(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記スライダの上記長孔及び上記ばね受けの上記長孔の少なくとも一方の短手方向の幅が上記ボルトの上記螺子軸の外径と符合するように設定されていることを特徴とする請求項2に記載の懸架装置。
上記緩衝器は、車体側に連結されるアウターチューブと、車輪側に連結されて上記アウターチューブ内に出没可能に挿入されるインナーチューブと、上記アウターチューブの車体側開口を塞ぐキャップ部材と、有底筒状に形成されて上記インナーチューブの車輪側開口を塞ぐボトム部材と、上記キャップ部材に保持されて上記アウターチューブの軸心部に起立するピストンロッドと、上記ピストンロッドに保持されて上記インナーチューブの内周面に摺接するピストンとを備え、上記懸架ばねは、上記ピストンと上記ボトム部材との間に配置され、上記ばね力調整手段は、上記ボトム部材内に挿入されて懸架ばね側に上記固定ガイド面が形成される支持部材を備えており、
上記支持部材は、上記ボルトのボルトヘッド側を向く一方側の側面と上記ボトム部材の内周面との間に上記緩衝器の軸方向に配置される軸状隙間を形成しており、
上記ばね受けは、懸架ばね側に上記懸架ばねが当接するシート面が形成されるとともに反懸架ばね側に上記移動ガイド面が形成されるばね受け本体と、上記ばね受け本体から反懸架ばね側に延びる延設片とを備え、上記延設片が上記軸状隙間内に出没可能に挿入されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の懸架装置。
【背景技術】
【0002】
一般的に、懸架装置は、自動車や二輪車等の車体と車輪の間に介装されており、減衰力を発生する緩衝器と、この緩衝器を伸長方向に附勢して車体を弾性支持する懸架ばねとを備えている。このため、懸架装置は、路面凹凸による衝撃を懸架ばねで吸収するとともに、この衝撃吸収に伴う懸架ばねの伸縮運動を緩衝器で抑制し、路面凹凸による衝撃が車体に伝達されることを抑制することができる。
【0003】
例えば、特許文献1に開示の懸架装置は、二輪車や三輪車等の鞍乗型車両において前輪を懸架するフロントフォークであり、前輪の両側に緩衝器を起立させている。
【0004】
そして、上記各緩衝器は、車体側に連結されるアウターチューブと、車輪側に連結されてアウターチューブ内に出没可能に挿入されるインナーチューブと、アウターチューブの車体側開口を塞ぐキャップ部材と、有底筒状に形成されてインナーチューブの車輪側開口を塞ぐボトム部材と、キャップ部材に基端部を保持されてアウターチューブの軸心部に起立するピストンロッドと、このピストンロッドの先端に保持されてインナーチューブの内周面に摺接するピストンとを備えている。
【0005】
また、懸架ばねは、上記各緩衝器のインナーチューブ内にそれぞれ収容されており、
図5に示すように、懸架ばねSがボトム部材Bと図示しないピストンとの間に介装されて、上記ピストンを車体側(
図5中上側)に附勢することで緩衝器D10を伸長方向に附勢している。
【0006】
さらに、上記懸架装置は、懸架ばねSの下端を支持する下側のばね受け100を昇降させて上記懸架ばねSの圧縮量を変更し、懸架ばねSの反力を調整するばね力調整手段A10を備えている。そして、このばね力調整手段A10は、下側のばね受け100の反懸架ばね側(
図5中下側)に固定される移動ガイド面101と、この移動ガイド面101に摺接する摺接面301を有するスライダ300と、このスライダ300を緩衝器D10の直径方向(水平方向)にスライドさせるボルト400及びナット500とを備えている。
【0007】
また、上記移動ガイド面101及び上記摺接面301は、緩衝器D10の軸心線x1に対して傾斜する第一傾斜面a1に沿って配置される平面であり、略同じ角度で傾斜している。さらに、移動ガイド面101及び摺接面301は、懸架ばねSから離間する一方側(
図5中右側)が上記ボルト400のボルトヘッド側を向き、懸架ばねSに接近する他方側(
図5中左側)が上記ボルト400の先端側(反ボルトヘッド側)を向くように配置されている。
【0008】
そして、上記ボルト400は、その螺子部401を上記スライダ300に貫通させている。また、上記ナット500は、上記スライダ300の反ボルトヘッド側面(
図5中左側面)に固定され、上記スライダ300から突出する螺子軸401の先端部に螺合しており、ボルト400と供回りしないように設定されている。
【0009】
上記構成を備えることにより、ボルト400を一方側に回転し、ナット500及びスライダ300をボルトヘッド側(
図5中右側)に引き寄せると、移動ガイド面101と摺接面301との当接位置が、移動ガイド面101において懸架ばねSから離れる
