、
図2及び
図6に示すように、縦向きの長孔からなる複数の通孔40が、横3列縦4段に整列されてほぼ全面に亘って開口されている。また、冷却器21の正面の奥縁を覆うように配された補助板28の手前を向いた先端部28Aには、その根元部分に、スリット42がほぼ全高に亘って開口されている。
【0019】
冷却ユニット20は、庫内の左側の設置室16に設置されるようになっている。冷却ユニット20は、
図4に示すように、その手前側と奥側の面が、それぞれ閉鎖された断熱扉13の裏面と設置室16の奥壁16Aとの間に所定間隔を開け、かつ正面視で左側面が設置室16の左側壁16Bとの間に所定間隔を開けた形態で配され、冷却器カバー25の上カバー板29に設けられた取付板30が設置室16の天井壁16Cにねじ止めにより固定され、また冷却器カバー25の背面の下縁部と、設置室16の左側壁16Bとの間にスペーサ板50が渡されて支持されている。したがって、当該スペーサ板50が取付板を兼用している。
【0020】
スペーサ板50は、
図4及び
図8に示すように、冷却ユニット20と左側壁16Bとの間に取るべき間隔に相当した幅寸法と、冷却器21の奥行に相当する長さ寸法とを有する帯板状に形成されている。スペーサ板50における正面視で右側縁には、右側板51が立ち上がり形成され、同右側板51の上縁における手前側と奥側の端部には取付部52が突出形成され、それぞれねじの挿通孔53が形成されている。この右側板51が、冷却器カバー25の背面における下縁部に当てられて固定されるようになっている。
【0021】
スペーサ板50の左側縁には左側板55が立ち上がり形成され、同左側板55が設置室16の左側壁16Bに当てられて固定されるようになっている。左側板55の奥縁には、
図9に参照して示すように、左側壁16Bにねじ込まれて立てられた頭部付きのねじからなる掛止具45に差し込み可能な差込溝56が切り込み形成されている。一方、同左側板55の手前の縁部は手前側に延出され、同延出部57に横長の長孔からなるねじ46の挿通孔58が形成されている。
【0022】
冷却ユニット20の下面側には、冷却器21からの除霜水を受けて溜めるドレンパン70が、手前側からの出し入れ可能に装着されるようになっている。このドレンパン70は、
図11に示すように、冷却器21の奥行よりも少し大きい長さ寸法と、冷却器21の幅の2倍弱の幅を持った上面開放の箱状をなす本体部71を備え、同本体部71の左右の開口縁には、両端の所定長さ領域を除いて吊り下げ支持用のフランジ72が外方に張り出し形成されている。また、手前側の面の上縁には、鈎状に屈曲された把手部73が形成されている。
【0023】
冷却ユニット20の下面側には、ドレンパン70の収容部75が形成されている。上記したスペーサ板50には、その幅方向の略中央部で、かつ手前側と奥側の端縁からそれぞれ所定寸法入った領域において、奥行方向に細長い水抜き溝60が開口されている。同水抜き溝60は詳細には、左側縁を繋げたままで板材を下向きに打ち出すことで形成されている。
【0024】
また、打ち出された板材の下端部が右向きに直角曲げされることで、ドレンパン70の左側のフランジ72を受ける左レール部61Lが形成されている。
一方、冷却器カバー25の正面(収納室15と対向した面)の下縁部には、風向板63が奥行方向のほぼ全長に亘って取り付けられている。この風向板63は、
図12に示すように、垂直板64の下縁部が正面視で右側に直角曲げされたのち、その突出端側がさらに下側と左側とに二度曲げされることで、ドレンパン70の右側のフランジ72を受ける右レール部61Rが形成されている。風向板63の垂直板64が、冷却器21ケースの正面の下縁部における所定高さ位置にねじ止めされて固定されると、右レール部61Rは、上記したスペーサ板50の左レール部61Lと、同じ高さ位置において所定間隔を開けて対向して配されるようになっている。
【0025】
ドレンパン70は、収容部75を構成する左右のレール部61L,61Rに対して左右のフランジ72を載せて支持され、同フランジ72をレール部61L,61Rに沿って摺動させつつ出し入れ可能となっている。ドレンパン70が正規に収納された場合は、冷却器21の下面を全面に亘って受けることができるようになっている。
