特許第5952789号(P5952789)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5952789
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】硬貨入出金装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20160630BHJP
   G07D 3/14 20060101ALI20160630BHJP
   G07G 1/00 20060101ALN20160630BHJP
【FI】
   G07D9/00 418Z
   G07D3/14
   !G07G1/00 331A
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-184188(P2013-184188)
(22)【出願日】2013年9月5日
(65)【公開番号】特開2015-52845(P2015-52845A)
(43)【公開日】2015年3月19日
【審査請求日】2014年10月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 英一
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−075749(JP,A)
【文献】 特開2008−107861(JP,A)
【文献】 実開平06−051963(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
G07D 3/14
G07G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬貨投入口から硬貨収納部まで設けられ、上下に対向した搬送ベースと搬送ベルトとにより硬貨を上下から挟み込んで搬送する搬送部と、
前記搬送部に設けられ、当該搬送部を搬送される硬貨を識別する硬貨識別部と、
前記硬貨識別部よりも前記硬貨投入口側の前記搬送ベースの一部に設けられ、当該搬送ベースの一部が閉じた閉状態と、前記搬送ベースの一部が開いて硬貨を硬貨取出口に排出可能な開状態との間で切り替える開閉機構と、
前記硬貨識別部における硬貨詰まりを検出する検出手段と、
前記検出手段が前記硬貨詰まりを検出すると、前記硬貨収納部側から前記硬貨投入口側に向けて前記搬送ベルトを搬送駆動するとともに、前記開閉機構を前記開状態として前記搬送ベルトにより搬送される前記硬貨を前記硬貨取出口に排出する制御手段と、
を備える硬貨入出金装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記搬送ベルトを前記硬貨収納部側から前記硬貨投入口側に向けて搬送駆動を開始した後に、前記開閉機構を前記開状態とする、請求項1に記載の硬貨入出金装置。
【請求項3】
前記開閉機構から排出された硬貨を前記硬貨取出口まで搬送する第2搬送ベルトと、
前記検出手段が前記硬貨詰まりを検出すると、前記第2搬送ベルトを前記硬貨取出口に向けて搬送駆動する第2制御手段と、を更に備える請求項1または2に記載の硬貨入出金装置。
【請求項4】
前記開閉機構は、
前記搬送ベースに設けられた孔と、
前記閉状態では前記孔を覆い、前記開状態では前記硬貨収納部側の端部を前記搬送ベルト側に開いて前記孔を開放する蓋と、を備え、
当該蓋は、前記開状態において前記搬送ベルトを通過させるスリットを有する、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の硬貨入出金装置。
【請求項5】
前記検出手段が前記硬貨詰まりを検出すると、前記硬貨取出口に硬貨が排出されることを報知する報知手段を更に備える、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の硬貨入出金装置。
【請求項6】
硬貨投入口から硬貨収納部まで設けられ、上下に対向した搬送ベースと搬送ベルトとにより硬貨を上下から挟み込んで搬送する搬送部と、
前記搬送部に設けられ、当該搬送部を搬送される硬貨を識別する硬貨識別部と、
前記硬貨識別部よりも前記硬貨投入口側の前記搬送ベースの一部に設けられ、当該搬送ベースの一部が閉じた閉状態と、前記搬送ベースの一部が開いて硬貨を硬貨取出口に排出可能な開状態との間で切り替える開閉機構と、
を備えた硬貨入出金装置を制御するコンピュータを、
