(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
軸線方向に沿って延びる板状の検出素子であり、表面の一部を構成する互いに対向する第1の主面および第2の主面と、前記軸線方向に沿って延び、前記表面の一部を構成する互いに対向する第1の側面および第2の側面と、前記第1と第2の主面の少なくともいずれか一方の主面に配置された複数の電極端子部と、を有する検出素子と、
前記複数の電極端子部に対応して設けられ、対応する前記電極端子部と電気的に接続される複数の端子部材であって、前記軸線方向に沿って延びる長尺形状のフレーム本体部と、前記電極端子部に弾性接触する素子当接部と、前記フレーム本体部と前記素子当接部とを接続し、折り返された折り返し部と、をそれぞれ備える複数の端子部材と、
前記検出素子のうち前記複数の電極端子部が配置された部分、および、前記素子当接部を取り囲むセパレータと、を備えるセンサであって、
前記第1の主面と前記第2の主面とが対向する方向を前記検出素子の厚さ方向とし、前記第1の側面と前記第2の側面とが対向する方向を前記検出素子の幅方向としたときに、
前記複数の電極端子部のうちの2以上の前記電極端子部は、前記幅方向に沿って配置され、
前記複数の端子部材のそれぞれの前記素子当接部は、前記折り返し部から前記電極端子部と接触する接触部までの間に、前記幅方向内側に向かって屈曲する屈曲部を有し、
前記複数の端子部材のうち、前記幅方向に隣り合う2つの端子部材において、
前記接触部間の前記幅方向の距離は、前記フレーム本体部間の前記幅方向の距離よりも小さい、ことを特徴とするセンサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、コスト低減やセンサの小型化等を目的として検出素子の小型化が図られている。例えば、検出素子の幅が狭くなると、検出素子の主面に配置された複数の電極端子部の間隔が狭くなる。従って、複数の端子部材と対応する複数の電極端子部との接触を良好に図りつつ、複数の端子部材同士の絶縁を図る技術が望まれている。ここで、検出素子の幅は、軸線方向と直交し、かつ、第1の主面に平行な方向に沿った検出素子の寸法である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、軸線方向に沿って延びる板状の検出素子であり、表面の一部を構成する互いに対向する第1の主面および第2の主面と、前記軸線方向に沿って延び、前記表面の一部を構成する互いに対向する第1の側面および第2の側面と、前記第1第2の主面の少なくともいずれか一方の主面に配置された複数の電極端子部と、を有する検出素子と、前記複数の電極端子部に対応して設けられ、対応する前記電極端子部と電気的に接続される複数の端子部材であって、前記軸線方向に沿って延びる長尺形状のフレーム本体部と、前記電極端子部に弾性接触する素子当接部と、前記フレーム本体部と前記素子当接部とを接続し、折り返された折り返し部と、をそれぞれ備える複数の端子部材と、前記検出素子のうち前記複数の電極端子部が配置された部分、および、前記素子当接部を取り囲むセパレータと、を備えるセンサが提供される。
このセンサは、前記第1の主面と前記第2の主面とが対向する方向を前記検出素子の厚さ方向とし、前記第1の側面と前記第2の側面とが対向する方向を前記検出素子の幅方向としたときに、前記複数の電極端子部のうちの2以上の前記電極端子部は、前記幅方向に沿って配置され、前記複数の端子部材のそれぞれの前記素子当接部は、前記折り返し部から前記電極端子部と接触する接触部までの間に、前記幅方向内側に向かって屈曲する屈曲部を有し、前記複数の端子部材のうち、前記幅方向に隣り合う2つの端子部材において、前記接触部間の前記幅方向の距離は、前記フレーム本体部間の前記幅方向の距離よりも小さい。
この形態のセンサによれば、端子部材が屈曲部を有することで、幅方向に隣り合う2つの端子部材のフレーム本体部の間隔を開けつつ、端子部材の素子当接部と検出素子の電極端子部との接触を良好に図ることができる。
【0008】
(2)上記形態のセンサであって、前記幅方向に隣り合う2つの端子部材がそれぞれ備える前記フレーム本体部の間には、絶縁性の隔壁が配置されていても良い。
この形態のセンサによれば、隣り合うフレーム本体部の間は絶縁性の隔壁を配置することで、隣り合うフレーム本体部同士が電気的に接続される可能性を低減できる。これにより、センサの検出精度を向上できる。
【0009】
(3)上記形態のセンサであって、前記フレーム本体部の側面のうち前記幅方向内側に位置する内側面は、前記検出素子よりも前記幅方向外側に位置しても良い。
この形態のセンサによれば、幅方向に隣り合うフレーム本体部の間隔を十分に開けることができる。
【0010】
(4)上記形態のセンサであって、前記接触部の幅は、前記折り返し部の幅よりも狭くても良い。
この形態のセンサによれば、折り返し部の剛性の低下を抑制しつつ、接触部によって電極端子部に加える弾性力(接圧)を大きくできる。