【0026】
冷却ユニット20の取付手順の一例を示すと、冷却器カバー25の背面下縁部にスペーサ板50の右側板51が予め取り付けられ、
図9に示すように、同スペーサ板50の左側板55を設置室16の左側壁16Bに沿わせつつ冷却ユニット20を前方から挿入する。左側板55の奥縁の差込溝56が、左側壁16Bに立てられた掛止具45に差し込まれて支持されたところで、冷却器カバー25の取付板30を天井壁16Cにねじ止めして固定し、最後に
図10に示すように、スペーサ板50の左側板55の挿通孔58にねじ46を通して、左側壁16Bのねじ孔47にねじ込んで固定する。これにより、冷却ユニット20は定位置に取り付けられる。
【0027】
上記した庫内右側の収納室15には、トレイT(
図4参照)が複数段(最大5段)に亘り、前方から出し入れされて収納可能となっている。そのため、収納室15の左右の側面となる冷却ユニット20におけるファンケース35の正面板35Aと、収納室15の右側壁15Bとに、一対のトレイ受け80が対向して取り付けられるようになっている。トレイTとしては、ベーカリ用天板やホテルパンが挙げられる。
【0028】
トレイ受け80は、ステンレス鋼線等の線材を素材として、
図13に示す形状に形成されている。
詳細には、所定間隔を開けて配される左右一対の縦棒81を備えており、各縦棒81の上下両端には、やや縦長の六角形をなす取付環82が形成されている。両縦棒81の間には、載置棒83が一定のピッチで5段にわたって差し渡されている。各載置棒83は、両端を同方向に直角曲げした平面コ字形をなし、屈曲部84の先端から上向きまたは下向きに曲げ形成された取付部85が、縦棒81の外面に当てられて溶接により固定されている。
【0029】
一方、冷却ユニット20におけるファンケース35の正面板35Aと、収納室の右側壁15Bとには、それぞれ対応する4箇所に取付具87が取り付けられている。
各トレイ受け80は、四隅の取付環82を対応する取付具87に掛止することにより、
図2及び
図4に示すように、収納室15の左右の側面に対向した形態で着脱可能に取り付けられるようになっている。
そしてトレイTは、左右の側縁部を、同じ段で対向した載置棒83に載せつつ、前方から出し入れされて収納されるようになっている。
【0030】
最後に、機械室90の構造を簡単に説明する。機械室90の前面にはフロントパネル91が着脱可能に張られており、
図1に示すように、同フロントパネル91における左側の略3/4の領域に吸気口92が形成されている。機械室90の内部には冷凍装置93が設置されており、主には吸気口92の直後に凝縮器ファン94Aが装備された凝縮器94(
図2の鎖線)が、その後方に圧縮機95が配されて引き出し可能な載置台96上に設置されている。この冷凍装置93と、上記した冷却ユニット20に設けられた冷却器21とが冷媒配管97によって循環接続され、冷凍回路が構成されている。機械室90における背面と左右の側面には、排熱等の排気口98が形成されている。
【0031】
続いて、本実施形態の作用を説明する。当該急速冷却庫は、加熱調理後の食品を短時間で冷却することに用いられる。
調理後の食品はトレイTに入れられ、同トレイTは、左右のトレイ受け80の同じ段の載置棒83で受けられつつ、最大5段にわたって収納室15内に収納される。トレイTの収納が完了したら、断熱扉13を閉じる。係る状態で冷却運転がなされ、すなわち冷凍装置93(圧縮機95)と冷却ファン22とが運転されると、
図4の矢線に示すように、収納室15の空気がファンケース35の吸込口36Aを通って冷却ユニット20内に吸引されて冷却器21を通過する間に冷気が生成され、冷却ユニット20の背面側に吹き出された冷気が、庫内の左側壁16Bに当たって手前と奥に分かれて同冷却ユニット20の手前側と奥側の側面に回り込んだのち、収納室15に送り込まれるといった循環流を生じ、これによりトレイTに入れられた食品が急速冷却される。