図5中右側に移動するため、下側のばね受け100がスライダ300で押し上げられる。したがって、下側のばね受け100は、緩衝器D10の軸方向、懸架ばね側(
図5中上側)に移動し、懸架ばねSを圧縮させるため、懸架ばねSの反力を大きくすることができる。
【0010】
他方、ボルト400を他方側に回転し、ナット500及びスライダ300をボルト400の先端側(
図5中左側)に移動させると、移動ガイド面101と摺接面301との当接位置が、移動ガイド面101において懸架ばねSに接近する
図5中左側に移動する。このとき、下側のばね受け100には、懸架ばねSによる力が
図5中下向きに作用しているため、下側のばね受け100は、懸架ばねSでスライダ300とボトム部材Bとの間に押し込まれる。したがって、下側のばね受け100は、緩衝器D10の軸方向、反懸架ばね側(
図5中下側)に移動し、懸架ばねSを伸長させるため、懸架ばねSの反力を小さくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の一実施の形態に係る懸架装置について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品かまたは対応する部品を示す。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態に係る懸架装置は、緩衝器Dと、この緩衝器Dを伸長方向に附勢する懸架ばねSと、この懸架ばねSの下端(一方側端)を支持する下側のばね受け1と、この下側のばね受け1を上記緩衝器Dの軸方向(
図1中上下方向)に移動させ上記懸架ばねSの圧縮量を変更するばね力調整手段Aとを備えている。
【0021】
また、上記ばね力調整手段Aは、上記下側のばね受け1の反懸架ばね側(
図1中下側)に固定される移動ガイド面10aと、この移動ガイド面10aの反懸架ばね側(
図1中下側)に向い合せに配置され上記緩衝器Dに固定される固定ガイド面20と、上記移動ガイド面10aと上記固定ガイド面20との間に介装されて上記移動ガイド面10aに摺接する第一摺接面30及び上記固定ガイド面20に摺接する第二摺接面31を有するスライダ3と、このスライダ3を駆動する駆動操作部(ボルト4及びスライドナット5)とを備えている。
【0022】
そして、上記移動ガイド面10a及び上記第一摺接面30が上記緩衝器Dの軸心線x1に対して傾斜する第一傾斜面a1に沿って配置される平面であり、上記固定ガイド面20及び上記第二摺接面31が上記緩衝器Dの軸心線x1に対して上記第一傾斜面a1と逆方向に傾斜する第二傾斜面a2に沿って配置される平面であり、上記スライダ3が上記第一傾斜面a1と第二傾斜面a2が接近する一方側(
図1中右側)と上記第一傾斜面a1と上記第二傾斜面a2が離間する他方側(
図1中左側)に向けてスライドする。
【0023】
以下、詳細に説明すると、本実施の形態に係る懸架装置は、二輪車や三輪車等の鞍乗型車両の前輪を懸架するフロントフォークであり、前輪の両側に起立する一対の緩衝器D(一方の緩衝器Dのみを図示し、他方の緩衝器を省略する)で前輪を支持している。さらに、本実施の形態において、
図1に示す一方の緩衝器Dは、主に懸架装置の圧縮時の減衰力を発生する圧側減衰力発生用の緩衝器であり、図示しない他方の緩衝器は、主に懸架装置の伸長時の減衰力を発生する伸側減衰力発生用の緩衝器である。そして、本実施の形態において、本発明に係るばね力調整手段Aは、上記圧側減衰力発生用の一方の緩衝器Dにのみ取り付けられている。
【0024】
尚、本実施の形態のような一対の緩衝器を備えるフロントフォークにおいて、一方の緩衝器を圧側減衰力発生用にするとともに、他方の緩衝器を伸側減衰力発生用にすることは周知である。また、伸側減衰力発生用の緩衝器として、如何なる周知の構成を採用してもよい。このため、本発明に係るばね力調整手段Aが取り付けられていない伸側減衰力発生用の他方の緩衝器についての図示及び詳細な説明を省略する。しかし、如何なる緩衝器に本発明に係るばね力調整手段Aを取り付けるとしてもよく、伸側の減衰力発生用の緩衝器に上記ばね力調整手段Aを取り付けてもよい。
【0025】
つづいて、本実施の形態において、上記ばね力調整手段Aが取り付けられた圧側減衰力発生用の一方の緩衝器Dは、車体側に連結されるアウターチューブt1と、車輪側に連結されてアウターチューブt1内に出没可能に挿入されるインナーチューブt2とからなる緩衝器本体Tと、アウターチューブt1に取り付けられて緩衝器本体Tの車体側開口(
図1中上側開口)を塞ぐキャップ部材Cと、インナーチューブt2に取り付けられて緩衝器本体Tの車輪側開口(
図1中下側開口)を塞ぐ有底筒状のボトム部材Bとを備えている。また、緩衝器本体Tにおいて、アウターチューブt1とインナーチューブt2の重複部の間に形成される筒状隙間t3の外気側開口(