前記硬貨識別部における硬貨の検出時間が所定時間以上となった場合に、硬貨詰まりを検出したとする検出手段と、
前記検出手段が前記硬貨詰まりを検出すると、前記硬貨収納部側から前記硬貨投入口側に向けて前記搬送ベルトを搬送駆動するとともに、前記開閉機構を前記開状態として前記搬送ベルトにより搬送される前記硬貨を前記硬貨取出口に排出する制御手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、硬貨入出金装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケット、百貨店、レストラン等の流通小売店舗においては、硬貨入出金装置が用いられている。硬貨入出金装置は、硬貨を金種ごとに硬貨収納部に格納し、POS(Point Of Sales)装置等から出力された釣銭額の硬貨を出金する。出金する硬貨は、事前に入金口に投入され、金種別に収納されている。入金口から投入された硬貨は、硬貨収納部まで搬送される前に、各種センサを有する硬貨識別部により、識別される。硬貨識別部は、硬貨のサイズや材質を識別し、金種、並びにリジェクトすべき硬貨(古銭、外国銭、ゲーム用硬貨、変形硬貨等)であるか否かを識別する。
【0003】
一般的に、硬貨識別率向上のためにセンサと搬送硬貨とは近接配置している。それ故、搬送中の硬貨に傷、汚れ、曲がり等の変形が有る場合にはセンサ近傍において硬貨詰まりが発生しやすい。硬貨詰まりが発生した場合には、店員が硬貨入出金装置の内部を開放して詰まってしまった硬貨(リジェクト硬貨)を手やピンセット等で取り除かなければならない。このように従来技術においては、硬貨詰まりを解消しづらく、硬貨詰まりが発生した際に会計業務が滞ってしまうという課題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、硬貨詰まりを解消し易くすることができる硬貨入出金装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の硬貨入出金装置は、搬送部と、硬貨識別部と、開閉機構と、検出手段と、制御手段とを備える。前記搬送部は、硬貨投入口から硬貨収納部まで設けられ、上下に対向した搬送ベースと搬送ベルトとにより硬貨を上下から挟み込んで搬送する。前記硬貨識別部は、前記搬送部に設けられ、当該搬送部を搬送される硬貨を識別する。前記開閉機構は、前記硬貨識別部よりも前記硬貨投入口側の前記搬送ベースの一部に設けられ、当該搬送ベースの一部が閉じた閉状態と、前記搬送ベースの一部が開いて硬貨を硬貨取出口に排出可能な開状態との間で切り替える。前記検出手段は、前記硬貨識別部における硬貨詰まりを検出する。前記制御手段は、前記検出手段が前記硬貨詰まりを検出すると、前記硬貨収納部側から前記硬貨投入口側に向けて前記搬送ベルトを搬送駆動するとともに、前記開閉機構を前記開状態として前記搬送ベルトにより搬送される前記硬貨を前記硬貨取出口に排出する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態にかかる釣銭機の外観斜視図である。
図2図2は、釣銭機の内部構造を概略的に示す平面図である。
図3図3は、入金用搬送部の構造を概略的に示す平面図である。
図4図4は、ジャム解消用リジェクト部を閉状態として、硬貨を収納部に搬送する場合の動作を示す図である。
図5図5は、ジャム解消用リジェクト部を開状態として、硬貨をリジェクト用搬送部から排出する場合の動作を示す図である。
図6図6は、釣銭機の電気的接続を示すブロック図である。
図7図7は、釣銭機が実行する硬貨リジェクト処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本実施形態ではPOS装置に接続される釣銭機1を硬貨入出金装置として用いる場合について説明する。尚、実施形態はこれに限定されず、セルフPOS装置などに組み込まれる釣銭機に本実施形態の硬貨入出金装置を適用してもよい。また、以下では、複数の図面に示される同様の構成について同一符号を付して示し、重複する説明を省略する場合がある。
【0008】