【0032】
この間、凝縮器94の後面に配された凝縮器ファン94Aが併せて駆動されることにより、機械室90のフロントパネル91の吸気口92から外気が吸い込まれて、凝縮器94を通過することにより凝縮器94が冷却され、冷却に供した後の排熱は、機械室90の後面や側面に設けられた排気口98を通して外部に排出される。
所定時間が経過したら冷却運転が停止され、断熱扉13を開いたのち、トレイTが庫外に出される。
【0033】
本体10内を清掃する場合は、ホース等で庫内の壁面に向けて水道水を掛けることで行われる。このとき、冷却ユニット20内を併せて水洗いする場合は、両トレイ受け80を外して庫外に出したのち、冷却ユニット20の施錠装置39を外して、
図5に示すように、ファンケース35を奥壁15Aに向けて開く。そうすると、冷却器カバー25内の冷却器21並びに冷却ファン22が庫内に開放された状態となるから、直接に水を掛けて洗浄できる。
【0034】
ここで、冷却器21は、正面における手前側の縁部と奥縁とが、それぞれ手前カバー板26の屈曲板26Aと、奥カバー板27の補助板28で覆われて、水が掛かり難い構造となっている。しかしながら、手前カバー板26には、複数の通孔40が整列されてほぼ全面に亘って開口されている一方、奥カバー板27に設けられた補助板28の手前を向いた先端部の根元部分には、スリット42がほぼ全高に亘って開口されているから、手前カバー板26に向けて水を掛ければ、通孔40を通って水が冷却器21における手前側の端部にも掛けられ、また、補助板28に向けて収納室15から水を掛ければ、スリット42を通って冷却器21における奥側の端部にも掛けられる。
【0035】
また、上記のように庫内に水を掛けて洗浄する場合に、洗浄に供したのちの排水の一部等がスペーサ板50に降り懸かる可能性があるが、降り懸かった排水等は、同スペーサ板50に開口された水抜き溝60を通って、左側のフランジ72に落ちたのち、また直接にドレンパン70内の左側縁部に滴下して受けられる。ドレンパン70に溜まった排水は、除霜運転時に溜められた除霜水とともに庫外に廃棄すればよい。
【0036】
以上説明したように本実施形態によれば、スペーサ板50に水抜き溝60を開口してドレンパン70に臨ませた構造としたから、庫内を洗浄したのちの排水の一部がスペーサ板50に降り懸かったとしても、降り懸かった排水は水抜き溝60を通ってその下に配されたドレンパン70で受けられ、適宜に除霜水とともに庫外に廃棄することができる。結果、洗浄に供したのちの排水がスペーサ板50上に残ることが回避され、庫内を清潔に保つことができる。
【0037】
スペーサ板50は冷却ユニット20を設置室16の左側壁16Bに取り付ける取付板を兼用しているから、構造を簡単にまとめることができる。
スペーサ板50を設置室16の左側壁16Bに取り付ける構造として、奥側を引っ掛け構造として手前側のみをねじ止めするようにしたから、スペーサ板50を左側壁16Bに取り付ける作業を能率良く行うことができる。スペーサ板50を冷却ユニット20に予め取り付けた場合は、冷却ユニット20の設置作業も簡単となる。
【0038】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、スペーサ板が冷却ユニットを庫内の壁面に取り付ける取付板を兼用していたが、取付板をスペーサ板とは別に設けてもよい。
(2)スペーサ板の左側板は、両端共にねじ止めで壁面に固定するようになっていてもよい。
(3)上記実施形態では、ドレンパンのフランジを受ける一方のレール部をスペーサ板と一体的に形成した場合を例示したが、レール部はスペーサ板とは別体に形成するようにしてもよい。
【0039】
(4)冷却ユニットの配設位置は、上記実施形態とは逆に、庫内における正面視で右側に配置されていてもよい。
(5)本発明は上記実施形態に例示した急速冷却庫に限らず、庫内の左右一側に被冷却物の収納室が設けられる一方、他側に同収納室と対向するように冷却ユニットが設けられた冷却庫全般に広く適用することができる。