図1中下側開口)は、上記アウターチューブt1の車輪側(
図1中下側)開口端部内周に直列に保持されてインナーチューブt2の外周面に摺接する環状のオイルシールr1と環状のダストシールr2で塞がれている。このため、緩衝器本体Tの内側が外気側と区画され、緩衝器本体T内に収容される液体や気体が外気側に流出しないようになっている。
【0026】
さらに、上記緩衝器Dは、上記キャップ部材Cに基端部を保持されてアウターチューブt1の軸心部に起立するピストンロッド60と、このピストンロッド60の先端に保持されてインナーチューブt2の内周面に摺接するピストン61と、このピストン61で区画され作動流体が収容される二つの部屋L1,L2とを備えている。そして、これら二つの部屋L1,L2は、ピストンロッド側(
図1中上側)に配置される伸側室L1と、反ピストンロッド側(
図1中下側)に配置される圧側室L2とからなり、油、水、水溶液等の液体からなる作動流体が収容されている。
【0027】
また、伸側室L1の液面L3を介して上側には、気体が封入されて気室Eが形成されている。他方、圧側室L2には、懸架ばねSが収容されている。そして、この懸架ばねSは、コイルスプリングからなり、ボトム部材Bに支えられる下側のばね受け1と、ピストンロッド60の先端にピストン61とともに保持される上側のばね受け62との間に介装されている。このため、懸架ばねSは、ピストンロッド60が退出する方向にピストン61を附勢して緩衝器Dを伸長方向(
図1中上側)に附勢することができ、車体を弾性支持している。
【0028】
もどって、上記ピストン61には、伸側室L1と圧側室L2とを連通する伸側流路61aと図示しない圧側流路が形成されている。そして、上記伸側流路61aの入口は、常に伸側室L1と連通する。また、伸側流路61aの出口は、ピストン61の圧側室側に積層される伸側チェック弁V1で開閉可能に塞がれている。他方、図示しない上記圧側流路の入口は、常に圧側室L2と連通する。また、図示しない圧側流路の出口は、ピストン61の伸側室側に積層される圧側減衰弁V2で開閉可能に塞がれている。
【0029】
そして、アウターチューブt1からインナーチューブt2が退出し、インナーチューブt2からピストンロッド60が退出する緩衝器D(懸架装置)の伸長時には、ピストン61で加圧された伸側室L1の作動流体が伸側チェック弁V1を開き、伸側流路61aを通過して圧側室L2に移動する。
【0030】
また、アウターチューブt1内にインナーチューブt2が進入し、インナーチューブt2内にピストンロッド60が進入する緩衝器D(懸架装置)の圧縮時には、ピストン61で加圧された圧側室L2の作動流体が圧側減衰弁V2を開き、図示しない圧側流路を通過して伸側室L1に移動する。
【0031】
したがって、懸架装置の伸縮に伴い緩衝器Dは、上記伸側流路61aや圧側流路(図示せず)を作動流体が通過する際の伸側チェック弁V1や圧側減衰弁V2の抵抗に起因する減衰力を発生することができる。また、上記伸側チェック弁V1は、伸側流路61aを通過する作動流体に小さい抵抗しか与えないが、上記圧側減衰弁V2は、図示しない圧側流路を通過する作動流体に大きい抵抗を与えられるように設定されている。このため、
図1に示す一方の緩衝器Dが伸長時に発生する減衰力を小さく抑えるとともに、一方の緩衝器Dが圧縮時に発生する減衰力を大きくすることができ、上記一方の緩衝器Dを主に懸架装置の圧縮時に減衰力を発生する圧側減衰力発生用の緩衝器として機能させることができる。
【0032】
さらに、本実施の形態に係る懸架装置は、上記緩衝器Dが圧縮時に発生する減衰力を調整するための減衰力調整手段を備えている。そして、この減衰力調整手段は、上記圧側流路(図示せず)を迂回して伸側室L1と圧側室L2とを連通するバイパス路70と、このバイパス路70内に進退可能に挿入されるニードル弁71と、このニードル弁71を駆動するアクチュエータ72とを備えている。
【0033】
また、本実施の形態において、上記バイパス路70は、一方側を圧側室L2に連通させるとともに、筒状に形成されたピストンロッド60の軸心部を通り、他方側を気室Eに連通させており、この気室Eを介して伸側室L1に連通している。さらに、上記バイパス路70の途中には、圧側チェック弁73が設けられている。そして、この圧側チェック弁73は、圧側室L2の作動流体が上記バイパス路70を通過して伸側室L1へ移動することを許容するが、気室Eの気体や、伸側室L1の作動流体が上記バイパス路70を通過して圧側室L2へ移動することを防止することができる。
【0034】