【0011】
(5)上記形態のセンサであって、複数の前記フレーム本体部のうちの2つは、前記検出素子の前記厚さ方向両側を挟んで対向する位置に配置された一対のフレーム本体部であり、さらに、前記一対のフレーム本体部の間に位置すると共に、前記検出素子の前記第1の側面と対向する絶縁性の側面隔壁を有し、前記側面隔壁は、前記一対のフレーム本体部のうち、前記幅方向外側に位置するそれぞれの外側面よりも前記幅方向内側に位置しても良い。
この形態のセンサによれば、側面隔壁が一対のフレーム本体部のそれぞれの外側面よりも幅方向内側に位置することで、側面隔壁と検出素子との幅方向の間隔を小さくできる。これにより、センサの振動等によって、検出素子が幅方向に動こうとした場合でも、側面隔壁によって検出素子の幅方向の動きを規制できる。よって、検出素子のセンサ内における位置ズレを抑制できる。
【0012】
(6)本発明の他の一形態によれば、軸線方向に沿って延びる検出素子が備える電極端子部と電気的に接続される端子部材が提供される。この端子部材は、前記軸線方向に沿って延びる長尺形状のフレーム本体部と、前記電極端子部に弾性接触する素子当接部であって、前記軸線方向に直交する方向である厚さ方向において、少なくとも一部が前記フレーム本体部と対向する素子当接部と、前記フレーム本体部と前記素子当接部とを接続し、折り返された折り返し部と、を備え、前記軸線方向および前記厚さ方向に直交する方向を前記端子部材の幅方向としたときに、前記素子当接部は、前記折り返し部から前記電極端子部と接触する接触部までの間に、前記幅方向に屈曲する屈曲部を有する。
この形態の端子部材によれば、幅方向に屈曲する屈曲部を有することから、複数の端子部材を幅方向に隣り合うようにセンサに組み付けた場合でも、幅方向に隣り合うフレーム本体部の間隔を開けつつ、端子部材の素子当接部と検出素子の電極端子部との接触を良好に図ることができる。すなわち、隣り合う2つの端子部材として、幅方向において逆方向に屈曲する2つの端子部材を用いることで、幅方向に隣り合うフレーム本体部の間隔を開けつつ、端子部材の素子当接部と検出素子の電極端子部との接触を良好に図ることができる。
【0013】
(7)上記形態の端子部材であって、前記接触部の幅は、前記折り返し部の幅よりも狭くても良い。
この形態の端子部材によれば、折り返し部の剛性の低下を抑制しつつ、接触部によって電極端子部に加える弾性力(接圧)を向上させることができる。
【0014】
本発明は、センサや端子部材以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、センサの製造方法、端子部材の製造方法等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
A.第1実施形態:
A−1.センサの構成:
図1は、本発明の第1実施形態としてのガスセンサ1の断面図である。
図1において、ガスセンサ1の軸線方向CLを上下方向として図示する。また、ガスセンサ1の内部に保持された検出素子10の先端部11側をガスセンサ1の先端側CL1、後端部12側をガスセンサ1の後端側CL2として説明する。
【0017】
図1に例示するガスセンサ1は、自動車の排気管(図示せず)に取り付けられるものである。ガスセンサ1は、内部に保持された検出素子10の先端部11が排気管内を流通する排気ガス中に晒される。先端部11が排気ガスに晒されることで、ガスセンサ1は排気ガス中の酸素濃度に基づいて排気ガスの空燃比を検出する。すなわち、ガスセンサ1は、いわゆる全領域空燃比センサである。
【0018】
検出素子10は、軸線方向CLに沿って延びる板状である。
図1では、紙面左右方向が検出素子10の厚さ方向であり、紙面表裏方向が検出素子10の幅方向である。ガスセンサ1は、検出素子10をカップ20内に保持し、さらに、自動車の排気管(図示せず)に取り付けるための主体金具50内にてカップ20を支持することで、検出素子10を主体金具50内に保持した構造を有する。
【0019】
カップ20は、金属によって形成され、有底筒状をなす。カップ20は、主体金具50内において検出素子10を保持するための保持部材であり、検出素子10は、カップ20の筒底に形成された開口25を貫通して保持されている。検出素子10の先端部11は、開口25から先端側CL1に突出している。先端部11は、排気ガス中の酸素ガス成分を検出する検出部として機能する。排気ガスによる被毒から先端部11を保護するために、検出部保護層9が先端部11の外表面を覆うように配置されている。
【0020】
カップ20の筒底のうち周縁部分である先端周縁部23は、テーパ状に形成されている。カップ20内には、アルミナ製のセラミックリング21と滑石粉末を圧縮して固めた滑石リング22とが、それぞれ、自身に検出素子10を挿通させた状態で収容されている。滑石リング22はカップ20内で押し潰された状態で充填されている。これにより、検出素子10がカップ20内で位置決めされて保持されている。