図1は、本実施形態にかかる釣銭機1の外観斜視図である。釣銭機1は、奥行が長い筐体2を備えている。筐体2の上面手前側の右側には、上方に開口した硬貨投入口3が設けられている。硬貨投入口3は、筐体2内へ収容する硬貨を受け入れる口であり、複数枚の硬貨を投入することができる。硬貨投入口3の底は、平ベルトの上方側外周面によって形成されている。平ベルトの幅は、最大径硬貨の直径と略同じである。平ベルトの上方側外周面は、平ベルトの駆動回転によって装置奥側に向けて移動し、硬貨投入口3内の硬貨を装置の奥に向けて送る。硬貨投入口3の奥側には、平ベルトと略同じ幅のゴムローラが回転自在に設けられている。ゴムローラは、平ベルトと最大厚硬貨1枚の厚み分の間隔を以って平ベルトの上方側外周面上に配置されている。ゴムローラの平ベルト対向側外周面は、硬貨投入口3の手前側上方に向かって回転する。硬貨投入口3に投入された硬貨は、平ベルトとゴムローラとの回転によって1枚ずつ装置の奥側に順次送られる。筐体2の前面左側には硬貨払出口4が設けられている。硬貨払出口4は、釣銭を払い出す口である。硬貨払出口4の手前側の筐体2には、硬貨払出口4が払い出した硬貨を受ける受皿5が設けられている。
【0009】
また、硬貨投入口3の手前下側の筐体2には、変形硬貨や外国銭、偽貨等、釣銭機1内に収容すべきではない硬貨(リジェクト硬貨)を返却するためのリジェクト口6(硬貨取出口)が設けられている。リジェクト口6の手前側の筐体2には、リジェクト口6が排出した硬貨を受け止める受皿7が設けられている。本実施形態では、筐体2内部で詰まったジャム硬貨がリジェクト口6から受皿7内に排出される。
【0010】
リジェクト口6近傍の受皿7の内側には、リジェクト口6から硬貨が排出されることを報知するためのLED17が複数並んで設けられている。尚、LED17が設けられる場所はリジェクト口6近傍であれば特に限定されない。LED17の個数や配列も特に限定されない。リジェクト硬貨やジャム硬貨が排出される際にはLED17が点灯(点滅発光でもよい)するので、リジェクト口6から硬貨が排出されることを気づき易い。
【0011】
筐体2の上面手前側の左側には操作表示部14が設けられている。操作表示部14は、釣銭の払い出し操作を開始するボタン等を有する操作部15と、入金額、出金額およびエラーメッセージ等を表示する表示部16を備えている。
【0012】
図2は、釣銭機1の内部構造を概略的に示す平面図である。釣銭機1は、筐体2内部に、収納部8、入金用搬送部9、識別部10、リジェクト部11およびジャム解消用リジェクト部12を備えている。
【0013】
入金用搬送部9は、硬貨投入口3から1枚ずつ繰り出された硬貨を、所定の間隔を以って収納部8の手前まで順次送る。リジェクト部11は、入金用搬送部9の下流側(収納部8の直前)に配置されている。識別部10は、硬貨投入口3の直後に設けられている。識別部10は、硬貨の種類の識別や、硬貨が正常か異常かの識別を行う。収納部8は、リジェクト部11で排除されなかった硬貨を金種ごとに収納する。収納部8内の硬貨は、制御部50(図6参照)の制御に基づき、装置外に払い出される。
【0014】
リジェクト部11は、識別部10によって異常とされた硬貨(リジェクト硬貨)を入金用搬送部9の搬送路外に排除する。排除された硬貨は、入金用搬送部9の下方に設けられたリジェクト用搬送部13(図4参照)によってリジェクト口6まで搬送され、リジェクト口6から受皿7に排出される。ジャム解消用リジェクト部12については図3ないし図5を用いて説明する。
【0015】
図3は、入金用搬送部9の構造を概略的に示す平面図である。入金用搬送部9は、搬送ベース91、搬送ベルト92、および搬送ガイド93を主に備えている。搬送ベース91は、金属製の平板であり、硬貨Cの下面を支える。尚、他の構成部材の一面を搬送ベースとして用いても良い。
【0016】
搬送ベルト92は、釣銭機1の手前側と奥側に設けられた一対のローラ(不図示)に張架され、当該ローラの回転により回転駆動されるエンドレスベルトである。搬送ベルト92は、断面円の丸ベルトで構成されている。搬送ベルト92は、硬貨Cの上面に接して硬貨Cに搬送力を与える。換言すれば、搬送ベルト92の下方側外周面は、硬貨Cの表面(または裏面)に当接し、回転することで硬貨Cを引き摺りながら収納部8の手前まで搬送する。
【0017】
搬送ガイド93は、硬貨Cの右端位置を規定するガイド面94を有し、搬送ベース91の右端上方に重ねられている。ガイド面94は、硬貨Cの周面に接して硬貨Cを片寄せ案内する。
【0018】
識別部10は、磁気センサ、光センサ、重量センサ等を用いて、硬貨Cの材質、大きさ、重量等を計測ならびに識別する。識別部10は、外径センサ101、材質センサ102aおよび厚みセンサ102b、硬貨寄せセンサ103を有する。また、識別部10は、外径センサ101、材質センサ102a、厚みセンサ102bによって硬貨Cの種別または正否を識別する。