また、上記ニードル弁71は、円錐状に形成される先端部71aをバイパス路70内に挿入させており、バイパス路70内に進入すると先端部71aの外周に形成される隙間を狭め、バイパス路70から退出すると先端部71aの外周に形成される隙間を広げることができる。
【0035】
また、上記アクチュエータ72は、上記ニードル弁71の背面に当接する駆動部材72aと、キャップ部材Cに保持される電動のモータ72bと、このモータ72bの回転運動を上記駆動部材72aの直線運動に変換する運動変換機構(図示せず)とを備えている。
【0036】
上記構成を備えることにより、モータ72bで駆動部材72aを駆動し、ニードル弁71をバイパス路70内に進入させると、ニードル弁71の先端部71a外周に形成される隙間が狭くなる。このため、懸架装置の圧縮時にバイパス路70を通過する作動流体の流量が少なくなり、緩衝器Dが圧縮時に発生する減衰力を大きくすることができる。
【0037】
また、モータ72bで駆動部材72aを駆動し、ニードル弁71をバイパス路70から退出させると、ニードル弁71の先端部71a外周に形成される隙間が広くなる。このため、懸架装置の圧縮時にバイパス路70を通過する作動流体の流量が多くなり、緩衝器Dが圧縮時に発生する減衰力を小さくすることができる。
【0038】
つづいて、圧側室L2内に配置される懸架ばねSの反力を調整するばね力調整手段Aは、
図2に示すように、下側のばね受け1の反懸架ばね側(
図2中下側)に形成される移動ガイド面10aと、支持部材2に形成されて上記移動ガイド面10aの反懸架ばね側に向い合せに配置される固定ガイド面20と、移動ガイド面10aに摺接する第一摺接面30及び固定ガイド面20に摺接する第二摺接面31を有するスライダ3と、このスライダを駆動する駆動操作部とを備えており、この駆動操作部は、ボルト4及びスライドナット5で構成されている。
【0039】
そして、移動ガイド面10aが形成される下側のばね受け1と、固定ガイド面20が形成される支持部材2は、ボトム部材Bに外周を支えられた状態で、ボトム部材B内に出没可能に挿入されており、緩衝器Dの直径方向(水平方向)に動かないようになっている。
【0040】
さらに、上記下側のばね受け1は、懸架ばねSを支えるばね受け本体10と、このばね受け本体10から反懸架ばね側(
図2中下側)に延びる延設片11とを備えている。また、下側のばね受け1の反懸架ばね側(
図2中下側)部分には、ばね受け本体10から上記延設片11にかけて長孔12が形成されている。また、上記ばね受け本体10において、その懸架ばね側(
図2中上側)には、懸架ばねSの下端が当接するシート面10bが形成されており、反懸架ばね側(
図2中下側)には、上記移動ガイド面10aが形成されている。
【0041】
そして、上記シート面10bは、緩衝器Dの直径方向(水平方向)に配置される平面である。また、上記移動ガイド面10aは、緩衝器Dの軸心線x1に対して傾斜する第一傾斜面a1に沿って配置される平面である。このため、ばね受け本体10は、シート面10bと移動ガイド面10aが離間する肉厚な一方側(
図2中右側)からシート面10bと移動ガイド面10bが接近する薄肉な他方側(
図2中左側)にかけて徐々に肉厚が薄くなり、縦断面が略逆直角三角形状に形成されている。さらに、ばね受け本体10は、肉厚な一方側を上記ボルト4のボルトヘッド側に向けるとともに、薄肉な他方側を上記ボルト4の先端側(反ボルトヘッド側)に向けて配置されている。
【0042】
また、上記延設片11は、上記ばね受け本体10の一方側端部(
図2中右端部)から反懸架ばね側(
図2中下側)に延びている。
【0043】
また、上記長孔12は、緩衝器Dの直径方向(水平方向)に配置されて下側のばね受け1を一方側から他方側にかけて貫通するとともに、緩衝器Dの軸方向に延びている。そして、長孔12の短手方向の幅は、上記ボルト4の螺子軸42の外径と符合するように設定され、上記長孔12に対して垂直に上記ボルト4の螺子軸42が貫通している。このため、下側のばね受け1と上記ボルト4は、緩衝器Dの軸方向(
図2中上下方向)に相対移動することはできるが、緩衝器Dの周方向(
図2中左右方向)に相対回転することができない。
【0044】
つづいて、上記支持部材2は、その懸架ばね側(
図2中上側)に形成される上記固定ガイド面20と、反懸架ばね側(
図2中下側)に形成される接地面21とを備えており、この接地面21をボトム部材Bの底部b1に当接させている。
【0045】
そして、上記固定ガイド面20は、緩衝器Dの軸心線x1に対して上記第一傾斜面a1と逆方向に傾斜する第二傾斜面a2に沿って配置される平面である。また、上記接地面21は、緩衝器Dの直径方向(水平方向)に配置される平面である。このため、支持部材2は、固定ガイド面20と接地面21が離間する肉厚な一方側(