【0021】
カップ20と一体となった検出素子10は、その周囲を筒状の主体金具50に取り囲まれた状態で保持されている。主体金具50は、SUS430等の低炭素鋼からなる。主体金具50の外周先端側には排気管への取り付け用の雄ねじ部51が形成されている。主体金具50のうち雄ねじ部51よりも先端側CL1には、後述するプロテクタ8が係合される先端係合部56が形成されている。主体金具50のうち軸線方向CLの中央部分には、取り付け用の工具が係合する工具係合部52が形成されている。工具係合部52の先端面と雄ねじ部51の後端との間には、排気管に取り付けた際のガス抜けを防止するためのガスケット55が嵌挿されている。工具係合部52の後端側には、後述する外筒45が係合される後端係合部57と、その後端側に、主体金具50内に検出素子10を加締め保持するための加締め部53とが形成されている。
【0022】
主体金具50の内周のうち雄ねじ部51が位置する付近には、段部54が形成されている。段部54には、カップ20の先端周縁部23が係止されている。さらに、主体金具50の内周には滑石リング26が、自身に検出素子10を挿通させた状態で、カップ20の後端側から装填され、カップ20と主体金具50とに跨って配置されている。滑石リング26を後端側から押さえるように、筒状のスリーブ27が主体金具50内に嵌め込まれている。スリーブ27の後端側外周には段状をなす肩部28が形成されている。肩部28には、円環状の加締めパッキン29が配置されている。この状態で主体金具50の加締め部53が、加締めパッキン29を介してスリーブ27の肩部28を先端側に向けて押圧するように加締められている。スリーブ27に押圧された滑石リング26は、主体金具50内で押し潰されることで充填されている。滑石リング26と、カップ20内にあらかじめ装填された滑石リング22とによって、カップ20および検出素子10が主体金具50内で位置決め保持される。
【0023】
主体金具50の先端(先端係合部56)からは、検出素子10の先端部11が先端側CL1に突出している。先端係合部56には、プロテクタ8が取り付けられている。プロテクタ8は、検出素子10の先端部11を、排気ガス中のデポジット(燃料灰分やオイル成分など被毒性の付着物質)による汚損や被水などによる折損等から保護する。プロテクタ8は、内側導入孔95を有する有底筒状の内側プロテクタ90と、内側プロテクタ90の外周面との間に空隙を有した状態でその径方向周囲を取り囲む、外側導入孔85を有する筒状の外側プロテクタ80とから構成される2重構造を有する。
【0024】
外側導入孔85から外側プロテクタ80と内側プロテクタ90との間の空隙に導入される排気ガスは、内側プロテクタ90の外周を取り囲む状態で旋回流を生じ、ガス成分と水分とに分離される。ガス成分は内側導入孔95から内側プロテクタ90内に導入され、検出素子10に接触し、排出口97から外部に排出される。一方、水分は、水抜き孔96から内側プロテクタ90内に進入し、排出口97から外部に排出される。こうした構成により、検出素子10の先端部11は、排気ガス中のデポジットによる汚損や、被水に起因する熱衝撃による折損等から保護されている。
【0025】
一方、主体金具50の後端(加締め部53)からは、検出素子10の後端部12が後端側CL2に突出している。検出素子10の後端部12には、電極を取り出すための白金(Pt)からなる5つの電極端子部31〜35(
図2参照)が形成されている。電極端子部31〜35には、対応して設けられた端子部材61がそれぞれ弾性接触する。詳細には、端子部材61が備える素子当接部69が、対応する電極端子部31〜35に弾性接触する。端子部材61は、5つの電極端子部31〜35に対応して5つ設けられている(
図1では、2つのみ図示)。なお、本実施形態では、後述するように端子部材61は、形状が異なる3種類の部材を用いている。3種類の端子部材61を区別して用いる場合は、「第1種の端子部材61A」,「第2種の端子部材61B」,「第3種の端子部材61C」を用いるものとする。また、単に「端子部材61A」,「端子部材61B」、「端子部材61C」とも呼ぶ。また、素子当接部69について、第1種の端子部材61Aが備える素子当接部を「素子当接部69A」とも呼び、第2種の端子部材61Bが備える素子当接部を「素子当接部69B」とも呼び、第2種の端子部材61Cが備える素子当接部を「素子当接部69C」とも呼ぶ。
【0026】
ガスセンサ1は、さらに、筒状のセパレータ200を備える。セパレータ200は、絶縁性セラミックによって形成されている。セパレータ200は、検出素子10の後端部12及び素子当接部69を取り囲む。すなわち、後端部12及び素子当接部69の径方向外側にはセパレータ200が配置されている。
【0027】
セパレータ200には、ガスセンサ1の外部に引き出される5本のリード線78(