【0019】
外径センサ101は搬送ベース91に埋め込まれ、その上面が搬送ベース91の上面と略同面になっている。材質センサ102aと厚みセンサ102bとは、硬貨搬送路を上下から挟むように最大厚硬貨厚み分の間隙を以って対向配置されている(図4図5参照)。即ち、材質センサ102aは、厚みセンサ102bと少なくとも硬貨Cの厚み分だけ間隙を空けて、少なくとも一部分で対向している。
【0020】
硬貨寄せセンサ103は、搬送ガイド93の上部に設けられている。硬貨寄せセンサ103は、光学センサ等を用いて、搬送される硬貨がガイド面94に片寄せされて搬送されているか否を識別する。
【0021】
尚、外径センサ101、材質センサ102a、厚みセンサ102bおよび硬貨寄せセンサ103の機能構成、配置は特に限定されない。識別部10はその他の構成を有していてもよい。
【0022】
リジェクト部11は、識別部10によりリジェクト硬貨と識別された硬貨を入金用搬送部9からリジェクト用搬送部13に排出する。図3に示すように、リジェクト部11は、孔111、シャッタ部材112、ソレノイド113を主に備えている。孔111は、搬送ベース91の一部をくりぬいて設けられている。孔111の幅は最小径硬貨の直径と略同じで、長さは最大径硬貨の直径より僅かに大きい。シャッタ部材112は、通常、孔111の搬送ガイド93側を塞いでいる。シャッタ部材112はソレノイド113の可動芯(ブランジャ)116に支持されている。
【0023】
シャッタ部材112は、ソレノイド113の可動芯116の出入りに応じて回転軸115回りに回転する。これによりシャッタ部材112は孔111の搬送ガイド93側を覆う位置と開放する位置との間を移動する。シャッタ部材112が孔111の搬送ガイド93側を開放すると、搬送ガイド93に沿って搬送されてくる硬貨Cの搬送ガイド93側が孔111に落ち込む。シャッタ部材112が孔111の搬送ガイド93側を塞いでいると、搬送ガイド93に沿って搬送されてくる硬貨の搬送ガイド93側はシャッタ部材112によって下方から支持され、そのまま孔111上を通過する。
【0024】
ここで、硬貨Cに変形等があると、硬貨Cが識別部10近傍に詰まることがある。そこで本実施形態の釣銭機1は、識別部10近傍の硬貨ジャムを解消するために、硬貨投入口3から識別部10までの搬送ベース91に、ジャム解消用リジェクト部12を備えている。
【0025】
ジャム解消用リジェクト部12は、制御部50(図6参照)の制御に基づいて開状態と閉状態とを切り替える開閉機構として機能する。閉状態のジャム解消用リジェクト部12は、搬送ベース91の上面に沿った状態となり、入金用搬送部9により搬送される硬貨Cを収納部8に向けて搬送可能とする。開状態のジャム解消用リジェクト部12は、搬送ベース91の一部を開放して、硬貨投入口3と識別部10との間の搬送ベース91上の硬貨をリジェクト口6(図1参照)に排出可能とする。
【0026】
ジャム解消用リジェクト部12は、材質センサ102aの手前側(硬貨投入口3側)から硬貨Cの最大径D以上離間させることが望ましい。これにより、材質センサ102aの手前側端部に最大径の硬貨が引っ掛かった場合であっても、当該硬貨をジャム解消用リジェクト部12から排出することができる。尚、識別部10において外径センサ101或いは硬貨寄せセンサ103が最も硬貨投入口3寄りに設けられる場合、当該最も硬貨投入口3寄りの構成物とジャム解消用リジェクト部12との間が最大径D以上離間していることが望ましい。
【0027】
ジャム解消用リジェクト部12は、搬送ベース91に設けられた孔121と、蓋122と、ソレノイド123(図4参照)とを主に備えている。
【0028】
孔121の大きさは、収納部8に収納される最大径の硬貨が孔121を通過できる大きさである。硬貨は搬送ベース91に対して傾いた状態で孔121内に落とし込まれればよいので(図5参照)、孔121の開口面積は最大径の硬貨の上面面積より大きくなくともよい。孔121の形状は特に限定されず、図3に示すように長方形であってもよいし、正方形、楕円形、円形あるいはその他の形状であってもよい。
【0029】