図2中右側)から固定ガイド面20と接地面21が接近する薄肉な他方側(
図2中左側)にかけて徐々に肉厚が薄くなり、断面が略直角三角形状に形成されている。さらに、支持部材2は、肉厚な一方側を上記ボルト4のボルトヘッド側に向けるとともに、薄肉な他方側を上記ボルト4の先端側(反ボルトヘッド側)に向けて配置されている。
【0046】
尚、第二傾斜面a2が第一傾斜面a1と逆方向に傾斜したときの、第一傾斜面a1と第二傾斜面a2の関係は、各傾斜面a1、a2が緩衝器Dの軸心線x1
に対して0度から180度の範囲で傾斜するとしたとき、緩衝器Dの軸心線x1に対する第一傾斜面a1の傾斜角度a3が0度より大きく、90度より小さい場合(0°<a3<90°)、緩衝器Dの軸心線x1に対する第二傾斜面a2の傾斜角度a4が90度より大きく、180度よりも小さくなる(90°<a4<180°)、若しくは、この逆になることをいい、第一傾斜面a1と第二傾斜面a2が水平線(緩衝器Dの軸心線x1に対して垂直な線)を中心に線対称に配置されていなくてもよい。
【0047】
もどって、上記支持部材2には、上記懸架ばねSによる力が下側のばね受け1及びスライダ3を介して
図2中下向きに作用しているため、支持部材2は、懸架ばねSでボトム部材Bの底部b1に押し付けられており、緩衝器Dに固定されている。
【0048】
さらに、支持部材2において肉厚な一方側(
図2中右側)の側面2aとボトム部材Bの内周面との間には、軸状隙間b2が形成されている。そして、この軸状隙間b2は、緩衝器Dの軸方向に配置されるとともに、懸架ばね側(
図2中上側)に開口しており、軸状隙間b2に下側のばね受け1の延設片11が出没することができる。
【0049】
つづいて、上記スライダ3は、その懸架ばね側(
図2中上側)に形成されて下側のばね受け1の移動ガイド面10aに摺接する第一摺接面30と、反懸架ばね側(
図2中下側)に形成されて支持部材2の固定ガイド面20に摺接する第二摺接面31とを備えている。さらに、このスライダ3の中央部分には、長孔
32が形成されている。
【0050】
そして、上記第一摺接面30は、上記第一傾斜面a1に沿って配置され、上記下側のばね受け1の移動ガイド面10aと略同じ角度で傾斜する平面である。また、上記第二摺接面31は、上記第二傾斜面a2に沿って配置され、上記支持部材2の固定ガイド面20と略同じ角度で傾斜する平面である。このため、スライダ3は、第一摺接面30と第二摺接面31が接近する薄肉な一方側(
図2中右側)から第一摺接面30と第二摺接面31が離間する肉厚な他方側(
図2中左側)にかけて徐々に肉厚が厚くなり、縦断面が一対の底辺を緩衝器Dの直径方向(水平方向)に並べて配置させる略台形状に形成されている。さらに、スライダ3は、薄肉な一方側を上記ボルト4のボルトヘッド側に向けるとともに、肉厚な他方側を上記ボルト4の先端側(反ボルトヘッド側)に向けて配置されている。
【0051】
また、上記長孔32は、緩衝器Dの直径方向(水平方向)に配置されてスライダ3を一方側から他方側にかけて貫通するとともに、緩衝器Dの軸方向に延びている。そして、長孔32の短手方向の幅は、上記ボルト4の螺子軸42の外径と符合するように設定され、上記長孔32に対して垂直に上記ボルト4の螺子軸42が貫通している。このため、スライダ3とボルト4は、緩衝器Dの軸方向(
図2中上下方向)に相対移動することはできるが、緩衝器Dの周方向(
図2中左右方向)に相対回転することができない。
【0052】
また、スライダ3は、下側のばね受け1及び支持部材2と面接触しているため、下側のばね受け1、支持部材2及びスライダ3が緩衝器Dの周方向(
図2中左右方向)に相対回転できない。このため、スライダ3及び支持部材2の少なくとも一方の長孔12,32の短手方向の幅をボルト4の螺子軸42の外径と符合するよう設定すれば、下側のばね受け1、支持部材2及びスライダ3がボルト4と緩衝器Dの周方向(
図2中左右方向)に相対回転することを防止することができる。
【0053】
また、上記スライダ3は、
図3に示すように、その反ボルトヘッド側面3aに形成される四角柱状の溝33を備えており、この溝33の底部33aに上記長孔32が開口するとともに、溝33内にスライドナット5が挿入されている。
【0054】
そして、上記スライドナット5は、環状に形成されて内周に螺子溝を有しており、上記ボルト4の螺子軸42の外周に螺合している。また、スライドナット5は、その外周が四角状に形成されており、ボルトヘッド側面5aの両側に起立して二面幅形状を有する一対の摺接面5b,5cを備えている。
【0055】