図1ではそのうちの3本を図示)と各端子部材61との各接続部分も収容され保護されている。5つの端子部材61は、検出素子10とセパレータ200との間に配置されている。5つの端子部材61のそれぞれの後端側は、5本のリード線78のうちの対応するリード線78に電気的に接続されている。これにより、リード線78が接続される外部機器と電極端子部31〜35との間に流れる電流の電流経路を形成する。
【0028】
外筒45は、主体金具50の後端側に取り付けられている。外筒45は、ステンレス(例えばSUS304)によって筒状に形成されている。外筒45は、主体金具50の後端部12やセパレータ200を保護するために、これらの部材12,200の周囲を覆う。外筒45のうち先端側CL1に位置する開口端46は、主体金具50の後端係合部57の外周に係合され、外周側から加締められると共に、外周を一周して後端係合部57にレーザ溶接されている。これにより、外筒45は、主体金具50に取り付けられている。
【0029】
外筒45とセパレータ200との間隙には、筒状の保持金具70が設けられている。保持金具70は金属によって形成されている。保持金具70は、自身の後端を内側に折り曲げることによって形成された支持部71を有する。支持部71は、セパレータ200の後端側外周に設けられた鍔部201を係止する。これにより、保持金具70は、セパレータ200を支持している。保持金具70がセパレータ200を支持した状態で、外筒45のうち保持金具70が配置された部分の外周面が加締められることで、セパレータ200を支持した保持金具70が外筒45に固定される。
【0030】
さらに、セパレータ200の後端側には、グロメット75が設けられている。グロメット75は、外筒45の後端側内部を閉塞する。グロメット75には、5本のリード線78を外部に取り出すためのリード線挿通孔76が5つ(
図1ではそのうちの1つを図示)形成されている。
【0031】
図2は、検出素子10の構成について説明するための図である。ここで
図2は、検出素子10を模式的に示している。検出素子10は、表面の一部を構成する第1の主面14及び第2の主面15と、表面の他の一部を構成する第1の側面16及び第2の側面17とを有する。第1の主面14と第2の主面15とはそれぞれ、軸線方向CLに沿って延びる。また、第1の主面14と第2の主面15とは互いに対向する。第1の側面16と第2の側面17とはそれぞれ、軸線方向CLに沿って延びる。また、第1の側面16と第2の側面17とは互いに対向する。第1の主面14の表面積と第2の主面15の表面積とはそれぞれ、第1の側面16の表面積や第2の側面17の表面積よりも大きい。
【0032】
ここで、第1の主面14と第2の主面15とが対向する方向を検出素子10の厚さ方向TLとし、第1の側面16と第2の側面17とが対向する方向を検出素子10の幅方向WLとする。また、厚さ方向TLのうち、第2の主面15から第1の主面14に向かう方向を第1の厚さ方向TL1とし、第1の主面14から第2の主面15に向かう方向を第2の厚さ方向TL2とする。また、幅方向のうち、第1の側面16から第2の側面17に向かう方向を第1の幅方向WL1とし、第2の側面17から第1の側面16に向かう方向を第2の幅方向WL2とする。
図2に示すように、検出素子10の厚さ方向TLの長さをLaとし、検出素子10の幅方向WLの長さをLbとする。ここで、検出素子10は、Lb>Laの関係を満たす。
【0033】
検出素子10は、素子部18と、ヒータ19とが厚さ方向TLに積層されている。素子部18とヒータ19とはそれぞれ、軸線方向CLに沿って延びる板状である。検出素子10は、その軸線方向CLに沿って見た場合、幅方向WLを長手方向とする矩形状をなし、略直角をなす4つの稜部を有する。なお、全領域空燃比センサに用いられる検出素子10は公知のものであるが、その概略構成を以下に記述する。
【0034】
素子部18は、固体電解質基板の両側に多孔質電極を形成した酸素濃淡電池素子と、同じく固体電解質基板の両側に多孔質電極を形成した酸素ポンプ素子と、これらの両素子の間に積層され、中空の測定ガス室を形成するためのスペーサとから構成される。固体電解質基板は、イットリアを安定化剤として固溶させたジルコニアから形成される。多孔質電極は、Ptを主体に形成される。測定ガス室を形成するスペーサは、アルミナを主体に構成される。中空の測定ガス室の内側には、酸素濃淡電池素子の一方の多孔質電極と、酸素ポンプ素子の一方の多孔質電極が露出するように配置されている。なお、測定ガス室は、検出素子10の先端部11に位置するように形成されており、測定ガス室が形成される部分が検出部に相当する。ヒータ19は、アルミナを主体とする絶縁基板の間に、Ptを主体とする発熱抵抗体パターンが挟み込まれて形成されている。
【0035】