蓋122は、孔121の硬貨投入口3側の内側面に軸124によって支持されている。従って蓋122は、収納部8側の端部が搬送ベルト92側に開いて、孔121を開放する。蓋122の収納部8側の端部であって搬送ベルト92に対向する部分には、スリット125が設けられている。スリット125の幅は、その内側に搬送ベルト92を通過可能とする幅である。これにより、蓋122上方に位置する搬送ベルト92側に蓋122が開いた場合に、蓋122と搬送ベルト92との干渉を避けることができる。即ち、搬送ベルト92の回転を妨害せずに蓋122を搬送ベルト92側に開くことができる。
【0030】
次に、蓋122のより詳細な構造および開閉動作について説明する。図4および図5は、入金用搬送部9、ジャム解消用リジェクト部12、リジェクト用搬送部13の概略断面図である。
【0031】
図4に示されるように、蓋122は蓋上部30と蓋下部40とを備えている。閉状態において、蓋上部30の上面31は搬送ベース91の上表面と略同面となる。蓋上部30のサイズ及び形状は閉状態の上面31が孔121の開口面全てを覆わずともよい。即ち、蓋上部30は、閉状態において上面31上を搬送される硬貨が孔121に落下しないサイズ及び形状であればよい。
【0032】
蓋下部40は、蓋上部30の下部に設けられ、ソレノイド123の可動芯123aに支持されている。ソレノイド123は可動芯123aを出入りさせ、蓋122の開閉を行う。即ち、蓋122を開く場合、ソレノイド123は可動芯123aを図5に示すように突出させる。これにより可動芯123aは蓋下部40を図5右側方向に押し出す。蓋122は軸124回りに回動して、蓋上部30が孔121を開放した開状態となる。また、蓋122を閉じる場合、ソレノイド123は可動芯123aを図4に示すように吸引する。これにより蓋122は軸124回りに回動して、蓋上部30が孔121を覆う閉状態となる。
【0033】
次に、硬貨を収納部8に搬送する場合の動作(図4)と、硬貨をリジェクト用搬送部13から排出する場合の動作(図5)について説明する。
【0034】
図4に示すように、硬貨Cを収納部8に搬送する場合、釣銭機1はジャム解消用リジェクト部12を閉状態とする。そして釣銭機1は搬送ベルト92を図4中矢印に示すように反時計回りに回転させて、硬貨Cを硬貨投入口3(図2参照)側から収納部8側に向けて搬送する。
【0035】
ここで図5に示すように、硬貨C1が材質センサ102aの端部に引っ掛かって硬貨ジャムが発生したとする。釣銭機1は、後述する検出方法により硬貨詰まりを検出すると、図5中矢印に示すように搬送ベルト92を時計回りに回転させる。即ち、釣銭機1は搬送ベルト92を収納部8(図2参照)側から硬貨投入口3側に向けて逆搬送する。これによりジャム硬貨C1および後続の硬貨C2は、硬貨投入口3側(図5左側)に押し戻される。
【0036】
釣銭機1は、搬送ベルト92を硬貨1枚分程度逆搬送し、図5に示すようにジャム解消用リジェクト部12を開状態とする。蓋上部30にはスリット125(図3参照)が設けてあるため、搬送ベルト92は搬送力を弱めることなく逆回転を続け、ジャム硬貨C1を孔121の位置まで押し戻すことができる。
【0037】
そして釣銭機1は、ソレノイド123の可動芯123aを突出させて蓋122を開ける。蓋122は、収納部8側の端部が搬送ベルト92側に開く。従って、蓋上部30の下面32は、図5に示すように、逆搬送されてくるジャム硬貨C1を受け止めて孔121内部に導く。そしてジャム硬貨C1はリジェクト用搬送ベルト131上に落下する。
【0038】
このように、蓋122の下面32は逆搬送されてくるジャム硬貨C1をリジェクト用搬送部13に導くガイド面として機能する。あるいは下面32は、ジャム硬貨C1が硬貨投入口3側に戻り過ぎてしまうことを防ぐストッパとして機能するとも言える。
【0039】
また、釣銭機1は硬貨詰まり検出後、図5中矢印に示すようにリジェクト用搬送ベルト131を受皿7側に向けて搬送開始する。従ってリジェクト用搬送ベルト131上に落下したジャム硬貨C1は、リジェクト用搬送ベルト131によってリジェクト口6まで搬送され、受皿7に排出される。
【0040】
一方、後続の硬貨C2は、蓋上部30(蓋122)の上面31上、或いは蓋122よりも硬貨投入口3側に押し戻される。蓋上部30は収納部8側(図5右側)の端部が高くなるように、即ち当該端部が搬送ベルト92側に近づくように開く。従って、開いた蓋122の上面31が壁となって後続の硬貨C2が孔121に落ちることを防止できる。また、後続の硬貨C2を入金用搬送部9に残せるため、ジャム硬貨C1の排出後に搬送ベルト92を再度正回転させて入金動作を続行することができる。
【0041】