もどって、上記溝33は、上記底部33aの両側に起立して、緩衝器Dの軸方向に配置される一対の側部33b,33cを備えており、溝33の縦幅がスライドナット5の縦幅よりも長く、溝33の横幅(側部33b,33c間の距離)がスライドナット5の横幅(摺接面5b,5cの距離、二面幅)と符合している。このため、スライドナット5は、ボルトヘッド側面5aを上記溝33の底部33aに摺接させるとともに、各摺接面5b,5cを側部33b,33cに摺接させながら、溝33に沿って緩衝器Dの軸方向(
図3中上下方向)に移動することができる。
【0056】
つまり、スライダ3とスライドナット5は、緩衝器Dの軸方向(
図2中上下方向)に相対移動することはできるが、緩衝器Dの周方向(
図2中左右方向)に相対回転することができない。また、このスライダ3でボルト4とスライドナット5が供回りすることを防止することができる。
【0057】
つづいて、上記ボルト4は、
図2に示すように、ボトム部材Bの外側からボトム部材Bの内側に挿入されており、工具等を引っかけるための係合部40aが形成されるボルトヘッド40と、このボルトヘッド40に連なりボトム部材Bに回転可能に支持される基端側軸部41と、この基端側軸部41の先端側(反ボルトヘッド側)に連なり外周に螺子溝が形成される螺子軸42と、この螺子軸42の先端側(反ボルトヘッド側)に連なりボトム部材Bの内周面に形成される円柱状の支持溝b3に回転可能に挿入される先端側軸部43とからなる。
【0058】
つまり、ボルト4は、ボルトヘッド40が外側を向くように配置され、係合部40aが緩衝器Dの外側に露出することから、ボトム部材Bの外側からボルト4を操作してスライダ3を駆動することができる。
【0059】
また、上記ボルト4は、螺子軸42が緩衝器Dの直径方向(水平方向)に配置されるよう設定されており、螺子軸42の基端側と先端側に連なる基端側軸部41と先端側軸部43がボトム部材Bに回転可能に支えられている。このため、ボルト4は、ボトム部材Bに軸支されて
図2中前後方向(
図4中矢印y1,y2方向)に同位置で回転することが可能であるが、緩衝器Dの軸方向(
図2中上下方向)に移動せず、緩衝器Dの周方向(
図2中左右方向)に回転することもない。
【0060】
したがって、このボルト4と緩衝器Dの周方向(
図2中左右方向)に相対回転することを防止されている下側のばね受け1、支持部材2及びスライダ3は、ボルト4で回り止めされて、緩衝器Dの周方向に回転することがない。しかし、上記ボルト4と緩衝器Dの軸方向(
図2中上下方向)に相対移動することを許容されている下側のばね受け1及びスライダ3は、緩衝器Dの軸方向に移動することができる。
【0061】
また、上記ボトム部材Bには、環状のシールr3が保持されて基端側軸部41の外周に摺接しており、ボトム部材Bとボルト4との隙間から緩衝器本体T内に収容される作動流体が外側に漏れることを防止している。
【0062】
次に、ばね力調整手段Aの動作について説明する。スライドナット5がボルト4と供回りしないようになっているため、
図4(a)に示すようにボルト4を矢印y1方向に回転すると、
図4(b)に示すようにスライドナット5がスライダ3を駆動してスライダ3とともにボルトヘッド側に移動する。
【0063】
つまり、スライダ3は、支持部材2の固定ガイド面20上を上り、移動ガイド面10aと固定ガイド面20が接近する
図4中右側に向かって移動するため、スライダ3及び下側のばね受け1が支持部材2で底上げされる(距離d1)。また、スライダ3と下側のばね受け1との当接位置も、移動ガイド面10aにおいて固定ガイド面20に接近する
図4中右側に移動するため、下側のばね受け1がスライダ3で押し上げられる(距離d2)。
【0064】
したがって、下側のばね受け1は、緩衝器Dの軸方向に沿って懸架ばね側(
図4中上側)に移動し、懸架ばねSを圧縮させるため、懸架ばねSの反力を大きくすることができる。また、下側のばね受け1の移動距離は、スライダ3の軸方向位置の変化分(上記距離d1)と、スライダ3と下側のばね受け1の当接位置の変化による下側のばね受け1の軸方向位置の変化分(距離d2)の和(d1+d2)となる。
【0065】
他方、
図4(b)に示すようにボルト4を矢印y2方向に回転すると、
図4(a)に示すようにスライドナット5がボルト4の先端側(反ボルトヘッド側)に移動する。このとき、スライダ3及び下側のばね受け1には、懸架ばねSによる力が
図4中下向きに作用している。
【0066】
このため、スライダ3は、スライドナット5とともにボルト4の先端側に移動し、支持部材2の固定ガイド面20上を下り、移動ガイド面10aと固定ガイド面20が離間する
図4中左側に向かって移動するため、スライダ3の位置が下がる(距離d1)。そして、下側のばね受け1は、スライダ3とボトム部材Bの隙間に押し込まれる(距離d2)。
【0067】
したがって、下側のばね受け1は、緩衝器Dの軸方向に沿って反懸架ばね側(