検出素子10の第1の主面14のうち後端側CL2に位置する部分には、3個の電極端子部31,32,33が配置されている。検出素子10の第2の主面15のうち後端側CL2に位置する部分には、2個の電極端子部34,35が配置されている。ここで、電極端子部31を「第1の電極端子部31」とも呼び、電極端子部32を「第2の電極端子部32」とも呼び、電極端子部33を「第3の電極端子部33」とも呼び、電極端子部34を「第4の電極端子部34」とも呼び、電極端子部35を「第5の電極端子部35」とも呼ぶ。また、第1〜第5の電極端子部31〜35を総称して用いる場合には、「電極端子部30」を使用する。
【0036】
本実施形態では、第1〜第3の電極端子部31〜33は幅方向WLに沿って配置されている。すなわち、第1〜第3の電極端子部31〜33は、互いに幅方向WLにずれた位置に配置されている。第2の電極端子部32は、第1と第3の電極端子部31,33よりも後端側CL2に配置されている。第4と第5の電極端子部34,35は幅方向WLに沿って配置されている。すなわち、第4と第5の電極端子部34,35は、互いに幅方向WLにずれた位置に配置されている。
【0037】
第1〜第3の電極端子部31〜33は、素子部18に形成されており、そのうち1つの電極端子部が測定ガス室の内側に露出する酸素濃淡電池素子の一方の多孔質電極と酸素ポンプ素子の一方の多孔質電極と共用する形で電気的に接続される。第1〜第3の電極端子部31,32,33のうち残りの2つの電極端子部は、酸素濃淡電池素子の他方の多孔質電極と酸素ポンプ素子の他方の多孔質電極と各々電気的に接続されている。また、第4と第5の電極端子部34,35は、ヒータ19に形成されており、ヒータ19の厚さ方向に横切るビア(図示せず)を介して発熱抵抗体パターンの両端に各々接続されている。
【0038】
A−2.端子部材の詳細構成:
図3は、第1種の端子部材61Aの側面図である。
図4は、第1種の端子部材61Aの正面図である。
図5は、第1種の端子部材61Aの斜視図である。
図6は、第2種の端子部材61Bの正面図である。
図7は、第3種の端子部材61Cの斜視図である。本明細書では、第1種〜第3種の端子部材61A〜61Cを区別することなく総称して用いる場合には「端子部材61」を使用する。
【0039】
第1種の端子部材61Aは、第3の電極端子部33と第4の電極端子部34に用いられ、第2種の端子部材61Bは、第1の電極端子部31と第5の電極端子部35に用いられ、第3種の端子部材61Cは、第2の電極端子部32に用いられる。
【0040】
端子部材61は、インコネルやステンレス鋼などの金属によって形成されている。ここで、端子部材61を形成する材料としては、高温に繰り返し晒されてもバネ弾性を維持可能な材料を用いることが好ましい。
【0041】
図3〜
図5に示すように、第1種の端子部材61Aは、フレーム本体部60と、折り返し部65と、素子当接部69Aと、を備える。フレーム本体部60は、軸線方向CLに沿って延びる長尺形状である。ここで、第1種の端子部材61Aに着目した場合に、フレーム本体部60が延びる方向を長尺方向PLとする。端子部材61Aがガスセンサ1に組み付けられた場合、長尺方向PLと軸線方向CLとは同じ方向となる。
【0042】
図4及び
図5に示すように、フレーム本体部60は、本体62と、接続部64と、一対の位置決め部63とを有する。本体62は、軸線方向CLに沿って延びる板状の部材である。接続部64は、フレーム本体部60のうち後端側CL2に形成されている。接続部64は、リード線78が挿入された状態で、内側に向かって加締められることで、リード線78を保持する。これによって、リード線78と第1種の端子部材61Aとが電気的に接続される。一対の位置決め部63は、本体62の幅方向WL両側から突出する板状部材である。位置決め部63の少なくとも一部がセパレータ200内に収容されることで、端子部材61Aの幅方向WLの動が規制される。一対の位置決め部63は、フレーム本体部60の幅方向WLにおける側面を形成する。端子部材61Aがガスセンサ1に組み付けられた場合、一対の位置決め部63のうち、検出素子10の幅方向WL内側に位置する側を位置決め部63aとし、幅方向WL外側に位置する側を位置決め部63bとする。
【0043】
図3に示すように、折り返し部65は、フレーム本体部60と素子当接部69Aとを接続する部分である。折り返し部65は、素子当接部69Aが後端側CL2に向かって延びるように折り返されている。すなわち、折り返し部65は、端子部材61Aのうちで最も先端側CL1に位置する。
【0044】
図3に示すように、素子当接部69Aは、フレーム本体部60と対向する。
図4及び