尚、図4図5では、搬送ベース91に材質センサ102aが設けられ、搬送経路上方に厚みセンサ102bが設けられる構成を示したが、材質センサ102aと厚みセンサ102bの上下配置は逆であってもよい。
【0042】
次に、釣銭機1の制御処理について説明する。図6は、釣銭機1の電気的接続を示すブロック図である。釣銭機1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される制御部50を備えている。ROMは各種プログラムを格納している。RAMは展開用のメモリであり一時的にデータを格納する。CPUは、ROMに格納された本実施形態のプログラムをRAMに展開して実行することにより制御部50として機能する。
【0043】
制御部50には、バス60を介して、識別部10、操作表示部14、通信I/F(Interface)61、モータ制御部62、63、ソレノイド制御部64、65、LED制御部66等が接続されており、制御部50はこれら各部を制御する。また、制御部50は、通信I/F61および無線或いは有線LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続されたPOS装置や紙幣入出金装置との間で情報入出力を行う。
【0044】
モータ制御部62は第1モータ72を駆動制御する。第1モータ72は図示しない一対のローラを回転駆動し、当該一対のローラに張架された搬送ベルト92を回転駆動する。モータ制御部63は第2モータ73を駆動制御する。第2モータ73は図示しない一対のローラを回転駆動し、当該一対のローラに張架されたリジェクト用搬送ベルト131を回転駆動する。
【0045】
ソレノイド制御部64はソレノイド113の可動芯116(図3参照)の出入りを制御する。ソレノイド113は可動芯116の出入りによってシャッタ部材112の開閉動作を行う。ソレノイド制御部65はソレノイド123の可動芯123a(図4参照)の出入りを制御する。ソレノイド123は可動芯123aの出入りによって蓋122の開閉動作を行う。LED制御部66はLED17の点灯、点滅、消灯を制御する。
【0046】
次に、制御部50の機能構成について詳述する。本実施形態の釣銭機1で実行されるプログラムは、ジャム検出部51、第1搬送制御部52、第2搬送制御部53、開閉制御部54、報知部55を含むモジュール構成となっている。CPU(プロセッサ)がROMからプログラムを読み出して実行することにより、上記各部が主記憶装置上にロードされる。そして、制御部50が有する機能として、上記各部が主記憶装置上に生成される。
【0047】
ジャム検出部51は、硬貨投入口3から識別部10までの入金用搬送部9における硬貨詰まりを検出する。識別部10近傍において硬貨ジャムが発生すると外径センサ101、材質センサ102a、厚みセンサ102b、硬貨寄せセンサ103のいずれかにおいて硬貨が検出された状態が続く。識別部10は硬貨の検出時間が所定時間以上となった場合に、識別部10近傍において硬貨滞留有り、即ち硬貨ジャム発生と判定する。尚、識別部10近傍とは、識別部10で硬貨を検出できる範囲のことをいう。
【0048】
尚、ジャム検出方法は上述した方法に限定されず、その他の検出方法を用いてもよい。例えば、ジャム検出部51は、硬貨投入口3に設けられた入金センサ18(図2参照)が硬貨を検出した時刻と、識別部10のいずれかのセンサが硬貨を検出した時刻との時間差に基づいて、硬貨滞留を検出してもよい。
【0049】
第1搬送制御部52は、第1モータ72の駆動制御を行って搬送ベルト92の回転駆動を制御する。より詳細には、第1搬送制御部52は、硬貨投入口3に設けられた入金センサ18が硬貨投入口3に投入された硬貨を感知すると、搬送ベルト92を正回転させて、硬貨投入口3側から収納部8側に向けて搬送駆動する。また、第1搬送制御部52は、ジャム検出部51が硬貨詰まりを検出すると、搬送ベルト92を逆回転させて、収納部8側から硬貨投入口3側に向けて搬送駆動(逆搬送)する。
【0050】
第2搬送制御部53は、第2モータ73の駆動制御を行ってリジェクト用搬送ベルト131の回転駆動を制御する。より詳細には、第2搬送制御部53は、識別部10がリジェクト硬貨有りと判定した場合に、リジェクト用搬送ベルト131をリジェクト口6側に向けて搬送駆動する。また、第2搬送制御部53は、ジャム検出部51が硬貨詰まりを検出すると、リジェクト用搬送ベルト131をリジェクト口6側に向けて搬送駆動する。
【0051】