図4中下側)に移動し、懸架ばねSを伸長させるため、懸架ばねSの反力を小さくすることができる。また、下側のばね受け1の移動距離は、スライダ3の軸方向位置の変化分(上記距離d1)と、スライダ3と下側のばね受け1の当接位置の変化による下側のばね受け1の軸方向位置の変化分(距離d2)の和(d1+d2)となる。
【0068】
次に、本実施の形態に係る懸架装置の作用効果について説明する。上記懸架装置は、緩衝器Dと、この緩衝器Dを伸長方向に附勢する懸架ばねSと、この懸架ばねSの下端(一方側端)を支持する下側のばね受け1と、この下側のばね受け1を上記緩衝器Dの軸方向(
図1中上下方向)に移動させ上記懸架ばねSの圧縮量を変更するばね力調整手段Aとを備えている。
【0069】
また、上記ばね力調整手段Aは、上記下側のばね受け1の反懸架ばね側(
図1中下側)に固定される移動ガイド面10aと、この移動ガイド面10aの反懸架ばね側(
図1中下側)に向い合せに配置され上記緩衝器Dに固定される固定ガイド面20と、上記移動ガイド面10aと上記固定ガイド面20との間に介装されて上記移動ガイド面10aに摺接する第一摺接面30及び上記固定ガイド面20に摺接する第二摺接面31を有するスライダ3と、このスライダ3を駆動する駆動操作部(ボルト4及びスライドナット5)とを備えている。
【0070】
そして、上記移動ガイド面10a及び上記第一摺接面30が上記緩衝器Dの軸心線x1に対して傾斜する第一傾斜面a1に沿って配置される平面であり、上記固定ガイド面20及び上記第二摺接面31が上記緩衝器Dの軸心線x1に対して上記第一傾斜面a1と逆方向に傾斜する第二傾斜面a2に沿って配置される平面であり、上記スライダ3が上記第一傾斜面a1と第二傾斜面a2が接近する一方側(
図1中右側)と上記第一傾斜面a1と上記第二傾斜面a2が離間する他方側(
図1中左側)に向けてスライドする。
【0071】
したがって、スライダ3がボルト4及びスライドナット5で駆動されるとき、スライダ3自体も下側のばね受け1と同方向に移動する(距離d1)ことから、スライダ3のスライド量(スライダ3が緩衝器Dの直径方向に移動する距離)や第一傾斜面a1の傾斜角度を大きくすることなく、下側のばね受け1の移動量を大きくすることが可能となる。
【0072】
また、本実施の形態において、上記スライダ3は、このスライダ3を貫通し上記緩衝器Dの直径方向(水平方向)に配置されるとともに上記緩衝器Dの軸方向に延びる長孔32を備えている。また、上記駆動操作部は、ボルト4及びスライドナット5で構成され、上記ボルト4は、ボルトヘッド40と螺子軸42とを備え、この螺子軸42を上記長孔32に貫通させている。さらに、上記スライドナット5は、上記ボルト4と供回りが防止されて上記螺子軸42の外周に螺合され、上記スライダ3の反ボルトヘッド面3bに摺接する。
【0073】
上記構成を備えることにより、スライダ3は、ボルト4及びスライドナット5と緩衝器Dの軸方向に相対移動することが可能となり、ボルト4及びスライドナット5の位置を変化させることなく、スライダ3を下側のばね受け1と同方向、即ち、緩衝器Dの軸方向(
図2中上下方向)に移動させることができる。
【0074】
したがって、本実施の形態のように、懸架ばねSを緩衝器本体T内に収容し、ボルト4を緩衝器本体Tの車体側開口を塞ぐボトム部材Bに取り付ける等、ボルト4と、このボルト4を保持する部材(ボトム部材B)との間をシールする必要がある場合において、容易にシールすることができるため、特に有効である。
【0075】
また、スライダ3が緩衝器Dの軸方向に移動するとき、この軸方向の移動量は、スライダ3に形成される長孔32の長手方向の長さに依存するため、この長孔32でスライダ3の軸方向の移動量を規制することができる。
【0076】
また、本実施の形態において、上記下側のばね受け1は、この下側のばね受け1を貫通し上記緩衝器Dの直径方向(水平方向)に配置されるとともに上記緩衝器Dの軸方向に延びる長孔12とを備えており、この長孔12に上記ボルト4の上記螺子軸42が貫通している。
【0077】
上記構成を備えることにより、下側のばね受け1が緩衝器Dの軸方向に移動するとき、この軸方向の移動量は、下側のばね受け1に形成される長孔12の長手方向の長さに依存するため、この長孔12で下側のばね受け1の軸方向の移動量を規制することができる。
【0078】
また、本実施の形態において、上記スライダ3の上記長孔32及び上記下側のばね受け1の上記長孔12の短手方向の幅が上記ボルト4の螺子軸42の外径と符合するように設定されている。
【0079】
上記構成を備えることにより、下側のばね受け1やスライダ3がボルト4に対して緩衝器Dの軸方向に移動することを許容するとともに、緩衝器Dの周方向に回転することを防止することができる。