図5に示すように、素子当接部69Aは、基端部68と、接触部66と、屈曲部67Aとを有する。基端部68は、折り返し部65に接続された部分である。接触部66は、電極端子部30と実際に接触する部分である。屈曲部67Aは、折り返し部65及び基端部68と、接触部66との間に位置する。ここで、素子当接部69Aのうち、折り返し部65側を当接部先端側PL1とし、屈曲部67A側を当接部後端側PL2とする。また、端子部材61Aに着目した場合に、軸線方向CLと直交する方向であって、フレーム本体部60と素子当接部69Aとが対向する方向を、端子部材61Aの厚さ方向TLとする。端子部材61Aがガスセンサ1に組み付けられた場合、厚さ方向PLと厚さ方向TLとは同じ方向となる。また、軸線方向CLおよび厚さ方向PLに直交する方向を端子部材61Aの幅方向QLとする。端子部材61Aがガスセンサ1に組み付けられた場合、幅方向QLと幅方向WLとは同じ方向となる。また、端子部材61Aの幅方向QLのうち検出素子10の第1の幅方向WL1に対応する方向を第1の幅方向QL1とし、検出素子10の第2の幅方向WL2に対応する方向を第2の幅方向QL2とする。
【0045】
接触部66は、折り返し部65を支点とした弾性変形によって変位する。接触部66の幅W1は、折り返し部65の幅W2よりも狭い。ここで、接触部66は、素子当接部69Aのうち検出素子10と対向する面に設けられた凸部によって形成される場合がある。凸部としては、例えば、後述する第3種の端子部材61Cの凸部79が挙げられる(
図7)。この場合において接触部66の幅W1とは、凸部自体の幅を意味する。
【0046】
図4に示すように、屈曲部67Aは幅方向WLに屈曲する部分である。詳細には、屈曲部67Aは、基端部68から接触部66に至るまでに第1の幅方向WL1に向かって屈曲している。これにより、接触部66が、折り返し部65に対し幅方向WLにズレた位置に配置される。端子部材61Aは、屈曲部67Aが幅方向WL内側に屈曲するようにガスセンサ1に組み付けられる。すなわち、基端部68から接触部66に向かうに従い、屈曲部67Aは検出素子10の幅方向WL内側に位置する。
【0047】
図6に示すように、第2種の端子部材61Bは、
図4に示す第1種の端子部材61Aとは左右を逆にした部材である。すなわち、素子当接部69Bが備える屈曲部67Bの屈曲する方向が、第1種の端子部材61Aとは逆である。その他の構成については、第1種の端子部材61Aと同様の構成である。よって、同様の構成については第1種の端子部材61Aと同一の符号を付すと共に説明を省略する。屈曲部67Bは、基端部68から接触部66に至るまでに第2の幅方向WL2に向かって屈曲している。
【0048】
図7に示すように、第3種の端子部材61Cは、素子当接部69Cの構成が第1種の端子部材61Aと異なる。その他の構成については第1種の端子部材61Aと同様の構成であるため、同様の構成については第1種の端子部材61Aと同一の符号を付すと共に説明を省略する。素子当接部69Cは、屈曲部67A,68Bを有していない。また、素子当接部69Cは、凸部79を有する。凸部79は、第2の電極端子部32に実際に接触する部分である。
【0049】
A−3.セパレータ200の詳細構成:
図8は、セパレータ200の外観斜視図である。
図9は、セパレータ200を軸線方向CLの先端側CL1から見た図である。ここで理解の容易の為に、
図9では、検出素子10が収容される位置を点線で記載している。
図8及び
図9に示すように、セパレータ200は、先端から略中央まで軸線方向CLに貫通した貫通孔である収容室230を備える。収容室230には、端子部材61のうち先端側CL1に位置する部分(「端子先端部」とも呼ぶ)と、検出素子10のうち電極端子部30が配置された後端部12とが収容される。
【0050】
収容室230は、外周部分に先端から後端まで軸線方向CLに貫通した貫通孔である第1〜第5の端子収容室211〜215を有する。また、収容室230内には、3つの隔壁202,204,206と、2つの側面隔壁244,248とを有する。第1の端子収容室211と第5の端子収容室215にはそれぞれ、第2種の端子部材61Bが収容される。第3の端子収容室213と第4の端子収容室214にはそれぞれ、第1種の端子部材61Aが収容される。第2の端子収容室212には、第3種の端子部材61Cが収容される。第1〜第5の端子収容室211〜215にはそれぞれ、フレーム本体部60の先端側CL1部分が収容される。
【0051】
第1の隔壁202は、第1の端子収容室211と第2の端子収容室212との間に配置されている。第2の隔壁204は、第2の端子収容室212と第3の端子収容室213との間に配置されている。第3の隔壁206は、第4の端子収容室214と第5の端子収容室215との間に配置されている。第1〜第3の隔壁202,204,206は、セパレータ200の一部材であり、絶縁性セラミックによって形成されている。また、第1〜第3の隔壁202,204,206は、収容室230内を軸線方向CLに亘って形成されている。
【0052】
図9に示すように、第1の側面隔壁244は、検出素子10の第1の側面16と対向する。第1の側面隔壁244は、セパレータ200の外周の一部を形成する周囲壁242から検出素子10の第1の側面16に向かって突出する。第1の側面隔壁244は、第3の端子収容室213と第5の端子収容室215との間に位置する。すなわち、第1の側面隔壁244は、検出素子10の厚さ方向TL両側を挟んで対向する一対の端子部材61A,61Bの間に位置する。