開閉制御部54は、ソレノイド113の可動芯116およびソレノイド123の可動芯123aの出入りを制御する。より詳細には、開閉制御部54は、識別部10がリジェクト硬貨有りと判定すると、ソレノイド制御部64を介してソレノイド113の可動芯116を突出させる。これによりシャッタ部材112が移動して孔111が開放され、リジェクト硬貨が入金用搬送部9からリジェクト用搬送部13に排出される。
【0052】
また、開閉制御部54は、ジャム検出部51が硬貨詰まりを検出すると、ソレノイド123の可動芯123aを突出させ、ジャム解消用リジェクト部12を開状態とする。これにより、上述のように搬送ベルト92の逆搬送でリジェクト用搬送部13まで押し戻された硬貨は、入金用搬送部9からリジェクト用搬送部13に排出される。
【0053】
尚、開閉制御部54は、第1搬送制御部52が硬貨投入口3側に向けて搬送ベルト92の逆搬送を開始した後に、ジャム解消用リジェクト部12を開状態とすることが望ましい。このような動作順とすることで、詰まっていない後続の硬貨C2(図5参照)をジャム解消用リジェクト部12よりも硬貨投入口3寄り(図5左側)に戻してから、ジャム解消用リジェクト部12を開状態とすることができる。従って、後続の硬貨C2がジャム解消用リジェクト部12から排出されてしまうことを防止できる。
【0054】
報知部55は、識別部10がリジェクト硬貨有りと識別した場合、及び、ジャム検出部51が硬貨詰まりを検出した場合に、リジェクト口6から硬貨が排出されることを報知する。具体的には、報知部55は、LED制御部66を介してLED17を点灯させる。また、報知部55は、図示しないスピーカに上記報知内容の音声を出力させる。尚、報知部55は、表示部16に上記報知内容を表示してもよい。
【0055】
次に、釣銭機1が実行する硬貨リジェクト処理の手順について説明する。図7は、釣銭機1が実行する硬貨リジェクト処理の手順を示すフローチャートである。
【0056】
入金センサ18が硬貨投入口3に投入された硬貨を感知すると、第1搬送制御部52は搬送ベルト92を正回転させる(ステップS1)。搬送ベルト92は、硬貨投入口3側から収納部8側に向かって回転駆動を開始する。
【0057】
ジャム検出部51は、硬貨投入口3から識別部10にかけての入金用搬送部9で硬貨ジャムを検出したか否かを判定する(ステップS2)。硬貨ジャムを検出しない場合(ステップS2:No)にはステップS11に移行する。
【0058】
硬貨ジャムを検出した場合(ステップS2:Yes)、報知部55はLED17を点灯する(ステップS3)。また、報知部55は、硬貨ジャムが発生した旨、詰まっている硬貨を排出する旨、或いは変形硬貨をリジェクト口6に戻す旨などの報知音声をスピーカ(不図示)に出力させる(ステップS4)。
【0059】
第1搬送制御部52は、搬送ベルト92を逆回転して、搬送ベルト92を収納部8側から硬貨投入口3側に向かって逆搬送する(ステップS5)。第2搬送制御部53は、リジェクト用搬送ベルト131をリジェクト口6側に向けて回転させる(ステップS6)。次に、開閉制御部54は、ソレノイド123を制御して蓋122を回動させて孔121を開放し、ジャム解消用リジェクト部12を開状態とする(ステップS7)。
【0060】
ジャム硬貨はリジェクト用搬送ベルト131によりリジェクト口6まで搬送されて受皿7に排出される。第2搬送制御部53は、リジェクト用搬送ベルト131を停止する(ステップS8)。報知部55は、受皿7から硬貨が取り出されたか否かを判定する(ステップS9)。硬貨が取り出されない場合(ステップS9:No)には硬貨が取り出されるまで待つ(ステップS9)。硬貨が取り出された場合(ステップS9:Yes)、報知部55はLED17を消灯する(ステップS10)。
【0061】
一方、ステップS2:Noの場合に識別部10は、各種センサを制御して硬貨の識別処理を開始する(ステップS11)。識別部10は、識別部10を通過した硬貨がリジェクト硬貨であるか否かを判定する(ステップS12)。リジェクト硬貨である場合(ステップS12:Yes)はステップS13に移行する。リジェクト硬貨ではない場合(ステップS12:No)には正常硬貨の入金として識別処理を終了する。
【0062】
ステップS13において、報知部55はLED17を点灯する。また、報知部55は、リジェクト硬貨がある旨をスピーカ(不図示)に音声出力させる(ステップS14)。第2搬送制御部53は、リジェクト用搬送ベルト131の回転駆動を開始する(ステップS15)。開閉制御部54は、ソレノイド113を制御してシャッタ部材112を回動させて孔111を開放し、リジェクト部11を開状態とする(ステップS16)。