【0080】
また、本実施の形態において、上記緩衝器Dは、車体側に連結されるアウターチューブt1と、車輪側に連結されて上記アウターチューブt1内に出没可能に挿入されるインナーチューブt2と、上記アウターチューブt1の車体側開口を塞ぐキャップ部材Cと、有底筒状に形成されて上記インナーチューブt2の車輪側開口を塞ぐボトム部材Bと、上記キャップ部材Cに保持されて上記アウターチューブt1の軸心部に起立するピストンロッド60と、このピストンロッド60に保持されて上記インナーチューブt2の内周面に摺接するピストン61とを備えている。
【0081】
さらに、上記懸架ばねSは、上記ピストン61と上記ボトム部材Bとの間に配置され、上記ばね力調整手段Aは、上記ボトム部材B内に挿入されて懸架ばね側に上記固定ガイド面20が形成される支持部材2を備えている。そして、上記支持部材2は、上記ボルト4のボルトヘッド側を向く一方側の側面2aと上記ボトム部材Bの内周面との間に緩衝器Dの軸方向に配置される軸状隙間b2を形成している。
【0082】
また、上記下側のばね受け1は、懸架ばね側に上記懸架ばねSが当接するシート面10bが形成されるとともに反懸架ばね側に上記移動ガイド面10aが形成されるばね受け本体10と、このばね受け本体10から反懸架ばね側に延びる延設片11とを備え、この延設片11が上記軸状隙間b2内に出没可能に挿入されている。
【0083】
上記構成を備えることにより、延設片11に下側のばね受け1の長孔12を形成することができ、支持部材2が下側のばね受け1の移動の妨げとなることを防止することができる。
【0084】
また、支持部材2は、ボトム部材Bの底部b1に懸架ばねSで押し付けられて緩衝器Dに固定されており、上記支持部材2に固定ガイド面20を形成することで固定ガイド面20を容易に緩衝器Dに固定することができる。このため、固定ガイド面20を形成し易く、また、支持部材2を溶接や接着等の方法によらず、簡単に緩衝器Dに固定することが可能となる。
【0085】
また、本実施の形態において懸架装置は、キャップ部材Cに保持されるモータ72bを備えた減衰力調整手段を備えており、電動で緩衝器Dの発生する減衰力を調整している。つまり、モータ72bを懸架ばねSのばね上に配置することで、路面凹凸による衝撃がモータ72bに作用することを抑制することができる。また、ばね力調整手段Aをボトム部材側に設けることで、キャップ部材Cにモータ72bを保持させても懸架ばねSの反力を調整することができる。
【0086】
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
【0087】
例えば、上記実施の形態においては、懸架装置が二輪車や三輪車等の鞍乗型車両において前輪を懸架するフロントフォークであるとしたが、この限りではなく、鞍乗型車両において後輪を懸架するリアクッションユニットや、鞍乗型車両以外の懸架装置であるとしてもよい。
【0088】
また、上記実施の形態において、移動ガイド面10a及び第一摺接面30の両方が第一傾斜面a1に沿って配置される平面であり、固定ガイド面20及び第二摺接面31の両方が第二傾斜面a2に沿って配置される平面である。しかし、移動ガイド面10a若しくは第一摺接面30の一方のみが第一傾斜面a1に沿って配置される平面であり、固定ガイド面10a若しくは第二摺接面の一方のみが第二傾斜面a1に沿って配置される平面であるとしてもよい。
【0089】
また、上記実施の形態において、スライドナット5がスライダ3に摺接しており、スライダ3がボルト4及びスライドナット5に対し、緩衝器Dの軸方向に移動することができるが、スライドナット5がスライダ3に固定され、スライダ3とともにボルト4及びスライドナット5が緩衝器Dの軸方向に移動するとしてもよい。
【0090】
また、上記実施の形態において、移動ガイド面10aが下側のばね受け1のばね受け本体10に形成されているが、下側のばね受け1に連結される他の部材に形成されるとしてもよく、下側のばね受け1の構成や形状を適宜変更することが可能である。
【0091】
また、スライダ3の構成や形状も上記の限りではなく、適宜変更することが可能である。
【0092】
また、上記実施の形態において、固定ガイド面20がボルト部材Bに挿入される支持部材2に形成されているが、例えば、ボルト部材Bの底部b1が第二傾斜面a2に沿って傾斜して固定ガイド面20として機能するとしてもよく、必ずしも支持部材2を備える必要はない。
【0093】
また、上記実施の形態において、下側のばね受け1をばね力調整手段Aで緩衝器Dの軸方向に移動させているが、上側のばね受けをばね力調整手段で緩衝器Dの軸方向に移動させるとしてもよい。