【0053】
図9に示すように、第2の側面隔壁248は、検出素子10の第2の側面17と対向する。第2の側面隔壁248は、セパレータ200の外周の一部を形成する周囲壁243から検出素子10の第2の側面17に向かって突出する。第2の側面隔壁244は、第1の端子収容室211と第4の端子収容室214との間に位置する。すなわち、第2の側面隔壁244は、検出素子10の厚さ方向TL両側を挟んで対向する一対の端子部材61A,61Bの間に位置する。第1と第2の側面隔壁244,248は、セパレータ200の一部材であり、絶縁性セラミックによって形成されている。また、第1と第2の側面隔壁244,248は、収容室230内を軸線方向CLに亘って形成されている。ここで、第1と第2の側面隔壁244,248を区別することなく総称して用いる場合は、側面隔壁249と呼ぶ。
【0054】
図10は、セパレータ200に端子部材61を収容した図である。
図11は、
図10の斜視図である。ここで、
図10は、軸線方向CLの先端側CL1からセパレータ200を見た時の図である。セパレータ200に検出素子10と端子部材61とを組み付ける際には、まず、
図10及び
図11に示すように端子部材61をセパレータ200内に配置する。
【0055】
図12は、セパレータ200に端子部材61と検出素子10を収容した様子を軸線方向CLの先端側CL1から見た時の図である。セパレータ200に端子部材61を収容した後に、電極端子部30が接触部66,79に接触するように検出素子10の後端部12を軸線方向CLの後端側CL2に向かってセパレータ200内に挿入する。検出素子10の後端部12がセパレータ200内に挿入されることで、素子当接部69A,69B,69C(
図5〜
図7)がフレーム本体部60(
図5〜
図7)に近づく方向に変位する。これにより、接触部66,79が電極端子部30に弾性接触する。
【0056】
図12に示すように、幅方向WLに隣り合う2つの端子部材61A,61Bにおいて、接触部66間の幅方向WLの距離を距離L1とする。また、幅方向WLに隣り合う2つの端子部材61A,61Bにおいて、フレーム本体部60間の幅方向WLの距離を距離L2とする。この場合、ガスセンサ1は、距離L1<距離L2の関係を満たす。なお、幅方向WLに隣り合う2つの端子部材61A,61Bは、屈曲部67A,67Bを有する端子部材61A,61Bである。また、幅方向WLに隣り合う2つの端子部材61A,61Bにおいて、2つのフレーム本体部60の間には、隔壁202,204,206が配置されている。
【0057】
また、
図4及び
図12に示すように、第1種の端子部材61Aと第2種の端子部材61Bのフレーム本体部60のそれぞれは、検出素子10よりも幅方向WLにおいて外側に位置する。すなわち、第1種の端子部材61Aおよび第2種の端子部材61Bのフレーム本体部60の側面のうち、幅方向内側に位置する内側面(位置決め部63a)は、長さL3だけ検出素子10の側面よりも幅方向WL外側に位置する。
【0058】
また、
図5,
図6,及び,
図12に示すように、側面隔壁249は、検出素子10の厚さ方向TL両側を挟んで対向する位置に配置された一対のフレーム本体部60の間に位置する。また、第1の側面隔壁244は、一対のフレーム本体部60の幅方向WL外側に位置するそれぞれの外側面63bよりも幅方向WL内側に位置する。詳細には、第1の側面隔壁244は、フレーム本体部60の外側面63bよりも距離L4だけ幅方向WL内側に位置する。なお、第2の側面隔壁248についても同様の関係を有する。
【0059】
ここで、第1種の端子部材61Aおよび第2種の端子部材61Bが課題を解決するための手段に記載の「端子部材」に相当する。また、
図12に示すように、幅方向WLに隣り合う第1種の端子部材61Aと第2種の端子部材61Bとが、課題を解決するための手段に記載の「幅方向に隣り合う2つの端子部材」に相当する。また、
図12に示すように、厚さ方向TLに向かい合う第1種の端子部材61Aと第2種の端子部材61Bとがそれぞれ備えるフレーム本体部60が、課題を解決するための手段に記載の「一対のフレーム本体部」に相当する。また、第1の側面隔壁244及び第2の側面隔壁248が、課題を解決するための手段に記載の「側面側壁」に相当する。
【0060】
A−4.効果:
上記実施形態によれば、幅方向WLに隣り合う第1種の端子部材61Aと第2種の端子部材61Bとが屈曲部67A,67Bを有する(
図4,
図6)。これにより、ガスセンサ1は、距離L2>距離L1の関係を満たす(