【0063】
リジェクト硬貨はリジェクト用搬送ベルト131によりリジェクト口6まで搬送されて受皿7に排出される。第2搬送制御部53は、リジェクト用搬送ベルト131を停止する(ステップS17)。報知部55は、受皿7から硬貨が取り出されたか否かを判定する(ステップS18)。硬貨が取り出されない場合(ステップS18:No)には硬貨が取り出されるまで待つ(ステップS18)。硬貨が取り出された場合(ステップS18:Yes)、報知部55はLED17を消灯する(ステップS19)。
【0064】
なお、本実施形態の釣銭機1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態の釣銭機1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0065】
さらに、本実施形態の釣銭機1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の釣銭機1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0067】
例えば、入金用搬送部9の構造は、硬貨投入口3から収納部8に硬貨を搬送しうる構造であればよく、図2ないし図5で記載した例に限定されない。上述では、入金用搬送部9(搬送ベース91、搬送ベルト92)は釣銭機1の筐体2の上面に沿う向きで筐体2の手前側から奥側にかけて設けられる例を示した。その他の例として、入金用搬送部9は筐体2の上面に対して傾けて設けてもよいし、垂直方向に設けてもよい。また、入金用搬送部9は筐体2の手前側から奥側にかけてではなく、左右方向に設けてもよい。
【0068】
また、上述では、リジェクト用搬送ベルト131により硬貨をリジェクト口6まで搬送する例について示したが、リジェクト用搬送部13の構成はこれに限定されない。その他の例として、ジャム解消用リジェクト部12下方からリジェクト口6にかけてスライダを設けてもよい。そして、孔121から排出された硬貨がスライダの斜面を滑走してリジェクト口6まで搬出される構成としてもよい。また、ジャム解消用リジェクト部12の下方に引き出しを設け、孔121から排出された硬貨を引き出しで受けてもよい。そして、筐体2の前面から、引き出しを抜いて硬貨を取り出せる構成としてもよい。
【0069】
また、蓋122の構成は上述した例に限定されない。図4図5では蓋122が蓋上部30と蓋下部40とを有する例について示したが、蓋122は蓋下部40を有さなくともよい。この場合には例えばソレノイド123ではなく軸124をモータ等により回動させて蓋122を開閉すればよい。また、その他の駆動力を用いて蓋122の開閉を行ってもよい。また、スライド開閉式のシャッタを用いてもよい。
【0070】
以上説明したとおり、本実施形態の釣銭機1は、硬貨詰まりを検出すると、搬送ベルト92を硬貨投入口3側に向けて逆搬送し、ジャム解消用リジェクト部12を開状態にする。これにより釣銭機1は硬貨をジャム解消用リジェクト部12の位置まで押し戻し、リジェクト口6に排出することができる。このように釣銭機1は、識別部10を通過できずに入金用搬送部9内で詰まってしまった硬貨をリジェクト口6に排出する。従って釣銭機1は、硬貨詰まりを容易に解消し、詰まった硬貨を取り出し易くすることができる。
【符号の説明】
【0071】
1…釣銭機、2…筐体、3…硬貨投入口、4…硬貨払出口、5…受皿、6…リジェクト口、7…受皿、8…収納部、9…入金用搬送部、10…識別部、11…リジェクト部、12…ジャム解消用リジェクト部、13…リジェクト用搬送部、18…入金センサ、30…蓋上部、31…上面、32…下面、40…蓋下部、50…制御部、51…ジャム検出部、52…第1搬送制御部、53…第2搬送制御部、54…開閉制御部、55…報知部、91…搬送ベース、92…搬送ベルト、101…外径センサ、102a…材質センサ、102b…厚みセンサ、103…硬貨寄せセンサ、111…孔、112…シャッタ部材、121…孔、122…蓋、123…ソレノイド、123a…可動芯、124…軸、125…スリット、131…リジェクト用搬送ベルト。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特許第2983738号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7