図12)。よって、幅方向WLに隣り合う2つの端子部材61A,61Bのフレーム本体部60の間隔(距離L2)を開けつつ、幅方向WLに隣り合う第1種と第2種の端子部材61A,61Bの素子当接部69A、69Bと検出素子10の電極端子部30との接触を良好に図ることができる。幅方向WLに隣り合う2つの端子部材61A,61Bのフレーム本体部60の間隔を開けることで、幅方向WLに隣り合う2つの端子部材61A,61B同士が電気的に接続する可能性を低減でき、ガスセンサ1の検出精度を向上できる。以上のように、上記実施形態によれば、例えば、検出素子10が幅方向WLに小型化した場合であっても、電極端子部30と、端子部材61A,61Bとの接触を良好に図りつつ、幅方向WLに隣り合う端子部材61A,61Bのフレーム本体部60同士が電気的に接続する可能性を低減できる。
【0061】
特に本実施形態では、第1種の端子部材61Aのフレーム本体部60と、第2種の端子部材61Bのフレーム本体部60とのそれぞれにおいて、側面のうち幅方向WL内側に位置する内側面(位置決め部63a)は、検出素子1よりも幅方向WL外側に位置している。これにより、幅方向WLに隣り合うフレーム本体部60の間隔を十分に開けることができる。よって、幅方向WLに隣り合う端子部材61A,61B同士が電気的に接続する可能性を更に低減でき、ガスセンサ1の検出精度を更に向上できる。
【0062】
また、上記実施形態では、幅方向WLに隣り合う2つの端子部材61A,61Bにおいて、一方の端子部材61Aのフレーム本体部60と、他方の端子部材61Bのフレーム本体部60との間には絶縁性を有する隔壁202,204,206が配置されている(
図12)。これにより、幅方向WLに隣り合う2つのフレーム本体部60同士が電気的に接続する可能性をより一層低減でき、ガスセンサ1の検出精度をより一層向上できる。
【0063】
また、上記実施形態では、第1種の端子部材61Aと第2種の端子部材61Bとのそれぞれにおいて、接触部66の幅W1は、折り返し部65の幅W2よりも狭い(
図4,
図6)。これにより、折り返し部65の剛性の低下を抑制しつつ、接触部66によって電極端子部30に加える弾性力(接圧)を大きくできる。よって、第1種の端子部材61A及び第2種の端子部材61Bと、電極端子部30との電気的な接続が切断される可能性を低減できる。
【0064】
また、上記実施形態では、検出素子10の第1の側面16と対向する第1の側面隔壁244を有する。この第1の側面隔壁244は、検出素子10の厚さ方向TL両側を挟んで対向する位置に配置された一対のフレーム本体部60のうちのそれぞれの外側面63bよりも距離L4だけ幅方向WL内側に位置する(
図12)。なお、検出素子10を挟んで第1の側面隔壁244と幅方向WLに対向する第2の側面隔壁248についても同様の関係を有する。これにより、第1の側面隔壁244と検出素子10との幅方向WLの間隔を小さくできる。また、第2の側面隔壁248と検出素子10との幅方向WLの間隔も小さくできる。よって、ガスセンサ1の振動等によって検出素子10が幅方向WLに動こうとした場合でも、第1と第2の側面隔壁244,248が検出素子10に衝突することで、検出素子10の幅方向WLの動きを規制できる。よって、検出素子10のガスセンサ1内における位置ズレを抑制できる。また、隔壁204,206と第1の側面隔壁244との間、及び、隔壁202,206と第2の側面隔壁248との間で端子部材61がそれぞれ配置されるため、端子部材61が幅方向WLに動こうとした場合でも、端子部材61が側面隔壁244,248及び隔壁202,204,206に衝突することで、端子部材61の幅方向WLの動きを規制できる。よって、端子部材61のセパレータ200の組み付け時における位置ズレを抑制できる。
【0065】
B.変形例
B−1.第1変形例:
上記実施形態では、第1種と第2種の端子部材61A,61Bがそれぞれ屈曲部67A,67Bを有していたが、少なくとも第1種の端子部材61Aが屈曲部67Aを有していれば良い。つまり、第1種と第2種の端子部材61A,61Bのうちの少なくとも一方の端子部材61A.61Bが屈曲部67A,67Bを有していれば良い。このようにしても、これにより、ガスセンサ1は、距離L2>距離L1の関係を満たすことから、上記実施形態と同様に、ガスセンサ1の検出精度を向上できる。
【0066】
B−2.第2変形例:
上記実施形態では、検出素子10は5つの電極端子部31〜35を備えていたが、電極端子部の数はこれに限定されるものではない。例えば、検出素子10は、第2の電極端子部32を有さず、4つの電極端子部31,33,34,35を有していても良い。
【0067】
B−3.第3変形例:
第1種と第2種の端子部材61A,61Bの形状は上記実施形態に限定されるものではなく、屈曲部67A,67Bを有していれば他の形状も採用できる。例えば、第1種と第2種の端子部材61A,61Bの一部が、軸線方向CLと直交する面に沿って捻じれていても良い。
【0068】
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、省略することが可能である。